JP3671790B2 - 建設機械の運転室支持装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ショベル等からなる建設機械に設けられる運転室を車体のフレームに防振的に支持する建設機械の運転室支持装置に関するものである。
【0002】
【従来技術の説明】
建設機械として、例えば油圧ショベルは図5に示した構成となっている。同図において、1は左右一対の履帯を有する下部走行体であって、この下部走行体1の上には上部旋回体2が旋回可能に設けられている。ここで、上部旋回体2は、旋回フレーム3に各種の機構を装着することにより構成される。油圧ショベルの場合には、この機構としては、フロント作業機4があり、また運転室5が設けられる。さらに、エンジンや油圧ポンプ等を内蔵した建屋6、燃料タンクや作動油タンクといったタンク類も設置される。
【0003】
フロント作業機4は土砂の掘削等の作業を行うためのものであり、旋回フレーム3に俯仰動作可能に連結したブーム4aと、このブーム4aの先端に上下方向に回動可能に設けたアーム4bとを備え、さらにアーム4bの先端にはリンク機構を介してバケット4c等からなるフロントアタッチメントが連結される。他の建設機械として、例えば油圧クレーンがあるが、油圧クレーンの場合には、土砂の掘削等の作業機に代えて、クレーンが設置される。いずれにしろ、オペレータが運転室5内で操作レバー等の操作手段を操作することによって、機械の作動が制御される。
【0004】
ここで、油圧ショベルを作動させて土砂の掘削等の作業を行う際には、車両全体が大きく振動する。運転室5内でオペレータが機械の操作を行うに当って、この運転室5内の居住性を高め、各々の操作を円滑かつ安全に、しかも確実に行うために、運転室5は旋回フレーム3に対して剛体的に連結するのではなく、防振支持装置を介して連結し、もって車両の振動が運転室5に伝達するのを抑制している。このために用いられるのが防振マウントであり、運転室5と旋回フレーム3とは基本的にはこの防振マウントを介して連結される。ここで、例えば特開平7−16210号公報に2種類の防振マウントが記載されている。この公知の防振マウントの具体的な構成を図6及び図7に示す。
【0005】
図6に示した防振マウント10は、円筒状に形成した筒状本体11を有し、この筒状本体11の下部には底板12が連結され、また上部には取付部材13が接合して設けられ、この取付部材13は筒状本体11の内部にまで延在されている。そして、取付部材13にはゴム等の弾性部材14が取り付けられており、この弾性部材14はさらに筒状本体11の内部にまで延在されている。そして、この弾性部材14により内部が密閉した減衰力発生室15を形成している。そして、この減衰力発生室15内には、例えばシリコン油等の高い粘度を持った作動流体が封入されている。弾性部材14の中央部には連結部材16が固着して設けられており、この連結部材16の下端部は減衰力発生室15内に臨んで、下板17が連結されている。また、この連結部材16における弾性部材14より外部に突出する部位には上板18が連結される。また、連結部材16にはねじ杆16aが設けられており、このねじ杆16aは運転室5のフロアプレート5aを貫通させて、ナット16bが締着される。さらに、筒状本体11の上端部は外方に曲成され、この曲成部と取付板13がとはボルト19により旋回フレーム3に固定されれている。これによって、運転室5は旋回フレーム3に防振マウント10を構成する弾性部材14を介して弾性的に支持されることになる。
【0006】
車両の走行や土砂の掘削作業時等において、振動が発生すると、弾性部材14が撓んで、連結部材16が上下方向にストロークする。その結果、この連結部材16に連結した下板17が減衰力発生室15内で上下動することになる。ここで下板17の上下のチャンバは、下板17に穿設した透孔17aと、下板17の外周部の隙間を介して連通しているが、この連通路は絞られており、また減衰力発生室15内に封入した作動流体は高粘度のものである。従って、作動流体の粘性抵抗及び流動抵抗によって、連結部材16の上下動に対する減衰力を発揮することになる。
【0007】
また、図7には、他の例の防振支持装置を構成する防振マウント20が示されている。この防振マウント20は、筒状本体部21として、有底の下部本体21aと、この下部本体21aにかしめ等の手段で連結された上部本体21bとから構成され、下部本体21a側には減衰力発生室22が形成され、上部本体21b側には弾性部材23が装着されており、この弾性部材23の中央部には連結部材24が固着されており、その下端部側には下板25が取り付けられる。透孔25aを有する下板25にはゴム等の弾性変形可能な筒状部材26が立設されている。この筒状部材26は筒状本体21における下部本体21aと上部本体21bとの間に固定して設けたリング板27に対面しており、これら下板25とリング板27とによって減衰力発生室22は上下に分割されて、その間に筒状部材26の端面とリング板27との間に絞り部が形成される。さらに、連結部材24の上端部には運転室5のフロアプレートに連結するためのねじ杆28が螺挿される。一方、この防振マウント20を下部走行体2側にボルトで固定するために取付板29が筒状本体21の上部本体21bに固着して設けられている。
【0008】
以上のように、図6,図7に示した防振マウント10,20は旋回フレーム3と運転室5との間に介装されるものである。ここで、旋回フレーム3は、図8に示したように、この旋回フレーム3の前後方向に配置したメインフレーム7間に所定の間隔をもって複数のビーム8を掛け渡すようにしてなるものである。そして、防振マウント10(または20)はビーム8に通常は4箇所設けられる。従って、旋回フレーム3と運転室5とはこのように4箇所の防振マウントにより連結されている。なお、防振マウントはそれぞれ4個のボルトでビーム8に固定されているが、固定用のボルトは例えば2箇所とすることもできる。
【0009】
また、防振支持装置としての防振マウント10,20は上下方向の防振としては十分機能するが、ロール方向、つまり捩り方向における防振機能を向上させるために、この弾性部材と高粘度流体を用いた前述の防振マウントに加えて、ばねを併用したものが、例えば特開平9−71970号公報に示されている。この公知例では、運転室の後端側は防振マウントに支持させるが、前方側に設けられる防振マウントに運転室を上方に付勢するばねを付設し、さらに運転室を下方に付勢するばねを独立に設けることによって、運転室を旋回フレームに対してロール方向にも弾性的に支持させる構成としている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
弾性部材と減衰力発生室とを備えた防振マウントにあっては、上部旋回体側への取付部と、運転室側への取付部との間が近接・離間する方向に所定の範囲でストロークすることになり、その間に弾性部材による弾性変形と、減衰力発生室内の高粘度流体が流動する際に生じる抵抗とにより振動が吸収される。この振動吸収能力は、この防振マウントに作用する荷重を基準として設定される。ここで、振動吸収能力を最大限に発揮するには、防振マウントの剛性を低くしなければならない。ただし、防振マウントの剛性を低くすると、大きな荷重が作用した時に、振動の吸収機能を発揮しないだけでなく、防振マウントを損傷させることになる。従って、運転室に最大荷重が作用した時にも有効に振動を吸収でき、かつ低荷重での振動時にも十分振動吸収能力を発揮させるために、防振マウントによる振動吸収限界値を最大荷重作用時のものとして設定する。つまり、防振マウントに対して最大荷重が作用してもなおストロークして、弾性部材が弾性変形し、かつ減衰力発生室内の作動流体が流通する状態に保持するように設定される。この防振マウントのストローク範囲が常用ストローク範囲であり、防振マウントはこの常用ストローク範囲内で所期の振動吸収能力を発揮する。
【0011】
このように、常用ストローク範囲の上限値は最大荷重を基準として決定されるが、この最大荷重は通常の運転状態において、防振マウントに作用する荷重を基準とする。従って、万一、この最大荷重以上の荷重が防振マウントに作用した時には、この防振マウントに過大な負荷が作用して、運転室側の取付部と旋回フレーム側の取付部との間を直接連結している弾性部材が弾性限界以上にまで引っ張られる等の事態が発生することになる。
【0012】
ところで、運転室は上部旋回体から突出しており、しかも下部走行体により自走できるようになっている。従って、飛散物や落下物等と衝突する可能性がある。また、坂路走行時や、瓦礫等が堆積している場所等、条件の悪い場所を走行している間に、車両のバランスを崩して構築物等と衝突したり、転倒したりする可能性も否定できない。このような事態が生じると、運転室に通常作用する荷重以上の極端に大きな荷重が作用することもある。ただし、実際上ではこのような事態が生じるのは極めて稀であり、この時の荷重を最大荷重として常用ストローク範囲を設定すると、防振マウントの剛性を極端に高くしなければならず、通常運転時における振動吸収能力が著しく低下する。
【0013】
このために、通常運転時における最大荷重以上の極端に大きな荷重が作用した時において、この防振マウントを構成する弾性部材に引っ張り力が加わる状況、つまり運転室の上部側の角隅部に極端な荷重が作用して、旋回フレームから浮き上がる方向に変位した時には、弾性部材が弾性限界以上に張力が作用して、やがてはこの弾性部材が破断してしまうことになる。このように、防振マウントが損傷すると、運転室の旋回フレームに対する連結状態が失われ、甚だしい場合には運転室側の取付部と旋回フレーム側の取付部とが分離してしまうおそれがある。また、分離しないまでも、運転室が上部旋回体から大きく浮き上がると、運転室から引き出された配線や油圧配管等が損傷するおそれがあり、そうなると、油圧ショベルが作動不能な状態となってしまう。
【0014】
防振マウントにおいては、弾性部材が弾性限界にまで引っ張られる前に可動板の動きが規制される。図6に示した防振マウント10の場合には、連結部材16に連結して設けられている下板17が旋回フレーム3側に連結した取付部材13と接合状態になり、また図7の防振マウント20では下板25がリング板27に接合する。その結果、これらの接合によりある程度のストッパ機能を発揮することになる。ただし、前述したような極端な荷重が作用した時にも、防振マウントが大きくストロークするのを防止するストッパ機能を発揮させるには、下板17と取付部材13やリング板27と下板24との強度を高めなければならない。その結果、防振支持装置の全体構成が大型化、重量化することになり、その取付位置が制約される等の不都合が生じる。また、特開平9−71970号公報に示された防振支持装置にあっては、ばねにより弾性的支持も行われる関係から、運転室のフロアプレートから下方にばね受けが延在されているが、このばねはあくまで運転室にロール方向の振動を吸収する目的のものであり、従ってばね受けに連結したロッドには、運転室に作用する極端な衝撃的な荷重等を有効に受承できる強度を持たせるようにはなされていない。
【0015】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、小型でコンパクトな構成の防振マウントによって、運転室を有効に防振支持させ、かつ極端に大きな荷重が作用した時に、防振マウントを損傷することなくこの荷重を確実に受承できるようにすることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前述の目的を達成するために、本発明は、車体のフレームに運転室を設置するに当たって、フレーム側への取付部と、運転室側への取付部と、これら両取付部間に設けた減衰力発生室と弾性部材とからなる振動吸収部を含む防振マウントを備え、運転室をフレームに防振的に支持させるようにしたものであって、前記運転室が前記フレームから離間する方向に変位した時に、この防振マウントがさらに変位するのを規制するストローク端位置規制手段を備え、このストローク端位置規制手段による規制位置は、前記防振マウントの前記減衰力発生室による振動吸収能力を発揮する常用ストローク範囲越えた位置と、それ以上変位すると前記弾性部材が元の位置に復帰できなくなる限界ストローク端位置との間の位置に設定する構成としたことをその特徴とするものである。
【0017】
ここで、常用ストローク範囲は、前述したように、防振支持装置による振動吸収能力を最大限に発揮するように設定されている。ただし、この常用ストローク範囲のストローク端位置は減衰力発生室の作用が実質的に失われる位置であり、必ずしもそれ以上変位しない訳ではない。従って、この常用ストローク範囲を越えて変位し、それ以上ストロークすると、荷重が取り除かれた時に防振マウントが元の状態に復帰しなくなる位置、つまり防振マウントを損傷させるに至る可能性のある位置を限界ストローク端位置とした時に、ストローク端位置規制手段による規制位置は、常用ストローク範囲を越えて、この限界ストローク端位置に至るまでの間の位置とする。これによって、衝撃的な荷重等が加わった後に、荷重が取り除かれると、防振マウントが本来の機能を発揮する状態に復帰する。
【0018】
ストローク端位置規制手段の具体的な構成としては、例えばフレームに止着され、運転室の床面に形成した貫通孔に挿通させるように延在させた支持杆と、この支持杆が貫通孔を通過した位置に設けられ、この貫通孔より大径のストッパ部とから構成することができる。また、ストローク端位置規制手段を構成する支持杆とストッパ部とを一体に形成したボルトで構成して、このボルトをフレームに固着して設けたねじ座に、このボルトのストッパ部として機能するボルト頭の高さ位置を調整可能に螺挿する構成としても良い。
【0019】
ストローク端位置規制手段は各々の防振マウントに近接した位置に4箇所配置することもできるが、運転室がフレームから離間する方向、つまり浮き上がる方向への動きを制限するためのものである。従って、このストローク端位置規制手段に十分な強度を持たせておけば、少なくとも1箇所にのみ設けておけば良い。ここで、運転室は車体のフレームの側部に位置しており、この側部側には運転室内に出入りするドアが設けられ、また反対側の側面はフロント作業機等の機構が近接した位置に設けられている。従って、運転室がドア側に傾く方向に対して過大な荷重が作用した時に、ストローク端位置規制手段に荷重を受承させるのが最適である。このためには、運転室の前後における概略中間位置または中間位置より後方側の位置で、ドア側に偏寄した位置に設けるのが望ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明では図5に示した油圧ショベルにおいて、旋回フレーム3に、図6に示した防振支持マウント10を4箇所設けて、運転室5を防振支持させる構成としたものとして説明する。だだし、油圧ショベル以外の建設機械にも適用でき、また用いられる防振マウントは図7に示した構成のものや、さらに別のタイプの防振マウントを用いても良い。また、以下の説明において、図5及び図6と同一または均等な部材については、それらと同一の符号を付すものとする。
【0021】
而して、図1に示したように、運転室5は旋回フレーム3を構成するメインフレーム7に溶接手段で連結したビーム8に防振マウント10を介して連結されている。図2に図1のA−A断面を示す。ここで、同図に示したように、運転室5のフロアプレート5aはフロアベース5bに接合されており、さらにフロアベース5b上に補強プレート30が設けられている。防振マウント10における上板18から突設されているねじ杆16aは、これらフロアプレート5a,フロアベース5b及び補強プレート30に調芯された状態に穿設した挿通孔31を貫通して運転室5内に延在されている。そして、ナット16bを補強プレート30の上部側からねじ杆16aに螺合させて、このナット16bを締め付けることにより防振マウント10が運転室5に連結・固定される。また、ビーム8にはボルト19(2箇所または4箇所)を用いて防振マウント10の筒状本体11及び取付部材13が連結・固定されている。
【0022】
さらに、ビーム8には、ストローク端位置規制手段として、ボルト32が、その頭部32aを溶接等の手段で固着して設けられており、このボルト32の軸部32bは運転室5に向けて突出している。このボルト32の装着部に対応する位置において、運転室5におけるフロアプレート5a,フロアベース5b及び補強プレート30には、このボルト32の軸部32bを挿通させるための貫通孔33が調芯された状態にして穿設されている。このようにして運転室5内に導かれたボルト32の軸部32bにはストッパを構成する第1のナット34と、この第1のナット34に対するロックナットを構成する第2のナット35とが螺合されている。そして、第1のナット34の外径は、少なくとも貫通孔33の孔径より大きくなっており、従ってこの第1のナット34は貫通孔33から脱出できないようになっている。
【0023】
ここで、第1のナット34と補強プレート30との間にはギャップGが形成されている。従って、運転室5が旋回フレーム3からこのギャップGに相当する間隔だけ離間した時には、第1のナット34が補強プレート30と当接して、それ以上変位できないようになる。
【0024】
而して、運転室5は第一義的には防振マウント10により旋回フレーム3に連結されている。そして、車両に振動が作用すると、防振マウント10における旋回フレーム3側の取付部である筒状本体11及び取付部材13と、運転室5側の取付部である連結部材16との間が上下方向に相対変位する。その結果、下板17が上下動することになり、その間に減衰力発生室15内を流れる作動流体の粘性抵抗及び流動抵抗により振動に対する減衰機能を発揮する。従って、この防振マウント10で運転室5の防振支持機能を発揮するには、減衰力発生室15内で減衰作用が行われること、つまり下板17が変位でき、かつ減衰力発生室15内において下板17により区画形成される上下のチャンバの容積が変化する状態でなければならない。常用ストローク範囲はこの減衰力発生室15における減衰作用が発揮する範囲である。
【0025】
図3に防振マウント10に作用する荷重とその変位ストロークとの関係を示す。同図において、防振マウント10のストローク範囲のうち、S0 で示した位置までは弾性部材14が弾性変形可能であり、かつ減衰力発生室15による減衰作用を発揮する範囲である。従って、理想的には、油圧ショベルにおける通常の運転状態での理論上での最大荷重Lが作用した時に、このストローク端位置S0 に設定することができる。ただし、この常用ストローク端位置S0 と最大荷重Lとを正確に一致させるのは困難であり、実用上は、同図に示したように、最大荷重Lの作用時における常用ストローク端位置をS0 の位置より僅かに低いS1 の位置とするのが一般的である。
【0026】
ところが、防振マウント10は、前述したS0 の位置までしか変位しない訳ではない。つまり、減衰力発生室15による減衰作用を発揮しなくなっても、なお下板17が上方に変位することができる。この時には、まず弾性部材14が撓められることになる。また可動板13は金属で形成されていることから、さらに大きな荷重が作用しても、下板17による押圧力で取付板13が多少弾性変形する。ただし、荷重が解除されると、弾性部材14及び取付板13が元の状態に復元する。ただし、図3に示した極限荷重Lmax を越える荷重が作用すると、弾性部材14が破断したり、また下板17や取付板13が永久変形することになり、荷重が解除されても、もはや防振マウント10が元の状態に復元しない。さらに、甚だしい場合には、旋回フレーム3側の取付部材と運転室5側の取付部材とが分離してしまうことになる。そこで、防振マウント10が常用ストローク端位置S1 を越えてストロークして、それ以上ストロークすると、防振マウント10の復元が不能で、少なくとも部分的に損傷を来すおそれのある位置をS2 として、このS2 の位置を限界ストローク端位置と設定する。
【0027】
第1のナット34と補強プレート30との間に形成したギャップG、つまり運転室5が旋回フレーム3から離間する方向に変位した時に、第1のナット34が補強プレート30と当接する位置を、前述した常用ストローク端位置S1 と、限界ストローク端位置S2 との間に設定しておく。
【0028】
これによって、油圧ショベルが通常状態で運転されている時に、防振マウント10に作用する荷重を減衰力発生室15の作用と弾性部材14の弾性変形とによって有効に吸収でき、所定の防振特性を発揮させることができる。しかも、運転室5に最大の荷重が作用したとしても、この防振マウント10のみで支持されるから防振機能が失われない。ただし、落下物等が衝突したり、構築物等と衝突したり、さらには油圧ショベルが転倒するような事態が発生して、極めて大きな外力が運転室5に作用した時には、防振マウント10は常用ストローク端位置S1 を越えて、さらに変位するが、限界ストローク端位置S2 に至る前の段階で、ストローク端位置規制手段を構成する第1のナット34が運転室5のフロアプレート5a、具体的には補強プレート30に当接することによって、剛体的に運転室5の浮き上がりが規制される。その結果、運転室5と旋回フレーム3との間の連結強度が増大することになり、防振マウント10の保護が図られると共に、この防振マウント10における旋回フレーム3側の取付部と運転室5側の取付部とが分離して、運転室5が旋回フレーム3から脱落するという極端な事態が発生するのを確実に防止できる。しかも、荷重が解除されると、防振マウント10は確実に元の状態に復帰する。そして、このように、常用ストローク端位置S1 を僅かに越えた位置で他のストッパ機構が作動するから、運転室5が旋回フレーム3から大きく浮き上がるのを防止でき、運転室5の内部と建屋6内に設けた各種の機器等との間を接続するケーブル類や配管類が損傷するのを防止できる。
【0029】
ここで、ストローク端位置規制手段を構成するボルト32は、前述した極端な荷重が作用した時に、その全荷重を支承する訳ではない。つまり、ストローク端位置規制手段で規制された状態では、なお防振マウント10による旋回フレーム3と運転室5との間は連結状態に保たれている。従って、ボルト32では、この連結強度を越す荷重分を支承させるようになっておれば良く、ボルト32の強度をあまり高くする必要はない。
【0030】
ストローク端位置規制手段を構成するボルト32は、防振マウント10に近接した位置に設けるように、つまり4箇所設けるように構成しても良いが、図5から明らかなように、油圧ショベルにおいては、運転室5は旋回フレーム3の一側側部に配置されており、この運転室5に出入りするためのドアは側部に設けられている。また、運転室5の反対側には、フロント作業機4が設けられているので、このフロント作業機4がガードになって、この方向から過大な外力等が作用する可能性は殆どない。以上のことから、ボルト32は運転室5におけるドアを設けた側にのみ設ければ良く、また前後の中間位置または中間位置より後方側の位置に1箇所だけ設けるようにすることができる。1箇所にのみボルト32を設ける位置としては、例えば、図8に示したPの位置とするのが望ましい。
【0031】
また、ストローク端位置規制手段の他の構成例としては、図4に示したように、ビーム8の上面にねじ座40を溶接等の手段で固着しておき、このねじ座40にボルト41を螺挿するようにしても良い。このようにねじ座40に着脱可能に螺挿されるボルト41をストローク端位置規制手段として用いる場合には、運転室5におけるフロアプレート5a,フロアベース5b及び補強プレート30に穿設した貫通孔33をねじ座40の上部位置に配置して、運転室5の内部側からボルト41をねじ座40に螺挿できるので、その取り付けが容易になる。なお、このボルト41は、その頭部41aが貫通孔33の孔径より大きく、また軸部41bは貫通孔33の孔径より小さくしなければならないことは言うまでもない。
【0032】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成したので、小型でコンパクトな構成の防振マウントによって、その常用ストローク範囲内では、この防振マウントの作用により運転室を有効に防振支持させ、かつそれ以上変位すると元の位置に復帰できない状態になるような極端に大きな荷重が作用した時には、ストローク端位置規制手段によって、防振マウントを損傷することなくこの荷重を確実に受承できる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す運転室支持装置の要部平面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】防振マウントに対する荷重と変位ストロークとの関係を示す線図である。
【図4】ストローク端位置規制手段の他の例を示す断面図である。
【図5】建設機械としての油圧ショベルの正面図である。
【図6】防振マウントの断面図である。
【図7】他のタイプの防振マウントの断面図である。
【図8】旋回フレームのうちの運転室が設置される部分の平面図である。
【符号の説明】
1 下部走行体 2 上部旋回体
3 旋回フレーム 4 フロント作業機
5 運転室 5a フロアプレート
5b フロアベース 7 メインフレーム
8 ビーム 10,20 防振マウント
11,21 筒状本体 13 取付部材
14,23 弾性部材 15,22 減衰力発生室
16,24 連結部材 17,25 可動板
30 補強プレート 31 挿通孔
32,41 ボルト 32a,41a 頭部
32b,41b 軸部
33 貫通孔 34 第1のナット
35 第2のナット 40 ねじ座

Claims (2)

  1. 車体のフレームに運転室を設置するに当たって、フレーム側への取付部と、運転室側への取付部と、これら両取付部間に設けた減衰力発生室と弾性部材とからなる振動吸収部を含む防振マウントを備え、運転室をフレームに防振的に支持させるようにしたものにおいて、
    前記運転室が前記フレームから離間する方向に変位した時に、この防振マウントがさらに変位するのを規制するストローク端位置規制手段を備え
    このストローク端位置規制手段による規制位置は、前記防振マウントの前記減衰力発生室による振動吸収能力を発揮する常用ストローク範囲越えた位置と、それ以上変位すると前記弾性部材が元の位置に復帰できなくなる限界ストローク端位置との間の位置に設定する構成とした
    ことを特徴とする建設機械の運転室支持装置。
  2. 前記防振マウントは前記運転室の4隅近傍にそれぞれ設け、また前記ストローク端位置規制手段はこの運転室のドア側に近い位置で、前後に位置する防振マウントの概略中間位置または中間位置より後方側の位置に配置する構成としたことを特徴とする請求項1記載の建設機械の運転室支持装置。
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