JP3664332B2 - ハーフトーン位相シフトフォトマスクの製造方法 - Google Patents

ハーフトーン位相シフトフォトマスクの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、LSI、超LSI等の高密度集積回路の製造に用いられるフォトマスクに関し、特に、微細寸法の投影像が得られるハーフトーン位相シフトフォトマスクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
IC、LSI、超LSI等の半導体集積回路は、フォトマスクを使用したいわゆるリソグラフィー工程を繰り返すことによって製造されるが、特に微細寸法のパターン形成には、例えば特開昭58−173744号、特公昭62−59296号等に示されているような位相シフトフォトマスクの使用が検討されている。位相シフトフォトマスクには様々な構成のものが提案されているが、その中でも、例えば特開平4−136854号、米国特許第4,890,309号等に示されているようないわゆるハーフトーン位相シフトフォトマスクが早期実用化の観点から注目を集め、特開平5−2259号、特開平5−127361号等のように、製造工程数の減少による歩留まりの向上、コストの低減等が可能な構成、材料に関していくつかの提案がなされてきている。
【0003】
ここで、注目すべき点は、ハーフトーン以外のタイプの位相シフトリソグラフィーでは、遮光膜と位相シフター膜とで異なるパターンであるため、2回の製版工程を必要とするのに対し、ハーフトーン位相シフトリソグラフィーでは、パターンが1つであるため、製版工程は本質的に1回だけでよいという点であり、これがハーフトーン位相シフトリソグラフィーの大きな長所となっている。
【0004】
ハーフトーン位相シフトフォトマスクのハーフトーン位相シフト層には、位相反転と透過率調整という2つの機能が要求される。この中、位相反転機能については、位相シフト部を透過する露光光と開口部を透過する露光光とで位相が実質的に反転すればよい。ここで、ハーフトーン位相シフト層を、例えばM.Born,E.Wolf著『Principles of Optics』pp.628〜632に示されている吸収膜として扱い、多重干渉は無視できるので、垂直透過光の位相差φは、
Figure 0003664332
により計算され、φがnπ±π/3(nは奇数)の範囲内に含まれるとき、上述の位相シフト効果が得られる。ここで、φは基板上に(m−2)層の多層膜が構成されているフォトマスクを垂直に透過する光が受ける位相変化で、χk,k+1 はk番目の層と(k+1)番目の層との界面で起きる位相変化、uk ,dk はそれぞれk番目の層を構成する材料の屈折率と膜厚、λは露光光の波長である。ただし、k=1はマスク基板、k=mは空気とする。
【0005】
一方、ハーフトーン位相シフト効果が得られるためのハーフトーン位相シフト部の露光光透過率は、転写パターンの寸法、面積、配置、形状等によって決定され、パターンによって異なる。実質的に上述の効果を得るためには、ハーフトーン位相シフト部の露光光透過率をパターンによって決まる最適透過率を中心として、最適透過率±数%の範囲内に含まれるようにしなければならない。通常、この最適透過率は、転写パターンによって開口部を100%としたときに1ないし50%という広い範囲内で大きく変動する。すなわち、あらゆるパターンに対応するためには、様々な透過率を有するハーフトーン位相シフトマスクが要求される。
【0006】
実際には、位相反転機能と透過率調整機能とは、ハーフトーン位相シフト膜を構成する材料(多層の場合は、各層を構成する各材料)の複素屈折率(屈折率と消衰係数)と膜厚とによって決定される。つまり、ハーフトーン位相シフト膜の膜厚を調整し、式(1)により求まる位相差φがnπ±π/3(nは奇数)の範囲に含まれるように成膜したときの露光光透過率が1ないし50%の範囲に含まれるような材料が、ハーフトーン位相シフトフォトマスクのハーフトーン位相シフト層として使える。このような材料としては、例えば特開平5−127361号、特開平7−110572号に示されるクロム化合物を主体とする膜等が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、ハーフトーン位相シフトフォトマスクに特有の課題として、ステッパーによる転写の際に、隣接するショット(1回の投影範囲)同士で重ねて露光される領域が、図5に示す通り感光してしまうという問題があった。これは、従来のクロムマスクの遮光部は露光光をほとんど透過しないのに対し、ハーフトーン位相シフトフォトマスクのハーフトーン位相シフト部は、露光光透過率が上述の通り凡そ1〜50%であり、1回の露光ではウエハー上のレジストが感光しなくても、多重露光により感光してしまうからである。これを防ぐため、ショットが重なる部分に遮光帯と呼ばれる露光光を遮光する領域を設ける必要があったが、容易に実現する手段がなかった。
【0008】
さらに、フォトマスクは、多くの場合、電子線リソグラフィーによってパターン化されるが、上述のクロム化合物を主体とする膜は導電率が低く、電子線照射によって帯電してしまい、所望のパターンが形成できなくなってしまう、という問題もあった。一般的に、電子線により問題なくパターンを形成する場合、ブランクのシート抵抗が1×108 Ω/cm2 以下であることが要求される。
【0009】
本発明は従来技術のこのような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、ショットが重なる部分に遮光帯を容易に形成でき、パターニング前に十分な導電性を持つハーフトーン位相シフトフォトマスクの製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の問題に鑑み、実用的なハーフトーン位相シフトフォトマスク及びハーフトーン位相シフトフォトマスク用ブランクを開発すべく研究の結果、透明基板上に、少なくともフッ化クロム化合物を主体とする層を含むハーフトーン位相シフト膜と、クロムを主体とし単層又は多層からなるフッ素原子を実質的に含まない実質的な遮光膜とを積層することにより、遮光帯が容易に形成でき、かつ、電子線描画時に十分な導電性を持つことを見出し、かかる知見に基づいて完成したものである。
【0011】
本発明のハーフトーン位相シフトフォトマスクは、ハーフトーン位相シフト膜として、少なくともフッ化クロム化合物を主体とする層を少なくとも1層以上含む。フッ素原子を含むクロム化合物を主体とする層は、短波長域の透過率が高いため、g線(436nm)、i線(365nm)リソグラフィーだけでなく、より微細なパターン形成が可能なフッ化クリプトンエキシマレーザー(248nm)、フッ化アルゴンエキシマレーザー(193nm)リソグラフィーにも使用できる。この場合、少なくともフッ化クロム化合物を主体とする層を単層でハーフトーン位相シフト層として用いることもできるが、位相反転機能を損なわない範囲内で透過率を調整する層を積層して、積層型のハーフトーン位相シフト膜とすることもできる。
【0012】
さらに、本発明のハーフトーン位相シフトフォトマスクは、ハーフトーン位相シフト膜に加え、クロムを主体とし単層又は多層からなるフッ素原子を実質的に含まない実質的な遮光膜を有するが、この膜は導電性を有し、かつ、少なくともフッ化クロム化合物を主体とする層を含むハーフトーン位相シフト膜と同時に製版することが可能である。また、さらにその後、少なくともフッ化クロム化合物を主体とする層を含むハーフトーン位相シフト膜を残したまま、選択的に除去することもできる。
【0013】
一般的に、クロム系化合物のエッチングは、ドライプロセス、ウェットプロセスの両方が可能である。ドライエッチング法としては、塩素、四塩化炭素、トリクロロメタン等の塩素源となるガスと、酸素、炭酸ガス、アルコール、笑気ガス等の酸素源となるガスとの混合ガスのプラズマ化で、揮発性の高い塩化酸化クロムとする。
【0014】
ここで、本発明のハーフトーン位相シフトマスクに使われる、少なくともフッ化クロム化合物を主体とする層を含むハーフトーン位相シフト膜と、クロムを主体とし単層又は多層からなるフッ素原子を実質的に含まない実質的な遮光膜とは、共にこの方法でエッチングが可能である。
【0015】
また、ウェットエッチング法としては、硝酸セリウム系のエッチャントが使われるが、クロムを主体とし単層又は多層からなるフッ素原子を実質的に含まない実質的な遮光膜がこのエッチャントで加工できるのに対し、少なくともフッ化クロム化合物を主体とする層を含むハーフトーン位相シフト膜はエッチングされない。
【0016】
そこで、まず、ドライエッチング法により、少なくともフッ化クロム化合物を主体とする層を含むハーフトーン位相シフト膜と、クロムを主体とし単層又は多層からなるフッ素原子を実質的に含まない実質的な遮光膜とを一気にパターニングし、次に、マスクをウェットエッチャントに浸すことにより、少なくともフッ化クロム化合物を主体とする層を含むハーフトーン位相シフト膜を残したまま、クロムを主体とし単層又は多層からなるフッ素原子を実質的に含まない実質的な遮光膜を選択的に除去することができるのである。
【0017】
また、この除去工程において、クロムを主体とし単層又は多層からなるフッ素原子を実質的に含まない実質的な遮光膜を、例えばステッパーによる転写の際に隣接するショット同士で重ねて露光される領域にだけ残し、選択的に除去すれば、いわゆる遮光帯を容易に形成でき、この領域でのウエハー上のレジストの不必要な感光を妨げられる。また、この層を、遮光帯にだけでなく、必要に応じて所望のパターン上に製版することもできる。このように、クロムを主体とし単層又は多層からなるフッ素原子を実質的に含まない実質的な遮光膜を選択的に除去するには、事前にレジストを塗布し、これを常法によりパターニングしておけばよい。
【0018】
また、このフッ化クロム化合物は、フッ素の含有量が増せば導電性が失われるものであり、本発明のハーフトーン位相シフト層に適する組成に調整した場合、実質的に絶縁膜となってしまう。上述の通り、ブランクには導電性が要求されるが、本発明のハーフトーン位相シフトフォトマスク用ブランクには絶縁性のハーフトーン位相シフト層の他に、クロムを主体とし単層又は多層からなるフッ素原子を実質的に含まない実質的な遮光膜を有しており、この層の導電性により電子線描画中の帯電を防ぐことができる。本発明のブランクのシート抵抗は、このクロムを主体とし単層又は多層からなるフッ素原子を実質的に含まない実質的な遮光膜の構成、膜厚、組成によって異なるが、1×108 Ω/cm2 以下とすることができる。
【0019】
本発明のハーフトーン位相シフトフォトマスク用ブランクは、少なくともフッ化クロム化合物を主体とする層を含むハーフトーン位相シフト膜、及び、クロムを主体とし単層又は多層からなるフッ素原子を実質的に含まない実質的な遮光膜を従来の薄膜形成技術であるスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等で形成することにより、容易に作製できる。
【0020】
また、このブランクは以下の通り簡単にパターニングすることができる。すなわち、初めにブランク上に通常の電子線リソグラフィー法によって所望の電子線レジストパターンを形成する。ここで、上記の通りブランクが十分な導電性を持つため、描画中の帯電は起こらない。次に、電子線レジストパターンをマスクとして、上述のドライエッチングにより、レジストが除去された領域の少なくともフッ化クロム化合物を主体とする層を含むハーフトーン位相シフト膜と、クロムを主体とし単層又は多層からなるフッ素原子を実質的に含まない実質的な遮光膜とを除去する。次に、レジストを剥膜した後、クロムを主体とし単層又は多層からなるフッ素原子を実質的に含まない実質的な遮光膜を硝酸セリウム系のクロムエッチャントにより除去する。このエッチャントは、フッ素原子を含むクロム化合物を溶かさないので、フッ化クロム化合物を主体とする層を含むハーフトーン位相シフト膜はエッチングされずに完全に残る。なお、この際、必要に応じて、クロムを主体とし単層又は多層からなるフッ素原子を実質的に含まない実質的な遮光膜を選択的に残すことも可能である。
【0021】
すなわち、本発明の前提とするハーフトーン位相シフトフォトマスク用ブランクは、透明基板上に、少なくともフッ化クロム化合物を主体とする層を含むハーフトーン位相シフト膜と、クロムを主体とし単層又は多層からなるフッ素原子を実質的に含まない実質的な遮光膜とが積層されていることを特徴とするものである。
【0022】
この場合、クロムを主体とし単層又は多層からなるフッ素原子を実質的に含まない実質的な遮光膜が、導電性を有し、シート抵抗が1×108 Ω/cm2 以下であることが望ましい。
【0023】
また、露光光の透過率が透明基板を100%としたときに、1%以下であることが望ましい。
【0024】
また、クロムを主体とし単層又は多層からなるフッ素原子を実質的に含まない実質的な遮光膜が、少なくともフッ化クロム化合物を主体とする層を含むハーフトーン位相シフト膜を残し、選択的に除去可能であることが望ましい。
【0025】
また、少なくともフッ化クロム化合物を主体とする層を含むハーフトーン位相シフト膜の以下の式により求まる位相差φが、nπ±π/3ラジアン(nは奇数)の範囲に含まれることが望ましい。
Figure 0003664332
ここで、φは透明基板上に(m−2)層の多層膜が構成されているフォトマスク用ブランクを垂直に透過する光が受ける位相変化で、χk,k+1 はk番目の層と(k+1)番目の層との界面で起きる位相変化、uk ,dk はそれぞれk番目の層を構成する材料の屈折率と膜厚、λは露光光の波長である。ただし、k=1は透明基板、k=mは空気とする。
【0026】
また、少なくともフッ化クロム化合物を主体とする層を含むハーフトーン位相シフト膜の露光光に対する透過率が、透明基板の露光光に対する透過率を100%としたときに、1乃至50%であることが望ましい。
【0027】
本発明の製造方法で製造するハーフトーン位相シフトフォトマスクは、透明基板上に、少なくともフッ化クロム化合物を主体とする層を含むハーフトーン位相シフト膜のパターンが形成されているハーフトーン位相シフトフォトマスクにおいて、このパターン上の一部に、クロムを主体とし単層又は多層からなるフッ素原子を実質的に含まない実質的な遮光膜が積層されていることを特徴とするものである。
【0028】
この場合、クロムを主体とし単層又は多層からなるフッ素原子を実質的に含まない実質的な遮光膜が、ステッパーを用いた転写時に、隣接するショット同士で重ねて露光される領域を含む領域に少なくとも積層されていることが望ましい。
【0029】
また、クロムを主体とし単層又は多層からなるフッ素原子を実質的に含まない実質的な遮光膜が積層されている領域における露光光に対する透過率が、透明基板の露光光に対する透過率を100%としたときに、1%以下であることが望ましい。
【0030】
また、クロムを主体とし単層又は多層からなるフッ素原子を実質的に含まない実質的な遮光膜が積層されていない領域において、少なくともフッ化クロム化合物を主体とする層を含むハーフトーン位相シフト膜の以下の式により求まる位相差φが、nπ±π/3ラジアン(nは奇数)の範囲に含まれることが望ましい。
Figure 0003664332
ここで、φは透明基板上に(m−2)層の多層膜が構成されているフォトマスクを垂直に透過する光が受ける位相変化で、χk,k+1 はk番目の層と(k+1)番目の層との界面で起きる位相変化、uk ,dk はそれぞれk番目の層を構成する材料の屈折率と膜厚、λは露光光の波長である。ただし、k=1は透明基板、k=mは空気とする。
【0031】
また、クロムを主体とし単層又は多層からなるフッ素原子を実質的に含まない実質的な遮光膜が積層されていない領域において、少なくともフッ化クロム化合物を主体とする層を含むハーフトーン位相シフト膜の露光光に対する透過率が、透明基板の露光光に対する透過率を100%としたときに、1乃至50%であることが望ましい。
【0032】
本発明のハーフトーン位相シフトフォトマスクの製造方法は、上記のようなハーフトーン位相シフトフォトマスク用ブランクを用い、少なくともフッ化クロム化合物を主体とする層を含むハーフトーン位相シフト膜と、クロムを主体とし単層又は多層からなるフッ素原子を実質的に含まない実質的な遮光膜をドライエッチング法により一気にパターニングした後、クロムを主体とし単層又は多層からなるフッ素原子を実質的に含まない実質的な遮光膜をウェットエッチング法により除去することを特徴とする方法である。
【0033】
本発明のもう1つのハーフトーン位相シフトフォトマスクの製造方法は、上記のようなハーフトーン位相シフトフォトマスク用ブランクを用い、少なくともフッ化クロム化合物を主体とする層を含むハーフトーン位相シフト膜と、クロムを主体とし単層又は多層からなるフッ素原子を実質的に含まない実質的な遮光膜をドライエッチング法により一気にパターニングした後、クロムを主体とし単層又は多層からなるフッ素原子を実質的に含まない実質的な遮光膜をウェットエッチング法により所望のパターンに加工することを特徴とする方法である。
【0034】
本発明の上記ハーフトーン位相シフトフォトマスクの製造方法は、容易に遮光帯を形成することが可能であり、また、電子線描画時のチャージアップも問題とならないものである。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のハーフトーン位相シフトフォトマスク用ブランク、ハーフトーン位相シフトフォトマスク及びその製造方法の実施例について説明する。
〔実施例1〕
本発明のハーフトーン位相シフトフォトマスク用ブランクの実施例を、図1に従って説明する。図1(a)に示すように、鏡面研磨されたシリコンウエハー501上に、スパッタリング法で以下に示す通りの条件で、クロム化合物膜502を約30nmの厚さに成膜し、偏光解析用サンプル503を得た。
【0036】
成膜装置 :プレーナー型DCマグネトロンスパッター装置
ターゲット :金属クロム
ガス及び流量 :アルゴンガス76sccm+四フッ化炭素ガス24sccm
スパッター圧力:3ミリトール
スパッター電流:6アンペア
市販の分光エリプソメーター(ソプラ社製ES−4G)で、このサンプル503のKrFエキシマレーザー波長(248nm)での屈折率u及び消衰係数kを測定したところ、それぞれu=1.996、k=0.437であった。これを前記M.Born,E.Wolf著『Principles of Optics』pp.628〜632に示される金属膜として扱い、フォトマスクの基板として使われる高純度合成石英上に成膜したときに、波長248nmの透過光の位相を180°ずらすために必要な膜厚を計算したところ、130nmであった。
【0037】
そこで、図1(b)に示すように、光学研磨され良く洗浄された高純度合成石英504上に上述の成膜条件でクロム化合物膜505を約130nm成膜したところ、波長248nm光の透過率が凡そ5%であった。このブランクの分光透過率曲線を図4に示す。
【0038】
次いで、このブランク上に以下の条件で金属クロム膜506を約50nm成膜した。
成膜装置 :プレーナー型DCマグネトロンスパッター装置
ターゲット :金属クロム
ガス及び流量 :アルゴンガス100sccm
スパッター圧力:3ミリトール
スパッター電流:6アンペア
これによって、分光透過率、導電率共に通常のクロムフォトマスクブランクと同等である本発明のハーフトーン位相シフトフォトマスク用ブランク507を得た。
【0039】
〔実施例2〕
本発明のハーフトーン位相シフトフォトマスクの実施例を、図2に従って説明する。実施例1で得たブランク507上に、図2(a)に示すように、常法の電子線リソグラフィー法又はフォトリソグラフィー法により、有機物を主成分とする所望のレジストパターン702を得た。次に、レジストパターン702から露出された金属クロム膜506及びクロム化合物膜505(図1(a))を、CH2 Cl2 :O2 =1:2.5の混合ガス、圧力0.3Torrの条件で、高周波プラズマ中に曝すことによって選択的にドライエッチングを行い、図2(b)に示すように、所望の金属クロム膜及びクロム化合物膜のパターン703を得た。その後、残ったレジスト704を常法により剥離し、図2(c)に示すように、金属クロム膜パターン706が積層されたハーフトーン位相シフト膜パターン705を得た。最後に、必要に応じて欠陥修正を行った後、硝酸セリウム系のエッチング液に浸漬することによって、金属クロム膜パターン706を除去して、本発明のハーフトーン位相シフトフォトマスク707を得た。なお、このハーフトーン位相シフトフォトマスク707は、除去された部分の寸法精度、断面形状、膜厚分布、透過率分布、膜の基板への密着性等、全て実用に供することができるものであった。
【0040】
〔実施例3〕
本発明のハーフトーン位相シフトフォトマスクの別の実施例を、図3に従って説明する。図3(a)に示すように、実施例2と同様にして得られた金属クロム膜パターン706が積層されたハーフトーン位相シフト膜パターン705(図2(c))上に、常法のフォトレジストを塗布して、遮光帯を形成する部分にレジストパターン801を製版した。次に、レジストパターン801から露出された金属クロム膜706を硝酸セリウム系のエッチング液によって選択的に除去し、最後に、残ったレジスト801を常法により剥離することによって、本発明の遮光帯付きのハーフトーン位相シフトフォトマスク802を得た。
【0041】
以上、本発明のハーフトーン位相シフトフォトマスク用ブランク、ハーフトーン位相シフトフォトマスク及びその製造方法の原理とそれらの実施例について説明してきたが、本発明はこれらに限定されず種々の変形が可能である。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によると、ハーフトーン位相シフトフォトマスクのショットが重なる部分に遮光帯を容易に形成することが可能であり、また、パターニング前に十分な導電性を与えて電子線描画時のチャージアップも問題とならないハーフトーン位相シフトフォトマスク及びそのためのブランクを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のハーフトーン位相シフトフォトマスク用ブランクの製造方法の実施例を説明するための図である。
【図2】本発明のハーフトーン位相シフトフォトマスクの実施例の製造方法を説明するための図である。
【図3】本発明のハーフトーン位相シフトフォトマスクの別の実施例の製造方法を説明するための図である。
【図4】図1のクロム化合物膜のみを成膜したブランクの分光透過率曲線を示す図である。
【図5】ハーフトーン位相シフトフォトマスクのステッパーによる転写の際の重ねて露光される領域を模式的に示す図である。
【符号の説明】
501…シリコンウエハー
502…クロム化合物膜
503…偏光解析用サンプル
504…合成石英
505…クロム化合物膜
506…金属クロム膜
507…ハーフトーン位相シフトフォトマスク用ブランク
702…レジストパターン
703…金属クロム膜及びクロム化合物膜のパターン
704…残ったレジスト
705…ハーフトーン位相シフト膜パターン
706…金属クロム膜パターン
707…ハーフトーン位相シフトフォトマスク
801…レジストパターン
802…遮光帯付きハーフトーン位相シフトフォトマスク

Claims (7)

  1. 透明基板上に、少なくともフッ化クロム化合物を主体とする層を含むハーフトーン位相シフト膜と、クロムを主体とし単層又は多層からなるフッ素原子を実質的に含まない実質的な遮光膜とが積層されてなるハーフトーン位相シフトフォトマスク用ブランクを用い、前記の少なくともフッ化クロム化合物を主体とする層を含むハーフトーン位相シフト膜と、前記のクロムを主体とし単層又は多層からなるフッ素原子を実質的に含まない実質的な遮光膜をドライエッチング法により一気にパターニングした後、前記のクロムを主体とし単層又は多層からなるフッ素原子を実質的に含まない実質的な遮光膜をウェットエッチング法により除去することを特徴とするハーフトーン位相シフトフォトマスクの製造方法。
  2. 透明基板上に、少なくともフッ化クロム化合物を主体とする層を含むハーフトーン位相シフト膜と、クロムを主体とし単層又は多層からなるフッ素原子を実質的に含まない実質的な遮光膜とが積層されてなるハーフトーン位相シフトフォトマスク用ブランクを用い、前記の少なくともフッ化クロム化合物を主体とする層を含むハーフトーン位相シフト膜と、前記のクロムを主体とし単層又は多層からなるフッ素原子を実質的に含まない実質的な遮光膜をドライエッチング法により一気にパターニングした後、前記のクロムを主体とし単層又は多層からなるフッ素原子を実質的に含まない実質的な遮光膜をウェットエッチング法により所望のパターンに加工することを特徴とするハーフトーン位相シフトフォトマスクの製造方法。
  3. 請求項1又は2において、前記のクロムを主体とし単層又は多層からなるフッ素原子を実質的に含まない実質的な遮光膜が、導電性を有し、シート抵抗が1×108 Ω/cm2 以下であることを特徴とするハーフトーン位相シフトフォトマスクの製造方法
  4. 請求項1から3の何れか1項において、露光光の透過率が前記透明基板を100%としたときに、1%以下であることを特徴とするハーフトーン位相シフトフォトマスクの製造方法
  5. 請求項1からの何れか1項において、前記のクロムを主体とし単層又は多層からなるフッ素原子を実質的に含まない実質的な遮光膜が、前記の少なくともフッ化クロム化合物を主体とする層を含むハーフトーン位相シフト膜を残し、選択的に除去可能であることを特徴とするハーフトーン位相シフトフォトマスクの製造方法
  6. 請求項1からの何れか1項において、前記の少なくともフッ化クロム化合物を主体とする層を含むハーフトーン位相シフト膜の以下の式により求まる位相差φが、nπ±π/3ラジアン(nは奇数)の範囲に含まれることを特徴とするハーフトーン位相シフトフォトマスクの製造方法
    Figure 0003664332
    ここで、φは透明基板上に(m−2)層の多層膜が構成されているフォトマスク用ブランクを垂直に透過する光が受ける位相変化で、χk,k+1 はk番目の層と(k+1)番目の層との界面で起きる位相変化、uk ,dk はそれぞれk番目の層を構成する材料の屈折率と膜厚、λは露光光の波長である。ただし、k=1は前記透明基板、k=mは空気とする。
  7. 請求項1からの何れか1項において、前記の少なくともフッ化クロム化合物を主体とする層を含むハーフトーン位相シフト膜の露光光に対する透過率が、前記透明基板の露光光に対する透過率を100%としたときに、1乃至50%であることを特徴とするハーフトーン位相シフトフォトマスクの製造方法
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