JP3668766B2 - 二流体消火システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水損を少なくして初期消火を効果的に行うことが可能な二流体消火システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液体と気体を同時に二流体ノズルに圧送して霧状の液体を噴射し、この霧状の液体を火災現場の火元に散布して消火する二流体消火装置として、図6に示すものを本願の出願人が特願平10−270829号によって既に提案した。
この二流体消火装置100は、コンプレッサー101と、ポンプ102と、二流体ノズル103と、ホース104,105と、二重ホース106とを備え、コンプレッサー101で空気を圧縮してホース104、二重ホース106を通して二流体ノズル103に圧送すると共に、ポンプ102で消火水槽等の貯水槽107に貯えられている水を汲み上げてホース105、二重ホース106を通して二流体ノズル103に圧送し、該二流体ノズル103で加圧水と圧縮空気を混合して噴霧口108から霧状の水109を火元の火炎に散布して消火を行うようになっている。
この二流体消火装置100によると、水のみを用いて消火する装置に比べて、霧状の水が二流体ノズルから勢い強く噴射して、遠方の火元まで到達されると共に、少量の水による火炎の温度降下と、二流体ノズルからの空気の噴射による吹き消し作用が効果的に行われるので、水を節約でき、水損を可及的に少なくして火災の消火を行うことが可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記二流体消火装置100は、二流体を混合して霧状の液体を火元に噴射して消火する二流体消火装置の基本的な構成要素を備えているものであるが、種々な液体供給源、高圧気体供給源に対応して、それらから圧送される液体、気体を適切な条件で二流体ノズルに供給し、火災をより効果的に消火するための具体的な構成を備えておらず、十分に実用に供し得る消火装置とはなっていない不満がある。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、種々な液体供給源、気体供給源に対応して二流体ノズルから最適な霧状の水を噴射でき、水損を少なくして効果的に初期消火を行える二流体消火システムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために、以下の点を特徴としている。すなわち、請求項1に係る二流体消火システムは、液体供給源から液送管を通して圧送された液体と高圧気体供給源から気送管を通して圧送された気体とを二流体ノズルで混合して霧状の液体として噴射して消火を行う二流体消火システムにおいて、前記液送管と気送管には、それぞれ、液体及び気体の流れを調整する流量調整装置が設けられ前記流量調整装置は、液体および気体の入口側と出口側の差圧が変化しても出口側への流量を一定に保つ定流量弁としての機能と、液体供給源側および高圧気体供給源側から二流体ノズル側へ圧送される液体および気体の流量を調節する流量調節弁としての機能とを兼ね備えていることを特徴としている。
【0008】
請求項に係る二流体消火システムは、請求項1に記載のシステムにおいて、液送管と気送管にはそれらの流路を同時に開閉する二流体同時開閉バルブが設けられていることを特徴としている。
【0009】
請求項に係る二流体消火システムは、請求項1または2に記載のシステムにおいて、液送管と気送管は、それらの液体供給源側および高圧気体供給源側と二流体ノズル側とに分割された端部同士を連結およびその解除をするワンタッチ式ジョイントを備えていることを特徴としている。
【0010】
請求項に係る二流体消火システムは、請求項1から3のいずれかに記載のシステムにおいて、高圧気体供給源としてコンプレッサーまたは気体貯留容器が使用されていることを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1、図2を参照して説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る二流体消火システムの系統図を示す。
この実施の形態に係る二流体消火システム1は、コンプレッサー(または気体貯留容器としてのボンベ)(高圧気体供給源)2と、貯水槽3から消火水を吸い上げるポンプ(液体供給源)4と、コンプレッサー2に気送管5を介して連絡されると共に、ポンプ4に液送管6を介して連絡され、コンプレッサー2とポンプ4から気送管5と液送管6を通してそれぞれ圧送された圧縮空気(気体)と水(液体)とを混合して霧状の水(液体)を噴射する二流体ノズル7と、気送管5のコンプレッサー2に近い上流側に設けた気体流量調整装置(流量調整装置)8と、液送管6のポンプ4に近い上流側に設けた液体流量調整装置(流量調整装置)9と、前記気送管5と液送管6の二流体ノズル7に近い下流側にそれぞれ設けた二流体同時開閉バルブ10とを備えている。
【0015】
前記気体流量調整装置8と二流体同時開閉バルブ10との間の気送管5と、液体流量調整装置9と二流体同時開閉バルブ10との間の液送管6は、それらの2本の管5,6を並列に束ね、もしくは一方の管5(6)内に他方の管6(5)を同軸状に設けた二重ホースとした可撓性を有する二流体一体型ホース11として構成され、該二流体一体型ホース11の両端は、それぞれ、周知構造のワンタッチジョイントを有しており、前記気体流量調整装置8および液体流量調整装置9の下流側の気、液送管5,6の管端と、前記二流体同時開閉バルブ10の上流側の気、液送管5,6の管端とに、それぞれ、着脱自在に接続されている。
【0016】
また、前記二流体ノズル7と二流体同時開閉バルブ10は、例えば、図2に示すように一体的に組み付けて構成される。すなわち、二流体ノズル7は、先端に噴出部7aを有する中空の気液混合部7bと、その内側に同軸線上に設け先端が開口された空気管7cと、気液混合部7bの外筒7dに結合されてその内側に開口した水導入管7eとを備え、前記空気管7cと水導入管7eが前記二流体一体型ホース11の下流側の気送管5aと液送管6aにそれぞれ接続されている。該気送管5aと液送管6aの上流側の端部には、前記二流体一体型ホース11のワンタッチジョイントに接続されるジョイント12,13が設けられている。
【0017】
また、前記二流体同時開閉バルブ10は、前記気送管5a、液送管6aにそれぞれ設けたボールバルブ、バタフライバルブ等の開閉弁10a,10bと、該開閉弁10a,10bを同時に開閉操作する1つの操作レバー14とからなっている。そして、二流体同時開閉バルブ10の各開閉弁10a,10bが開いたときには、前記気送管5と液送管6から圧送された圧縮空気と水が気液混合部7bで混合されて噴出部7aから霧状の水が噴射するようになっている。
【0018】
前記気体流量調整装置8と液体流量調整装置9は、コンプレッサー2とポンプ4から気送管5と液送管6を通して二流体ノズル7へ圧送される圧縮空気と水の流れを調整するもので、具体的には、圧縮空気および圧送水の流量を調節する流量調節弁の機能と、圧縮空気および圧送水の入口側と出口側の差圧が変化しても出口側への流量を自動的に一定に保つ定流量弁の機能を備えている。前記流量調節弁は、圧縮空気の流量を800〜1800L/min、好ましくは750〜1400L/minに、圧送水を30〜60L/minにそれぞれ調節して設定する。
前記定流量弁は、例えば0.4MPa〜0.7MPa(約4〜7kgf/cm2 )の設定範囲で好適に動作し、前記流量調節弁で設定した所定の流量の圧縮空気と圧送水をそれらの圧力変化、変動に関わりなく一定に維持して気送管5と液送管6に送り出す。定流量弁の作動可能な圧力の設定範囲は前記以外に設定変更することもできる。
【0019】
前記定流量弁と流量調節弁は、気体流量調整装置8と液体流量調整装置9にそれらの機能として一体に備えてもよいが、それぞれ独立した弁として設けてもよく、その場合、流量調節弁を上流側にし、定流量弁を下流側にして気送管5と液送管6における相互に離れた場所に設けてもよい。定流量弁は、二流体一体型ホース11の折れ曲がりによる圧縮空気と圧送水の圧力変動等を考慮した場合、前記二流体一体型ホース11の下流側に設けるのがよい。
【0020】
前記二流体消火システム1においては、火災現場において、コンプレッサー2を作動させると共に水ポンプ4を作動させると、圧縮空気と圧送水が気体、液体流量調整装置8,9から二流体一体型ホース11を通って二流体同時開閉バルブ10に流れるので、二流体ノズル7を火元の火炎に向けた状態で、前記二流体同時開閉バルブ10の操作レバー14を操作して、開閉バルブ10a,10bを同時に開くと、気体、液体流量調整装置8,9の各定流量弁で一定流量に保持された圧縮空気と圧送水とが、二流体ノズル7の気液混合部7bで瞬時に混合して霧状の水となって火炎に勢い強く噴射され、これにより、火炎が速やかに消火される。
【0021】
なお、消火にあたって、火炎の大きさ、火勢、火炎までの距離等の状況に応じて気体、液体流量調整装置8,9の各流量調節弁を操作して、圧縮空気の流量、圧送水の流量を前記設定数値の範囲で適宜調節すると、二流体ノズル7から噴射される霧状の水の、水粒子の大きさ、噴霧径、水の到達距離等を的確に調節することができ、水損を可及的に少なくして火災を効果的に消火することが可能である。
【0022】
前記実施の形態に係る二流体消火システム1によれば、コンプレッサーまたはボンベ2およびポンプ4と二流体ノズル7とを連絡する気送管5および液送管6に、流量調節弁と定流量弁の機能を有する気体流量調整装置8、液体流量調整装置9を設けたので、流量調節弁によって二流体ノズル7側へ供給する圧縮空気および圧送水の流量を調節することによって、二流体ノズル7における圧縮空気と圧送水との混合割合を適宜に調整することができる。これにより、火災現場の火炎の状況に応じて、二流体ノズル7から噴射する霧状の水の状態を調整することができ、水損を効果的に低減して火炎の消火を迅速に行うことができる。
【0023】
また、コンプレッサーまたはボンベ2およびポンプ4からの圧縮空気や圧送水の流れに圧力の変化、変動があっても、前記定流量弁によって圧縮空気や圧送水の流量を自動的に一定に調整して二流体ノズル7に供給することができる。これにより、二流体ノズル7において圧縮空気や圧送水の混合割合を一定に維持でき、火炎の消火を一層効果的に行える適切な霧状の水を噴射させることができる。さらに、気送管5と液送管6とにそれらの流路を同時に開閉する二流体同時閉バルブ10を設けたので、二流体同時開閉バルブ10を同時に開くことによって、二流体ノズル7で圧縮空気と圧送水が瞬時に混合して水の微粒子が最適に形成され、二流体ノズル7から霧状の水を勢い良く噴射させることができる。
【0024】
また、気体、液体流量調整装置8,9と二流体同時開閉バルブ10とを連絡する気送管5と液送管6を、コンプレッサー2側およびポンプ4側と二流体ノズル7側とに分割し、それらを、管端同士の連結およびその解除をワンタッチで可能なワンタッチ式ジョイントを有する二流体一体型ホース11で接続するようにしたので、二流体ノズル7を高圧気体供給源および液体供給源に簡単、迅速に接続することができ、火災の消火に素早く対応することができる。
また、高圧気体供給源としてコンプレッサーまたはボンベ2が使用されているので、火災現場の状況に応じて、必要な高圧気体源としてコンプレッサーまたはボンベ2を適宜選択して適切に対応することができる。
【0025】
前記実施の形態に係る二流体消火システム1により火災を消火する二流体消火方法によれば、気体、液体流量調整装置8,9の各流量調節弁により、ポンプ4とコンプレッサー2から二流体ノズル7に同時に圧送される水と空気を、それぞれ、水流量30〜60L/minと空気流量750〜1400L/minの適切な範囲に調節、設定するので、二流体ノズル7における水と空気との混合割合が適切となり、二流体ノズルから噴射される水の最適な噴霧状態が得られ、水損を少なくして火災の消火を速やかに行うことができる。
【0026】
この消火方法の場合、特に、二流体ノズル7に圧送する空気の流量が消火作用に影響し、空気流量を適切に設定するのが重要であり、前記範囲750〜1400L/minに設定することにより、水損を少なくし、消火時間を短縮できることが、表1と図3に示すように、消火試験の結果で明らかになった。
【0027】
【表1】
Figure 0003668766
【0028】
すなわち、前記消火試験は、集合住宅の居室を模擬した6m×6mの区画において、室内火災を模擬した消火対象物としての燃焼模型(木材クリブ)1基を、図2に示す二流体ノズル7を使用して人手により消火した。
その際、消火対象物から区画の傾斜床面に流れ落ちる流下水を樋を経て容器に回収して、その量を流下水量として測定すると共に、火炎が消えるまでの消火時間とその時間内に二流体ノズルに供給した水量(放水量)を測定した。これらの測定を、二流体ノズルに対する水流量40L/minにおいて、空気流量600〜1590L/minの範囲で段階的に変化させて行ったところ、表1の結果が得られた。図3は表1の結果を図示したものである。
なお、流下水量は消火に作用しなかった水であり、水損と見なされ、放水量と流下水量(水損)との差が表1の消火寄与水量となる。
【0029】
図3から分かるように、空気流量750〜1400L/minの範囲において、消火時間が短く、流下水量(水損)が少なく、寄与水量(使用水量)が少ないことが判明し、本実施の形態の消火方法によれば、水を節約して、水損を可及的に少なくして、速やかに火災の消火を行えることが明らかである。
【0030】
上述のように空気流量を設定することと同様に、二流体ノズルに圧送する水の流量も消火作用に大きく影響するため、水流量を適切に設定することも重要である。
すなわち、この水流量としては、30〜60L/minの範囲内から選定することが好ましいが、中でも、40〜50L/minの範囲内に設定すると、より、水損を少なくし、なおかつ消火時間を短縮できることが、表2と図4に示す別の消火試験の結果で明らかになった。
【0031】
【表2】
Figure 0003668766
【0032】
すなわち、この消火試験では、集合住宅の居室を模擬した6m×6mの区画に、室内火災を模擬した消火対象物として燃焼模型(木材クリブ)1基を設置し、この燃焼を、図2に示す二流体ノズル7を使用して人手により消火した。
【0033】
その際、消火対象物から区画の傾斜床面に流れ落ちる流下水を、樋を経て容器に回収し、その量を流下水量として測定するとともに、火炎が消えるまでの消火時間とその時間内に二流体ノズルに供給した水量(放水量)を測定した。これらの測定を、二流体ノズルに供給する空気流量を1000L/minに固定した状態で、水流量30〜60L/minの範囲において段階的に変化させたところ、上述の表2の結果が得られた。図4は表2の結果を図示したものである。なお、流下水量は消火に作用しなかった水であり、水損と見なされ、放水量と流下水量(水損)との差が表2の消火寄与水量となる。
【0034】
図4から分かるように、水流量の増加に伴って消火時間が短縮する傾向にある。しかし、40L/minを超えたあたりから、その短縮化傾向が緩やかになり、さらに、50L/minを超えたところからは、ほぼ横這いの状態となるため、これ以上は水損だけが大きくなる傾向にある。また、消火時間が最小に近づく40L/minよりも少ない水流量では、消火時間が急に長くなる。
【0035】
このように、水流量として、40〜50L/minの範囲を選択することで、消火時間を短くし、流下水量(水損)を少なくし、寄与水量(使用水量)を少なくできることがわかる。
したがって、本実施の形態の消火方法を採用すれば、水を節約して、水損を可及的に少なくし、速やかに火災の消火を行えることが明らかである。
【0036】
以上の結果より、消火時間を短くし、流下水量(水損)を少なくし、寄与水量(使用水量)を少なくするための、最適な空気流量と水流量の組み合わせは、空気流量750〜1400L/min、かつ、水流量40〜50L/minであることが判明した。そこで、この組み合わせにおける、消火位置での噴霧状態を、図5に示す装置構成で測定した。
【0037】
この測定装置は、床面に固定された支持架台31と、気送管5(空気配管)及び液送管6(水配管)に接続された二流体ノズル7と、トランスミッター,レシーバー,データ処理装置等からなる位相ドップラー式レーザー粒子分析計32(PDPA)とで構成される。
そして、支持架台31の上端部に固定された二流体ノズル7から鉛直方向下方に向かって噴出させた水粒子の水粒子浮遊密度を、二流体ノズル7の先端から3m離れた直下の位置でかつ、噴霧中心軸から噴霧直角方向に半径200mm以内の範囲で測定した。その結果、測定位置での水粒子浮遊密度は、150〜400g/m3であることが求められた。
【0038】
この結果より、水粒子浮遊密度が150g/m3よりも低い場合には、消火対象を消火するための水量が不足する(空気流量に比較して水流量が少なすぎる)ため、消火時間が長くなることが理解できる。
一方、水粒子浮遊密度が400g/m3よりも高い場合には、消火対象を消火するための水量が過剰である(空気流量に比較して水流量が大すぎる)ため、水損が大きくなることが理解できる。
したがって、本実施形態のように、噴霧の状態を、二流体ノズル7の噴霧部7a(噴霧ノズル)の先端から3mでかつ、噴霧中心軸から半径200mm以内の位置における水粒子浮遊密度を、150〜400g/m3にすることで、水を節約して、水損を可及的に少なくし、速やかに火災の消火を行えることが可能となる。
【0039】
なお、前記二流体消火システム1の実施にあたって、前記液体供給源として、ポンプ4に代えて、連結送水管(消防隊がビル火災等で用いる消火専用埋め込み配管)、屋内消火栓、消防車の車載水タンクまたは消火栓から汲み上げるポンプ、さらに、人家や事務所の水道管等を利用することもできる。前記高圧気体供給源としてのボンベ2を、背負い式の空気ボンベや可動式台車に搭載した空気ボンベとして可搬式に構成したり、空気ボンベ組み込み式の屋内消火栓から液体供給源と高圧気体供給源の両方を得るようにすることができる。
このような種々な液体供給源、高圧気体供給源に対応して二流体ノズル7から最適な霧状の水を噴射でき、水損を少なくして効果的に初期消火を行うことができる。
【0040】
なお、前記各実施の形態に係る二流体消火システム1において、高圧気体として圧縮空気を、液体として水を用いたが、これらに限ることなく、消火対象や火災現場の状況に応じて、高圧気体として炭酸ガス、窒素ガス等の、不燃性の気体を用いたり、液体として湿潤剤、消火効果を増す強化液等の薬液を混合させた水溶液を用いることができる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば以下の優れた効果を奏する。
請求項1に係る二流体消火システムによれば、液体供給源から液送管を通して圧送された液体と高圧気体供給源から気送管を通して圧送された気体とを二流体ノズルで混合して霧状の液体として噴射して消火を行う二流体消火システムにおいて、前記液送管と気送管に、それぞれ、液体及び気体の流れを調整する流量調整装置が設けられているので、液体供給源からの液体や高圧気体供給源からの気体の流れに変化、変動があっても、前記流量調整装置でその変化、変動を調整して二流体ノズルに供給することができ、該二流体ノズルから火炎を効果的に消火できる霧状の水を噴射させることができる。
【0042】
また、流量調整装置が、液体および気体の入口側と出口側の差圧が変化しても出口側への流量を一定に保つ定流量弁を備えているので、液体供給源からの液体や高圧気体供給源からの気体の流れに圧力の変動があっても、前記定流量弁によって圧送液体や高圧気体の流量を自動的に一定に調整して二流体ノズルに供給することができ、該二流体ノズルにおける各流体の混合割合を一定に維持でき、火炎の消火を一層効果的に行える適切な霧状の水を二流体ノズルから噴射させることができる。
【0043】
また、流量調整装置が、液体供給源側および高圧気体供給源側から二流体ノズル側へ圧送される液体および気体の流量を調節する流量調節弁を備えているので、流量調整弁によって二流体ノズル側へ供給する液体および気体の流量を調節することによって、二流体ノズルにおける気体と水との混合割合を適宜に調整することができる。これにより、火災現場の火炎の状況に応じて、二流体ノズルから噴射する霧状の水の状態を調整することができ、水損を効果的に低減して火炎の消火を迅速に行うことができる。
【0044】
請求項に係る二流体消火システムによれば、液送管と気送管にそれらの流路を同時に開閉する二流体同時開閉バルブが設けられているので、二流体同時開閉バルブを開くことによって、二流体ノズルで気体と液体が瞬時に混合して水の微粒子が形成され、二流体ノズルから霧状の水を勢い良く噴射させることができる。
【0045】
請求項に係る二流体消火システムによれば、液送管と気送管が、それらの液体供給源側および高圧気体供給源側と二流体ノズル側とに分割された端部同士を連結およびその解除をするワンタッチ式ジョイントを備えているので、二流体ノズルを高圧気体供給源および液体供給源に簡単、迅速に接続することができ、火災の消火に素早く対応することができる。
【0046】
請求項に係る二流体消火システムによれば、高圧気体供給源としてコンプレッサーまたは気体貯留容器が使用されているので、火災現場の状況に応じて、必要な高圧気体源としてコンプレッサーまたは気体貯留容器を適宜選択して適切に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係る二流体消火システムを示す系統図である。
【図2】 本発明の一実施の形態に係る二流体消火システムの二流体ノズルの一部断面で示した側面図である。
【図3】 空気流量と消火時間、水量との関係を示す図である。
【図4】 消火時間及び水量等に対する、水流量の影響を示す図である。
【図5】 水粒子密度の計測装置構成を示す説明図である。
【図6】 従来の二流体消火装置を示す系統図である。
【符号の説明】
1 二流体消火システム
2 コンプレッサーまたはボンベ(高圧気体供給源)
3 貯水槽
4 ポンプ(液体供給源)
5,5a 気送管
6,6a 液送管
7 二流体ノズル
7a 噴出部
7b 気液混合部
8 気体流量調整装置(流量調整装置)
9 液体流量調整装置(流量調整装置)
10 二流体同時開閉バルブ
10a,10b 開閉バルブ
11 二流体一体型ホース
14 操作レバー

Claims (4)

  1. 液体供給源から液送管を通して圧送された液体と高圧気体供給源から気送管を通して圧送された気体とを二流体ノズルで混合して霧状の液体として噴射して消火を行う二流体消火システムにおいて、
    前記液送管と気送管には、それぞれ、液体及び気体の流れを調整する流量調整装置が設けられ
    前記流量調整装置は、液体および気体の入口側と出口側の差圧が変化しても出口側への流量を一定に保つ定流量弁としての機能と、
    液体供給源側および高圧気体供給源側から二流体ノズル側へ圧送される液体および気体の流量を調節する流量調節弁としての機能とを兼ね備えていることを特徴とする二流体消火システム。
  2. 前記液送管と気送管にはそれらの流路を同時に開閉する二流体同時開閉バルブが設けられていることを特徴とする請求項に記載の二流体消火システム。
  3. 前記液送管と気送管は、それらの液体供給源側および高圧気体供給源側と二流体ノズル側とに分割された端部同士を連結およびその解除をするワンタッチ式ジョイントを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の二流体消火システム。
  4. 前記高圧気体供給源としてコンプレッサーまたは気体貯留容器が使用されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の二流体消火システム。
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