JP3665492B2 - 回転型可変抵抗器 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の電子機器等に使用して好適な回転型可変抵抗器に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の回転型可変抵抗器を図７、図８に基づいて説明すると、合成樹脂の成型品からなる基板３１は、円形状の基部３１ａと、矩形状の引き出し部３１ｂと、基部３１ａの中央部に設けられた孔３１ｃとを有している。
また、複数個の端子３２、３３は金属材からなり、この端子３２、３３は基板３１の引き出し部に３１ｂに埋設されて取り付けられ、一端部３２ａ、３３ａは、引き出し部３１ｂの側部から外方に突出し、また、他端部３２ｂ、３３ｂは、基板３１の表面から露出した状態となっている。
【０００３】
また、銀等の良導電材を含む第１の集電体３４は、基板３１の表面に形成され、孔３１ｃの周囲に設けられた円環状部３４ａと、この円環状部３４ａから引き出し部３１ｂまで引き出された引き出し部３４ｂとを有し、引き出し部３４ｂは、一つの端子３２の他端部３２ｂに接続されている。
また、銀等の良導電材からなる第２の集電体３５は、基板３１の表面に形成され、円環状部３４ａの外周部に設けられた円弧状部３５ａと、この円弧状部３５ａから引き出し部３１ｂまで引き出された引き出し部３５ｂとを有し、引き出し部３５ｂは、もう一つの端子３２の他端部３２ｂに接続されている。
【０００４】
また、第１の抵抗体３６は、基板３１の表面に形成され、円弧状部３５ａの外周に形成された馬蹄型の抵抗部３６ａと、この抵抗部３６ａの両端から引き出し部３１ｂまで直線状に引き出された引き出し部３６ｂとを有し、引き出し部３６ｂは、端子３３の他端部３３ｂに接続されている。
また、第２の抵抗体３７は、基板３１の表面に形成され、第１の抵抗体３６の抵抗部３６ａの外周に形成された馬蹄型の抵抗部３７ａと、この抵抗部３７ａの両端から引き出し部３１ｂまで直線状に引き出された引き出し部３７ｂとを有し、引き出し部３７ｂは、端子３３の他端部３３ｂに接続されている。
そして、第１と第２の抵抗部３６ａと３７ａとは一端部で接続された構成となっている。
【０００５】
また、絶縁材からなる摘み部３８は、円盤状をなし、その中央には孔３８ａが設けられると共に、摘み部３８の下部には、二個の摺動子３９、４０が固着されている。
そして、一方の摺動子３９は、第１の集電体３４と第１の抵抗体３６の抵抗部３６ａと摺動し、また、他方の摺動子４０は、第２の集電体３５と第２の抵抗体３７の抵抗部３７ａとに摺動するようになっている。
また、軸部４１が摘み部３８の孔３８ａと基板３１の孔３１ｃに挿通されて、摘み部３８を基板３１に回転可能に取り付けている。
【０００６】
そして、摘み部３８を回転すると、摺動子３９、４０が回転し、摺動子３９は、第１の集電体３４と第１の抵抗体３６とに摺動して、端子３２と３３との間で抵抗値の可変を行い、また、摺動子４０は、第２の集電体３５と第２の抵抗体３７とに摺動して、端子３２と３３との間で抵抗値の可変を行い、これによって、二連の抵抗体の可変を行うようになっている。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
従来の回転型可変抵抗器は、集電体３４は、円環状部３４から基板３１の引き出し部３１ｂまで引き出す引き出し部３４ｂを設けるものであるため、引き出し部３４ｂを設けるスペースを必要として大型となり、小型化に適さないという問題がある。
また、集電体３４には引き出し部３４ｂが存在するため、抵抗体３６の両端部を近接させるには引き出し部３４ｂが邪魔になり、このため、抵抗体３６の有効角度が小さくなるという問題がある。
また、抵抗体３６は、抵抗部３６ａの両端から引き出し部３１ｂまで直線状に引き出された引き出し部３６ｂを設けて、この引き出し部３６ｂを、端子３３の他端部３３ｂに接続するものであるため、引き出し部３６ｂのスペースが大きく大型となり、小型化に適さないという問題がある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための第１の解決手段として、合成樹脂からなる基板と、該基板に埋設され、前記基板の側面部から導出された金属板からなる第１の端子と、前記基板の表面に露出して円環状に設けられた集電体と、前記基板の表面に露出して前記集電体の外周に設けられた抵抗体と、該抵抗体と前記集電体とに摺動する摺動子とを備え、前記第１の端子には、前記基板に埋設された金属板からなる前記第１の端子を折り曲げ形成して、合成樹脂からなる前記基板の表面から露出する露出部を設け、前記露出部が円環状をなした前記集電体の幅の範囲内となるように、前記集電体を印刷にて形成することにより、前記集電体を前記露出部に接続した構成とした。
また、第２の下記決手段として、前記摺動子の前記集電体への摺動を、前記第１の端子の前記露出部を除く範囲で行うようにした構成とした。
また、第３の解決手段として、前記集電体の外周側に前記抵抗体を円弧状に形成すると共に、前記抵抗体の両端部を互いに近接して配設し、また、前記基板の表面には銀等を含む引き出し部が前記抵抗体の外形に沿うように湾曲して形成され、前記引き出し部の端部を前記抵抗体の端部に接続した構成とした。
また、第４の解決手段として、前記第１の端子の前記露出部が前記基板に設けられた孔を挟んで前記抵抗体の端部と反対の位置に形成されると共に、前記基板には第２の端子が埋設され、該第２の端子には、前記基板の表面に露出した露出部を設け、この露出部で前記引き出し部に接続した構成とした。
また、第５の解決手段として、前記摺動子は、前記集電体と前記抵抗体とにそれぞれ摺動する一対の接片を備え、前記摺動子が、前記基板に対して回転可能で中央に孔を有する軸部に固着されていると共に、前記一対の接片が前記孔を挟んで互いに対向する位置に配置された構成とした。
【０００９】
【発明の実施の形態】
本発明の回転型可変抵抗器を図１〜図６に基づいて説明すると、図１は本発明の回転型可変抵抗器の正面図、図２は本発明の回転型可変抵抗器の側面図、図３は図１の３ー３線における断面図、図４は本発明の回転型可変抵抗器に係る基板の平面図、図５、図６は本発明の回転型可変抵抗器の製造方法を示す説明図である。
【００１０】
次に、本発明の回転型可変抵抗器の構成を図１〜図４に基づいて説明すると、合成樹脂の成型品からなる基板１は、中央部に設けられた孔１ａと、外表面に設けられた凸部１ｂとを有している。
また、複数個の端子２、３は金属材からなり、この端子２、３は基板１に埋設されて取り付けられ、一端部は、基板１の側面部から外方に突出して端子部２ａ、３ａが形成され、また、他端部は、基板１の表面から露出して露出部２ｂ、３ｂが形成されている。
【００１１】
また、銀等の良導電材を含むペーストを焼成して得られる集電体４は、基板１の表面に形成され、孔１ａの周囲に円環状に設けられて構成されており、この円環状の幅Ａの範囲内において、端子２の露出部２ｂと接続されている。
また、抵抗体５は、基板１の表面に形成され、円環状の集電体４の外周に設けられた円弧状で構成され、その両端部５ａは互いに近接した状態で配設されている。
また、銀等の良導電材を含むペーストを焼成して得られる引き出し部６は、基板１の表面に形成され、抵抗体５の外形に沿うように湾曲して形成された湾曲部６ａと、抵抗体５の端部５ａの下部に接続された端部６ｂと、端子３の露出部３ｂにに接続された接続部６ｃとを有している。
そして、孔１ａを挟んで抵抗体５の端部５ａと反対の位置には、第１の端子２の露出部２ｂが形成された状態となっている。
【００１２】
また、絶縁材からなる軸部７は、筒状をなし、その中央には孔７ａが設けられると共に、軸部７には、金属板からなり、接片８ａ、８ｂを有する摺動子８が固着されている。
そして、軸部７は、基板１の孔１ａに嵌入して回転可能に取り付けられ、摺動子８の一方の接片８ａは集電体４に、また、他方の接片８ｂは抵抗体５に摺動するようになっている。
そして、接片８ａは、露出部２ｂを除く集電体４上、即ち、摺動軌跡Ｓ１の範囲で摺動し、また、接片８ｂは、抵抗体５上を摺動軌跡Ｓ２の範囲で摺動するようになっている。
【００１３】
また、合成樹脂の成型品からなるカバー９は、コップ状をなし、摺動子８、抵抗体５、及び集電体４を覆うように、基板１にスナップ止め等の適宜手段により取り付けられている。
そして、このような構成を有する回転型可変抵抗器は、プリント基板（図示せず）上に、基板１の凸部１ｂ、及び第１、第２の端子２、３の端子部２ａ、３ａを載置して、プリント基板に面実装されて取り付けられるものである。
【００１４】
そして、このような回転型可変抵抗器の操作は、軸部７を回転すると、摺動子８が回転し、接片８ａは、集電体４上を摺動軌跡Ｓ１の範囲で摺動し、また、接片８ｂは、抵抗体５上を摺動軌跡Ｓ２の範囲で摺動して、端子２と３との間で抵抗値の可変を行うようになっている。
【００１５】
また、このような回転型可変抵抗器の製造方法は、図５に示すように、金属板からなるフープ材Ｆを打ち抜きして、端子部２ａと折り曲げ形成された露出部２ｂを有する端子２、及び端子部３ａと折り曲げ形成された露出部３ｂを有する端子３を、フープ材Ｆに連結した状態で形成する。
次に、図６に示すように、端子部２ａ、３ａを外方に突出させ、露出部２ｂ、３ｂを表面から露出させるように、合成樹脂の基板１の成形により端子２、３を埋設する。
しかる後、集電体４、抵抗体５を基板１の表面に印刷等により形成することによって回転型可変抵抗器の製造が行われるものである。
【００１６】
【発明の効果】
本発明の回転型可変抵抗器は、第１の端子２には、基板に埋設された金属板からなる第１の端子２を折り曲げ形成して、合成樹脂からなる基板の表面から露出する露出部２ｂを設け、露出部２ｂが円環状をなした集電体４の幅の範囲内となるように、集電体４を印刷にて形成することにより、集電体４を露出部２ｂに接続したことから、従来の集電体３４の引き出し部３４ｂ形成スペースが不要となり、よって、基板１面を有効に利用できるので小型の回転型可変抵抗器を提供できる。
また、従来の引き出し部３４ｂが不要のことから、抵抗体５の有効角度を大きくでき、可変範囲の大きな回転型可変抵抗器を提供できる。
また、摺動子８の集電体４への摺動を、第１の端子２の露出部２ｂを除く範囲で行うようにしたため、摺動子８の摩耗が少なく、寿命の長い回転型可変抵抗器を提供できる。
また、抵抗体５の両端部５ａを近接したため、抵抗体５の有効角度を大きくでき、可変範囲の大きな回転型可変抵抗器を提供できる。
また、抵抗体５の外形に沿うように湾曲して引き出し部６を形成したため、従来の直線状の引き出し部３６ｂを基板３１の引き出し部３１ｂに形成するものに比して、基板１を小さくでき、小型の回転型可変抵抗器を提供できる。
また、基板１の孔１ａを挟んで、抵抗体５の端部５ａと反対の位置に第１の端子２の露出部２ｂを設けることにより、集電体４に摺動する摺動子８の接片８ａと、抵抗体５に摺動する８ｂを軸部７を挟んで対向する位置にすることができて、軸部７の回転バランスが良好となり、回転動作の良好な回転型可変抵抗器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の回転型可変抵抗器の正面図。
【図２】本発明の回転型可変抵抗器の側面図。
【図３】図１の３ー３線における断面図。
【図４】本発明の回転型可変抵抗器に係る基板の平面図。
【図５】本発明の回転型可変抵抗器の製造方法を示す説明図。
【図６】本発明の回転型可変抵抗器の製造方法を示す説明図。
【図７】従来の回転型可変抵抗器の分解斜視図。
【図８】従来の回転型可変抵抗器に係る基板の平面図。
【符号の説明】
１ 基板
１ａ 孔
１ｂ 凸部
２ 端子
２ａ 端子部
２ｂ 露出部
３ 端子
３ａ 端子部
３ｂ 露出部
４ 集電体
５ 抵抗体
５ａ 端部
６ 引き出し部
６ａ 湾曲部
６ｂ 端部
６ｃ 接続部
７ 軸部
７ａ 孔
８ 摺動子
８ａ 接片
８ｂ 接片
９ カバー
Ａ 幅
Ｓ１ 摺動軌跡
Ｓ２ 摺動軌跡
Ｆ フープ材
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の電子機器等に使用して好適な回転型可変抵抗器に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の回転型可変抵抗器を図７、図８に基づいて説明すると、合成樹脂の成型品からなる基板３１は、円形状の基部３１ａと、矩形状の引き出し部３１ｂと、基部３１ａの中央部に設けられた孔３１ｃとを有している。
また、複数個の端子３２、３３は金属材からなり、この端子３２、３３は基板３１の引き出し部に３１ｂに埋設されて取り付けられ、一端部３２ａ、３３ａは、引き出し部３１ｂの側部から外方に突出し、また、他端部３２ｂ、３３ｂは、基板３１の表面から露出した状態となっている。
【０００３】
また、銀等の良導電材を含む第１の集電体３４は、基板３１の表面に形成され、孔３１ｃの周囲に設けられた円環状部３４ａと、この円環状部３４ａから引き出し部３１ｂまで引き出された引き出し部３４ｂとを有し、引き出し部３４ｂは、一つの端子３２の他端部３２ｂに接続されている。
また、銀等の良導電材からなる第２の集電体３５は、基板３１の表面に形成され、円環状部３４ａの外周部に設けられた円弧状部３５ａと、この円弧状部３５ａから引き出し部３１ｂまで引き出された引き出し部３５ｂとを有し、引き出し部３５ｂは、もう一つの端子３２の他端部３２ｂに接続されている。
【０００４】
また、第１の抵抗体３６は、基板３１の表面に形成され、円弧状部３５ａの外周に形成された馬蹄型の抵抗部３６ａと、この抵抗部３６ａの両端から引き出し部３１ｂまで直線状に引き出された引き出し部３６ｂとを有し、引き出し部３６ｂは、端子３３の他端部３３ｂに接続されている。
また、第２の抵抗体３７は、基板３１の表面に形成され、第１の抵抗体３６の抵抗部３６ａの外周に形成された馬蹄型の抵抗部３７ａと、この抵抗部３７ａの両端から引き出し部３１ｂまで直線状に引き出された引き出し部３７ｂとを有し、引き出し部３７ｂは、端子３３の他端部３３ｂに接続されている。
そして、第１と第２の抵抗部３６ａと３７ａとは一端部で接続された構成となっている。
【０００５】
また、絶縁材からなる摘み部３８は、円盤状をなし、その中央には孔３８ａが設けられると共に、摘み部３８の下部には、二個の摺動子３９、４０が固着されている。
そして、一方の摺動子３９は、第１の集電体３４と第１の抵抗体３６の抵抗部３６ａと摺動し、また、他方の摺動子４０は、第２の集電体３５と第２の抵抗体３７の抵抗部３７ａとに摺動するようになっている。
また、軸部４１が摘み部３８の孔３８ａと基板３１の孔３１ｃに挿通されて、摘み部３８を基板３１に回転可能に取り付けている。
【０００６】
そして、摘み部３８を回転すると、摺動子３９、４０が回転し、摺動子３９は、第１の集電体３４と第１の抵抗体３６とに摺動して、端子３２と３３との間で抵抗値の可変を行い、また、摺動子４０は、第２の集電体３５と第２の抵抗体３７とに摺動して、端子３２と３３との間で抵抗値の可変を行い、これによって、二連の抵抗体の可変を行うようになっている。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
従来の回転型可変抵抗器は、集電体３４は、円環状部３４から基板３１の引き出し部３１ｂまで引き出す引き出し部３４ｂを設けるものであるため、引き出し部３４ｂを設けるスペースを必要として大型となり、小型化に適さないという問題がある。
また、集電体３４には引き出し部３４ｂが存在するため、抵抗体３６の両端部を近接させるには引き出し部３４ｂが邪魔になり、このため、抵抗体３６の有効角度が小さくなるという問題がある。
また、抵抗体３６は、抵抗部３６ａの両端から引き出し部３１ｂまで直線状に引き出された引き出し部３６ｂを設けて、この引き出し部３６ｂを、端子３３の他端部３３ｂに接続するものであるため、引き出し部３６ｂのスペースが大きく大型となり、小型化に適さないという問題がある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための第１の解決手段として、合成樹脂からなる基板と、該基板に埋設され、前記基板の側面部から導出された金属板からなる第１の端子と、前記基板の表面に露出して円環状に設けられた集電体と、前記基板の表面に露出して前記集電体の外周に設けられた抵抗体と、該抵抗体と前記集電体とに摺動する摺動子とを備え、前記第１の端子には、前記基板に埋設された金属板からなる前記第１の端子を折り曲げ形成して、合成樹脂からなる前記基板の表面から露出する露出部を設け、前記露出部が円環状をなした前記集電体の幅の範囲内となるように、前記集電体を印刷にて形成することにより、前記集電体を前記露出部に接続した構成とした。
また、第２の下記決手段として、前記摺動子の前記集電体への摺動を、前記第１の端子の前記露出部を除く範囲で行うようにした構成とした。
また、第３の解決手段として、前記集電体の外周側に前記抵抗体を円弧状に形成すると共に、前記抵抗体の両端部を互いに近接して配設し、また、前記基板の表面には銀等を含む引き出し部が前記抵抗体の外形に沿うように湾曲して形成され、前記引き出し部の端部を前記抵抗体の端部に接続した構成とした。
また、第４の解決手段として、前記第１の端子の前記露出部が前記基板に設けられた孔を挟んで前記抵抗体の端部と反対の位置に形成されると共に、前記基板には第２の端子が埋設され、該第２の端子には、前記基板の表面に露出した露出部を設け、この露出部で前記引き出し部に接続した構成とした。
また、第５の解決手段として、前記摺動子は、前記集電体と前記抵抗体とにそれぞれ摺動する一対の接片を備え、前記摺動子が、前記基板に対して回転可能で中央に孔を有する軸部に固着されていると共に、前記一対の接片が前記孔を挟んで互いに対向する位置に配置された構成とした。
【０００９】
【発明の実施の形態】
本発明の回転型可変抵抗器を図１〜図６に基づいて説明すると、図１は本発明の回転型可変抵抗器の正面図、図２は本発明の回転型可変抵抗器の側面図、図３は図１の３ー３線における断面図、図４は本発明の回転型可変抵抗器に係る基板の平面図、図５、図６は本発明の回転型可変抵抗器の製造方法を示す説明図である。
【００１０】
次に、本発明の回転型可変抵抗器の構成を図１〜図４に基づいて説明すると、合成樹脂の成型品からなる基板１は、中央部に設けられた孔１ａと、外表面に設けられた凸部１ｂとを有している。
また、複数個の端子２、３は金属材からなり、この端子２、３は基板１に埋設されて取り付けられ、一端部は、基板１の側面部から外方に突出して端子部２ａ、３ａが形成され、また、他端部は、基板１の表面から露出して露出部２ｂ、３ｂが形成されている。
【００１１】
また、銀等の良導電材を含むペーストを焼成して得られる集電体４は、基板１の表面に形成され、孔１ａの周囲に円環状に設けられて構成されており、この円環状の幅Ａの範囲内において、端子２の露出部２ｂと接続されている。
また、抵抗体５は、基板１の表面に形成され、円環状の集電体４の外周に設けられた円弧状で構成され、その両端部５ａは互いに近接した状態で配設されている。
また、銀等の良導電材を含むペーストを焼成して得られる引き出し部６は、基板１の表面に形成され、抵抗体５の外形に沿うように湾曲して形成された湾曲部６ａと、抵抗体５の端部５ａの下部に接続された端部６ｂと、端子３の露出部３ｂにに接続された接続部６ｃとを有している。
そして、孔１ａを挟んで抵抗体５の端部５ａと反対の位置には、第１の端子２の露出部２ｂが形成された状態となっている。
【００１２】
また、絶縁材からなる軸部７は、筒状をなし、その中央には孔７ａが設けられると共に、軸部７には、金属板からなり、接片８ａ、８ｂを有する摺動子８が固着されている。
そして、軸部７は、基板１の孔１ａに嵌入して回転可能に取り付けられ、摺動子８の一方の接片８ａは集電体４に、また、他方の接片８ｂは抵抗体５に摺動するようになっている。
そして、接片８ａは、露出部２ｂを除く集電体４上、即ち、摺動軌跡Ｓ１の範囲で摺動し、また、接片８ｂは、抵抗体５上を摺動軌跡Ｓ２の範囲で摺動するようになっている。
【００１３】
また、合成樹脂の成型品からなるカバー９は、コップ状をなし、摺動子８、抵抗体５、及び集電体４を覆うように、基板１にスナップ止め等の適宜手段により取り付けられている。
そして、このような構成を有する回転型可変抵抗器は、プリント基板（図示せず）上に、基板１の凸部１ｂ、及び第１、第２の端子２、３の端子部２ａ、３ａを載置して、プリント基板に面実装されて取り付けられるものである。
【００１４】
そして、このような回転型可変抵抗器の操作は、軸部７を回転すると、摺動子８が回転し、接片８ａは、集電体４上を摺動軌跡Ｓ１の範囲で摺動し、また、接片８ｂは、抵抗体５上を摺動軌跡Ｓ２の範囲で摺動して、端子２と３との間で抵抗値の可変を行うようになっている。
【００１５】
また、このような回転型可変抵抗器の製造方法は、図５に示すように、金属板からなるフープ材Ｆを打ち抜きして、端子部２ａと折り曲げ形成された露出部２ｂを有する端子２、及び端子部３ａと折り曲げ形成された露出部３ｂを有する端子３を、フープ材Ｆに連結した状態で形成する。
次に、図６に示すように、端子部２ａ、３ａを外方に突出させ、露出部２ｂ、３ｂを表面から露出させるように、合成樹脂の基板１の成形により端子２、３を埋設する。
しかる後、集電体４、抵抗体５を基板１の表面に印刷等により形成することによって回転型可変抵抗器の製造が行われるものである。
【００１６】
【発明の効果】
本発明の回転型可変抵抗器は、第１の端子２には、基板に埋設された金属板からなる第１の端子２を折り曲げ形成して、合成樹脂からなる基板の表面から露出する露出部２ｂを設け、露出部２ｂが円環状をなした集電体４の幅の範囲内となるように、集電体４を印刷にて形成することにより、集電体４を露出部２ｂに接続したことから、従来の集電体３４の引き出し部３４ｂ形成スペースが不要となり、よって、基板１面を有効に利用できるので小型の回転型可変抵抗器を提供できる。
また、従来の引き出し部３４ｂが不要のことから、抵抗体５の有効角度を大きくでき、可変範囲の大きな回転型可変抵抗器を提供できる。
また、摺動子８の集電体４への摺動を、第１の端子２の露出部２ｂを除く範囲で行うようにしたため、摺動子８の摩耗が少なく、寿命の長い回転型可変抵抗器を提供できる。
また、抵抗体５の両端部５ａを近接したため、抵抗体５の有効角度を大きくでき、可変範囲の大きな回転型可変抵抗器を提供できる。
また、抵抗体５の外形に沿うように湾曲して引き出し部６を形成したため、従来の直線状の引き出し部３６ｂを基板３１の引き出し部３１ｂに形成するものに比して、基板１を小さくでき、小型の回転型可変抵抗器を提供できる。
また、基板１の孔１ａを挟んで、抵抗体５の端部５ａと反対の位置に第１の端子２の露出部２ｂを設けることにより、集電体４に摺動する摺動子８の接片８ａと、抵抗体５に摺動する８ｂを軸部７を挟んで対向する位置にすることができて、軸部７の回転バランスが良好となり、回転動作の良好な回転型可変抵抗器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の回転型可変抵抗器の正面図。
【図２】本発明の回転型可変抵抗器の側面図。
【図３】図１の３ー３線における断面図。
【図４】本発明の回転型可変抵抗器に係る基板の平面図。
【図５】本発明の回転型可変抵抗器の製造方法を示す説明図。
【図６】本発明の回転型可変抵抗器の製造方法を示す説明図。
【図７】従来の回転型可変抵抗器の分解斜視図。
【図８】従来の回転型可変抵抗器に係る基板の平面図。
【符号の説明】
１ 基板
１ａ 孔
１ｂ 凸部
２ 端子
２ａ 端子部
２ｂ 露出部
３ 端子
３ａ 端子部
３ｂ 露出部
４ 集電体
５ 抵抗体
５ａ 端部
６ 引き出し部
６ａ 湾曲部
６ｂ 端部
６ｃ 接続部
７ 軸部
７ａ 孔
８ 摺動子
８ａ 接片
８ｂ 接片
９ カバー
Ａ 幅
Ｓ１ 摺動軌跡
Ｓ２ 摺動軌跡
Ｆ フープ材
Claims (5)
- 合成樹脂からなる基板と、該基板に埋設され、前記基板の側面部から導出された金属板からなる第１の端子と、前記基板の表面に露出して円環状に設けられた集電体と、前記基板の表面に露出して前記集電体の外周に設けられた抵抗体と、該抵抗体と前記集電体とに摺動する摺動子とを備え、前記第１の端子には、前記基板に埋設された金属板からなる前記第１の端子を折り曲げ形成して、合成樹脂からなる前記基板の表面から露出する露出部を設け、前記露出部が円環状をなした前記集電体の幅の範囲内となるように、前記集電体を印刷にて形成することにより、前記集電体を前記露出部に接続したことを特徴とする回転型可変抵抗器。
- 前記摺動子の前記集電体への摺動を、前記第１の端子の前記露出部を除く範囲で行うようにしたことを特徴とする請求項１記載の回転型可変抵抗器。
- 前記集電体の外周側に前記抵抗体を円弧状に形成すると共に、前記抵抗体の両端部を互いに近接して配設し、また、前記基板の表面には銀等を含む引き出し部が前記抵抗体の外形に沿うように湾曲して形成され、前記引き出し部の端部を前記抵抗体の端部に接続したことを特徴とする請求項１、又は２記載の回転型可変抵抗器。
- 前記第１の端子の前記露出部が前記基板に設けられた孔を挟んで前記抵抗体の端部と反対の位置に形成されると共に、前記基板には第２の端子が埋設され、該第２の端子には、前記基板の表面に露出した露出部を設け、この露出部で前記引き出し部に接続したことを特徴とする請求項３記載の回転型可変抵抗器。
- 前記摺動子は、前記集電体と前記抵抗体とにそれぞれ摺動する一対の接片を備え、前記摺動子が、前記基板に対して回転可能で中央に孔を有する軸部に固着されていると共に、前記一対の接片が前記孔を挟んで互いに対向する位置に配置されたことを特徴とする請求項１乃至４の何れかに記載の回転型可変抵抗器。
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