JP3672182B2 - 静電塗装装置の異常検知方法 - Google Patents

静電塗装装置の異常検知方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電塗装装置のスパーク異常を検知する静電塗装装置の異常検知方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車などに用いられている塗料は、高価であることから、ロスの発生を抑えるために静電塗装により塗装されている。
【0003】
静電塗装とは、一般的には、接地した被塗物を陽極とし、霧状に塗料を噴霧する塗料噴霧装置を陰極として負の高電圧を与えて両極間に静電界をつくり、噴霧させた塗料粒子を負に帯電させて、反対極である被塗物に効率よく塗料を付着させる塗装方法である。また、静電塗装は、高電圧を必要とすることから、静電塗装装置を用いて行われる。
【0004】
しかしながら、静電塗装を行うときには、高電圧を有する塗料噴霧装置が被塗物に接近しすぎると、両者の間にスパークが発生するスパーク異常が生じる問題があった。詳しくは、塗料噴霧装置と被塗物とが接近しすぎると、塗料噴霧装置と被塗物との間の導電性が高い部分を電流が流れることとなり、スパークが生じていた。ここで、スパークが発生すると、霧化した塗料に引火し、火災が発生することとなる。
【0005】
このスパーク異常の発生を抑えるために、従来の静電塗装装置は、塗料噴霧装置に供給される電力を測定し、異常を検知すると塗料噴霧装置に供給される電力を遮断してスパークが発生することを防止していた。すなわち、スパーク異常が生じると、塗料噴霧装置から被塗物へと電流が流れやすくなり、塗料噴霧装置に過剰な電力が電源部から流れることとなる。このことから、従来の静電塗装装置は、塗料噴霧装置に流れる電力を測定し、過剰な電力が供給されたときにスパーク異常として検知していた。
【0006】
しかしながら、このような塗料噴霧装置に供給される電力を測定する方法では、塗料噴霧装置から塗布される塗料側にリーク電流が流れることにより生じる電力供給量の増加もスパーク異常として検知するという問題を有していた。
【0007】
詳しくは、近年の車両用塗料には、アルミフレークが分散されたメタリック塗料が用いられ、このメタリック塗料などは塗料側への塗料噴霧装置からの電力のリークが生じやすくなっているためである。すなわち、分散したアルミフレークが塗料噴霧装置に塗料を供給する管路中で部分的に凝集した状態が生じ、この部分的な凝集にそって、電極体に印加された電力が流れるようになる。この結果、塗料噴霧装置に要求される電力量が増加し、過剰な電力が塗料噴霧装置に供給されるようになり、スパーク異常として検知されるようになる。
【0008】
なお、静電塗装装置は、塗料を供給する管路を接地電位に接続するアース回路が形成されることで、塗料噴霧装置からのリーク電力が放電され、塗料供給装置にリーク電力が流れないようになっている。
【0009】
また、誤検知により、塗装作業が停止すると、塗料としてメタリック塗料が用いられたときには、アルミフレークが塗料供給管路内で沈澱を生じるため、塗料を供給するための管路を洗浄しなくてはならなくなり、コストが増大してしまうという問題もあった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、リーク電力によるスパーク異常の誤検知が防止できる静電塗装装置の異常検知方法を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明者等は静電塗装装置の異常検知方法について検討を重ねた結果、アース回路に流れる電力と、塗料噴霧装置に供給される電力とからスパーク異常を検知する検知方法が上記課題を解決できることを見出した。
【0012】
すなわち、本発明の静電塗装装置の異常検知方法は、塗料を霧化して噴出する塗料噴出口と、霧化された塗料に電荷を付与する電極体と、を有する塗料噴霧装置と、塗料噴出口と連通した塗料が内部を通過する塗料供給管路と、塗料供給管路を介して塗料噴霧装置に塗料を供給する塗料供給部と、一方が管路と接続され他方が接地電位に接続されたアース回路と、を有する塗料供給装置と、電極体に電力を供給する供給電源と、供給電源と電極体とを接続する電源回路と、を有する電力供給装置と、を有する静電塗装装置のスパーク異常を検知する静電塗装装置の異常検知方法であって、電源回路を流れる供給電力を測定する供給電力測定工程と、アース回路を流れるリーク電力を測定するリーク電力測定工程と、供給電力とリーク電力とからスパーク異常を検知する異常検知工程と、を有することを特徴とする。
【0013】
本発明の静電塗装装置の異常検知方法は、供給電力とリーク電力とを測定し、両者の電力からスパーク異常を検知していることから、塗料側にリークした電力による異常の誤検知が抑えられる。この結果、静電塗装装置の作業の停止が抑えられ、作業効率が向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の静電塗装装置の異常検知方法は、塗料噴霧装置と、塗料供給装置と、電力供給装置と、を有する静電塗装装置のスパーク異常を検知する検知方法である。
【0015】
塗料噴霧装置は、塗料を霧化して噴出する塗料噴出口と、霧化された塗料に電荷を付与する電極体と、を有する装置である。すなわち、塗料噴霧装置は、塗料を霧化するとともに、霧化された塗料に電荷を付与する装置である。
【0016】
塗料噴霧装置は、塗料を霧化するとともに、霧化された塗料に電荷を付与する装置であれば、特に限定されるものではない。すなわち、従来の静電塗装装置に用いられている塗料噴霧装置を用いることができる。
【0017】
塗料噴霧装置は、塗料を霧化する方法により大きく3種類に分けることができ、いずれの方法を用いた装置を用いてもよい。すなわち、塗料を霧化する方法により、空気霧化静電塗装、エアレス静電塗装、回転霧化静電塗装とに大別される。
【0018】
空気霧化静電塗装は、塗料の霧化を空気で行い、高電圧をコロナピンよりなる電極体に印加し、これにより霧化された塗料粒子が電荷を帯びるようになる。空気霧化静電塗装は、塗料の霧化(粒子の微細化)がよく、良好な塗面品質を得ることができる。空気霧化静電塗装は、自動車の上塗り塗装(仕上げ塗装)工程で用いることができる。
【0019】
エアレス静電塗装は、塗料の霧化を塗料の噴出圧力を高くすることで行う以外は、空気霧化静電塗装と同様な塗装方法である。エアレス静電塗装は、被塗装面での塗料の反発が少ない。このため、自動車の中塗り工程などで用いられる。
【0020】
回転霧化静電塗装は、塗料を機械的および静電的に霧化して塗装する塗装方法である。この回転霧化静電塗装は、塗料の塗着効率が高い塗装方法であり、自動車の中塗り工程などで用いられる。回転霧化静電塗装を用いた塗料噴霧装置としては、たとえば、ベル塗装装置をあげることができる。ベル塗装装置の構成を図2に示した。
【0021】
図2よりベル塗装装置は、内部が中空でありかつ底面部が開口した略円錐形状を有する塗装ベル11と、塗装ベル11の内部に開口した塗料が噴出する塗料噴出ノズル12と、塗装ベル11の軸方向と垂直な方向に広がるとともに塗装ベル11と同軸にもうけられ塗装ベル11の内周面と当接しない円板よりなる電極体13と、塗装ベル11の円錐形状の軸を回転軸として塗装ベル11および電極体13を回転させる回転部16と、電極体13に電気的に接続され電極体13に高電圧を供給する昇圧装置14と、を有する装置である。また、塗料噴霧装置1は、塗装ベル11内にエアーを供給するエアー供給ノズル15がもうけられている。
【0022】
塗料供給装置は、塗料噴出口と連通した塗料が内部を通過する塗料供給管路と、塗料供給管路を介して塗料噴霧装置に塗料を供給する塗料供給部と、一方が管路と接続され他方が接地電位に接続されたアース回路と、を有する装置である。すなわち、塗料供給装置は、塗料噴霧装置に塗料を供給する装置である。また、アース回路は、塗料噴霧装置の電極体の電荷が塗料供給管路および管路中の塗料を介して塗料供給装置側に流れることを防止するためにもうけられている。
【0023】
塗料供給装置は、塗料噴霧装置に塗料を供給する装置であれば、特に限定されるものではない。すなわち、従来の静電塗装装置に用いられている塗料供給装置を用いることができる。
【0024】
この塗料供給装置としては、たとえば、塗料を保持する塗料タンクと、一端が塗料タンクに保持された塗料中に開口し他端が塗料噴霧装置の塗料噴出口と連通した塗料供給管と、塗料タンクに保持された塗料を塗料供給管を介して供給するためのポンプと、を有する装置をあげることができる。
【0025】
電力供給装置は、電極体に電力を供給する供給電源と、供給電源と電極体とを接続する電源回路と、を有する装置である。すなわち、電力供給装置は、霧化した塗料に電荷を付与するための電力を電極体に供給する装置である。
【0026】
電力供給装置は、電力を電極体に供給する装置であれば、特に限定されるものではない。すなわち、従来の静電塗装装置に用いられている電力供給装置を用いることができる。
【0027】
本発明の静電塗装装置の異常検知方法は、供給電力測定工程と、リーク電力測定工程と、異常検知工程と、を有する検知方法である。
【0028】
供給電力測定工程は、電源回路を流れる供給電力を測定する工程である。すなわち、電源回路を流れる供給電力を測定することで、供給電源から塗料噴霧装置の電極体へ供給された電力が得られる。
【0029】
リーク電力測定工程は、アース回路を流れるリーク電力を測定する工程である。すなわち、アース回路を流れるリーク電力を測定することで、塗料を介して塗料供給装置側に流れたリーク電力が得られる。
【0030】
異常検知工程は、供給電力とリーク電力とからスパーク異常を検知する工程である。すなわち、異常検知工程は、供給電力とリーク電力とから塗料噴霧装置の電極体から塗料に供給された電力を演算し、スパーク異常を検知する工程である。
【0031】
異常検知工程は、供給電力とリーク電力との電力差を求め、電力差からスパーク異常を検知する工程であることが好ましい。すなわち、供給電力とリーク電力との電力差を求め、電力差が所定の電力範囲量を超えると、塗料噴霧装置から被塗物側へと供給電力が流れたと判断して、スパーク異常として検知する工程である。
【0032】
詳しくは、通常のスパーク異常が生じていない状態においては、供給電力が増加しても、リーク電力が供給電力と同様に増加する。すなわち、スパーク異常が生じていない状態では、供給電力の増加分がアース回路に流れることとなる。この結果、供給電力とリーク電力との電力差は一定の範囲内におさまる。
【0033】
また、スパーク異常が発生する状態においては、供給電力は増加するが、リーク電力の増加は見られない。すなわち、スパーク異常が発生する状態では、塗料噴霧装置から被塗物側へと供給電力が流れるようになり、供給電力の測定値が大きくなる。しかしながら、塗料噴霧装置から被塗物側へと電力が流れるため、リーク電力には増加は見られなくなる。この結果、スパーク異常が発生すると、供給電力とリーク電力との電力差が大きくなる。
【0034】
以上に示したように、異常検知工程は、電力差が大きくなり所定の範囲を超えるとスパーク異常として検知する。
【0035】
異常検知工程において、電力差を比較する所定の電力範囲は、用いられる塗料の種類や、静電塗装装置の種類などの条件により異なることから一概に決定できるものではない。
【0036】
スパーク異常が検知されたときに異常信号を発信する異常発信工程を有することが好ましい。異常発信工程を有することで、スパーク異常の発生を抑えることができる。すなわち、異常発信工程において発信された異常信号を受けて電極体への供給電力の供給を抑えることが可能となり、スパークの発生を抑えることができる。
【0037】
供給電力検知工程およびリーク電力検知工程は、供給電力およびリーク電力の電流値を測定することが好ましい。静電塗装は、電極体に高電圧を付与することで行われるため、供給電力およびリーク電力の電圧値を測定することで、誤差が大きくなるため、安定して測定できる電流値を測定することができる。
【0038】
本発明の異常検知方法によりスパーク異常を検知する静電塗装装置は、被塗物が接地電位に接続された状態で静電塗装が行われる。すなわち、静電塗装が行われると、電極体は、霧化された塗料に電荷を付与するために高い電位を有する。また、被塗物が接地電位に接続されているため、電極体と被塗物との間に静電界が発生し、電荷を有する塗料が被塗物にすいよせられて被塗物の表面に付着して塗装が行われる。
【0039】
また、本発明の異常検知方法によりスパーク異常を検知する静電塗装装置により塗装される塗料は、特に限定されるものではない。すなわち、従来の静電塗装装置による塗装に用いられていた塗料を用いることができる。
【0040】
本発明の静電塗装装置の異常検知方法を用いた静電塗装装置の例として、塗料噴霧装置と、塗料供給装置と、電力供給装置と、を有する静電塗装装置において、電源回路に供給電力測定装置を、アース回路にリーク電力測定装置をもうけ、供給電力測定装置およびリーク電力測定装置とを演算装置で接続した静電塗装装置をあげることができる。この静電塗装装置は、それぞれの電力測定装置で測定された電力値から、接続された演算装置においてスパーク異常を検知する。
【0041】
本発明の静電塗装装置の異常検知方法は、供給電力とリーク電力とを測定し、両者の電力を比較してスパーク異常を検知していることから、塗料側にリークした電力による異常の誤検知が抑えられる。この結果、誤検知による静電塗装装置の作業の停止が抑えられ、作業効率が向上する。
【0042】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を説明する。
【0043】
(実施例)
本発明の実施例として静電塗装装置を作成した。この装置の構成を図1に示した。なお、この図1は、実施例の静電塗装装置を用いて自動車のボディーに静電塗装を行っている状態を示した。
【0044】
実施例の静電塗装装置は、塗料噴霧装置1と、塗料供給装置2と、電力供給装置3と、供給電力測定装置41と、リーク電力測定装置42と、演算装置43と、を有する静電塗装装置である。
【0045】
塗料噴霧装置1は、内部が中空でありかつ底面部が開口した略円錐形状を有し塗料を霧化する塗装ベル11と、塗装ベル11の内部に開口した塗料が噴出する塗料噴出ノズル12と、塗装ベル11の軸方向と垂直な方向に広がるとともに塗装ベル11と同軸にもうけられ塗装ベル11の内周面と当接しない円板よりなる電極体13と、塗装ベル11の円錐形状の軸を回転軸として塗装ベル11および電極体13を回転させる回転部16と、電極体13に電気的に接続され電極体13に高電圧を供給する昇圧装置14と、を有する装置である。また、塗料噴霧装置1は、塗装ベル11内にエアーを供給するエアー供給ノズル15がもうけられている。ここで、塗料噴霧装置1の詳しい構成は、図2に示した。なお、図2(a)は、塗料噴霧装置1の構成を示し、図2(b)は塗装ベル11を開口部から見た状態を示した図である。
【0046】
塗料供給装置2は、塗料を貯留するタンク21と、一端がタンク21の底面に開口し他端が塗料噴出ノズル12と連通した塗料パイプ22と、塗料パイプ22中にもうけられ塗料をタンク21から塗料噴霧装置1側に供給するためのポンプ23と、塗料パイプ22を接地電位に接続するアース回路24と、を有する装置である。
【0047】
電力供給装置3は、所望の電力量を供給できる供給電源31と、供給電源31と昇圧装置14とを電気的に接続する電源回路32と、を有する装置である。
【0048】
供給電力測定装置41は、電源回路32中にもうけられた電流計である。
【0049】
リーク電力測定装置42は、アース回路24中にもうけられた電流計である。
【0050】
演算装置43は、供給電力測定装置41およびリーク電力測定装置42と接続され、供給電力の電流(Ia)とリーク電力の電流(Ib)の電流差を求め、この電流差と所定の電流値範囲とを比較する装置である。
【0051】
(静電塗装)
実施例の静電塗装装置を用いて自動車のボディー5に静電塗装を行った。
【0052】
塗装される自動車のボディー5は、接地電位に接続された台車51上に配置された。また、塗料噴霧装置1は、自動車のボディー5の表面に対向した状態で配置された。
【0053】
まず、回転部16を稼働させて塗装ベル11および電極体13を回転させる。塗装ベル11および電極体13を回転させた状態でポンプ22を稼働させて、塗料タンク21から塗料を塗装ベル11内に供給する。塗装ベル11内に供給された塗料は、塗装ベル11の内周面部に沿って塗装ベル11の開口部まで移動し、塗装ベル11の回転の遠心力により開口部において微粒子化され噴霧される。このとき、塗装ベル11が回転することで塗装ベル11内が低圧になることを防止するためにエアー供給ノズル15から塗装ベル11内にエアーが供給される。
【0054】
つづいて、塗装ベル11から塗料が噴霧された状態で、電力供給装置3の供給電源31を作動させて、電極体13に負の電位を付与する。電極体13は、塗装ベル11により霧化された塗料粒子に負の電位を付与する。
【0055】
電極体13に電力が供給されると、接地電位に接続されたボディー5との間に静電界が形成され、この静電界を形成する静電力により塗料がボディー5に向かって移動する。負の電位を有する塗料がボディー5に接触すると、負の電位は、ボディー5に接続された接地電位に移動(Ic)し、塗料がボディー5に付着するようになる。
【0056】
(スパーク異常の検知)
実施例の静電塗装装置を作動させ、電流測定装置41、42で電流を測定し、演算装置43によりスパーク異常の検知を行った。ここで、静電塗装装置は、安定した状態で静電塗装を行っている状態、リーク電力が増加して供給電力が増加した状態、スパーク異常が生じる状態、の3種類の状態で作動させた。
【0057】
静電塗装中の供給電力測定装置41により測定された供給電力の電流(Ia)を図3(a)に、リーク電力測定装置42により測定されたリーク電力の電流(Ib)を図3(b)に、演算装置43によるスパーク異常の検知結果を図3(c)に示した。なお、図3(c)におけるスパーク異常は、異常ビットとして表示した。
【0058】
図3より、供給電力の電流(Ia)が定常状態の安定したピークを有するときには、リーク電力の電流(Ib)の測定ピークも安定している。このとき、演算装置は、供給電力の電流(Ia)とリーク電力の電流(Ib)の電流差を求め、この電流差と所定の電流値範囲とを比較した。この定常状態では、電流差が所定の電流値範囲内にあるため、異常として検知しない。
【0059】
また、塗料供給装置側に電力のリークが生じたときには、供給電力の電流(Ia)が増加している。供給電力の電流(Ia)の増加にともなってリーク電力の電流(Ib)も増加している。このため、供給電力の電流(Ia)とリーク電力の電流(Ib)の電流差が所定の電流値範囲内にあるため、異常として検知しない。
【0060】
さらに、スパーク異常が生じるときには、供給電力の電流(Ia)が増加している。スパーク異常が生じると、過剰な電流がボディー側に流れるようになり、リーク電力の電流(Ib)は減少する。このため、供給電力の電流(Ia)とリーク電力の電流(Ib)の電流差が過大となり、所定の電流値範囲を超えることとなり、異常ビットとして検出する。
【0061】
上述したように、本発明の異常検知方法を用いた実施例の静電塗装装置は、塗料供給装置側への電力のリークにより生じる供給電力の増加をスパーク異常として検知しなくなっている。このことから、実施例の静電塗装装置は、リーク電力の増加による誤検知が抑えられたスパーク異常の検知を行うことができる。
【0062】
【発明の効果】
本発明の静電塗装装置の異常検知方法は、供給電力とリーク電力とを測定し、両者の電力からスパーク異常を検知していることから、塗料供給装置側にリークした電力によるスパーク異常の誤検知が抑えられる。この結果、スパーク異常の誤検知による静電塗装装置の作業の停止が抑えられ、塗装装置による塗装作業の効率の低下が抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の静電塗装装置の構成を示した図である。
【図2】 ベル塗装装置の構成を示した図である。
【図3】 電力測定装置における電流の測定結果および演算装置における異常ビットの検知を示した図である。
【符号の説明】
1…塗料噴霧装置 11…塗装ベル 12…塗料噴出ノズル
13…電極体 14…昇圧装置 15…エアー供給ノズル
2…塗料供給装置 21…タンク 22…塗料パイプ
23…ポンプ 24…アース回路
3…電力供給装置 31…供給電源 32…電源回路
41…供給電力測定装置 42…リーク電力測定装置
43…演算装置 5…ボディー

Claims (4)

  1. 塗料を霧化して噴出する塗料噴出口と、霧化された該塗料に電荷を付与する電極体と、を有する塗料噴霧装置と、
    該塗料噴出口と連通した該塗料が内部を通過する塗料供給管路と、該塗料供給管路を介して該塗料噴霧装置に該塗料を供給する塗料供給部と、一方が該管路と接続され他方が接地電位に接続されたアース回路と、を有する塗料供給装置と、
    該電極体に電力を供給する供給電源と、該供給電源と該電極体とを接続する電源回路と、を有する電力供給装置と、
    を有する静電塗装装置のスパーク異常を検知する静電塗装装置の異常検知方法であって、
    該電源回路を流れる供給電力を測定する供給電力測定工程と、
    該アース回路を流れるリーク電力を測定するリーク電力測定工程と、
    該供給電力と該リーク電力とからスパーク異常を検知する異常検知工程と、
    を有することを特徴とする静電塗装装置の異常検知方法。
  2. 前期異常検知工程は、前記供給電力と前記アース電力との電力差を求め、該電力差からスパーク異常を検知する工程である請求項1記載の静電塗装装置の異常検知方法。
  3. 前期スパーク異常が検知されたときに異常信号を発信する異常発信工程を有する請求項1記載の静電塗装装置の異常検知方法。
  4. 前記供給電力検知工程および前記リーク電力検知工程は、前記供給電力および前記リーク電力の電流値を測定する請求項1記載の静電塗装装置の異常検知方法。
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