JP3666514B2 - 電子写真用移し絵転写材 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は電子写真装置、静電記録装置等の帯電粉体を用いて画像形成を行う装置において、得られた粉体画像を他の最終転写材へ再転写を行うことが可能な電子写真用移し絵転写材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、移し絵という技術を用いて立体的に画像を転写することは広く知られており、例えば紙等の基材上にデキストリンに代表される水溶性の糊を塗工し、この塗膜上にアクリルインクを用いて必要とされる画像をスクリーン印刷等で形成し、この画像を有する紙を水につけてデキストリンを溶かし、水に浮いたアクリルインク画像を陶器等の立体物に水圧によって移し取る水圧転写法が広く知られている。この方法に用いられる転写紙を電子写真に直接応用した例として、武藤工業製のテンプリンがある。この転写材は、ライスペーパー上にデキストリンを成膜したものを転写材として作成し、これを、電子写真装置にかけデキストリン表面にトナー像を形成した後、トナー中の樹脂を軟化させることが可能な有機溶剤にこの転写材を通過させ、トナー像に再転写の対象となる転写媒体への接着力を付与した後に、この転写材をトナー像が再転写媒体に正対するように密着させた後、紙裏面より水を付与してデキストリン膜を溶解してトナー像のみの転写を行うものである。
【0003】
しかし、このような不透明な紙上に水溶性塗膜を形成してなる転写材では、再転写の際の位置合せが困難なだけでなく、雰囲気中の水分の影響により画像形成前に転写材表面が軟化してしまい、この軟化したデキストリンが電子写真装置内の感光ドラム等に付着するというような問題を生じてしまう。更に、上記のように空気中の水分に敏感なために水分量に対する伸び、縮みが激しく、転写材の無用な放置カールを生じ、装置内における通紙搬送性が著るしく悪くなってしまう。
【0004】
上記2点の問題に対し、特開平4−361086号公報において、デキストリンに替わり、酢酸ビニルの鹸化物であるポリビニルアルコールを用いた再転写材の提案がある。ここで提案されている転写材は紙上にシリコーン樹脂を塗工したものの上に日華化学製カセゾール0−5にシリコーン消泡剤を混ぜたものを塗工したものであって、再転写自体は、電子写真装置にてこの塗膜上にトナー像を形成した後に、このカセゾール膜を基材から剥ぎ取り、再転写媒体にトナー像が正対するように重ね合わせる。
【0005】
加熱及び加圧を施すことで前述トナー像中の樹脂を軟化させて再転写媒体への接着力を得、冷却した後にカセゾール膜の裏面よりエチルアルコールの80%水溶液を付与してカセゾール膜とトナー像の接着力を低下させ再転写を終了するものである。
【0006】
この方法によれば、基材よりトナー像を有する薄フィルムを剥ぎ取るために略透明フィルムとなり位置合せが容易となる利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来例においては、使用されている塗膜材料が酢酸ビニルの部分鹸化物を用いているためにテンプリンと同じく、空気中の水分に対して敏感であり、画像形成前に著しいカールを生じるという問題点、更には、塗膜の剥ぎ取り時における膜の溶解によって塗膜が残留する。また、シリコーンを離型膜に使用しているために電子写真装置内で転写材搬送中に膜が剥れるという問題点を生じることが分った。
【0008】
本発明の目的は、耐水性が向上し、放置カール量が減少し、しかもフィルム層の離型性が安定化した電子写真用移し絵転写材を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、第1の本発明は、基材上に高分子樹脂膜を有する電子写真用移し絵転写材において、該高分子樹脂膜が該基材側から順に接着層、離型層及び転写層の3層からなり、該離型層がポリビニルアルコールを含有することを特徴とする電子写真用移し絵転写材である。
【0010】
第2の本発明は、第1の本発明において、高分子樹脂膜が接着層と離型層の界面で剥離可能である場合である。
【0011】
第3の本発明は、第1の本発明において、接着層と離型層の接着力が1.5g/cm以上4g/cm以下の場合である。
【0012】
第4の本発明は、第1の本発明において、接着層がアクリル、ポリエステル及びナイロンから選ばれた樹脂を含有する場合である。
【0014】
の本発明は、第の本発明において、離型層が、鹸化度90%以下のポリビニルアルコールにシリコーン樹脂を含有してなる場合である。
【0015】
の本発明は、第の本発明において、ポリビニルアルコールが、ポリ酢酸ビニルを95%以上鹸化したものである場合である。
【0016】
の本発明は、第1の本発明において、転写層がポリ酢酸ビニルを95%以上鹸化したポリビニルアルコール及び酢酸ビニルを90%以下鹸化したポリビニルアルコールを含有し、鹸化度が95%以上のポリビニルアルコールの含有率が固型分として25重量%以上75重量%未満の場合である。転写層が従来のカセゾール0−5のように部分鹸化酢酸ビニル単体ではなく、部分鹸化酢酸ビニルと95%以上鹸化された酢酸ビニルを併用することで耐水性を向上させて、空気中の水分に対して安定にしている。
【0017】
の本発明は、第1の本発明において、転写層の表面固有抵抗が、20℃、65%RH環境下で108 〜1012Ω/□の場合である。
【0018】
【実施例】
本発明の実施例を図面を用いて以下に説明する。
【0019】
図1は本発明の電子写真用移し絵転写材1の層構成を示す概略断面図ある。11は転写材1を塗工する基材であって中質あるいは上質の普通紙、あるいはこれらの紙の片面または両面に目留め用の、タルク、デンプン等からなる表層コートを施した紙、更にはポリエチレンテレフタレート等の耐熱フィルムが用いられる。紙の場合、坪量は30g/m2 以上が好ましく、45g/m2 以上がより好ましい。30g/m2 未満の紙では、塗工樹脂膜を厚くしても電子写真装置における搬送性が確保されにくい。また、坪量は200g/m2 以下が好ましく、150g/m2 以下がより好ましい。200g/m2 を越えると、原紙の剛性が高過ぎるため、搬送性が不良になり易い。また、この原紙は、電子写真装置における良好な画像転写性を維持するために、塩化ナトリウム等の無機塩を0.2〜4重量%添加され、その体積抵抗値が20℃、65%RH環境下、24時間放置で108 〜1010Ω・cmに調整されていることが好ましい。また、ベースにフィルム素材を用いる場合も、搬送性の観点から2軸延伸耐熱収タイプのPETフィルムの場合で、その厚みが50μm以上が好ましく、75μm以上150μm以下がより好ましい。更に、このフィルムについても図面上のB面にカチオン系またはノニオン系の界面活性剤からなる帯電防止層を施し、その表面固有抵抗が108 〜1012Ω/□(20℃、65%RH)に調整されていることが好ましい。
【0020】
12は接着層であって、後で塗工される離型層13及び転写層14が電子写真装置内で容易に剥れることを防止するために設けられている。用いられる素材としては、水性アクリルエマルジョン、水溶性アクリル、水溶性ポリエステル、6.6ナイロン、ポリアクリロニトリルあるいは有機溶剤に可溶なアクリル樹脂等が挙げられる。紙が基材の場合、上記素材が全て使用可能であるが、PET等の樹脂フィルムの場合、その基材材料によって十分な接着力を得るべく選別すべきである。PET等の場合、水溶性ポリエステルが好ましく、更には塗膜形成時に塩化アンモニウムの添加により塗膜乾燥後の耐水性が向上するタイプが好ましい。
【0021】
次に、13は離型層であって主体をポリ酢酸ビニルの鹸化物であるポリビニルアルコールからなり、その鹸化度が95%以上のものが好ましく、98%以上のものがより好ましい。また、鹸化度が90%以下のポリビニルアルコールを用いる場合は、離型剤として少量の水溶性シリコーン樹脂を混入させたものを用いることも可能である。但し、鹸化度が70%未満のポリビニルアルコールは、耐水性の面で使用することが困難である。
【0022】
また、離型層13と接着層12の相互の材料選択はその接着力によっても影響され、少なくとも電子写真装置における搬送力によって剥がれることがないよう接着強度として90°剥離で1.5g/cm以上であることが好ましく、後述する転写層14と離型層13からなる再転写フィルム層を基材から剥ぎ取る際にフィルムの破れを生じないように4g/cm以下が好ましい。
【0023】
次に、転写層14について述べると、この層は、電子写真装置によってトナー像を受け取り、少なくとも加熱によって再転写工程に入るまでの間トナー像を保持し、かつ、再転写時には、十分なトナー剥離性能を有することが求められている。また、従来技術に比べ十分な耐水性を有することも要求されている。すなわち、再転写時の溶剤浸透性を確保しつつ、耐水性が優れていることが必要である。具体的には、ポリ酢酸ビニルを95%以上鹸化したポリビニルアルコールに、ポリ酢酸ビニルを90%以下鹸化したポリビニルアルコールを混合して転写層を形成する。混合率は固型分比率として、95%以上の高鹸化度ポリビニルアルコールの含有率が10重量%以上であることが好ましく、より好ましくは25重量%以上である。10重量%未満では、90%以下の低鹸化度ポリビニルアルコールの特性である水溶性特性が強く現れることとなり、高温環境下で表層の溶け出しが発生し、電子写真装置内の部材を汚染する可能性がある。更に、高鹸化度ポリビニルアルコールが75重量%以上では、膜自体を形成する直鎖高分子の配列がセルロース膜のように規則性が高くなるため、空気中の水分量の変化に対する膜の収縮が大きくなる可能性がある。すなわち、高鹸化度ポリビニルアルコールは固型分比率として25重量%以上75重量%未満がより好ましい。また、この転写層14には必要に応じて電子写真転写性の向上のためカチオン系あるいはノニオン系の帯電防止剤を加えることも可能である。帯電防止剤量としては、目標表面固有抵抗値として108 〜1012Ω/□になるように調整すればよい。更に、通紙搬送性の確保のためシリカ粉末等の無機白色顔料を混合してもよい。
【0024】
各層の膜厚について、接着層12は膜の***剥離が発生しないよう薄層であることが好ましく、2μm以上10μm以下が好ましい。2μm未満ではムラを生じ易く、10μmを越えると層内剥離を生じ易い。
【0025】
離型層13は、転写層14のプライマー層的役割とこの層と接着層12との界面で十分な剥離を達成する役割りがあり、その厚みは2μm以上6μm以下であることが好ましい。6μmを越えるとこの層の水分による収縮が強くでてカールを生じ易く、2μm未満ではムラが発生し易い。
【0026】
転写層14の膜厚は、8μm以上が好ましい。これより薄くなると基材からの剥離時にフィルムの破れを生じる等の強度不足が発生し易い。また、50μm以下が好ましい。これより厚くなると剥離後のフィルムが硬くなり、再転写時において曲面追従性が低下し易い。より好ましい膜厚としては10μm以上40μm以下である。
【0027】
次に、本発明の写し絵転写材に適応可能な電子写真用トナーについて詳述する。基本的に、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エポキシ、ポリエステル等の樹脂を主体とするバインダー樹脂にカーボンブラックの他、イエロー、シアン、マゼンタ等の染顔料を含む電子写真用トナーが使用可能である。その中でも特に、以下に示すカラートナーは、本発明の移し絵転写材の効果をより引き出すことが可能なものである。
【0028】
このカラー電子写真装置用のトナー粉は、熱を印加した際の溶融性及び混色性が良いことが必要で、軟化点が低く、且つ、溶融時間の短いシャープメルト性のトナーが好ましい。
【0029】
シャープメルトなトナーを使用することにより、複写物の色再現範囲を広め、原稿の多色カラー像に忠実なカラーコピーを良好に得ることができる。
【0030】
このようなシャープメルトなトナーは、例えばポリエステル樹脂またはスチレン−アクリル樹脂のようなバインダー樹脂、着色剤(染料、昇華性染料)、荷電制御剤等を溶融混練、粉砕、分級してトナーを製造する。必要とあれば、トナーに各種外添剤を添加する外添工程を付加してもよい。
【0031】
カラートナーは定着性及びシャープメルト性を考慮すると、バインダー樹脂としてポリエステル樹脂を使用したものが好ましい。シャープメルト性ポリエステル樹脂はジオール化合物とジカルボン酸とから合成される分子の主鎖にエステル結合を有する高分子化合物である。特に、次式
【0032】
【化1】
Figure 0003666514
(式中、Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x,yは各々1以上の正の整数であり、かつx+yの平均値は2〜10である。)で代表されるビスフェノール誘導体もしくはその置換体をジオール成分とし、2価以上のカルボン酸またはその酸無水物またはその低級アルキルエステルとからなるカルボン酸成分(例えばフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等)とを少なくとも共縮重合したポリエステル樹脂がシャープな溶融特性を有するのでより好ましい。
【0033】
シャープメルト性ポリエステル樹脂の軟化点は60〜120℃が好ましい。このシャープメルト性のポリエステル樹脂をバインダー樹脂として含有するトナーの軟化点特性を図2に示す。
【0034】
フローテスターCFT−500形(島津製作所製)を使用し、ダイ(ノズル)の直径0.5mm、厚み1.0mmとして50kgの押出荷重を加え初期設定温度80℃で、予熱時間300秒の後、5℃/分の速度で等速昇温した時描かれるトナーのプランジャー降下量−温度曲線(以後軟化S字曲線という)を求める。試料となるトナーは1〜3g精秤した微粉末を用い、プランジャー断面積は10cm2 とする。軟化S字曲線は図2のようなカーブとなる。等速昇温するに従い、トナーは徐々に加熱され流出が開始される(プランジャー降下A→B)。更に昇温すると溶融状態となったトナーは大きく流出し(B→C→D)プランジャー降下が停止し終了する(D→E)。
【0035】
S字曲線の高さHは全流出量を示し、H/2のC点に対応する温度T0 はそのトナーの軟化点を示す。
【0036】
このようなシャープメルト性のトナーまたは樹脂とは、溶融粘度が105 を示す時の温度をT1 、5×104 cpを示す時の温度をT2 としたとき、
1 =90〜150℃|ΔT|=|T1 −T2 |=5〜30℃
の条件を満たす樹脂のことをいう。
【0037】
これらの温度−溶融粘度特性を有するシャープメルト性のトナーまたは樹脂は加熱されることにより極めてシャープに粘度低下を起こすことが特徴である。このような粘度低下が最上部トナー層と最下部トナー層との適度な混合を生じせしめ、更にトナー層自体の透明性を急激に増加させ、良好な減色混合を起こすものである。
【0038】
次に本発明の具体例について記す。具体例中、部は重量部を示す。
【0039】
[実施例1]
坪量64g/m2 の中質紙の片面を、デンプン及びタルクの混合物で目留処理した片コート紙を原紙として用い、以下の処方にて転写材を得た。
【0040】
(接着層)
アクリル下地樹脂(プラスサイズLO−170、互応化学製) 100部
トルエン 100部
からなる塗液をリップコーターにて塗膜厚7μmに形成した。
【0041】
(離型層)
高鹸化度ポリビニルアルコール(鹸化度99%、クラレポバールPVA110、クラレ製) 10部
水 90部
らなる塗液をコンマコーターにて塗膜厚3μmに接着層上に形成した。
【0042】
(転写層)
低鹸化度ポリビニルアルコール(鹸化度88%、カセゾール05、日華化学製) 50部
高鹸化度ポリビニルアルコール(クラレポバールPVA110) 50部
水 5部
帯電防止剤(固型分30%、カチオンAB、日本油脂製) 2.5部
からなる塗液を調製し、離型層上に厚さ16μm厚になるように塗膜を形成した。
【0043】
得られた転写材の転写層及び離型層の基材からの剥離力は2.5g/cmであった。また、転写材の表面抵抗は1011Ω/□であった。
【0044】
上記の転写材をキヤノン製CLC700により通紙したところ、基材からの塗膜の剥れもなく良好な通紙搬送性を得た。更に、トナー画像の剥れもなく良好な1次定着を得た。
【0045】
得られた転写材からトナー像を有する離型層及び転写層が一体となったフィルムを剥ぎ取り、用意されているコートボール紙にトナー像が正対するように密着させ110℃に調整した家庭用アイロンで加熱、加圧後、90%エチルアルコール水溶液をフィルム裏面から付与したところ、このポリビニルアルコールフィルムは溶けることなく上記溶剤をトナーとの界面迄浸透させ、トナーとフィルムを剥離することができた。
【0046】
また、このフィルムを30℃、80%RH環境下に放置しても何等変化を示さず良好な耐水性を示すと共に、20℃、10%RH環境下でも収縮が少なく、ベース紙の収縮によるカールとバランスを合わせ、ほぼフラットから凸カールであった。
【0047】
[実施例2]
(転写層)
転写層の低鹸化度ポリビニルアルコール(カセゾール05)量を30部とした以外は、実施例1と同様にして転写材を作製した。
【0048】
得られた転写材の画像形成は問題なかった。但し、20℃、10%RH環境下に放置したところ、カールが発生し、約6mmの画像側を凹としたカールであった。この転写材をCLC700に通紙したところ、転写ドラムへの吸着がかろうじて可能なレベルであった。
【0049】
[実施例3]
(離型層)
低鹸化度ポリビニルアルコール(カセゾール05、固型分50%)50部
シリコーン樹脂(固形分20%) 5部
水 50部
を用いて離型層を形成した以外は、実施例1と同様にして転写材を作製した。
得られた転写材を用いて画像形成を行ったところ、実施例1と同様に全て良好な結果が得られた。
【0050】
[比較例1]
(転写層)
低鹸化度ポリビニルアルコール(カセゾール05) 100部
水 5部
帯電防止剤 2部
を用いて転写層を形成した以外は、実施例1と同様にして転写材を作製した。
【0051】
得られた転写材は高温環境下で塗膜に粘着性が発生し使用に耐えないものであった。
【0052】
[比較例2]
(転写層)
転写層に低鹸化度ポリビニルアルコール(カセゾール05)を用いなかった以外は、実施例1と同様にして転写材を作製した。
【0053】
得られた転写材は低湿環境下でのカールが20mm以上となり、全く通紙できなかった。また、定着後のトナー画像が容易に剥離してしまい、良好な転写ができなかった。
【0054】
[比較例3]
接着層をシリコーン樹脂により形成した以外は、全て実施例1と同様にして転写材を作製した。
【0055】
得られた転写材をCLC700に通したところ、簡単にフィルム剥れを生じ、全く通紙できなかった。
【0056】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の基材上に高分子樹脂膜を有する電子写真用移し絵転写材において、該高分子樹脂膜が接着層、離型層及び転写層の3層からなる電子写真用移し絵転写材によれば、
1)耐水性を向上させる。
【0057】
2)放置カール量を減少させる。
【0058】
3)フィルム層の離型性を安定化させる。
ことが可能になり、電子写真用のより安定な移し絵転写材が提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の移し絵転写材の概略断面図である。
【図2】本発明に好ましく用いられるトナーの溶融特性図である。
【符号の説明】
11 基材
12 接着層
13 離型層
14 転写層

Claims (8)

  1. 基材上に高分子樹脂膜を有する電子写真用移し絵転写材において、該高分子樹脂膜が該基材側から順に接着層、離型層及び転写層の3層からなり、該離型層がポリビニルアルコールを含有することを特徴とする電子写真用移し絵転写材。
  2. 高分子樹脂膜が接着層と離型層の界面で剥離可能である請求項1記載の電子写真用移し絵転写材。
  3. 接着層と離型層の接着力が1.5g/cm以上4g/cm以下である請求項1記載の電子写真用移し絵転写材。
  4. 接着層がアクリル、ポリエステル及びナイロンから選ばれた樹脂を含有する請求項1記載の電子写真用移し絵転写材。
  5. 離型層が、鹸化度90%以下のポリビニルアルコールにシリコーン樹脂を含有してなる請求項記載の電子写真用移し絵転写材。
  6. ポリビニルアルコールが、ポリ酢酸ビニルを95%以上鹸化したものである請求項記載の電子写真用移し絵転写材。
  7. 転写層がポリ酢酸ビニルを95%以上鹸化したポリビニルアルコール及び酢酸ビニルを90%以下鹸化したポリビニルアルコールを含有し、鹸化度が95%以上のポリビニルアルコールの含有率が固型分として25重量%以上75重量%未満である請求項1記載の電子写真用移し絵転写材。
  8. 転写層の表面固有抵抗が、20℃、65%RH環境下で108 〜1012Ω/□である請求項1記載の電子写真用移し絵転写材。
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