JP3673412B2 - パルス信号発生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パルス信号発生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
移動している物体の移動位置や移動速度に応じたパルス信号を得たり、種々な操作に応じたパルス信号を発生したりすることは、自動制御の分野や、電気および電子機器等の各種の分野において必要とされている。従来、この種のパルス信号を発生する手段としては、種々なものが開発され使用されてきているが、それらの代表的なもののうちの一つとして、電磁ピックアップがある。この電磁ピックアップは、磁性体、磁石、電気コイル等から構成されるもので、被検知物体の挙動により磁束密度が変化し、この変化により電気コイルに、電磁誘導作用により電圧が発生され、この電圧を、パルス信号として使用するものである。
【0003】
しかしながら、この種の電磁ピックアップは、次のような点で適用分野によっては、問題が多く、最適なものとは言えない場合が出てくる。すなわち、被検知物体の移動速度が極低速では、発生する電圧が低く、ノイズレベル近辺となってしまう。したがって、増幅回路を使用する場合、ノイズも増幅されるため、増幅前にノイズを除去するためのフィルタ回路等が必要となってしまう。反対に、被検知物体の移動速度が高速になると、発生される電圧も大きくなり、増幅回路の耐圧をオーバーする場合も出てきてしまうので、リミッターが必要となることもある。低速の場合には、被検知物体に径を大きくした補助リング等を取り付けて周速を上げて検出する方法もあるが、大型となり、部品点数も増えてしまう。また、移動速度が変化すると電圧の立ち上がりや立ち下がり時間が変化してしまう。正確なタイミングを検出したい場合には、複雑な信号処理が必要となる。その上、被検知物体の形状によって、電圧の波形が異なって来てしまう。
【0004】
別の代表例として、ホール効果を利用した位置センサ、角度センサ、速度センサ等の各種のセンサがあり、例えば、特開平2−284082号公報に開示されたようなホール効果型センサ装置がある。このホール効果型センサは、ホール素子と磁石とを使用し、被検知物体の挙動に応じてホール素子に対する磁束変化を生ぜしめて、それに応じてホール素子により電気信号を出力せしめるものである。しかしながら、先ず、この型のセンサでは、ホール素子を付勢しておくための電源が別個に必要であり、無電源とすることはできない。また、出力される電気信号も、一般的には、正弦波であり、鋭いパルス信号とすることはできない。被検知物体の移動速度が低速の場合には、出力電圧の立上りが低下してしまい、波形がつぶれてしまう。前述した電磁ピックアップと同様に、外部磁界の影響も受けやすく、また、熱ドリフトもあり、ノイズが入りやすく、より正確な検知信号とするためには、複雑な処理回路が必要となる。
【0005】
前述したような従来の電磁ピックアップやホール効果型センサとは別に、例えば、特開昭54−161257号公報に開示されているようなパルス信号発生装置を、同様の目的のセンサとして使用することが提案されている。この提案されているパルス信号発生装置は、磁気異方性の比較的ソフトな部分と比較的ハードな部分とを有する強磁性体からなる感磁要素と、その全体を正方向に磁化する第1磁界発生源および感磁要素の比較的ソフトな部分を負方向に磁化するための第2磁界発生源ならびに感磁要素の近くに配置された検出コイルとを固定し、この固定側に対し、第1磁界発生源の感磁要素に対する磁化作用を断続的に減殺させる可動体を組み合わせてなり、可動体の挙動により感磁要素に所定の変化を起こさせて、検出コイルにパルス電圧を発生させるようにしたものである。
【0006】
この従来のパルス信号発生装置は、無電源とすることができ、可動体が極低速でも一定のパルス電圧が得られ、しかも、外部磁界の影響を受けにくい点で、前述した従来の電磁ピックアップやホール効果型センサの代わりに使用することにより、それらが有していた問題点のいくつかを解消しうるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来提案されているパルス信号発生装置は、次のような問題点を初めとして多くの問題を有しているものであり、適用範囲が限られており、実用化にはほど遠いものである。すなわち、先ず、スリットを設けた可動体が必要である。この可動体は、第1磁界発生源および第2磁界発生源としての磁石や感磁要素よりも小さくできない。可動体のスリットは、放射状となるので分解能を上げるためには、可動体の径を大きくする必要がある。その上、可動体と磁石や感磁要素は、互いに平行とならなければならない。磁石が外部の磁界や金属に影響を受けて、動作が不安定となりがちである。被検知物体との位置関係において、前述したような電磁ピックアップやホール効果型センサと、どのような場合においても、互換できるものという分けにはいかない。例えば、ギヤ等の歯を直接的に検知するような配置とすることはできない。
【0008】
本出願人等は、前述したような従来技術の問題点を解消し、さらに広い応用分野を見出しうるようなパルス信号発生方法および装置を種々開発し、先に、特願平9−251540号、特願平9−313453号等にて、出願しているが、本願発明の目的は、これらを更に実際面にて改良したパルス信号発生装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、大バルクハウゼンジャンプを起こしうる磁性素子と、該磁性素子に生ずる大バルクハウゼンジャンプに応答しうる位置に配置された検出手段と、前記磁性素子を間に置き且つ磁極の向きが互いに反対となるようにして配置された磁石と磁気回路形成部材とからなる1対の磁界発生手段とを備えており、前記1対の磁界発生手段の同じ側の磁極は、磁性体である被検知物体を検出する検出部を構成しており、該検出部は、前記同じ側の磁極の一方ずつに順次に被検知物体が接近することに応答して、前記磁性素子に印加される磁界を変化させて、前記磁性素子に大バルクハウゼンジャンプを生ぜしめて、前記検出手段に該大バルクハウゼンジャンプに応じたパルス信号を発生せしめるようにすることを特徴とする。
【0011】
本発明の一つの実施の形態によれば、前記1対の磁界発生手段の前記磁気回路形成部材の前記同じ側の磁極とは反対側の端部は、磁気回路形成補助部材にて互いに接続されている。
【0012】
本発明の別の実施の形態によれば、前記磁気回路形成部材と前記磁気回路形成補助部材との接続位置は、可変とされている。
【0013】
本発明のさらに別の実施の形態によれば、前記磁性素子の端部は、前記磁気回路形成補助部材から所定の間隔を置いて離間されている。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面に基づいて、本発明の実施例について本発明をより詳細に説明する。
【0015】
本発明の種々な実施例について説明する前に、本発明において使用する“大バルクハウゼンジャンプを起こしうる磁性素子”(以下、単に磁性素子という場合がある)について概略説明しておく。先ず、一般的に知られているワイヤ状の複合磁性素子を例として、その構造と挙動について説明する。強磁性体を線引きして細いワイヤにしたものは、その合金組成とともに独特な磁気的性質を持つ。この強磁性体ワイヤにひねり応力を加えると、ワイヤの外周部付近ほど多くひねられ、中心部ほどひねられ方は少なくなり、このため外周部と中心部では磁気特性が異なることとなる。この状態を残留させる加工を施すと、外周部と中心部で磁気特性が異なる強磁性体の磁気ワイヤができる。そして、外周部の磁気特性は、比較的小さな磁界によってその磁化方向を変える。これに対して、中心部は、外周部よりも大きな磁界によってその磁化方向を変える。すなわち、一本の磁気ワイヤの中に比較的磁化され易い磁気特性を持つ外周部と、磁化されにくい中心部という2種類の異なった磁気特性を持つ複合磁性体が形成されている。この複合磁気ワイヤは、一軸異方性である。ここでは、外周部をソフト層、中心部をハード層と呼び、このような複合磁気ワイヤを、ワイヤ状の複合磁性素子と称する。
【0016】
この複合磁気ワイヤのハード層およびソフト層は、初期的には、どのような方向に磁化されているか定まっておらず、バラバラな磁化状態にある。この複合磁気ワイヤの長手方向、つまり軸線方向と平行に、ハード層の磁化方向を反転させるのに十分な外部磁界をかけると、ソフト層は、当然のこと、ハード層も磁化され同じ磁化方向にそろう。次に、ソフト層だけを磁化できるような外部磁界を、前とは逆方向にかける。その結果、複合磁気ワイヤのソフト層とハード層とでは磁化されている方向が逆であるという磁化状態ができる。一軸異方性であるから、この状態で外部磁界を取り去ってもソフト層の磁化方向は、ハード層の磁化に押さえられていて磁化状態は安定している。このときの外部磁界をセット磁界と呼ぶ。次に、セット磁界と反対方向の外部磁界をかけてこの磁界を増加させる。外部磁界の強さがある臨界強度を越すと、ソフト層の磁化方向は急激に反転する。この磁界を、臨界磁界と呼ぶ。このときの反転現象は、雪崩をうつような状態でソフト層の磁壁が移動して一瞬のうちに磁化反転が起きる。この結果、ソフト層とハード層の磁化方向は同じとなり最初の状態に戻る。外部磁界は臨界磁界よりも大きな磁界をかけておく。この磁界を、リセット磁界と呼ぶ。この雪崩をうつように磁化状態が反転する現象を大バルクハウゼンジャンプという。磁化反転の速度は、この大バルクハウゼンジャンプのみに依存していて外部磁界には無関係である。
【0017】
“大バルクハウゼンジャンプを起こしうる磁性素子”について、ワイヤ状の磁性素子を例に挙げて説明してきたのであるが、本発明においては、このようなワイヤ状の磁性素子に限らず、同様の挙動を示す他の種々な磁性素子を使用できるものである。また、前述した磁性素子は、ハード層とソフト層とを有するものであったが、大バルクハウゼンジャンプを起こしうる磁性素子としては、このようなハード層とソフト層との複合層を有していないような磁性素子でも可能である。例えば、特開平4−218905号公報に開示されているような薄膜形成技術を使用することにより、薄膜状の磁性体を形成し、これを、薄膜状の磁性素子として使用することもできる。また、この磁性素子は、厚膜状でも板状でもよい。したがって、ここでいう“大バルクハウゼンジャンプを起こしうる磁性素子”は、前述したような挙動を示す種々な磁性素子のすべてを含むものである。
【0018】
次に、本発明の一実施例としてのパルス信号発生方法を実施するパルス信号発生装置の構成および動作について説明する。図1は、この実施例のパルス信号発生装置の構成を概略的に示している。図1のパルス信号発生装置は、ワイヤ状素子である磁性素子1と、この複合磁性素子1の周りに巻回された検出コイル2と、磁性素子1を間に置き且つ磁極の向きが互いに反対となるようにして配置された磁石(3または4)と磁気回路形成部材(6または7)とからなる1対の磁界発生手段とを備えている。これら1対の磁界発生手段の同じ側の磁極3Aおよび4Aは、例えば、歯車5の歯部5A、5B、・・・5Xである被検知物体の順次の接近に応答して、磁性素子1に印加される磁界を変化させて、磁性素子1に大バルクハウゼンジャンプを生ぜしめて、検出手段としての検出コイル2に該大バルクハウゼンジャンプに応じたパルス信号を発生せしめるようにする検出部を構成している。
【0019】
この実施例では、1対の磁界発生手段3および6、および4および7は、磁性素子1の延在方向と一致した方向に磁軸を有しており、全体の長さがLで、永久磁石3および4の長さがL/2で、磁性体て形成された磁気回路形成部材6および7の長さがL/2とされている。磁性素子1の長さは、ほぼL/2に等しくされている。
【0020】
次に、図1および図2を特に参照して、このような構成を有するパルス信号発生装置の動作について説明する。図1の状態においては、歯車5の歯部5Aが一方の磁界発生手段の永久磁石3のN極3Aに丁度対面した位置にあり、先行する歯部5Xは、他方の磁界発生手段の永久磁石4のS極4Aとの対面位置から既に外れた位置にあり、この状態で、このパルス信号発生装置は、セット状態になっている。歯車5は、矢印方向に移動しているとし、図2は、歯車5が移動して、歯車5の歯部5Aが他方の磁界発生手段の永久磁石4のS極4Aと丁度対面する位置にきて、後続の歯部5Bが一方の磁界発生手段の永久磁石3のN極3Aに未だ対面した位置とはなっていない状態を示している。図2の状態で、このパルス信号発生装置は、リセット状態となり、磁性素子1に大バルクハウゼンジャンプを生ぜしめて、検出コイル2に1つのパルス信号を発生せしめる。以後、歯車5の歯部が1対の磁界発生手段の永久磁石3および4の同じ側の磁極3Aおよび4Aの近傍を通過する毎に、そのことを示すパスル信号が検出コイル2に発生されていく。
【0021】
このように、本発明によるパルス信号発生装置によれば、磁性素子1において発生する大バルクハウゼンジャンプによる磁化状態の変化を、検出コイル2にて電磁誘導作用によるパルス電圧として検出するものである。したがって、被検知物体である歯車5の歯部5A、5B等の速度に関係なく、その歯部の存在、不存在に応じて磁性素子1に大バルクハウゼンジャンプが確実に起こされ、それに応じて確実にパルス信号を発生させることができるのである。このように、本発明によれば、被検知物体の速度が極めて遅い場合でも、検出が可能である。パルス信号として発生されるパルス電圧は、常に、一定の電圧、位相関係を保つ。すなわち、本発明によって発生されるパルス電圧の振幅は、被検知物体の速度に関係なく、所定の一定レベルを保ち得るのである。
【0022】
図1および図2を参照して、本発明のパルス信号発生装置の動作について、概略的に前述したのであるが、次に、その動作原理について、より詳細に説明する。図3から図6は、このような動作原理を説明するための概略図であり、図3は、歯車の歯部のような被検知物体が無い時における、1対の磁界発生手段である永久磁石3および磁気回路形成部材6と永久磁石4および磁気回路形成部材7の間に配置された磁性素子1に及ぼされる磁界を矢印を用いて示している。図3に示す状態において、上側の磁界発生手段3および6と下側の磁界発生手段4および7との間に挟まれた磁性素子1が2つの磁界発生手段の丁度中心に配置されていて、且つ上側と下側の永久磁石の大きさ、強さおよび磁気回路形成部材6および7の大きさ、形状等が同じである場合には、磁性素子1上の磁界は0(零)になる。何故ならば、図3に矢印で示す上側の磁界発生手段によって磁性素子1に及ぼされる正方向磁界と、下側の磁界発生手段によって磁性素子1に及ぼされる負方向磁界とは、大きさが同じであり、互いに相殺し合うからである。
【0023】
図4は、図1に対応するセット状態を示しており、被検知物体である歯車5の歯部5Aが上側の磁界発生手段の永久磁石3のN極3Aに丁度対面している時における、1対の磁界発生手段の間に配置された磁性素子1に及ぼされる磁界を矢印を用いて示している。図4のセット状態においては、上側の磁界発生手段によって磁性素子1に及ぼされる正方向磁界の大きさは、永久磁石3からの磁束の相当部分が磁性体である被検知物体である歯部5Aの方へと流れて分路されてしまうことにより、矢印で示すように小さくなる。一方、下側の磁界発生手段の永久磁石4のS極4Aには、被検知物体である歯部5Xは対面した状態となっていないので、下側の磁界発生手段によって磁性素子1に及ぼされる負方向磁界の大きさは、図3に示した状態の場合と実質的に変わらない。したがって、図4に示すセット状態においては、磁性素子1には、全体として負方向磁界が印加されていることになる。この負方向磁界を、ここでは、第二磁界という。
【0024】
図5は、図2に対応するリセット状態を示しており、被検知物体である歯車5の歯部5Aが上側の磁界発生手段の永久磁石3のN極3Aとの対面状態から外れ、下側の磁界発生手段の永久磁石4のS極4Aに丁度対面するようになった時における、1対の磁界発生手段の間に配置された磁性素子1に及ぼされる磁界を矢印を用いて示している。図5のリセット状態においては、下側の磁界発生手段によって磁性素子1に及ぼされる負方向磁界の大きさは、永久磁石4からの磁束の相当部分が磁性体である被検知物体である歯部5Aの方へと流れて分路されてしまうことにより、矢印で示すように小さくなる。一方、上側の磁界発生手段の永久磁石3のN極3Aには、被検知物体である歯部5Bは対面した状態から外れているので、下側の磁界発生手段によって磁性素子1に及ぼされる正方向磁界の大きさは、図3に示した状態の場合と実質的に変わらない。したがって、図5に示すリセット状態においては、磁性素子1には、全体として正方向磁界が印加されることになる。この正方向磁界を、ここでは、第一磁界という。
【0025】
前述したような図3、図4および図5に示した状態において、磁性素子に印加される磁界をグラフで示すと、図6のようになる。このように第二磁界、第一磁界の順で磁性素子に磁界を与えることにより、磁性素子に大バルクハウゼンジャンプが起きて、パルス信号を発生させることができるのである。
【0026】
次に、前述した実施例の如く、磁性素子1を磁界発生手段の前側(被検知物体側)半分以下に配置するのが好ましい理由について、特に、図7を参照して説明する。図1に示した状態から図2に示した状態へと被検知物体が移動すると、磁界発生手段3および6と磁界発生手段4および7との間の中心に配置された磁性素子1上の磁界は、図7に示すように変化する。図7において、参照符号”図1”を付して示す曲線は、図1のリセット状態における磁界発生手段の長さ方向に沿って延在する磁性素子1の延在方向線上における磁界の変化を示しており、参照符号”図2”を付して示す曲線は、図2のリセット状態における磁界発生手段の長さ方向に沿って延在する磁性素子1の延在方向線上における磁界の変化を示している。図7において、0点の磁界幅がL点に比べて大きいのは、被検知物体に近いためである。
【0027】
ここで、磁性素子1を磁界発生手段の全長に亘るようにして設ける場合には、すなわち、磁性素子1を0点からL点までに亘るようにして設ける場合には、0点からL/2点までは、正負の交番磁界を使うことができるが、L/2点からL点の部分は、負正の交番磁界を使うことになり、磁性素子1内で磁界がぶつかりあう状況になり、セット状態とリセット状態との間の磁性素子に印加される磁界の変化幅をそれほど大きくとれず、場合によっては良好な大バルクハウゼンジャンプを得ることができないことが考えられる。
【0028】
これに対し、前方か後方のどちらか半分、すなわち、0点からL/2点またはL/2点からL点までのみに亘るように磁性素子1を配置する場合には、磁界がぶつかりあうということはなくなり、また、前方、すなわち、0点からL/2点までのみに亘るように磁性素子1を配置する場合には、交番磁界の幅がより大きくなるので、より良好な大バルクハウゼンジャンプを引き起こすことができるのである。
【0029】
この点をグラフ上で明らかにするのは難しいので、数値的に説明を補足すると、前方の磁界の大きさ(絶対値)を5、後方の磁界の大きさ(絶対値)を2とすると、前方の半分のみに磁性素子を配置した場合は、±5の交番磁界、後方の半分のみに磁性素子を配置した場合は、±2の交番磁界、永久磁石の全長に亘って磁性素子を配置した場合は、前方−後方で±3の交番磁界ということになる。
【0030】
磁界発生手段を、永久磁石と磁気回路形成部材との組み合わせにより構成したことにより、磁性素子に作用する所定の磁界を発生させるために、使用すべき永久磁石の大きさを小さくでき、それだけ、コストを削減できる。また、使用する磁性素子の長さが種々変化しても、磁界発生手段を構成する永久磁石と磁界回路形成部材の長さの割り合いを種々変えることにより、容易に対応することができる。
【0031】
さらにまた、前述した実施例では、図1において磁界発生手段の永久磁石3と永久磁石4との間の離間距離は固定のものとして説明したが、この離間距離は、可変のものとしておくこともできる。離間距離を可変としておくことにより、例えば、歯車の歯部のピッチ等が異なる被検知物体にも容易に対応させて、それらに応じたパルス信号を正確に発生することができるように調整することができる。
【0032】
図8は、本発明の別の実施の形態としてのパルス信号発生装置の構成を示す概略図である。このパルス信号発生装置の基本的な構成および動作原理は、前述した実施例のものと実質的に同じであるので、それらの点については繰り返し説明せず、異なる点についてのみ以下説明する。
【0033】
この実施の形態のパルス信号発生装置においては、一方の磁界発生手段の磁気回路形成部材6の端部と、他方の磁界発生手段の磁気回路形成部材7の端部との間が、磁性体で形成された磁気回路形成補助部材8にて互いに接続されている。そして、磁性素子1の長さは、永久磁石3および4の長さより長くされているが、磁性素子1の端部は、磁気回路形成補助部材8から所定の間隔を置いて離間されている。
【0034】
次に、このように磁気回路形成補助部材8を設けることの効果について、特に図9および図10を参照して説明する。前述したように、磁気回路形成補助部材8がない場合には、図9に実線で示すように、1対の磁界発生手段の間の中心に沿う方向の磁界は、L/2の点で正負反転する。これに磁気回路形成補助部材8を図8に示すように接続すると、図9に点線で示すように、この正負反転する点をL側に近づけることができ、特性を落とさず装置全体を小さくでき、コスト低減を計ることができる。
【0035】
この点さらに補足して説明すると、図10に略示するように単純に磁石を並べ間を空間にすると、矢印のような磁界が発生される。ここで、2個の磁石の中心に磁性素子を置くと、前側では上側のN極から下側のS極へと空間内へと曲がり込んだ磁界が発生し、後側では下側のN極から上側のS極へと空間内へと曲がり込んだ磁界が発生する。これら2つの磁界は、磁性素子の中心でぶつかり合い、磁性素子の中心で絶対値が0となってしまう。今、この後側に磁性材を磁気回路形成補助部材8のように入れると、図10の後側の磁界の殆どは、磁気回路形成補助部材8の中を流れ磁性素子に与える影響は少なくなる。よって、後側の磁界が弱くなった形になり、磁性素子上の磁界はL点に近い部分でぶつかり合うようになる。
【0036】
さらに、磁気回路形成補助部材8の磁気回路形成部材6および7に対する接続位置を可変としておくと、すなわち、図8に矢印を付して示す方向に磁気回路形成補助部材8を移動できるものとしておくと、磁性素子に作用する磁界を容易に調整することができ、常に、良好な大バルクハウゼンジャンプを引き起こさせて、確実にパルス信号を発生させるようにすることができる。
【0037】
なお、前述した実施例では、磁性素子1としてワイヤ状素子を使用したのであるが、前述したように、本発明は、これに限らず、種々な形の磁性素子を使用することができ、例えば、薄膜状、厚膜状または板状の磁性素子を使用することもできる。このように、磁性素子として薄膜状、厚膜状または板状素子を使用した場合には、検出コイル2も平面コイルとすることも考えられる。さらにまた、前述したような磁性素子に代えて、単層の磁性素子を使用することもできる。
【0038】
また、前述した実施例では、検出手段は、コイルとしたのであるが、これは、ホール素子、MR素子、共振回路等、他の同様の手段に置き換えることができる。
【0039】
【発明の効果】
極超低速の直線および回転速度でも検出が可能である。パルス信号として得られるパルス電圧は、常に一定の電圧、位相関係を保つことができるので、ノイズレベル以下に埋もれてしまうこともなく、リミッターが必要となることもない。
【0040】
極めて高い分解能を得ることが可能であり、正確なタイミングが測定できる。
【0041】
磁石および磁気回路形成部材からなる磁界発生手段で磁性素子を挟む構成であるので、外部からの磁界の影響を受け難い。
【0042】
被検知物体は、磁性体であればそれ自体を検出対象とすることができ、可動体を別個に設けるような必要はない。また、無電源とすることが可能である。さらにまた、防爆型にまとめることも容易にできる。
【0043】
磁石、磁気回路形成部材、磁気回路形成補助部材、磁性素子、検出コイルのみの構成で、装置をコンパクトにまとめ、シンプル構造とすることができる。
【0044】
磁石間の離間距離を可変とすることにより、被検知物体が歯車等の歯部等である場合においては、種々なピッチ(歯部の間隔)の歯車に対応させて離間距離を調整することにより、非常に容易に常に正確に歯部を検出することができる。
【0045】
磁界発生手段を磁石と磁気回路形成部材とで構成したことにより、使用する永久磁石の大きさを小さくすることができ、それだけコスト低減を計ることができる。
【0046】
磁気回路形成部材および磁気回路形成補助部材を使用することにより、磁性素子に作用する磁界を調整することが容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのパルス信号発生方法を実施するパルス信号発生装置の構成を概略的に示し、セット状態にあるところを示す図である。
【図2】図1のパルス信号発生装置のリセット状態にあるところを示す図1と同様の概略図である。
【図3】図1のパルス信号発生装置の動作原理を説明するための原理図である。
【図4】図1のパルス信号発生装置の動作原理を説明するための図1に対応する原理図である。
【図5】図1のパルス信号発生装置の動作原理を説明するための図2に対応する原理図である。
【図6】図3、図4および図5に示した状態において、磁性素子に印加される磁界を示す図である。
【図7】本発明のパルス信号発生装置において磁石に対する磁性素子の配置位置について説明するための図である。
【図8】本発明の別の実施の形態としてのパルス信号発生装置の構成を示す概略図である。
【図9】図8のパルス信号発生装置における磁気回路形成補助部材の効果について説明するための図である。
【図10】図8のパルス信号発生装置における磁気回路形成補助部材の効果について説明するための図である。
【符号の説明】
1 磁性素子
2 検出コイル
3 永久磁石
3A N極
4 永久磁石
4A S極
5 歯車
5A 歯部
5B 歯部
5X 歯部
6 磁気回路形成部材
7 磁気回路形成部材
8 磁気回路形成補助部材

Claims (4)

  1. 大バルクハウゼンジャンプを起こしうる磁性素子と、該磁性素子に生ずる大バルクハウゼンジャンプに応答しうる位置に配置された検出手段と、前記磁性素子を間に置き且つ磁極の向きが互いに反対となるようにして配置された磁石と磁気回路形成部材とからなる1対の磁界発生手段とを備えており、前記1対の磁界発生手段の同じ側の磁極は、磁性体である被検知物体を検出する検出部を構成しており、該検出部は、前記同じ側の磁極の一方ずつに順次に被検知物体が接近することに応答して、前記磁性素子に印加される磁界を変化させて、前記磁性素子に大バルクハウゼンジャンプを生ぜしめて、前記検出手段に該大バルクハウゼンジャンプに応じたパルス信号を発生せしめるようにすることを特徴とするパルス信号発生装置。
  2. 前記1対の磁界発生手段の前記磁気回路形成部材の前記同じ側の磁極とは反対側の端部は、磁気回路形成補助部材にて互いに接続されている請求項1に記載のパルス信号発生装置。
  3. 前記磁気回路形成部材と前記磁気回路形成補助部材との接続位置は、可変とされている請求項2に記載のパルス信号発生装置。
  4. 前記磁性素子の端部は、前記磁気回路形成補助部材から所定の間隔を置いて離間されている請求項2または3に記載のパルス信号発生装置。
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