JP3664948B2 - 硬貨処理機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、投入された硬貨を判別計数した後、真の硬貨を収納するとともに、収納した硬貨を例えば釣り銭用として使用する硬貨処理機に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、コンビニエンスストア等で様々な情報を流す情報端末が配置されるようになってきている。この情報端末は、単に情報のみを提供するのではなく、商品の購入も可能になっている。このような商品購入のため、投入された硬貨を判別計数した後、真の硬貨を金種別に選別収納するとともに、収納した硬貨を例えば釣り銭用として使用する硬貨処理機が、情報端末に付設されて用いられるようになってきている。
【0003】
そして、本出願人は、このような情報端末への付設に最適な硬貨処理機について特許出願を行い、すでに開示されている(特開2000−20789号公報)。この硬貨処理機は、商品購入に当たって硬貨を投入すると、その後、投入された硬貨の選別を行い入金金額を確認することになるが、この間の時間の短縮化を図ることにより、商品購入に要する時間を短縮できる優れたものとなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の硬貨処理機では、収納した硬貨を出金させる際に搬送する機構として、複数の棚部が等ピッチで形成された無端ベルトを機体の前後方向において傾斜配置させ該無端ベルトを回転させることで棚部で硬貨を載置させながら昇降させるベルトコンベア方式が考えられていた。しかしながら、このように無端ベルトを傾斜させるベルトコンベア方式では、機体の前後方向における長さが無端ベルトの傾斜のために長くなってしまう。一方で上記の硬貨処理機は、その主たる設置場所がコンビニエンスストア等であることから、機体のコンパクト化がさらに要求されており、この点でさらなる改善を行う必要性が生じてきている。
【0005】
本発明は、機体のさらなるコンパクト化を図ることができる硬貨処理機の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1記載の硬貨処理機は、機体の上部に設けられ、機体外からの硬貨の投入を一枚ずつに規制しつつ受け入れる投入口と、該投入口より機体後方に向けて配置され、該投入口に投入された硬貨を一枚ずつ搬送する入金搬送手段と、該入金搬送手段における上流側に配置され、搬送される硬貨を判別する判別手段と、前記入金搬送手段における前記判別手段よりも下流側に配置され、該判別手段により偽硬貨と判別された硬貨を前記入金搬送手段から排除し機体前端部の出金口に導入させる排除手段と、前記入金搬送手段における前記排除手段よりも下流側に配置され、前記判別手段により真硬貨と判別された硬貨を金種選別する選別手段と、該選別手段の下側に配置され該選別手段により金種選別された硬貨を金種別に上部より収納する一方、収納した硬貨を下部より繰り出し可能な収納手段と、該収納手段から繰り出された硬貨を昇降可能な受入部材で受け取り該受入部材により前記出金口に搬送するエレベータ式の出金搬送手段と、を有し、前記出金搬送手段は、前記収納手段より繰り出された硬貨を前記入金搬送手段を介することなく前記出金口に導くとともに、前記受入部材から硬貨を受け入れて前記出金口に導く、機体前方かつ下方に向けて斜めに形成される第1通路部と該第1通路部の延長線上に配置されて前記出金口に通じる第2通路部とを有する出金案内通路と、該出金案内通路の前記第1通路部と前記第2通路部との間から分岐して下方に延びる回収分岐通路と、該回収分岐通路で案内された硬貨を収納する、前記受入部材の昇降範囲よりも前記出金口側に設けられた着脱可能な一括収納手段と、前記出金案内通路の硬貨を前記出金口と前記一括収納手段とに振り分ける出金振分手段とを有することを特徴としている。
【0007】
このように、硬貨を金種別に上部より収納する一方収納した硬貨を下部より繰り出し可能な収納手段から繰り出された硬貨を昇降移動させて出金口に搬送する出金搬送手段として、収納手段から繰り出された硬貨を受入部材で受け取るとともに該受入部材を昇降させるエレベータ式のものが用いられているため、機体の前後方向に傾斜させる必要がなく、また傾斜させるとしてもその角度を小さくできる。よって、機体の前後方向の長さを短くすることができる。
出金搬送手段は、収納手段より繰り出された硬貨を入金搬送手段を介することなく出金口に導くため、出金に要する時間を短縮することができる。
出金搬送手段は、出金の際には収納手段より繰り出された硬貨を入金搬送手段を介することなく出金案内通路から出金口に導くことになり、回収の際には収納手段より繰り出された硬貨を入金搬送手段を介することなく出金案内通路から出金振分手段で回収分岐通路を介して一括収納手段に導くことができる。
【0012】
本発明の請求項2記載の硬貨処理機は、請求項1記載のものに関して、前記排除手段で排除された硬貨を前記出金口に導く排除案内通路と、該排除案内通路から分岐する排除分岐通路と、該排除分岐通路で案内された硬貨を収納する一括収納手段と、前記排除案内通路の硬貨を前記出金口と前記一括収納手段とに振り分ける排除振分手段とを有することを特徴としている。
【0013】
これにより、排除手段で、判別手段により偽硬貨と判別された硬貨に加えて汚損硬貨と判別された硬貨をも入金搬送手段から排除すると、排除振分手段で、偽硬貨は排除案内通路のみを介して出金口に、汚損硬貨は排除案内通路および排除分岐通路を介して一括収納手段にそれぞれ振り分けることが可能となる。
【0014】
しかも、偽硬貨および汚損硬貨を排除手段で入金搬送手段から一旦は共通の排除案内通路に排除するため、入金搬送手段から偽硬貨と汚損硬貨とを別々に排除する場合に比して、排除のために必要な長さを短くでき、その結果、入金搬送手段の長さを短くすることができる。
【0015】
本発明の請求項3記載の硬貨処理機は、請求項1または2記載のものに関して、前記選別手段で金種別に選別した硬貨を、返却可能に一時貯留させることなく前記収納手段に収納することを特徴としている。
【0016】
このように、選別手段で金種別に選別した硬貨を、返却可能に一時貯留させることなく、収納手段に収納するため、一時貯留のための機構が不要となる。
【0017】
本発明の請求項4記載の硬貨処理機は、請求項1乃至3のいずれか一項記載のものに関して、前記出金搬送手段は、前記受入部材を鉛直に昇降させることを特徴としている。
【0018】
このように、出金搬送手段が、受入部材を鉛直に昇降させるため、機体の前後方向の長さを最小限にすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機を図面を参照して以下に説明する。この実施の形態に係る硬貨処理機は、投入された硬貨の真偽を判別するとともに真硬貨の正損を判別しさらに計数を行う。そして、判別結果に基づいて、偽硬貨と判別された硬貨(以下偽硬貨と称す)および判別不能硬貨を返却する一方、真硬貨と判別された硬貨(以下真硬貨と称す)のうち汚損硬貨と判別された硬貨(以下汚損硬貨と称す)および容量的に金種別収納が不可なオーバーフロー硬貨と判別された硬貨(以下オーバーフロー硬貨と称す)を一括収納し、さらに真硬貨と判別された硬貨のうち正硬貨と判別された硬貨であってオーバーフロー硬貨を除く硬貨(以下正硬貨と称す)を金種別に収納する。加えて、収納された正硬貨を出金時に使用する循環式のものである。なお、図1および図2における紙面左方向が機体における前側であり、以下における前後は機体における前後である。
【0020】
まず、図1および図2を参照して硬貨処理機の全体構成を説明する。
機体10の上部かつ前端部には機体10外から硬貨Cが投入される投入口11が形成されている。この投入口11は、機体10外からの硬貨Cの投入を一枚ずつに規制しつつ受け入れる。
投入口11より下側の機体10における前端部には、機体10内から機体10外に取り出し可能に硬貨Cを出金あるいは返却させるための出金口12が設けられている。
【0021】
投入口11の下部には、一枚ずつ連続的に投入口11に投入された硬貨Cを所定の間隔をあけて送り出す入金繰出部14が設けられている。
入金繰出部14の後側には、機体10の後方に向けて水平に配置され、投入口11に投入され入金繰出部14で繰り出された硬貨Cを一枚ずつ搬送する入金搬送部(入金搬送手段)15が設けられている。
【0022】
この入金搬送部15における硬貨搬送方向上流側(機体10における前側)には、該入金搬送部15で搬送される硬貨Cについて、その磁気的性質等から真偽を判別するとともに真硬貨の正損を判別しさらに計数を行う判別部(判別手段)16が配置されている。
【0023】
また、入金搬送部15における判別部16よりも硬貨搬送方向下流側(機体10における後側)には、判別部16の判別結果に基づき、偽硬貨、判別不能硬貨、オーバーフロー硬貨および汚損硬貨を入金搬送部15から排除する排除部(排除手段)18が配置されている。
この排除部18の下側には、該排除部18で排除された硬貨Cを振り分ける排除振分部19が設けられている。すなわち、この排除振分部19の機体10における前側に出金口12が設けられており、また、この排除振分部19の下方には、導入された硬貨Cを分類することなく一括して収納する一括収納金庫(一括収納手段)20が設けられている。この一括収納金庫20は、機体10に対し着脱可能とされている。
【0024】
入金搬送部15における排除部18よりも硬貨搬送方向下流側(機体10における後側)には、判別部16により真硬貨と判別された硬貨であって排除部18で排除されなかった正硬貨を金種選別し振り分ける選別部(選別手段)22が配置されている。
【0025】
選別部22の下側には、選別部22により金種選別された硬貨Cを金種別に収納する収納部(収納手段)23が設けられている。この収納部23は、各金種別の収納筒24a〜24fを有しており、各収納筒24a〜24fにおいて、選別部22からの硬貨Cを上部より収納する一方、収納した硬貨Cを下部より繰り出し可能とされている。なお、この構成により、選別部22で金種別に選別した硬貨Cは、出金口12に返却可能となるよう一時貯留させられることはなく、直接収納部23に収納される。
【0026】
収納部23の下側には、収納部23から繰り出された硬貨Cを案内する繰出案内通路26が設けられている。この繰出案内通路26は、収納部23から繰り出された硬貨Cのみを受け入れて案内する。
【0027】
そして、この繰出案内通路26と一括収納金庫20との間には、受皿部材(受入部材)27と受皿部材27を昇降させる昇降機構部28(図20参照)とを有する出金搬送部(出金搬送手段)29が設けられている。この出金搬送部29は、収納部23から繰り出された硬貨Cのみを所定の下部受取位置まで下降した受皿部材27で繰出案内通路26から受け取り、受け取った硬貨Cを所定の上部繰出位置まで受皿部材27を上昇させて出金口12に搬送する。ここで、出金搬送部29は、受皿部材27を鉛直方向に昇降させるようになっている。
【0028】
出金搬送部29の機体10における前側には、受皿部材27から受け入れた硬貨Cを出金口12と一括収納金庫20とに振り分ける出金振分部31が設けられている。
【0029】
次に、各部の構成および作動についてさらに詳細に説明する。
【0030】
「投入口」
図3に示すように、投入口11は、機体10の前端かつ上部から、後方かつ下方に向けて斜めに傾斜して延在しており、機体10における左右方向に軸線を延在させた姿勢で投入された硬貨Cの自重による移動を案内する。投入口11は、上記姿勢で投入された硬貨Cの一枚のみの通過が可能な断面積とされていて、その結果、使用者により硬貨Cが一枚ずつ投入されるようになっている。
【0031】
投入口11は、図4に示すように、その下部が、硬貨Cをその軸線方向における両側を挟むようにして互いの間に通過させる一対の形成板33,34の間に形成されており、一方の形成板34には、該形成板34を通って投入口11内に突出することにより投入口11を介しての機外からの硬貨Cの投入を規制する一方、投入口11内から引っ込むことで投入口11を介しての機外からの硬貨Cの投入を許容するストッパ35が設けられている。このストッパ35は、ラッチングソレノイド36で駆動される。
【0032】
さらに、投入口11には、ストッパ35よりも奥側位置に、投入口11内の所定位置における硬貨Cの有無を検出する投入口硬貨検出センサ38が設けられている。この投入口硬貨検出センサ38は、一対の形成板33,34にそれぞれ形成されたセンサ穴39を介して投入口11内に光を照射する発光素子38aと、該発光素子38aの照射光を投入口11を介して受光可能な受光素子38bとを有しており、受光素子38bの受光状態から硬貨Cの有無を検出する。
【0033】
ここで、一対の形成板33,34は、それぞれの下部が図4に示すように機体10の前方から見た状態で鉛直に対し45度より小さい所定角度で傾斜しており、その結果、投入口11も下部がこの角度で傾斜して硬貨Cをその径方向をこの所定角度に傾斜させた状態で通過させる。
【0034】
「入金繰出部」
図4に示すように、入金繰出部14は、投入口11を形成する一方の形成板33の下部と、他方の形成板34の下側に隣接配設されかつ前記一方の形成板33に当接する回転円盤41と、該回転円盤41を駆動する繰出モータ42と、該繰出モータ42を支持する支持板43とで構成されている。
【0035】
回転円盤41は、図3および図4に示すように、その軸線方向を形成板33に直交させた状態で該形成板33に当接配置されており、その結果、その軸線方向を投入口11で案内される硬貨Cの軸線方向に一致させている。
【0036】
回転円盤41には、軸線方向における形成板33側でありかつ径方向における外周側に、硬貨Cを収容可能な凹部45が、該回転円盤41の軸線を中心とした放射状に複数(具体的には4つ)形成されている。これら凹部45は、投入口11と同一平面に配置されており、形成板33とで画成される空間46が投入口11と同じ厚みを有している。これら凹部45は、図4に示すように機体10の前方から見た状態で投入口11と同じ所定角度で傾斜させられている。
【0037】
これら凹部45は、それぞれ、投入口11を介して投入された硬貨Cを一枚だけ、投入口11で案内されたままの姿勢(すなわち回転円盤41と中心軸線を平行させた状態)で受け入れ、収容可能となっている。
【0038】
この回転円盤41は、上部を機体10における前から後に移動させる方向に回転駆動されるようになっている。そして、投入口11側に凹部45を位置させる所定の回転位置において、投入口11を介して一枚ずつ投入された硬貨Cをその自重により凹部45に収容し貯留させる一方、機体10の後方側に凹部45を位置させる所定の回転位置において該凹部45に貯留させた硬貨Cをその自重により入金搬送部15に受け渡す。このとき、凹部45は、硬貨Cを回転円盤41と中心軸線を平行させた状態で径方向に繰り出す。
【0039】
ここで、回転円盤41の凹部45の回転方向における後側の外周部側には、回転方向における前側に若干突出する円弧部47が形成されており、この円弧部47により回転時の硬貨Cの凹部45からの抜け出しを規制するようになっている。他方、回転円盤41の凹部45の回転方向における前側は、半径方向にほぼ沿っており、硬貨Cの入金搬送部15への受け渡し時に硬貨Cの凹部45からの抜け出しを円滑にするようになっている。
【0040】
以上の入金繰出部14においては、繰出モータ42が駆動されて回転円盤41が回転した状態で、投入口11を通過した硬貨Cを一枚のみ上部所定位置に位置する凹部45に収納させ、該凹部45が機体10における後方に向くと、収納していた硬貨Cを入金搬送部15に繰り出す。この間に回転方向における次の凹部45に次の硬貨Cを一枚のみ収納させ、該凹部45においても機体10における後方に向くと、収納していた硬貨Cを入金搬送部15に繰り出す。このようにして、連続投入された硬貨Cを一枚ずつに分離し、隣り合う凹部45同士の間隔と回転円盤41の回転速度とで決められる間隔をあけながら硬貨Cを順次繰り出す。
【0041】
「入金搬送部」
入金搬送部15は、図3および図5に示すように、回転円盤41の軸線方向と平行に配置されて機体10における後方に延在する案内底板部49と、該案内底板部49に対し直交配置されて機体10における後方に延在する案内側板部50とを有する搬送案内部材51を有している。ここで、案内側板部50も、図5に示すように機体10の前方から見た状態で投入口11および凹部45と同じ所定角度で傾斜させられている。
【0042】
そして、案内底板部49は、回転円盤41の凹部45から繰り出された硬貨Cの径方向における外周部を接触させて案内することになり、案内側板部50は、その案内底板部49側の案内面52で、回転円盤41の凹部45から繰り出された硬貨Cの軸線方向(厚さ方向)における一の面部を接触させて案内することになる。すなわち、このようにして案内される硬貨Cも、機体10の前方から見た状態で投入口11および凹部45と同様、鉛直に対し45度より小さい所定角度で傾斜させられる。なお、硬貨Cをこのように傾斜状態で搬送するのではなく、鉛直に立てた状態で搬送してもよい。
【0043】
また、入金搬送部15は、案内側板部50の案内底板部49側に、搬送駆動部54を有している。この搬送駆動部54は、搬送案内部材51の一端入金繰出部14側に配置されたプーリ55と、該搬送案内部材51の他端側に配置されたプーリ56と、これらプーリ55,56に掛けられる無端の搬送ベルト57と、入金繰出部14側のプーリ55が装着されこれを回転駆動する搬送モータ58と、搬送モータ58を支持する板バネ59とを有している。
【0044】
プーリ56は、案内底板部49の延長面に対し直交する方向にその軸線を配置しており、このプーリ56は位置固定とされている。
他方、搬送モータ58もその駆動軸60に固定されたプーリ55の軸線を、基本的には、案内底板部49の延長面に対し直交する方向に配置している。
【0045】
これらプーリ55,56に掛けられた搬送ベルト57は、案内側板部50に対し所定の隙間をあけながら、案内側板部50の長さ方向においては基本的には平行に配置される。そして、搬送ベルト57は、硬貨Cの厚さ方向における他の面部に接触することにより硬貨Cを案内面52に摺接させながら移動させる。
そして、このようにして搬送される硬貨Cも、機体10の前方から見た状態で投入口11および凹部45と同じ所定角度で傾斜させられるため、入金搬送部15は、硬貨Cを鉛直に対し45度より小さい所定角度傾斜させた状態で搬送することになる。
【0046】
ここで、板バネ59は、搬送モータ58の上部に取り付けられており、案内側板部50側に延出するように配置された状態で、該延出先端において搬送案内部材51側に固定されている。その結果、搬送モータ58は、弾性変形可能な板バネ59により、プーリ55の案内面52に対する距離を変更可能に支持されている。しかも、搬送モータ58は、硬貨Cの搬送時に搬送ベルト57と案内面52との間に介在する硬貨Cによってプーリ55が案内面52から離間する方向に押圧され、その結果、弾性変形する板バネ59の付勢力でプーリ55を案内面52に近接させる方向に付勢される。
【0047】
以上の入金搬送部15では、搬送モータ58が駆動されると、搬送ベルト57が回転することにより、入金繰出部14から繰り出された硬貨Cを該搬送ベルト57が搬送案内部材51の案内面52に押し付けながらその摩擦力で搬送案内部材51に沿って移動させる。このとき、硬貨Cの下部外周面は案内底板部49で支持される。そして、入金繰出部14から繰り出された硬貨Cを搬送ベルト57が案内面52とで挟むことで、該硬貨Cが搬送ベルト57、プーリ55および搬送モータ58を介して板バネ59を変形させ、その結果、図5および図6に示すように、硬貨Cの板厚に応じて搬送ベルト57の入金繰出部14側と案内面52との間の距離が自動調整される。
【0048】
「排除部」
排除部18は、図7および図8に示すように、搬送案内部材51の案内側板部50に形成された開口部62と、該開口部62を閉塞可能な開閉板63とを有し、これらで構成されるゲート64が開閉することで入金搬送部15から硬貨Cを排除振分部19に案内するゲート式のものである。
【0049】
開閉板63は、その上部が搬送案内部材51の延在方向に平行な軸を中心に回動自在に支持されており、開口部62に嵌合しこれを閉塞可能となっている。そして、排除部18は、開閉板63を開口部62を開放させる方向に付勢するコイルバネ65と、該コイルバネ65の付勢力で開閉板63に常に当接させられるラッチングソレノイド(排除駆動手段)66とを有している。ラッチングソレノイド66は、開閉板63を、図7に示すように開口部62に嵌合させ案内側板部50の案内面52と同一平面を形成させる閉位置と、図8に示すように開口部62から下部を入金搬送部15に対し反対側に離間させ開口部62を開放させて該開口部62を排除振分部19に連通させる開位置との二位置に切り換える。
【0050】
さらに、排除部18は、入金搬送部15における硬貨搬送方向に関してゲート64と対応する位置に、入金搬送部15で搬送される硬貨Cをゲート64の方向に付勢するゲート方向付勢部材(ゲート方向付勢手段)68を有している。
【0051】
このゲート方向付勢部材68は、入金搬送部15における硬貨搬送方向上流側において位置が固定され同下流側がゲート64側に近接するように傾斜する合成樹脂製の板バネで、図7に示すように閉状態の開閉板63との間に介在する硬貨Cで案内面52に対し反対方向に弾性変形させられることで硬貨Cを案内面52の方向すなわちゲート64の方向に付勢する。
【0052】
そして、図8に示すように、ゲート64が開かれると、このゲート方向付勢部材68の付勢力で硬貨Cが確実にゲート64を通過し排除振分部19に落下させられるのである。なお、このとき硬貨Cは、入金搬送部15による搬送状態と同様、軸線を機体10における横方向に沿わせた姿勢で落下させられる。勿論、ゲート64が開かれなければ、ゲート方向付勢部材68は、図7に示すように自らの弾性変形することで硬貨Cの通過を許容する。なお、排除部18はゲート64を閉じた状態が待機状態とされる。
【0053】
「排除振分部」
排除振分部19は、図1および図9に示すように、排除部18で排除された硬貨Cを受け入れて該硬貨Cの自重により出金口12に導く排除案内通路70と、この排除案内通路70から分岐する排除分岐通路71と、排除案内通路70における排除分岐通路71の分岐位置に設けられ、硬貨Cを排除案内通路70から排除分岐通路71に導くことで一括収納金庫20に導入させる状態と、硬貨Cを排除案内通路70から排除分岐通路71に導かず出金口12に導入させる状態とに切り換えられ、その結果、硬貨Cを出金口12と一括収納金庫20とに振り分ける排除振分機構部(排除振分手段)72とを有している。
【0054】
排除案内通路70は、排除部18の下部から若干鉛直下方に延びた形状の第1通路部73と、該第1通路部73から機体10における前方かつ下方に斜めに傾斜して出金口12に通じる第2通路部74とを有しており、排除分岐通路71は、排除案内通路70の第1通路部73の下方延長線上に配置されて一括収納金庫20に通じている。
【0055】
ここで、排除案内通路70および排除分岐通路71には、上記した排除部18より、軸線を機体10における横方向に沿わせた姿勢で硬貨Cが落下させられる。このため、排除案内通路70および排除分岐通路71の機体10における左右方向の幅は、硬貨Cがこの方向に軸線を沿わせた姿勢での通過が可能であればよく、例えば、軸線方向の厚さが最大の硬貨Cの厚さよりも大きく最小径の硬貨Cの直径よりも小さい幅とされ、好ましくは一定幅とされる。
【0056】
排除振分機構部72は、排除案内通路70の第1通路部73と排除分岐通路71との境界部分であって、排除案内通路70の第2通路部74の底面74aの延長上に配設可能な振分板76と、該振分板76を機体10における横方向に移動させ前記境界部分に対し抜き差しするラッチングソレノイド(振分駆動手段)77とを有している。
【0057】
そして、ラッチングソレノイド77により振分板76を前記境界部分に挿入した状態においては、排除分岐通路71が閉塞され、排除部18から落下させられた硬貨Cは、その自重により排除案内通路70のみを通過して出金口12に落下させられる。
【0058】
他方、ラッチングソレノイド77により振分板76を前記境界部分から抜いた状態においては、排除案内通路70の第1通路部73と排除分岐通路71とが鉛直に沿って連通させられ、排除部18から落下させられた硬貨Cは、その自重により第1通路部73および排除分岐通路71を通過して一括収納金庫20に案内されることになる。勿論、このとき、落下する硬貨Cが第2通路部74に誤って案内されてしまうことはないように各部の形状が決められている。
【0059】
ここで、一括収納金庫20は、上部に排除分岐通路71から落下する硬貨Cを受け入れる受入開口部79が形成されており、該受入開口部79には、この一括収納金庫20の機体10からの取り出しに連動して閉作動し閉状態でロックされる一方、一括収納金庫20の機体10への装着に連動してロック解除され開作動する図示せぬシャッタが設けられている。さらに、機体10にはこの一括収納金庫20を機体10にロックする図示せぬロック装置が設けられ、別体のキーにより該ロック装置によるロックを解除するようになっている。
【0060】
「選別部」
選別部22は、図3に示すように、ゲート81が開閉することで入金搬送部15から収納部23に向け硬貨Cを案内するゲート式選別部82a,82bと、通過可能な硬貨径が機械的に決められた選別穴83で硬貨Cを選別して収納部23に向け案内する穴式選別部84c〜84fとを有している。そして、入金搬送部15による硬貨搬送方向における上流側にすべてのゲート式選別部82a,82bが配置され、入金搬送部15による硬貨搬送方向における下流側にすべての穴式選別部84c〜84fが配置されている。
【0061】
具体的には、入金搬送部15による硬貨搬送方向における最も上流側に、収納させる全金種の硬貨のうち最も軽量な硬貨用すなわち1円硬貨用のゲート式選別部82aが、該ゲート式選別部82aの下流側に隣り合って、収納させる全金種の硬貨のうち最も径差が小さい硬貨同士(5円硬貨および100円硬貨同士)のうちの片方用具体的には5円硬貨用のゲート式選別部82bが設けられている。
【0062】
また、このゲート式選別部82bの下流側に、収納させる全金種の硬貨のうち残りのすべての硬貨用の穴式選別部84c〜84fが、入金搬送部15による硬貨搬送方向における上流側から硬貨径の小さい順に配置されている。すなわち、ゲート式選別部82bの下流側に隣り合って50円硬貨用の穴式選別部84cが、該穴式選別部84cの下流側に隣り合って100円硬貨用の穴式選別部84dが、該穴式選別部84dの下流側に隣り合って10円硬貨用の穴式選別部84eが、該穴式選別部84eの下流側に隣り合って500円硬貨用の穴式選別部84fが、それぞれ設けられている。
【0063】
ゲート式選別部82a,82bは、それぞれ、図10および図11に示すように、排除部18と同様の構成をなしており、搬送案内部材51の案内側板部50に形成された開口部86と、開口部86を閉塞可能な開閉板87とを有し、これらで構成されるゲート81が開閉することで入金搬送部15から硬貨Cを収納部23に案内するものである。
【0064】
開閉板87は、その上部が搬送案内部材51の延在方向に平行な軸を中心に回動自在に支持されており、開口部86に嵌合しこれを閉塞可能となっている。さらに、ゲート式選別部82a,82bは、開閉板87を開口部86を開放させる方向に付勢するコイルバネ88と、該コイルバネ88の付勢力で開閉板87に常に当接させられるラッチングソレノイド(選別駆動手段)89とを有している。ラッチングソレノイド89は、開閉板87を、図10に示すように開口部86に嵌合させ案内側板部50の案内面52と同一平面を形成させる閉位置と、図11に示すように開口部86から下部を入金搬送部15に対し反対側に離間させ開口部86を開放させて該開口部86を収納部23に連通させる開位置との二位置に切り換えるラッチングソレノイド(選別駆動手段)89とを有している。
【0065】
さらに、選別部22は、入金搬送部15における硬貨搬送方向に関して各ゲート81と対応する位置に、それぞれ、入金搬送部15で搬送される硬貨Cをゲート81の方向に付勢するゲート方向付勢部材(ゲート方向付勢手段)91を有している。
【0066】
このゲート方向付勢部材91は、入金搬送部15における硬貨搬送方向上流側において位置が固定され同下流側がゲート81側に近接するように傾斜する合成樹脂製の板バネで、図10に示すように閉状態の開閉板87との間に介在する硬貨Cで案内面52に対し反対方向に弾性変形させられることで硬貨Cを案内面52の方向すなわちゲート81の方向に付勢する。
【0067】
そして、図11に示すように、ゲート81が開かれると、このゲート方向付勢部材91の付勢力でゲート81の位置にあった硬貨Cが確実にゲート81を通過し、金種別に設けられた案内通路67のうちの直下のものを介して収納部23に落下させられる。なお、このとき硬貨Cは、入金搬送部15による搬送状態と同様、軸線を機体10における横方向に沿わせた姿勢で落下させられるが、収納部23に達する前に案内通路67の図示略の案内部材で軸線を上下方向に沿わせるように姿勢を変更する。勿論、ゲート81が開かれなければ、ゲート方向付勢部材91は、図10に示すように自らの弾性変形することで硬貨Cの通過を許容する。
【0068】
このような構成のゲート式選別部において、1円硬貨用のゲート式選別部82aは、ゲート81を通過した硬貨Cを、その直下に対応配置された1円硬貨用の収納筒24aのみに落下させることになり、5円硬貨用のゲート式選別部82bは、ゲート81を通過した硬貨Cをその直下に対応配置された5円硬貨用の収納筒24bのみに落下させることになる。
【0069】
なお、以上においては、便宜上、ゲート式選別部82a,82bのそれぞれの構成を同一の符号で説明したが、選別する硬貨Cの径に応じて大きさ等は異なることになる。また、ゲート式選別部82a,82bはともにゲート81を閉じた状態が待機状態とされる。
【0070】
穴式選別部84c〜84fは、図3、図12および図13に示すように、それぞれ、搬送案内部材51の案内側板部50に形成された選別穴83を有しており、選別穴83を介して入金搬送部15から硬貨Cを収納部23に案内するものである。
【0071】
入金搬送部15による硬貨搬送方向における最も上流側の穴式選別部84cの選別穴83は、50円硬貨の外径以下の硬貨のみの通過を許容する穴径とされており、その下流側の穴式選別部84dの選別穴83は、100円硬貨の外径以下の硬貨のみの通過を許容する穴径とされており、その下流側の穴式選別部84eの選別穴83は、10円硬貨の外径以下の硬貨のみの通過を規制する穴径とされており、その下流側の穴式選別部84fの選別穴83は、500円硬貨の外径以下の硬貨のみの通過を許容する穴径とされている。
【0072】
さらに、選別部22は、入金搬送部15における硬貨搬送方向に関して選別穴83と対応する位置に、入金搬送部15で搬送される硬貨Cを選別穴83の方向に付勢する選別穴方向付勢部材(選別穴方向付勢手段)92を有している。
【0073】
この選別穴方向付勢部材92は、図10および図11に示すゲート方向付勢部材91と同様、入金搬送部15における硬貨搬送方向上流側において位置が固定され同下流側が選別穴92側に近接するように傾斜する合成樹脂製の板バネで、図12に示すように案内側板部50の案内面52との間に介在する硬貨Cで案内面52に対し反対方向に弾性変形させられることで硬貨Cを案内面52の方向すなわち選別穴83の方向に付勢する。
【0074】
そして、図13に示すように、選別穴83を通過可能な硬貨Cが選別穴83の位置に位置すると、この選別穴83に対応する選別穴方向付勢部材92の付勢力で硬貨Cが確実に選別穴83を通過し、金種別の案内通路67のうちの直下のものを介して収納部23に落下させられる。なお、このとき硬貨Cは、入金搬送部15による搬送状態と同様、軸線を機体10における横方向に沿わせた姿勢で落下させられるが、収納部23に達する前に案内通路67の図示案内部材で軸線を上下方向に沿わせるように姿勢を変更する。勿論、選別穴83を通過不可であれば、選別穴方向付勢部材92は、図12に示すように自らの弾性変形することで硬貨Cの通過を許容する。
【0075】
なお、以上においては、便宜上、穴式選別部84c〜84fのそれぞれの構成を同一の符号で説明したが、選別する硬貨Cの径に応じて選別穴83の大きさ等は異なることになる。
【0076】
このような構成の穴式選別部84c〜84fにおいて、50円硬貨用の穴式選別部84cは、該穴式選別部84cの選別穴83を通過した硬貨Cをその直下の50円硬貨用の収納筒24cのみに落下させることになり、100円硬貨用の穴式選別部84dは、該穴式選別部84dの選別穴83を通過した硬貨Cをその直下の100円硬貨用の収納筒24dのみに落下させることになり、10円硬貨用の穴式選別部84eは、該穴式選別部84eの選別穴83を通過した硬貨Cをその直下の10円硬貨用の収納筒24eのみに落下させることになり、500円硬貨用の穴式選別部84fは、該穴式選別部84fの選別穴83を通過した硬貨Cをその直下の500円硬貨用の収納筒24fのみに落下させることになる。
【0077】
「収納部」
収納部23は、図14に示すように、すべての上記した収納筒24a〜24fが内蔵されるとともに機体10に対し着脱可能な入出金庫94と、機体10に対し装填された入出金庫94から出金を行わせる出金部(図18参照)95とを有している。
【0078】
入出金庫94は、図14および図15に示すように、一側を中心に互いに回動可能に連結された箱体96および蓋体97を有しており、箱体96は直方体形状の箱の一の側面側が除かれた形状で、蓋体97はこの側面側を閉塞する形状をなしている。すなわち、蓋体97が箱体96に嵌合すると入出金庫94の内部を外部に対し閉塞させ、蓋体97が箱体96に対し離れるように回動すると入出金庫94の内部を外部に対し開放させる。
【0079】
箱体96には、一側に、入金され選別部22で金種選別された硬貨Cを通過させて内部に収納させる収納側開口部100が形成されており、逆側に、収納した硬貨Cを外部に繰り出し可能な繰出側開口部101が形成されている。具体的に、収納側開口部100は機体10への装填時に上側となる上板部102に、繰出側開口部101は機体10への装填時に下側となる下板部103に、それぞれ形成されている。
【0080】
入出金庫94には、一端側が収納側開口部100に連通可能とされるとともに他端側が繰出側開口部101に連通可能とされて、硬貨Cを軸線方向を上下にした状態で上下に集積させる上記した金種別の収納筒24a〜24fが、同一平面において互いに平行をなすように配列されている。すなわち、選別部22の選別の順序と同様、一側から順に、1円硬貨用の収納筒24a、5円硬貨用の収納筒24b、50円硬貨用の収納筒24c、100円硬貨用の収納筒24d、10円硬貨用の収納筒24e、500円硬貨用の収納筒24fが設けられている。
【0081】
各収納筒24a〜24fは、それぞれ、箱体96の底部104(図16参照)に取り付けられた第1部材105と、第1部材105に対し嵌脱自在で蓋体97に取り付けられた第2部材106とを有している。第1部材105は、収納側開口部100に近接連通する一端部および繰出側開口部101に近接連通する他端部がともに円筒状の円筒部107,108とされるとともに、これら円筒部107,108の間の中間部109が箱体96の底側に配置される半円筒状とされている。第2部材106は、蓋体97を箱体96に対し閉じた状態において第1部材105の中間部109に嵌合することで中間部109とで円筒状をなすとともに、蓋体97を箱体96に対し開いた状態で第1部材105の中間部109から離間して第1部材105内を開放する。
【0082】
そして、入出金庫94は、図16に示すように、箱体96の上板部102の内側と収納筒24a〜24fとの間に、収納側開口部100を開閉させるとともに収納側開口部100を全閉とした状態でロック可能なスライド開閉式の収納側シャッタ111が設けられており、箱体96の下板部103の内側と収納筒24a〜24fとの間にも繰出側開口部101を開閉させるとともに繰出側開口部101を全閉とした状態でロック可能なスライド開閉式の繰出側シャッタ112が設けられている。
【0083】
収納側開口部100は、箱体96の底部104側に偏って形成される一方、繰出側開口部101は、箱体96の底部104より離れた位置に形成されている。そして、収納側シャッタ111は、底部104側にスライドすることで収納側開口部100を閉じる一方、底部104から離れる方向にスライドすることで収納側開口部100を開くようになっている。逆に、繰出側シャッタ112は、底部104側にスライドすることで繰出側開口部101を開く一方、底部104から離れる方向にスライドすることで繰出側開口部101を閉じるようになっている。
【0084】
また、これら収納側シャッタ111および繰出側シャッタ112は、リンク機構114を介して連結されている。このリンク機構114は、リンクアーム115と、該リンクアーム115の一端側に取り付けられた第1連結軸116と、リンクアーム115の他端側に取り付けられた第2連結軸117と、リンクアーム115の中間位置に取り付けられた第3連結軸118と、リンクアーム115を付勢する図示せぬバネ部材とを有している。そして、第1連結軸116が、収納側シャッタ111に形成された長穴121に回転可能かつ若干底部104に沿って移動可能に連結されるとともに、第2連結軸117が、繰出側シャッタ112に形成された長穴122に回転可能かつ若干底部104に沿って移動可能に連結された状態で、第3連結軸118が箱体96に回動可能に連結される。なお、リンクアーム115の第1連結軸116と第3連結軸118との間には入力受部123が形成されている。
【0085】
これにより、リンク機構114のリンクアーム115が第3連結軸118を中心に回動することで、図16に示すように、収納側シャッタ111および繰出側シャッタ112を連動させて同時に閉状態としたり、図18に示すように、収納側シャッタ111および繰出側シャッタ112を連動させて同時に開状態としたりする。なお、図示せぬバネ部材は、収納側シャッタ111および繰出側シャッタ112を閉方向に付勢する。
【0086】
また、蓋体97には、図16および図19に示すように、閉状態の収納側シャッタ111の開方向移動側の当接片部125に当接して該収納側シャッタ111の開方向移動を規制するロック機構126が設けられている。このロック機構126は、一端側のロック部127において収納側シャッタ111の当接片部125に対し当接可能なロック部材128と、該ロック部材128の他端側を蓋体97に回動可能に連結させる連結軸129と、ロック部材128を付勢する図示せぬバネ部材とを有している。
【0087】
このロック機構126は、図19に二点鎖線で示すように、図示せぬバネ部材の付勢力でロック部材128がロック部127を当接片部125に近接させるように回動することで収納側シャッタ111を閉状態でロックすることになり、このように収納側シャッタ111が閉状態でロックされると、リンク機構114を介して連結された繰出側シャッタ112も閉状態でロックされることになる。他方、図19に実線で示すように、図示せぬバネ部材の付勢力に抗してロック部材128がロック部127を当接片部125から離間させるように回動することで収納側シャッタ111のロックを解除してその開作動を許容することになり、このように収納側シャッタ111がロック解除されると、リンク機構114を介して連結された繰出側シャッタ112もロック解除されて開作動が許容されることになる。
【0088】
機体10には、図17に示すように、入出金庫94が装填される装填部132が形成されており、該装填部132には、図17および図19に示すように、入出金庫94が装填される際に、該入出金庫94内に入り込んでその傾斜部133でロック部材128の中間部分を下方に押圧し該ロック部材128を図示せぬバネ部材の付勢力に抗して回動させ、その結果、ロック部材128による収納側シャッタ111および繰出側シャッタ112のロックを解除させるロック作動部材134が設けられている。
【0089】
このロック作動部材134は、逆に装填部132から入出金庫94を取り外す際には、入出金庫94から抜けることでロック部材128の中間部分の押圧を解除し該ロック部材128をバネ部材の付勢力で回動させ、ロック部材128により収納側シャッタ111および繰出側シャッタ112をロックさせる。
【0090】
また、装填部132には、図18に示すように、入出金庫94が装填される際に、該入出金庫94内に入り込んでその先端部でリンクアーム115の入力受部123に当接して該リンクアーム115を押圧し図示せぬバネ部材の付勢力に抗してこれを回動させて、収納側シャッタ111および繰出側シャッタ112を全開まで開作動させる開閉作動部材136が設けられている。
【0091】
この開閉作動部材136は、逆に装填部132から入出金庫94を取り外す際には、入出金庫94から抜けることでリンクアーム115への押圧を解除し該リンクアーム115を図示せぬバネ部材の付勢力で回動させ、収納側シャッタ111および繰出側シャッタ112を全閉まで閉作動させる。
【0092】
ここで、図17に示すように、入出金庫94の装填部132への装填時においては、ロック作動部材134による収納側シャッタ111および繰出側シャッタ112のロック解除が行われた後のタイミングで、開閉作動部材136が収納側シャッタ111および繰出側シャッタ112の開作動を開始するようになっており、逆に、入出金庫94の装填部132からの取り出し時においては、開閉作動部材136が収納側シャッタ111および繰出側シャッタ112を全閉としたタイミングで、ロック作動部材134による収納側シャッタ111および繰出側シャッタ112のロック作動を開始するようになっている。
【0093】
以上により、収納側シャッタ111および繰出側シャッタ112は、入出金庫94の機体10への装填に連動してロックが解除されかつ開状態とされる一方、入出金庫94の機体10からの取り出しに連動して閉状態とされかつロックされる。
【0094】
また、ロック作動部材134および開閉作動部材136は、入出金庫94の機体10への装填時に該入出金庫94に挿入されて収納側シャッタ111および繰出側シャッタ112をロック解除しかつ開状態とする一方、入出金庫94の取り出し時に該入出金庫94から引き抜かれて収納側シャッタ111および繰出側シャッタ112を閉状態としかつロックする。
【0095】
そして、装填部132に装填された状態において入出金庫94は、開放された収納側開口部100を介して選別部22からの硬貨Cを、収納筒24a〜24fの第1部材105に上部の円筒部107から受け入れて集積状態で収納させる。
【0096】
なお、図示は略すが、機体10には装填状態の入出金庫94を機体10にロックするロック装置が設けられ、別体のキーにより該ロック装置によるロックを解除するようになっている。また、図示は略すが、入出金庫94にも蓋体97を閉じた状態で箱体96にロックするロック装置が設けられ、別体のキーにより該ロック装置によるロックを解除するようになっている。
【0097】
ここで、機体10から取り外された状態の入出金庫94に対し硬貨Cを出し入れする場合は、例えば、図15に示すように、入出金庫94を円筒部108を下側として載置させ、蓋体97を箱体96に対し回動させて開くと、箱体96側の第1部材105から蓋体97側の第2部材106が離間し、第1部材105の中間部109を開放させる。これにより、この中間部109の開放部分から第1部材105に対し硬貨Cの出し入れが可能となり、中間部109の開放部分から例えば円筒部108さらには中間部109に集積される。他方、硬貨Cの出し入れが終了すると蓋体97を閉じることで第1部材105に第2部材106が嵌合し円筒状となる。その結果、持ち運んでも硬貨Cが脱落等することがなくなる。
【0098】
なお、図16に示すように各金種別収納筒24a〜24fと繰出側開口部101は一部を重ね合わせた状態で横方向に位置をずらしており、各金種別収納筒24a〜24fの下部(繰出側シャッタ112より上側)には、繰出側開口部101と重なり合わないように支持底板110が設けられている。そして、各金種別収納筒24a〜24fに集積された硬貨は、この支持底板110上に支持されることになる。
【0099】
また、蓋体97にロック部材128が取り付けられているため、蓋体97を箱体96に対し開くことでロック部材128が収納側シャッタ111から離れてロック機構126による収納側シャッタ111および繰出側シャッタ112のロックを解除することになる。よって、蓋体97を開いた後は、収納側シャッタ111および繰出側シャッタ112を手動で開いて、収納側開口部100および繰出側開口部101のいずれかから硬貨Cを出し入れすることも可能である。
【0100】
出金部95は、図18に示すように、選別部22から装填部132に装填された入出金庫94の各金種別収納筒24a〜24fからそれぞれ硬貨Cを一枚ずつ繰り出させる繰出作動部材137を有している。すなわち、繰出作動部材137は、それぞれ各金種別収納筒24a〜24fに対応して設けられており、金種別収納筒24a〜24fに側方から入り込んで該金種別収納筒24a〜24fに収納され支持底板110に支持された硬貨Cの最下の一枚を側方に押し出すことで該硬貨Cを繰出側開口部101から繰出案内通路26に落下させる。
【0101】
また、出金部95は、図1に示すように、入出金庫94の各金種別収納筒24a〜24fに導入される硬貨Cをそれぞれ検出する収納側硬貨検出センサ138と、入出金庫94の各金種別収納筒24a〜24fから繰り出される硬貨Cをそれぞれ検出する繰出側硬貨検出センサ139とを有している。さらに、出金部95は、図1および図18に示すように、各金種別収納筒24a〜24fのニアフルをそれぞれ検出するニアフルセンサ140およびニアエンドをそれぞれ検出するニアエンドセンサ141を有している。これらニアフルセンサ140およびニアエンドセンサ141は、各金種別収納筒24a〜24fに収納された硬貨Cに押された状態にあるか否かにより硬貨Cがあるか否かを検出する。
【0102】
「繰出案内通路」
繰出案内通路26は、図1に示すように、入出金庫94の直下位置に設けられ、入出金庫94の各金種別収納筒24a〜24fから繰り出され自重により落下する硬貨Cを一括して機体10における前方側に案内する。
【0103】
「出金搬送部」
出金搬送部29は、図20および図21に示すように、収納部23から繰り出され繰出案内通路26で案内される硬貨Cを受け取る上記した受皿部材27と、該受皿部材27を昇降させる昇降機構部28と、受皿部材27の機体10における前側に対向立設された案内壁144とを有している。
【0104】
昇降機構部28は、鉛直に配置されるとともに受皿部材27の機体10における後側のガイド穴145に挿通されるガイド軸146と、該ガイド軸146の上端および下端にほぼ隣り合ってそれぞれ配置されるプーリ147,148と、これらプーリ147,148に掛けられるとともに一部が受皿部材27に固定されるタイミングベルト149と、上部のプーリ147を駆動する昇降モータ150とを有している。
【0105】
すなわち、この昇降モータ150の駆動でプーリ147が回転すると、タイミングベルト149およびプーリ148も回転し、受皿部材27がガイド軸146に沿って昇降する。ここで、プーリ147の近傍位置には、所定の上部繰出位置まで上昇した受皿部材27を検出する上部位置検出センサ152が、プーリ148の近傍位置には、所定の下部受取位置まで下降した受皿部材27を検出する下部位置検出センサ153が、それぞれ設けられている。
【0106】
受皿部材27は、機体10における前側(一側)を下方にするよう傾斜形成された底部153を有しており、この底部153の下方傾斜側以外の横方向(すなわち機体10における左側、右側および後側)のみに落下防止壁154が立設され、その結果、底部153の下方傾斜側は、機体10における前側に開口する開口部155とされている。また、底部153の下方傾斜側すなわち開口部155側となる受皿部材27の先端部には、先方に突出する凸部157が間隔をあけて複数形成されており、その結果、これら凸部157の隣り合うもの同士の間に凹部158が形成されている。
【0107】
案内壁144は、受皿部材27の底部153の下方傾斜側であって、該受皿部材27の開口部155を閉塞させ硬貨Cの底部153からの落下を規制する位置に、対向状態で鉛直に立設されている。すなわち、受皿部材27は、この案内壁144で開口部155が閉塞された状態で該案内壁144に沿って昇降し、案内壁144から外れる上部繰出位置で開口部155が開放されることにより底部153の下方傾斜側に硬貨Cを自重により自然落下させ、機体10における前側に配置された出金振分部31に導入させる。
【0108】
ここで、案内壁144には、受皿部材27の凹部158に入り込む凸部160が間隔をあけて、受皿部材27の昇降全範囲にわたり形成されており、その結果、これら凸部160の隣り合うもの同士の間に、受皿部材27の凸部157を入り込ませる凹部161が、受皿部材27の昇降全範囲にわたり形成されている。すなわち、受皿部材27および案内壁144は、互いに嵌合する凹凸形状とされている。
【0109】
この出金搬送部29は、図20に実線で示すように、繰出案内通路26を介して収納部23から繰り出された硬貨Cを、下部受取位置にあって開口部155が案内壁144で閉塞された受皿部材27において受け取る。そして、受皿部材27を上昇させると、上昇中は、案内壁144で開口部155が閉塞されて硬貨Cの落下が防止される。そして、図20に二点鎖線で示すように、案内壁144がなくなる上部繰出位置に位置すると、受皿部材27の開口部155が開放され、案内壁144の上部から前方すなわち出金振分部31に硬貨Cを底部153の傾斜で自然落下させる。なお、出金搬送部29は、受皿部材27が下部受取位置にある状態を待機状態としている。
【0110】
「出金振分部」
出金振分部31は、図20および図22に示すように、案内壁144の上端部位置から機体10における前方かつ下方に斜めに形成されることにより出金口12に通じ、出金搬送部29から受け入れた硬貨Cを出金口12に導く出金案内通路163と、該出金案内通路163の中間位置から下方に分岐する回収分岐通路164と、出金案内通路163の硬貨Cを出金口12と一括収納金庫20とに振り分ける出金振分機構部(出金振分手段)165とを有している。ここで、この出金振分部31を介することで出金搬送部29は、収納部23より繰り出された硬貨Cを入金搬送部15を介することなく出金口12に導くようになっている。
【0111】
出金案内通路163は、案内壁144の上端部位置から機体10における前方かつ下方に斜めに形成される第1通路部167と、該第1通路部167の延長線上に配置されて出金口12に通じる第2通路部168とを有しており、回収分岐通路164は、これら第1通路部167および第2通路部168の間から鉛直下方に延びて一括収納金庫20に通じている。
【0112】
ここで、出金案内通路163および回収分岐通路164には、出金搬送部29から多種多量の硬貨Cが一括して投入されるため、これらの機体10における横方向の幅は、排除案内通路70および排除分岐通路71の幅より大きくされている。
【0113】
出金振分機構部165は、出金案内通路163の第1通路部167および第2通路部168の間であって、出金案内通路163と回収分岐通路164の境界部分に振分板170を有している。この振分板170は、第2通路部168側の端部が機体10における左右方向に延在する軸部171で回動可能に支持されている。該振分板170は、図示せぬラッチングソレノイド(振分駆動手段)で第1通路部167の底面167aおよび第2通路部168の底面168aの延長上に配置されることにより第1通路部167および第2通路部168を連通させかつ回収分岐通路164を閉塞させる出金状態(図20に実線で示す状態)と、第2通路部168の底面168aに対し立ち上がって、第2通路部168を閉塞させるとともに第1通路部167と回収分岐通路164とを連通させる回収状態(図20に二点鎖線で示す状態)とに切り換えられる。
【0114】
ここで、上記出金状態において出金搬送部29の受皿部材27から落下させられる硬貨Cは、その自重により出金案内通路163のみを通過して出金口12に落下させられる。なお、この出金状態が出金振分機構部165の待機状態となっている。
【0115】
他方、上記回収状態において出金搬送部29の受皿部材27から落下させられる硬貨Cは、その自重により出金案内通路163の第1通路部167から回収分岐通路164を通過して一括収納金庫20に落下させられる。
【0116】
ここで、一括収納金庫20は、その受入開口部79において、排除振分部19の排除分岐通路71から落下する硬貨Cを通過させるとともに、出金振分部31の回収分岐通路164から落下する硬貨Cをも通過させて内部に収納させる。
同様に出金口12は、排除振分部19の排除案内通路70から落下する硬貨Cを受け入れるとともに、出金振分部31の出金案内通路163から落下する硬貨Cをも受け入れる。
【0117】
次に、以上のような構成の硬貨処理機の全体的な作動を各処理別に説明する。
「入金処理」
この硬貨処理機に接続されたマルチメディア端末等の図示せぬ上位機に入金金額が入力されると、これを受けて入金処理を行う(図23の太線矢印参照)。
すなわち、使用者により、硬貨Cが投入口11に投入されると、図示せぬ制御部は、投入口硬貨検出センサ38による硬貨Cの検出に基づいて、入金繰出部14の繰出モータ42と入金搬送部15の搬送モータ58とを駆動状態とする。すると、投入口11に投入された入金すべき硬貨Cが、入金繰出部14の回転する回転円盤41の凹部45に順次一枚ずつ収容され、所定の間隔をあけて入金搬送部15に一枚ずつ繰り出される。
【0118】
このように入金繰出部14から一枚ずつ繰り出された硬貨Cは、入金搬送部15の回転する搬送ベルト57で、搬送案内部材51で案内されながら機体10の後方に向け搬送される。この入金搬送部15による搬送中に、上流側の判別部16で硬貨Cの判別および金種別計数を行わせ、この判別結果に基づいて、該判別部16より下流側の排除部18で偽硬貨、判別不能硬貨、オーバーフロー硬貨および汚損硬貨を排除させる。なお、偽硬貨と判別した場合あるいは判別不能硬貨であった場合、判別部16はこの硬貨を計数の対象とはせず、他方、オーバーフロー硬貨あるいは汚損硬貨と判別した場合、判別部16はこの硬貨を計数の対象とする。
【0119】
具体的に、制御部は、偽硬貨、判別不能硬貨、オーバーフロー硬貨および汚損硬貨を、待機状態にあった排除部18のゲート64を対象硬貨が位置を合わせている状態においてのみ開放させることにより、ゲート方向付勢部材68で付勢して入金搬送部15から排除振分部19の排除案内通路70に落下させる。そして、判別部16の判別結果からこの落下させる硬貨Cが偽硬貨または判別不能硬貨である場合、この硬貨Cを、排除振分部19の振分板76を排除案内通路70に挿入することで排除案内通路70の第1通路部73および第2通路部74を介して出金口12に落下させる(図23の太破線矢印参照)。他方、判別部16の判別結果からこの落下させる硬貨Cがオーバーフロー硬貨または汚損硬貨である場合、この硬貨Cを、排除振分部19の振分板76を排除案内通路70から待避させることにより排除案内通路70の第1通路部73および排除分岐通路71を介して一括収納金庫20に落下させる(図23の太一点鎖線矢印参照)。なお、オーバーフロー硬貨は、収納部23に収納しきれない金種の正硬貨であるため、当然のことながら、そのときの収納部23の収納状態によってかわるものである。
【0120】
一方、排除部18で排除されなかった正硬貨を、入金搬送部15でさらに後方に向け搬送させる。そして、この搬送中に、選別部22が、硬貨Cを各金種に応じて選別する(図23太実線矢印参照)。
【0121】
すなわち、正硬貨が1円硬貨であった場合、待機状態にあったゲート式選別部82aのゲート81を、この1円硬貨のみが位置を一致させている状態において開放させることにより、この1円硬貨をゲート方向付勢部材91で付勢してこのゲート81を通過させ、収納部23の収納筒24aに収納させる。
また、正硬貨が5円硬貨であった場合、待機状態にあったゲート式選別部82bのゲート81を、この5円硬貨のみが位置を一致させている状態において開放させることにより、この5円硬貨をゲート方向付勢部材91で付勢してこのゲート81を通過させ、収納部23の収納筒24bに収納させる。
【0122】
さらに、正硬貨が50円硬貨であった場合、この50円硬貨を、ゲート方向付勢部材92で付勢して穴式選別部84cの選別穴83に通過させ、収納部23の収納筒24cに収納させる。
さらに、正硬貨が100円硬貨であった場合、この100円硬貨を、ゲート方向付勢部材92で付勢して穴式選別部84dの選別穴83に通過させ、収納部23の収納筒24dに収納させる。
【0123】
さらに、正硬貨が10円硬貨であった場合、この10円硬貨を、ゲート方向付勢部材92で付勢して穴式選別部84eの選別穴83に通過させ、収納部23の収納筒24eに収納させる。
さらに、正硬貨が500円硬貨であった場合、この500円硬貨を、ゲート方向付勢部材92で付勢して穴式選別部84fの選別穴83に通過させ、収納部23の収納筒24fに収納させる。
【0124】
そして、制御部は、判別部16により、今回の入金処理中、真硬貨と判定した硬貨Cの金種別の判別および計数結果に基づいて収納部23に収納された入金金額を算出し、図示せぬ表示部に表示させる。なお、紙幣の入出金を行う紙幣処理機が連結されている場合、該紙幣処理機の入金金額と合わせた入金金額を表示部に表示させる。
【0125】
使用者は、表示部に表示された入金金額から、該入金金額を了承する操作を図示せぬ操作部の確定ボタンで入力させ、または、該入金金額を了承せず取り引きを中止させる操作を図示せぬ操作部のキャンセルボタンで入力させることになり、確定ボタンおよびキャンセルボタンのいずれか一方へ入力がなされ、この入力を受けると制御部は入金処理を終了させる。
【0126】
なお、上記入金処理の最中に、出金口12に排除硬貨が排除されると、使用者は、出金口12から取り出した排除硬貨を必要に応じて投入口11に再投入させる。なお、このように投入口11に再投入させられた硬貨Cは、入金処理が終了する前であれば、当該入金処理の中で再度判別および選別が行われることになる。
【0127】
また、マルチメディア端末等の上位機から出力された入金金額が判別部16の判別結果に基づく入金金額より多い場合には、確定ボタンに入力がなされても制御部はこれを受け入れず入金処理は終了させない。そして、表示部に入金硬貨の追加投入を促す表示を行わせる。これにより、使用者が追加の硬貨を必要に応じて投入口11に追加投入する。なお、このように投入口11に追加投入された硬貨Cは、入金処理を終了する前であるので、当該入金処理の中で判別および選別が行われることになる。
【0128】
なお、キャンセルボタンへ入力がなされた場合は、入金硬貨と同額の硬貨Cを後述する出金処理と同様にして出金させることで対応する。
【0129】
「出金処理」
上記入金処理の最後に、入金金額を了承する操作が図示せぬ操作部の確定ボタンで入力されると、マルチメディア端末等の上位機から出力された入金金額が、入金処理時における判別部16の判別結果に基づく入金金額より少ない場合であって差額に硬貨分が含まれる場合、制御部は、差額の硬貨分を出金させる出金処理を実行する。
【0130】
すなわち、制御部は、収納部23の金種別の収納筒24a〜24fの必要金種のものから必要枚数の硬貨Cのみを繰出側硬貨検出センサ139で計数しつつ一枚ずつ繰り出させる。すると、これら収納筒24a〜24fから繰り出された硬貨Cが繰出案内通路26を介して、待機状態にある出金搬送部29の下部受取位置にあって案内壁144で開口部155が閉塞された状態にある受皿部材27に硬貨Cが貯留される。
【0131】
そして、制御部は、繰出側硬貨検出センサ139の検出結果から、収納部23により正しい数量の硬貨Cが繰り出されたと判定すると、最後の硬貨Cが繰出側硬貨検出センサ139で検出された後、確実に受皿部材27に至るタイミングで、昇降モータ150を駆動して受皿部材27を上昇させる。そして、受皿部材27は案内壁144で開口部155が閉塞された状態で上昇し、案内壁144の上端部より上側の上部繰出位置に位置する若干手前から該上部繰出位置に位置するまでのタイミングで、開口部155が開放されて底部153の傾斜で硬貨Cを出金振分部31に繰り出す。すると、出金振分部31は、待機状態にある出金振分機構部165の振分板170ですべての硬貨Cを出金口12に出金させる(図24の太実線矢印参照)。
【0132】
ここで、制御部は、繰出側硬貨検出センサ139の検出結果から、収納部23により正しい数量の硬貨Cが繰り出されていないと判定すると、最後の硬貨Cが繰出側硬貨検出センサ139で検出された後、確実に受皿部材27に至るタイミングで、昇降モータ150を駆動させて受皿部材27を上昇させるとともに、出金振分部31の待機状態にある出金振分機構部165の振分板170を回動させて回収状態とする。そして、受皿部材27は案内壁144で開口部155が閉塞された状態で上昇し、案内壁144の上端部より上側の上部繰出位置に位置する若干手前から該上部繰出位置に位置するまでのタイミングで、開口部155が開放されて底部153の傾斜で硬貨Cを出金振分部31に繰り出す。すると、出金振分部31は、回収状態にある出金振分機構部165の振分板170ですべての硬貨Cを一括回収金庫20に回収する(図25の太実線矢印参照)。そして、その後、出金振分機構部165を待機状態に戻してから出金処理を最初からやり直す。
【0133】
以上のように出金処理においては、受皿部材27に出金硬貨を一時貯留させ、出金可の場合、出金口12に搬送する一方、出金不可の場合、一括収納金庫20に収納させるのである。
【0134】
「装填処理」
収納部23の収納筒24a〜26fのいずれかがニアエンドセンサ141により硬貨不足の状態を検知されると、制御部は、表示部にその旨を表示させることになる。すると、店員が、入出金庫94を、硬貨Cが予め充填された入出金庫94と交換する。
【0135】
なお、店員が不足金種の硬貨Cを投入口11から投入し入金処理と同様にして収納部23の硬貨不足を解消させるようにする装填処理も可能となっている(図23の太実線矢印参照)。
【0136】
「回収処理」
機体10から入出金庫94および一括収納金庫20を取り出すことで機体10内のすべての硬貨Cを回収する。
【0137】
なお、以下のようにして、入出金庫94の硬貨Cをすべて一括収納金庫20に収納させて回収することも可能である。
すなわち、図示せぬ操作部の回収ボタンに指示入力がなされると、制御部は、収納部23のすべての収納筒24a〜24fからすべての硬貨Cを繰り出させ、出金搬送部29で出金振分部31に搬送する。このとき、出金振分部31の出金振分機構部165の振分板170を回動させて回収状態とする。そして、受皿部材27は案内壁144で開口部155が閉塞された状態で上昇し、案内壁144の上端部より上側の上部繰出位置に位置する若干手前から該上部繰出位置に位置するまでのタイミングで、開口部155が開放されて底部153の傾斜で硬貨Cを出金振分部31に繰り出す。すると、出金振分部31は、回収状態にある出金振分機構部165の振分板170ですべての硬貨Cを一括回収金庫20に回収する(図25の太実線矢印参照)。このようにして、収納部23のすべての硬貨Cを一括回収金庫20に回収する。なお、受皿部材27により搬送可能な量を超えて硬貨Cを回収する場合は、当然のことながら、搬送可能な量ずつの複数回に分けて搬送することになる。
【0138】
以上に述べた硬貨処理機によれば、以下の効果を奏することができる。
硬貨Cを金種別に上部より収納する一方収納した硬貨Cを下部より繰り出し可能な収納部23から繰り出された硬貨Cを昇降移動させて出金口12に搬送する出金搬送部29として、収納部23から繰り出された硬貨Cを受皿部材27で受け取るとともに該受皿部材27を昇降させるいわゆるエレベータ方式のものが用いられているため、これを機体10の前後方向に傾斜させる必要がなく、また傾斜させるとしてもその角度を小さくできる。よって、機体10の前後方向の長さを短くすることができる。したがって、機体10のさらなるコンパクト化を図ることができる。
【0139】
出金搬送部29は、収納部23より繰り出された硬貨Cを入金搬送部15を介することなく出金口12に導くため、出金に要する時間を短縮することができる。
出金搬送部29は、一括回収金庫20に硬貨を一括投入させて回収する場合、収納部23より繰り出された硬貨Cを入金搬送部15を介することなく出金案内通路163から出金振分機構部165で回収分岐通路164を介して一括収納金庫20に導くことができる。したがって、このように回収する場合に回収に要する時間を短縮することができる。
【0140】
排除部18で、判別部16により偽硬貨と判別された硬貨に加えて汚損硬貨と判別された硬貨Cをも入金搬送部15から排除すると、排除振分機構部165で、偽硬貨は排除案内通路70のみを介して出金口12に、汚損硬貨は排除案内通路70および排除分岐通路71を介して一括収納金庫20にそれぞれ振り分けることが可能となる。したがって、汚損硬貨を再使用せずに収納することができる。
【0141】
偽硬貨および汚損硬貨を排除部18で入金搬送部15から一旦は共通の排除案内通路70に排除するため、入金搬送部15から偽硬貨と汚損硬貨とを別々に排除する場合に比して、排除のために必要な長さを短くでき、その結果、入金搬送部15の長さを短くすることができる。
【0142】
選別部22で金種別に選別した硬貨Cを、返却可能に一時貯留させることなく収納部23に収納させるため、一時貯留のための機構が不要となる。したがって、機体10を一層コンパクトにすることができる。
【0143】
出金搬送部29が、受皿部材27を鉛直に昇降させるため、機体10の前後方向の長さを最小限にすることができる。したがって、機体10をより一層コンパクトにすることができる。
【0144】
入金された硬貨Cを一側の収納側開口部100より収納する一方、収納した硬貨Cを逆側の繰出側開口部101より繰り出し可能な入出金庫94を有し、この入出金庫94が機体10に対し着脱可能とされているため、この入出金庫94を機体10から取り外すことで硬貨Cを回収でき、これに換えて、予め所定量の硬貨Cが充填された入出金庫94を装填するのみで硬貨Cを充填できる。したがって、硬貨Cの回収および充填に要する時間を短縮することができる。
【0145】
入出金庫94が、収納側開口部100を開閉させるとともに全閉状態でロック可能な収納側シャッタ111と、繰出側開口部101を開閉させるとともに全閉状態でロック可能な繰出側シャッタ112とを有しているため、硬貨Cの回収のため機体10外に取り出された状態にあったり、硬貨Cの充填のため機体10外に準備された状態にあったりしても、収納側開口部100を全閉状態で収納側シャッタ111をロックでき、繰出側開口部101を全閉状態で繰出側シャッタ112をロックできるため、保安上の問題が生じることを防止できる。
【0146】
入出金庫94を機体から取り出すと、これに連動して収納側シャッタ111および繰出側シャッタ112が閉状態とされかつロックされるため、これら収納側シャッタ111および繰出側シャッタ112を閉じ忘れたり、ロックし忘れたりすることを防止できる。また、入出金庫94を機体10へ装填させると、これに連動して収納側シャッタ111および繰出側シャッタ112のロックが解除されかつ開状態とされるため、これら収納側シャッタ111および繰出側シャッタ112を開き忘れたり、ロック解除し忘れたりすることを防止できる。
【0147】
機体10に設けられた開閉作動部材136および繰出作動部材137が、入出金庫94の機体10への装填時に該入出金庫94に挿入されて収納側シャッタ111および繰出側シャッタ112のロックを解除しかつ開状態とする一方、入出金庫94の機体10からの取り出し時に該入出金庫94から引き抜かれて収納側シャッタ111および繰出側シャッタ112を閉状態としかつロックするため、収納側シャッタ111および繰出側シャッタ112の開閉およびロック・ロック解除を機械的に行うことができる。したがって、寿命の短い電気部品の使用を抑えることができる。
【0148】
収納側シャッタ111および繰出側シャッタ112は、互いにリンク機構114を介して連結され、互いに連動して開作動するとともに互いに連動して閉作動するため、これらの開閉のための機構を簡素にできる。
【0149】
入出金庫94が、硬貨Cを集積させる金種別の収納筒24a〜24fを有するため、硬貨Cを金種別に効率よく収納することができ、その結果、入出金庫94自体をコンパクトにできる。
【0150】
収納筒24a〜24fにおいて、第2部材106を取り外した状態で第1部材105に硬貨Cを充填させる際に、例えば第1部材105の繰出側開口部101側の円筒部108を下側にすると、該円筒部108は円筒状をなしているので硬貨Cをその全周を案内して良好に集積させることができる。また、機体10に装填された状態で収納側開口部100から硬貨を受け入れる円筒部107が円筒状をなしているため、機体10内で収納側開口部100を介して硬貨Cを収納させる際に、分割面等の引っ掛かりがなく、硬貨Cをその全周を案内して良好に集積させることができる。
【0151】
投入口11に硬貨Cを立て続けに投入しても、回転円盤41の所定の回転位置にある凹部45に硬貨Cが一枚のみ入り込み、この凹部45が他の所定の回転位置に位置すると凹部45から硬貨Cが一枚のみ入金搬送部15に受け渡されることになる。よって、投入された硬貨Cの間隔を良好にあけることができる。したがって、投入の後の判別や選別等を良好に行うことができる。しかも、凹部45が形成された回転円盤41を回転させるのみであるため、簡素かつコンパクトにできる。
【0152】
回転円盤41は、凹部45に対し硬貨Cを自重により入出させるため、硬貨Cを繰り出すための駆動源が不要となる。したがって、さらに簡素かつコンパクトにできる。
【0153】
凹部45が、硬貨Cを、回転円盤41と中心軸線を平行させた状態で径方向に入出させるものであるため、回転円盤41および硬貨Cの厚さ方向を一致させることができ、その結果、回転円盤41の回転に伴う硬貨Cの移動に必要なスペースを最小限にすることができる。したがって、さらに簡素かつコンパクトにできる。
【0154】
回転円盤41に凹部45が放射状に複数形成されているため、凹部45を一つ有するものに比して回転円盤41の回転速度を小さくでき、静粛性を向上させることができる。
【0155】
入金搬送部15の搬送モータ58は、硬貨Cを案内する案内面52に対するプーリ55の距離を変更可能に支持されており、かつ該プーリ55を案内面52に近接させる方向に付勢されているため、硬貨Cの厚さが厚い場合は該硬貨Cによりプーリ55を案内面52から遠ざけ、硬貨Cの厚さが薄い場合は該硬貨Cによりプーリ55を案内面52に近づけることになる。したがって、プーリ55と案内面52との間を硬貨Cの厚さに応じた間隔に自動的にできる。
【0156】
搬送モータ58を支持する板バネ59がプーリ55を案内面52に近接させる方向に付勢するため、付勢のための構造を簡素にできる。
【0157】
真硬貨を金種別に選別し入金搬送部15から振り分ける選別部22が、ゲート81が開閉することで入金搬送部15から収納部23に向け硬貨Cを案内するゲート式選別部と、通過可能な硬貨径が決められた選別穴83で硬貨Cを選別して収納部23に向け案内する穴式選別部とを組み合わせている。具体的には、最軽量の1円硬貨用のゲート式選別部82aと、硬貨同士の径差が最小の5円硬貨および100円硬貨のうちの5円硬貨用のゲート式選別部82bとが設けられるとともに、50円硬貨用の穴式選別部84cと、100円硬貨用の穴式選別部84dと、10円硬貨用の穴式選別部84eと、500円硬貨用の穴式選別部84fとが設けられている。このため、選別穴83による選別では誤選別を生じやすい金種の硬貨Cについてはゲート式選別部82a,82bで確実に選別し、選別穴83による選別で誤選別を生じにくい金種の硬貨Cについては穴式選別部84c〜84fで選別することが可能となる。したがって、コスト増を最小限に抑えた上で、金種選別を確実に行うことが可能となる。
【0158】
入金搬送部15による硬貨搬送方向における上流側にすべてのゲート式選別部82a,82bが配置され、入金搬送部15による硬貨搬送方向における下流側にすべての穴式選別部84c〜84fが配置されているため、誤選別を生じやすい最も軽量な硬貨および最も径差が小さい硬貨同士のうちの片方の硬貨を、金種の硬貨を上流側のゲート式選別部82a,82bで確実に選別してしまってから、残りの金種の硬貨を下流側の穴式選別部84c〜84fで選別することになる。したがって、金種選別をより確実に行うことができる。
【0159】
入金搬送部15で傾斜状態で搬送される硬貨Cがゲート方向付勢部材91でゲート81の方向に付勢されるため、ゲート81が開作動すると、ゲート方向付勢部材91で硬貨Cが確実に開状態のゲート81を通過して選別されることになる。同様に、入金搬送部15で傾斜状態で搬送される硬貨Cが対応する選別穴83に達すると選別穴83の方向に選別穴方向付勢部材92で付勢されるため、該選別穴83を確実に通過して選別されることになる。したがって、入金搬送部15の横方向の幅を小さくするため入金搬送部15で硬貨Cを傾斜状態で搬送させる際においても、金種選別をより確実に行うことができる。なお、入金搬送部15の幅を小さくするため、上記のように入金搬送部15で硬貨Cを傾斜状態で搬送すると、誤選別を生じやすい硬貨Cがさらに顕著に誤選別を生じることになるため、ゲート方向付勢部材91および選別穴方向付勢部材92を設けることによって、金種選別を確実に行うことができるという効果がより顕著となる。
【0160】
出金搬送部29は、受皿部材27が一側を下方にするよう傾斜形成された底部153を有しており、受皿部材27の底部153の下方傾斜側に硬貨Cの該底部153からの落下を規制するよう対向立設された案内壁144を有していて、該案内壁144に沿って受皿部材27を昇降させるため、受皿部材27は案内壁144で案内されて昇降している状態では硬貨Cを収納しており、案内壁144から外れる位置で底部153の下方傾斜側に硬貨Cを自重により自然落下させることになる。したがって、受皿部材27を昇降させる機構を採用することによって機体10のさらなるコンパクト化に対応した上で、受皿部材27を回転させる機構を不要とすることで機構を簡素化できる。
【0161】
受皿部材27の底部153の下方傾斜側以外の横方向に落下防止壁154が立設されているため、硬貨Cを落下させることなく確実に昇降させることができる。
【0162】
受皿部材27および案内壁144が、互いに嵌合する凹凸形状とされているため、受皿部材27と案内壁144との間の隙間の中の直線部分を減らすことができ、この隙間に硬貨Cが挟まったり、この隙間から硬貨Cが落下してしまったりすることを防止できる。
【0163】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載の硬貨処理機によれば、硬貨を金種別に上部より収納する一方収納した硬貨を下部より繰り出し可能な収納手段から繰り出された硬貨を昇降移動させて出金口に搬送する出金搬送手段として、収納手段から繰り出された硬貨を受入部材で受け取るとともに該受入部材を昇降させるエレベータ式のものが用いられているため、機体の前後方向に傾斜させる必要がなく、また傾斜させるとしてもその角度を小さくできる。よって、機体の前後方向の長さを短くすることができる。
したがって、機体のさらなるコンパクト化を図ることができる。
出金搬送手段が、収納手段より繰り出された硬貨を入金搬送手段を介することなく出金口に導くため、出金に要する時間を短縮することができる。
出金搬送手段は、出金の際には収納手段より繰り出された硬貨を入金搬送手段を介することなく出金案内通路から出金口に導くことになり、回収の際には収納手段より繰り出された硬貨を入金搬送手段を介することなく出金案内通路から出金振分手段で回収分岐通路を介して一括収納手段に導くことができる。
したがって、回収に要する時間をも短縮することができる。
【0166】
本発明の請求項2記載の硬貨処理機によれば、排除手段で、判別手段により偽硬貨と判別された硬貨に加えて汚損硬貨と判別された硬貨をも入金搬送手段から排除すると、排除振分手段で、偽硬貨は排除案内通路のみを介して出金口に、汚損硬貨は排除案内通路および排除分岐通路を介して一括収納手段にそれぞれ振り分けることが可能となる。
したがって、汚損硬貨を再使用せずに収納することができる。
【0167】
しかも、偽硬貨および汚損硬貨を排除手段で入金搬送手段から一旦は共通の排除案内通路に排除するため、入金搬送手段から偽硬貨と汚損硬貨とを別々に排除する場合に比して、排除のために必要な長さを短くでき、その結果、入金搬送手段の長さを短くすることができる。
【0168】
本発明の請求項3記載の硬貨処理機によれば、選別手段で金種別に選別した硬貨を、返却可能に一時貯留させることなく、収納手段に収納するため、一時貯留のための機構が不要となる。
したがって、機体を一層コンパクトにすることができる。
【0169】
本発明の請求項4記載の硬貨処理機によれば、出金搬送手段が、受入部材を鉛直に昇降させるため、機体の前後方向の長さを最小限にすることができる。
したがって、機体をより一層コンパクトにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機の全体構成を概略的に示す一の側断面図である。
【図2】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機の全体構成を概略的に示す別の側断面図である。
【図3】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機の入金繰出部および入金搬送部を示す側断面図である。
【図4】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機の入金繰出部を示す図3におけるA−A線に沿う正断面である。
【図5】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機の入金搬送部を示す図3におけるB−B線に沿う正断面図であって、厚さの薄い硬貨の搬送状態を示すもの。
【図6】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機の入金搬送部を示す図3におけるB−B線に沿う正断面図であって、厚さの厚い硬貨の搬送状態を示すもの。
【図7】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機の排除部において硬貨を排除しない状態を示すもので、(a)は正断面図、(b)は平面図。
【図8】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機の排除部において硬貨を排除する状態を示すもので、(a)は正断面図、(b)は平面図。
【図9】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機の排除振分部および出金振分部を示す斜視図。
【図10】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機のゲート式選別部において硬貨を選別しない状態を示すもので、(a)は正断面図、(b)は平面図。
【図11】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機のゲート式選別部において硬貨を選別する状態を示すもので、(a)は正断面図、(b)は平面図。
【図12】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機の穴式選別部において硬貨を選別しない状態を示す正断面図。
【図13】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機の穴式選別部において硬貨を選別する状態を示す正断面図。
【図14】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機の入出金庫を示す斜視図。
【図15】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機の開状態の入出金庫を示す斜視図。
【図16】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機の入出金庫の側断面図。
【図17】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機の入出金庫の側断面図であって装填部への装填途中の状態を示すもの。
【図18】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機の入出金庫の側断面図であって装填部への装填後の状態を示すもの。
【図19】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機の入出金庫の部分正断面図。
【図20】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機の出金搬送部および出金振分部を示す側断面図。
【図21】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機の出金搬送部を示す平断面図。
【図22】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機の出金振分部および出金搬送部を示す斜視図。
【図23】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機の全体構成を概略的に示す一の側断面図であって入金処理および装填処理の硬貨の流れのルートを太線で示すもの。
【図24】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機の全体構成を概略的に示す一の側断面図であって出金処理(正常出金)等の硬貨の流れのルートを太線で示すもの。
【図25】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨処理機の全体構成を概略的に示す一の側断面図であって出金処理(異常発生時)および回収処理の硬貨の流れのルートを太線で示すもの。
【符号の説明】
10 機体
11 投入口
12 出金口
15 入金搬送部(入金搬送手段)
16 判別部(判別手段)
18 排除部(排除手段)
20 一括収納金庫(一括収納手段)
22 選別部(選別手段)
23 収納部(収納手段)
27 受皿部材(受入部材)
29 出金搬送部(出金搬送手段)
70 排除案内通路
71 排除分岐通路
72 排除振分機構部(排除振分手段)
163 出金案内通路
164 回収分岐通路
165 出金振分機構部(出金振分手段)
C 硬貨

Claims (4)

  1. 機体の上部に設けられ、機体外からの硬貨の投入を一枚ずつに規制しつつ受け入れる投入口と、
    該投入口より機体後方に向けて配置され、該投入口に投入された硬貨を一枚ずつ搬送する入金搬送手段と、
    該入金搬送手段における上流側に配置され、搬送される硬貨を判別する判別手段と、
    前記入金搬送手段における前記判別手段よりも下流側に配置され、該判別手段により偽硬貨と判別された硬貨を前記入金搬送手段から排除し機体前端部の出金口に導入させる排除手段と、
    前記入金搬送手段における前記排除手段よりも下流側に配置され、前記判別手段により真硬貨と判別された硬貨を金種選別する選別手段と、
    該選別手段の下側に配置され該選別手段により金種選別された硬貨を金種別に上部より収納する一方、収納した硬貨を下部より繰り出し可能な収納手段と、
    該収納手段から繰り出された硬貨を昇降可能な受入部材で受け取り該受入部材により前記出金口に搬送するエレベータ式の出金搬送手段と、
    を有し、
    前記出金搬送手段は、
    前記収納手段より繰り出された硬貨を前記入金搬送手段を介することなく前記出金口に導くとともに、
    前記受入部材から硬貨を受け入れて前記出金口に導く、機体前方かつ下方に向けて斜めに形成される第1通路部と該第1通路部の延長線上に配置されて前記出金口に通じる第2通路部とを有する出金案内通路と、
    該出金案内通路の前記第1通路部と前記第2通路部との間から分岐して下方に延びる回収分岐通路と、
    該回収分岐通路で案内された硬貨を収納する、前記受入部材の昇降範囲よりも前記出金口側に設けられた着脱可能な一括収納手段と、
    前記出金案内通路の硬貨を前記出金口と前記一括収納手段とに振り分ける出金振分手段とを有することを特徴とする硬貨処理機。
  2. 前記排除手段で排除された硬貨を前記出金口に導く排除案内通路と、
    該排除案内通路から分岐する排除分岐通路と、
    該排除分岐通路で案内された硬貨を収納する一括収納手段と、
    前記排除案内通路の硬貨を前記出金口と前記一括収納手段とに振り分ける排除振分手段とを有することを特徴とする請求項1記載の硬貨処理機。
  3. 前記選別手段で金種別に選別した硬貨を、返却可能に一時貯留させることなく、前記収納手段に収納させることを特徴とする請求項1または2記載の硬貨処理機。
  4. 前記出金搬送手段は、前記受入部材を鉛直に昇降させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の硬貨処理機。
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