JP3664805B2 - 画像形成システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷機、複写機、レーザビームプリンタ等の画像形成装置と、この画像形成装置と共に複数連結して用いられる用紙後処理装置とを有する画像形成システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
画像形成システムは、孔版印刷装置等の印刷機と、この印刷機に連結される各種の用紙後処理装置で構成される。この用紙後処理装置としては、例えば、印刷後の印刷物を丁合するソータがある。
【0003】
丁合の形態(モード)としては、印刷物をページ毎にソータに複数設けられた各ビンに順次収納して複数ページからなる印刷物の丁合を行うソートモードと、原稿毎にいくつかのグループに仕分けてビンに収納することにより原稿毎に「枚数×組数」の複数仕分けをするグループモードと、印刷物の裏写りを低減するため、印刷済用紙を各ビンに1枚づつ分配収納する連続モード等がある。
【0004】
そして、1台の印刷機に対して直列状に複数台のソータを連結して設ける構成とした画像形成システムでは、これら各種モードのいずれでも丁合をより多数作成できるようになる。
例えば、1台の印刷機に対して2台のソータが直列状に連結された構成のとき、印刷機から2台目のソータに印刷物を移送するには、前段の1台目のソータの通過機構を介して行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにソータを複数台直列に連結した構成では、使用開始時においてあるソータでエラーが発生した場合、印刷機に連結されている全てのソータの動作が停止して使用できなくなる問題があった。
このソータでのエラーは、例えば、印刷物が各ビンに収容された後、自動的にステープルするオートステープル設定がされていてステープル機構の針がなくなったときや針詰まりが生じたとき、また、各ビンに収容された印刷物のうち一部が取り除かれずビン内に残存していたときや、ビンに対して印刷物を収容するときにジャムが発生した等である。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、画像形成装置に複数台の用紙後処理装置を設け所定の後処理を行う構成としたとき、ある用紙後処理装置でエラーが発生してもこの用紙後処理装置全体が停止して使用できないことを回避でき、前記所定の後処理を施した画像形成物を得ることができる画像形成システムを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の画像形成システムに係る請求項1の発明は、所望の画像をシートに形成する画像形成装置と、
複数のソートビン及び搬送されたシートを前記各ソートビンに分配するシート案内手段を有し、前記画像形成装置から排出されたシートに対して後処理を行う、連結して用いる複数のシート処理装置と、
前記複数のシート後処理装置の内、少なくとも後段を有するシート後処理装置に設けられ、搬送されたシートを後段のシート後処理装置に搬送するシート搬送手段、及び搬送されたシートを前記シート搬送手段又は前記シート案内手段の一方に送るように切り替え制御される切り替え手段を有するシート送り手段とを有する画像形成システムにおいて、
前記各シート後処理装置の使用、不使用を入力する入力手段と、
前記各シート後処理装置の異常状態を検知する異常検知手段と、
前記複数のシート後処理装置の各々の使用、不使用状態及び異常状態を表示可能な表示手段と、
前記入力手段から入力された各シート後処理装置の使用、不使用状態を前記表示手段に表示し、前記異常検知手段の検知出力に基づき前記表示手段に異常のある前記シート後処理手段を表示し、前記入力手段によって使用を選択された前記シート後処理装置の少なくとも1つに異常がある場合には、全ての前記シート後処理装置の動作を停止し、前記入力手段から異常のある全ての前記シート後処理装置について不使用が選択されたときには、異常のない前記シート後処理装置の動作を可能とする制御手段とを備え、
前記各シート送り手段の前記シート搬送手段及び前記切り替え手段は、前記各シート後処理装置と独立に、前記制御手段によって駆動され、
前記制御手段は、自段の前記シート後処理装置が不使用で且つ、それより後段の前記シート後処理装置に使用するものがある場合には、自段の前記シート送り手段の前記切り替え手段をシートが前記シート搬送手段に送られるように駆動し、且つ、自段の前記シート送り手段の前記シート搬送手段を駆動して当該シート搬送手段に送られたシートを後段の前記シート後処理装置に搬送することを特徴としている。
【0008】
また、請求項2記載のように、所望の画像をシートに形成する画像形成装置と、
複数のソートビン及び搬送されたシートを前記各ソートビンに分配するシート案内手段を有し、前記画像形成装置から排出されたシートに対して仕分け、ステイプル、パンチング、スタンピング等の後処理を行う、連結して用いる複数のシート処理装置と、
前記複数のシート後処理装置の内、少なくとも後段を有するシート後処理装置に設けられ、搬送されたシートを後段のシート後処理装置に搬送するシート搬送手段、及び搬送されたシートを前記シート搬送手段又は前記シート案内手段の一方に送るように切り替え制御される切り替え手段を有するシート送り手段とを有する画像形成システムにおいて、
前記各シート後処理装置の使用、不使用を入力する入力手段と、
前記各シート後処理装置の異常状態を検知する異常検知手段と、
前記複数のシート後処理装置の各々の使用、不使用状態及び異常状態を表示可能な表示手段と、
前記入力手段から入力された各シート後処理装置の使用、不使用状態を前記表示手段に表示し、前記異常検知手段の検知出力に基づき前記表示手段に異常のある前記シート後処理手段を表示し、前記入力手段によって使用を選択された前記シート後処理装置の少なくとも1つに異常がある場合には、全ての前記シート後処理装置の動作を停止し、前記入力手段から異常のある全ての前記シート後処理装置について不使用が選択されたときには、異常のない前記シート後処理装置の動作を可能とする制御手段とを備え、
前記各シート送り手段の前記シート搬送手段及び前記切り替え手段は、前記各シート後処理装置と独立に、前記制御手段によって駆動され、
前記制御手段は、自段の前記シート後処理装置が不使用で且つ、それより後段の前記シート後処理装置に使用するものがある場合には、自段の前記シート送り手段の前記切り替え手段をシートが前記シート搬送手段に送られるように駆動し、且つ、自段の前記シート送り手段の前記シート搬送手段を駆動して当該シート搬送手段に送られたシートを後段の前記シート後処理装置に搬送する構成とすることもできる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は本発明による画像形成システムの全体構成図である。画像形成システムは、孔版印刷装置1と、第1,第2の用紙後処理装置としての丁合部(ソータ2),スタッカ部(排紙台60)とを備えて概略構成されている。まず、孔版印刷装置1の構成について説明する。
【0010】
孔版印刷装置1は、自身の中心軸線の回りに図示しない機枠に回転可能に支持された円筒状の版胴4を備えている。版胴4は、多孔構造に構成され、外周部にクランプ機構6を有している。クランプ機構6は、孔版原紙8の一端を係止している。
【0011】
版胴4は、中心軸線4aと同軸に設けられたスプロケット10に駆動連結されている。スプロケット10は、無端ベルト12によって版胴駆動機構14の版胴駆動モータ14aの駆動スプロケット11に駆動連結されている。版胴4は、版胴駆動機構14の版胴駆動モータ14aの動力により図中反時計回りに間欠的、或いは連続的に回転駆動される。
【0012】
版胴4の胴内には、印刷インキ供給手段16が設けられている。印刷インキ供給手段16は、外周面が版胴4の内周面に接触すべく配設されている。印刷インキ供給手段16は、自身の中心軸18の回りに回転可能なスキージローラ20と、スキージローラ20の外周面に対し所定の間隔をもってそのローラの母線方向に沿って延在するドクターローラ22とを有している。印刷インキ供給手段16は、スキージローラ20が版胴4の回転に同期して版胴4と同方向に回転駆動されることにより、インキ溜まり24の印刷インキを版胴4の内周面に供給している。
【0013】
インキ溜まり24の印刷インキは、スキージローラ20の回転に伴い、このローラとドクターローラ22との隙間を通過し、その際にインキが計量されてスキージローラ20の外周面に一様な厚さの印刷インキ層を形成している。印刷インキ層は、スキージローラ20の回転に伴って版胴4の内周面に供給されて印刷に供される。スキージローラ20と対向する版胴4の外側位置には、印刷用紙Pを版胴4に押し付けるプレスローラ26が設けられている。
【0014】
版胴4の左斜め下方には、版胴4とプレスローラ26との間に給紙される印刷用紙Pをセットするための給紙台28が設けられている。給紙台28は、セットされた印刷用紙Pの積層量に対応して不図示の駆動装置により給紙機構30を介して上下動される。
【0015】
給紙機構30は、ゴム等によりなる給紙ローラ32、一対のタイミングローラ34により構成されている。給紙ローラ32は、給紙台28上に積載されている印刷用紙Pの最上のものから1枚づつピックアップしてタイミングローラ34側に搬送している。タイミングローラ34は、給紙ローラ32から送られた印刷用紙Pを撓んだ状態で一時保持し、適当なタイミングでプレスローラ26との間に印刷用紙Pを送り出す。
【0016】
図2(a),(b)は給紙台28部分の平面図、及び側面図である。
給紙台28の両側部には、セットされた印刷用紙Pの側縁部に当接して印刷用紙Pをガイド保持するガイド板38が対向して設けられている。各ガイド板38には、棒状のギア40が設けられている。棒状ギア40は、給紙台28の表面に沿って印刷用紙Pの給紙方向と直交する方向に延出して給紙台28内に設けられている。棒状ギア40は、ギア面40a同士が対向した状態で印刷用紙Pの給紙方向に所定間隔をおいて固定されている。
【0017】
給紙台28の給紙側における先端部の中央部分には、各棒状ギア40のギア面40aに噛合する回転式の円形ギア42が設けられている。円形ギア42の下部には、円形ギア42の回転に連動して出力(電圧)が変化するポテンショメータ44が取り付けられている。ガイド板38を印刷用紙Pに合わせて動作させると、それぞれの棒状ギア40が相反する方向に同時に移動して円形ギア42が回転する。そして、円形ギア42の軸上に取り付けられたポテンショメータ44で印刷用紙Pの主走査方向のサイズが検出される。
【0018】
給紙台28における後端部の中央部分には、給紙台28上にセットされる印刷用紙Pの副走査方向の有無を検出する用紙センサ46が設けられている。用紙センサ46は、副走査方向の印刷用紙Pの有無を検出する。そして、ポテンショメータ44と用紙センサ46により印刷用紙Pの用紙サイズが判別され、定形サイズ又は不定形サイズのサイズ情報を得ている。尚、説明の都合上、印刷用紙Pの搬送方向と直交する方向を主走査方向とし、印刷用紙Pの搬送方向を副走査方向としている。
【0019】
版胴4の回りで給紙台28の上方には、排版機構48が設けられている。排版機構48は、版胴4の外周面に巻付けられている使用済の孔版原紙を版胴4の回転に伴い剥離して排版収納している。版胴4の回りで給紙機構30と対向する位置には、印刷用紙分離爪50が設けられている。
【0020】
印刷用紙分離爪50は、印刷が終了した印刷済用紙を版胴4上から取外すためのものである。印刷用紙分離爪50により剥がされた印刷済用紙は、排紙装置52によって用紙排出口54側に搬送される。排紙装置52は、ベルトコンベア装置56と吸引装置58とを有し、印刷用紙分離爪50によって版胴4より剥ぎ取られた印刷済用紙を吸引装置58によって吸引しつつベルトコンベア装置56によって用紙排出口54側へ搬送している。
【0021】
用紙排出口54の後方には、スタッカ部としての排紙台60が設けられている。
排紙台60は、後述するノンソートモードが選択されているときに、排紙装置52から搬送されるくる印刷済用紙を収納している。排紙装置52の上方には、原紙貯容部62が設けられている。原紙貯容部62は、ロール状に巻成された連続シート状の孔版原紙8を貯容している。
【0022】
原紙貯容部62と版胴4の間には、製版機構64が設けられている。製版機構64は、サーマルヘッド66とこれに対向するプラテンローラ68とを有している。製版機構64は、原紙貯容部62より供給される孔版原紙8の製版を感熱式に行っている。
【0023】
サーマルヘッド66は、図には示されてないが、横一列に、即ち主走査方向に複数個の発熱素子を一定間隔おいて有している。サーマルヘッド66の発熱素子は、不図示の読取装置にて読み取られた画像情報信号に応じて選択的に発熱するように成っている。製版機構64にて製版された製版済孔版原紙は、原紙搬送ローラ対70によって版胴4側に搬送される。製版機構64と版胴4の間には、製版済孔版原紙が版胴4の外周面に所定量巻付けられた時点で孔版原紙8を切断するカッター装置72が設けられている。
【0024】
次に、丁合部としてのソータ2の構成について説明する。ソータ2は、外筐をなす筐体74内に、孔版印刷装置1から搬送されてくる印刷済用紙を収納するビン列76を備えている。ソータ2は、孔版印刷装置1に対して多連接続が可能な構成とされている。図示の例では、孔版印刷装置1に対し前段の第1ソータ2Aと後段の第2ソータ2Bとによる2台のソータ2が連結して接続されている。
【0025】
第1ソータ2Aと第2ソータ2Bとは、第1ソータ2Aのみに後述する導入用搬送機構80が設けられる点を除いて同一構成とされている。そこで、第1ソータ2Aについての構成のみを図3の拡大図を用いて詳細に説明する。
【0026】
ビン列76は、各々が同一の長方形状の板状部材からなる複数のビン78で構成されている。各ビン78は、筐体74の高さ方向(鉛直方向)に一定間隔dおきに層状に整列して筐体74内部の後部寄りに固定配置されている。
【0027】
孔版印刷装置1の用紙排出口54と対向する筐体74の一側面側には、孔版印刷装置1からの印刷済用紙を筐体74内に導入搬送するための導入用搬送機構80が設けられている。導入用搬送機構80は、前段ベルトコンベア装置82と後段ベルトコンベア装置86の2つのベルトコンベア装置を備えている。
【0028】
各々のベルトコンベア装置82,86は、例えばDCモータ等の駆動手段により駆動される。各々のベルトコンベア装置82,86には、印刷済用紙の搬送方向に所定間隔をおいてブロアとしての複数の吸引装置88が配設されている。
【0029】
前段ベルトコンベア装置82は、孔版印刷装置1の用紙排出口54から排出される印刷済用紙を吸引装置88によって吸引しつつ取り込んで後段ベルトコンベア装置86に搬送している。後段ベルトコンベア装置86は、前段ベルトコンベア装置82より取り込んだ印刷済用紙を吸引装置88によって吸引しつつ筐体74の一側面側の上端部の用紙導入口84まで斜め上方に搬送している。
【0030】
筐体74内における用紙導入口84の下部には、筐体74の高さ方向(鉛直方向)に沿ってビン案内用搬送機構92が設けられている。ビン案内用搬送機構92は、導入用搬送機構80と同様に、ベルトコンベア装置94と複数の吸引装置96とを備えており、例えばDCモータ等の駆動手段により駆動される。ビン案内用搬送機構92は、後段ベルトコンベア装置86より用紙導入口84まで搬送された印刷済用紙を吸引装置96によって吸引しつつベルトコンベア装置94により屈曲したコーナー部分でUターンさせた後、ビン列76の鉛直方向の下方に向けて搬送している。
【0031】
尚、ベルトコンベア装置94の頂上部分の外周近傍には、導入用搬送機構80より搬送されてくる印刷済用紙をベルト面に押し付けて密着させるための吹付装置としてのファン97が設けられている。また、ファン97の近くには、Uターン部用紙通過センサ112が設けられている。Uターン部用紙通過センサ112は、用紙導入口84より導入搬送された印刷済用紙を検出している。
【0032】
ビン列76の上方には、後段に接続される第2ソータ2Bに対して印刷済用紙を搬送するためのソータ通過搬送機構(シート搬送手段に相当)102が設けられている。ソータ通過搬送機構102は、導入用搬送機構80やビン案内用搬送機構92と同様に、ベルトコンベア装置104と複数の吸引装置106とを備えており、例えばDCモータ等の駆動手段により駆動される。用紙導入口84の近傍には、ソータ切替板(切り替え手段に相当)110が設けられている。このソータ切替板110は、孔版印刷装置1に対して、前段に接続された第1ソータ2Aへの印刷済用紙の搬送枚数やモードの設定状態に応じてソレノイド114がオン・オフ動作することにより切替制御される。
【0033】
ソータ通過搬送機構102は、ソータ切替板110が第2ソータ2Bへ搬送される位置にセットされると、後段ベルトコンベア装置86より用紙導入口84まで搬送された印刷済用紙を吸引装置106によって吸引しつつベルトコンベア装置104により筐体74の他側面側上端部の用紙排出口108より排出し、第2ソータ2Bの用紙導入口84まで搬送している。尚、ソータ通過搬送機構102は、孔版印刷装置1に対してソータ2が1台のみ接続される場合や、自段より後段のソータが存在しないソータには設ける必要はなく、図1の第2ソータ2Bのソータ通過搬送機構102を設けない構成としてもよい。
【0034】
ソータ通過搬送機構102におけるベルトコンベア装置104の出口側には、用紙通過センサ109が設けられている。用紙通過センサ109は、ベルトコンベア装置104上を搬送されて用紙排出口108より第2ソータ2Bの用紙導入口84に導入される印刷済用紙の通過の有無を検出している。
【0035】
前記ソータ通過搬送機構102と前記ソータ切替板110とは、シート送り手段を構成している。また、図3において導入用搬送機構80で搬送されてきた印刷済用紙Pがソータ通過搬送機構102でソータ2Bに送られるとき、ベルトコンベア装置94も駆動されるが、これはベルトコンベア装置94の一部(上側Uターン部)がシート送り手段としての機能を兼ねているためである。例えば、ベルトコンベア装置86の下流側端部がベルトコンベア装置104の上流側端部にもっと接近するような構成とした場合には、印刷済用紙Pをソータソータ通過搬送機構102で送る際にベルトコンベア装置94を駆動する必要はない。
ソータ通過搬送機構102について前述したように、ソータ切替板110についても、自段より後段のソータが存在しないソータには設ける必要はない。これらソータ通過搬送機構102とソータ切替板110(駆動機構を含む)とを1つのユニットとして、ソータに対して着脱自在としてもよい。
【0036】
ビン列76とビン案内用搬送機構92との間の間隙には、印刷済用紙をビン列76の所定ビン78に挿入させるインデクサ116が設けられている。インデクサ116は、ビン78とほぼ同一幅の矩形状をなし、初期状態において最上部のビン78(78A)よりやや上方位置に設定されたホームポジションHP1に待機している。ホームポジションHP1には、インデクサ116の有無を検出するインデクサHPセンサ118が設けられている。
【0037】
インデクサ116は、ビン案内用搬送機構92と並行してビン列76の鉛直方向に設けられた駆動ベルト122を介して例えばDCサーボモータ等の駆動手段に接続されている。このインデクサ116を挟むようにして筐体74の鉛直方向の上下位置には、透過式フォトセンサで構成されるインデクサセンサ124が設けられている。このインデクサセンサ124と前記ビン案内用搬送機構92とにより、シートを各ビンに分配するシート案内手段を構成している。
インデクサセンサ124は、インデクサ116上を通過する印刷済用紙Pの未到達や滞留を監視し、ジャムエラーを検出している。ここで、インデクサ116、駆動ベルト122、インデクサセンサ124によってインデクサ昇降機構125を構成している。
尚、インデクサセンサ124は、フォトインタラプタで構成してインデクサ116に設け、インデクサ116を通過する印刷済用紙Pを検出する構成としてもよい。
【0038】
インデクサ116では、駆動ベルト122を介して駆動手段をなすDCサーボモータにより駆動されると、ビン案内用搬送機構92により搬送されてくる印刷済用紙を受け入れる。そして、インデクサ116は、印刷済用紙が確実にビン列76に収納されたことをインデクサセンサ124が検出すると、ホームポジションHP1を基準位置とするビン78間のピッチ単位で移動する。これにより、印刷済用紙は、1枚ずつビン列76の所定の1つのビン78に挿入される。
【0039】
導入用搬送機構80における前段ベルトコンベア装置82の入口側には、切替板126が設けられている。切替板126は、モードの設定状態に応じてソレノイド128がオン・オフ動作することにより切替制御される。具体的には、ノンソートモードに設定されている場合、印刷済用紙を孔版印刷装置1の排紙台60へ搬送するように切替板126の切替えがなされる。これに対し、ソータ2を使用するモードに設定されている場合には、印刷済用紙を第1ソータ2Aへ搬送するように切替板126の切替えがなされる。ここで、切替板126とソレノイド128によって切替機構129を構成している。
【0040】
最上部のビン78Aにおける導入端側の直上位置には、ロール状に巻回されたシート体130が設けられている。シート体130は、一端が筐体74側に固定され、開放端である他端がインデクサ116に取り付けられている。シート体130は、インデクサ116の昇降移動に連動して巻き上げ、巻き戻し動作し、印刷済用紙Pがビン78内に収納された際の後述する整合機構136の副走査整合板140による跳ね返りを防止している。尚、シート体130におけるビン側の表面は、ビン78内に挿入された印刷済用紙の副走査方向を整合する際の副走査方向の整合基準面Y0 となっている。
【0041】
ビン列76を構成する各ビン78には、インデクサ116より挿入される印刷済用紙の搬送方向(副走査方向)と、この搬送方向と直交する方向(主走査方向)のそれぞれの方向に沿って所定長さの切欠き部132,134が形成されている。各切欠き部132,134に対応した位置には、ビン78に挿入された印刷済用紙を所定の整合基準面に揃えて整合させる整合機構136が設けられている。
【0042】
図4は、整合機構136の平面図である。整合基準面X0 ,Y0 は、図の左下角部に設定されている。具体的には、副走査方向の整合基準面Y0 は、前述したようにシート体130におけるビン側の表面に設定されている。又、主走査方向の整合基準面X0 はビン78内の印刷済用紙を取り出す際に開操作されるべく筐体74に対して開閉自在に設けられたカバー部材の内壁面に設定されている。
【0043】
整合機構136は、印刷済用紙の搬送方向と直交する方向に延出した切欠き部132内を主走査方向に移動する主走査整合板138と、印刷済用紙の搬送方向に延出した切欠き部134内を副走査方向に移動する副走査整合板140とを備えている。
【0044】
切欠き部132の最外位置は、主走査整合板を移動する際の待機基準位置となる主走査ホームポジションHP2に設定されている。切欠き部132の最外位置の近傍には、主走査整合板138が主走査ホームポジションHP2に位置しているか否かを検出する主走査HPセンサ142が設けられている。同様に、切欠き部134の最外位置は、副走査整合板を移動する際の待機基準位置となる副走査ホームポジションHP3に設定されている。切欠き部134の最外位置の近傍には、副走査整合板140が副走査ホームポジションHP3に位置しているか否かを検出する副走査HPセンサ144が設けられている。主走査整合板138及び副走査整合板140は、それぞれに駆動手段としての例えばパルスモータ137,139が接続されている。
【0045】
すなわち、印刷用紙のサイズに応じて予め設定された用紙主走査データに基づいて駆動手段をなすパルスモータのパルス量が決定されると、主走査ホームポジションHP2を基準としてパルス量分だけ主走査整合板138が主走査方向に移動する。又、印刷用紙のサイズに応じて予め設定された用紙副走査データに基づいて駆動手段をなすパルスモータのパルス量が決定されると、副走査ホームポジションHP3を基準としてパルス量分だけ副走査整合板140が副走査方向に移動する。
【0046】
このように、主走査整合板138及び副走査整合板140が印刷用紙のサイズに応じて移動することにより、インデクサ116よりビン列76の各ビン78に挿入された印刷済用紙が整合基準面X0 ,Y0 に整合される。
【0047】
ここで、各ビン78に収納可能な用紙のサイズは、2つの整合板138,140との位置関係、各整合板138,140のHPセンサ142,144との位置関係によって制限される。つまり、収納可能な用紙の最小サイズは、2つの整合板138,140を整合板138,140同士が干渉しない位置までそれぞれのホームポジションHP2,HP3から最大量移動したときの大きさとなる。又、収納可能な用紙の最大サイズは、いずれのHPセンサ142,144にも干渉しないでビン78内に納まる大きさとなる。
【0048】
次に、前記インデクサ116の昇降位置上には、このインデクサ116同様に昇降自在なステープル機構210が設けられる。
このステープル機構210は、ステープル昇降機構212によって昇降する。ステープル昇降機構212は、ビン列76の側部で上下方向に設けられ、ステープル機構210が取り付けられた駆動ベルト213と、この駆動ベルト213を駆動するDCサーボモータ(駆動手段)で構成される。
【0049】
このステープル機構210は、針収納部に複数の針が収納され、この針を1本づつ押し出して印刷済用紙Pの所定箇所をステープルする。このため、このステープル機構210は、図4に示す如くビン列76の側部において駆動モータの駆動により、主走査方向に移動自在である。
このステープル機構210は、図示しない針なし検知手段及び針つまり検知手段を有し、ステープルを繰り返してこの針がなくなったとき、又は針がつまったときこれを制御装置176に出力する。針なし検知手段及び針つまり検知手段は、それぞれソータ2の異常検知手段を構成している。
【0050】
ステープル機構210は、インデクサ116との干渉を避けるため、待機時には最下部でかつ、インデクサ116の幅方向に逸れたホームポジション(図4中実線位置)に退避する。
一方、ステープル機構210が作動すべくビン列76側部を昇降する際には、インデクサ116側が最上部のインデクサホームポジションHPに退避する。
【0051】
また、図4に示す副走査整合板140には、ビン列76部分を上下方向に移動自在な押出部215が設けられる。この押出部215は、整合機構136で整合された後の印刷済用紙Pの端部をステープル機構210方向に押し出してステープルさせるために設けられる。
さらに、ステープル機構210側部には押戻部216が設けられる。この押戻部216は、ステープル機構210でステープルされた後の印刷済用紙Pの端部を再度ビン78内部に戻す。
【0052】
以上のように構成された孔版印刷装置1とソータ2とは、孔版印刷装置1の用紙排出口54に対して導入用搬送機構80を取り付けることにより接続される。そして、ソータ2のビン列76に対する印刷用紙の分配収納動作は、以下に説明する孔版印刷装置1の操作パネル146上に設けられた特定のキー操作により行われる。
【0053】
図5は孔版印刷装置に備えられた操作バネルを示す図である。操作パネル146には、テンキー148、枚数LED150、液晶パネル等からなる表示手段(表示器)158、ソートモードキー160、モードLED162、スタートキー164、ストップキー166、ソータ選択キー167、オートステープルキー168、カーソルキー169が設けられている。
【0054】
テンキー148は、0〜9の数字キーで構成され、印刷枚数等の設定を行う際に押動操作される。
枚数LED150は、テンキー148で設定された印刷枚数を表示している。枚数LED150の表示値は、孔版印刷装置1による印刷動作で印刷済用紙が排出されるのに同期して設定値から1ずつ減算表示される。
【0055】
表示器158は、ジャム等のエラーが発生した場合のエラー表示、給紙機構30で検出された印刷済用紙Pの用紙サイズを表示する。
また、孔版印刷装置1に接続されるソータ2の使用選択の表示や、各ソータ2の動作状態が表示されエラー発生時には対応してエラー表示を行う。
【0056】
ソートモードキー160は、排紙台60を使用して印刷済用紙を収納するノンソートモード、ソータ2を使用して印刷済用紙を収納する3つのモード(ソートモード、グループモード、連続モード)のいずれかを選択する際に押動操作される。ソートモードキー160は、電源投入時から押動操作される毎にノンソートモード、ソートモード、グループモード、連続モード、ノンソートモードの順にループしてモードを切り替える。
【0057】
ここで、ノンソートモードは、孔版印刷装置1の用紙排紙口54から排出された印刷済用紙を排紙台60に直接排紙するモードである。
ソートモードは、孔版印刷装置1の用紙排紙口54から排出された印刷済用紙をページ毎にビン78に収納して複数ページからなる印刷物の丁合を行うモードである。
グループモードは、孔版印刷装置1の用紙排紙口54から排出された印刷済用紙を原稿毎にいくつかのグループに仕分けてビン78に収納するモードであり、原稿毎に「枚数×組数」の複数仕分けが可能である。
連続モードは、印刷物の裏写りを低減するため、孔版印刷装置1の用紙排紙口54から排出された印刷済用紙を各ビン78に1枚ずつ分配収納するモードである。
【0058】
モードLED162は、ソートモードキー160によって選択されたモード(ソートモード、グループモード、連続モード)を表示している。このモードLED162が未表示の場合は、ノンソートモードが選択されている。
スタートキー164は、孔版印刷装置1及び各ソータ2を動作実行させる際に押動操作される。ストップキー166は、孔版印刷装置1及び各ソータ2の動作を停止させる際に押動操作される。
【0059】
ソータ選択キー167は、複数台の各ソータ2に対しそれぞれの使用/不使用の選択を設定する。
オートステープルキー168は、オートステープル動作を行う際に押動操作される。オートステープル動作は、後述するように印刷済用紙Pが各ビン78に収容、整合された後に、ステープル機構210を使用してステープルを行わせるものである。
カーソルキー169は、表示器158に表示された選択画面でカーソルを移動させるときに押動操作される。
これらソータ選択キー167、オートステープルキー168、カーソルキー169によって、後述する異常が検知されたソータ2の使用/不使用が操作入力される入力手段を構成している。
【0060】
図6は上述した画像形成システムの電気的構成を示すブロック図である。図において、マイクロプロセッサ等により構成される制御手段(CPU)170は、記憶手段としてのROM172に格納されているプログラム及び設定情報に基づき装置内の各機構を制御する。
この制御手段170は、操作パネル146から入力された印刷枚数や各種ソートモード等の設定内容を随時記憶するRAM174が接続されている。
【0061】
また、この制御手段170は、版胴駆動機構14に対し回転指令を出力して版胴4を回転制御する。製版機構64に対して孔版原紙8への製版指令を出力する。クランプ機構6には版胴4への孔版原紙8の係止/解除指令を出力する。排版機構48に対しては使用済みの孔版原紙8を版胴4から剥離させる指令を出力する。給紙機構30に対しては、版胴駆動機構14に連動して印刷用紙Pを給紙させる給紙指令を出力する。
【0062】
図6に示すように、ソータ2側にはこのソータ2の各機構の動作を制御する制御装置176が設けられている。
この制御装置176と孔版印刷装置1の制御手段170はケーブル等を介して電気的に接続され、制御情報が互いに入出力される。
この制御装置176は、孔版印刷装置1から次々に排紙される印刷済用紙Pをソータ2側で順次取り込むための同期制御を行うもので、制御手段170側を中央としてこの制御手段170からの制御指令に基づきソータ2を制御する。
またソータ2でのエラー発生時にはこの旨を制御手段170に出力し、制御手段170からの制御指令に基づきエラー時の対応処理を行う。
このため、制御装置176は、ソータ2に設けられた導入用搬送機構80、ビン案内用搬送機構92、ソータ通過搬送機構102、ソータ切替機構115、インデクサ昇降機構125、切替機構129、整合機構136、ステープル機構210等に対してそれぞれ制御指令を出力する。
【0063】
これら各機構への制御指令によって、孔版印刷装置1から排紙された印刷済用紙Pは、後述する所定の形態でソータ2内の各ビン78にソートされる。
また、操作パネル146は、孔版印刷装置1側に設けた構成としたが、同様の操作パネルをソータ2側に設け、操作パネルの操作による設定内容を孔版印刷装置1の制御手段170に送出する構成としてもよい。また、操作パネル146を孔版印刷装置1及びソータ2のいずれにも設けた構成にもできる。
【0064】
次に、上記のように構成されたソータ2のソート動作について説明する。
孔版印刷装置1で印刷された印刷済用紙Pを各種ソートモードでソートするときには、ソータ2が使用される。
まず、モード切替板126がソータ2側に切り替えられ、ソータ切替板110が導入用搬送機構80側に切替えられる。これにより、孔版印刷装置1より排出された印刷済用紙は、導入用搬送機構80を介してビン案内用搬送機構92まで搬送される。
【0065】
そして、印刷済用紙がビン案内用搬送機構92によってインデクサ116まで案内搬送されると、インデクサ116がホームポジションを基準位置とするビン78間のピッチ単位で移動し、各ビン78に対して1枚ずつ印刷済用紙Pが挿入される。
このソータ2は、ソートモードキー160で選択されたモード(ソートモード、グループモード、連続モード)に応じてインデクサ116が所定のビン78に移動する。
【0066】
第2ソータ2Bは、基本的により多くの印刷済用紙Pをソートするために第1ソータ2Aを増設した形で設けられる。
この第2ソータ2Bへの印刷済用紙Pの搬送は、第1ソータ2Aのソータ切替板110をソータ通過搬送装置102側に切り替えることにより、印刷済用紙Pがソータ通過搬送装置102を介して後段の第2ソータ2Bに搬送され、第1ソータ2A同様、各ビン78に挿入される。
そして、第1,第2ソータ2A,2B共に、印刷済用紙Pがビン78に収容された後には、整合機構136が作動して各ビン78上の印刷済用紙Pを一括して整合させる。
この後、ステープル機構210が作動し各ビン78の印刷済用紙Pをそれぞれステープルする。
この後、カバー部材を開けて各ビン78上で整合された状態の印刷済用紙Pを取り出すことができる。
【0067】
次に、以降説明する各流れ図に従いソータ2のソート動作を詳述する。
尚、説明を簡単にするために、ビン列76のビン数を20、ソータ2は第1ソータ2A及び第2ソータ2Bの2台を使用して丁合し、ステープルを目的とするソート印刷動作について説明するものとする。
さらに、この動作状態を開始する時点で、第1ソータ2Aのステープル機構210の針が入っていない(使用により無くなっている)状況であるとする。
【0068】
装置が待機状態にあるときには、図7に示すように、表示器158上には孔版印刷装置1の動作状況、及び、接続されている第1ソータ2A,第2ソータ2Bの番号が表示される。そして、表示器158上で反転表示されたソータが使用可能であることを示す。また、ソータ選択キー167の操作で使用したいソータが選択できる。
【0069】
▲1▼アイドル〜終了迄の全体の流れについて
図8,9は、装置の待機状態からオートステープル動作を含むソート印刷動作に移行する流れ図である。
まず、操作パネル146のソートモードキー160にてソートモードが設定されたかを確認する(SP1)。ソートモードが選択されていない場合は、印刷済用紙Pはソータ2ではなく排紙台60に排紙されるノンソートモードとなる(SP5)。
【0070】
次に、オートステープルキー168が押動されたことを確認する(SP2)。オートステープルキー168が押されない状態では、ソータ2はソート印刷動作のみ実行しオートステープルは行わない(SP6)。
オートステープルキー168が押されたとき、各ソータ2A、2Bのステープル機構210に針が入っていることを確認する(SP3,4)。ここで、ソータ2A,2Bのいずれかで針がないことが検出されたとき、図10に示すようにこの針無しのステープル機構210を有するソータ2Aが表示器158に表示される(SP7)。
【0071】
第1ソータ2A、第2ソータ2Bの両方に針が入っていると、次に、テンキー148にて印刷枚数が設定されたかを確認し(SP8)、次に、スタートキー164が押されたかを確認し(SP9)、上記条件が満たされたところでソート印刷動作を開始する(SP10,11)。
ソート印刷動作が開始されると、孔版印刷装置1の印刷動作(SP10)と、第1ソータ2A、及び第2ソータ2Bのソート動作(SP11)が制御手段170の命令により同時に処理される。そして、これらのプロセスが終了後、ステープル動作が開始される(SP12)。
【0072】
オートステープルキー168が押された時点で、第1ソータ2A,第2ソータ2Bのどちらかのステープル機構210に針が入っていないとき、画像形成システムは針無しエラーとなり、表示器158にメッセージを表示し(SP7)、動作の開始が不可能となる。
このとき、ソータ選択を行い、針の無いステープル機構210を有するソータ2側を使用しない設定とすることで、ソート動作を開始することが可能となる。この点の詳細な説明は図11を用いて行う。
【0073】
▲2▼ソータ選択の流れについて
図11は、上記SP7における針無し検知後の処理を示す流れ図である。操作者は、針なしエラーが発生している状態では、ステープル機構210に針を補充しない限り、オートステープル設定をすることが不可能である。
ソータ2Aが針無しエラーの状態で、ソータ選択キー167を押すと(SP13)、表示器158には図12に示すような設定画面が表示される。
この設定画面には、接続されているソータ2A,2Bを孔版印刷装置1側から数えた番号(塔数)で表示している。ここで、カーソルキー169を使用して針の無いソータ2A(1塔)を選択しソータ選択キー167を押すと(SP14)、表示器158には図13に示すような使用/不使用設定画面が表示される(SP15)。
【0074】
ここで針無しのソータ2A(1塔)を「使用しない」に設定する。このようにすると、例えば第1ソータ2Aのステープル機構210に針が無くても、第1ソータ2Aを使用しない設定を行うことで、SP16,17を通過してSP8に戻ることができ、この第2ソータのみを動作させてオートステープルを実行させることができる。
尚、SP15での使用/不使用設定で、この孔版印刷装置1に接続されている全てのソータ2が「使用しない」に設定されたこととなったときには、SP14からの再設定を促す。
【0075】
また、孔版印刷装置1に接続されている全ての針無しのソータ(2A)について「使用しない」よう設定されているかを確認し(SP17)、もし針無しのソータ(2A)について「使用する」設定がされていたときには、SP2以下を再度実行する。
このように、オートステープルを実行させるためSP8に移行するには、少なくとも孔版印刷装置1に接続されているソータのうち1台のソータがステープルできる針を有する状態であることを条件とする。
【0076】
▲3▼ソート動作の流れについて
図14は前記ソート動作(SP11)の処理内容を示す流れ図である。
ソート動作が開始されると、切替機構129のソレノイド128をONし切替板126を下げて印刷済用紙Pをソータ2側へ搬送するように切り替える(SP21)。
次に導入用搬送機構80、ビン案内用搬送機構92及びソータ通過搬送機構のすべての搬送ベルト及び吸引装置を作動(ON)して、印刷済用紙Pをソータ2内に取り込めるようにする(SP22)。
この状態において、サブルーチン1(SUB1)が実行され、印刷済用紙Pを各ビン78に挿入し(SP23)、印刷済用紙Pを全て挿入し終わると、全ての搬送機構を停止(OFF)し(SP24)、切替板126のソレノイド128をOFFし(SP25)、動作を終了する。
【0077】
図15は、サブルーチン1(SUB1)の流れ図である。
最初に、第1ソータ2Aが使用可能な設定となっていることを確認し(SP31)、使用可能な設定のとき、次に第2ソータ2Bが使用可能な設定となっていることを確認する(SP32)。
ここで、第2ソータ2Bも使用可能な場合、サブルーチン3(SUB3)が実行される(SP35)。第1ソータ2Aが使用可能で第2ソータ2Bが使用不可能な場合、サブルーチン2(SUB2)が実行され(SP34)、第1ソータ2Aが使用不可能で第2ソータ2Bが使用可能な場合、サブルーチン4(SUB4)が実行される(SP36)。
【0078】
図16は、サブルーチン4(SUB4)の流れ図である。
最初に、設定枚数と第2ソータ2Bのビン数(20)を比較し(SP26)、設定枚数の方が小さい場合には、レジスタNに設定枚数をセットし(SP27)、設定枚数の方が大きい場合は、レジスタNにビン数(20)をセットする(SP28)。そして、サブルーチン6(SUB6)を実行し復帰する(SP29)。レジスタNはサブルーチン6で使用する。
【0079】
図17は、サブルーチン3(SUB3)の流れ図である。
最初に、設定枚数と第1ソータのビン数(20)を比較し、設定枚数が第1ソータのビン数に満たない場合(SP41−No)は、レジスタMに設定枚数をセットし(SP51)、サブルーチン5を実行して(SP52)復帰する。
また、設定枚数が第1ソータ2Aのビン数よりも大きく、第1ソータ2Aのビン数と第2ソータのビン数の合計(40)よりも小さい場合(SP42−Yes)は、レジスタMにビン数(20)、レジスタNに「設定枚数−第1ソータのビン数」をセットし(SP43,44)、サブルーチン5,6を実行させ復帰する(SP45,46)。
また、設定枚数が第1ソータ2Aのビン数と第2ソータ2Bのビン数の合計よりも多い場合(SP42−No)、レジスタM,Nに第1ソータ2A,第2ソータ2Bのビン数をそれぞれ設定し(SP47,48)、サブルーチン5,6を実行させ復帰する(SP49,50)。レジスタM,Nはサブルーチン5,6で使用する。
【0080】
図18は、サブルーチン2(SUB2)の流れ図である。
最初に、設定枚数と第1ソータのビン数(20)を比較し(SP53)、設定枚数の方が小さい場合は、レジスタMに設定枚数をセットし(SP55)、設定枚数のほうが大きい場合は、レジスタMにビン数(20)をセットする(SP54)。
そして、サブルーチン5(SUB5)を実行して復帰する(SP56)。レジスタMはサブルーチン5で使用する。
【0081】
図19は、サブルーチン5(SUB5)の流れ図である。このサブルーチン5は第1ソータ2Aのソート動作が示されている。
最初に、切替板126のソレノイド128をONし(SP59)、印刷済用紙Pを第1ソータ2Aに搬送できるようにする。また、レジスタBに1をセットする(SP60)。
次に、インデクサ116をインデクサ昇降機構125でBビン目に移動させる(SP61)。当初B=1であるため、1ビン目(最上部のビン78A)に移動することになる。
次に、インデクサセンサ124で、搬送されてくる印刷済用紙Pを確認できた場合(SP62−Yes)、次にレジスタBとレジスタMを比較し、レジスタBがレジスタM未満の場合(SP63−No)は、レジスタBに1を加算したものをセットし(SP64)、SP61に戻る。
【0082】
レジスタBがレジスタMと等しくなった場合(SP63−Yes)、整合機構136で各ビン78の印刷済用紙Pを整合し(SP65)、インデクサ116をインデクサ昇降機構125で1ビン目に移動させる(SP66)。
そして、切替板126のソレノイド128をOFFし(SP67)、サブルーチン5を終了する。
【0083】
図20は、サブルーチン6(SUB6)の流れ図である。このサブルーチン6には第2ソータ2Bのソート動作が示されている。
最初に、第1ソータ2Aのソータ切替板110のソレノイド114をONし(SP68)、ソータ通過搬送機構102のコンベアおよび吸引装置を作動(ON)させる(SP69)。これにより、印刷済用紙Pが第1ソータ2Aを介して第2ソータ2Bに搬送できるようにする。
次に、レジスタCに1をセットし(SP70)、インデクサ116をインデクサ昇降機構125でCビン目に移動させる(SP71)。当初C=1であるため、1ビン目(最上部のビン78A)に移動することになる。
次に、インデクサセンサ124で、搬送されてくる印刷済用紙Pを確認できた場合(SP72−Yes)、次にレジスタCとレジスタNを比較し、レジスタCがレジスタN未満の場合(SP73−No)は、レジスタCに1を加算したものをセットし(SP74)、SP71に戻る。
【0084】
レジスタCがレジスタNと等しくなった場合(SP73−Yes)、整合機構136で各ビン78の印刷済用紙Pを整合し(SP75)、インデクサ116をインデクサ昇降機構125で1ビン目に移動させる(SP76)。
また、ソータ通過搬送機構102を停止(OFF)させ(SP77)、ソータ切替板110をOFFして(SP78)、サブルーチン6を終了する。
【0085】
▲4▼ステープル動作の流れについて
図21は、ステープル動作を示す流れ図である。
前述したソート動作が終了したのを確認後(SP80)、使用可能となっているソータ2全てのステープル動作が同時並行に行われる(SP81,83)。
ステープル動作を実行しているのは第1ソータ2Aのサブルーチン7(SP82)、第2ソータ2Bのサブルーチン8(SP84)である。
【0086】
図22は、第1ソータ2Aのステープルを実行するサブルーチン7(SUB7)の流れ図である。
ステープル機構210は、印刷済用紙Pが挿入されている最下部のビン78からステープルを開始し、最上部のビン78Aの印刷済用紙Pのステープルを実行して終了する。
始めに、最上部のビン78Aから数えてMビン目にステープル機構210を移動させ(SP90)、同時に押出部215もMビン目に移動させる(SP91)。
【0087】
次に、押出部215によりビン内の印刷済用紙Pをステープル機構210側に押し出す(SP92)。
押し出しが終了後、ステープル機構210が印刷済用紙Pの所定位置にステープル止めを行う(SP93)。
その後、押戻部216により、印刷済用紙Pをビン内に押し戻した後(SP94)、ステープル機構210内の針が残っているかを確認する(SP95)。
針が残っていると、次にM=1かどうかを確認する(SP96)。M=1のときは、そのビンが最上部のビン78Aであるので、ステープル機構210を最下部の退避位置まで下降させ(SP100)、ステープル動作を終了する。
【0088】
M=1でないときは、M=M−1とし(SP97)、SP90へ戻る。
SP95にてステープル機構210の針が無くなったことを検知した場合、表示器158に図23に示すような針無しエラーのメッセージを表示し(SP98)、ステープル動作を中止し(SP99)、ステープル機構210を最下部の退避位置へ下降させ(SP100)、動作を終了する。
尚、SP99でのステープルを中止する処理に代えて、これを中止しない処理としてもよい。この場合、針補充が行われた後にSP95に移行する流れとする。
【0089】
図24は、第2ソータ2Bのステープルを実行するサブルーチン8(SUB8)の流れ図である。この第2ソータ2Bのステープル動作では、図22中のMがNに変わる点を除いて図22で説明した流れと同様に行われる。
【0090】
上述したようにソータ2に印刷済用紙Pを搬送しようとする起動時に、一方のソータ2Aが針無しエラー状態のままであっても、操作者はソータ2Aを使用しない選択を行い、ソータ2Bを使用する設定を行うだけで、孔版印刷装置1から排紙される印刷済用紙Pをソータ2Bを使用してソートしステープルすることができるようになる。
【0091】
尚、上記実施の形態では、孔版印刷装置1にソータ2A,2Bの2台が連結された構成としたが、これに限らず、孔版印刷装置1に対してソータ2は多数連結していくことができる構成であり、このうちのいずれかのソータ2で針無しが生じた場合であっても、このソータ2以外のソータ2を使用してソート及びステープルを実行できることになる。
【0092】
上述した実施の形態では、用紙後処理装置が印刷済用紙Pにステープルを行う構成として説明し、このステープルの針無しを検知して対応する処理を行う構成としたが、針無しに限らず、ステープル機構210での針詰まりでも同様に異常が検知される。
また、ステープル機構210の異常に限らず、図示していない、ビンの用紙有無センサにより、ソータ2の各ビン78に前回の丁合時の印刷済用紙Pが残されたままで、取り忘れられた状態のときにおいても、同様に異常が検知される。
また、他の用紙後処理装置としては、上記実施の形態に加えて印刷済用紙Pに所定の穴を開口させるパンチング機構や、捺印を施すスタンピング機構を有するものがあり、これら各用紙後処理を行う機構の動作異常を検知する構成とすることができる。
【0093】
そして、上記各機構での動作異常があっても、上記実施の形態で説明した構成によれば、ある用紙後処理装置がエラーとなっても装置全体が停止し続けることなく、他方の用紙後処理装置を用いて印刷済用紙Pに対する所定の用紙後処理を施すことができるようになる。これによって、用紙後処理装置がエラーを解除できない状態であっても、他の用紙後処理装置による用紙後処理が実行できるようになる。
【0094】
【発明の効果】
本発明に係る画像形成システムによれば、複数のシート後処理装置の中に異常を有するものがあっても、残りの異常でないシート後処理装置を用いてシート後処理を行うことができ、後処理装置全部が使用できない状態を確実に回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成システムの実施の形態を示す全体構成図。
【図2】(a),(b)は給紙台部分の平面図、及び側面図。
【図3】ソータを示す拡大図。
【図4】整合機構の平面図。
【図5】操作パネルを示す図。
【図6】画像形成システムの電気的構成を示すブロック図。
【図7】待機状態の表示器上の表示画面。
【図8】装置の待機状態からソート印刷動作に移行する流れ図(その1)。
【図9】装置の待機状態からソート印刷動作に移行する流れ図(その2)。
【図10】針無しのソータを示す表示画面。
【図11】針無し検知後の処理を示す流れ図。
【図12】針無しのソータを選択する表示画面。
【図13】針無しのソータを設定する表示画面。
【図14】ソート動作を示す全体の流れ図。
【図15】ソート動作のサブルーチン1を示す流れ図。
【図16】ソート動作のサブルーチン4を示す流れ図。
【図17】ソート動作のサブルーチン3を示す流れ図。
【図18】ソート動作のサブルーチン2を示す流れ図。
【図19】第1ソータのソート動作を示すサブルーチン5の流れ図。
【図20】第2ソータのソート動作を示すサブルーチン6の流れ図。
【図21】ステープル動作を示す全体の流れ図。
【図22】第1ソータのステープル動作を示すサブルーチン7の流れ図。
【図23】針無しエラーを示す表示画面。
【図24】第2ソータのステープル動作を示すサブルーチン8の流れ図。
【符号の説明】
1…孔版印刷装置、2…ソータ、28…給紙台、60…排紙台、76…ビン列、78…ビン、80…導入用搬送機構、92…ビン案内用搬送機構、102…ソータ通過搬送機構、116…インデクサ、125…インデクサ昇降機構、126…切替板、128…ソレノイド、129…切替機構、136…整合機構、158…表示器、160…ソートモードキー、167…ソータ選択キー、168…オートステープルキー、169…カーソルキー、170…制御手段、172…ROM、210…ステープル機構、212…ステープル昇降機構、215…押出部、216…押戻部。
Claims (2)
- 所望の画像をシートに形成する画像形成装置と、
複数のソートビン及び搬送されたシートを前記各ソートビンに分配するシート案内手段を有し、前記画像形成装置から排出されたシートに対して後処理を行う、連結して用いる複数のシート処理装置と、
前記複数のシート後処理装置の内、少なくとも後段を有するシート後処理装置に設けられ、搬送されたシートを後段のシート後処理装置に搬送するシート搬送手段、及び搬送されたシートを前記シート搬送手段又は前記シート案内手段の一方に送るように切り替え制御される切り替え手段を有するシート送り手段とを有する画像形成システムにおいて、
前記各シート後処理装置の使用、不使用を入力する入力手段と、
前記各シート後処理装置の異常状態を検知する異常検知手段と、
前記複数のシート後処理装置の各々の使用、不使用状態及び異常状態を表示可能な表示手段と、
前記入力手段から入力された各シート後処理装置の使用、不使用状態を前記表示手段に表示し、前記異常検知手段の検知出力に基づき前記表示手段に異常のある前記シート後処理手段を表示し、前記入力手段によって使用を選択された前記シート後処理装置の少なくとも1つに異常がある場合には、全ての前記シート後処理装置の動作を停止し、前記入力手段から異常のある全ての前記シート後処理装置について不使用が選択されたときには、異常のない前記シート後処理装置の動作を可能とする制御手段とを備え、
前記各シート送り手段の前記シート搬送手段及び前記切り替え手段は、前記各シート後処理装置と独立に、前記制御手段によって駆動され、
前記制御手段は、自段の前記シート後処理装置が不使用で且つ、それより後段の前記シート後処理装置に使用するものがある場合には、自段の前記シート送り手段の前記切り替え手段をシートが前記シート搬送手段に送られるように駆動し、且つ、自段の前記シート送り手段の前記シート搬送手段を駆動して当該シート搬送手段に送られたシートを後段の前記シート後処理装置に搬送することを特徴とする画像形成システム。 - 所望の画像をシートに形成する画像形成装置と、
複数のソートビン及び搬送されたシートを前記各ソートビンに分配するシート案内手段を有し、前記画像形成装置から排出されたシートに対して仕分け、ステイプル、パンチング、スタンピング等の後処理を行う、連結して用いる複数のシート処理装置と、
前記複数のシート後処理装置の内、少なくとも後段を有するシート後処理装置に設けられ、搬送されたシートを後段のシート後処理装置に搬送するシート搬送手段、及び搬送されたシートを前記シート搬送手段又は前記シート案内手段の一方に送るように切り替え制御される切り替え手段を有するシート送り手段とを有する画像形成システムにおいて、
前記各シート後処理装置の使用、不使用を入力する入力手段と、
前記各シート後処理装置の異常状態を検知する異常検知手段と、
前記複数のシート後処理装置の各々の使用、不使用状態及び異常状態を表示可能な表示手段と、
前記入力手段から入力された各シート後処理装置の使用、不使用状態を前記表示手段に表示し、前記異常検知手段の検知出力に基づき前記表示手段に異常のある前記シート後処理手段を表示し、前記入力手段によって使用を選択された前記シート後処理装置の少なくとも1つに異常がある場合には、全ての前記シート後処理装置の動作を停止し、前記入力手段から異常のある全ての前記シート後処理装置について不使用が選択されたときには、異常のない前記シート後処理装置の動作を可能とする制御手段とを備え、
前記各シート送り手段の前記シート搬送手段及び前記切り替え手段は、前記各シート後処理装置と独立に、前記制御手段によって駆動され、
前記制御手段は、自段の前記シート後処理装置が不使用で且つ、それより後段の前記シート後処理装置に使用するものがある場合には、自段の前記シート送り手段の前記切り替え手段をシートが前記シート搬送手段に送られるように駆動し、且つ、自段の前記シート送り手段の前記シート搬送手段を駆動して当該シート搬送手段に送られたシートを後段の前記シート後処理装置に搬送することを特徴とする画像形成システム。
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