JP3669390B2 - バチルス属細菌由来のトランスグルタミナーゼ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、(1)バチルス・ズブチリス等のバチルス属細菌の生産するトランスグルタミナーゼ(以下TGという)、(2)該トランスグルタミナーゼ活性を有する画分、及び(3)TGもしくはTG活性を有する画分の作用により、タンパク質、非タンパク性アミノ酸ポリマー、ペプチド又はこれらの誘導体に含まれるグルタミンとリジン残基を架橋結合させ、タンパク質、非タンパク性アミノ酸ポリマー、ペプチド又はこれらの誘導体の分子内及び分子間にε−(γ−Glu)−Lys架橋結合を形成させることを特徴とする架橋構造を有するタンパク質、非タンパク性アミノ酸ポリマー、ペプチド又はこれらの誘導体の製造法である。
さらに本発明は、(4)バチルス・ズブチリス等のバチルス属細菌由来のトランスグルタミナーゼをコードするDNA、(5)該DNAとベクターDNAが接続されて得られる組み換えDNA、(6)該組み換えDNAによって形質転換体された細胞、(7)該形質転換体を培養することを特徴とするバチルス属細菌由来のトランスグルタミナーゼの製造法に関する。
尚、本発明に於いては、TG又はTG活性を有する画分の作用により生じる架橋構造を有するタンパク質、非タンパク性アミノ酸ポリマー、ペプチド又はこれらの誘導体を架橋高分子化物と称する。
【0002】
TGは、ペプチド鎖内にあるグルタミン残基のγ−カルボキサミド基を基質とし、アシル転移反応を触媒する酵素である。該反応において、ペプチド鎖内のリジン残基のε−アミノ基がアシル受容体となるときは、ペプチド分子内あるいは分子間にε−(γ−Glu)−Lys架橋結合(以下、「GL結合」と略する)が形成する。水がアシル受容体となるときは、グルタミン残基に脱アミド反応が生じ、グルタミン残基がグルタミン酸残基になる。
【0003】
なお、本発明のバチルス属細菌のTGを利用して架橋高分子化物を製造することができる。このようにして製造された架橋高分子化物は、豆腐、プリン、ヨーグルト、チーズ、摺り身、練製品、ソーセージ等の畜肉製品等の食品、化粧料等として用いられる。
【0004】
【従来の技術】
従来、TGは多くの動物組織に存在することが知られていた。例えば、モルモットの肝臓(Connellan et al., Journal of Biological Chemistry 246巻1093 〜1098頁(1971))に存在し、研究されている。しかし、微生物のTGについては放線菌、枯草菌(M.V.Ramanujam et al., FASEB J.4巻A2321)と粘菌(J.D.klein et al., J.Bacteriol.174巻2599〜2605頁)でのみ報告されている。現在、産 業的には放線菌の生産するTGが実用化されている(特公平6−65280、特開平1−27471)。
【0005】
モルモット等の動物由来のTGの産業への利用、特に架橋高分子化物の製造方法には以下に述べるような欠点がある。
即ち、動物由来のTGを安価かつ大量に入手することが困難である。また、該TGはカルシウムイオン要求性であるため、その用途が制限される。
【0006】
放線菌由来のTGも若干の欠点を有する。すなわち、放線菌は一般の細菌に比べて生育速度が遅いため、培養時間が長くなり、それゆえ生産コストの増大を招く。
【0007】
枯草菌由来のTGについては、ニューメキシコ州立大学の Ramanujam らが、その存在を報告している。しかし、その報告に記載されるTGは、以下の性質を示す。
1)至適pHが9.5以上である。2)キレート剤(EGTA)により、その活性が強く阻害されるので、金属イオンの要求性があると思われる。3)5mM以上のCa2+で阻害される。4)DTTにより阻害される。5)栄養細胞及び胞子形成細胞の両者によって生産される。
これらの性質のうち特に、至適pHが高いこと、金属イオンにより影響を受けることから実用上用途が制限されると思われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、1)動物由来のTGを産業に応用する場合、カルシウム要求性であることから用途が制限されるという問題、及び生産コストが高くなるという問題、2)放線菌由来のTGを産業に応用する場合、細菌に比べるとその増殖が遅く、生産コストが高くなるという問題、又3)ニューメキシコ大学の研究者らが報告した枯草菌由来のTGを産業に応用する場合、該TGが5mMのCa2+によって阻害されるので実際の食品系では使用できないという問題がある。
従って、本発明の目的は、コスト面で問題がなく、かつ、古来から食品に利用されている枯草菌等のバチルス属細菌から新しいTGを単離し、該TGによる架橋高分子化物を製造する方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、古来から食品に利用されている微生物である枯草菌等のバチルス属細菌由来のTGを新たに見い出すべく鋭意検討を行った結果、枯草菌等のバチルス属細菌が新規なTGを有することを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、以下の性質を有するバチルス属細菌由来のTG及び当該TG若くは当該TGを有する画分を用いるタンパク質、非タンパク性アミノ酸ポリマー、ペプチド又はこれらの誘導体に含まれるグルタミンとリジン残基を架橋結合させ、タンパク質、非タンパク性アミノ酸ポリマー、ペプチド又はこれらの誘導体の分子内及び分子間にε−(γ−Glu)−Lys架橋結合を形成させることを特徴とする架橋構造を有するタンパク質、非タンパク性アミノ酸ポリマー、ペプチド又はこれらの誘導体の製造法である。
(バチルス属細菌由来のTGの性質)
1)至適pH:約7〜約9
2)至適温度:約40〜約65℃
3)温度安定性:約60℃以下で安定
4)活性にCa2+イオンの要求性はない。即ち、Ca2+非依存性で、かつ5mMのCa2+存在下で50%以上活性を有する。
5)NEM,Cystamine、(NH42SO4のいずれかで阻害される。
6)EDTA、DTT、2−MEのいずれにも阻害されない。
7)分子量:(a)約18000−約22000(ゲル濾過法)、(b)約28000−約30000(SDS−PAGE法)
8)ペプチド鎖内に存在するグルタミン残基のγ−カルボキシアミド基のアシル移転反応を触媒する
さらに本発明は、バチルス・ズブチリスに代表されるバチルス属細菌由来のTGをコードするDNA、該DNAとベクターDNAが接続されて得られる組み換えDNA、該組み換えDNAによって形質転換体された細胞、該形質転換体を培養することを特徴とするバチルス属細菌由来のトランスグルタミナーゼの製造法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
枯草菌等のバチルス属細菌の胞子が、物理的、化学的及び生化学的に、著しい耐性を示すことはよく知られている。本発明者らは、GL結合がこれらの耐性をもたらしていると考えた。なぜなら、GL結合は動物の血管や毛等、結合組織に広く存在しており、該結合が結合組織の強度を補強していると考えられるからである。
ところで、GL結合は、動物の血管や毛等、結合組織に広く存在するが、これらの組織にTGが存在することも認められている。即ち、TGの作用によりGL結合が作られ、組織の強度が補強されるのであろう。
【0011】
そこで、本発明者らは、固体NMR、HPLC分析法等の手法を用いて枯草菌等のバチルス属細菌の胞子の構造を分析した結果、同胞子中にGL結合が存在することを発見した。この発見に基づき、本発明者らは、GL結合の形成を触媒するTGがバチルス属細菌にも存在すると考えた。
【0012】
この考えに基づき、本発明者らは、自然界、特に土壌より、枯草菌に代表されるバチルス属細菌等の有胞子細菌にターゲットを絞り、TGを産生する細菌を単離するためにスクリーニングを行った。
有胞子細菌が胞子形成期に達したときに、そのTG活性を調べたところ、TG活性を強く有する菌株を2株発見した。本発明者らは該菌株をそれぞれ AJ12866及び AJ1307 と命名した。
AJ12866 及び AJ1307 を通常の同定方法を行い、Bergey's Manual of Systematic Bacteriologyに基づき同定したところ、両者ともバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)であることが判明した。尚、このバチルス・ズブチリス AJ12866 は通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所(以下、「生命研」と略する)に、1995年2月2日付けで寄託されており、その寄託番号は FERM P-14750 である。また、バチルス・ズブチリス AJ12866 は、1995年12月4日付けでブタペスト条約に基づく国際寄託に移管されており、その国際寄託番号は FERM BP-5325 である。
バチルス・ズブチリス AJ1307 は生命研に、1995年8月22日付けで寄託されており、その寄託番号は FERM P-15123 である。また、バチルス・ズブチリス AJ1307 は、1996年1月18日付けでブタペスト条約に基づく国際寄託に移管されており、その国際寄託番号は FERM BP-5367 である。
【0013】
本発明であるTGは、胞子を有するバチルス属細菌に広く存在する。つまり、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)を初め、以下のバチルス属細菌にもTGが存在する。
即ち、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)、バチルス・ブレビス(Bacillus brevis)、バチルス・スフェリカス(Bacillus sphaericus)、バチルス・ポリミキサ(Bacillus polymyxa)、バチルス・アルカロフィラス(Bacillus alcalophilus)等である。
【0014】
次に、これらバチルス属細菌を培養し、その培養物からTGを取得するための培養方法及び精製法等について述べる。
【0015】
その培養形態は液体培養、固体培養いずれも可能であるが、工業的に有利な方法は、深部通気攪拌培養法である。
栄養培地の栄養源としては、微生物培養に通常用いられる炭素源、窒素源、無機塩及びその他の微量栄養源を使用できる。バチルス属細菌が利用できる栄養源であればすべてを使用できる。
通気条件としては、好気条件を採用する。培養温度としては、菌が発育し、TGが生産される範囲であれば良い。従って、厳密な条件は無いが、通常10〜50℃、好ましくは30〜40℃である。
但し、高温菌として分類されるバチルス属細菌を培養する場合には、上記温度より高い温度で培養することができる。
培養時間は、その他の培養条件に応じて変化する。例えば、TGが最も生産される時間まで培養すれば良く、通常5時間〜7日間、好ましくは10時間〜3日間程度である。
【0016】
TG活性が見られる時期は、胞子形成期に限定される。これがニューメキシコ州立大学のグループが報告した枯草菌由来のTGと大きく異なる点である。
胞子が形成され始めた後、TG活性は上昇し始める。TG活性はおよそ胞子形成IV期〜第VI前後に最大となった後、やがて減少する。TG活性は培養液中に極わずか検出されるが、菌体中にいっそう強い活性が検出される。
低温条件下で、菌体を破砕するかあるいは溶菌させる。これらの処理を受けた菌体を20000xg、10分間の遠心分離する。上澄画分と沈殿画分とを分離した後、両者それぞれのTG活性を検定すると、該活性が沈澱画分、すなわち胞子を含む画分に存在することが判明する。
これらのことから、TGが胞子表面に存在することが分かった。
【0017】
バチルス属細菌由来のTGを精製する場合、細菌を培養した培養液を出発材料としてTGを精製することも可能だが、バチルス属細菌の胞子嚢を破砕することにより、又は、溶菌することにより得られる胞子を出発材料とする方が有利である。
【0018】
バチルス属細菌を培養して得られる胞子嚢を破砕することにより、又は、溶菌することにより胞子を得ることができる。該処理を行うと、TG活性は胞子を含む不溶性画分中に回収される。このため、該不溶性画分を濃縮して酵素剤とすることもできる。
不溶性画分中に回収されるTG活性を可溶性画分中に回収するためには(すなわちTG活性を可溶化するためには)、下記の操作が必要となる。
例えば、トリトンX−100、アルキルグルコシド等の界面活性剤を該不溶性画分に添加することによってTG活性を可溶性画分中に回収することができる。胞子を含む画分を塩基性の緩衝液(例えば、20mM炭酸水素ナトリウム緩衝液、pH10)で処理することによっても、TG活性を可溶性画分中に回収することが可能である。あるいは、胞子を含む画分を緩衝液に懸濁し、得られる懸濁液を加温することによっても、TG活性を可溶性画分中に回収することが可能である。例えば10℃以上にすることでTG活性を可溶性画分中に回収することが可能である。
【0019】
可溶化したTGは、ゲル化剤として利用され得る。酵素を精製するために用いられる全ての常法、例えばゲル濾過法、イオン交換クロマトグラフィー法等を採用することにより、可溶化したTGをさらに精製することができる。その結果、より比活性が高いTGを得ることができる。精製されたTGは、TG比活性がより高いゲル化剤となる。
【0020】
TG活性の測定法は、以下の方法で行う。基質として14Cで標識されたプトレシンとジメチルカゼインを採用し、これらにTGを含む試料を作用させて反応を進行させる。プトレシンが結合したジメチルカゼインを10%TCAで沈澱させ、これを濾紙に吸着させる。濾紙に存在する放射線活性は、試料中のTG活性に比例するので、試料中にあるTG活性を定量することができる。放射線活性は液体シンチレーションカウンターで測定できる。
【0021】
尚、バチルス・ズブチリス AJ1307 由来のTGをTG−1と、バチルス・ズブチリス AJ12866 由来のTGをTG−2と、それぞれ表記する場合もある。また、TG−1及びTG−2のデータを基に本発明のTGの酵素化学的性質を以下に述べる。
【0022】
至適pH:約7〜約9付近にある。
作用至適pHの範囲を求めるために、37℃の条件下で30分間反応を行った。
【0023】
至適温度:約40〜65℃付近にある。
作用至適温度範囲を求めるために、pH7.5の条件下で30分間反応を行った。
【0024】
温度安定性:約60℃以下で安定であった。
pH7.5の条件下で10分間高温処理した場合の温度安定性を調べた。60℃での高温処理を行った場合にも、約80%のTG活性が残存した。
【0025】
阻害剤の影響:バチルス属細菌由来のTGはNEM(N−エチルマレイミド)、Cystamine(シスタミン)によって強く阻害される。また、(NH42SO4(硫酸アンモニウム)によって強く阻害される。
【0026】
DTT、EDTAの影響:バチルス属細菌由来のTGは、DTT(ジチオスレイトール)が共存することによって活性が上昇する。一方、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)が共存しても、TG活性はほとんど影響を受けなかった。
【0027】
Ca2+の影響:本発明のTGは、Ca2+イオンの要求性はない。即ち、Ca2+非依存性の酵素である。また、5mMのCa2+存在下で50%以上の活性を有する。
【0028】
分子量:a)約18,000−約22,000(ゲル濾過法)、b)約28,000−約30,000(SDS−PAGE法)
【0029】
作用:ペプチド鎖内にあるグルタミン残基のγ−カルボキサミド基を基質とし、アシル転移反応を触媒する。該反応において、ペプチド鎖内のリジン残基のε−アミノ基がアシル受容体となるときは、ペプチド分子内あるいは分子間にε−(γ−Glu)−Lys架橋結合が形成する。水がアシル受容体となるときは、グルタミン残基に脱アミド反応が生じ、グルタミン残基がグルタミン酸残基になる。
このように、バチルス・ズブチリス AJ12866 及びバチルス・ズブチリス AJ1307 由来の本発明のTGは、ニューメキシコ州立大学のグループが報告したバチルス・ズブチリス由来のTGとは明らかに性質の異なるものであった。
【0030】
次に、本TGを用いる架橋高分子化物の製法について述べる。
架橋高分子化物の製造反応に用いるTGとしては、(1)バチルス属細菌を培養して得た胞子嚢を破砕もしくは溶菌して得た胞子を含む不溶性画分を濃縮したものを用いても良い、又(2)この不溶性画分を種々の可溶性処理をして得られるTG活性を有する画分を用いても良いし、更には(3)精製された比活性の高いTGを用いても構わない。
後述するような、バチルス属細菌由来のTGをコードするDNAとベクターが接続されて得られる組み換えDNAによって形質転換された細胞を培養することによって得られたバチルス属由来のTGを用いることもできる。
その他、バチルス属細菌由来のTG活性を有する画分であれば、全てを使用することが可能である。
【0031】
TG又はTG活性画分の基質としては、タンパク質、非タンパク性アミノ酸ポリマー、ペプチド又はこれらの誘導体を1種以上用いればよい。
タンパク質としては、リジン残基及びグルタミン残基を有し、上述の触媒を受けるものであれば、その起源、性状に制約されるものではない。例えば、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク等が基質として用いられる。また、プロテアーゼ等で部分的に切断したタンパク質等も用いることができる。
非タンパク性アミノ酸ポリマーとしては化学合成で得られるポリリジン等のアミノ酸高分子ポリマーを挙げることができる。
ペプチドとしては化学合成により得たペプチドを用いてもよいし、又天然のタンパク質を酸、アルカリ、プロテアーゼ等でで分解したものを用いることができる。
更に、これらの誘導体としては、糖タンパク質、化学修飾したタンパク質等を用いることができる。
いずれにしても、リジン残基、グルタミン残基を有する条件が満たされれば、TG又はTG活性画分の基質となる。
【0032】
基質濃度が0.1%以上のタンパク質等の含有溶液又はスラリーに、本TG又は本TG活性を有する画分を添加、作用させることにより架橋高分子化物が得られる。尚、本発明においては、架橋高分子化物は、架橋度の違いにより、ゲル状物、高粘性物、更には単に高分子化したものに分類されることがあるが、本発明にいう架橋高分子化合物はこれら全てを含む。
【0033】
一般的に、反応溶液のpHは約4〜10、反応温度は約5〜80℃、反応時間は約10秒〜24時間である。これにより、架橋高分子化物(ゲル状物、高粘性物等)が得られる。
【0034】
次に、組み換えDNA技術によってバチルス属細菌由来のTGを製造する方法について説明する。
【0035】
組み換えDNA技術を利用して酵素、生理活性物質等の有用タンパク質を製造する例は数多く知られている。組み換えDNA技術を用いることの利点は、天然に微量に存在する有用タンパク質を大量生産できることである。
【0036】
組み換えDNA技術を利用してバチルス属細菌由来のTGを製造するためには、バチルス属細菌由来のTGをコードするDNAが必要である。該DNAとベクターDNAとを接続して組み換えDNAを得る。該組み換えDNAを用いて宿主細胞を形質転換する。バチルス属細菌由来のTGを生産するように形質転換された細胞を培地中で培養し、培地中及び/又は細胞中にバチルス属細菌由来のTGを生成蓄積させ、該TGを回収する。
【0037】
バチルス属細菌由来のTGをコードするDNAを取得する方法について説明する。
はじめに、精製されたTGのアミノ酸配列を決定する。エドマン法(Edman,P., Acta Chem. Scand. 4, 227 (1950))を用いてアミノ酸配列を決定することができる。またApplied Biosystems社製のシークエンサーを用いてアミノ酸配列を決定することができる。
本発明のバチルス属細菌由来のTGについて、N末端から35残基のアミノ酸配列を決定したところ、配列表配列番号1に示される配列が明らかとなった。
【0038】
明らかとなったアミノ酸配列に基づいて、これをコードするDNAの塩基配列を演繹できる。DNAの塩基配列を演繹するには、ユニバーサルコドンあるいはバチルス属細菌の遺伝子中でもっとも頻繁に用いられるコドンを採用する。
【0039】
演繹された塩基配列に基づいて、30〜50塩基対程度のDNA分子を合成する。該DNA分子を合成する方法はTetrahedron Letters, 22, 1859 (1981)に開示されている。また、Applied Biosystems社製のシンセサイザーを用いて該DNA分子を合成できる。該DNA分子は、バチルス属細菌由来のTGをコードするDNA全長を、バチルス属細菌染色体遺伝子ライブラリーから単離する際に、プローブとして利用できる。あるいは、バチルス属細菌由来のTGをコードするDNAをPCR法で増幅する際に、プライマーとして利用できる。ただし、PCR法を用いて増幅されるDNAはバチルス属細菌由来のTGをコードするDNA全長を含んでいないので、PCR法を用いて増幅されるDNAをプローブとして用いて、バチルス属細菌由来のTGをコードするDNA全長をバチルス属細菌染色体遺伝子ライブラリーから単離する。
PCR法の操作については、White, T.J. et al., Trends Genet. 5, 185 (1989)等に記載されている。バチルス属細菌の染色体DNAを調製する方法については、Molecular Biological Methods for Bacillus, John Wiley & Sons Ltd (1990)等に記載されている。バチルス属などの細菌染色体遺伝子ライブラリーを作成する方法については、Molecular Biological Methods for Bacillus, John Wiley & Sons Ltd (1990)等に記載されている。DNA分子をプローブとして用いて、遺伝子ライブラリーから目的とするDNA分子を単離する方法については、Molecular Cloning, 2nd edition, Cold Spring Harbor press (1989)等に記載されている。
【0040】
単離されたバチルス属細菌由来のTGをコードするDNAの塩基配列を決定する方法は、A Practical Guide to Molecular Cloning, John Wiley & Sons, Inc. (1985)に記載されている。また、Applied Biosystems社製のDNAシークエンサーを用いて、塩基配列を決定することができる。
バチルス属細菌由来のTGをコードするDNAの一つを配列表配列番号2に示す。該DNAはバチルス・ズブチリス AJ1307 株の染色体DNAから単離されたものである。バチルス属細菌由来のTGをコードするDNAは、配列表配列番号2に示されるDNAだけではない。すなわち、バチルス属に属する細菌の種及び株ごとに、塩基配列の違いが観察されるはずだからである。
また、バチルス属細菌の染色体DNAから単離されたTGをコードするDNAに人工的に変異を加えて塩基配列を変更することができる。人工的に変異を加える方法として頻繁に用いられるものとして、Method. in Enzymol.,154 (1987)に記載されている部位特異的変異導入法がある。人工的に変異が加えられたDNAであっても、バチルス属細菌由来のTGをコードする場合には、本発明のバチルス属細菌由来のTGをコードするDNAである。
バチルス・ズブチリス AJ1307 由来のTGをコードするDNAとベクターDNAとが接続されて得られる組み換えDNAを細胞内に有するエシェリヒア・コリ AJ13172 は生命研に、1995年12月20日付けで、ブタペスト条約に基づいて国際寄託されており、その国際寄託番号は FERM BP-5346 である。
【0041】
バチルス属細菌由来のTGをコードするDNAをベクターDNAと接続して組み換えDNAを取得し、該組み換えDNAによって細胞を形質転換して形質転換体を取得し、そして該形質転換体を培地中で培養し、培地中及び/又は細胞中にバチルス属細菌由来のTGを生成蓄積させて、該TGを回収することによってバチルス属細菌由来のTGを大量生産することができる。
【0042】
タンパクを組み換えDNA技術を用いて大量生産する場合、該タンパクを生産する形質転換体内で該タンパクが会合し、タンパクの封入体(inclusion body)を形成する場合が多い。この発現生産方法の利点は、目的のタンパク質を菌体内に存在するプロテアーゼによる消化から保護することができる点であり、あるいは、目的のタンパク質を菌体破砕に続く遠心分離操作によって簡単に精製できる点等である。
このようにして得られるタンパク封入体は、タンパク変性剤により可溶化され、主にその変性剤を除去することによる活性再生操作を経た後、正しく折り畳まれた生理的に活性なタンパクに変換される。例えば、ヒトインターロイキン−2の活性再生(特開昭61-257931号)等多くの例がある。
タンパク封入体から活性型タンパクを得るためには、可溶化・活性再生等の一連の操作が必要であり、直接活性型タンパクを生産する場合よりも操作が複雑になる。しかし、菌体の生育に影響を及ぼすようなタンパクを菌体内で大量に生産させる場合は、不活性なタンパク封入体として菌体内に蓄積させることにより、その影響を抑えることができる。
【0043】
目的タンパクを封入体として大量生産させる方法として、強力なプロモータの制御下、目的のタンパクを単独で発現させる方法の他、大量発現することが知られているタンパクとの融合タンパクとして発現させる方法がある。
さらに、融合タンパクとして発現させた後に、目的のタンパクを切り出すため、制限プロテアーゼの認識配列を適当な位置に配しておくことも有効である。
【0044】
タンパクを組み換えDNA技術を用いて大量生産する場合、形質転換される宿主細胞としては、細菌細胞、放線菌細胞、酵母細胞、カビ細胞、植物細胞、動物細胞等を用いることができるが、一般に大腸菌、好ましくはエシェリヒア・コリが用いられる。大腸菌を用いてタンパクを大量生産する技術について数多くの知見があるためである。以下、形質転換された大腸菌を用いてバチルス属細菌由来のTGを製造する方法を説明する。
【0045】
バチルス属細菌由来のTGをコードするDNAを発現させるプロモータとしては、通常大腸菌における異種タンパク生産に用いられるプロモータを使用することができ、例えば、T7プロモータ、trpプロモータ、lacプロモータ、tacプロモータ、PLプロモータ等の強力なプロモータが挙げられる。
【0046】
バチルス属細菌由来のTGを融合タンパク封入体として生産させるためには、バチルス属細菌由来のTG遺伝子の上流あるいは下流に、他のタンパク、好ましくは親水性であるペプチドをコードする遺伝子を連結して、融合タンパク遺伝子とする。このような他のタンパクをコードする遺伝子としては、融合タンパクの蓄積量を増加させ、変性・再生工程後に融合タンパクの溶解性を高めるものであればよく、例えば、T7 gene 10、β−ガラクトシダーゼ遺伝子、デヒドロ葉酸還元酵素遺伝子、インターフェロンγ遺伝子、インターロイキン−2遺伝子、プロキモシン遺伝子等が候補として挙げられる。
これらの遺伝子とバチルス属細菌由来のTGをコードする遺伝子とを連結する際には、コドンの読み取りフレームが一致するようにする。適当な制限酵素部位で連結するか、あるいは適当な配列の合成DNAを利用すればよい。
【0047】
また、生産量を増大させるためには、融合タンパク遺伝子の下流に転写終結配列であるターミネーターを連結することが好ましい。このターミネータとしては、T7ターミネータ、fdファージターミネータ、T4ターミネータ、テトラサイクリン耐性遺伝子のターミネータ、大腸菌trpA遺伝子のターミネータ等が挙げられる。
【0048】
バチルス属細菌由来のTG、又は、バチルス属細菌由来のTGと他のタンパクとの融合タンパクをコードする遺伝子を大腸菌に導入するためのベクターとしては、いわゆるマルチコピー型のものが好ましく、Col E1由来の複製開始点を有するプラスミド、例えばpUC系のプラスミドやpBR322系のプラスミド、あるいはその誘導体が挙げられる。また、形質転換体を選別するために、該ベクターがアンピシリン耐性遺伝子等のマーカーを有することが好ましい。このようなプラスミドとして、強力なプロモーターを持つ発現ベクターが市販されている(pUC系(宝酒造(株)製)、pPROK系(クロンテック製)、pKK233-2(クロンテック製)ほか)。
【0049】
プロモータ、バチルス属細菌由来のTG又はバチルス属細菌由来のTGと他のタンパクとの融合タンパクをコードする遺伝子、ターミネータの順に連結したDNA断片と、ベクターDNAとを連結して組み換えDNAを得る。
【0050】
該組み換えDNAを用いて大腸菌を形質転換し、この大腸菌を培養すると、バチルス属細菌由来のTG又はバチルス属細菌由来のTGと他のタンパクとの融合タンパクが発現生産される。
形質転換される宿主は、異種遺伝子の発現に通常用いられる株を使用することができるが、特にエシェリヒア・コリ JM109(DE3)株、JM109株が好ましい。形質転換を行う方法、及び形質転換体を選別する方法はMolecular Cloning, 2nd edition, Cold Spring Harbor press (1989)等に記載されている。
【0051】
融合タンパクとして発現させた場合、血液凝固因子Xa、カリクレインなどの、TG内に存在しない配列を認識配列とする制限プロテアーゼを用いてTGを切り出せるようにしてもよい。
【0052】
生産培地としては、M9−カザミノ酸培地、LB培地など、大腸菌を培養するために通常用いる培地を用いてもよい。また、培養条件、生産誘導条件は、用いたベクターのマーカー、プロモータ、宿主菌等の種類に応じて適宜選択する。
【0053】
バチルス属細菌由来のTG又はバチルス属細菌由来のTGと他のタンパクとの融合タンパクを回収するには、以下の方法などがある。TGあるいはその融合タンパク質が菌体内に可溶化されていれば、菌体を回収した後、菌体を破砕あるいは溶菌させ、粗酵素液として使用できる。さらに、必要に応じて、通常の沈澱、濾過、カラムクロマトグラフィー等の手法によりTGあるいはその融合タンパク質を精製して用いることも可能である。
この場合、TGあるいは融合タンパク質の抗体を利用した精製法も利用できる。
【0054】
タンパク封入体が形成される場合には、変性剤でこれを可溶化する。菌体タンパクとともに可溶化してもよいが、以降の精製操作を考慮すると、封入体を取り出して、これを可溶化するのが好ましい。封入体を菌体から回収するには、従来公知の方法で行えばよい。例えば、菌体を破壊し、遠心分離操作等によって封入体を回収する。
タンパク封入体を可溶化させる変性剤としては、グアニジン塩酸(例えば、6M、pH5〜8)や尿素(例えば8M)などが挙げられる。
【0055】
これらの変性剤を透析等により除くと、活性を有するタンパクとして再生される。透析に用いる透析溶液としては、トリス塩酸緩衝液やリン酸緩衝液などを用いればよく、濃度としては20mM〜0.5M、pHとしては5〜8が挙げられる。
再生工程時のタンパク濃度は、500μg/ml程度以下に抑えるのが好ましい。再生したバチルス属細菌由来のTGが自己架橋を行うのを抑えるために、透析温度は5℃以下であることが好ましい。また、変性剤除去の方法として、この透析法のほか、希釈法、限外濾過法などがあり、いずれを用いても活性の再生が期待できる。
【0056】
バチルス属細菌由来のTGをコードするDNAとして、配列表配列番号2に示されるDNAを用いた場合には併記されるアミノ酸配列を有するバチルス属細菌由来のTGが生産される。該DNA中のオープン・リーディング・フレームは、118番目のアデノシン残基から829番目のシトシン残基までである。
【0057】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに説明する。尚、本発明は実施例の記載に限定されない。
【0058】
( 実施例1)TGの生産及び精製
バチルス・ズブチリス AJ1307 を培養し、充分にTG活性を有する菌体を得た。培養は総てSchaeffer培地を用い、37℃で液体振盪培養ないしは液体通気攪拌培養にて行った。Schaeffer培地の組成はBacto-nutrient broth 8g/l、KCl 1g/l、MgSO4・7H2O 0.12g/l、1mM CaCl2、10μM MnCl2、1μM FeSO4、pH 7.0である。
まず、種培養としてAJ1307株を20mlの培地で24時間培養した。この培養液5mlを種菌として、100ml培養を3連にて行った。培養が対数増殖後期になったとき、各培養液を900mlの培地に移し、3連にて培養を続けた。培養が同じく、対数増殖後期になった時、培養液3Lを27Lの培地に移し、通気1/4vvm、攪拌350rpmにて培養を行った。
更に、培養が対数増殖後期になった時、同培養液30Lを270Lの培地に移し、通気1/20vvm、攪拌200rpmにて本培養を行った。増殖が定常期に入った後、6時間後に培養を終了した。培養液は冷水を用いて速やかに20℃以下に冷却し、連続遠心機を用いて、菌体を回収した。こうして得られた菌体をTGを精製するための材料として用いた。
【0059】
なお、TG活性は、以下の酵素活性測定法により行った。酵素液10μlを含む50μl反応液(100mM Tris pH7.5、6.3mg/mlジメチルカゼイン、10nM14C−プトレシン1.2μCi)を37℃、30分反応させた後、40μlを濾紙に吸着させ、10%TCAで固定化した。さらに、5%TCA溶液で3回洗浄した後、これを液体シンチレーションカウンターを用いて放射活性を測定し、TG活性とした。
【0060】
1.菌体の洗浄:
培養後に集菌した菌体を、50mM Tris−HCl(pH7.5)に懸濁し、20,000xgで30分間遠心し、沈澱画分に再度集菌した。この懸濁及び遠心の作業を、菌体の洗浄とした。この菌体の洗浄を2回繰り返した。
【0061】
2.溶菌:
洗浄した菌体の湿重量1に対して、氷冷した9倍量の緩衝液1(100mM Tris−HCl(pH 7.5)、0.5mg/ml リゾチーム、20μg/ml DNase I、1mM EDTA、2mM フェニルメタンスルホニルフルオリド(PMSF))を加え、菌体を緩衝液に懸濁した。この溶液を氷上で1〜3時間攪拌することにより、菌体は溶菌した。
【0062】
3.胞子の調製:
溶菌後の溶液を4℃で20,000xgで30分間遠心し、遠心上清、及び沈澱物を緩衝液2(100mM Tris−HCl(pH 7.5)、1mM EDTA)に懸濁して得た懸濁液のそれぞれのTG活性を測定した。この結果、TG活性は沈澱懸濁液中に検出された。この沈澱懸濁液を検鏡したところ、胞子および溶菌後の菌体細胞残査が観察された。
活性の検出された沈澱懸濁液を、氷冷しながら30分間攪拌した。その後、20,000xgで30分間遠心し、再び遠心上清及び沈澱物を緩衝液2に懸濁した懸濁液のそれぞれのTG活性を測定した。この結果、TG活性は沈澱懸濁液中に検出された。
この緩衝液2による懸濁、攪拌及び遠心の作業をもって、胞子の洗浄とした。この胞子の洗浄を4回繰り返した。この操作中、TG活性は常に遠心沈澱画分中に検出された。胞子の洗浄を4回行った後、活性の検出された沈澱画分の懸濁液を検鏡したところ、菌体細胞残査はほぼ見られなくなり、胞子のみが観察された。また、この検鏡によっては、胞子が発芽した様子は観察されなかった。
【0063】
4.TGの可溶化:
洗浄後、遠心によって沈澱画分に集められた胞子を、あらかじめ37℃に暖めた緩衝液3(0.1M 炭酸ナトリウム、1mM EDTA、50mM ジチオスレイトール、pH 10.0)に懸濁し、pHを10.0に再度調整した後、37℃において30分間攪拌した。その後、20,000xgで30分間遠心し、遠心上清及び沈澱物を緩衝液3に懸濁して得た懸濁液のそれぞれのTG活性を測定した。
この結果、TG活性は遠心上清中に検出され、TGの可溶化が達成された。このTGを含む溶液を粗TG溶液とした。
【0064】
5.酸性条件下における共雑タンパク質の沈澱除去
粗TG溶液を濾紙で濾過した後、酢酸を添加してそのpHを5.8に調整し、5℃において1時間攪拌した。この操作によりタンパク質の等電沈澱と見られる白沈が生じた。20,000xgで30分間遠心して、この沈澱と遠心上清を分離した。沈澱物を緩衝液3に溶解した。この遠心上清と沈澱溶解溶液中のTG活性をそれぞれ測定したところ、遠心上清中にTG活性が検出された。
【0065】
6.TGの硫安沈澱
活性が検出された遠心上清に、20分の1容の1M Tris−HCl(pH7.5)を加えた後、終濃度で50%飽和となるように硫酸アンモニウムを加え、溶解した。水酸化ナトリウムを用いてpHを7.5に調整した後、氷上で2時間攪拌し、20,000xgで30分間遠心した。得られた遠心上清を緩衝液4(25mM Tris−HCl(pH 7.5)、5mM アジ化ナトリウム)に対して透析し、一方、沈澱を緩衝液4に溶解した後、同じく緩衝液4に対して透析した。透析を通じて十分に硫酸アンモニウムを除去した後、遠心上清画分および沈澱画分中のTG活性を測定した。この結果、遠心沈澱画分、すなわち、50%飽和硫安により沈澱した画分中にTG活性が検出された。
【0066】
7.疎水性クロマトグラフィー:
活性が検出された溶液を緩衝液5(50mM Tris−HCl、0.75M硫酸マグネシウム、0.02%(W/V) アジ化ナトリウム、pH 9.0)に対して透析した。透析後に得られた溶液を20,000g×30分間遠心し、その上清を得た。ここで得られた上清を、緩衝液で平衡化した疎水性クロマトグラフィーカラムPhenyl Sepharose HP(ファルマシア社製)に供した。この操作によりTGは担体に吸着した。
次に、担体に吸着しなかったタンパク質(非吸着タンパク質)を緩衝液5を用いて洗い流した後、エチレングリコールを含む緩衝液を溶出液として用いて、吸着したタンパク質の溶出を行った。このとき、緩衝液中の硫酸マグネシウム濃度とエチレングリコール濃度を直線的変化させた。即ち、硫酸マグネシウム濃度を0.75Mから0Mへ直線的に変化させ、またこれと同時に緩衝液中のエチレングリコール濃度を0%(v/v)から10%(v/v)に直線的に変化させるという溶出方法を用いた。
このとき得られた各溶出画分についてTG活性を測定したところ、硫酸マグネシウム濃度がおよそ150〜200mM、エチレングリコール濃度がおよそ7〜8%(v/v)の溶出位置にTG活性が認められた。
【0067】
8.ゲル濾過:
TG活性を含む画分を膜濃縮装置(アミコン社製、セントリプレップ)を用いて濃縮し、緩衝液6(25mM Tris−HCl、150mM NaCl、1%(v/v) エチレングリコール、0.02%(w/v) アジ化ナトリウム、pH 8.0)に対して透析した。透析後の溶液を20,000g×10分間遠心し、その上清を得た。ここで得られた上清を、緩衝液6で平衡化されたゲル濾過カラムSephacryl S200HR(ファルマシア社製)に供した。各流出画分のTG活性を測定したところ、分子量が約18,000−約22,000程度と見積もられる位置に活性が認められた。
【0068】
9.陰イオン交換クロマトグラフィー:
得られたTG画分を膜濃縮し、緩衝液7(25mM ピペラジン、1%(v/v) エチレングリコール、0.02% アジ化ナトリウム、pH 10.5)に対して透析した。透析後に得られた溶液を20,000g×10分間遠心し、その上清を得た。ここで得られた上清を、緩衝液7で平衡化された陰イオン交換クロマトグラフィーカラム Mono−Q(ファルマシア社製)に供した。この操作により、TGは担体に吸着した。
次に、緩衝液7により非吸着タンパク質を洗い流した後、NaClを含む緩衝液を溶出液として用いて、吸着されたタンパク質の溶出をおこなった。このとき、緩衝液中のNaCl濃度を直線的に0mMから500mMへ変化させるという溶出方法を用いた。このとき得られた各溶出画分についてTG活性を測定したところ、NaCl濃度がおよそ50mMから150mMの溶出位置に活性が認められた。得られた活性画分をSDS−PAGEに付し、クマジーブリリアントブルー染色したところ、TGは1本のバンドになるまでに精製されていることが確認され、その分子量は約28,000−約30,000と見積もられた(図1参照)。
【0069】
上記精製を行った結果の比活性の上昇を測定した。前出の粗TG溶液、及び精製により得られた活性画分のTG活性を測定した結果、この一連の精製操作により、単位タンパク質重量あたりの比活性は約600倍に上昇したことがわかった。なお、今回用いた活性測定法においては、精製したTGの比活性は、約2.5x104dpm/mg/30min(37℃、pH 7.5)と見積もられた。
【0070】
10.TGのN末端付近のアミノ酸配列の決定
上記のように精製されたTGのN末端付近の配列を以下のようにして決定した。
即ち、精製されたTG画分のうち、タンパク質量約10μg分をSDS存在下ポリアクリルアミドゲル電気泳動した後、ゲル中のTGを膜フィルターに転写し、プロテインシーケンサーによってアミノ酸配列をN末端から解析した。
即ち、ミリポア社ミリブロットを用い、セミドライ方式(タンパク質構造解析、平野久著、東京化学同人)によって電気泳動後のゲルからポリビニリデンフルオリド(PVDF)膜に目的酵素を転写した。続いて、PVDF膜上の目的酵素をプロテインシーケンサー(ABI社製、モデル476A)に供し、N末端アミノ酸配列解析を行った。
【0071】
N末端から35残基のアミノ酸配列が決定した。決定されたトランスグルタミナーゼのN末端付近のアミノ酸配列を配列表の配列番号1に示した。
【0072】
(実施例2):TGの至適pHと至適温度の決定
反応pHによる酵素活性の変化(至適pH)を以下の方法で測定した。
【0073】
酵素反応緩衝液にはギ酸ナトリウム(pH 2.0、3.0、3.5、4.0)、酢酸ナトリウム(pH 4.5、5.0、5.5、6.0)、Tris−HCl(pH 7.0、7.5、8.0、8.5、9.0)及び炭酸ナトリウム(pH 9.0、9.5、10.5、12.0)緩衝液を用いた。
【0074】
TG活性の測定は、前出の14Cで標識されたプトレシンとジメチルカゼインを基質とする方法を用いた。それぞれの緩衝液は反応溶液中で50mMの濃度となるように添加した。酵素源として、上述の精製したTG画分を濃度2μg/mlにて用いた。反応は、37℃において30分間行った。
【0075】
測定結果は、それぞれの反応溶液の実測のpHに対する酵素活性の相対値の形で示した。便宜上、最も高い活性を示したpH8.2の場合(Tris−HCl(pH8.5)を緩衝液として用いた場合)の活性を100とした。測定結果は図2に示した。
【0076】
本発明のTGの至適pHは約7〜約9、厳密にはpH約7.7〜8.8の範囲であることが分かった(図2参照)。ところで、ニューメキシコ州立大学のグループが報告したバチルス・ズブチリス由来のTGは、その至適pHが9.5以上であるので、本発明であるバチルス属細菌由来のTGとは明らかに異なるものである。
【0077】
反応温度による酵素活性の変化(至適温度)を以下の方法で測定した。
活性測定法としては、前出の14Cで標識されたプトレシンとジメチルカゼインを基質とする方法を用いた。反応液のpHを0.1MのTris−HClを用いて7.5に調整した。酵素源として、上述の精製したTG画分を濃度2μg/mlで加えた。この反応液を25℃から80℃の各温度の温浴中で30分間反応させた。
【0078】
測定結果を、それぞれの反応温度に対する酵素活性の相対値の形で示した。便宜上、最も高い活性を示した60℃の場合の活性を100とした。測定結果を図3に示した。
【0079】
本発明のTGは、その至適温度を約40〜約65℃、より厳密には約50〜約62℃の範囲に持つことがわかった(図3参照)。
【0080】
(実施例3):TGの温度安定性の決定
反応温度による酵素活性の安定性を以下の方法で測定した。
上述の精製TG画分を10℃から80℃の各温度の温浴中で10分間反応させた。その後、実施例2と同様の方法により、活性を測定した。測定結果は、それぞれの反応温度に対する酵素活性の相対値の形で示した。便宜上、最も高い活性を100とした。測定結果を図4に示した。
【0081】
本発明のTGは、約60℃以下の範囲において安定であることがわかった(図4参照)。
【0082】
(実施例4):TGによるタンパク質の架橋反応
TGのタンパク質架橋活性を以下のように測定した。
反応溶液として、終濃度で1mg/ml α−カゼイン、0.1MTris−HCl(pH7.5)、5mMジチオスレイトール、5mMアジ化ナトリウムとなるような溶液を調製した。
尚、α−カゼインとしてシグマ社製のものを用いた。この溶液に終濃度で440μg/mlとなるように、上述の精製したTG画分を添加した。
【0083】
この反応溶液を37℃の温浴中で、18時間反応させた。この溶液をSDS−PAGEに付したところ、基質であるα−カゼインのバンドの他に、高分子側に新たなバンドが出願した。即ち、α−カゼインの高分子化が観察された。この結果を図5に示す。
【0084】
この結果から、本発明のTGはタンパク質の架橋活性を有することが判明した(図5参照)。
なお、同様の基質タンパク質の高分子化が、本発明のTGを牛血清アルブミン(BSA)に作用させた場合にも観察された。
【0085】
(実施例5):TG活性に対する各種試薬の効果
TGに対する各種試薬の効果を調べた。使用した試薬は、N−エチルマレイミド(NEM)、シスタミン、フェニルメタンスルホニルフルオリド(PMSF)、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、EDTA、EGTA、塩化カルシウム、ジチオスレイトール(DTT)、2−メルカプトエタノール(2−ME)である。全てをナカライテスク社より購入した。
酵素源として、上述の精製したTG画分を濃度2μg/mlで用いた。タンパク質濃度はプロテインアッセイキット(バイオラッド社製)により定量した。
【0086】
TG活性を測定する方法として、前出の14Cで標識されたプトレシンとジメチルカゼインを基質とする方法を用いた(pH7.5、37℃)。酵素源として、上述の精製したTG画分を濃度2μg/mlで用いた。反応は、37℃において30分間行った。
活性測定は以下のように行った。上述の精製TG画分を、それぞれ適当な濃度に調整した各試薬と混合した後、氷上で30分間静置した。各試薬による処理を受けたこれらの溶液を酵素源とし、TG濃度が2μg/mlとなるように調整して基質に作用させ、残存するTG活性を測定した(pH7.5、37℃)。
【0087】
試薬によって処理を受けなかったTG画分を用いた場合の活性(コントロール)を100として、それぞれの試薬によって処理を受けたTG画分を用いた場合の残存活性を相対値で示して、これを測定結果とした。この結果を表1に示した。
本発明のTGの活性は、NEMによって阻害されること、及びDTTや2−MEなどの還元剤によっては阻害されず、むしろ少し活性化されることから、活性の発現にはシステイン残基が関与している可能性が示唆された。
また、本発明のTGはDTTで阻害されないにもかかわらず、ニューメキシコ州立大学のグループが報告したバチルス・ズブチリス由来のTGはDTTによって阻害される。つまり、両者は明らかに異なる性質をもつものである。
【0088】
また、硫酸ナトリウムには阻害されず、硫酸アンモニウムにより阻害されること、及びシスタミンによって活性が阻害されることから、反応溶液中にある種のアミンが存在すると活性が阻害されるという性質を有していることが判明した。更に、本発明のTGがキレート剤であるEGTA、EDTAで阻害されないことも、ニューメキシコ州立大学が報告したTGとは異なる性質である。即ち、本発明のTGはCa2+等の金属イオンの要求性は無いと言える。また、本TGの活性測定の反応系にはCa2+は含まず、かつこの測定系で活性を示していることからも本TGはCa2+非依存性であるといえる。
更に、本発明のTGは5mM以上のCa2+ で50%以上活性を有する。5mM以上のCa2+ で強力に阻害されるというニューメキシコ州立大学が報告したTGとは異なる点である(表1参照)。
【0089】
【表1】
Figure 0003669390
【0090】
(実施例6)
バチルス・ズブチリス AJ12866株 から由来するTGをも、精製し、その諸性質を決定した。
【0091】
バチルス・ズブチリス AJ12866株をSchaeffer培地を用いて37℃で16時間振盪培養した。培養液3mlを30mlのSchaeffer培地に加え、37℃で12時間培養した。Schaeffer培地の組成はBacto-nutrient broth 8g/l、KCl 1 g/l、MgSO4・7H2O 0.12g/l、1mM CaCl2、10μM MnCl2、1μM FeSO4、pH 7.0である。
培養液を10,000xg、20分間遠心分離を行い、沈澱と上清とに分けた。
沈澱をさらにガラスビーズを用いて破砕した。培養液上清、培養液沈殿及び沈澱破砕液(菌体破砕液)それぞれのTG活性を測定した。酵素活性測定法は次のとおりである。試料10μlを含む50μl反応液(100mM Tris pH7.5、6.3mg/mlジメチルカゼイン、10nM14C−プトレシン1.2μCi)を37℃で30分間静置して反応を進行させた後、反応後の反応液40μlを濾紙に吸着させた。反応液中では、TGの触媒によってプトレシンがジメチルカゼインに結合する反応が起きている。濾紙には該プトレシンとジメチルカゼインとの結合物が吸着している。10%TCAを加えることによって、吸着している結合物を濾紙に固定した。濾紙を5%TCA溶液で3回洗浄した後、液体シンチレーションカウンターを用いて、濾紙に固定している14Cの放射活性を測定し、測定値をTGの相対活性とした。結果を表2に示す。
これより、沈澱破砕液、すなわち胞子が存在する画分に圧倒的にTG活性が存在することが分かった。
【0092】
【表2】
Figure 0003669390
【0093】
(実施例7)バチルス属細菌由来のTGが誘導される時期の決定
実施例6と同様に、バチルス・ズブチリス AJ12866 株を培養し、経時的に菌体破砕懸濁液のTG活性を調べた。菌体破砕懸濁液の調製及びTG活性測定法は、実施例1及び実施例6に準じた。バチルス・ズブチリス AJ12866 株の生育の程度を培養液の濁度で示したが、濁度の測定は610nmの波長をもつ光が培養液を透過する際の吸光度を求めて行った。結果を図6に示した。この結果から分かるように、TG活性は、生育が定常期に入ってから後、胞子が形成され始めて(約4時間後)から増大し始めた。
【0094】
(実施例8)バチルス属細菌由来のTGの精製
実施例7と同様の方法で培養した菌体を用いて以下の実験を行った。
バチルス・ズブチリス AJ12866 株の菌体を反応液(0.5mg/ml Lysozyme,20μg/ml DNaseI,0.1M Tris pH 7.5,2mM DTT,1mM EDTA,2mM PMSF)に懸濁し、氷上で2時間反応を行い溶菌させた。この反応液を20,000xg、20分の遠心分離操作に供し、得られた沈澱画分を洗浄液(0.1M Tris pH 7.5,1mM EDTA,2mM PMSF)に懸濁した。該懸濁液を遠心分離操作に供して沈澱を回収した。この操作を2回繰り返した。
得られた沈澱画分を緩衝液(0.1M Sodium carbonate pH10,1mM EDTA,2mM PMSF)に懸濁し、37℃で30分間静置した。この間に、沈澱画分にあった物質の一部が緩衝液に溶解して、TG活性は可溶性画分に移行した。遠心分離操作を行った後に得られる上清はTG活性を有した。該上清のpHを酢酸を用いてpH6.0に調整した。これを粗酵素液とした。この粗酵素液を限外濾過により濃縮した後、緩衝液(50mM Tris pH7.5,0.1M NaCl)を用いて透析を行い、緩衝液の交換を行った。この粗酵素液を、ゲル濾過操作に供し、溶出してきたTG活性画分を試料として酵素学的性質を調べた。
【0095】
その結果、以下の事がわかった。諸性質の測定は実施例1から5に記載された方法に準じて行った。
(1)至適pHは約7−約9であった(図7参照)。(2)至適温度は約40−約65℃であった(図8参照)。(3)温度安定性は約60℃以下で安定であった(図9参照)。(4)シスタミン、NEM、(NH42SO4により強く阻害された(図10、表3参照)。(5)また、DTTにより活性が阻害されず、むしろDTTが1mM存在する条件下で約1.5倍以上活性が上昇した(図11参照)。(6)EDTAはほとんど本TGの活性に影響を与えなかった(図12参照)。(7)5mM以上のCa2+イオン濃度で活性が阻害されることはない。又、活性発現にCa2+イオンは必要ない。即ち、Ca2+非依存性の酵素である(図13参照)。(8)分子量は(a)約18,000−約22,000(ゲル濾過法)、(b)約28,000−約30,000(SDS−PAGE法)であった。
更に、実施例1に記載される方法に準じて精製を行い、N末端付近のアミノ酸配列、即ちN末端から35残基のアミノ酸配列を決定した。その結果、バチルス・ズブチリス AJ1307株由来のTGと高い相同性を有していた。すなわち、両者のTGのアミノ酸配列において、22番目のアミノ酸残基のみが相違していた。AJ1307 株由来のTGでは22番目のアミノ酸残基はアスパラギンであるが、AJ12866 株由来のTGでは22番目のアミノ酸残基はアスパラギン酸であった。
【0096】
【表3】
Figure 0003669390
【0097】
この実験結果から、バチルス・ズブチリス AJ12866 株由来のTGは前述したバチルス・ズブチリス AJ1307 株由来のTGと同一の性質を有していることが分かった。
【0098】
(実施例9)本発明のTGによるゲル化反応
実施例8で得られたゲル濾過操作後のTG活性画分と10%カゼイン溶液(25mM Tris pH7.5,5mM DTT)とを1:9の割合で混合して、37℃で24時間反応を行ったところ、該溶液はゲル化した。
【0099】
実施例1で得られた精製TGを、2ユニット/1gタンパクとなるように、7%ゼラチン溶液に添加して35℃で2時間反応させた。その結果、ゼラチンタンパク溶液はゲル化した。
【0100】
(実施例10)バチルス属由来のTG遺伝子の単離
(1)TGの精製及びN末端アミノ酸配列の決定
実施例1で決定され配列表の配列番号1に示されている、バチルス属細菌由来のTGの部分アミノ酸配列が既知のペプチドのアミノ酸配列との間に相同性を有するかどうか調べた。しかし、GenBank(LASL−GDB)、SWISS−PROT、NBRF(PIR)に登録されているアミノ酸配列との間には相同性は認めらなかった。
該アミノ酸配列をユニバーサル・コドンに基づいて逆翻訳し、該アミノ酸配列をコードする塩基配列を演繹した。該塩基配列が既知の核酸の塩基配列との間に相同性を有するかどうか調べた。その結果、GenBank(LASL−GDB)に登録されている塩基配列との間に高い相同性が認められた。相同性を示した塩基配列のアクセッション番号はL29189であり、出典は、D. W. Hanlon & G. W. Ordal, J. Biol. Chem. 269巻, 14038-14046頁 (1994)である。該塩基配列は、もともと枯草菌のトランスメンブラン・レセプターをコードする遺伝子群の塩基配列を開示するものであり、相同性が認められた配列は上流のフランキング領域に位置する。具体的には、該塩基配列の1番目から68番目までの配列との間に相同性が認められた。この68塩基対からなる配列は、枯草菌のmcpB遺伝子の5’上流に位置しており、転写の方向はmcpB遺伝子のそれとは逆向きである。また、該68塩基対からなる配列にコードされるペプチドの機能については、D. W. Hanlon & G. W. Ordal, J. Biol. Chem. 269巻, 14038-14046頁 (1994)中には言及はない。
本発明者らは、該68塩基対からなる配列が、バチルス属細菌由来のTGをコードする遺伝子の一部であると仮定して、該遺伝子の全長を単離することとした。
【0101】
(2)菌体の取得
バチルス・ズブチリス AJ1307 株を以下の条件で培養した。培養は全て Schaeffer 培地を用いて、37℃で液体振盪培養にて行った。まず、種培養として、AJ1307 株を20mlの Schaeffer 培地を用いて一晩培養した。この培養液5mlを種菌として、100mlの Schaeffer 培地を用いて本培養を行った。
【0102】
(3)菌体からの染色体DNAの取得
上記条件下で対数増殖後期まで培養した後、培養液100mlを遠心分離操作(12000xg、4℃、15分間)に供し、集菌した。この菌体を10mlの50:20TE(50mM Tris−HCl,pH8.0,20mM EDTA)に懸濁し、洗浄し、遠心分離操作により、菌体を回収した。再び、この菌体を10ml50:20TEに懸濁した。さらに、この懸濁液に、0.5mlの20mg/mlリゾチーム溶液、1mlの10%SDS溶液を加えた後、55℃で20分間インキュベートした。インキュベート後、1倍容の10:1TE飽和のフェノールを加えて除タンパクを行った。分離した水層に対して、1倍容の2−プロパノールを加えて、DNAを沈澱させ、回収した。沈澱したDNAを0.5ml50:20TEに溶解した後、5μlの10mg/ml RNase、5μlの10mg/ml ProteinaseKを加えて、55℃で2時間反応させた。反応後、1倍容の10:1TE飽和のフェノールで除タンパクを行った。さらに、分離した水層に対して、1倍容の24:1 クロロホルム/イソアミルアルコールを加えて撹拌し、水層を回収した。この操作をさらに2回行った後に得られた水層に、終濃度0.4Mとなるように3M酢酸ナトリウム溶液(pH5.2)を加え、さらに2倍容のエタノールを加えた。沈澱となって生じたDNAを回収し、70%エタノールで洗浄した後、乾燥させ、1mlの10:1TEに溶解させた。
【0103】
(4)PCR法によるDNA断片の取得
バチルス属細菌由来のTGをコードする遺伝子を含むDNA分子の単離・増幅には、TaKaRa LA PCR in vitro Cloning Kit(宝酒造社製)を用いた。以下断わりの無い限り、説明書の方法に基づき実験を行った。
(3)の手法によって調製した染色体DNA5μgを制限酵素HindIIIで消化した。次に、エタノール沈澱操作により回収したDNA断片に、HindIII Cassetteを連結した。さらにエタノール沈澱操作を行った後、回収したDNAに対して、Primer C1及びPrimer S1を用いて1回目のPCRを行った。Primer C1の塩基配列を配列表の配列番号3に示し、Primer S1の塩基配列を配列表の配列番号4に示した。Primer C1はTaKaRa LA PCR in vitro Cloning Kitに含まれており、HindIII Cassette内の配列である。Primer S1は、上記した枯草菌のトランスメンブラン・レセプターをコードする遺伝子群の塩基配列中566番目のグアノシン残基から600番目のアデノシン残基までの領域に相補する配列である。
PCR反応は、GeneAmp PCR System 9600(PERKIN ELMER社製)を用いて行い、以下の条件で30サイクル行った。
【0104】
98℃ 20秒
68℃ 3分
【0105】
次にこの反応液を100倍に希釈して、Primer C2及びPrimerS2を新たに加えて2回目のPCRを行った。条件は1回目と同じである。PrimerC2及びPrimer S2の配列をそれぞれ配列表配列番号5と配列番号6に示す。Primer C2はTaKaRa LA PCR in vitro Cloning Kitに含まれており、HindIII Cassette内の配列である。Primer S2は、上記した枯草菌のトランスメンブラン・レセプターをコードする遺伝子群の塩基配列中34番目のチミジン残基から68番目のチミジン残基までの領域に相補する配列である。
【0106】
反応後、反応液3μlを0.8%アガロースゲル電気泳動に供した。約2kbのDNA断片が増幅されていることが確認された。
【0107】
(5)PCRで増幅されたDNA断片のpUC18へのクローニング
PCRで増幅された約2kbのDNA断片をpUC18と連結してクローニングを行った。クローニングを SureClone Ligation Kit(ファルマシア社製)を用いて行った。以下、断わりの無い限り、説明書の方法に基づき実験を行った。増幅された約2kbのDNA断片400ngの両末端を平滑化し、続いてリン酸化した。リン酸化処理後に該DNA断片を精製し、SmaIによって消化されたpUC18と連結した。このライゲーション反応液を用いて大腸菌エシェリヒア・コリJM109を形質転換した。
【0108】
得られた形質転換体より、目的とする約2kbのDNA断片を含むpUC18で形質転換されたJM109を数株選抜した。選抜の方法はMolecular Cloning, 2nd edition, Cold Spring Harbor press (1989)に記載されている。
【0109】
(6)TG遺伝子のDNAシーケンス
選抜した形質転換体が保有するプラスミドをMolecular Cloning, 2nd edition, Cold Spring Harbor press (1989)に記載される方法に従って調製し、増幅された約2kbのDNA断片の塩基配列を決定した。シーケンス反応は、 Dye Terminator Cycle Sequencing Kit(ABI社製)を用いて説明書に従って行った。また、電気泳動は、DNA Sequencer 373(ABI社製)を用いて行った。
【0110】
シーケンスの結果、PCRで増幅されたDNA断片は配列表配列番号2に示される塩基配列のうち、118番目のアデノシン残基から1042番目のチミジン残基に至る配列を有することが解った。配列番号2に示される塩基配列中、118番目のアデノシン残基から852番目のシトシン残基までがオープン・リーディング・フレームである。該ORFがコードするポリペプチドのアミノ酸配列は、ユニバーサル・コドンに基づいて推定されうる。該アミノ酸配列は配列番号2に併記されている。
該アミノ酸配列のN末端から35番目までの配列は、上記(1)において開示した35残基からなるアミノ酸配列と完全に一致していた。このことから、PCRで増幅されたDNA断片は、目的のバチルス属細菌由来のTG遺伝子であると判断された。
なお、配列番号2として記載される塩基配列と、D. W. Hanlon & G. W. Ordal, J. Biol. Chem. 269巻, 14038-14046頁 (1994)に記載される塩基配列との相違は、使用された菌株の違いによるものと判断される。
【0111】
バチルス属細菌由来のTG遺伝子が、pUC18に由来するlacプロモーターからの転写を受ける向きに挿入されたプラスミドをpBSTG75−11と命名した。
【0112】
(実施例11)染色体DNAライブラリーからのバチルス属細菌由来のTG遺伝子のクローニング
(1)染色体DNAライブラリーの作成
実施例10で調製した染色体DNA1μgをHindIIIで完全に消化した。エタノール沈澱によってDNAを回収した後、10μlの10:1TEに溶解した。このうちの5μlと、HindIIIで消化されてさらにBAPによる脱リン酸化処理を受けたpUC118(宝酒造製)1ngとを混合し、DNA Ligation Kit Ver.2(宝酒造製)を用いて連結反応を行った。エシェリヒア・コリJM109株のコンピテント・セル(宝酒造製)100μlとライゲーション反応液3μlとを混合して、エシェリヒア・コリJM109株を形質転換した。これを適当な固形培地に塗布し、染色体DNAライブラリーを作成した。
【0113】
(2)プローブの作成
プローブには、実施例1で取得したTG遺伝子の全長を用いることにした。pBSTG75−11を鋳型にして、Primer S2及びPrimer S3を用いてPCR反応を行った。PCR反応は、TaKaRa LA PCR Kit Ver.2に従って行った。
鋳型であるpBSTG75−11を10ng、Primer S2及びPrimer S3を各20pmolを含む100μlの反応液を調製して反応を行った。なお、Primer S3はTG遺伝子の配列番号2の塩基配列818番目から852番目の35塩基に相補する35merの長さのプライマーであり、その塩基配列を配列表配列番号7として示した。PCRの反応は以下の条件で30サイクル行った。
【0114】
94℃ 30秒
55℃ 30秒
72℃ 1分
【0115】
上記の反応で増幅されたDNA断片を1%アガロースゲル(Seaplaque GTG、FMC社製)電気泳動により分離した。目的のバンドを切り出し、EasyPrep System(ファルマシア社製)とPCR Products Prep Kit(ファルマシア社製)を用いてDNAを精製した。最終的に4ng/μlのDNA溶液200μlを得た。
【0116】
このDNA断片を32Pで標識し、プローブとした。[α−32P]dCTP 3000Ci/mmol(アマシャム社製)とRandom Primer DNA Labeling Kit Ver.2(宝酒造社製)を用いて説明書通りにプローブの標識を行った。
【0117】
(3)コロニーハイブリダイゼーション
コロニーハイブリダイゼーションの操作はMolecular Cloning, 2nd edition, Cold Spring Harbor press (1989)に説明されている。
染色体DNAライブラリーのコロニーをナイロンメンブレンフィルター(Hybond−N、アマシャム社製)にうつし、アルカリ変性、中和、固定化の処理を行った。
【0118】
ハイブリダイゼーションはRapid−hyb buffer(アマシャム社製)を用いて行った。フィルターを該バッファー中に浸し、65℃で4時間プレハイブリダイゼーションを行った。その後、上記(2)で作成した標識プローブを添加し、65℃で2時間ハイブリダイゼーションを行った。この後、フィルターを0.1%SDSを含む2xSSCで室温、20分間洗浄した。さらに0.1%SDSを含む0.1xSSCで65℃、15分間洗浄を2回行った。
【0119】
その結果、プローブとハイブリダイズするコロニーを5株確認できた。
【0120】
(4)TG遺伝子のDNAシーケンス
実施例5と同様にして、pUC118に挿入されたDNA断片の塩基配列を決定した。その結果、配列表配列番号2に示した塩基配列を有することを確認した。
【0121】
(実施例12)バチルス属細菌由来のTG遺伝子の大腸菌における発現
(1)組換えTG遺伝子を有する大腸菌の培養及び発現誘導
実施例10で取得したpBSTG75−11では、バチルス属細菌由来のTGをコードするDNAがlacZタンパクの一部をコードするDNAの下流に接続されており、その塩基配列から推定して、バチルス属細菌由来のTGの1番目のメチオニン残基の前に配列表配列番号8に示される11アミノ酸残基からなるペプチドが付加された融合タンパクを発現するようにデザインされていた。
【0122】
実験には、pBSTG75−11によって形質転換された大腸菌JM109と、コントロールとして、pUC18によって形質転換された大腸菌JM109を使用した。培養を、アンピシリン100mg/lを含むLB培地を用いて、37℃で、液体振盪培養によって行った。培地30mlに各菌をそれぞれ植菌し、一晩振とう培養を行い、これを種培養とした。次に、新しい培地30mlを入れたフラスコを4本用意した。pBSTG75−11によって形質転換された大腸菌JM109の種培養を2本のフラスコに5%植菌し、それぞれを実験区1及び実験区2とした。一方pUC18によって形質転換された大腸菌JM109の種培養も2本のフラスコに5%植菌し、それぞれを実験区3及び実験区4とした。各実験区の培養を行い、610nmの波長を有する光の吸光度が約0.7になったところで、実験区1及び実験区3のみにIPTGを終濃度1mMとなるよう添加した。その後、4時間経過したところで培養を終了した。
【0123】
(2)誘導発現した蛋白質の確認
培養終了後、培養液中の菌体の様子を顕微鏡にて観察したところ、pBSTG75−11によって形質転換されたJM109のうちIPTGが添加されたもの(実験区1)のみが、その菌体内に封入体を有していた。
【0124】
培養終了後、培養液10mlを遠心分離(12,000xg、15分間)し、菌体を回収した。この菌体を2mlの10mMTris−HCl、pH7.5に懸濁し、洗浄した後、再び遠心分離により菌体を回収した。この菌体を1ml同バッファーに懸濁した後、ミニビード・ビーター(和研薬(株)製)を用いて、0.1mmジルコニアビーズで3分間振盪破砕した。この破砕懸濁液をSDS−PAGEに供し、CBB染色したところ、実験区1(pBSTG75−11によって形質転換されたJM109、IPTGによって誘導を受けた)にのみにおいて、約 29,000〜30,000 のバンドが確認された。この分子量から推定して、期待した融合蛋白質が発現したものと考えられた。
【0125】
(3)TG活性の確認
発現された蛋白質のTG活性を測定した。上記菌体破砕懸濁液10μlを、ジメチルカゼイン、14C標識プトレシンを含む反応液に加え、反応終了後、ジメチルカゼインを濾紙に吸着させ、取り込まれたプトレシン量を液体シンチレイションカウンターにて測定した。結果は、表4に示す通りであった。この結果より、pBSTG75−11によって形質転換されたJM109で、IPTGで誘導を受けたもの(実験区1)において、TG活性が確認された。
pBSTG75−11によって形質転換されたエシェリヒア・コリJM109株はエシェリヒア・コリ AJ13172 と命名された。AJ13172 は生命研に、1995年12月20日付けで、ブタペスト条約に基づいて国際寄託されており、その国際寄託番号は FERM BP-5346 である。
【0126】
【表4】
Figure 0003669390
【0127】
配列表配列番号2に示される塩基配列を有するDNAがTG活性を有する酵素をコードしていることが確認された。すなわち、該DNAがバチルス属細菌由来のTG遺伝子を有することが明らかになった。また、該遺伝子は他のペプチドをコードするDNAが付加された場合でも発現し、この場合の産物である融合タンパクがTG活性を有するが確認された。該融合タンパクは、大腸菌内で発現して封入体を形成得ること、適当なプロモーターにより発現調節が可能であることなどが明らかになった。
【0128】
【発明の効果】
本発明によれば、食品微生物である枯草菌等のバチルス属細菌からこれまで知られていないTGを得ることができる。
このTGは従来知られている1)動物由来のTGに比較して、カルシウム非要求性であることから用途が制限されないし、コスト的にも有利であるという利点を有し、2)放線菌由来のTGに比較しても細菌の増殖が早い分、コスト的にも有利であるという利点を有する。
更に、本発明のTGは、(1)5mM以上のCa2+では活性が阻害されない、(2)至適pHが中性−微アルカリ性である、(3)DTTにより阻害されない、(4)EGTA等のキレート剤により阻害されないこと、及び(5)胞子形成時のみにTGが作用すること等から、ニューメキシコ州立大のグループが報告したTGとは異なるものである。
【0129】
また、本発明のTGを用いると架橋高分子化物を製造できることから、本TGは各種食品工業に応用できるものである。
更に、本発明のTGは実際に食品に用いられているBacillus 属細菌由来であるということも、食品工業上極めて実用価値が高いといえる。
【0130】
【配列表】
配列番号:1
配列の長さ:35
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
起源
生物名:バチルス ズブチルス (Bacillus subtilis)
株名: AJ1307
Figure 0003669390
【0131】配列番号:2配列の長さ:1042配列の型:核酸鎖の数:二本鎖トポロジー:直鎖状配列の種類:Genomic DNA起源生物名:バチルス ズブチルス (Bacillus subtilis)株名: AJ 1307
Figure 0003669390
Figure 0003669390
【0132】
配列番号:3
配列の長さ:35
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:合成 DNA
PCR用プライマーC1
Figure 0003669390
【0133】
配列番号:4
配列の長さ:35
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:合成 DNA
PCR用プライマーS1
Figure 0003669390
【0134】
配列番号:5
配列の長さ:35
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:合成 DNA
PCR用プライマーC2
Figure 0003669390
【0135】
配列番号:6
配列の長さ:35
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:合成 DNA
PCR用プライマーS2
Figure 0003669390
【0136】
配列番号:7
配列の長さ:35
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:合成 DNA
PCR用プライマーS3
Figure 0003669390
【0137】
配列番号:8
配列の長さ:11
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
起源
生物名:エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)
Figure 0003669390

【図面の簡単な説明】
【図1】 精製したTG−1のSDS−PAGEの結果を示す図である。
【図2】 TG−1の至適pH曲線を示す図である。
【図3】 TG−1の至適温度曲線を示す図である。
【図4】 TG−1の温度安定曲線を示す図である。
【図5】 TG−1によるα−カゼインの架橋を示す図である。
【図6】 TG−2の活性と生育との関係を示す図である。
【図7】 TG−2の至適pH曲線を示す図である。
【図8】 TG−2の至適温度曲線を示す図である。
【図9】 TG−2の温度安定曲線を示す図である。
【図10】 TG−2の阻害剤の影響を表す曲線を示す図である。
【図11】TG−2のDTTの影響を表す曲線を示す図である。
【図12】TG−2のEDTAの影響を表す曲線を示す図である。
【図13】TG−2のCa2+イオンの影響を表す曲線を示す図である。

Claims (10)

  1. 以下の性質を有するバチルス属細菌由来のトランスグルタミナーゼ。
    1)至適pH:8.2付近
    2)至適温度:50〜62
    3)温度安定性:約60℃以下で安定
    4)Ca2+非依存性で、かつ5mMのCa2+存在下で50%以上の活性を有する。
    5)NEM,Cystamine、(NH42SO4のいずれかで阻害される。
    6)EDTA、DTT、2−MEのいずれにも阻害されない。
    7)分子量:a)18,000−22,000(ゲル濾過法)、b)28
    ,000−30,000(SDS−PAGE法)
    8)ペプチド鎖内に存在するグルタミン残基のγ−カルボキシアミド基のアシル移転反応を触媒する
  2. 配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列を有する請求項1記載のバチルス属細菌由来のトランスグルタミナーゼ。
  3. バチルス属細菌がバチルス・ズブチリスである請求項1又は2のいずれか記載のトランスグルタミナーゼ。
  4. 請求項1乃至3のいずれか記載のトランスグルタミナーゼの作用により、タンパク質、非タンパク性アミノ酸ポリマー、ペプチド又はこれらの誘導体に含まれるグルタミンとリジン残基を架橋結合させ、タンパク質、非タンパク性アミノ酸ポリマー、ペプチド又はこれらの誘導体の分子内及び分子間にε−(γ−Glu)−Lys架橋結合を形成させることを特徴とする架橋構造を有するタンパク質、非タンパク性アミノ酸ポリマー、ペプチド又はこれらの誘導体の製造法。
  5. 配列表配列番号2記載のアミノ酸配列を有するトランスグルタミナーゼをコードするDNA。
  6. 配列表配列番号2記載の塩基配列のうち118番から852番までの配列を少なくとも有する請求項記載のDNA。
  7. 請求項5又は6のいずれか記載のDNAとベクターDNAとが接続されて得られる組み換えDNA。
  8. 請求項記載の組み換えDNAによって形質転換された細胞。
  9. 請求項記載の細胞を培地中で培養し、培地中及び/又は細胞中にバチルス属細菌由来のトランスグルタミナーゼを生成蓄積させ、該トランスグルタミナーゼを回収することを特徴とするバチルス属細菌由来のトランスグルタミナーゼの製造法。
  10. 請求項記載の製造法によって製造されるバチルス属細菌由来のトランスグルタミナーゼ。
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