JP3673115B2 - スライド・スイング式ドア装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、開口部を開閉するドア装置に係り、とくに、ドアパネルをその幅(横)方向にスライドさせながらその前後方向にスイングさせて開閉するスライド・スイング式ドア装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般の住居用家屋やビルなどの建物や構造物において使用されるドア開閉の方式には種々のものがある。
【0003】
これを開閉動作の様式から分類すると、スイング式、スライド式、折り畳み式、回転式などがある。スイング式は、ドアを成す1枚又は複数のパネル体を蝶番で固定された縦軸を中心に例えば90°スイングさせる方式であり、スライド式は、パネル体をその横幅方向にスライドさせる方式である。さらに折り畳み式は、ドアを構成する複数のパネル体を折り畳みながら横幅方向の一方に移動させる方式である(例えば、実開平3−74784号「折れ戸開閉装置」参照)。さらに回転式は、2枚の例えばガラスドアを互いに水車羽根状に交差させた構造体を回転させながら開閉させる方式である。これらの開閉方式はさらにそれぞれ、手動方式、自動方式に分類される。
【0004】
上述した各種のドア開閉方式には一長一短があり、それぞれの用途に応じて使い分けられる。
【0005】
スイング方式のドアは、比較的簡単なドア構造になるが、ドアを成すパネル体が一つの縦軸を中心にスイングする構造であるため、その開閉方向で1/4円分の空間を空けておく必要があり、この空間が無駄になることが多い。
【0006】
またスライド方式のドアの場合、スイング方式のような無駄な空間は無くなるが、スライド移動されるパネル体自体を収納するスペースが必要で、この収納スペースを一般の住居用家屋では確保することは通常、難しく、この方式は住居用家屋では多用されていない。
【0007】
さらに回転方式のドアは、その占有スペースが大きく、大形の建物には設置できるのが、一般家屋では殆ど不向きである。
【0008】
さらに折畳み方式のドアは、上述したスイング方式、スライド方式の中間に位置するもので、パネル体の収納スペースを壁などの中に確保する必要はなく、また開閉移動するパネル体が占有するスペースもドア出入り方向に出っ張らないので、一般家屋でも昨今多用される傾向にある。しかし、この折畳み方式のドアの場合、ドア開放時に複数のパネル体が折り重なった状態でドア横幅方向の一方に寄せられるため、人が通るための面積が減少してしまうという不都合がある。とくに、昨今の住宅事情を鑑みると、狭い空間を有効に利用してなるべく大きい通過面積を確保したい、とする要請がある。
【0009】
このような状況に鑑みて、近年、スライド方式とスイング方式を併用した形式のスライド・スイング方式のドア装置が提供され始めている。このドア装置の第1の例は、ポールなどの支柱の上下端にスライドおよびスイング用のアームまたは蝶番の一方の支軸をそれぞれ取り付け、このアームまたは蝶番のもう一方の支軸をドアパネル(パネル体)の上端面および下端面にそれぞれ取り付ける一方で、ドアパネル上端面に吊り車(例えば6輪吊り車)の支軸を取り付け、この吊り車を開口部上部の吊りレールに沿わせるという構造のものである。
【0010】
また、第2の例として、上述した第1の例に係る構造の内、ドアパネルの下端に取り付けるアームまたは蝶番をスライドおよびスイング動作を補助する目的で簡易な構造のアームとし、その代わりに床面にガイドレールを設置し、このガイドレールにドアパネル下端面に設けるガイドを沿わせるという構造のものも知られている。
【0011】
さらに、第3の例として、開口部を画成する枠体自体の側柱の上下端に上述したアームまたは蝶番を取り付ける構造のもの知られている。この範疇に入る構造例として近年提案されているのは、上述した吊りレールおよび吊り車から成る吊り構造を採用するとともに、開口部を形成する枠体の側壁または側柱自体の上部所定位置とドアパネルの上端面所定位置との間にスライド・スイング用蝶番を取付け且つドアパネル下端側に補助的なスライド・スイング用アームを取り付けるとともに、上述した床面ガイドレール構造を併用した構造のものも提案されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のスライド・スイング式ドア装置にあっては、美観的側面、ドア設置工事および保守の容易さ、さらには使い勝手などの面から不満があった。
【0013】
例えば、上述した第1の例に係るポールなどの支柱を用いるドア構造の場合、この支柱をそのまま露出することは美観を損なうので、この支柱を隠蔽するために袖壁を作などの余分な工事が必要であり、設置コストを上昇させていた。
【0014】
また、第2および第3の例に係るドア構造の場合、床面にガイドレールを敷設する必要があるので、昨今の傾向であるバリアフリー化の要請に応じることができない。とくに、車椅子の利用者や高齢者にとって、床面にガイドレールがあると走行し難いものになる。高齢化社会においては自宅で車椅子を使用する人も増えることが予想されるが、そのような場合にガイドレールの存在は歓迎されない。
【0015】
加えて、床面に敷設したガイドレールには、塵や埃がたまり易く、掃除の手間を増やすとともに、埃や塵がスムーズなドア開閉を阻害することもある。勿論、そのようなガイドレールは美観的にも優れているとは言い難い。
【0016】
さらに、第3の例のように、開口部を形成する枠体の側壁または側柱にスライド・スイング用蝶番を直接取り付ける構造にあっては、枠体の立て付けの経年変化などに因る歪みの影響を受け易いという問題もある。また、ドアパネルの脱着が面倒であり、位置合わせの要素が多いことから、保守作業の手間も増える。
【0017】
またドア装置全体に求められる昨今の傾向として、仕切り性(密閉性、遮音性)、開閉時の操作性、開閉に要するドアスペースのコンパクト化など、ドアの機能そのもののほか、ドアがその周囲の構造体と美観上、極力、マッチしていることが市場的に強く求められている。スライド・スイング式のドア装置とて例外ではなく、例えば蝶番など、ドアパネル以外の開閉に要する機構の存在を極力目立たなくする必要がある。
【0018】
本発明は、このような従来のドア装置が直面している状況に鑑みてなされたもので、ドア機能として本来的に求められている良好な仕切り性、開閉操作の容易化、開閉に要するドアスペースのコンパクト化、装置全体のコンパクト化に加え、立て付け工事や保守が容易であり、バリアフリー化して使い勝手にも優れたスライド・スイング式ドア装置を提供することを、その第1の目的とする。
【0019】
また本発明は、上述した第1の目的に加え、蝶番や開閉機構の存在が目立つこと無く、ドアパネルがその周囲の構造体に対し美観的に極力、調和する等、ドア装置全体としての体裁上の価値を高めたスライド・スイング式ドア装置を提供することを、その第2の目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成させるため、本発明に係るスライド・スイング式ドア装置は、建物の床面上に開口部を形成する上枠及び両縦枠から成る3方枠体に設けられるとともに、前記開口部の幅方向及び縦方向にそれぞれ所定長さを有し且つ当該開口部の前後方向に所定厚さを有する開閉用の扉体を備える。この扉体を、前記3方枠体の一方の縦枠の前記開口部の側の側面に沿って配置され且つ前記上枠及び床面の間に回転可能に支持された回転堅柱と、前記回転堅柱に隣接して前記上枠と床面との間で回転可能に支持され且つドア閉時には前記回転堅柱の外観形状と一体化させた外観形状を有するドアパネルとで形成し、前記回転堅柱を、当該回転堅柱の前記縦方向の上端及び下端それぞれの面の前記前後方向の中心位置であって前記幅方向で同じ位置にそれぞれ設けられた回転軸を介して前記上枠及び床面との間に回転可能に支持させる。その一方で、本ドア装置は、前記回転堅柱の上端部に一端が剛結され且つ前記ドアパネルの上端面の所定位置に他端を回転自在に取り付けた回転吊りアームと、前記回転堅柱の下端部に一端が剛結され且つ前記ドアパネルの下端面の所定位置に他端を回転自在に取り付けた回転下部アームと、前記上枠と前記ドアパネルおよび回転堅柱との間に前記開口部の幅方向に沿って設けた吊りレールと、前記ドアパネルを前記吊りレールに沿ってスライド自在に吊持する吊り車とを更に備える。
【0021】
とくに、前記回転堅柱を、前記ドアパネルの少なくとも半分の荷重を保持可能な強度を持たせて形成するとともに、前記吊り車を、前記ドアパネルの少なくとも半分の荷重を保持可能な強度を持たせて形成することが望ましい。
【0022】
また、前記回転堅柱と前記ドアパネルが一体化した外観形状として、当該回転堅柱及び当該ドアパネルの前記前後方向の厚さが前記所定厚さであって互いに同じであり、当該回転堅柱及び当該ドアパネルの前記縦方向の長さが前記所定長さであって互いに同じであることが望ましい。
【0023】
また、好適には、前記パネルの前記回転堅柱に対向する側面部の一方の角部をその縦方向全体に渡って切除し、この切除部に前記回転堅柱を配置する構成を採る。このとき、例えば、前記縦枠に対して前記回転堅柱の長手方向の一部を当該回転堅柱が回動自在な状態で保持する中間ガイドを設けてもよい。
【0024】
さらに好適には、前記回転堅柱及び前記ドアパネルの互いの対向する側面同士がドア閉時につくる隙き間を、前記縦方向にわたって前記前後方向に非直線状になる形状又は前記幅方向に対して非直交する形状に形成することである。
【0025】
また、別の好適な態様は、前記ドアパネルと前記回転堅柱との間、および、そのパネルと前記枠体の回転堅柱とは反対側の縦枠との間を同時にロックおよびアンロック可能なマグネット構造の双頭の鍵を設けることである。
【0026】
さらに、前記回転堅柱の上下端に前記回転吊りアーム及び前記回転下部アームを夫々固設した状態で当該回転堅柱を前記枠体及び床面に着脱自在に取り付けるピボット手段を備える、ことも好適な態様の1つである。
【0027】
さらに、前記回転吊りアームと前記回転下部アームの各々両端の前記回転竪柱及び前記ドアパネルへの取り付け位置は、この回転竪柱及びドアパネルの前後方向の中心位置に一致させることも好適な態様の1つである。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき説明する。
【0029】
(第1の実施形態)
第1の実施形態を図1〜図11に基づき説明する。
【0030】
この実施形態にかかるドア装置は、1枚のドアパネルを使用し、このドアパネルを並行してスライド動作及びスイング動作させるスライド・スイング方式(手動方式)を採用している。なお、以下の説明において、ドアパネルを開閉する開口部の横幅方向を単に「幅方向」と、開口部の縦(上下)方向を単に「縦方向」と、開口部の開口面に直交する方向を単に「前後方向」と称し、それぞれ、図1に表したX,Y,Z軸の方向に対応させる。
【0031】
図1に示すように、3方枠体11および床面12により部屋の出入り口を成す開口部OPが画成される。3方枠体11は、上枠11uと、その両側の縦枠11s,11sとが一体に形成されて成る。3方枠体11の内側に、本実施形態に係るドア装置が取付けられる。
【0032】
このドア装置は、支柱部分を一体化させた扉体13と、この扉体13をスライド・スイング可能に支持する支持機構とを備える。この支持機構は、吊りレール14、上部ピボット15、下部ピボット16、6輪吊り車17、回転吊りアーム18、および回転下部アーム19を含む。また、ドア装置は、室外側および室内側のドアノブ20a,20b、ロック機構としての双頭の鍵21、美観上、封止性の観点から設ける、両方の縦枠11sに沿って位置する隙間用化粧柱22、23、および扉体13および上枠11u間に位置する外カバー24、内カバー25(図4参照)をも備える。
【0033】
3方枠体11の上枠11uは、図1に示すように、その幅方向の2/3以上の所定領域を一部切除し、この切除部分に吊りレール14を埋め込んでいる。
【0034】
本実施形態に係るドア装置の扉体13は、従来から言われているドアパネルとそのドアパネルをスイング自在に支持する支柱部分とを美観的に一体化させたことを1つの特徴とする。ここで言う「一体化」は、少なくともドアパネルの厚さ(前後方向)、高さ(縦方向)などの形状を指す。これに加えて、表面色などの仕上げの調和も一体化の項目に入れてもよい。したがって、ドア閉時にはドアパネル本体と支柱部分とは殆ど1枚のドアパネルに見え、従来のように支柱部分を隠蔽する造作をすることもなく、美観上優れたものになる。
【0035】
このドア装置において、扉体13は、上記支柱部分としての回転堅柱31と、ドアパネル32(ドア体、戸体)とから成る。ドアパネル32および回転堅柱31は、互いにフラットな側面を所定間隔の隙間を介して1枚板状に併置させてなる一体化形状を有する。すなわち、ドアパネル32および回転堅柱32によってドア閉時には所定厚さを有する略長方形を成し、そのサイズは開口部OPの矩形形状に適宜なマージンで収まるように形成されている。
【0036】
この内、ドアパネル32は開口部OPを開閉する開閉体の主要部を成すもので、その幅方向の長さは開閉に十分なサイズに設定されている。ドアパネル32の材質は本実施形態ではアルミなどの金属で形成されているが、後述するように、木材、樹脂、ガラスなど、適宜なものを使用できる。勿論、ドアパネルの中央にガラス面を入れることもできる。
【0037】
回転堅柱31は、上部の回転吊りアーム18および回転下部アーム19によりドアパネル32をスイング可能に支持する機能を担うもので、その幅方向の長さは短めに設定されている。回転堅柱31の材質はここではドアパネル支持の十分な剛性を得るため金属で形成しているが、必ずしもこれに限定されない。回転堅柱31および回転吊りアーム18がドアパネル32からの吊り荷重に対して堅牢な構造であることが重要で、反りや歪みに耐えように設計される。かかる剛性を得ることができれば材質は問わないが、形状はドアパネルと一体化させている。表面塗装、仕上げ色、模様、面材なども両者で調和させることが望ましい。なお、ドアパネル32の吊り荷重は回転吊りアーム18(すなわち回転堅柱31)および6輪吊り車17により支持する2点支持構造になっている。
【0038】
図1において、吊りレール14の左端部内に上部ピボット15が固設される一方、この上部ピボット15の真下の対向する床面12上に下部ピボット16が埋設される。上部ピボット15はピボット構造に構成され、その軸15aが回転堅柱31の上端面の回転軸31aに脱着自在に連結される。この回転軸31aにはスペーサ33を介して回転吊りアーム18が剛結されている。一方、回転堅柱31の下端面の回転軸31bにはスペーサ34を介して回転下部アーム19が剛結されている。この回転軸31bは下部ピボット16に脱着自在に取り付けられる。両方の回転軸31a,31bは共に共通の支軸を形成するようにドア面内の縦方向に関して位置を合わせてある。
【0039】
回転堅柱31と回転吊りアーム18および回転下部アーム19の3者は溶接またはボルト等で固定したコ字状を成す一体構造になっている。このため、上部ピボット15および下部ピボット16を支点とした回転運動が両アーム18、19に狂い無く同時に伝達される。
【0040】
回転下部アーム19にはドアパネル32の吊り荷重(垂直荷重)を掛けない構造であり、このアーム19はスイング動作をスムーズに案内する機能を担う。このため、回転下部アーム19は薄い鋼材でも十分、長年の使用に耐え得る。ただし、この回転下部アーム19の厚さ自体は薄くても(数ミリ程度)、スイング動作に耐え得る十分な強度を有している。
【0041】
回転下部アーム19は図1、8および9に示すように、ドアパネル32の回転支軸側であって室外側の端部を所定長さにわたって切除した直方体状の切除部32cに収まるようになっている。切除部32cの床面からの高さ(隙間)は約10mmに抑えられ、美観的に影響の無いように配慮されている。この切除部32cは室内側からはブラインドになる。つまり室内側からみると、ドアパネル32の下端面は一直線に伸びた体裁のよい構造を成し、且つ、床面12とドアパネル32との間の隙間Δdは極めて小さい、数ミリ程度(例えば2、3mm)の値に設定できる。このため、床面12との間の仕切り性が極めて良くなる。床面12には勿論、従来のガイドレールのような溝体は敷設されない。
【0042】
この結果、回転堅柱31がドア面に垂直な面内でスイングすると、これと一体に回転吊りアーム18および回転下部アーム19もスイングする。
【0043】
ドアパネル32および回転堅柱31は、吊りレール14の真下の位置、すなわち回転吊りアーム18の真下の位置にそれらのレール及びアームと前後方向の中心位置を合わせて設置される。
【0044】
回転吊りアーム18は、図6および図7に詳述するように、回転堅柱31の上部の回転軸31aに一端を固設させた下側アーム18aと、この下側アーム18aの他端上側に固設された上側アーム18bとの2段構造になっている。上側アーム18bの先端部には上部吊り回転軸35が下方に向かって回転自在に垂設され、この回転軸35の下端側がドアパネル32の上端面に固設されている。下側アーム18aと上側アーム18bは、図7に示す如く、その長手方向の所定位置に配設された2本のボルト36、36により互いに剛結されている。このボルト36、36を挿入する孔37は上側アーム18bにおいて図示のように長孔状に穿設されている。
【0045】
このため、2本のボルト36、36を緩めて上側アーム18bの長手方向の位置を変えることで、回転吊りアーム18全体の伸縮、すなわち回転軸18aおよび35間の長さを微調整することができる。この長さは通常、回転堅柱31およびドアパネル32を合わせたドア幅の略1/3に設定されている。この1/3ずつの支点配置構造により、ドア開閉時に必要な力を必要最小限に止めることができる。
【0046】
一方、回転下部アーム19は上述したようにその一端が回転堅柱31の下側の回転軸31bに固設される。その一方で、回転下部アーム19の他端部からは下部回転軸38を上向きに垂設させ、この回転軸38がドアパネル下端の切除部32cの下面に埋設させた取付け板39の孔に適宜なマージンで遊挿されている。
【0047】
このため、ドアパネル32と回転堅柱31は、回転堅柱31と一体に回転する回転吊りアーム18および回転下部アーム19を介して連結されるから、ドアパネル32をスライド動作させると、その動きは回転吊りアーム18および回転下部アーム19によりスイングしながらスライド動作に変換される。
【0048】
さらに、6輪吊り車17は図5に示す如く吊りレール14内に収容され、その長手方向に沿って自在に移動できるように配設されている。この6輪吊り車17からは回動自在な車軸17aが垂下されている。この車軸17aはドアパネル32の上端面の所定に固設されている。この固設位置も、回転堅柱31とは反対側の側端部からみて、回転堅柱31およびドアパネル32を合わせたドア幅の略1/3に設定されている。この6輪吊り車17は、少なくとも、ドアパネル32の約半分の吊り荷重を支持できる強度を有している。ドアパネル32の幅方向の移動に伴って、6輪吊り車17も吊りレール14内を摺動して移動し、ドアパネル32のスライド動作を許容するとともに、車軸17aの回転がドアパネルパネル32のスイング動作を許容する。
【0049】
さらに、図2、4および5に示す如く、ドアパネル32および回転堅柱31と3方枠体11の上枠11uとの間の上述したスライド・スイング機構は、外カバー24および内カバー25により覆われており、その内部は殆ど見えないようにしてある。外カバー24は上枠11uに固設されている。内カバー25は外カバー24よりも厚めの板材であって、ドア開閉時に回転吊りアーム18が約1/4周分回転するので、その長手方向の所定位置から分割された構成になっている。この内、一方の回転支軸側の分割カバー25aは回転吊りアーム18に固設され、もう一方の分割カバー25bは上枠11uに固設されている。分割カバー25a,25b同士はテーパ面を所定距離だけ離間させて対向させている(図2参照)。このテーパ面はカバーの横方向から隙間を見せないようにして美観を向上させる杜智に、封止性を上げるためである。
【0050】
回転吊りアーム18を2段式にしているため、その強度を確保しつつ、適度な空間を形成でき、この空間を利用して、上部ピボット15の容易な脱着および6輪吊り車17のドアパネル32への取付け調整を行なうことができ、また、化粧用の外カバー24を小さくできる。
【0051】
ドアパネル11の回転堅柱31とは反対側の側端部寄りの所定高さ位置で、室外側、室内側の所定位置にノブ20a、20b(図2、3参照)が取り付けられる。また、このノブと同じ程度の高さを有して、ロック機構としてマグネット構造の双頭の鍵21が取り付けられている。
【0052】
このマグネット構造の双頭の鍵21は、このスライド・スイング式ドア装置の特徴を成す。通常のドアは、ドア取手のばね鍵でドア閉状態を保持するが、これを本スライド・スイング式ドア装置に適用することは可能ではあるが、好適な態様ではない。つまり、そのような取手側のみの片側の鍵構造では回転堅柱31とドアパネル32との間にはロックが効かないので、ロック時のセキュリティに不安を残す。また、このスライド・スイング式ドア装置の場合、3方枠体11の上枠11uの前後方向における中心位置に吊りレール14を埋設してドアパネル32を吊持構造であるため、ドア取手がばね構造の鍵を採用すると、鍵シャフト(ドアパネル側面からばねにより突出している)が3方枠体11の縦枠11sの表面を擦ってしまう。このような不都合を回避するには、図10に示すマグネット構造の双頭の鍵21が有効である。
【0053】
この双頭の鍵21は、2つのマグネット構造の鍵を連結している。図10に示す如く、この鍵21は、2つのマグネット構造の鍵51、52と、この鍵51、52にそれぞれ対向させて配置する鍵受けホルダ53、54と、2つの鍵51、52を連結する双頭連結シャフト55とを備える。2つの鍵51、52および双頭連結シャフト55はドアパネル32内にその面内に沿って配置される(図1参照)。一方の鍵51は回転堅柱31のドアパネル端面に開口して配置され、もう一方の鍵はドアパネルのその反対側端面に開口して配置される。双頭連結シャフト55は両方の鍵51、52間でその軸を移動可能に設置されている。また、鍵受けホルダ53、54の内、一方のホルダ53は回転堅柱31の側面に鍵51に対向して設置され、もう一方のホルダ54はその反対側の縦枠11sの側面に鍵52に対向して設置されている。
【0054】
一方の鍵51は、その鍵カバー61内にハンドル回転シャフト62を備え、その一方の上側アームに鍵シャフト(大)63が取り付けられ、この鍵シャフト63の先端にはマグネット64が取り付けられている。鍵シャフト63の先端部周囲にはマグネット復帰用のばね65が取り付けられている。ハンドル回転シャフト62の中心部にはハンドル取付け穴66が穿設され、この取付け穴66にハンドル67が取り付けられている。ハンドル66を図10において反時計方向への回転時には、ハンドル回転シャフト62の上述した上側アームは同図上で左側に回転移動し、下側アームは同図上で右側に回転移動する。ハンドル回転シャフト62は、その回転移動を鍵シャフト63の横方向変位に変換する構造になっている。
【0055】
ハンドル回転シャフト62の下側アームは略逆L字状の移動部材68に連結しつつ、別の移動部材69に連結されている。移動部材68の一方の端部にはハンドル復帰ばね70が取り付けられている。ハンドル回転シャフト62の図10上における反時計方向の回転は、移動部材69の同図上での右横方向への変位に変換される。これと同時に、もう一方の移動部材68も右横方向へ変位し、この移動部材68にばね70からそれまでよりも強い引っ張り力が作用する。
【0056】
移動部材69は、双頭連結シャフト55の一端部を固定しつつ、ハンドル回転シャフト62の反時計方向への回転に伴い、右横方向に変位する。双頭連結シャフト55は別の移動部材68に穿設した穴を遊挿状態で通って、もう一方の鍵52方向に延出している。
【0057】
もう一方の鍵52は、その筒状の鍵カバー71内に双頭連結シャフトホルダ72を備え、このホルダ72に双頭連結シャフト55が一端側から、また鍵シャフト73(小)が他端側からそれぞれ連結している。鍵シャフト73の先端にはマグネット74が取り付けられるとともに、その周囲にはマグネット復帰ばね75が配置されている。また、双頭連結シャフトホルダ72と鍵カバー71との間には双頭シャフト用復帰ばね76が配置されている。
【0058】
さらに、回転堅柱31側の鍵受けホルダの底部には別のマグネット77(または金属片)が固設されている。反対側の縦枠11s側の鍵受けホルダの底部にもマグネット78(または金属片)が固設されている。
【0059】
このため、ハンドル67は、アンロック時にはばね64、70、71および73のばね力が均衡してアックロック時の位置を保持している。この状態では、両方の鍵シャフト63および73の先端位置は共に鍵カバー61および71の面よりも幾分内側に退避している。このため、ドアパネル32を閉めるときに、回転堅柱31や縦枠11sの側壁表面を擦ることもない。
【0060】
この状態からドアが完全に閉まると、マグネット復帰ばね65、75に打ち勝つ磁力がマグネット64および74に生じる。つまり、一方の鍵シャフト63は図1において左横方向に移動し、もう一方の鍵シャフト73は右横方向に移動して、そのまま鍵受けホルダ53および54内に自動的に入り込み、この吸引力でロックされる。このロックは、ドアパネル32の横方向両端部で同時に掛かるので、ドアパネルのロック状態でのぐらつきや不安性さが無くなり、確実なセキュリティが確保される。
【0061】
解鍵するには、ハンドル67を図1における時計方向に回せばよい。この手動の助力により、マグネットの吸引力によるロック状態から解放され、マグネット復帰ばね65、75の復帰力により元のアンロック位置まで戻される。
【0062】
なお、このマグネット構造の双頭の鍵において、ロック時にも手動で操作できるように、マグネット構造およびその磁力を調整してもよい。
【0063】
ドアを開くときには取っ手20aまたは20bを手動で引いて又は押せばよい。これにより、図11に示す如く、ドアパネル32が回転堅柱31側にスライドしながら、かつ前後方向にスイングしてドア開状態となる(同図の仮想線I参照)。反対に、ドアを閉めるときには、同図の仮想線IIに示す経路でドア閉状態になる。
【0064】
このように開閉するときのドアパネルの移動に伴う占有スペースは、通常のスイングドアに比べて小さくて済む。したがって、車椅子の利用者などにとっても容易に開閉操作できる。
【0065】
また、この開閉に伴い、ドアパネル32をスライド・スイングさせる上部の機構は化粧用の外カバー24、内カバー25によりその殆どを隠しているので(ドア開時の回転吊りアーム部分を除いて)、美観に影響を与えない。
【0066】
また、床面に敷設する従来みられたガイドレールが、本実施形態では不要になるので、美観上も好ましいのみならず、昨今のバリアフリーの要請にも的確に応えることができる。とくに、車椅子の利用者にとっては、通過し易いドアになる。一方、ガイドレールに溜まる埃や塵の掃除の手間が不要になるなど、保守面でも優れた効果が得られる。
【0067】
さらに、回転堅柱31とドアパネル32とは「外観の一体化」によりドア閉時には殆ど一体に見える。とくに、その両者の繋ぎ目に違和感を殆ど抱かないほどの一体感を提供できるので、美観上も優れたドア装置になる。従来のように、ドアパネルを保持する支柱を袖壁で隠蔽するなどして美観を保つ必要が無いので、ドア据え付け工事が簡単になり、その分、工事コストの低減も図ることが可能になる。支柱部の保守時には、ドアパネルの一部に見える回転堅柱31を点検すればよいので、一度、隠蔽した内部までたどり着く手間が省け、保守点検も容易になる。スライド・スイングさせるアームまたは蝶番は回転堅柱に取り付けるので、3方枠体の歪みやがたつきの影響を受け難いという利点もある。
【0068】
さらに、回転堅柱及び上下の回転吊りアーム、回転下部アームは一体化されて略コ字状の蝶番を形成し、且つ、この蝶番のスイング中心軸(回転支軸)の位置はドアの前後方向の中心位置(ドアパネルの閉時の中心位置)に一致させた、いわゆるオフセットレス構造を採用している。このため、スイング中心軸をドアの前後方向の中心軸からいずれかの方向にずらして設ける、いわゆるオフセット構造のドア装置に比べて、ドア装置はその前後方向にコンパクトになっている。
【0069】
さらに、双頭の鍵21を用いているので、上述したようにドアパネル32の両側端部を同時にロックでき、セキュリティ面も十分に確保でき、かつ、ドア開閉時にラッチが周囲体の側面を擦るということもない。この側面への擦り回避の効果により、回転堅柱や縦枠との隙間を非常に狭く設定することができ、部屋の仕切り性(密閉性、遮音性)をより高めることができるという2次的な効果もある。また、この鍵により、片側で同時に両側を解鍵(または、施鍵および解鍵)でき、便利である。
【0070】
なお、上述した実施形態において、ドアパネルのサイズや重量、さらにはドアの使用目的によっては、別の鍵構造を採ることもできる。つまり、双頭の鍵21を用いないで、ドアパネルの片方の側端部にのみ鍵を取り付け、場合によっては、鍵を全く採りつけない構造も可能である。
【0071】
上述した実施形態の種々の変形例をさらに説明する。
【0072】
図12に示す変形例は鍵受けホルダに関する。同図に示すように、鍵受けホルダ81は、その内部に、鉄材で成るマグネット固定板82および穴付きマグネット83を図のように配設し、それらをストロールピン84が遊挿状態で貫通するようになっている。鍵受けホルダ81の外側には、別の取り付け枠85が設けてあり、この枠85内にマイクロスイッチ86が設置されている。ストロールピン84の挿入側先端はマイクロスイッチ86の切片に当接可能になっている。このため、鍵シャフト87がホルダ81内に突出してくると、ストロールピン84を介してマイクロスイッチ86を付勢し、オン状態にすることができる。鍵シャフト87が退避したときには、マイクロスイッチ86はオフ状態になる。したがって、このマイクロスイッチ86はドア開閉時の信号を検出することができるので、この信号をセキュリティ管理に応用することができる。
【0073】
また別の変形例を図13〜図20に示す。これらの変形例は、ドアパネル32と回転堅柱31との間の隙間を封止する構造及び封止材に関する。
【0074】
図13および図14では、ドアパネル32に使用する材料は木材である。この場合には、回転堅柱31にはその材料として鋼材(アルミ材など)を使用するとともに、ドアパネル32の回転堅柱側の端面部には、鋼材(アルミ材など)で形成された連結縦枠32xを設けることが重要である。この連結縦枠32xの背面には木製ドアパネル32の反りを防止する、1本または複数本の反り止め用突起条JDがその縦方向に沿って所要長さ分に又はその長さ方向全体に設けられる。これにより、ドアパネル32が木製であっても、その反りが防止または抑制される。しかも、共に鋼材で形成される回転堅柱31と連結縦枠32xとにより両者の繋ぎ目の外観上の一体感を与えることができる。なお、回転堅柱31または連結縦枠32xのいずれかの面に隙間封止材(ゴム、モヘヤなど)MPが取り付けられる。
【0075】
図15〜図18の変形例はいずれも、ドアパネル32と回転堅柱31が共に鋼材で形成された構造を示す。この場合、両者の板厚、概観模様などを一体化させる。図15の例の場合、ドアパネル32と回転堅柱31が互いに対向する面はテーパ面構造TPになっており、正面から見てその反対側を見通すことができず、仕切り性が良い。図16の例の場合、ドアパネル32と回転堅柱31が互いに対向する面は縦方向から見て一部湾曲させたL字状の面構造LPになっている。また、図17の例の場合、ドアパネル32と回転堅柱31が互いに対向する面は縦方向から見て鍵形の面構造KPになっている。いずれの場合も、正面から見てその反対側を見通すことができず、仕切り性が良い。
【0076】
この図17の鍵形面構造の内、ドアパネル18側の鍵片部分を薄く形成すると、図18に示す鍵形面構造KPになる。この薄い鍵形面構造によれば、美観的に体裁の良いものになるとともに、高い仕切り性も確保される。
【0077】
なお、図15〜18の対向面構造において、両対向面の何れか一方又は両方にゴムなどの弾性部材を取り付けてもよい。これにより、ドアを閉めるときの接触音や振動の発生を抑制するとともに、ドア閉状態での仕切り性(遮音性)を更に向上させることができる。
【0078】
さらに、図19に示すドア装置は、回転堅柱31の縦枠11sに対向する側面に縦方向に沿って中空のゴム材RB1を貼り付けるとともに、回転堅柱31とドアパネル32とが互いに対向している両者の側面にも縦方向に沿って中空のゴム材RB2,RB3を夫々貼り付けたものである。そして、ドア閉状態にて、これらのゴム材が各隙間を略封止状態にするように回転堅柱31、ドアパネル32などの寸法が設定されている。これにより、仕切り性の向上は勿論のこと、ドア閉時に誤って指などを挟んだときの衝撃を低減できる。なお、ドアパネル32の材質としてはアルミ製、スチール製、木製のものが好適であり、一方、回転堅柱31の材質としてはアルミ製、スチール製のものが好適である。
【0079】
さらに図20には、3方枠体11の上枠11u側における、吊りレール14と扉体13との間の構造の変形例を示す。具体的には、図4及び図5に示す外カバー24及び内カバー25の別の例に関する。前述した第1の実施形態では、ドアの外側には外カバー24を、内側には打ちカバー25(25a,25b)を取り付けて、ドア閉時における上枠側の隙間を塞ぐとともに、体裁を保っていた。
【0080】
これに対し、図20の変形例によれば、回転堅柱31の上端に前述と同様に回転吊りアーム111を着脱自在なアームカバー112で覆うとともに、ドア閉時におけるカバー112の残りの隙間部分を塞ぐ固定カバー113を設けている。
【0081】
アームカバー112は、その長手方向に直交する断面形状が四角形の中空筒型を成し、その長軸方向の一方の側端面を開放した形状を成す。さらに、アームカバー112には、上部ピボットの軸15aや開閉動作との干渉を避けるため、その開放側側面の上側の一部を切除した切除部112aを形成し、且つ、ドアパネル吊り用の回転軸35との干渉を避けるため、その下側の一部をスリット状に切除した切除部112bを形成している。
【0082】
取り付け時には、ドア開の状態にしておいて、このアームカバー112を回転吊りアーム111のドアパネル側の端部から嵌めていけばよい。アームカバー112のサイズは、回転吊りアーム111を嵌合状態で受け入れるように設定されている。取り外しのときは、ドア開の状態で、アームカバー112を取り付け時とは反対の方向に引き抜けばよい。この着脱可能なアームカバー112によって、回転吊りアーム111やその両方の軸15a、35の部分の保守点検が容易に行える。
【0083】
一方、固定カバー113は、その長手方向に直交する断面形状が四角形の中空筒型を成し、長手方向の一方の側端面を開放し且つ図示していないが、回転吊りアーム111の動きに干渉しない側の側面をドア幅一杯まで延長した形状を成す。この固定カバー113は長手方向に直交する短手方向の中心位置を、ドアパネル32の板厚方向(前後方向)の中心に合わせた状態で上枠11uに固設される。したがって、固定カバー113は6輪吊り車17の軸17aがドア幅方向に移動する位置に配設されるので、その軸17aとの干渉を避けるために、長手方向に沿ってスリット状の上側、下側切除部113a,113bを固定カバー113に形成している。この固定カバー113のドア前後方向の側面が前述した外カバー、内カバーの機能を果たすことができる。
【0084】
上述したアームカバー112及び固定カバー113の材料には、アルミなどの金属製、木製、樹脂製の適宜な材料を選択すればよい。そして、その露出している外表面の模様や色をドアパネル32や回転堅柱31のそれと適宜に調和させることで、ドア装置全体としての概観形状の一体化を図り、美観的、体裁的な価値を高めることができる。当然に、ドアパネル32及び回転堅柱31の上側の空間はドア閉状態では殆ど完全に塞がれ、良好な仕切り性(遮音性、密閉性)も保持される。
【0085】
なお、この図20の変形例はまた、回転吊りアーム111の別の構造をも示している。この回転吊りアーム111は、その全体形状は前述した回転吊りアーム18(例えば図6を参照)と殆ど同じであるが、前述のように上側アームと下側アームの2段構造にしない点が相違している。すなわち、回転吊りアーム111は1本の長棒で形成され、その一端を上部ピボット15aにより回転堅柱31の上端面に固設され、且つ、もう一端をドアパネル32の上端面に回転軸35により回動可能に取り付けられている。この回転軸35としては、ドアパネル35に固定され且つアーム111内で回動可能に保持できる軸受け構造のものを用いることができる。この回転吊りアーム111は、その長手方向の長さは調節できないが、構造の簡単な低コストの部材として使用できる。
【0086】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係るスライド・スイング式ドア装置を図21及び図22に基づき説明する。なお、これ以降の実施形態において、それまでの実施形態で説明した構成要素と同一または同等の構成要素には同一符号を用いて、その説明を省略または簡略化する。
【0087】
このスライド・スイング式ドア装置は、扉体を成すドアパネルと回転堅柱とに関する別の構造を実施しており、とくに、ドアパネルと回転堅柱とを一面のドアとして見せることに特徴を有する。
【0088】
具体的には、図21及び図22に示す如く、このスライド・スイング式ドア装置の扉体121は、回転堅柱122とドアパネル123から成る。ドアパネル123は、アルミなどの金属製、木製などの材質で形成されるとともに、スイングさせる支軸側の一端部が、その縦方向全体にわたって角柱状に切除された切除部123aが形成されている。この切除部123aが作る空間には、その縦方向に沿って回転堅柱122が配置されている。
【0089】
これにより、図21に示す如く、このドアパネル123を3方枠体11に設置したときには、その切除部123aがドア前後方向の一方の側に開口して位置するが、もう一方の側には切除されていない面が位置することになる。この実施形態では、切除部123aの側を室外側に、切除されていない面側を室内側になるように設定しているが、その反対に設定してもよい。いずれにしても、ドアパネル123の一方の面は、この場合には室内側からドアパネルを見た場合、回転堅柱124は見えず、1枚のドアパネルとして見える。
【0090】
回転堅柱122は、例えば金属製の円柱棒状体で形成され、その経は強度的に許容される限度で極力小さい値になっている。回転堅柱122を細経にするほど、上述したドアパネル123の切除部123aの切除断面は小さくすることができる。図示の如く、切除部123aを室外側から目隠しをするために、縦枠11sにカバー体124を取り付けているが、切除部123aを小さくするほど、このカバー体124は小さい幅のもので済む。なお、カバー体124の少なくとも表面仕上げをドアパネル123とマッチングさせておくことで、ドア全体の美観的な一体感を維持できる。
【0091】
回転堅柱122の上下端面夫々には、第1の実施形態のときと同様に、上部ピボット15及び下部ピボット16により回転吊りアーム18及び回転下部アーム19が夫々固設され、全体として、コ字状のドアパネルスイング機構を形成している。
【0092】
回転堅柱122はその長手方向の一部に、その上下の柱部分122a及び122bよりも細経に形成された細経部122cを有している。この細経部122cに対向する側壁位置には、細経部122cを把持する中間ガイド125を設けている。
【0093】
この中間ガイド125は、側壁11sに取り付ける基部125fと、この基部と一体形成され且つ前記回転堅柱122の細経部122cを回動可能に把持するアーム部125aとから成る。基部125fは、引っ掛け構造又は図示の如くマグネット126による着脱自在な取り付け構造により側壁11sに一部埋設して取り付ける。アーム部125aの細経部122cの外表面に当接する内周部には、摺動性及び対磨耗性に優れた部材を取り付けてある。
【0094】
このため、回転堅柱122にドアパネル123の比較的大きな荷重が掛かる場合であっても、中間ガイド125によって回転堅柱122の撓みや側壁方向への反りが防止され、スムーズで安定したスライド・スイング動作が保証される。
【0095】
このように本実施形態のスライド・スイング式ドア装置によれば、ドアの一方の面から見た場合、1枚のドア面だけがあたかもスライド動作及びスイング動作しているように見える。つまり、回転堅柱の存在を感じさせないドア開閉が行われる。これにより、美観や体裁を特に重んじる部屋に、このスライド・スイング式ドア装置の1枚ドア面側を充てることによって、前述したドアそのものの優れた機能性に加えて、体裁を著しく重んじたドアを提供することができる。
【0096】
また、ドアパネルの両側壁との間の隙間は極めて小さい値(数ミリ)に設定できる。したがって、戸当たりを設けなくても、高い仕切り性を維持できる(この実施形態では、ドアパネルの開閉に支障の無い一方のみに戸当たり22を設けている)。
【0097】
なお、上述した実施形態において、ドアパネルが比較的軽量であるなどの理由から、回転堅柱に掛かる荷重が相対的に少ないときには、中間ガイドのような支持補強手段を設けなくてもよい。また、この実施形態では双頭の鍵21を設けるとしているが、この鍵は場合によっては設けない構造のものであってもよい。
【0098】
さらに、ドアパネルにこれよりも幅広の化粧板体を貼り付け又は固設することで、上述したドアパネルの切除部に相当する空間を形成するようにしてもよい。
【0099】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係るスライド・スイング式ドア装置を図24〜図26に基づき説明する。
【0100】
このスライド・スイング式ドア装置は、その全体形状は第1の実施形態のものと同様であるが、回転堅柱に対する支持構造に別の特徴を有する。
【0101】
図24に示す如く、このドア装置の扉体13は回転堅柱31とドアパネル32とを備え、第1の実施形態のときと同様に形成されている。この内、回転堅柱31は、その上端面を上部ヒンジ機構131によって上枠11uに支持させ且つ前述した回転吊りアーム111を一体的に取り付け、一方、その下端面を下部ヒンジ機構132によって床面及び側壁11sに支持させ且つ回転下部アーム133を一体的に取り付けている。
【0102】
この上部及び下部ヒンジ機構131,132としては、例えば従来周知の、商品名「ニューグレビティヒンジ」として知られているヒンジ機構を用いることができる。下部ヒンジ機構132は、図25に示す如く、L字状の枠側下部ヒンジ132a及びパネル側下部ヒンジ132cを備え、このパネル側下部ヒンジには図示しないテーパーハブを内蔵した筒体132cが立設されている。
【0103】
枠側下部ヒンジ132aは縦枠11s及び床面GLに面を揃えて埋設する。また、パネル側下部ヒンジ132bの上面には、筒体132cを貫通させる状態で前記回転下部アーム133を一体的に固設する。このアーム133はまた回転堅柱31の下面に固設されている。筒体132cが回転堅柱31のスイング動作の支軸位置を成している。
【0104】
このため、回転堅柱31、回転下部アーム133、及びパネル側下部ヒンジ132bは一体として動く構造になっている。パネル側下部ヒンジ132bは、筒体内に内蔵するテーパーハブに拠って、水平面方向にその高さ位置を変化させながら回転可能になっている。つまり、パネル側下部ヒンジ132bを図25に示す如く「閉」位置から略1/4周回転させて「開」まで回転させるとき、その高さが徐々にせり上がりながら回転する(このせり上がりの量は1cm程度)。反対に、「開」位置から「閉」まで回転させるとき、その高さが自重で徐々に下がりながら「閉」まで回転し、その「閉」位置で自重による拘束を受ける。つまり、スプリングなどを使用しない、自重に拠る自閉タイプの回転ヒンジ機能を有している。
【0105】
本実施形態では、後述するようにドアパネル32の重量は、下部回転アーム133を介してこの下部ヒンジ機構132が受けるようになっている。このため、下部回転アーム133は上述した実施形態のものよりも板厚に形成されている。このアーム133のもう一方の端部上面は、ドアパネルとこのアームとの間の相対的な回転を許容する回転軸38を介して、ドアパネル32に結合し支持している。
【0106】
これに対して、上部ヒンジ機構131は、図25に示す如く、L字状の枠側上部ヒンジ131a、筒体131b、パネル側上部ヒンジ131cを備える。筒体131bは枠側上部ヒンジ131aに立設されている。このヒンジ131aは、縦枠11s及び上枠11uの所定位置に面を揃えて埋設固定される。このとき、ヒンジ131aの筒体131bは垂直下向きに、しかも前述した下部ヒンジ機構132の筒体132cと位置合わせされており、これによりスイング時の支軸が形成されている。
【0107】
また、パネル側上部ヒンジ131cは、筒体131bを貫通させた状態でこの筒体から横方向に延設されている。つまり、ヒンジ131cは筒体131bに対して回動且つ上下動自在になっている。このパネル側上部ヒンジ131cの下面には、筒体131bを貫通させる状態で前記回転吊りアーム111を一体的に固設する。このアーム111はまた回転堅柱31の上面に固設されている。
【0108】
このため、回転堅柱31、回転吊りアーム111、及びパネル側上部ヒンジ131cは一体として動く構造になっている。前述したように、ドアパネル32の「閉」位置及び「開」位置間の回動に伴ってドアパネル自体の縦方向の高さ位置が徐々に変化するが、この変化分(約1cm程度)は、一体として動く回転吊りアーム111及びパネル側上部ヒンジ131cの枠側上部ヒンジ131aに対する隙間の変化で吸収される。
【0109】
このドアパネル32はスライド・スイング動作に伴って上下動も合わせて行うので、ドアパネル32の上面におけるもう一方の略1/3の幅位置に設けてある軸17a(図1参照)は、その頭部に回転ころ134を回動自在に取り付けてある。この回転ころ134は、図26に示す如く、吊りレール14内にその一部が挿入され且つレール14の溝に沿って案内される。回転ころ134の高さ方向の位置は、ドアパネル32の高さが変化しても、その変化分を吸収できるように余裕を持たせている。
【0110】
このように本実施形態のドア装置によっても、前述した実施形態と同様に回転堅柱31をドアパネル32に外観的に一体化させることができる。そのほか、スライド・スイング式の開閉によるコンパクトな開閉動作も維持できるなど、前述した実施形態の作用効果を享受することもできる。
【0111】
加えて、この実施形態の場合、上部及び下部ヒンジ機構131、132によって、ドアパネルを開閉できる。取っ手20a又は20bを所定の力で操作することで、ドアパネル32が徐々にせり上がりながら「開」位置まで開かれる。閉めるときには、僅かな力を加えるだけで、ドアパネル32は自重で「閉」位置まで自走し、「閉」位置で拘束される。このため、ドアパネル32は開けっ放しになることがない(つまり、閉めきりの状態を維持できる)。
【0112】
なお、下部ヒンジ機構132における筒体132c内のテーパーハブの向きを変えることによって、開閉方向及び自走方向が変えられる。つまり、ドア開時に自走開放させ、積極的に開けっ放しの状態をつくることもできる。
【0113】
また、このドア装置では、ドアパネル32はその開閉時に上下動するので、ドアパネル32の上下方向に前述した実施形態のものよりは大きな空きスペース(隙間)が必要となる。しかし、自走式の閉動作又は開動作に拠って、トイレブース、湯沸し室、ロッカールーム、カウンター、簡易な間仕切りなどに好適に使用することができる。
【0114】
なお、この実施形態では双頭の鍵21を設けるとしているが、この鍵は場合によっては設けない構造のものであってもよい。
【0115】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係るスライド・スイング式ドア装置を図27〜図28に基づき説明する。
【0116】
このスライド・スイング式ドア装置は、自動的にドアパネルを開閉できるようにした自動化ドア構造に関する。
【0117】
図27に示すように、このドア装置は、3方枠体11の上枠11u内に交流100Vのトルクモータ91を横向きに備え、このモータ91の回転軸は減速機92および直角ギヤ93を介して下向きの駆動軸94に連結されている。この駆動軸94は回転軸95に剛結され、この回転軸95は吊りレール14を遊挿して回転吊りアーム96、スペーサ33および回転堅柱31に剛結されている。モータ91は回転制御用のコントロールボックス97に接続され、駆動信号を受ける。このコントロールボックス97には人の出入りを磁気的、電気的、または圧力式などの手法で検知するセンサ98が接続されており、かかる出入りの検知信号を受ける。コントロールボックス97はマイコンまたはデジタル回路で構成され、出入りの検知信号に応じて駆動信号をモータ91に送る。これにより、電動モータ91が回転し、この回転力を減速機92、ギヤ93、駆動軸94および回転軸95を介して回転堅柱31に伝える。
【0118】
回転堅柱31に対して、ドアパネル32が前述と同様の構造の回転吊りアーム96により吊持されている。具体的には、回転吊りアーム96の先端側所定位置にて上部吊り回転軸99により吊り下げられている。この回転軸99はドアパネル32の荷重の約半分を負担すると一方で、ドアパネル32には固定状態で、かつ回転吊りアーム96には回転自在に設けられている。この軸99の途中には第1のギヤ100が固設されている。また、回転吊りアーム96のさらに先端寄りの位置(図27における幅方向右側の位置)には、垂下させた固定軸を介して回転自在な第2のギヤ101が第1のギヤ100と噛み合う状態で設けられている。
【0119】
さらに、ドア閉状態において前記第1のギヤ100よりも所定距離だけ回転堅柱寄りの所定位置に対応するドアパネル32の上端面には固定軸を垂設し、この固定軸に回転自在に第3のギヤ102を取り付けてある。
【0120】
このため、電動モータ91が定格値よりも低い所定パワー値で拘束運転をしてドア閉状態にある図28(a)の状態から、出入りを検知したことに伴って同モータが定格パワー値で回転すると、その回転力によってドアパネル14は同図(b)の位置までスライドおよびスイングしてドア開状態となり、ドア開時の拘束運転に移行する。モータが反対に回転すると、同図(b)から同図(a)のパネル位置に戻ってドア閉状態になる。
【0121】
このドア開閉動作において、第1〜第3のギヤ100〜102を設けていない場合、ドア開時には問題とならないが、ドア閉時にはアーム先端の上部吊り回転軸99と6輪吊り車17の吊り軸17aとの間に逆起電力に伴う逆向き力が働き、ドアが正常に開かない現象が発生する。この逆向きの力を回避するために、第1〜第3のギヤ100〜102が設けられており、ドア閉時に逆向きの力が回避され、スムーズにドア閉状態に向かう。
【0122】
なお、上述した逆向きの力を回避するために設けるギヤ列の内、第3のギヤ102を省略して第1および第2のギヤ99および100のみの2個のギヤから成るギヤ列で構成してもよい。
【0123】
このように自動化することにより、前述した第1の実施形態で享受できる各種の利点に加えて、ドア開閉の手動操作が不要になり、車椅子での出入りなどが容易になるという、高福祉化社会のニーズに応え得るスライド・スイング式ドア装置を提供することができる。
【0124】
なお、上述した自動化機構において、電動モータの代わりに、油圧アクチュエータ、空気圧アクチュエータなどの駆動装置を使用してもよい。
【0125】
さらに、本発明は前述した実施形態のものに限定されることなく、請求項記載の発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜に更に変形可能である。例えば、上述してきた実施形態及びその変形例において、枠体に対する回転堅柱とドアパネルの幅方向の位置を交換して、室内側及び室外側に対するドア開閉の向きを上述したものと反対にしてもよい。
【0126】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかるスライド・スイング式ドア装置によれば、ドアに本来的に求められている良好な仕切り性(密閉性、遮音性)、開閉操作の容易化、開閉時の省スペース化、装置全体としてのコンパクト化の確保に加え、立て付け工事や保守が容易で、美観的にも優れ、かつバリアフリーなどの使い勝手の面からも優れた効果を発揮でき、高福祉化社会のニーズにマッチしたドア装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係るスライド・スイング式ドア装置の構成を示す概略正面図。
【図2】 図1におけるII−II線に沿った概略断面図。
【図3】 図1におけるIII−III線に沿った概略断面図。
【図4】 図1におけるIV−IV線に沿った概略断面図。
【図5】 図1におけるV−V線に沿った概略断面図。
【図6】 回転吊りアームを示す斜視図。
【図7】 回転吊りアーム付近の吊り構造を示す一部破断した正面図。
【図8】 図1におけるVIII−VIII線に沿った概略断面図。
【図9】 図1におけるIX―IX線に沿った概略断面図。
【図10】 マグネット構造の双頭の鍵を示す概略断面図。
【図11】 ドアパネルの開閉の様子を説明する説明図。
【図12】 鍵受けホルダの変形例を説明する断面図。
【図13】 回転堅柱およびドアパネルの変形例を説明する図。
【図14】 図14における回転堅柱およびドアパネルの繋ぎ目部分の拡大図。
【図15】 回転堅柱およびドアパネルの別の変形例を説明する図。
【図16】 回転堅柱およびドアパネルの別の変形例を説明する図。
【図17】 回転堅柱およびドアパネルの別の変形例を説明する図。
【図18】 回転堅柱およびドアパネルの別の変形例を説明する図。
【図19】 回転堅柱およびドアパネルの別の変形例を説明する図。
【図20】 回転堅柱およびドアパネルの上側に位置するカバー構造の変形例を説明する図。
【図21】 本発明の第2の実施形態に係るスライド・スイング式ドア装置の構成を示す概略上面図で、図22のA−A線に沿った図。
【図22】 第2の実施形態に係るドア装置の一部破断した部分正面図。
【図23】 図22のB−B線に沿った部分断面図。
【図24】 本発明の第3の実施形態に係るスライド・スイング式ドア装置の構成を示す概略正面図。
【図25】 上部及び下部ヒンジ機構を説明する斜視図。
【図26】 図24中のC−C線に沿って破断して示す概略断面図。
【図27】 本発明の第4の実施形態に係る自動化されたスライド・スイング式ドア装置の部分構成を示す概略正面図。
【図28】 第4の実施形態に係るドアパネル開閉を説明する図。
【符号の説明】
11 3方枠体
11u 上枠
11s 縦枠
12 床面
13 扉体
14 吊りレール
15 上部ピボット
16 下部ピボット
17 6輪吊り車
18 回転吊りアーム
19 回転下部アーム
21 双頭の鍵
31 回転堅柱
32 ドアパネル
35、38 軸
111 回転吊りアーム
121 扉体
122 回転堅柱
123 ドアパネル
125 中間ガイド
131 上部ヒンジ機構
132 下部ヒンジ機構
133 下部回転アーム
134 回転ころ
Claims (9)
- 建物の床面上に開口部を形成する上枠及び両縦枠から成る3方枠体に設けられるとともに、前記開口部の幅方向及び縦方向にそれぞれ所定長さを有し且つ当該開口部の前後方向に所定厚さを有する開閉用の扉体を備えたスライド・スイング式ドア装置において、
前記扉体を、前記3方枠体の一方の縦枠の前記開口部の側の側面に沿って配置され且つ前記上枠及び床面の間に回転可能に支持された回転堅柱と、前記回転堅柱に隣接して前記上枠と床面との間で回転可能に支持され且つドア閉時には前記回転堅柱の外観形状と一体化させた外観形状を有するドアパネルとで形成し、
前記回転堅柱を、当該回転堅柱の前記縦方向の上端及び下端それぞれの面の前記前後方向の中心位置であって前記幅方向で同じ位置にそれぞれ設けられた回転軸を介して前記上枠及び床面との間に回転可能に支持させる一方で、
前記回転堅柱の上端部に一端が剛結され且つ前記ドアパネルの上端面の所定位置に他端を回転自在に取り付けた回転吊りアームと、前記回転堅柱の下端部に一端が剛結され且つ前記ドアパネルの下端面の所定位置に他端を回転自在に取り付けた回転下部アームと、前記上枠と前記ドアパネルおよび回転堅柱との間に前記開口部の幅方向に沿って設けた吊りレールと、前記ドアパネルを前記吊りレールに沿ってスライド自在に吊持する吊り車とを備えたことを特徴とするスライド・スイング式ドア装置。 - 請求項1記載の発明において、
前記回転堅柱を、前記ドアパネルの少なくとも半分の荷重を保持可能な強度を持たせて形成するとともに、前記吊り車を、前記ドアパネルの少なくとも半分の荷重を保持可能な強度を持たせて形成したことを特徴とするスライド・スイング式ドア装置。 - 請求項2記載の発明において、
前記回転堅柱と前記ドアパネルが一体化した外観形状として、当該回転堅柱及び当該ドアパネルの前記前後方向の厚さが前記所定厚さであって互いに同じであり、当該回転堅柱及び当該ドアパネルの前記縦方向の長さが前記所定長さであって互いに同じであることを特徴とするスライド・スイング式ドア装置。 - 請求項2記載の発明において、
前記パネルの前記回転堅柱に対向する側面部の一方の角部をその縦方向全体に渡って切除し、この切除部に前記回転堅柱を配置したことを特徴とするスライド・スイング式ドア装置。 - 請求項4記載の発明において、
前記縦枠に対して前記回転堅柱の長手方向の一部を当該回転堅柱が回動自在な状態で保持する中間ガイドを設けたことを特徴とするスライド・スイング式ドア装置。 - 請求項3記載の発明において、
前記回転堅柱及び前記ドアパネルの互いの対向する側面同士がドア閉時につくる隙き間を、前記縦方向にわたって前記前後方向に非直線状になる形状又は前記幅方向に対して非直交する形状に形成したことを特徴とするスライド・スイング式ドア装置。 - 請求項3記載の発明において、
前記ドアパネルと前記回転堅柱との間、および、そのパネルと前記枠体の回転堅柱とは反対側の縦枠との間を同時にロックおよびアンロック可能なマグネット構造の双頭の鍵を設けたことを特徴とするスライド・スイング式ドア装置。 - 請求項3記載の発明において、
前記回転堅柱の上下端に前記回転吊りアーム及び前記回転下部アームを夫々固設した状態で当該回転堅柱を前記枠体及び床面に着脱自在に取り付けるピボット手段を備えたことを特徴とするスライド・スイング式ドア装置。 - 請求項8記載の発明において、
前記回転吊りアームと前記回転下部アームの各々両端の前記回転竪柱及び前記ドアパネルへの取り付け位置は、この回転竪柱及びドアパネルそれぞれの前記前後方向の中心位置に一致していることを特徴とするスライド・スイング式ドア装置。
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-
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