JP3664361B2 - 鋼管製支持杭の埋設施工方法 - Google Patents

鋼管製支持杭の埋設施工方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、土木建築構造物を構築する場合において、埋め込み杭工法またはソイルセメント工法を採用して地盤に支持杭を埋設する場合に適用される、鋼管製支持杭の埋設施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、埋め込杭工法で施工された支持杭の先端支持力を向上させるには、支持杭の先端部の径を拡大することが有効であるとの知見があり、従来から、
1)杭先端に取り付けた袋体に、これらに地上からモルタル等を圧入して拡張させ拡大 根固め部を形成する方法(特開昭63−181811号公報等)
2)杭先端のみに軸部より大きな径を有する拡大先端シューを取り付けた方法
3)杭先端から杭径の2倍〜4倍程度の範囲において、軸部より大きな径を有する既製 杭を地盤支持層に埋め込む方法
などが知られている。
【0003】
上記1)の方法では、先端部の径拡大部の形状の確認が地中のためできないことや、形状に起因した径拡大部の耐力にばらつきが生じやすいことなど、品質保証に難点があった。また、2)、3)の方法では、予め先端部を地上にて加工するため、先端部構造の品質保証上の問題はないが、以下に示すように、大きな支持力が得られないという難点があった。
杭先端部の地盤の支持層に埋め込まれた部分の耐力は、杭先端が地盤を押す支圧力により、地盤に伝達される力と、杭の支持層に埋め込まれた部分の表面から地盤に伝達される力により成り立つ。
【0004】
上記の方法では、杭の周面から地盤に伝達される力は、杭表面と地盤の間の摩擦力による。
すなわち、杭先端に先端拡大シューを取り付ける2)の方法は、杭先端部の面積を拡大し、先端が地盤を押す支圧力により地盤に伝達される力を増加させることを狙ったものである。また、軸部より大きな径を有する既製杭を地盤支持層に埋め込む3)の方法は、先端が地盤を押す支圧力により地盤に伝達される力の増加に加えて、杭の周面の表面積をも大きくすることで、杭周面から摩擦力により地盤に伝わる力の増大をも図ったものである。
しかしながら、上記の各構造では、杭の周面と地盤との間の力の伝達は、摩擦力により伝達され、その力が小さいため、大きな支持力が得られないという難点があった。
【0005】
杭周面から地盤に伝わる力の増大を図った方法としては、支圧用の突起が鋼管杭の先端に溶接されたもの(特公平1−25848号公報、実開平2−50429号公報)等が考案されているが、いずれも複雑な鋼材の加工や溶接作業を必要とするため、コストがかかるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の既存の支持杭の先端構造の難点を解決でき、地盤の支持層に埋設される支持杭周面から地盤に伝達される力を増大させることで、大きな支持力を発揮させることができる、支持杭の埋設施工方法と、支持杭を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の要旨は、下記(1)〜()に示す通りである。
) 埋め込み杭工法またはソイルセメント工法により、地盤中に鋼管製支持杭を埋設施工する際に、予め、地盤の支持層に埋没させるスリットの無い鋼管製支持杭の先端部領域の所定の部分を、該鋼管製支持杭内部に拡径ブロックを有する複数の油圧シリンダーが該鋼管製支持杭の径方向に配置され且つ進退機構を備えた拡径装置を挿入し、内部から局部拡径して外周に突起部または拡径部と突起部を形成しておき、この支持杭を立孔に挿入して前記先端部領域を地盤の支持層の根固め部に埋没させ、根固め部に注入の根固め液を固化させて地盤の支持層に固定することを特徴とする鋼管製支持杭の埋設施工方法。
【0008】
前記根固め部に注入の根固め液を固化させて地盤の支持層に固定するとともに、この支持杭の内部にコンクリートなどの充填固化材を充填して固化させることを特徴とする前記(1)記載の鋼管製支持杭の埋設施工方法。
前記鋼管製支持杭を内部から局部拡径の後、該鋼管製支持杭の内部にコンクリート内張りまたは充填し、その後、該支持杭を立孔に挿入することを特徴とする前記(1)または(2)に記載の鋼管製支持杭の埋設施工方法
前記鋼管製支持杭が、内面と外面のいずれか一方または双方にスパイラル状または横縞状の突条を有することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の鋼管製支持杭の埋設施工方法
管製支持杭。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、埋め込み杭工法またはソイルセメント工法により、支持杭の先端部を地盤の支持層に埋設施工する場合に適用される鋼管製支持杭の埋設施工方法である
【0010】
本発明では、埋め込み杭工法またはソイルセメント工法により、支持杭の先端部を地盤の支持層に埋設施工する場合に、予め、支持層に埋設する支持杭の先端部領域の外周に突起部または拡径部を形成しておき、この支持杭を立孔に挿入して、該先端部領域を地盤の支持層の根固め部に埋没させ、根固め部に注入の根固液を固化させて固定するものであり、主として支持杭の軸方向の荷重に対して周面摩擦力を増大させることにより、杭周面からの反力を増大させ、先端部の反力と合わせて全体として支持層での地盤の生じる圧力球根を大きくして、支持杭による支持力を強化するものである。
【0011】
本発明で用いる支持杭は鋼管製支持杭であり、地盤の支持層に埋設する支持杭の先端部領域の外周に形成する突起部または拡径部を有するものである。
【0012】
(1)突起部
突起部としては、周方向に連続する一条または複数条の断面が半円状のリング状の突条(節形状の突起部)や螺旋状の突条、周方向に不連続的にして配設される複数条の断面半円状の突条、あるいは、独立して配設される複数の半球状の突起等を用いることができる。
【0013】
この突起部の形成方法としては、鋼管製支持杭の場合では、内部に拡径機構を挿入・配置し、所定部分を拡径する方法を用いることができる。この突起部の高さは外径の5%以上にすることが好ましい。ただし、突起部の高さが高すぎると、支持杭を埋設するための孔径を大きくする必要があり、孔の掘削コスト負担が大きくなる。
また、突起部は内部から拡径して形成されるため、突起部の厚みがそれだけ薄くなり強度が低下する。
【0014】
これらのことも考慮すると、この突起部の高さは、最大でも支持杭の外径の35%程度に押さえることが好ましい。
突起部は、拡径して形成する場合に厚みが薄くなり強度が低下するので、少なくともこの突起部を形成した先端部領域の内部に、コンクリートを内張り、または充填・固化させて補強することが有効である。
【0015】
(2)拡径部
拡径部は、地盤支持層に埋設する支持杭の先端部領域に形成するものであり、この拡径部は、地盤支持層にすっぽり埋没させるものであり、その外径を上部領域の支持杭の外径より大きくして、先端部領域で軸方向の荷重に対する支圧力を強化するものである。この拡径部には、突起部を形成して、拡径部効果と突起部効果を同時に得ることが有効である。
【0016】
この拡径部の形成方法としては、先端部領域とその上部領域を径の異なる鋼管で構成し、先端部領域の鋼管の径を上部領域の鋼管の径より大きい径にし、この上下の鋼管をリング状の円板を介して、または上部領域の鋼管の下部を拡管して、溶接により接続して先端部領域に拡径部を形成することができる。または、鋼管製支持杭の先端部領域を内部から拡径することによっても拡径部を形成することができる。
【0017】
この鋼管製支持杭の先端部領域の拡径部に突起部を形成する場合、先端部領域を構成する鋼管として予め突起を形成した鋼管(例えば縞鋼板を曲げ加工して溶接した鋼管)を用いたり、先端部領域を内部から局部的に拡径することによって、突起を形成することができる。
なお、鋼管製支持杭として、内面と外面のいずれか一方または双方にスパイラル状または横縞状の突起を有するものを用いてもよく、この支持杭の先端部領域に上記の拡径部形成方法を選択して、先端部領域に拡径部と突起部を形成してもよい。
【0018】
本発明では、突起部を形成した杭の先端部領域を地盤の支持層へ埋設することにより、突起部が支持層を押すため、杭先端と同様に支圧力による伝達が行われるため、杭周面より地盤に伝達される力が増大して、杭の支持力を向上させることができる。このことを発明者らは、有限要素法による数値解析により確認した。
【0019】
鋼管製支持杭の場合では、予め鋼管杭内に強度などについて品質管理された円筒型のコンクリート等の固化体を内張りしたり、固化体を充填することにより、鋼管のみの場合のような杭体の耐力低下を確実に防ぐことができる。
鋼管製支持杭単独の場合には、一般に、突起部を有する鋼管の軸方向耐力は、突起部のない鋼管に比べて小さいが、鋼管内部にも充満する根固め液が固結することで、耐力低下が押さえられる
さらに、地盤の支持層に埋設される先端部領域の外径を、その上部領域の外径より大きくすることによっても、支持杭先端の支持力を向上することができ、この拡径部に突起部を形成することによって、支持杭先端の支持力を一段と向上させることができる。
【0020】
上記した本発明による支持杭は、埋め込み杭工法の他、ソイルセメント工法において建て込む支持杭としても適用することができる。
また、内面と外面のいずれか一方または双方にスパイラル状または横縞状の突起を有するものを用いれば、鋼管表面の摩擦による力の伝達をも向上させることができ、地盤の支持層に埋設される先端部領域を拡径させれば、支持杭先端の支持力を一段と向上させることもできる。
【0021】
【実施例】
本発明による支持杭の実施例について、図面に基づいて説明する。
は、本発明による鋼管製支持杭の先端部構造例を示したものである。この例での鋼管製支持杭16は、地盤の支持層に形成した根固め部2に埋没される先端部領域の外周に、周方向に連続する断面半円径形のリング状の突起部17を軸方向に4列配設したものである。
【0022】
は、本発明による鋼管製支持杭の先端部構造例を示したものである。この例での鋼管製支持杭18は、地盤の支持層に形成される根固め部2に埋没される先端部領域の外周に、周方向に不連続の独立した半球状の多数の突起部19を千鳥状に配設したものである。
【0023】
は、本発明による鋼管製支持杭の先端部構造例を示したものである。この例での鋼管製支持杭20は、地盤の支持層に形成した根固め部2に埋没される先端部領域の外周に、周方向に連続する断面半円径形のリング状の突起部21を軸方向に4列配設し、内部にコンクリート22を充填したものである。
【0024】
は、本発明による鋼管製支持杭の他の先端部構造例を示したものである。この例での鋼管製支持杭23は、地盤の支持層に形成する根固め部2に埋没される先端部領域に拡径部24を形成し、その外周に、周方向に連続する断面半円径形のリング状の突起部25を軸方向に4列配設し、内部にコンクリート26を内張したものである。
【0025】
なお、本発明の支持杭は、上記の各例に限定されるものではない。この支持杭の構造条件は、地盤条件、支持構造物条件、荷重条件、要求される支持圧条件、埋設施工条件等に応じて、上記請求項を満足する範囲内で適宜変更し得るものである。
【0026】
前記図1〜図4に示した鋼管製支持杭16、18、20、23の突起部および拡径部は、例えば図に示すように、鋼管27内に挿入して鋼管を拡径する拡径機構28と、この拡径機構の進退機構29を備えた拡径装置30によって形成することができる。
【0027】
この拡径装置30の拡径機構28は、より具体的には、図および図に示すように、油圧室31と受圧板32よりなる放射状に配置された、6つのシリンダー33a〜33fと、各シリンダーの受圧板32に連結されたロッド34の先端部にそれぞれ連結された6つの拡径ブロック35a〜35fからなり、油圧室31にホース36を介して油を圧送することにより、受圧板32を半径方向に押し出し、受圧板32に連結されたロッド34を介して各拡径ブロック35a〜35fを半径方向に移動させることによって、その外径を拡径することができる。
【0028】
この6つの拡径ブロック35a〜35fの拡径によって、鋼管27の内面に強力な拡径力を作用させ、鋼管27を局部拡径することができ、進退機構29により拡径領域(位置)を調整することができる。
拡径機構28による拡径部の形状は、拡径ブロック35a〜35fの外面形状によって決まる。この例では、拡径ブロック35a〜35fの外面形状は、形成する突起部や拡径部条件に応じて選択すればよい。
【0029】
ここでは、図に示すような、周方向に連続する断面半円形のリング状の突起部(突条)17を形成できる形状になっており、図に示すように軸方向に4列形成する場合には、ここでは進退機構29で拡径機構28の軸方向の位置を変えて、4回の拡径動作を行えばよい。
なお、拡径ブロック35a〜35fを鋼管の軸方向に2列〜3列配置することによって、拡径機構による拡径動作の回数を減らすことができる。
【0030】
本発明による支持杭の埋設施工方法(手順)を、埋め込み杭工法を適用する場合を例として、図の(1)〜(5)に基づき説明する。
この例は、地盤の支持層に形成する根固め部に埋没させる先端部領域を拡径し、この拡径部24の外周に、周方向に連続する断面半円径形のリング状の突起部25を軸方向に4列配設した、前記図4に示す内部にコンクリートを内張26した鋼管製支持杭23を使用した例で示している。
【0031】
(1)地盤aに掘削装置37で孔38を穿孔する。
(2)大掘削装置39でこの孔38を拡大しながら地盤aの支持層asに、この拡大孔40より大径の根固め部2を形成する。
(3)拡大孔40に根固め液41、周囲固め液42を注入する。
(4)拡大孔40に支持杭23を挿入する。
(5)拡径部24と突起部25を形成した支持杭23の先端部領域を、根固め部2の根固め液41中に埋没するように位置させ、周囲固め液42、根固め液41を養生・固化させる。
【0032】
このようにして、図に示すように、鋼管製支持杭23の先端部領域に形成した、外周に突起25を形成した拡径部24を、地盤の支持層asに形成した根固め部2に埋没させ、固化した根固め液41を介して固定することができ、拡径部24と突起25の効果で、この鋼管製支持杭23における支持力を強化することができる。
なお、ここでは予めコンクリートを内張(26)した鋼管製支持杭23を用いたが、鋼管製単独の支持杭であっても同様にして埋設施工することができる。
【0033】
上記の埋設施工方法は、埋め込み杭工法について説明したが、ソイルセメント工法を用いて、支持杭の先端部領域を、根固め部において根固め液で固化して固定する埋設施工方法での適用も可能である。
なお、本発明の埋設施工方法は、上記の例に限定されるものではない。使用する支持杭の構造条件、施工手順等は、地盤条件、支持構造物条件、荷重条件、要求される支持圧条件、埋設施工条件等に応じて、上記請求項を満足する範囲内で適宜変更し得るものである。
【0034】
[実験例]
本発明による支持杭例での支持力について、数値解析に基づいて評価実験を行った。
この評価実験で用いられた鋼管製支持杭例を図10に縦断面図で示し、その評価結果を図11に示した。この評価実験では、先端から2000mmを地盤の支持層に埋設する先端部領域として、この領域での形状条件の異なる4種の鋼管製支持杭を用いた。
【0035】
10において、(a)は800mm径を有する杭例を示す。(b)には、800mm径で、先端部のみを1000mmに拡径した断面台形のリング状の突起部を一つ有する杭例を示す。(c)は、800mm径で、支持層に埋設する先端部領域を全長さにわたり、1000mmに拡径した杭例を示す。(d)は本発明の杭例であり、800mm径で、支持層に埋設する先端部領域に、1000mmに拡径し断面台形のリング状の突起部を4個形成した杭例を示す先端構造を示す。
11は、上記の4つの先端部形状(寸法)の異なる杭の評価結果を示したものであり、ここでは、杭に加わる垂直荷重と、杭の沈下変位の関係を有限要素モデルを用いて解析した結果で評価する。
【0036】
各杭における荷重と沈下変位の関係について、以下に簡単に説明する。
800mm径で、先端部のみを1000mmに拡径した突起部を一つ有する図10(b)の杭の場合(b)や、支持層に埋設する先端部領域を全長さにわたり1000mmに拡径した図10(c)の杭の場合(c)は、800mm径を有する図10(a)の杭の場合(a)よりも同じ荷重を載荷したときの沈下変位が小さく、杭としての支持力機能が優れていることがわかる。
【0037】
しかし、さらに800mm径で、支持層に埋設する先端部領域に、1000mmに拡径した断面台形のリング状の突起部を4個形成した図10(d)の本発明の杭の場合(d)は、800mm径で先端部を1000mmに拡径し断面台形のリング状の突起部を一つ形成した図10(b)の杭の場合(b)や、支持層に埋設する先端部領域の全長さ1000mmを拡径した図10(c)の杭の場合(c)よりも同じ荷重を載荷したときの沈下変位が明らかに小さく、杭としての支持力機能が最も優れていることがわかった。
【0038】
なお、図10(c)の支持杭の場合で、拡径部を支持層に形成した根固め部内に完全に埋没させ、根固め液で固定した場合には、段差効果により支持力機能を向上させることができることがわかった。したがって、図10(c)の支持杭で、本発明を適用して拡径部の外周に突起部を形成して、支持層に形成した根固め部内に完全に埋没させれば、図10(c)の支持杭よりさらに支持力機能を向上させることができることもわかった。
【0039】
鋼管製支持杭の単独の場合では、強度面では同様とはいえない場合もあるが、同様の形状のものは、拡径部を支持層に形成した根固め部内に完全に埋没させ、根固め液で固定することを条件とすれば、支持力は同様に評価できることも別途確認されている。
【0040】
【発明の効果】
本発明では、埋め込み杭工法またはソイルセメント工法により、地盤の支持層に埋設施工する場合に、支持層に埋設する支持杭の先端部領域に突起部や拡径部を形成するものであり、杭先端部の周面部の支圧力を増大させることにより、従来の先端部の杭周面部に突起部のない杭に比較し、杭先端部の圧力球根を増大させることができ、次のような優れた効果を得ることができる。
【0041】
杭先端部領域の外径を実質的に拡大させることができるので、大きな鉛直支持力を得ることができる。そのため、一本当たりの鉛直支持力を増大させることができるので、
a.杭体材料強度を限界一杯まで使用できる経済設計ができる、
b.杭体に高強度材が使用できるので、杭体の材料費を低減できる、
c.杭体の施工本数を削減できるので、施工費を低減できる、
など杭体施工工事を大幅に削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図】 本発明の鋼管製支持杭の先端部領域の構造例を示す一部断面側面説明図。
【図】 本発明の鋼管製支持杭の先端部領域の他の構造例を示す一部断面側面説明図。
【図】 本発明の鋼管製支持杭の先端部領域の他の構造例を示す一部断面側面説明図。
【図】 本発明の鋼管製支持杭の先端部領域の他の構造例を示す一部断面側面説明図。
【図】 本発明で鋼管製支持杭の先端部領域に拡径部や突起部を形成するために用いる拡径装置の一部断面側面説明図。
【図】 図における拡径機構の構造例を示す一部断面側面説明図。
【図】 図のAa−Ab矢視一部切欠断面説明図。
【図】 本発明による支持杭の埋設施工例(手順例)を示す側断面説明図。
【図】 図における支持杭の先端部領域の拡大説明図。
【図10】 本発明の実験例で用いた支持杭の先端部領域の形状例を示す側断面説明図。
【図11】 図10に示した各支持杭における荷重と沈下量との関係を、有限要素モデルを用いて解析した結果を示す説明図。
【符号の説明】
2:根固め部 a:地盤
as:支持層 16:鋼管製支持杭
17:突起部(突条) 18:鋼管製支持杭
19:突起部 20:鋼管製支持杭
21:突起部(突条) 22:コンクリート
23:鋼管製支持杭 24:拡径部
25:突起部(突条) 26:コンクリート
27:鋼管 28:拡径機構
29:退機構 30:拡径装置
31:油圧室 32:受圧板
33a〜33f:油圧シリンダー 34:ロッド
35a〜35f:拡径ブロック 36:油圧ホース
37:掘削装置 38:孔
39:大掘削装置 40:拡大孔
41:根固め液 42:周囲固め液

Claims (4)

  1. 埋め込み杭工法またはソイルセメント工法により、地盤中に鋼管製支持杭を埋設施工する際に、予め、地盤の支持層に埋没させるスリットの無い鋼管製支持杭の先端部領域の所定の部分を、該鋼管製支持杭内部に拡径ブロックを有する複数の油圧シリンダーが該鋼管製支持杭の径方向に配置され且つ進退機構を備えた拡径装置を挿入し、内部から局部拡径して外周に突起部または拡径部と突起部を形成しておき、この支持杭を立孔に挿入して前記先端部領域を地盤の支持層の根固め部に埋没させ、根固め部に注入の根固め液を固化させて地盤の支持層に固定することを特徴とする鋼管製支持杭の埋設施工方法。
  2. 前記根固め部に注入の根固め液を固化させて地盤の支持層に固定するとともに、この支持杭の内部にコンクリートなどの充填固化材を充填して固化させることを特徴とする請求項1記載の鋼管製支持杭の埋設施工方法。
  3. 前記鋼管製支持杭を内部から局部拡径の後、該鋼管製支持杭の内部にコンクリート内張りまたは充填し、その後、該支持杭を立孔に挿入することを特徴とする請求項またはに記載の鋼管製支持杭の埋設施工方法
  4. 前記鋼管製支持杭が、内面と外面のいずれか一方または双方にスパイラル状または横縞状の突条を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋼管製支持杭の埋設施工方法
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