JP3664989B2 - 中心対称電圧を有する調整可能なバイアスガンマ訂正回路 - Google Patents
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本発明は、ガンマ訂正回路に関する。より詳しくは、本発明は中心対称電圧を有する調整可能バイアスガンマ訂正回路を得るために、ガンマ訂正回路にバリスタ、トランジスタ、またはオペアンプを用いることに関する。
【0002】
アクティブマトリクス液晶ディスプレイ(AM−LCD)システムにおいては、液晶の透過率と印加した電圧との関係を表す特性曲線は、図1に示されるように、非線形曲線である。図2に示されるような、人間の目に最適な視覚効果を与えるような、液晶の透過率とコード番号との間の線形特性、すなわち特殊関係曲線を得るためには、駆動電圧とコード番号との間の関係を定めなければならない。図3に示されるような、すべてのコード番号が特定の駆動電圧にマップ化された曲線は、ガンマ曲線と呼ばれる。
【0003】
AM−LCDシステムにおいては、ガンマ訂正回路の主な機能は、コード番号を対応する駆動電圧に変換ためにガンマ曲線を参照することであり、それにより駆動電圧をAM−LCDシステムの液晶に印加することができる。ガンマ曲線を用いることにより、LCDの輝度、階調、コントラスト、カラーパフォーマンスを調整することができる。故に、ガンマ訂正回路によって定められるガンマ曲線は、LCDのカラー品質にとって極めて重要である。
【0004】
一般に、ガンマ訂正回路から印加される基準駆動電圧の数が多いほど、ガンマ曲線の近似を取るときの誤差は少なくなる。ディスプレイのハイカラー品質を満たすためには8ビットデータのコード番号が256必要である。256のコード番号、とは、ディスプレイが256階調を表示できるという意味である。調整回路によって256の基準電圧源が与えられるのが最も望ましいが、それは不可能である。さらに、ネマチック液晶はAC駆動特性を持つため、プラスの256基準電圧とマイナスの256基準電圧との、512駆動電圧がガンマ訂正回路に与えられる必要がある。図4は、従来のガンマ訂正回路を示す。直列に接続された複数の抵抗(R1〜Rm)に、2種類(Vn,Vn−1)の電圧が印加されている。抵抗値を調整することにより、各ノードでは2つの電圧(Vn,Vn−1)の間の駆動電圧(Vr1〜VRm−1)がそれぞれ得られる。図1に示されるように、各ノードはバッファに接続され、故にバッファの出力が駆動電圧である。このように、直列接続された抵抗の分割電圧を用いることにより、入力電圧を減少することができる。
【0005】
図5に示されるように、AC駆動回路では、2つの入力基準電圧端子(Vcc,VGnd)に、複数の直列に接続された対称的な抵抗(R1〜Rm)が接続され、2つの抵抗(Rm)の開放端は互いに結合されて、中心電圧ノードを構成している。このように、ガンマ訂正回路は中心電圧((Vcc+VGnd)/2)および中心電圧を基準にして対称的な駆動電圧(+V1,−V1,+V2,−V2〜+Vm−1,−Vm−1)を有する。従来のガンマ訂正回路でも、駆動電圧を得ることはかなり容易に行える。しかし、直列に接続される抵抗の1つに変化があると、すべての駆動電圧が影響を受けるため、調整を要するような対称駆動電圧および中心電圧を得るのはかなり難しい。さらに、非対称な駆動電圧は画像のちらつき現象を起こし、画像品質を劣化させる。
【0006】
ディスプレイのハイカラー品質の要件を満たすためには、正確なガンマ曲線を得る必要がある。ガンマ曲線の近似をとるためには、駆動基準電圧の数を増やす必要がある。故に、最低数の電圧源を用いながら最大限に調整可能な駆動基準電圧を発生することができるガンマ訂正回路が求められる。
【0007】
よって、本発明の目的は、中心対称電圧を有する調整可能バイアスガンマ訂正回路を提供することである。本発明では、ガンマ訂正回路にバリスタ、トランジスタ、またはオペアンプを用いることにより、中心電圧を基準とする、複数のプラス及びマイナスの対称的な駆動電圧を得る。
【0008】
本発明の他の目的は、中心対称電圧を有する調整可能バイアスガンマ訂正回路を提供することである。本発明を利用することにより、ガンマ訂正回路は最低数の電圧源で、最大限に調整可能な駆動電圧を発生することができる。
【0009】
本発明のすべてのアスペクトにおいて、本発明は、複数の対称分割電圧ユニットを備え、各対称分割電圧ユニットにおいては、第1の抵抗、抵抗値制御回路、第2の抵抗が第1の入力端子と第2の入力端子との間に直列に接続され、抵抗値制御回路の第1端は第1のバッファの入力端に接続され、抵抗値制御回路の第2端は第2のバッファの入力端に接続され、第1のバッファの出力端と第2のバッファの出力端とはそれぞれプラスの駆動電圧とマイナスの駆動電圧とを対で発生し、各対称分割電圧ユニットの第1のバッファの出力と第2のバッファの出力とは、それぞれ第1の電圧と第2の電圧に接続される次段の対称分割電圧ユニットの第1の入力端子と第2の入力端子に接続されることを特徴とする、調整可能バイアスガンマ訂正回路を提供する。
【0010】
また本発明のすべてのアスペクトにおいて、本発明は、複数の対称分割電圧ユニットを備え、各対称分割電圧ユニットにおいては、入力端子と第1の電圧との間に接続されるドローイング端子を有するバリスタと 自己のプラス入力端に接続されるドローイング端子と自己の出力端に接続されるマイナス入力端とを有する第1の増幅器と、第1の増幅器のマイナス入力端と自己のマイナス入力端との間に接続される第1の抵抗と自己のマイナス入力端と出力端との間に接続される第2の抵抗とを有する第2の増幅器と、第1および第2の増幅器の各出力からそれぞれ一対のプラスの駆動電圧とマイナスの駆動電圧を生成するために第2の増幅器のプラス入力端に接続される中心電圧と、を備えている。各対称分割電圧ユニットの第1の増幅器の出力は、次段の入力端子に接続され、第1の入力端子は第2の電圧に接続されることを特徴とする、調整可能バイアスガンマ訂正回路を提供する。
【0011】
上に述べた本発明のアスペクトと、それに伴う効果は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することにより、より理解が深まり、より容易に認識できるようになる。
【0012】
図6は、本発明の第1の実施例によるガンマ訂正回路を概略的に示す図である。このガンマ訂正回路の接続関係を以下に説明する。
【0013】
ガンマ訂正回路は、複数の対称分割電圧ユニット10から成る。第1の対称分割電圧ユニット10では、抵抗(R1)、バリスタ(VR1)、および抵抗(R1)が、それぞれ電圧源(Vcc,VGnd)に接続される2つの入力端子間に直列に接続されている。バリスタ(VR1)の両端には、それぞれ2つのバッファ20、30が接続され、電圧をバリスタ(VR1)の両端から出力している。さらに、次段の対称分割電圧ユニットの入力端子は、前段のバッファの2つの出力端子に接続されている。このように、本発明の第1の実施例のガンマ訂正回路は、第1の対称分割電圧ユニット10,第2の対称分割電圧ユニット、・・・、第Nの対称分割電圧ユニットを備えて完成される。
【0014】
図6に示されるとおり、このガンマ訂正回路の中心電圧は(Vcc+VGnd)/2であるのは明らかである。第1の対称分割電圧ユニット10では、2つの抵抗が同じ抵抗値を有するため、+V1(プラスの駆動電圧)および−V1(マイナスの駆動電圧)で表される2つのバッファ20および30の出力は、バリスタ(VR1)がどのように調整されようとも、中心電圧を基準にして対称となる。同様に、前述したとおり、他の対称分割電圧ユニットは、対称的な順次減少プラス駆動電圧(+V2〜+VN)および順次増加マイナス駆動電圧(−V2〜−VN)を発生することができる。それぞれの対称分割電圧ユニットのバリスタの抵抗値を調整することにより、すべてのプラス駆動電圧(+V2〜+VN)およびマイナス駆動電圧(−V2〜−VN)を較正して得ることができ、またプラス及びマイナスの駆動電圧の対は、中心電圧を基準に対称となる。さらに、バリスタを調整しても、中心電圧がシフトすることがない。またさらに、対称分割電圧ユニットの数を増やすことにより、ガンマ訂正回路の駆動電圧をガンマ曲線に近づけることができる。
【0015】
図7は、本発明の第2の実施例のガンマ訂正回路を概略的に示す図である。このガンマ訂正回路の接続関係を以下に説明する。
【0016】
ガンマ訂正回路は、複数の対称分割電圧ユニット40から成る。第1の対称分割電圧ユニット40では、抵抗(R1)と、電界効果トランジスタ(FET)(T1)のソース及びドレインと、抵抗(R1)とが、それぞれが電圧源(Vcc,VGnd)に接続される2つの入力端子間に直列に接続される。FET(T1)のソース及びドレインにはそれぞれ2つのバッファ50、60が接続され、ソース端子及びドレイン端子から電圧を出力させている。さらに、次段の対称分割電圧ユニットの2つの入力端子は、前段のバッファの2つの出力端に接続されている。このように、本発明の第2の実施例のガンマ訂正回路は、第1の対称分割電圧ユニット40,第2の対称分割電圧ユニット、・・・、第Nの対称分割電圧ユニットを有し、完成する。
【0017】
図7に示すように、それぞれの対称分割電圧ユニットのFETは、ソース端子とドレイン端子との間に内部抵抗を有するものとして扱うことができ、内部抵抗の抵抗値はFETのゲート電圧を調整することによって制御できる。第1の実施例と同様に、すべて対称分割電圧ユニットは、対称的な順次減少プラス駆動電圧(+V1〜+VN)および順次増加マイナス駆動電圧(−V1〜−VN)を発生することができる。ゲート電圧を調整し、調整された内部抵抗を得ることにより、すべてのプラス駆動電圧(+V1〜+VN)およびマイナス駆動電圧(−V1〜−VN)を較正して得ることができ、またプラス及びマイナスの駆動電圧の対は、中心電圧を基準に対称となる。
【0018】
図8は、本発明の第3の実施例のガンマ訂正回路を概略的に示す図である。このガンマ訂正回路の接続関係を以下に説明する。
【0019】
ガンマ訂正回路は、複数の対称分割電圧ユニット70から成る。各対称分割電圧ユニット70は同じ接続構成であり、ドローイング端子を有するバリスタ、同じ抵抗値を有する2つの抵抗、および2つのオペアンプを備える。第1の対称分割電圧ユニット70のバリスタ(VR1)は、電圧源(Vcc,VGnd)に接続される入力端子の間に接続されている。第1のオペアンプ80のプラス入力端はバリスタ(VR1)のドローイング端子に接続され、マイナス入力端は第1のオペアンプ80の出力端に接続される。中心電圧(Vcom)は第2のオペアンプ90のプラス入力端に接続され、抵抗(R1)が第1のオペアンプ80と、第2のオペアンプ90の2つのマイナス入力端の間に接続され、他の抵抗(R1)が第2のオペアンプ90のマイナス入力端と出力端との間に接続される。さらに、次段の対称分割電圧ユニットの入力端子は前段の第1のオペアンプの出力端に接続される。このように、本発明の第3の実施例のガンマ訂正回路は第1の対称分割電圧ユニット70、第2の対称分割電圧ユニット、・・・、および第Nの対称分割電圧ユニットを有し、完成する。
【0020】
図8に示されるとおり、このガンマ訂正回路の中心電圧がVcomであるのは明らかである。第1の対称分割電圧ユニット70では、2つの抵抗が同じ抵抗値を有するため、+V1(プラスの駆動電圧)および−V1(マイナスの駆動電圧)で表される2つのオペアンプ80および90の出力は、バリスタ(VR1)がどのように調整されようとも、中心電圧を基準として対称となる。同様に、前述したとおり、他の対称分割電圧ユニットは、対称的な順次減少プラス駆動電圧(+V2〜+VN)および順次増加マイナス駆動電圧(−V2〜−VN)を発生することができる。それぞれの対称分割電圧ユニットのバリスタのドローイング端子の位置を調整することにより、すべてのプラス駆動電圧(+V2〜+VN)およびマイナス駆動電圧(−V2〜−VN)を較正して得ることができ、またプラス及びマイナスの駆動電圧の対は、中心電圧(Vcom)を基準に対称となる。さらに、バリスタを調整しても、中心電圧(Vcom)がシフトすることがない。またさらに、対称分割電圧ユニットの数を増やすことにより、ガンマ訂正回路の駆動電圧をガンマ曲線に近づけることができる。
【0021】
図9は、本発明の第4の実施例のガンマ訂正回路を概略的に示す図である。このガンマ訂正回路の接続関係を以下に説明する。
【0022】
第4の実施例と第3の実施例との違いは、各対称分割電圧ユニット100のバリスタが入力端子と電圧源(Vcc)の間に接続されていることである。第1の対称分割電圧ユニット100では、入力端子は接地されている。第4の実施例では、+V1(プラスの駆動電圧)および−V1(マイナスの駆動電圧)で表される2つの増幅器110および120の出力端は、中心電圧(Vcom)を基準にして対称である。同様に、他の対称分割電圧ユニットは、対称的な順次増加プラス駆動電圧(+V2〜+VN)および順次減少マイナス駆動電圧(−V2〜−VN)を発生することができる。さらに、第4の実施例と第3の実施例の出力の違いは、第3の実施例では対称分割電圧ユニットのプラスの駆動電圧が次段の対称分割電圧ユニットのものより高いのに対して、第4の実施例では対称分割電圧ユニットのプラスの駆動電圧が次段の対称分割電圧ユニットのものより低い、ということである。
【0023】
このように、本発明は、中心対称電圧を有する調整可能バイアスガンマ訂正回路と提供できるという効果がある。本発明では、バリスタ、トランジスタ、またはオペアンプをガンマ訂正回路に備えることにより、中心電圧を基準にして順次変化する複数のプラスおよびマイナスの対称分割電圧を得ることができる。
【0024】
さらに本発明は、中心対称電圧を有する調整可能バイアスガンマ訂正回路を提供できるという効果がある。本発明を用いることにより、ガンマ訂正回路は最低数の電圧源を用いながら最大限に調整可能な駆動電圧を発生することができる。
【0025】
前述した本発明の好適な実施例は、発明を限定するものではなく、発明を説明するためのものであることは、当業者には理解できよう。添付の請求項の範囲内で様々な変更や同様の構成を成すことが可能であり、このような修正を加えたり、同様の構成を成すために、添付の請求項は、最も広い範囲で解釈されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶の透過率と、印加した駆動電圧とを示す図。
【図2】液晶の透過率とコード番号が直線的な関係にある場合を示す図。
【図3】液晶の透過率とコード番号のガンマ曲線を示す図。
【図4】固定比率抵抗を有する従来のガンマ訂正回路を概略的に示す図。
【図5】AC駆動システムで用いられる従来のガンマ訂正回路を概略的に示す図。
【図6】ガンマ訂正回路の第1の実施例を概略的に示す図。
【図7】ガンマ訂正回路の第2の実施例を概略的に示す図。
【図8】ガンマ訂正回路の第3の実施例を概略的に示す図。
【図9】ガンマ訂正回路の第4の実施例を概略的に示す図。
Claims (1)
- 中心電圧を基準とする複数のプラスおよびマイナスの駆動電圧を発生するための調整可能バイアスガンマ訂正回路であって、
複数の対称分割電圧ユニットを備え、各対称分割電圧ユニットにおいては、ある抵抗値を有する第1の抵抗、バリスタ、前記抵抗値を有する第2の抵抗が第1の入力端子と第2の入力端子との間に直列に接続され、前記バリスタの第1端は第1のバッファの入力端に接続され、前記バリスタの第2端は第2のバッファの入力端に接続され、前記第1のバッファの出力端と前記第2のバッファの出力端とはそれぞれ前記プラスの駆動電圧と前記マイナスの駆動電圧とを対で発生し、各対称分割電圧ユニットの前記第1のバッファの出力と前記第2のバッファの出力とは、それぞれ後続の対称分割電圧ユニットの第1の入力端子と第2の入力端子に接続され、前記対称分割電圧ユニットの初段の前記第1の入力端子と前記第2の入力端子とはそれぞれ第1の電圧源と第2の電圧源とに接続されることを特徴とする、調整可能バイアスガンマ訂正回路。
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