JP3670314B2 - 1−置換−5(4h)−テトラゾリノン類の製造方法 - Google Patents
1−置換−5(4h)−テトラゾリノン類の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3670314B2 JP3670314B2 JP13087394A JP13087394A JP3670314B2 JP 3670314 B2 JP3670314 B2 JP 3670314B2 JP 13087394 A JP13087394 A JP 13087394A JP 13087394 A JP13087394 A JP 13087394A JP 3670314 B2 JP3670314 B2 JP 3670314B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- isocyanate
- formula
- substituted
- tetrazolinones
- haloalkyl
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07D—HETEROCYCLIC COMPOUNDS
- C07D257/00—Heterocyclic compounds containing rings having four nitrogen atoms as the only ring hetero atoms
- C07D257/02—Heterocyclic compounds containing rings having four nitrogen atoms as the only ring hetero atoms not condensed with other rings
- C07D257/04—Five-membered rings
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、1−置換−5(4H)−テトラゾリノン類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び技術課題】
テトラゾリノン誘導体は、産業上有用な活性物質、例えば医薬、農薬等として、利用されることのできる化合物(例えば、特公平2−24272号等)であり、その原料であるところの1−置換−5(4H)−テトラゾリノン類の製造については、J.Am.Chem.Soc.,第81巻,3076−3079頁,1959年に例示される、イソシアネート類とアジ化ナトリウムとをテトラヒドロフラン中で、塩化アルミニウム存在の下、反応させる方法が知られている。
然しながら、該公知方法では、収率性の点から、反応モル比は、イソシアネート類1当量に対し、アジ化ナトリウム3当量を必要とし、更に、高価な溶媒(テトラヒドロフラン)をも必要として、工業的レベル並びに採算性を考慮すると、好ましい方法ではない。
【0003】
また、J.Org.Chem.,第45巻,5130〜5136頁、1980年に例示されるイソシアネート類とトリメチルシリルアジドとを反応させる方法では、トリメチルシリルアジドが高価であること、満足すべき収率を得るには、イソシアネート類1当量に対し、トリメチルシリルアジドを約2当量必要なこと、無溶媒で加熱還流するという厳しい条件を必要とすること等々からして、これとても工業的レベルの合成には、不適当な方法である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題の解決手段として、この度、下記の方法を見い出し、本発明を完成した。即ち、
式
【化2】
式中、Rはアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、任意に置換されていてもよいフェニル、又はアラルキルを示す、
で表される1−置換−5(4H)−テトラゾリノン類を製造するに、
式
RNCO (II)
式中、Rは前記と同じ、
で表されるイソシアネート類と、アジ化ナトリウムとを、概ね1:1のモル比で、極性溶媒中、並びに塩化アルミニウムの存在下で反応させることを特徴とする、前記式(I)で表される1−置換−5(4H)−テトラゾリノン類の製造方法。
【0005】
上記、本発明の製造方法は、意外にも、極性溶媒として、例えばN,N−ジメチルホルムアミドを用いることにより、驚くべきことに、原料のイソシアネート類及びアジ化ナトリウムを概ね、等モル量の反応により、そして、塩化アルミニウムをイソシアネート1モル当たり、約0.005〜約1.5モル存在させることにより、高収率で目的の1−置換−5(4H)−テトラゾリノン類を得ることができ、そしてその結果、工業的スケールでの該目的化合物の製造に、本発明の製造方法は適している。
【0006】
本発明の製造方法は、式(I)で表される1−置換−5(4H)−テトラゾリノン類の広い範囲の化合物に適用されることのできる優れた方法であるが、中でも、式(I)に於ける好例としては、RがC1-6 アルキル、ハロゲン(例えばフルオル、クロルブロム)置換のC1-4 アルキル、C3-8 シクロアルキル、置換基として、C1-4 アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1-4 ハロアルキル、C1-4 アルコキシ、C1-4 アルコキシカルボニル、C1-4 アルキルチオ、任意に置換されていてもよいフェノキシ、C1-4 ハロアルコキシ、C1-4 ハロアルキルチオ、を任意に有してもよいフェニル、ベンジル、又はフェネチルを示すところの化合物を例示できる。
【0007】
本発明の製造方法に於いて、例えば原料として、2−クロロフェニルイソシアネートとアジ化ナトリウムを用いた場合、本発明の製造方法は下記の反応式で表される。
【化3】
本発明で用いられる式(II)のイソシアネート類は前記した通り、Rの定義に基づく、それらに対応するすべての化合物を包含する。
本発明の製造方法は、広い範囲を有する原料の式(II)のイソシアネート類を用い、公知化合物のアジ化ナトリウムとの反応を可能にする。そして式(II)のイソシアネート類は、公知及び新規いずれの化合物をも包含し、その好例としては
【0008】
例えば、エチルイソシアネート、n−プロピルイソシアネート、t−ブチルイソシアネート、2−クロロエチルイソシアネート、3−クロロプロピルイソシアネート、シクロペンチルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、ベンジルイソシアネート、フェニルイソシアネート、2−クロロフェニルイソシアネート、2−クロロ−6−メチルフェニルイソシアネート、2−トリフルオロメチルフェニルイソシアネート、o−トリルイソシアネート、2−ニトロフェニルイソシアネート、2−シアノフェニルイソシアネート、2−メトキシフェニルイソシアネート、2−トリフルオロメトキシフェニルイソシアネート、2−トリフルオロメチルチオフェニルイソシアネート、2−ブロモフェニルイソシアネート、2−メチルチオフェニルイソシアネート、2−エチルフェニルイソシアネート、2−イソプロピルフェニルイソシアネート、2,6−ジメチルフェニルイソシアネート、2−エチル−6−メチルフェニルイソシアネート、2−フルオロフェニルイソシアネート、2,6−ジエチルフェニルイソシアネート、2,6−ジクロロフェニルイソシアネート、2,4−ジクロロフェニルイソシアネート、2,5−ジクロロフェニルイソシアネート、2,4,6−トリクロロフェニルイソシアネート、2,4,6−トリメチルフェニルイソシアネート、4−ブロモ−2,6−ジメチルフェニルイソシアネート、2−フェノキシフェニルイソシアネート、フェネチルイソシアネート等を例示できる。
【0009】
本発明の製造方法に於いて、極性溶媒の例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリノン等をあげることができ、好例としては、N,N−ジメチルホルムアミドを例示できる。
本発明の製造方法を実施するに際しては、具体的には、極性溶媒として、例えばN,N−ジメチルホルムアミドを用い、反応温度は約0〜約200℃、好ましくは、約25℃〜約150℃の範囲、常圧の下、式(II)のイソシアネート類1モル当り、アジ化ナトリウム0.8〜1.3モル、好ましくは1モル、そして塩化アルミニウム約0.005〜約1.5モル、好ましくは、約0.01〜約1.0モルを、約2〜約24時間、好ましくは約3〜約10時間の範囲で、適宜反応させることにより、目的の1−置換−5(4H)−テトラゾリノン類を高収率で製造することができる。
【0010】
次に、本発明の製造方法を実施例により説明するが、本発明の例示は、これのみに限定されるものではない。
【0011】
【実施例】
合成例1
【化4】
無水塩化アルミニウム(1.5g)を氷冷下、N,N−ジメチルホルムアミド(20ml)に加えて、15分間攪拌する。これにアジ化ナトリウム(0.65g)を加え、15分間攪拌した後、2−クロロフェニルイソシアネート(1.53g)を加え、70〜75℃で3時間加熱する。冷却後、反応液を、亜硝酸ナトリウム(1g)、水(200ml)及び氷(100g)の混合物中に、攪拌しながら加え、10%塩酸で酸性(ヨウ化カリウム−デンプン紙が着色するまで)とした後、酢酸エチルで抽出する。得られた酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて精製し、目的の1−(2−クロロフェニル)−5(4H)−テトラゾリノン(1.8g)を得る。
mp.124.5〜125.5℃ 収率92%
【0012】
合成例2
【化5】
アジ化ナトリウム(1.95g)を乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(9ml)に懸濁し、アルゴン気流中氷冷下にて、無水塩化アルミニウム(0.2g)を徐々に加え、70〜75℃で15分間攪拌した後、2−クロロフェニルイソシアネート(4.71ml)を加える。これを70〜75℃で更に4時間攪拌する。
冷却後、反応液を亜硝酸ナトリウム(1g)、水(200ml)及び氷(50g)の混合物中に、攪拌しながら、加え、濃塩酸で酸性(ヨウ化カリウム−デンプン紙が着色するまで)とした後、酢酸エチル(100ml×3)で抽出する。得られた酢酸エチル層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液ヘキサン:酢酸=2:1)にて精製し、目的の1−(2−クロロフェニル)−5(4H)−テトラゾリノン(5.8g)を得る。
mp.124.5〜125.5℃ 収率98%
上記合成例に準じて、本発明の方法により得られる化合物を下記表に示す。
これら化合物は、いずれも収率90%以上の好成績を示した。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
【表3】
【0016】
【表4】
【0017】
上記合成例2と同様の方法に従って、無水塩化アルミニウムの反応量を変えた場合の合成実験を行ない、目的化合物の1−(2−クロロフェニル)−5(4H)−テトラゾリノンの収率を求めた。その結果を第2表に示す。
【0018】
【表5】
【表註】
表中、比はイソシアネート1モル当たりの塩化アルミニウムのモル数を示す。
【0019】
比較合成例1(J.Am.Chem.Soc.,第81巻,p3076,1959年による方法)。
【化6】
テトラヒドロフラン(30ml)に氷冷下、無水塩化アルミニウム(1.5g)を加え、15分間攪拌した後、アジ化ナトリウム(1.95g)及び2−クロロフェニルイソシアネート(1.53g)を加え、16時間加熱還流する。反応物を冷却後、亜硝酸ナトリウム(2g)、水(200ml)及び氷(100g)の混合物中に攪拌しながら加え、10%塩酸で酸性(ヨウ化カリウム−デンプン紙が着色するまで)とした後、酢酸エチルで抽出する。酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で留去し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(抽出液 ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて精製し、目的の1−(2−クロロフェニル)−5(4H)−テトラゾリノン(1.41g)を得る。mp.124.5〜125.5℃ 収率72%
【0020】
比較合成例2(上記比較合成例1の方法に於いて、等モル反応にした場合)
【化7】
テトラヒドロフラン(30ml)に氷冷下、無水塩化アルミニウム(1.5g)を加え、15分間攪拌した後、アジ化ナトリウム(0.65g)及び2−クロロフェニルイソシアネート(1.53g)を加え、16時間還流する。反応物を冷却後、亜硝酸ナトリウム(1g)、水(200ml)及び氷(100g)の混合物中に攪拌しながら加えた後、上記比較合成例1と同様の操作に従って、目的の1−(2−クロロフェニル)−5(4H)−テトラゾリノン(0.5g)を得る。
mp.124.5〜125.5℃ 収率25%
【0021】
比較合成例3(J.Org.Chem.,第45巻,p5130,1980年による方法)
【化8】
2−クロロフェニルイソシアネート(7g)とトリメチルシリルアジド(7.9g)との混合物を8時間加熱還流した後、減圧下で過剰のトリメチルシリルアジドを留去し、残渣にメタノールを加える。その後メタノールを留去し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて精製し、目的の1−(2−クロロフェニル)−5(4H)−テトラゾリノン(6.6g)を得る。mp.124〜125.5℃ 収率73%
【0022】
【発明の効果】
本発明の方法は、従来の方法に比較し、原料の使用量、溶媒の経済性及び生成物の収率の点から、非常に優れたものであり、工業的規模での実施に適している。
【産業上の利用分野】
本発明は、1−置換−5(4H)−テトラゾリノン類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び技術課題】
テトラゾリノン誘導体は、産業上有用な活性物質、例えば医薬、農薬等として、利用されることのできる化合物(例えば、特公平2−24272号等)であり、その原料であるところの1−置換−5(4H)−テトラゾリノン類の製造については、J.Am.Chem.Soc.,第81巻,3076−3079頁,1959年に例示される、イソシアネート類とアジ化ナトリウムとをテトラヒドロフラン中で、塩化アルミニウム存在の下、反応させる方法が知られている。
然しながら、該公知方法では、収率性の点から、反応モル比は、イソシアネート類1当量に対し、アジ化ナトリウム3当量を必要とし、更に、高価な溶媒(テトラヒドロフラン)をも必要として、工業的レベル並びに採算性を考慮すると、好ましい方法ではない。
【0003】
また、J.Org.Chem.,第45巻,5130〜5136頁、1980年に例示されるイソシアネート類とトリメチルシリルアジドとを反応させる方法では、トリメチルシリルアジドが高価であること、満足すべき収率を得るには、イソシアネート類1当量に対し、トリメチルシリルアジドを約2当量必要なこと、無溶媒で加熱還流するという厳しい条件を必要とすること等々からして、これとても工業的レベルの合成には、不適当な方法である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題の解決手段として、この度、下記の方法を見い出し、本発明を完成した。即ち、
式
【化2】
式中、Rはアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、任意に置換されていてもよいフェニル、又はアラルキルを示す、
で表される1−置換−5(4H)−テトラゾリノン類を製造するに、
式
RNCO (II)
式中、Rは前記と同じ、
で表されるイソシアネート類と、アジ化ナトリウムとを、概ね1:1のモル比で、極性溶媒中、並びに塩化アルミニウムの存在下で反応させることを特徴とする、前記式(I)で表される1−置換−5(4H)−テトラゾリノン類の製造方法。
【0005】
上記、本発明の製造方法は、意外にも、極性溶媒として、例えばN,N−ジメチルホルムアミドを用いることにより、驚くべきことに、原料のイソシアネート類及びアジ化ナトリウムを概ね、等モル量の反応により、そして、塩化アルミニウムをイソシアネート1モル当たり、約0.005〜約1.5モル存在させることにより、高収率で目的の1−置換−5(4H)−テトラゾリノン類を得ることができ、そしてその結果、工業的スケールでの該目的化合物の製造に、本発明の製造方法は適している。
【0006】
本発明の製造方法は、式(I)で表される1−置換−5(4H)−テトラゾリノン類の広い範囲の化合物に適用されることのできる優れた方法であるが、中でも、式(I)に於ける好例としては、RがC1-6 アルキル、ハロゲン(例えばフルオル、クロルブロム)置換のC1-4 アルキル、C3-8 シクロアルキル、置換基として、C1-4 アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1-4 ハロアルキル、C1-4 アルコキシ、C1-4 アルコキシカルボニル、C1-4 アルキルチオ、任意に置換されていてもよいフェノキシ、C1-4 ハロアルコキシ、C1-4 ハロアルキルチオ、を任意に有してもよいフェニル、ベンジル、又はフェネチルを示すところの化合物を例示できる。
【0007】
本発明の製造方法に於いて、例えば原料として、2−クロロフェニルイソシアネートとアジ化ナトリウムを用いた場合、本発明の製造方法は下記の反応式で表される。
【化3】
本発明で用いられる式(II)のイソシアネート類は前記した通り、Rの定義に基づく、それらに対応するすべての化合物を包含する。
本発明の製造方法は、広い範囲を有する原料の式(II)のイソシアネート類を用い、公知化合物のアジ化ナトリウムとの反応を可能にする。そして式(II)のイソシアネート類は、公知及び新規いずれの化合物をも包含し、その好例としては
【0008】
例えば、エチルイソシアネート、n−プロピルイソシアネート、t−ブチルイソシアネート、2−クロロエチルイソシアネート、3−クロロプロピルイソシアネート、シクロペンチルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、ベンジルイソシアネート、フェニルイソシアネート、2−クロロフェニルイソシアネート、2−クロロ−6−メチルフェニルイソシアネート、2−トリフルオロメチルフェニルイソシアネート、o−トリルイソシアネート、2−ニトロフェニルイソシアネート、2−シアノフェニルイソシアネート、2−メトキシフェニルイソシアネート、2−トリフルオロメトキシフェニルイソシアネート、2−トリフルオロメチルチオフェニルイソシアネート、2−ブロモフェニルイソシアネート、2−メチルチオフェニルイソシアネート、2−エチルフェニルイソシアネート、2−イソプロピルフェニルイソシアネート、2,6−ジメチルフェニルイソシアネート、2−エチル−6−メチルフェニルイソシアネート、2−フルオロフェニルイソシアネート、2,6−ジエチルフェニルイソシアネート、2,6−ジクロロフェニルイソシアネート、2,4−ジクロロフェニルイソシアネート、2,5−ジクロロフェニルイソシアネート、2,4,6−トリクロロフェニルイソシアネート、2,4,6−トリメチルフェニルイソシアネート、4−ブロモ−2,6−ジメチルフェニルイソシアネート、2−フェノキシフェニルイソシアネート、フェネチルイソシアネート等を例示できる。
【0009】
本発明の製造方法に於いて、極性溶媒の例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリノン等をあげることができ、好例としては、N,N−ジメチルホルムアミドを例示できる。
本発明の製造方法を実施するに際しては、具体的には、極性溶媒として、例えばN,N−ジメチルホルムアミドを用い、反応温度は約0〜約200℃、好ましくは、約25℃〜約150℃の範囲、常圧の下、式(II)のイソシアネート類1モル当り、アジ化ナトリウム0.8〜1.3モル、好ましくは1モル、そして塩化アルミニウム約0.005〜約1.5モル、好ましくは、約0.01〜約1.0モルを、約2〜約24時間、好ましくは約3〜約10時間の範囲で、適宜反応させることにより、目的の1−置換−5(4H)−テトラゾリノン類を高収率で製造することができる。
【0010】
次に、本発明の製造方法を実施例により説明するが、本発明の例示は、これのみに限定されるものではない。
【0011】
【実施例】
合成例1
【化4】
無水塩化アルミニウム(1.5g)を氷冷下、N,N−ジメチルホルムアミド(20ml)に加えて、15分間攪拌する。これにアジ化ナトリウム(0.65g)を加え、15分間攪拌した後、2−クロロフェニルイソシアネート(1.53g)を加え、70〜75℃で3時間加熱する。冷却後、反応液を、亜硝酸ナトリウム(1g)、水(200ml)及び氷(100g)の混合物中に、攪拌しながら加え、10%塩酸で酸性(ヨウ化カリウム−デンプン紙が着色するまで)とした後、酢酸エチルで抽出する。得られた酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて精製し、目的の1−(2−クロロフェニル)−5(4H)−テトラゾリノン(1.8g)を得る。
mp.124.5〜125.5℃ 収率92%
【0012】
合成例2
【化5】
アジ化ナトリウム(1.95g)を乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(9ml)に懸濁し、アルゴン気流中氷冷下にて、無水塩化アルミニウム(0.2g)を徐々に加え、70〜75℃で15分間攪拌した後、2−クロロフェニルイソシアネート(4.71ml)を加える。これを70〜75℃で更に4時間攪拌する。
冷却後、反応液を亜硝酸ナトリウム(1g)、水(200ml)及び氷(50g)の混合物中に、攪拌しながら、加え、濃塩酸で酸性(ヨウ化カリウム−デンプン紙が着色するまで)とした後、酢酸エチル(100ml×3)で抽出する。得られた酢酸エチル層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液ヘキサン:酢酸=2:1)にて精製し、目的の1−(2−クロロフェニル)−5(4H)−テトラゾリノン(5.8g)を得る。
mp.124.5〜125.5℃ 収率98%
上記合成例に準じて、本発明の方法により得られる化合物を下記表に示す。
これら化合物は、いずれも収率90%以上の好成績を示した。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
【表3】
【0016】
【表4】
【0017】
上記合成例2と同様の方法に従って、無水塩化アルミニウムの反応量を変えた場合の合成実験を行ない、目的化合物の1−(2−クロロフェニル)−5(4H)−テトラゾリノンの収率を求めた。その結果を第2表に示す。
【0018】
【表5】
【表註】
表中、比はイソシアネート1モル当たりの塩化アルミニウムのモル数を示す。
【0019】
比較合成例1(J.Am.Chem.Soc.,第81巻,p3076,1959年による方法)。
【化6】
テトラヒドロフラン(30ml)に氷冷下、無水塩化アルミニウム(1.5g)を加え、15分間攪拌した後、アジ化ナトリウム(1.95g)及び2−クロロフェニルイソシアネート(1.53g)を加え、16時間加熱還流する。反応物を冷却後、亜硝酸ナトリウム(2g)、水(200ml)及び氷(100g)の混合物中に攪拌しながら加え、10%塩酸で酸性(ヨウ化カリウム−デンプン紙が着色するまで)とした後、酢酸エチルで抽出する。酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で留去し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(抽出液 ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて精製し、目的の1−(2−クロロフェニル)−5(4H)−テトラゾリノン(1.41g)を得る。mp.124.5〜125.5℃ 収率72%
【0020】
比較合成例2(上記比較合成例1の方法に於いて、等モル反応にした場合)
【化7】
テトラヒドロフラン(30ml)に氷冷下、無水塩化アルミニウム(1.5g)を加え、15分間攪拌した後、アジ化ナトリウム(0.65g)及び2−クロロフェニルイソシアネート(1.53g)を加え、16時間還流する。反応物を冷却後、亜硝酸ナトリウム(1g)、水(200ml)及び氷(100g)の混合物中に攪拌しながら加えた後、上記比較合成例1と同様の操作に従って、目的の1−(2−クロロフェニル)−5(4H)−テトラゾリノン(0.5g)を得る。
mp.124.5〜125.5℃ 収率25%
【0021】
比較合成例3(J.Org.Chem.,第45巻,p5130,1980年による方法)
【化8】
2−クロロフェニルイソシアネート(7g)とトリメチルシリルアジド(7.9g)との混合物を8時間加熱還流した後、減圧下で過剰のトリメチルシリルアジドを留去し、残渣にメタノールを加える。その後メタノールを留去し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて精製し、目的の1−(2−クロロフェニル)−5(4H)−テトラゾリノン(6.6g)を得る。mp.124〜125.5℃ 収率73%
【0022】
【発明の効果】
本発明の方法は、従来の方法に比較し、原料の使用量、溶媒の経済性及び生成物の収率の点から、非常に優れたものであり、工業的規模での実施に適している。
Claims (2)
- 式
で表される1−置換−5(4H)−テトラゾリノン類を製造するに、
式
RNCO (II)
式中、Rは前記と同じ、
で表されるイソシアネート類と、アジ化ナトリウムとを、1:0.8〜1:1.3のモル比で、N,N−ジメチルホルムアミド中、式(II)のイソシアネート類1モル当り、0.01〜1.1モルの量である塩化アルミニウムの存在下で反応させることを特徴とする、前記式(I)で表される1−置換−5(4H)−テトラゾリノン類の製造方法。 - 請求項1の式(I)に於いて、RがC1−6アルキル、C1−4 ハロアルキル、C3−8 シクロアルキル、置換基として、C1−4 アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−4ハロアルキル、C1−4 アルコキシ、C1−4アルコキシ−カルボニル、C1−4アルキルチオ、任意に置換されていてもよいフェノキシ、C1−4ハロアルコキシ、C1−4ハロアルキルチオを有してもよいフェニル、ベンジル、又はフェネチルを示すところの化合物を製造する請求項1の製造方法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13087394A JP3670314B2 (ja) | 1993-08-05 | 1994-05-23 | 1−置換−5(4h)−テトラゾリノン類の製造方法 |
DE69403149T DE69403149T2 (de) | 1993-08-05 | 1994-07-25 | Verfahren zur Herstellung 1-substituierte-5(4H)-Tetrazolinone |
ES94111553T ES2101401T3 (es) | 1993-08-05 | 1994-07-25 | Proceso para la preparacion de 1-sustituido-5(4h)-tetrazolinonas. |
EP94111553A EP0638561B1 (en) | 1993-08-05 | 1994-07-25 | Process for the production of 1-substituted-5(4H)-tetrazolinones |
US08/283,103 US5530135A (en) | 1993-08-05 | 1994-07-29 | Process for the production of 1-substituted-5(4H)-tetrazolinones |
KR1019940018726A KR100344115B1 (ko) | 1993-08-05 | 1994-07-29 | 1-치환된-5(4h)-테트라졸리논의제조방법 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21215393 | 1993-08-05 | ||
JP5-212153 | 1993-08-05 | ||
JP13087394A JP3670314B2 (ja) | 1993-08-05 | 1994-05-23 | 1−置換−5(4h)−テトラゾリノン類の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0797372A JPH0797372A (ja) | 1995-04-11 |
JP3670314B2 true JP3670314B2 (ja) | 2005-07-13 |
Family
ID=26465884
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13087394A Expired - Fee Related JP3670314B2 (ja) | 1993-08-05 | 1994-05-23 | 1−置換−5(4h)−テトラゾリノン類の製造方法 |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5530135A (ja) |
EP (1) | EP0638561B1 (ja) |
JP (1) | JP3670314B2 (ja) |
KR (1) | KR100344115B1 (ja) |
DE (1) | DE69403149T2 (ja) |
ES (1) | ES2101401T3 (ja) |
Families Citing this family (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08259548A (ja) * | 1995-03-23 | 1996-10-08 | Nippon Bayeragrochem Kk | テトラゾリノン類及び除草剤 |
JP3796280B2 (ja) * | 1995-04-17 | 2006-07-12 | バイエルクロップサイエンス株式会社 | 1−(2−クロロフエニル)−5(4h)−テトラゾリノンの製造方法 |
JPH09183770A (ja) | 1995-10-31 | 1997-07-15 | Nippon Bayeragrochem Kk | 1−アジン−テトラゾリノン類及び除草剤 |
US6017853A (en) | 1996-07-16 | 2000-01-25 | Nihon Bayer Agrochem K.K. | Herbicidal 1-substituted methyl-tetrazolinones |
JP2000256331A (ja) * | 1999-01-08 | 2000-09-19 | Nippon Bayer Agrochem Co Ltd | テトラゾリノン誘導体および除草剤としてのその用途 |
JP2000327668A (ja) * | 1999-05-21 | 2000-11-28 | Nippon Bayer Agrochem Co Ltd | テトラゾリノン誘導体 |
AU5841400A (en) * | 1999-08-10 | 2001-03-05 | Nihon Bayer Agrochem K.K. | Herbicidal tetrazolinone derivatives |
US20020162004A1 (en) * | 2001-04-25 | 2002-10-31 | Gunter Carl A. | Method and system for managing access to services |
WO2003016290A1 (fr) * | 2001-08-21 | 2003-02-27 | Nissan Chemical Industries, Ltd. | Procede de preparation de composes de tetrazolinone |
CN105473558B (zh) | 2013-06-20 | 2019-04-19 | 拜耳作物科学股份公司 | 作为杀螨剂和杀昆虫剂的芳基硫化物衍生物和芳基硫氧化物衍生物 |
US9822085B2 (en) | 2014-03-20 | 2017-11-21 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Method for producing tetrazolinone compound |
CA2974900A1 (en) | 2015-01-26 | 2016-08-04 | Rigel Pharmaceuticals, Inc. | Tetrazolones as carboxylic acid bioisosteres |
WO2019002158A1 (en) | 2017-06-30 | 2019-01-03 | Basf Se | SUBSTITUTED TRIFLUOROMETHYLOXADIAZOLES FOR THE CONTROL OF PHYTOPATHOGENIC FUNGI |
EP3560913A1 (en) | 2018-04-25 | 2019-10-30 | Dynamit Nobel GmbH Explosivstoff- und Systemtechnik | Process for the production of tetrazolinones |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4830661A (en) * | 1983-12-09 | 1989-05-16 | Uniroyal Chemical Company, Inc. | Substituted tetrazolinones and herbicidal compositions thereof |
US4618365A (en) * | 1983-12-09 | 1986-10-21 | Uniroyal Chemical Company, Inc. | Substituted tetrazolinones and their use as herbicides |
US4826529A (en) * | 1983-12-09 | 1989-05-02 | Uniroyal Chemical Company, Inc. | Substituted tetrazolinones and herbicidal compositions thereof |
US4913724A (en) * | 1989-04-14 | 1990-04-03 | Fmc Corporation | Herbicidal tetrazolinones |
US5066667A (en) * | 1989-06-26 | 1991-11-19 | Ciba-Geigy Corporation | Thioxotetrazolines and insecticidal use thereof |
-
1994
- 1994-05-23 JP JP13087394A patent/JP3670314B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 1994-07-25 DE DE69403149T patent/DE69403149T2/de not_active Expired - Fee Related
- 1994-07-25 EP EP94111553A patent/EP0638561B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1994-07-25 ES ES94111553T patent/ES2101401T3/es not_active Expired - Lifetime
- 1994-07-29 KR KR1019940018726A patent/KR100344115B1/ko not_active IP Right Cessation
- 1994-07-29 US US08/283,103 patent/US5530135A/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
ES2101401T3 (es) | 1997-07-01 |
KR100344115B1 (ko) | 2002-11-27 |
EP0638561A1 (en) | 1995-02-15 |
EP0638561B1 (en) | 1997-05-14 |
JPH0797372A (ja) | 1995-04-11 |
KR950005815A (ko) | 1995-03-20 |
DE69403149T2 (de) | 1997-08-28 |
DE69403149D1 (de) | 1997-06-19 |
US5530135A (en) | 1996-06-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3670314B2 (ja) | 1−置換−5(4h)−テトラゾリノン類の製造方法 | |
JP2022028792A (ja) | ハロゲン化環式化合物の合成方法 | |
JP2000511879A (ja) | 農薬中間体を調製する新しいプロセス | |
KR960001913B1 (ko) | 3-시아노-4-아릴-피롤의 제조방법 | |
RU2156238C2 (ru) | Способ получения диоксоазабициклогексанов | |
KR100519420B1 (ko) | 헤테로아릴카복실아미드및에스테르의제조방법 | |
JP4879907B2 (ja) | フェニル2−ピリミジニルケトン類の製造方法及びその新規中間体 | |
US5663365A (en) | Process for the preparation of pyrazolones | |
JPH04504405A (ja) | シアノジエン類、ハロピリジン類、中間体及びそれらの製造方法 | |
US5874466A (en) | Process for the manufacture of acetonylbenzamides | |
KR100641908B1 (ko) | 피리딘 유도체, 그의 제조방법, 및 제초제 중간체로서의용도 | |
JP2991832B2 (ja) | ピリミジン誘導体の製造方法 | |
US5298606A (en) | Process for the preparation of substituted azoxycyanides | |
KR0163206B1 (ko) | 친전자성 반응에 의한 방향족 화합물의 제조방법 및 방향족 화합물 유도체 | |
JP3646223B2 (ja) | 求電子反応による芳香族化合物の製造方法及び芳香族化合物 | |
JPH01168673A (ja) | 1,3−ジアルキルピラゾール−4−アルデヒド類の製造法 | |
HU202491B (en) | Process for producing pyrroline derivatives | |
JP2717997B2 (ja) | 新規ヒドラゾン化合物、及びトリアゾールの製法 | |
KR950013853B1 (ko) | 4-에톡시카보닐-i-메틸-5-피라졸머캅탄의 제조방법 | |
JPS641472B2 (ja) | ||
JPS59130278A (ja) | 2−アルキルチオメチル−4−ヒドロキシピリミジンの製造方法 | |
JPH0344375A (ja) | 5―ヒドロキシピラゾール類の製造法 | |
FR2717475A1 (fr) | Procédé de préparation d'aryltétrazoles. | |
WO2002100821A1 (en) | 3,3-dialkoxy-2-hydroxyiminopropionitriles, process for preparation thereof and process of preparing 5-amino -4-nitrosopyrazoles or salts thereof by the use of the same | |
JPH08301854A (ja) | ピラゾロン類の製造法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050105 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050303 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050406 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050414 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |