JP3672438B2 - 光学式エンコーダ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学式エンコーダ装置に関し、より詳細には、光源とスケールとの相対位置を光学的に読み取るためのエンコーダに関する。
【0002】
【従来の技術】
図20は、従来の干渉式エンコーダの一例を示す概略構成図で、図中、1はレーザ光源、2はコリメータレンズ、3は回折格子、20は集光系、51,52,及び53は1/4波長板、6はビームスプリッタ、71,72は偏光板、81,82は受光素子、9は偏光ビームスプリッタ、101、102は反射鏡である。
レンズユニットのレーザ光源1から出射した光は偏光ビームスプリッタ9によって互いに直交する2つの直線偏光に分離される。そして分離された各々の直線偏光は、1/4波長板51,52を通ることにより円偏光となり、回折格子3のスケールに入射する。各々の入射光は、回折してレンズユニットの方へ向かい、レンズユニットに一体化された反射鏡101,102で反射し、同じ光路を通って、1/4波長板51,52まで戻る。ここで、入射した際とは90度傾きの異なる直線偏光に変換され、偏光ビームスプリッタ9においてこれも光源の方向と異なる方向へ出射する。
【0003】
そして偏光ビームスプリッタ9からの出射光は、1/4波長板53に入射し、偏光を45度回転させられる。この光はさらにビームスプリッタ6に入射し、2つの直線偏光に分けられ、各々の直線偏光は偏光板71,72により45度異なる偏光方向で選別され、フォトダイオード(受光素子)81,82で検知される。これら2つのフォトダイオードは、45度位相の異なるA相B相を検知する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の技術においては、スケールが移動方向と垂直な方向(図中Xの直行方向)に動いてしまうと、信号が出力しにくくなる。またスケールが傾いてしまうと、同じように信号が出力しなくなるという問題点が生じる。
【0005】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、スケールの移動方向と垂直な方向への移動、もしくはスケールの傾きに対しても、高感度及び高精度で相対位置の検出を可能とする光学式エンコーダを提供することをその解決すべき課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、光源と、該光源からの出射光を2つの光束に分離するビーム分離手段と、光の反射率または透過率が周期的に変化する構造を有するスケールと、該スケールに入射させた2つの光束の反射光または透過光を受光する受光手段とを有し、前記ビーム分離手段を出射した2つの光束を、前記スケールにおける周期ピッチの1/2ピッチまたはピッチの整数倍プラス1/2ピッチ互いにずれるように前記スケールに投射し、前記受光手段で受光した前記スケールからの反射光もしくは透過光を光電変換して得られる電気信号に基づいて、前記光源と前記スケールの相対的な位置の変化を検知可能とした光学式エンコーダ装置において、前記ビーム分離手段として、前記光源からの出射光を2つの光束に分離する手段と、分離した一方の光束のP偏光成分を遮断するP偏光遮断フィルタと、もう一方の光束のS偏光成分を遮断するS偏光遮断フィルタとを少なくとも用いることを特徴としたものである。
【0007】
請求項2の発明は、光源と、該光源からの出射光を2つの光束に分離するビーム分離手段と、光の反射率または透過率が周期的に変化する構造を有するスケールと、該スケールに入射させた2つの光束の反射光または透過光を受光する受光手段とを有し、前記ビーム分離手段を出射した2つの光束を、前記スケールにおける周期ピッチの1/2ピッチまたはピッチの整数倍プラス1/2ピッチ互いにずれるように前記スケールに投射し、前記受光手段で受光した前記スケールからの反射光もしくは透過光を光電変換して得られる電気信号に基づいて、前記光源と前記スケールの相対的な位置の変化を検知可能とした光学式エンコーダ装置において、前記スケールに投射する光束を整形するためのスリット状開口を有するスリットマスクを備え、該スリットマスクは、2つ以上の前記スリット状開口を有し、前記スリットマスクの2つ以上のスリット状開口は、P偏光遮断フィルタを配した開口とS偏光遮断フィルタを配した開口とにより構成されていることを特徴としたものである。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記スケールに投射する光束を整形するためのレンズ手段を備えることを特徴としたものである。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記スケールに投射する光束を整形するためのスリット状開口を有するスリットマスクを備えたことを特徴としたものである。
【0010】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記スリットマスクは、2つ以上の前記スリット状開口を有することを特徴としたものである。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1乃至4のいずれか1の発明において、前記ビーム分離手段として光源からの出射光を互いに直交する2つの直線偏光に分離する第1の偏光分離手段を用いるとともに、前記スケールと前記受光素子との間の光路上に第2の偏光分離手段を設け、前記スケールにおける反射光あるいは透過光を前記第2の偏光分離手段により2つの偏光に分離し、分離して得られたそれぞれの偏光を前記受光手段で受光することを特徴としたものである。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1乃至4又は6のいずれか1の発明において、前記光源と前記ビーム分離手段との間の光路上に前記光源からの出射光を平行光として出射させる手段を有するとともに、前記スケールと前記第2の偏光分離手段との間の光路上に集光手段を有することを特徴としたものである。
【0013】
請求項8の発明は、請求項1乃至4又は6又は7のいずれか1の発明において、前記スケール上に投射される光束の形状において、前記スケールの移動方向の光束の大きさを前記周期構造のピッチのほぼ半分とし、かつ前記移動方向の光束の大きさより前記移動方向の直行方向の光束の大きさを大きくしたことを特徴としたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
従来の技術においては、スケールが傾きを持ったり、スケールと検出ヘッドの距離が変化すると信号振幅変動が起こり、さらにこれらが大きくなると信号自体が発生しなくなってしまうため、スケールと検出ヘッドの位置合わせを精密に行う必要があった。
【0018】
本発明では、この問題を解決するために、光の干渉ではなく結像によるパターンをスケール上に投射する方式を採用している。さらに、スケールや光学系汚損による信号劣化、受光信号の伝送のノイズを防ぐために2つの信号を得るようにしている。図1において、光の反射率(又は透過率)が周期的に設定された構成を有するスケールに、光源から出射した光を投射する。投射に際し、光源光を集光手段によって集光するが、上述したように、本発明では逆位相の2つの信号の差動信号を得て、ノイズに対しての信頼性を高める。
【0019】
そこで、2つのビームを得るために、入射光を2つの光に分離するビーム分離手段を用いる。ビーム分離手段には、図1で用いるウオラストンプリズム(図4参照)以外に、例えば図5に示す回折格子、図6に示す2つのビームスプリッタ、図7に示す一軸性の複屈性結晶(方解石)などによるビームディスプレイシング素子などが用いられる。2つのビームは、異なる出射角度のビームに分離するようにしてもよく、また異なる出射位置からの平行光として分離(平行移動)するようにしてもよい。
【0020】
ウオラストンプリズムと回折格子は異なる出射角度で分離するものであり、ビームディスプレイシングプリズムは平行移動して分離するものであり、さらにビームスプリッタ(図1ではキューブ形状であるが板形状でも勿論可)の組み合わせは、出射角度による分離と平行移動による分離の両方が可能である。
【0021】
図2に示すごとくに、得られた2つのビームは、スケール上におけるスリットピッチの周期の略1/2周期ずれるように投影する。これにより信号も略1/2周期ずれることになり、この2つの信号の差動信号を得ることができる。この信号を逓倍回路により分解能を高めるなどしてパルス化し、通常のカウンタなどでパルスカウントすることによりスケールと検出ヘッドの相対移動量を得ることができる。
【0022】
ビーム移動方向におけるビームの大きさは、スリットピッチの略半分以下とすれば、スケールの各スリットに遮られるので、得られる信号強度も大きい。また受光手段としては、同一基板上に2つの受光素子が設けられているタイプが便利である。
また図3に示すごとくに透過型の場合は、反射光を受光素子に導くビームスプリッタを省いた構成が採用できる。
【0023】
上述した検出方法においては、受光手段上に入射する2つのビームが接近しているため、スケールの傾きが甚だしくなったとき、反射光も傾き、本来入射すべきでないビームが受光素子に入射してしまうことによる干渉が生じる可能性がある。そこで、このような問題を改善する方式として、2つのビームを互いに直交する直線偏光とし、受光素子へ入射させる2つのビームを偏光分離手段により位置的に大きく分離するように構成することにより、上記の干渉をなくすことができる。
【0024】
図8に示す例は、ビーム分離手段には必ず偏光分離手段(ウオラストンプリズムなど)を用い、かつ受光素子を2つ用意し、各々の受光素子へ入射させるビームの進行角度を大きくして両ビームの空間的距離を増大させるために、偏光ビームスプリッタ(PBS)などの偏光分離手段を具備している。このような構成とすることで、スケールからの反射光(ないし透過光)の角度が変化しても、PBSなどの分離作用により本来入射すべきでない受光素子へビームが入射することがないので、信号の干渉がきわめて少なくなる。
【0025】
上述した構成において、偏光分離手段にウオラストンプリズムを用いた場合に、ウオラストンプリズムには集光された光が入射する。すると偏光分離の精度がやや落ちることとなり、受光素子手前で2つのビームに分離させる偏光分離手段においても、やや干渉が生じることとなり、従って相違な信号が混在してしまう。これを防ぐには偏光分離の精度を上げる必要がある。そのために図9に示すごとくにスケールへ入射させるためのビーム分離を行う偏光分離手段に入射させる光を平行化するとよい。このとき、受光素子へ入射させる光を集光するために、検出レンズ(集光レンズ)を付加する。
【0026】
スケール上への入射光は、そのスポットがスケールにおけるスリットのピッチの半分程度になるように集光するが、図10に示すごとくに、単にスポット1のような丸く小さい形状で集光した場合には、例えば図中に示したごとくの汚損がスリットにあった場合に、スケールが遮られて信号を生じ得ず、誤検出が生じる。このような問題を解決する手段として、スポット2のように、スリットの進行方向に垂直な方向にスポット形状を長くする方法がある。このようにすると上述のごとくの誤検出は生じない。このようなスポットを得る具体的な方法を以下に説明する。
【0027】
図11に示すように、円筒レンズを用いることで長楕円ビームを得ることができる。図11(A)及び図11(B)は、円筒レンズにより長楕円ビームがスケール上に形成される様子をそれぞれ2方向からみた状態を示すものである。図12の構成例の他、2枚の円筒レンズを構成することもできる。この構成における第1の組み合わせは、円筒凸レンズ同士の組み合わせであり、第2の組み合わせは円筒凸レンズと円筒凹レンズの組み合わせである。このような構成とすることで、一方向にビームエキスパンドされた平行ビームを得ることができるため、スケールの検出距離依存がさらに少なくなり信頼性が高まる。
【0028】
ビーム形状の制御における他の方法として、スリットマスクを用いて制御を行うことができる。構成例を図13を用いて説明する。図12(A)のような開口のスリットマスクを光源付近に配置し、この像をスケール上に投影することで光学系の倍率関係に従った長方形の像がスケール上に形成される。また、このスリットをコリメートレンズと集光レンズの中間もしくは近くに配置するとレンズの開口として機能し、広い開口は小さく、狭い開口は大きく集光できることから、スリットマスクを90度回転させたようなビームスポットを得ることができる。この方法を用いれば、図10に示すスポット3のような、スリットの進行方向に長い形状を付与することができる。
【0029】
さらに図12(B)に示すごとくの複数開口を有するスリットを用いることで、より安定した信号検出が可能になる。このようなスリットを用いると、図10に示すスポット3のような長方形スポットが連続したビームを得ることができる。これを図13に示した光学系によりS偏光とP偏光とに分離してこれらを互いにずらすことにより、図14に示すごとくのS偏光とP偏光が交互に並んだパターンのビームを得ることができる。このような複数のビームによりスケールの信号を検出することで、スケールに汚損があったり、さらに素ビームが1,2本欠けてしまったような場合においても信号を発生させることが可能となる。このとき、S,Pそれぞれの偏光はスケールピッチの1/2以下の幅のスポットパターンが、スケールピッチで並ぶようにすることが大切である。幅が1/2ピッチ以上であると、SとP偏光の光がスケール上で干渉し、干渉縞を発生させてしまいS/Nを低下させてしまう。また、ピッチがスケールピッチからずれていると反射もしくは透過のタイミングがずれて信号劣化を招いてしまう。
【0030】
偏光分離素子の替わりに、ビーム分割手段と偏光フィルタとを用いて構成することも可能である。ビーム分割手段として回折格子を用いた構成例を図15に示し、その作用を以下に説明する。入射側から1つ目の第1の回折格子には、S,P偏光の両方の成分を有するビームを入射させる。上記第1の回折格子としては、±1次について高い回折効率を持つものを用いるのがよい。このような回折格子に垂直にビームを入射させると、格子ピッチに応じた角度にビームが偏向されて出射する。このように2つに別れたビームのうち片方をP偏光遮断フィルタに、またもう一方をS偏光遮断フィルタに通した後、第2の回折格子に入射させる。ここで第2の回折格子として第1の回折格子より回折角が大きいものを用いるとよい。第1の回折格子と同じものを用いると、回折角が同じであるためにビームが平行出射することになり、従ってスケール上で所望の間隔のビームを得ることが難しくなる。
【0031】
第2の回折格子の回折角が第1の回折格子より大きい場合は、出射光が光軸の中心に向かって出射するためビームを近接させることができる。さらに第3の回折格子を用いてS,P偏光の2つのビームを略平行にすることができる。2つのビームを平行にすることで検出距離変化に強い(適応範囲の広い)光学系を得ることができる。また、第3の回折格子位置を前後させることにより2つのビームの間隔を調整できるため、所望のビーム間隔を得るための調整機構として用いることもできる。
【0032】
偏光分離手段として、複数スリットの機能を兼ね揃えた偏光フィルタ合成マスクを利用することができる。図17に示すごとくの、S偏光遮断フィルタとP偏光遮断フィルタを交互に配列した偏光フィルタマスクを図16に示すように光源の直後に配置する。この素子は偏光分離手段と複数スリットの機能を兼ね備えているため、図14に示したS偏光とP偏光が交互に配されるビームパターンを作り出すことができる。
【0033】
偏光分離素子の代わりにビームディスプレイシング素子を用いることで、2つのビームの間隔を正確に設定することができる。ビームディスプレイシング素子とは、図18に示すごとくに入射光を互いに直交する2つの直線偏光に平行分離するもので、複屈折結晶(例えば方解石等の一軸結晶など)等があげられる。方解石の場合を例に取るとN0(常光線の屈折率)=1.6595,NE(異常光線の屈折率)=1.4863,θ=45度とすると、γ=6度16分である。これより、5μmの分離角を得る結晶の長さLは、Ltanγ=5μmで計算でき、46μmとなる。ビームの間隔が、15μm,25μm,もしくは35μmなどのように1/4ピッチに相当する場合にも、同様に簡単に計算できる。ビームディスプレイシング素子を用いる場合の特徴として、焦点位置がずれても(スケールが焦点に近くなっても遠くなっても)ビーム間隔は設定通りになるので、高い安定性を得ることができる。
【0034】
上述したウオラストンプリズムやビームディスプレイシング素子は、2つの回折格子を用いることにより簡単に作製することができる。これを図19を参照して説明する。一般に回折格子は、そのピッチが波長より小さくなると、格子に平行な偏光を回折しないとういう特性が生じる。このときに格子に垂直な偏光は格子の深さを最適化することで100%に近い回折効率を得ることができるので、入射光を回折直線偏光と透過直線偏光とに分離することができる。このような回折格子を2個用いて、これらを互いに対向配置すると、ピッチが同じであれば2つの直線偏光は平行分離されて出射する。従って、これらの回折格子がビームディスプレイシング素子として機能する。またピッチが異なれば、微小な分離角が実現できることから、ウオラストンプリズムの機能を実現できる。回折格子の材料としては、プラスチックやガラス等を用いることができ、また複屈折特性を材料自体の物性により実現するものでなく回折格子という構造で実現する(構造複屈折と呼ばれる)ため、高価な材料を用いる必要がなく低コストで構成することができる。
【0035】
なお、偏光分離素子を用いる場合には、スケールに対し、S偏光とP偏光の2つの偏光を同じ光強度で入射させる方が有利(例えば受光素子の感度が同じであると回路が作りやすい)であるが、光源からの光にS偏光とP偏光とが均等に含まれているとは限らない。そこで光源が半導体レーザの場合には、1/2波長板を用いて、偏光を回転させることで、S,P両偏光を同じ光強度とすることができる。1/2波長板は、偏光分離素子の入射側であれば適宜配することが可能である。
【0036】
【発明の効果】
スケールの光源からの距離の変動をレンズの焦点深度で吸収できる構成であるので高い検出精度を維持でき、またレンズの焦点付近でのスケールの傾きは戻り光の傾きに影響を与えないのでスケールの傾きによる反射光の変動についても、安定した検出が可能で、高感度及び高精度で位置検出をすることができる。
【0037】
偏光分離手段によって相直交する2つの直線偏光に分離し、さらに偏光分離手段で分離するので、スケールの変動に対しても安定した検出精度を維持することができる。
【0038】
光を平行化する手段と集光する手段とを用いているので、偏光の分離精度を上げることができ、ノイズのない検出を行うことができる。
【0039】
スケールの移動方向に垂直な方向のビームの大きさをスケール移動方向の大きさより大きくするので、スリット上の汚損があっても安定して検出をすることができる。
【0040】
スケールに投射するビームを合理的かつ簡易に整形するための具体的手段が与えられる。
【0041】
複数のスリット状開口を有するスリットマスクを用いることにより、複数のビームによりスケールからの信号を検出できるため信号検出を安定して行うことができる。
【0042】
ビーム分離手段と偏光フィルタとを用いて偏光分離を行うことにより、安価なシステムを構成することができ、例えばビーム分離手段として回折格子を用いることにより簡易な光路調整が可能になる。
【0043】
偏光フィルタにより構成されたスリットマスクを使うことにより、偏光分割手段とスリットマスクの両方の機能を持たせることができるため、簡単な構成で小型化,低コスト化を図ることができる。
【0044】
ビーム分離手段としてビームディスプレイシング素子を用いることにより、焦点位置がずれても(スケールが焦点に近くなっても遠くなっても)ビーム間隔が設定通りに保たれるので、安定した検出が可能となる。
【0045】
ビーム分離手段として2つの回折格子を用いるので、簡単にかつ正確に平行移動の距離や分離角を設定することができ、例えば1/4ピッチの位相差を正確に設定できるので、カウンタで電気分割することによりさらに細かい位置を検出する際にも正確な値を得ることができる。また、低コストで作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光学式エンコーダ装置の一実施形態を説明するための概略構成図である。
【図2】 本発明の光学式エンコーダ装置において位置検出に用いる信号波形の一例を説明するための図である。
【図3】 本発明の光学式エンコーダ装置の他の実施形態を説明するための概略構成図である。
【図4】 本発明の光学式エンコーダ装置に適用するビーム分割素子の一例としてのウオラストンプリズムを示す概略図である。
【図5】 本発明の光学式エンコーダ装置に適用するビーム分割素子の他の例としての回析格子を示す概略図である。
【図6】 本発明の光学式エンコーダ装置に適用するビーム分割素子の他の例としてのビームスプリッタを示す概略図である。
【図7】 本発明の光学式エンコーダ装置に適用するビーム分割素子の他の例としてのビームディスプレイング素子を示す概略図である。
【図8】 本発明の光学式エンコーダ装置の更に他の実施形態を説明するための構成概略図である。
【図9】 本発明の光学式エンコーダ装置の更に他の実施形態を説明するための構成概略図である。
【図10】 本発明の光学式エンコーダ装置のスケールに投射するビームスポットの形状例を説明するための図である。
【図11】 本発明の光学式エンコーダ装置のスケールに投射するビームスポットの整形手段の一例を説明するための図である。
【図12】 本発明の光学式エンコーダ装置のスケールに投射するビームスポットの整形手段の他の例を説明するための図である。
【図13】 本発明の光学式エンコーダ装置の更に他の実施形態を説明するための構成概略図である。
【図14】 本発明の光学式エンコーダ装置のスケールに投射するビームスポットの形状例を説明するための図である。
【図15】 本発明の光学式エンコーダ装置に適用するビーム分離手段の例を説明するための概略構成図である。
【図16】 本発明の光学式エンコーダ装置の更に他の実施形態を説明するための概略構成図である。
【図17】 図9に示す偏光フィルタ合成マスクの構成例を説明するための図である。
【図18】 本発明の光学式エンコーダ装置の更に他の実施形態を説明するための構成概略図である。
【図19】 本発明の光学式エンコーダ装置に適用するビーム分離手段の例を説明するための概略構成図である。
【図20】 従来の干渉式エンコーダの一例を説明するための概略構成図である。
【符号の説明】
1…レーザ光源、2…コリメータレンズ、3…回折格子、51,52,53…1/4波長板、6…ビームスプリッタ、71,72…偏光板、81,82…受光素子、9…偏光ビームスプリッタ、101,102…反射鏡、20…集光系。
Claims (8)
- 光源と、該光源からの出射光を2つの光束に分離するビーム分離手段と、光の反射率または透過率が周期的に変化する構造を有するスケールと、該スケールに入射させた2つの光束の反射光または透過光を受光する受光手段とを有し、前記ビーム分離手段を出射した2つの光束を、前記スケールにおける周期ピッチの1/2ピッチまたはピッチの整数倍プラス1/2ピッチ互いにずれるように前記スケールに投射し、前記受光手段で受光した前記スケールからの反射光もしくは透過光を光電変換して得られる電気信号に基づいて、前記光源と前記スケールの相対的な位置の変化を検知可能とした光学式エンコーダ装置において、前記ビーム分離手段として、前記光源からの出射光を2つの光束に分離する手段と、分離した一方の光束のP偏光成分を遮断するP偏光遮断フィルタと、もう一方の光束のS偏光成分を遮断するS偏光遮断フィルタとを少なくとも用いることを特徴とする光学式エンコーダ装置。
- 光源と、該光源からの出射光を2つの光束に分離するビーム分離手段と、光の反射率または透過率が周期的に変化する構造を有するスケールと、該スケールに入射させた2つの光束の反射光または透過光を受光する受光手段とを有し、前記ビーム分離手段を出射した2つの光束を、前記スケールにおける周期ピッチの1/2ピッチまたはピッチの整数倍プラス1/2ピッチ互いにずれるように前記スケールに投射し、前記受光手段で受光した前記スケールからの反射光もしくは透過光を光電変換して得られる電気信号に基づいて、前記光源と前記スケールの相対的な位置の変化を検知可能とした光学式エンコーダ装置において、前記スケールに投射する光束を整形するためのスリット状開口を有するスリットマスクを備え、該スリットマスクは、2つ以上の前記スリット状開口を有し、前記スリットマスクの2つ以上のスリット状開口は、P偏光遮断フィルタを配した開口とS偏光遮断フィルタを配した開口とにより構成されていることを特徴とする光学式エンコーダ装置。
- 前記スケールに投射する光束を整形するためのレンズ手段を備えることを特徴とする請求項1記載の光学式エンコーダ装置。
- 前記スケールに投射する光束を整形するためのスリット状開口を有するスリットマスクを備えたことを特徴とする請求項1記載の光学式エンコーダ装置。
- 前記スリットマスクは、2つ以上の前記スリット状開口を有することを特徴とする請求項4記載の光学式エンコーダ装置。
- 前記ビーム分離手段として光源からの出射光を互いに直交する2つの直線偏光に分離する第1の偏光分離手段を用いるとともに、前記スケールと前記受光素子との間の光路上に第2の偏光分離手段を設け、前記スケールにおける反射光あるいは透過光を前記第2の偏光分離手段により2つの偏光に分離し、分離して得られたそれぞれの偏光を前記受光手段で受光することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1記載の光学式エンコーダ装置。
- 前記光源と前記ビーム分離手段との間の光路上に前記光源からの出射光を平行光として出射させる手段を有するとともに、前記スケールと前記第2の偏光分離手段との間の光路上に集光手段を有することを特徴とする請求項1乃至4または6のいずれか1記載の光学式エンコーダ装置。
- 前記スケール上に投射される光束の形状において、前記スケールの移動方向の光束の大きさを前記周期構造のピッチのほぼ半分とし、かつ前記移動方向の光束の大きさより前記移動方向の直行方向の光束の大きさを大きくしたことを特徴とする請求項1乃至4又は6又は7のいずれか1記載の光学式エンコーダ装置。
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