JP3665221B2 - 面内磁気記録媒体及び磁気記憶装置 - Google Patents

面内磁気記録媒体及び磁気記憶装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ドラム、磁気テープ、磁気ディスク、磁気カード等の面内磁気記録媒体及び磁気記憶装置に係り、特に、1平方インチあたり3ギガビット以上の超高密度記録を可能にした面内磁気記録媒体、及びその面内磁気記録媒体を用いた磁気記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、磁気ディスク装置の著しい大容量・高記録密度化に伴い、磁気記録媒体上に形成される記録ビットの大きさは次第に減少している。現在知られている磁気記録媒体は、1平方インチあたり3ギガビット以上の超高密度記録を実現することが難しく、媒体ノイズをさらに低減する必要がある。このためには、磁性膜の結晶粒径を小さくすることが重要である。しかし、磁性結晶粒の微細化によって磁性粒の体積が極端に小さくなると、常温においても熱エネルギーの影響が顕著になり、記録磁化が減衰することが懸念される。実際、低ノイズ化した媒体において、225kFCI(FCI:フラックス・チェンジ/インチ)の密度で記録した情報が96時間後には10%以上も減衰することがY.Hosoe等によって報告されている(IEEE Trans. Magn.,33,pp. 3028-3030、 September 1997)。
【0003】
媒体ノイズの低減と耐熱揺らぎ性能の向上とを両立させるためには、磁性膜の結晶粒径の平均的な大きさを小さくすると同時に、極端に小さな磁性粒子の成長を抑制することが効果的である。この種の磁気記録媒体の例として、例えば、USP 5693426号等に、CMU(Carnegie Mellon University)が提唱するB2(CsCl)構造を有する下地膜を用い、この上に直接、あるいは、Cr下地膜を設け、さらにこの上に磁性膜を積層することにより、磁性結晶粒を非バイクリスタル構造とした磁気記録媒体が提案されている。
【0004】
図2はCMUが提案する従来技術の磁気記録媒体の下地膜と磁性膜とのエピタキシャル関係を説明する図であり、以下、これについて説明する。図2には、図の下から順に、NiAl下地膜、Cr下地膜、Co磁性膜の結晶構造を示している。そして、図2の左側列は、結晶の形状を示し。網かけで示している面が基板に平行に成長する部分である。また、右側列は、前述の網かけ部分の平面的な大きさを示している。
【0005】
各膜の結晶構造は、NiAl下地膜がB2、Cr下地膜が(b.c.c.)、Co磁性膜が(h.c.p.)である。NiAl膜の作製条件を最適化して、基板上にNiAl下地膜を形成すると、優先的に(211)が基板と平行になるように結晶成長する。この上に形成されたCr下地膜は、ほぼ(211)配向となり、さらに磁性膜は、ほぼ(10.0)配向となる。
【0006】
それぞれの膜がこれらの配向性を持ったとき、各々の膜が有する結晶の格子点に原子を配置すると、膜面内には、図2の右側に示すような長方形が形成される。この結果、基板上に前述の書く膜を順次形成していった場合、図2の網かけで示す部分が順次積み重ねられた状態の層構造となる。各膜の格子定数にバルクの値を用いて、長方形の大きさを比較すると、磁性膜の[0001]方向(c軸方向)、すなわち、磁化容易軸方向はほぼ同じ大きさであることが判る。一方、それと直行する方向、すなわち磁性膜の[1−210]方向について、各膜が作る長方形の辺の長さを比較すると、大きさに違いがあることが判る。
【0007】
本発明者等による実験結果によると、磁性膜の磁化容易軸の膜面内方向への配向性を向上させるためには、特に磁性膜に隣接する下地膜と磁性膜が作るそれぞれの長方形とをほぼ同じ大きさとすれば良いことが判明した。CMUが提案する構造の媒体について、Co磁性膜と磁性膜に隣接するCr下地膜とが作る長方形を比較すると、磁性膜の[0001]方向では辺の長さはほぼ等しくなるが、それと直行する[1−210]方向では、下地膜が作る長方形の辺の長さが小さすぎる。このような大小関係にある場合には、磁性膜の磁化容易軸の面内への配向性は著しく劣化し、保磁力の減少と媒体ノイズの増大を招く。さらに、媒体の高保磁力化、及び、低ノイズ化を目的に、一般に磁性膜にはPt、Ta、Ti、Nb等の元素が添加されている。そのため、h.c.p.構造を有する磁性膜の単位格子(格子定数)、すなわち、合金磁性膜が作る長方形の大きさがCoに比べて大きくなっており、CMUが提案するNiAl等のB2構造を有する下地膜上にCr下地膜を形成した構造の面内磁気記録媒体は、Cr下地膜とCo合金磁性膜との格子整合性がより一層劣化して、磁化容易軸の面内配向性が悪くなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述したCMUが提案する磁気記録媒体は、面内記録媒体であるため、媒体の磁化容易軸が膜面内に配向していることが高保磁力、低ノイズを達成する上で好ましい。一般に、磁性膜は、Coを主成分とするため、結晶構造はほぼ六方稠密構造(h.c.p.)を呈しており、磁化容易軸方向はc軸方向である。そして、CMUが提案するB2(主に、NiAlにより構成される)下地膜上に直接、あるいはCr下地膜を介して磁性膜を形成する記録媒体は、磁性膜のc軸長がCoに近い大きさである場合、媒体の磁化容易軸が面内配向する。しかし、保磁力向上、媒体ノイズ低減を目的として、前述したように、一般に磁性膜には、Pt、Ta、Ti、Nb等の元素が添加されている。この場合、磁性膜の格子定数はCoに比べて大きくなり、B2下地膜、あるいはCr下地膜との格子の整合性が劣化し、磁化容易軸の面内配向性が悪くなるという問題点を生じてしまう。
【0009】
本発明の第1の目的は、CMUが提案する構造の磁気記録媒体を発展させて、Pt、Ta、Ti、Nb等の元素を添加した磁性膜でも磁化容易軸の面内配向性を高め、高保磁力、低ノイズ、かつ、耐熱揺らぎ特性に優れた面内磁気記録媒体を提供することにある。
【0010】
また、本発明の第2の目的は、この面内磁気記録媒体の性能を充分に活かし、1平方インチ当たり3ギガビット以上の記録密度を有する磁気記憶装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
まず、前述した従来技術であるCMUが提案するNiAl等のB2構造を有する下地膜上にCr下地膜を形成した構造の面内磁気記録媒体が、Cr下地膜とCo合金磁性膜との格子整合性が劣化して、磁化容易軸の面内配向性が悪くなるという問題を解決する本発明の基本的な考え方を以下に説明する。
【0012】
すなわち、前述の問題を解決するためには、磁性膜に隣接する下地膜にCrよりも大きな原子半径を有する元素を添加し、長方形の辺の長さを大きくして、磁性膜の[0001]方向に対して若干大きく、[1−210]方向に対しては若干小さくすることが重要である。
【0013】
また、本発明者等による実験結果によると、NiAl下地膜(以後、これをNiAl配向制御膜と呼ぶ)上に、Crよりも大きな格子定数を有する下地膜を直接形成すると、NiAl配向制御膜と下地膜の格子整合性が劣化して、下地膜の配向性が悪くなると同時に、結晶粒径が肥大化し、保磁力角型比の劣化と最小磁化反転体積の増大を招くことが判った。保磁力角型比の劣化は、高密度記録時の分解能(信号書き込み能力)の劣化させ、最小磁化反転体積の増大は、媒体ノイズを増加させる。(211)配向したNiAl配向制御膜上に形成したCr下地膜は、格子整合性や化学的安定性等の理由から、(211)配向し易い。一方、(211)配向したNiAl配向制御膜上に形成したCr第1下地膜よりも大きな格子定数を有する第2下地膜は、Cr下地膜に比べて格子が大きくなっていることに加え、Crとは異なる元素が含まれているため、格子整合性や化学的安定性等の理由から、(211)以外にも(110)配向が現れてしまうことが判った。
【0014】
本発明の磁気記録媒体の基本的な構造は、図1に示すように、NiAl配向制御膜の上にCr第1下地膜を設け、さらにこの上にCrよりも大きな格子定数を有する第2下地膜を設けた2層下地膜構造としたところに特徴を有し、このような構造としたことにより、保磁力角型比を劣化することなく、磁性膜の磁化容易軸を膜面内に配向し、媒体の高保磁力化が実現できることを発見したことに基づくものである。
【0015】
図1はCMUが提案する磁気記録媒体の下地膜と磁性膜に対して、本発明の基本的な考え方による磁気記録媒体の構造を示す図であり、NiAl配向制御膜の上に、Cr第1下地膜を設け、さらにこの上にCrよりも大きな格子定数を有する第2下地膜を設けて2層下地膜構造とした場合のエピタキシャル関係を説明する図であり、以下、これについて説明する。図1には、図の下から順に、NiAl下地膜、Cr第1下地膜、CrTi第2下地膜、Co磁性膜の結晶構造を示している。なお、図1における網かけの部分の意味は、図2の場合と同一である。
【0016】
なお、本発明による磁気記録媒体をX線回折装置を使ったθ−2θスキャン法によって結晶配向性を調べると、B2配向制御膜は完全には(211)配向せず、若干の(110)成分を含んだ。この場合、下地膜も(211)と若干の(110)成分を含んだものとなった。磁性膜は、強い(10.0)と弱い(00.2)及び(10.1)とが検出された。本発明の本質としては、磁性膜からのX線回折成分として、(11.0)が検出されないことが重要である。
【0017】
2層下地膜を持つ磁気記録媒体に関する従来技術として、Cr第1下地膜上にCrMo合金第2下地膜を形成したものが、例えば、特開平7−21543号公報等に記載されて知られている。しかし、この従来技術は、基板に直接Cr第1下地膜を形成したものであり、基板と第1下地膜との間にB2構造を有する配向制御膜を設けていない点において、本発明による磁気記録媒体とは大きく異なっている。B2構造を有する配向制御膜を設けない場合、下地膜は(100)配向し、この上の磁性膜は(11.0)配向する。この場合、磁性膜の磁化容易軸は膜面内に配向するが、1つの下地結晶粒の上に磁化容易軸が直交する複数の磁性結晶粒が成長する構造となる(バイクリスタル構造)。磁性膜がこのような構造を持つと、結晶粒径の制御が難しく、極端に粒径の小さなものができてしまい、従来技術の項で説明したように熱揺らぎの影響を受け易く、再生出力が経時的に減少する。
【0018】
また、バイクリスタル構造を持つ粒子間では、Cr偏析効果が少ないため、粒子間相互作用が強くなり、実効的な異方性エネルギーが減少して保磁力を低下させる。このような現象は、特に磁性膜の磁化を小さくした領域で顕著となり、残留磁束と磁性膜厚との積が70G・μm以下で深刻な問題となる。本発明におけるこれらの問題を解決するための手段の本質は、第1及び第2下地膜を(211)配向させることにより、(10.0)配向した磁性膜をエピタキシャル成長させて、1つの下地結晶粒の上に1つの磁性結晶粒を成長させること、すなわち、バイクリスタル構造を持たないようにすることである。
【0019】
このためには、基板と下地膜との間にB2構造を有する配向制御膜を設けることが1つの手段となる。本発明による磁気記録媒体は、X線回折装置を使ったθ−2θスキャン法によって、基板と平行な面に磁性膜の(10.0)が検出されるが、(11.0)は検出されないことが確認された。
【0020】
以上のように、基板と下地膜との間にB2構造を有する配向制御膜を設けると、下地膜の優先配向面が変わるだけでなく、磁性膜の微細構造までも変化するため、従来の単純な2層下地膜を有する磁気記録媒体に比較して、高保磁力、低ノイズ、かつ、耐熱揺らぎ特性により優れた磁気記録媒体とすることができる。
【0021】
図1における第2下地膜は、Cr、Mo、Tiから選ばれた少なくとも1種の元素を含み、かつ、Crよりも大きな格子定数を持つことが好ましく、Crと5at.%以上50at.%以下のTi、Crと5at.%以上100at.%以下のMo、あるいは、Cr、Mo、Tiからなる組成とすることが、磁性膜の磁化容易軸の面内配向性を高める上で特に好ましい。但し、第2下地膜の結晶構造がb.c.c.であることが重要である。前記第2下地膜に用いられるCrとMoの合金は、バルクの金属の状態図から見ても全率固溶の関係にあり、その合金の結晶構造は、常にb.c.c.であるため、任意の格子の大きさを持つ結晶を作製する上で扱いが容易で特に好ましい。また、CrとTiとの合金を用いる場合、下地膜の結晶粒を小さくし、その上に成長させる磁性膜の結晶粒径も小さくすることができるため、低ノイズ化の点で特に好ましい。
【0022】
しかし、Cr−Ti合金は、Tiがh.c.p.の結晶構造を有するため、第2下地膜の組成の内、Tiを全体の50at.%以下とする必要がある。Cr、Mo、Tiからなる第2下地膜は、Cr−Mo、Cr−Tiの性質をそれぞれの元素の濃度に応じて引き継いだものとなる。第2下地膜にCr、Mo、Ti以外の元素を使う場合、Nb、Ta、Moを用いることが好ましく(但し、Cr、Mo、Tiに比べると若干特性が劣る)、これ以外の元素を使うと、結晶の配向性が乱れたり、結晶粒径が肥大化して、保磁力の低下や媒体ノイズの増大を招き好ましくない。
【0023】
前記磁性膜は、少なくとも15at.%以上25at.%以下のCrと、4at.%以上25at.%以下のPtを含むことが媒体の高保磁力、低ノイズ化する上で好ましい。さらに低ノイズ化のためにTa、Ti、Nbを添加する場合、これらの元素の合計の濃度が8at.%以下とすることが磁性膜の非磁性化を防止する上で重要である。磁性膜組成の内少なくともCoは、62at.%以上必要である。Co濃度が62at.%以下となると残留磁束密度の低下が著しく、媒体から漏洩する磁束が減少し、磁気ヘッドでの信号の読み出しが困難となる。
【0024】
b.c.c.構造を有する下地膜の上に、h.c.p.構造を有する磁性膜をエピタキシャル成長させると、異種の結晶構造の粒子を強引に結晶成長させるため、磁性膜の結晶成長の初期の段階で、欠陥が導入されたり、微細な磁性結晶粒が生成される。このような欠陥や微細な粒子は熱揺らぎの影響を強く受け易く、信号を記録した後、時間と共に再生出力が減少していく割合が大きくなる。この影響をできるだけ小さく押さえるために、下地膜と磁性膜との間に非磁性のh.c.p.構造を有する中間膜を挿入することが好ましい。この非磁性h.c.p.中間膜は、、b.c.c.下地膜との界面で生じる欠陥や微細な粒子を吸収し、磁性膜に悪影響を及ぼすことを防止する。この非磁性h.c.p.中間膜の材料としては、Coに少なくともCrを25at.%以上添加したものや、CoとTi、あるいはTiを主成分とするものを用いることが好ましい。
【0025】
前述した考察の結果、本発明の前述の目的は、基板上に少なくともB2構造を有する配向制御膜を設け、この上にCrからなる第1下地膜、Cr、Nb、Mo、Ta、W、Tiから選ばれた少なくとも1種の元素を含み、かつ、Crからなる第1下地膜よりも大きな格子定数を有する第2下地膜を設けた後、Coを主成分とする磁性膜を形成することによって達成することができる。
【0026】
また、本発明の目的は、前記B2構造を有する配向制御膜がAl−Co、Al−Fe、Al−Ni、Al−Pd、Co−Ga、Co−Fe、Co−Ti、Cu−Pd、Cu−Zn、Ga−Ni、Ga−Rh、Ru−Siから選ばれた少なくとも1種を主成分とする合金を用いることにより達成され、この場合、結晶粒径の微細化、磁性膜の磁化容易軸の面内配向性を高めることができる。
【0027】
また、前述した本発明の面内磁気記録媒体と、該面内磁気記録媒体を記録方向に駆動する駆動部と、記録部と再生部からなる磁気ヘッドと、該磁気ヘッドを前記面内磁気記録媒体に対して相対的に運動させる手段と、該磁気ヘッドに対する入力信号及び出力信号を波形処理する記録再生信号処理手段とを含む磁気記憶装置において、前記磁気ヘッドの再生部を磁気抵抗効果型の素子で構成することによって、1平方インチあたり3ギガビット以上の記録密度を有する磁気記憶装置を達成することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による面内磁気記録媒体及び磁気記憶装置の実施形態を図面により詳細に説明する。
【0029】
図3は本発明の第1の実施形態による内面磁気記録媒体の断面構造を示す図である。図3において、30は基板、31、31’は配向制御膜、32、32’はCr第1下地膜、33、33’はCrTi第2下地膜、34、34’は磁性膜、35、35’は保護層である。
【0030】
本発明の第1の実施形態による内面磁気記録媒体は、図3に示すように、ガラス等による基板30の両面に、Al−50at.%Ni配向制御膜31、31’と、Cr第1下地膜32、32’と、CrTi第2下地膜33、33’と、Co−20at.%Cr−12at.%Pt磁性膜34、34’と、C保護層35、35’とを順次形成して構成される。
【0031】
次に、前述した構造を持つ本発明の実施形態による面内磁気記録媒体の作製方法について説明する。
【0032】
まず、外径65mmφのガラス基板30に、基板温度270℃、Arガス圧力2.0mTorr、投入電力密度0.7W/cm2 とする成膜条件で、DCマグネトロンスパッタリング法によりAl−50at.%Ni配向制御膜31、31’を50nm形成する。次に、前述の同一の成膜条件の下で、Cr第1下地膜32、32’を20nm、Cr−20at.%Ti第2下地膜33、33’を20nm形成し、Co−20at.%Cr−12at.%Pt磁性膜34、34’を20nm順次成膜する。最後に、C保護層35、35’としてCを10nm形成した。なお、元素の前に付した数字は各元素の濃度を示す。
【0033】
次に、前述のように作成した本発明の実施形態による面内磁気記録媒体の磁気特性と媒体ノイズとについての測定例を表1により説明する。なお、比較例1として、Cr第1下地膜32、32’とCrTi第2下地膜33、33’とを設けなかった媒体、比較例2として、CrTi第2下地膜33、33’を設けなかった媒体(CMU提案の構造)を作製した。さらに、比較例3として、Cr第1下地膜32、32’を設けなかった媒体も作製した。
【0034】
【表1】
Figure 0003665221
【0035】
表1に示す媒体ノイズは、250kFCIの信号を記録した時の値であり、本発明の実施形態の場合の測定値を1とし、比較例の測定値を本発明の実施形態の測定値に対する相対値で示した。本実施例の媒体の保磁力(Hc)が最も高く、媒体ノイズが低いことが判る。また、保磁力角型比(S*)は、本発明の実施形態による媒体が最も高く、分解能が良好であると予想できる。
【0036】
【表2】
Figure 0003665221
【0037】
表2はX線回折により、CoCrPt磁性膜(10.0)回折強度を測定した結果を示している。この表2においても、比較例の測定値は、本発明の実施形態による媒体を1とした相対値で示している。この回折強度は、その値が大きいほど、磁性膜の磁化容易軸が面内に配向していることを示す。表2から、本発明の実施形態の回折強度が最も強く、磁化容易軸が面内に配向していることが判る。
【0038】
【表3】
Figure 0003665221
【0039】
表3はAlNi配向制御膜、Cr第1下地膜、CrTi第2下地膜、CoCrPt磁性膜の格子定数と図1に示した各膜が作る長方形の辺の長さを示す。磁性膜の作る長方形の辺の長さに比べて、CrTi第2下地膜が作る長方形の辺の長さは、[0001]方向に対しては若干長く、[1−210]方向に対しては若干短くなっていることが判る。一方、比較例2のCMUが提案する構造の媒体では、Cr第1下地膜の上に直接磁性膜を形成しており、この場合には[0001]方向、[1−210]方向のいずれに対しても磁性膜に比べて短いことが判る。このような大小関係にある場合、磁化容易軸の面内配向性が劣化し、保磁力が低下する。
【0040】
また、配向制御膜31、31’をAl−50at.%Co、Al−50at.%Fe、Al−50at.%Pd、Co−50at.%Ga、Co−50at.%Fe、Co−50at.%Ti、Cu−50at.%Pd、Cu−50at.%Zn、Ga−50at.%Ni、Ga−50at.%Rh、Ru−50at.%Siと変えても同様な結果が得られた。
【0041】
次に、本発明の第2の実施形態による面内磁気記録媒体の例について説明する。前述した実施形態は、ガラス基板を使用するものであったが、第2の実施形態では、外径95mmφのNi−PめっきAl合金基板を用いた。膜構造は、図3に示す構造と同様であるので、ここでは、その製造方法のみを説明する。
【0042】
まず、外径95mmφのNi−PめっきAl合金基板30に、基板温度270℃、Arガス圧力2.0mTorr、投入電力密度0.7W/cm2 とする成膜条件で、DCマグネトロンスパッタリング法により、Al−50at.%Co配向制御膜31、31’を15nm形成する。次に、同一の成膜条件の下で、Cr第1下地膜32、32’、Cr−40at.%Mo第2下地膜33、33’を形成し、Co−17at.%Cr−10at.%Pt−4at.%Ta磁性膜34、34’を20nm順次成膜する。最後に、C保護層35、35’としてCを10nm形成した。このとき、Cr第1下地膜とCrMo第2下地膜との膜厚を変えて媒体を作製した。なお、作製した各媒体のCr第1下地膜とCrMo第2下地膜との膜厚は同じ厚さとした。
【0043】
図4は前述した本発明の第2の実施形態の媒体を測定した保磁力と媒体ノイズとの下地膜厚依存性を説明する図であり、以下、これについて説明する。図4(a)、図4(b)において、グラフの横軸はCr第1下地膜とCrMo第2下地膜との合計の膜厚(膜厚比1:1)[nm]、図4(a)の縦軸は保磁力Hc[kOe]、図4(b)の縦軸は媒体ノイズMediaNoise[a.u.]である。
【0044】
高密度での信号の書き込み能力を高めるためには、保磁力は少なくとも2.5kOe以上必要であり、同時に媒体ノイズは1.5a.u.以下であることが重要である。図4(a)、図4(b)の示すグラフから、下地膜の合計の厚さが10nmよりも薄くなると、保磁力が急激に低下し、媒体ノイズが増大することが判る。これは、下地膜があまりにも薄いため、結晶成長の初期の段階での欠陥が緩和されず、磁性膜にもその欠陥が影響を及ぼしていることに起因する。一方、下地膜の合計の厚さが100nmを超えると、媒体ノイズが著しく増大する。これは、下地膜の結晶粒径が肥大化し、これに伴い磁性膜の結晶粒径も大きく成長したためと考えられる。すなわち、下地膜の合計の厚さは10nm以上、100nm以下とする必要がある。
【0045】
図5は下地膜の合計の厚さを一定とした媒体を作製して測定した保磁力と媒体ノイズとの配向制御膜の膜厚依存性を説明する図であり、以下、これについて説明する。図5(a)、図5(b)において、グラフの横軸は配向制御膜の膜厚[nm]、図5(a)の縦軸は保磁力Hc[kOe]、図5(b)の縦軸は媒体ノイズMediaNoise[a.u.]である。
【0046】
図5に示す測定例は、下地膜の合計の厚さを10nmとして、Al−Co配向制御膜の厚さを変えた媒体作製して測定したものである。図5(a)、図5(b)に示すグラフから、配向制御膜の膜厚は5nm以上、50nm以下とする必要があると言える。
【0047】
なお、前述した本発明の第2の実施形態は、磁性膜にTaを4%添加した例を示したが、Taの代りに、TiあるいはNbを添加した場合にも同様な結果を得ることができた。
【0048】
さらに、比較例4として、外径95mmφのNi−PめっきAl合金基板上に、Cr第1下地膜とCr−40at.%Mo第2下地膜とを20nm、Co−17at.%Cr−10at.%Pt−4at.%Ta磁性膜を20nm順次形成した磁気記録媒体を作製し、この記録媒体と、本発明の実施形態のAlCo配向制御膜を設けた以外は同一構造の記録媒体とについて、熱揺らぎの観点から比較評価した結果について説明する。
【0049】
比較例4の媒体は、CrMo下地膜が(100)配向し、その上の磁性膜が(11.0)配向している。このような配向の媒体は、磁性膜の磁化容易軸が直行する2種類の磁性粒子が1つの下地膜結晶粒の上に成長している(バイクリスタル構造)。このような結晶成長が起こる理由は、下地膜の結晶粒子及び磁性膜の結晶粒子が共に正方形の結晶格子を作るためである。熱揺らぎの影響は、250kFCIの信号を記録し、96時間後の再生出力の減少率を比較することにより評価した。
【0050】
本発明の実施形態による磁気記録媒体は、再生出力の減少率が3%であったのに対して、比較例4の媒体は12%であった。バイクリスタル構造の媒体は、磁性膜の結晶粒径の分散が大きく、微細な結晶粒が多く存在するため、熱揺らぎの影響を受けやすい。一方、本発明の媒体は、図1に示したように、下地膜と磁性膜の結晶格子が長方形であるため、1つの下地膜の結晶粒子の上にはひとつの磁性膜粒子しか成長しない。このような理由により、本発明による磁気記録媒体は、熱揺らぎの影響を本質的に受け難いことが確認できた。
【0051】
また、前述した本発明の各実施形態による磁気記録媒体に対して、CrMo第2下地膜とCoCrPtTa磁性膜との間に、Co−35at.%Crからなる非磁性h.c.p.中間膜を設けたところ、再生出力の減少率を1.5%にまで低減することができた。
【0052】
次に、前述した本発明の第1、第2の実施形態による磁気記録媒体を使用する磁気記憶装置の実施形態について説明する。
【0053】
図6は磁気抵抗効果を利用した素子を備える磁気ヘッドの構造の一例を示す模式図、図7は磁気抵抗効果センサの構造例を示す図、図8はスピンバルブ型磁気抵抗効果センサの構造例を示す図、図9は磁気記憶装置の構造の一例を示す模式図である。図6〜図9において、61は記録磁極、62は磁極兼磁気シールド層、63はコイル、64は磁気抵抗効果素子、65は導体層、66は磁気シールド層、67はスライダ基体、71は磁気センサの信号検出領域、72はギャップ層、73は横バイアス層、74は分離層、75は磁気抵抗強磁性層、76はテーパー部、77は永久磁石層、78、80は電極、81は磁気センサの信号検出領域、82はギャップ層、83はバッファ層、84は第1の磁性層、85は中間層、86は第2の磁性層、87は反強磁性合金層、88はテーパー部、89は永久磁石層、91は磁気記録媒体、92は磁気記録媒体駆動部、93は磁気ヘッド、94は記録再生信号処理系、95は磁気ヘッド駆動部である。
【0054】
前述した本発明の実施形態1、2による磁気記録媒体は、図6に一例を示すような磁気抵抗効果を利用した再生専用のセンサを備える磁気ヘッドを用いることにより、その性能を充分に活かすことができる。
【0055】
図6に示すように、記録用磁気ヘッドは、一対の記録磁極61、62とそれに鎖交するコイル63からなる誘導型薄膜磁気ヘッドであり、記録磁極間のギャップ層厚は0.3μmとした。また、磁極62は、共に厚さ1μmの磁気シールド層66と対で、再生用の磁気ヘッドの磁気シールドも兼ねており、このシールド層間距離は0.25μmである。再生専用の磁気ヘッドは、磁気抵抗効果センサ64と、電極となる導体層65からなる磁気抵抗効果型ヘッドである。この磁気ヘッドは、磁気ヘッドスライダ基体67上に設けられている。なお、図6において、記録磁極間のギャップ層、及びシールド層と磁気抵抗効果センサとの間のギャップ層は省略してある。
【0056】
磁気抵抗効果センサ64は、その詳細な断面構造を図7に示すように、磁気センサの信号検出領域71と、その両側に連接するテーパー部76とにより構成されている。信号検出領域71は、酸化Alのギャップ層72の上に横バイアス層73、分離層74、磁気抵抗強磁性層75が順次形成された構造を有する。磁気抵抗強磁性層75には、20nmのNiFe合金を用いた。横バイアス層73には、25nmのNiFeNbを用いたが、NiFeRh等の比較的電気抵抗が高く、軟磁気特性の良好な強磁性合金であってもよい。
【0057】
横バイアス層73は、磁気抵抗強磁性層75を流れるセンス電流が作る磁界によって、この電流と垂直な膜面内方向(横方向)に磁化され、磁気抵抗強磁性層75に横方向のバイアス磁界を印加する。これにより、媒体からの漏洩磁界に対して、線形な再生出力を得ることのできる磁気センサとなる。磁気抵抗強磁性層75からのセンス電流の分流を防ぐ分離層74には、比較的電気抵抗が高いTaを用い、膜厚は5nmとした。信号検出領域71の両端に設けられるテーパー形状に加工されたテーパー部76は、磁気抵抗強磁性層75を単磁区化するための永久磁石層77と、その上に形成された信号を取り出すための一対の電極78とにより構成される。永久磁石層97は、保磁力が高く、磁化方向が容易に変化しないことが重要であり、CoCr、CoCrPt合金等が用いられる。
【0058】
また、磁気抵抗効果センサ64として、図8に示すようなスピンバルブ型を用いることができ、この場合、より大きな再生出力を得ることができる。図8に示す磁気抵抗効果センサ64は、磁気センサの信号検出領域81と、その両側に連接するテーパー部88とにより構成されている。磁気センサの信号検出領域81は、酸化Alのギャップ層82の上に5nmのTaバッファ層83、7nmの第1の磁性層84、1.5nmのCu中間層85、3nmの第2の磁性層86、10nmのFe−50at%Mn反強磁性合金層87が順次形成された構造を有する。第1の磁性層84には、Ni−20at%Fe合金を用い、第2の磁性層86にはCoを用いた。第2の磁性層86は、反強磁性合金層87からの交換磁界により磁化され一方向に固定されている。これに対し、第2の磁性層86と非磁性の中間層85を介して接する第1の磁性層84の磁化の方向は、磁気記録媒体からの漏洩磁界により変化する。
【0059】
前述したような2つの磁性層の磁化の相対的な方向の変化に伴い、3つの膜全体の抵抗に変化が生じる。この現象は、スピンバルブ効果と呼ばれ、本発明の実施形態による磁気記憶装置は、磁気抵抗効果センサにこの効果を利用したスピンバルブ型磁気ヘッドを用いた。なお、永久磁石層89と電極80とからなるテーパー部88は、図7に示した通常の磁気抵抗効果センサと同様である。
【0060】
本発明の実施形態による磁気記憶装置の一例は、図9(a)にその上面を、図9(b)図9(a)のAA’線断面を示すように構成されている。
【0061】
すなわち、磁気記憶装置は、面内磁気記録媒体91が、面内磁気記録媒体駆動部92に連結されている保持具によって保持され、面内磁気記録媒体91のそれぞれの面に対向して、図6により説明した磁気ヘッド93が配置されている。磁気ヘッド93は、浮上高さ0.05μm以下で安定低浮上させられ、さらに0.5μm以下のヘッド位置決め精度で所望のトラックに磁気ヘッド駆動部95により駆動される。
【0062】
磁気ヘッド93によって再生した信号は、記録再生信号処理系94によって波形処理される。記録再生信号処理系は、増幅器、アナログ等化器、ADコンバータ、ディジタル等化器、最尤復号器等により構成される。磁気抵抗効果を利用したヘッドの再生波形は、ヘッドの特性により信号の正と負との大きさが非対称となったり、記録再生系の周波数特性の影響を受けたりして、記録した信号とは異なった信号に読み誤られることがある。アナログ等化器は、再生波形を整えて、これを修復する機能を有する。この修復された波形を持つ信号は、ADコンバータを通してディジタル変換され、ディジタル等化器によってさらに波形が整えられる。最後に、この修復された信号は、最尤復号器によって、最も確からしいデータに復調される。
【0063】
本発明の実施形態による磁気記憶装置は、前述した構成の再生信号処理系によって、極めて低いエラーレートで信号の記録再生を行うことができる。なお、等化器や最尤復号器は既存のものを用いてよい。
【0064】
本発明の実施形態による磁気記憶装置は、以上の装置構成を備えることにより、1平方インチ当りの記録密度が3ギガビット以上に対応することができ、従来の磁気記憶装置に比べ3倍以上の記憶容量を持った高密度磁気記憶装置を実現することができた。また、記録再生信号処理系から最尤復号器を取り除き、従来の波形弁別回路に変えた場合にも従来に比べ2倍以上の記憶容量を持った磁気記憶装置を実現することができた。
【0065】
前述した本発明の実施形態は、ディスク状の磁気記録媒体とそれを用いた磁気記憶装置についての例として説明したが、本発明は、片面のみに磁性層を有するテープ状、カード状の磁気記録媒体、及び、それら磁気記録媒体を用いた磁気記憶装置にも適用することができる。
【0066】
さらに、本発明は、磁気記録媒体の作製方法に関して、DCマグネトロンスパッタリング法に限らず、ECRスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法、真空蒸着法、プラズマCVD法、塗布法、メッキ法等の他の手法を用いることもできる。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、基板上に少なくともB2(CsCl)構造を有する配向制御膜を設け、この上にCrからなる第1下地膜、Cr、Nb、Mo、Ta、W、Tiから選ばれた少なくとも1種の元素を含み、かつ、Crからなる第1下地膜よりも大きな格子定数を有する第2下地膜を設けた後、Coを主成分とする磁性膜を形成することにより、高保磁力、低ノイズでしかも熱揺らぎの影響の小さな磁気記録媒体を実現することができる。
【0068】
また、本発明による磁気記録媒体と磁気抵抗効果を利用した再生専用の素子を有する磁気ヘッドとを組み合わせることによって、1平方インチあたり3ギガビット以上の記録密度を有する磁気記憶装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気記録媒体の下地膜と磁性膜とのエピタキシャル関係を説明する図である。
【図2】従来技術による磁気記録媒体の下地膜と磁性膜とのエピタキシャル関係を説明する図である。
【図3】本発明の一実施形態による内面磁気記録媒体の断面構造を示す図である。
【図4】保磁力と媒体ノイズとの下地膜厚依存性を説明する図である。
【図5】下地膜の合計の厚さを一定とした媒体を作製して測定した保磁力と媒体ノイズとの配向制御膜の膜厚依存性を説明する図である。
【図6】磁気抵抗効果を利用した素子を備える磁気ヘッドの構造の一例を示す模式図である。
【図7】磁気抵抗効果センサの構造例を示す図である。
【図8】スピンバルブ型磁気抵抗効果センサの構造例を示す図である。
【図9】磁気記憶装置の構造の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
30 基板
31、31’ 配向制御膜
32、32’ Cr第1下地膜
33、33’ 第2下地膜
34、34’ Co合金磁性膜
35、35’ 保護膜
61 記録磁極
62 磁極兼磁気シールド層
63 コイル
64 磁気抵抗効果素子
65 導体層
66 磁気シールド層
67 スライダ基体
71、81 磁気センサの信号検出領域
72、82 ギャップ層
73 横バイアス層
74 分離層
75 磁気抵抗強磁性層
76、88 テーパー部
77、89 永久磁石層
78、80 電極
83 バッファ層
84 第1の磁性層
85 中間層
86 第2の磁性層
87 反強磁性合金層
91 磁気記録媒体
92 磁気記録媒体駆動部
93 磁気ヘッド
94 記録再生信号処理系
95 磁気ヘッド駆動部

Claims (5)

  1. 基板上に設けられた少なくともB2(CsCl)構造を有する配向制御膜と、この上に順次設けられたCrからなる第1下地膜と、Cr、Nb、Mo、Ta、W、Tiから選ばれた少なくとも1種の元素を含み、かつ、Crからなる前記第1下地膜よりも大きな格子定数を有する第2下地膜と、Coを主成分とする磁性膜とを有することを特徴とする面内磁気記録媒体。
  2. 前記磁性膜の結晶配向性をX線回折により測定したとき、前記基板と平行な面において、h.c.p.構造の(10.0)は検出されるが、h.c.p.構造の(11.0)は検出されないことを特徴とする請求項1記載の面内磁気記録媒体。
  3. 前記第2下地膜と磁性膜との間に、Coに少なくともCrを25at.%以上を添加した材料からなる中間膜を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の面内磁気記録媒体。
  4. 磁気記録媒体と、該磁気記録媒体を記録方向に駆動する駆動部と、記録部と再生部からなる磁気ヘッドと、該磁気ヘッドを前記磁気記録媒体に対して相対的に運動させる手段と、記録再生信号処理手段とを含む磁気記憶装置において、前記磁気記録媒体が、請求項1、2または3記載の面内磁気記録媒体であることを特徴とする磁気記憶装置。
  5. 前記磁気ヘッドの再生ヘッド部が、磁気抵抗効果型の素子で構成されたことを特徴とする請求項4記載の磁気記憶装置。
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