JP3663456B2 - Cd/dvd互換再生ピックアップ装置 - Google Patents

Cd/dvd互換再生ピックアップ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、厚さの異なるディスク、例えば厚さ0.6mmの基板厚のDVDディスクと厚さ1.2mmの基板厚のCDディスクの情報を単一の対物レンズで、しかも開口数(NA)を切り替えることなく読み取ることができるCD/DVD互換再生ピックアップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近においては、厚さ1.2mmの基板のCD(Compact Disc)ディスクに他に、厚さ0.6mmの基板を2枚貼り合わせてなる大容量記憶可能なDVD(Digital Video Disc)ディスクが開発されるに至っている。
この場合、両ディスクからの読み取りを単一のレンズで、しかも余分な部品、例えばアパーチャ制御機構等を設けることなく可能とする構造簡単なCD/DVD互換再生ピックアップ装置が求められているが、再生信号の劣化を生ずることなく、上記した目的を達するのは困難であった。例えば、厚みが0.6mmのDVDディスク用に球面収差補正をした高NAの対物レンズを用いて、DVDディスクを再生すると、良好な再生信号を得られるが、このレンズを用いて厚みが1.2mmのCDディスクの読み取りを行なうと、光学的な開口制限がないことと、球面収差が多いことのため、スポットが変形し、再生信号が劣化してしまう。
【0003】
すなわち、厚みが0.6mm厚のDVDディスクに球面収差補正を合わせた対物レンズで1.2mm厚のCDディスクを再生するとき、ディスク基板の厚み差よる球面収差が発生するため、ディスクから反射された反射光はその光線が出射された対物レンズのNA値によって、光軸をよぎる位置が異なり、複雑な収束光線で反射パターンを形成する。この結果、再生信号に悪い影響が出てしまう。
【0004】
ここで、フォーカス検出について説明する。
この問題点を解決するために、従来においては、2焦点方式、ツインレンズ方式、NA変換方式、メカ可変開口方式などの種々の互換再生ピックアップ装置が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記2焦点方式は、例えば特開平7−98431号公報に開示されているように対物レンズの中心部に凹凸状のホログラムレンズを形成し、1つの対物レンズに対して2つの焦点を形成してCDとDVDに対応させるようにしたものであるが、この場合には、複雑なレンズ構成のために成形性が悪くなってレンズのコスト高を招来するのみならず、透過光を常に2分して2つの焦点に集光させる構造のため、光利用効率が劣り、信頼性が相対的に低い高出力の半導体レーザを用いなければならないという、問題点がある。
【0006】
ツインレンズ方式は、例えば特開平6−333255号公報に開示されているようにCDディスクに開口数を適合させたCD用対物レンズと、DVDディスクに開口数を適合させたDVD用対物レンズと2種類の対物レンズを用意し、これらを機械的に切り替えることによって、CDとDVDの再生に対応させるようにしたものであるが、この場合には、2つの対物レンズを用意しなければならないばかりか、これらを切り替えるための制御機構も設けなければならず、重量が増大するのみならず、コスト上昇を余儀なくされてしまうという問題がある。また、重量が重くなるために、高速アクセスに要求されるレンズアクチュエータの適正な周波数特性を実現できなくなるという問題もある。
【0007】
NA変換方式は、例えば特開平8−45105号公報に開示されているように対物レンズに並設させて液晶の可変開口シャッタを設け、CDとDVDの再生に対応させて、選択的に開口数を切り替えるようにしたものであるが、この場合には、対物レンズは1つで済むが、液晶可変開口シャッタとこの制御機構として例えば交流電源回路等を設けなければならず、その分、コスト高を招来するという問題があった。
【0008】
メカ可変開口方式は、例えば特開平4−163732号公報や特開平8−45105号公報に開示されているように、メカニカルなシャッタにより開口数を切り替えるようにしているものであるが、この場合にも、シャッタ自体とその制御機構を設けなければならず、コスト高を招来する原因となっていた。
【0009】
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものであり、その目的は単一の対物レンズで、しかも開口数を切り替えることなくCDディスクもDVDディスクも再生信号を劣化させることなく読み取ることができるCD/DVD互換再生ピックアップ装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に規定する発明は、DVDディスクに対して球面収差補正をした単一の対物レンズを有する光学系を用いてDVDディスクとCDディスクからの反射光を光検出器により検出して、該検出信号から光電変換部にて再生信号を求めるようにしたCD/DVD互換再生ピックアップ装置において、前記光検出器を前記CDディスク或いはDVDディスクに投影した時に得られる図形の面積は、16μm2 から225μm2 の範囲内に設定されており、前記対物レンズは、CDディスク再生時におけるノーマルな非球面対物レンズの縦収差特性に対して中心部の近傍の縦収差を僅かに+方向にシフトさせるように設定した対物レンズにより構成したものである。
【0011】
請求項2に規定する発明は、DVDディスクに対して球面収差補正をした単一の対物レンズを有する光学系を用いてDVDディスクとCDディスクからの反射光を光検出器により検出して、該検出信号から光電変換部にて再生信号を求めるようにしたCD/DVD互換再生ピックアップ装置において、前記光検出器を前記CDディスク或いはDVDディスクに投影した時に得られる図形の面積は、16μm2 から225μm2 の範囲内に設定されており、前記光電変換部は、周波数特性を改善するための等化器を備えるように構成したものである。
請求項3に規定する発明は、DVDディスクに対して球面収差補正をした単一の対物レンズを有する光学系を用いてDVDディスクとCDディスクからの反射光を光検出器により検出して、該検出信号から光電変換部にて再生信号を求めるようにしたCD/DVD互換再生ピックアップ装置において、前記光検出器を前記CDディスク或いはDVDディスクに投影した時に得られる図形の面積は、16μm2 から225μm2 の範囲内に設定されており、前記対物レンズは、ノーマルな非球面対物レンズの一部に、CDディスク再生時に光スポットの集光特性を改善するためのリング状の切り欠き部を形成した対物レンズにより形成したものである。
【0012】
請求項1に規定する発明によれば、光検出器をディスクに投影した時に得られる図形の面積を16μm2 から225μm2 の範囲内に設定し、且つCD再生時におけるノーマルな非球面対物レンズの縦収差特性に対して中心部の近傍の縦収差を僅かに+方向にシフトさせるように設定した対物レンズ(以下、第1の特殊対物レンズと称す)を用いることにより、CD再生時における再生信号の品質を著しく劣化させる光成分が光検出器に入射することを阻止することができる。従って、再生信号の品質を高く維持することが可能となる。
【0013】
請求項2に規定する発明によれば、上述のように光検出器のディスク投影面積を限定し、且つ光電変換部に等化器を設けるようにしたので、この場合には、対物レンズとして上記したような特殊対物レンズを用いず、通常のノーマルな非球面対物レンズを用いても、CD再生時における再生信号の品質を高く維持することができる。
請求項3に規定する発明によれば、上述のように光検出器のディスク投影面積を限定し、且つノーマルな非球面対物レンズの一部に、CDディスク再生時に光スポットの集光特性を改善するためのリング状の切り欠き部を形成した対物レンズ(以下、第2の特殊対物レンズと称す)を用いることにより、CD再生時における再生信号の品質を高く維持することが可能となる。
この場合、光電変換部に、周波数特性を改善するための等化器を設けることにより、再生信号の品質を一層改善することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るCD/DVD互換再生ピックアップ装置の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。
図1は本発明に係るCD/DVD互換再生ピックアップ装置を示す構成図、図2は図1に示す装置の主要部を示す回路構成図、図3はノーマルな対物レンズ及び第1の特殊対物レンズによりDVDディスクを再生した時の縦収差を示すグラフ、図4はノーマルな対物レンズ及び第1の特殊対物レンズによりCDディスクを再生した時の縦収差を示すグラフである。
【0015】
図1は、光入射側に位置するDVDディスク1の記録面(0面)の情報を再生する時のレーザ光の状態を示している。図中、LDは読取レーザ光LAを出力する半導体レーザであり、2は上記レーザ光LAの成分の内、一方の成分、例えばP偏光成分を90°方向を変えて反射し、他方のS偏光成分を透過する偏光ビームスプリッタである。上記レーザLDは、波長が650nmの光を出力する素子を内蔵している。3は上記反射光を平行光線にするコリメータレンズであり、4はこの平行光線を円偏光に変換するλ/4板である。5は所定の焦点距離を有し、所定の開口数NAを有する対物レンズであり、DVDディスク1の記録面に焦点を結ぶ。本実施例では、後述するようにこの対物レンズ5は、CD再生時に中心部近傍の縦収差がノーマルな非球面収差と僅かに異なるようにその表面が補正されており、第1の特殊対物レンズになされている。
【0016】
6はシリンドリカルレンズであり、単一方向(Y軸)にのみレンズとして働き、もう一方の方向(X軸,紙面垂直方向)には何も作用しない。尚、このレンズの横に、レンズの方向と、X、Y軸との関係を併記してある。また、図1中の下部にこの時の光センサ部の平面図の一例を示す。7は4分割になされた光検出器である。上記シリンドリカルレンズ6のX軸はトラック方向に対して45°傾いており、4分割の上記光センサ部12はトラックの方向に分割線が直角或いは平行となるように置かれている。ここで、分割線とは、図1の下部に示す光センサ部内の十字状の線を示す。
【0017】
上記光検出器7は図2にも示すように1辺が略80μm程度の略正方形状になされており、4つの略正方形状のセンサ素子A、B、C、Dを図示しない僅かな間隙の不感帯部を挟んで略正方形状に配置して構成されており、4分割センサを構成している。2つの正方形状のセンサ素子B、Dは、正方形状の光センサ部12の一方の対角線方向8に沿って配置している。この対角線方向8は、例えばシリンドリカルレンズ6の例えばレンズ作用のない方向、すなわちX軸に対応している。
【0018】
一方、他の2つの正方形状のセンサ素子A、Cは、他方の対角線方向9に沿って配置されている。この対角線方向9は、シリンドリカルレンズ6のレンズ作用のある方向、すなわちY軸に対応している。各センサ素子間には、上述のように図示しない僅かな間隙の不感帯が設けられて、光学系全体が構成される。尚、X軸と、Y軸の関係が逆になるように光検出器7の各センサ素子を配置してもよい。
【0019】
ここで、特徴的な部分は、本発明においては、略正方形状の上記光検出器7をディスクに投影した時に得られる図形の面積が16μm2 から225μm2 の範囲内に設定されている点及びCDディスク再生時における対物レンズ5の中心部近傍の縦収差を通常のノーマルな非点球面対物レンズのものよりも+方向に僅かに大きく設定した点である。
まず、従来においては、光検出器のディスク上での像の大きさに関しては何ら定義されてはいなかったが、光学系を介してどのような大きさの像が形成されるかという点を考慮することにより、CDディスク再生時における不要光の入射を抑制することがある程度可能となる。
【0020】
この場合、ディスク面における光検出器7の投影面積は、シリンドリカルレンズ6の焦点距離F2と、コリメータレンズ3と対物レンズ5の合成による焦点距離F1との比によって倍率M(=F2/F1)が決定される。また、シリンドリカルレンズ6は、レンズ作用のある方向とレンズ作用のない方向があるので、結局、正方形状の光検出器は、ディスク面上では菱形形状の投影図となる。
【0021】
また、対物レンズ5は、ここでは縦収差が特殊化されている。この点について詳しく説明すると、図3は第1の特殊対物レンズのDVDディスク再生時における縦収差を示しているが、この特性は、DVDディスク再生用に球面収差が補正された通常のノーマルな非球面収差対物レンズと略同じ特性を示している。レンズの最外周での開口数NAが0.6であり、縦収差は大きくてせいぜい0.0005mmであり、非常に良好な特性を示している。従って、この第1の特殊対物レンズを用いてDVDディスクを再生した時の再生信号の品質は非常に高いものとなる。
【0022】
これに対して、図4は上記ノーマルな非球面収差対物レンズと第1の特殊対物レンズを用いてCDディスクを再生した時の縦収差を示している。ここで、横軸の縦収差のスケールが、図3の場合よりも2桁(100倍)も大きい点に注意されたい。図中の破線はノーマルな非球面収差対物レンズの特性を示し、実線は第1の特殊対物レンズの特性を示している。この図から明らかなように概ね開口数が0.35を越えると急激に縦収差が大きくなっており、この縦収差の大きい部分を通過する光成分を上述のように光検出器の投影面積を規定することにより検出しないようにしており、且つレンズ中心部の近傍、例えば開口数NAが0.35以下の部分においてノーマルの非球面対物レンズの特性よりも僅かに、例えば最大0.005mm程度だけ縦収差を+方向にシフトさせるように設定することにより、上記した投影面積を規定することとの相乗作用でCDディスク再生時における再生信号の信号品質を高く維持することが可能となる。ここで+方向とは、光軸上において光検出器から遠ざかる方向を言う。尚、この特殊対物レンズでDVDディスクを再生した場合の収差は、0.02λ(λは波長)程度であり、これは前述のように許容される範囲である。
【0023】
さて、図1に戻って光検出器7の各センサ素子A、B、C、Dの検出信号は光電変換部10へ入力されて、ここでフォーカス信号と再生(RF)信号が形成される。具体的には、各センサ素子A〜Dの出力側には、光電変換抵抗R1〜R4を有する増幅器11−1〜11−4が接続されており、各検出信号を増幅するようになっている。
そして、増幅器11−1から出力されるA信号と増幅器11−3から出力されるC信号は加えられて、比較部21の+端子に入力され、また、増幅器11−2から出力されるB信号と増幅器11−4から出力されるD信号は加えられて、比較部12の−端子に入力され、+端子への入力信号との差を取り、フォーカス信号(FES)13を出力するようになっている。
また、上記A、B、C、D信号の各信号は加算部14へ入力されて総和され、再生信号(RF)15を出力するようになっている。
【0024】
次に、本実施例の動作について説明する。
まず、DVDディスクの読み取りを行なう場合について説明する。
ここでは、厚みが0.6mmの基板が張り合わされたDVDにピット列で記録された情報をスポットで読み取るものとする。
半導体レーザLDから出射された波長が650nmのレーザ光LAはP偏光でPBS(偏光ビームスプリッタ)2の反射面で反射され、コリメータレンズ3を通って、平行光にされる。偏光光学系で往路と復路の光を分離するためλ/4板4が挿入され、直線偏光の光を円偏光とする。平行光はNAが0.6で0.6mmの基板厚みに対して球面収差を補正され、且つ中心部がCD再生時用に縦収差の補正された対物レンズ5に入射される。対物レンズ5で収束された光はDVDディスク1のピットを読み取る。これにより、基板厚みが0.6mmで、ピット長が0.4μm、ピッチが0.75μm、読み取り波長が650nm、読み取り対物レンズのNAが0.6の条件でDVDの情報信号は読み出される。
【0025】
ディスク1からの反射光はλ/4板4を通過して直線偏光となり、PBS2を通過し、シリンドリカルレンズ6で非点収差を与えて、フォーカス信号が検出される。光検出器7の形状は正方形の4分割センサとしている。合焦時のセンサスポットが円形の読取スポット25であり、フォーカスがずれたとき対角方向すなわちX・Y方向に楕円形状となる。
【0026】
そして、フォーカス信号13は、センサ素子A側からのA信号とセンサ素子C側からのC信号との和信号と、センサ素子B側からのB信号とセンサ素子D側からのD信号との和信号との差信号として求められ、(A+C)−(B+D)と表される。また、再生信号15は、A信号、B信号、C信号及びD信号の各信号の和信号として求められ、(A+B+C+D)と表される。
【0027】
図5は上記DVDディスクを再生している時の光検出器7上における読取スポット25を示しており、光検出器7の一辺の長さは80μmである。全ての光線が光検出器7上、すなわち受光領域中に集光されており、従ってDVDディスクを反射した光線は全て光検出器7にて検出されるため、品質の良好な再生信号を得ることができる。
【0028】
次に、上述のようにDVDディスク用に球面収差補正がなされ且つ、レンズ中心部近傍の縦収差補正がなされた対物レンズを用いて厚みが異なるCDディスクを再生する場合について説明する。
図6はCDディスクを再生している時の光検出器7を含む全体の読取スポット25を示している。ここで中心部の四角い枠が一辺80μmの光検出器7であり、外枠の四角が1mm角の領域を示し通り、図5に示す場合とはスケールが12倍程異なる点に注意されたい。このようにCDディスクを再生する場合には、多くの光線が光検出器7の領域以外の部分に入射しており、これらの光線は、対物レンズの瞳の比較的外側を通っている光線である。光検出器7には概ね対物レンズの開口数NAが0.35乃至0.37以下の部分を通った光線が入射している。このように、光検出器のディスクへの投影面積を限定して、更に、レンズ中心部近傍のCD再生時の縦収差を補償することにより、CD再生時の不要な回折光が光検出器へ入射することを阻止でき、再生信号の品質を高く維持することが可能となる。
【0029】
図7は光検出器のディスク投影面積とCD再生時のジッターの関係を示すグラフである。ここで用いた対物レンズはDVD再生用に設計されて、レンズ中心部近傍の縦収差を補償した第1の特殊対物レンズであり、グラフに示すようにこの曲線は2次近似曲線となっており、投影面積が略100μm2 前後においてジッターが最小値になっている。ピックアップ装置の初期特性として要求される基準は、ジッターに関しては略11%以下であり、従って、投影面積を16μm2 〜225μm2 の範囲内、好ましくは30μm2 〜200μm2 の範囲内に設定するのがよい。投影面積が16μm2 よりも小さいと光検出器の検出限界を超えてしまう。また、225μm2 よりも大きくなると、ジッターは11%を超えて急激に大きくなってしまう。
【0030】
次に、実際に設計された光学系を用いて行なわれた検出結果の一例について説明する。
用いた光学系の定数は以下のようである。
Figure 0003663456
ここで対物レンズとしては、前述した第1の特殊対物レンズを用いた。
【0031】
本実施例の光学系では、フォーカス検出のための非点収差の方向(主軸)は、光検出器7の対角線の方向である。これは、光検出器7をディスク上に投影する場合に、本実施例のように光検出器が正方形であっても、この光検出器の2つの対角線の長さが異なって、投影されることを意味している。このため、光検出器をディスク上に投影した時に得られる図形は、菱形の形状となる。
菱形の対角線の長さは、光検出器の対角線の長さが113.1μm(=80×1.41)であることにより、15.91μmと14.16μmになる。よって、光検出器をディスク上に投影した図形の面積は、112.6μm2 となる。(図7参照)
【0032】
ここで、本発明の効果を光ディスク再生信号の品質を最も端的に示す評価量であるジッターの値を示して説明する。ジッターは、光学系の状態が悪いと増加し、CD方式の場合一般的に13%乃至15%程度のジッターが再生信号のエラー率より見て許容され得る最大値である。また、この13%乃至15%程度の値は、ディスクのそりの様な不完全性、ピックアップ、CDドライブ等の経時変化等を含んだ場合の最大許容量である。従って、光ピックアップ装置の初期特性をディスクとピックアップ装置の傾き関係等の全ての条件を最良に設定した場合の特性と定義すると、実際には、光ピックアップ装置はこれよりずっと低い、少なくとも10%乃至11%程度のジッター値を初期特性として保持する必要がある。
【0033】
実験結果によれば、CDディスクを再生した場合の、最短信号である3Tパルスのジッターは、CDのディスク規格の範疇で最もピット長が短くなり、信号特性が悪くなる線速度1.2m/secのディスクの場合で、再生信号のジッターを読み出しクロック1Tの約7%にすることができ、良好な結果を得ることができた。
これは、CD用に設計制作されたピックアップ装置でCDディスクを再生した場合のジッター量と殆ど同じ値であり、CDディスクを再生するという点から見ると、全く従来のCDディスク用のピックアップ装置と同等に性能が良好なものである。また、後述するイコライザという余分な素子を付加することなく互換ピックアップ装置を作ることが出来るため、信号再生の信頼性が高く高性能であり、またコストも低くする事ができ好都合である。
【0034】
次に、比較のために本発明の光学構成を取らない場合として、ディスクに投影した光検出器の面積を図7において規定した範囲よりも大きな5000μm2 に設定した場合の実験結果によれば、DVD用に設計された両面非球面対物レンズ(ノーマルレンズ)を用いて、CD再生した場合の、最短信号である3Tパルスのジッターは、読み出しクロック1Tの約20%であり、特性が劣った。更に、波形等化器を用いることで、ジッター値を約14%程度に改善することが出来たが、これは光ピックアップ装置の初期特性の上限値である11%に達しておらず、特性としては不十分であり実用に供する事は出来ない。
【0035】
次に、上記第1の特殊対物レンズに替えて、図8に示すような第2の特殊対物レンズ27を用いるようにしてもよい。この第2の特殊対物レンズ27は、例えばODS(Optical Data Storage)予稿集 C.W.Lee著[A Compact Disc Compatible DigitalVideo Disc Pickup Using Annular Mask]に開示されており、図示するようにノーマルな非球面対物レンズの一部に、CDディスク再生時に光スポットの焦点特性を改善するためのリング状の切り欠き部28を形成している。そして、ディスク1側からの反射光がこの切り欠き部28に入射するとこれを散乱させて、リング状のマスクを形成したと同様な機能を生ぜしめている。
【0036】
このように構成された第2の特殊対物レンズ27を上記第1の特殊対物レンズ5と入れ替えて、他の条件、例えば光検出器のディスク投影面積の大きさなどの条件を前述したと全く同様にして再生試験を行なったところ、再生信号のジッターを略11%にすることができた。これは、ジッターの上限値11%と略同じ値で良好であった。更に、この再生信号の出力側に、すなわち図2中の加算部14の出力側に一点鎖線で示すように等化器29を設けて周波数特性を改善したところ、ジッターを略9%まで低減することができた。
これは上記等化器29を介設することにより、高い周波数帯域におけるゲインの落ち込みを防止して、周波数特性が改善されたからである。このような等化器29として、例えば3タップの余弦等化器を用いることができるが、これに限定されないのは勿論である。
【0037】
また、上記実施例においては、対物レンズとして第1及び第2の特殊対物レンズを用いた場合を例にとって説明したが、これに限定されず、図1に示す対物レンズ5として、DVDディスク再生用に球面収差が補正された通常のノーマルな非球面対物レンズを用いるようにしてもよい。このノーマルな対物レンズを用いた場合には、先の第2の特殊対物レンズを用いた時に図2を参照して説明したように、加算部14の出力側に、周波数特性を改善するための等化器29を設ける。
このノーマルな対物レンズを先の第1の特殊対物レンズを入れ替えて、且つ他の条件、例えば光検出器のディスク投影面積の大きさなどの条件を前述したと全く同様にして再生試験を行なったところ、再生信号のジッターを10%程度まで下げることができ、CD用のピックアップ装置の初期特性として、十分に良好な値を得ることができた。ちなみに、等化器29を設けなかったところ、再生信号のジッターは略16%まで上昇し、限界を超えて信号品質が劣化してしまった。
【0038】
尚、上記実施例では光検出器の大きさは単に一例を示したに過ぎず、光学系の倍率との関係で決まるディスク投影面積(図形面積)を上述した範囲内に設定できるならば、どのような大きさに設定してもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のCD/DVD互換再生ピックアップ装置によれば、次のように優れた作用効果を発揮することができる。
光検出器のディスク投影面積を所定の範囲内に規定して、且つ第1の特殊対物レンズを用いた場合には、DVDディスク再生時は勿論のこと、余分な対物レンズや開口制限機構を設けることなくCDディスク再生時における再生信号の信号品質を高く維持することができる。
また、光検出器のディスク投影面積を所定の範囲内に規定して、且つノーマルの非球面対物レンズを用い、更に、出力側に周波数特性を改善する等化器を設けることにより、DVDディスク再生時は勿論のこと、余分な対物レンズや開口制限機構を設けないで行われるCDディスク再生時においても、再生信号の信号品質を高く維持することができる。
更に、光検出器のディスク投影面積を所定の範囲内に規定して、且つ第2の特殊対物レンズを用いた場合には、DVDディスク再生時は勿論のこと、余分な対物レンズや開口制限機構を設けないで行われるCDディスク再生時においても、再生信号の信号品質を高く維持することができる。
また、この第2の特殊対物レンズを用いた場合には、出力側に等化器を設けることにより、再生信号の品質を一層改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るCD/DVD互換再生ピックアップ装置を示す構成図である。
【図2】図1に示す装置の主要部を示す回路構成図である。
【図3】ノーマルな対物レンズ及び第1の特殊対物レンズによりDVDディスクを再生した時の縦収差を示すグラフである。
【図4】ノーマルな対物レンズ及び第1の特殊対物レンズによりCDディスクを再生した時の縦収差を示すグラフである。
【図5】DVDディスクを再生している時の光検出器上における読取スポットを示す図である。
【図6】CDディスクを再生している時の光検出器を含む全体の読取スポットを示す図である。
【図7】光検出器のディスク投影面積とCD再生時のジッターの関係を示すグラフである。
【図8】第2の特殊対物レンズを示す平面図である。
【符号の説明】
1…ディスク、2…偏光ビームスプリッタ、3…コリメータレンズ、5…対物レンズ(第1の特殊対物レンズ)、7…光検出器、10…光電変換部、15…再生信号、27…第2の特殊対物レンズ、28…切り欠き部、29…等化器、A〜D…センサ素子。

Claims (4)

  1. DVDディスクに対して球面収差補正をした単一の対物レンズを有する光学系を用いてDVDディスクとCDディスクからの反射光を光検出器により検出して、該検出信号から光電変換部にて再生信号を求めるようにしたCD/DVD互換再生ピックアップ装置において、前記光検出器を前記CDディスク或いはDVDディスクに投影した時に得られる図形の面積は、16μm2 から225μm2 の範囲内に設定されており、前記対物レンズは、CDディスク再生時におけるノーマルな非球面対物レンズの縦収差特性に対して中心部の近傍の縦収差を僅かに+方向にシフトさせるように設定した対物レンズよりなることを特徴とするCD/DVD互換再生ピックアップ装置。
  2. DVDディスクに対して球面収差補正をした単一の対物レンズを有する光学系を用いてDVDディスクとCDディスクからの反射光を光検出器により検出して、該検出信号から光電変換部にて再生信号を求めるようにしたCD/DVD互換再生ピックアップ装置において、前記光検出器を前記CDディスク或いはDVDディスクに投影した時に得られる図形の面積は、16μm2 から225μm2 の範囲内に設定されており、前記光電変換部は、周波数特性を改善するための等化器を備えたことを特徴とするCD/DVD互換再生ピックアップ装置。
  3. DVDディスクに対して球面収差補正をした単一の対物レンズを有する光学系を用いてDVDディスクとCDディスクからの反射光を光検出器により検出して、該検出信号から光電変換部にて再生信号を求めるようにしたCD/DVD互換再生ピックアップ装置において、前記光検出器を前記CDディスク或いはDVDディスクに投影した時に得られる図形の面積は、16μm2 から225μm2 の範囲内に設定されており、前記対物レンズは、ノーマルな非球面対物レンズの一部に、CDディスク再生時に光スポットの集光特性を改善するためのリング状の切り欠き部を形成した対物レンズよりなることを特徴とするCD/DVD互換再生ピックアップ装置。
  4. 前記光電変換部は、周波数特性を改善するための等化器を備えたことを特徴とする請求項3記載のCD/DVD互換再生ピックアップ装置。
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