JP3662301B2

JP3662301B2 - ポンプ装置用吸水ストレーナ

Info

Publication number: JP3662301B2
Application number: JP16989795A
Authority: JP
Inventors: 幸郎有光; 祥郎石垣
Original assignee: Arimitsu Industry Co Ltd
Current assignee: Arimitsu Industry Co Ltd
Priority date: 1995-07-05
Filing date: 1995-07-05
Publication date: 2005-06-22
Anticipated expiration: 2015-07-05
Also published as: JPH0921386A

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、主に土木・建築用の高圧水噴射式洗浄機や同高圧水噴射式解体作業機等に適用され、ポンプ装置の給水側において土砂等の異物を取り除くポンプ装置用吸水ストレーナに関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、家屋やビル等の建築物の洗浄や解体等をする際、公害原因となる粉塵の発生を防止するため、ポンプ装置によって高圧水を噴射する高圧水噴射式洗浄機等が注目されている。
【０００３】
ところで、前記ポンプ装置に水を汲上げる水源として、特に、震災によって破壊された建築物の解体時には、水道水等の清水が得られ難いため、河川や湖沼及び貯水タンク等が使用される。そして、これらの水はゴミや土砂等の異物を含んでいることから、この異物が水と共にポンプ装置に汲上げられ、その内部機器を破損したりするのを阻止するため、前記ポンプ装置に接続する吸水ホースの入口側にストレーナを取付けるようにしている。
【０００４】
このようなストレーナとして、従来では、図６のものが使用されており、ベース部材Ａに、ポンプ装置に至る給水ホースＦを接続する筒形の中芯部材Ｂを嵌着し、この中芯部材Ｂの外周部に係合係止するカバーＣと前記ベース部材Ａとの間に、筒状フィルタＤを取付け、このフィルタＤの内部で前記中芯部材Ｂの下方に複数のポンプ接続口Ｅを開口している。Ｇは、フィルタＤを保形するスペーサ部材である。
【０００５】
そして、前記ストレーナの全体を水源に投入してポンプ装置を駆動することにより、水源の水に含まれるゴミや土砂等の異物をフィルタＤで分離濾過し、清浄水のみを接続口Ｅ、中芯部材Ｂ、吸水ホースＦを経てポンプ装置へと汲上げ、該ポンプ装置から被解体建築物に向けて高圧水を噴出させるようにしている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、以上の従来のストレーナは、水源の水を前記フィルタＤに直接導入する構造としているため、該フィルタＤの外周面に異物が付着して目詰まりを起し易く、早期に使用不能となるのであり、従って、頻繁にフィルタＤの洗浄作業を行う必要があった。
【０００７】
本発明の目的は、フィルタの目詰まりを少なくして、頻繁な洗浄作業を必要とすることなく長期使用が可能なストレーナを提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するため、本発明のポンプ装置用吸水ストレーナは、上下に離隔して対向する上部カバー及びベース部材間に円筒部材を配してなるケーシングと、前記上部カバーを貫通してその下端部が前記ベース部材に結合され、上下方向の途中に支持板を有する中芯部材と、該中芯部材及び前記円筒部材の間であり、前記上部カバー及び前記支持板間に配された円筒形のフィルタと、該フィルタ及び前記円筒部材間の周回通路に該周回通路の周方向へ開放された吸水口と、前記中芯部材の前記フィルタ内となる位置に穿設され、ポンプに接続されるポンプ接続口とを備える構成とした。
【０００９】
【作用】
吸水口からケーシング内に取り込まれた水源の水は、円筒部材とフィルタとの間に画成した周回通路を周回しつつ、前記フィルタ内のポンプ接続口からポンプ側へ汲上げられる。水が周回通路を周回するとき、水に含まれる比較的大きな異物は、その周回による遠心力により、径方向外方に分離除去される。こうして、異物の少なくなった水がフィルタへと供給されるため、該フィルタの目詰まりを少なくでき、頻繁な洗浄作業を必要とすることなく、長期使用が可能となる。しかも、水に含まれる異物は、周回通路の移流時とフィルタの通過時との２段階にわたって分離除去されるため、ポンプ側に異物が汲上げられるのを良好に阻止でき、このポンプ側の異物による破損事故を良好に防ぐことができる。
【００１０】
【実施例】
図５に示すものは、本発明にかかる吸水ストレーナＳを高圧水噴射式洗浄機あるいは解体作業機に適用した一例を示しており、同図の実施例では、移動輪Ｗをもつ移動式ポンプユニットＵを用い、このポンプユニットＵに内装したポンプＰの吸水側に吸水ホースＨ１を接続し、その先端に水中投入形の前記ストレーナＳを取付けて、該ストレーナＳを貯水タンクＴ内に投入位置させると共に、前記ポンプＰの吐水側には吐水ホースＨ２を接続し、その先端に噴射ノズルＮを取付けている。Ｍは、モータやエンジン等の駆動源、Ｑは圧力計である。
【００１１】
そして、前記ポンプＰの駆動に伴い前記タンクＴ内の水をストレーナＳ、吸水ホースＨ１を経てポンプＰへと汲上げ、この汲上げた水を前記吐水ホースＨ２を経て噴射ノズルＮの先端から例えば被解体建築物に向けて噴出することにより、粉塵の発生を防止しながら解体作業等を行うのである。
【００１２】
尚、前記ポンプユニットＵはアンローダ弁Ｒを備え、該弁Ｒを余水ホースＨ３を介して前記タンクＴに開口させ、前記ポンプＰの余剰水を前記アンローダ弁Ｒ及び余水ホースＨ３を経て貯水タンクＴに排出できるようにしている。
【００１３】
前記水中投入形のストレーナＳは、図１〜図３のように、筒状のケーシング１と、該ケーシング１の中央内部に着脱可能に立設し、中間部やや上方寄りに複数のポンプ接続口２１を設けた筒状の中芯部材２と、この中芯部材２におけるポンプ接続口２１の外周囲に配設するメッシュ等から成る筒形フィルタ３と、ケーシング１とフィルタ３との間に画成される周回通路４に沿って水を取り込む吸水口５１をもった概略Ｌ形状の導入管５とから構成される。
【００１４】
更に詳述すると、前記ケーシング１は、組立や、前記フィルタ３の掃除等を行う際の分解等を容易に行えるようにするため、上下両端を開口した円筒部材１１と、該円筒部材１１の下端側に嵌め込みにより取付けられるベース部材１２と、前記円筒部材１１の上端側にベース部材１２と対向状に嵌め込みにより取付けられ、中央部に前記中芯部材２の挿通孔１３ａをもつ上部カバー１３とから形成している。そして、前記ベース部材１２に上方に向かって膨出する膨出部１２ａを一体形成して、該膨出部１２ａの中央上部側にねじ体１４を埋込状に固着すると共に、前記中芯部材２の上端部には、前記上部カバー１３の挿通孔１３ａの周りに当接する鍔部２２を一体状に設けて、このカバー１３の挿通孔１３ａから前記中芯部材２を挿入し、その鍔部２２を前記挿通孔１３ａの周りに圧接した状態で、前記中芯部材２の先端に形成したねじ部２３を前記ねじ体１４へと螺入することにより、前記円筒部材１１の上下部位に前記ベース部材１２とカバー１３とを圧入状に嵌め込み固定するようにしている。
【００１５】
前記円筒部材１１は、ステンレス板など以外に透明な合成樹脂板で形成してもよく、斯かる透明板で形成するときには、前記フィルタ３の目詰まり状態などを外部から容易に確認することができる。
【００１６】
また、各図の実施例では、前記ベース部材１２の外周囲に、前記円筒部材１１の下方内周面に当接し、該円筒部材１１の形状を保持する複数の保形リブ１２ｂを一体形成している。
【００１７】
前記ベース部材１２は合成樹脂などで形成され、その成形時に内部に重錘１５をインサート成形して、この重錘１５により前記ストレーナＳを貯水タンクＴの底部に沈め易いようにしている。
【００１８】
また、前記上部カバー１３には前記導入管５を取付けるのであって、この導入管５は、その吸水口５１が周回通路４の上部側に位置され、かつ、該吸水口５１が周回通路４に対し接線方向を指向するように前記カバー１３の径方向外方側に取付ける。
【００１９】
さらに、前記フィルタ３は、前記円筒部材１１の内壁面に前記周回通路４を介して対向する筒壁面３１を備えて成り、斯かるフィルタ３を前記ケーシング１の内部で前記中芯部材２における吸水口２１の外周囲に配設している。具体的には、前記中芯部材２の上下方向中間部位に円板形状の支持板６を止め輪６１により固定し、この支持板６と前記上部カバー１３との間に前記フィルタ３を支持させる。つまり、前記上部カバー１３の下部側と前記支持板６の上部側に複数の保形リブ７を一体形成している。複数の保形リブ７によりフィルタ３を保持し、前記筒壁面３１を前記円筒部材１１の内壁面と対向させた状態で、前記フィルタ３の全体を前記中芯部材２に宙架状に支持させるのである。
【００２０】
また、前記中芯部材２の上部側には連結具８を螺着し、該連結具８を介して前記ポンプＰに至る吸入ホースＨ１を接続している。
【００２１】
次に、以上の構成とした水中投入形ストレーナＳの作用について説明する。例えば被解体建築物に対し水を噴出させるときには、前記ストレーナＳを貯水タンクＴ内に投入して前記ポンプユニットＵのポンプＰを駆動することにより、前記タンクＴ内の異物を含む水が、前記導入管５の吸水口５１から前記ケーシング１の内部に導入される。
【００２２】
また、異物を含む水は、図２，図３の矢印イで示すように、前記ケーシング１と前記フィルタ３との間に設けた前記周回通路４に対し接線方向に導入され、この周回通路４を螺旋状の上下旋回流となって移流されながら、前記フィルタ３の筒壁面３１を通過し、前記中芯部材２に設けた各接続口２１から吸水ホースＨ１を介して前記ポンプＰへと汲上げられ、該ポンプＰに接続する吐水ホースＨ２を介して前記ノズルＮの先端から被解体建築物に向けて噴出される。
【００２３】
そして、前記ケーシング１に導入された水が前記周回通路４を移流するとき、水に含まれる異物の大部分が、図３の矢印ロで示すように、遠心力により径方向外方に分離除去され、この分離除去された異物は、前記ケーシング１における円筒部材１１の内壁面に沿ってベース部材１２上に貯溜される。また、異物の大部分が分離除去された水が、図３の矢印ハで示すように、前記フィルタ３の筒壁面３１へと供給されるのであり、従って、筒壁面３１の目詰まりを少なくできて、頻繁な洗浄作業を要することなく、長期間にわたる使用が可能となる。しかも、水に含まれる異物は、前記周回通路４を移流するときと、前記フィルタ３を通過するときとの２段階にわたって分離除去されるため、前記ポンプＰに異物が水と共に汲上げられるのを良好に阻止できて、このポンプＰの内部機器類が異物によって破損したりするのを確実に防止することができる。
【００２４】
また、以上のような作業を長期継続して行うことにより、前記フィルタ３が汚れたりして洗浄作業や交換作業を行うときには、前記中芯部材２を螺回しながら、そのねじ部２３を前記ベース部材１２のねじ体１４から取外すことにより、該ベース部材１２及び円筒部材１１側に対し、前記中芯部材２と上部カバー１３及びフィルタ３を外部に簡単に取出すことができ、また、前記止め輪６１を取外すことにより、前記中芯部材２からフィルタ３を簡単に分解することもできて、このフィルタ３の洗浄や交換作業が行い易くなる。また、これらの作業後には、前記中芯部材２のねじ部２３を前記ねじ体１４に再度螺締することにより、前記ベース部材１２及び円筒部材１１側に対し前記中芯部材２と上部カバー１３及びフィルタ３を簡単に組付けることができる。
【００２５】
以上の実施例では、水中投入形ストレーナＳについて説明したが、本発明のストレーナＳは地上設置形とすることもできる。この場合は、図４に示すように、前記導入管５の上部側に水中投入ホースＨ４を接続すると共に、前記ケーシング１内を気密状に保持するのであり、つまり、その円筒部材１１のベース部材１２に対する嵌め込み部分、円筒部材１１の上部カバー１３に対する嵌め込み部分、該カバー１３の挿入孔１３ａと前記中芯部材２との挿入部位、また、前記カバー１３に対する導入管５の挿入部位に、それぞれシールリング９を介装させることにより、前記ケーシング１の内部を気密状とするのである。
【００２６】
そして、例えば被解体建築物に対し水を噴出させるときには、前記ストレーナＳの全体を地上に設置し、前記ホースＨ４を水中に投入して前記ポンプＰを駆動することにより、前記ホースＨ４から導入管５へと水を汲上げ、以後は前述した場合と同様にして、この導入管５の吸水口５１から水を前記ケーシング１内へと導入させるのである。
【００２７】
以上のように、前記ストレーナＳを地上設置形とする場合は、前記導入管５に接続するホースＨ４だけを水中に投入すればよいため、前記ストレーナＳの全体を水中に投入する場合に較べ、投入作業を簡単かつ省力的に行うことができ、特に、前記ストレーナＳの投入作業が行い難い河川や湖沼などの水を水源として使用するときに好都合となる。尚、以上には、前記ストレーナＳの使用例として被解体建築物に対し水を噴出させる場合について説明したが、前記ストレーナＳは、水中の異物を除去しながら高圧水を噴出させる各種洗浄作業機等の用途にもそのまま使用することができる。
【００２８】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、吸水口からケーシング内に取り込まれた水が円筒部材とフィルタとの間の周回通路を周回するとき、水に含まれる比較的大きな異物は、その周回による遠心力により、径方向外方に分離除去され、異物の少なくなった水がフィルタへと供給されるため、該フィルタの目詰まりを少なくでき、頻繁な洗浄作業を必要とすることなく、長期使用が可能となる。しかも、水に含まれる異物は、周回通路の移流時とフィルタの通過時との２段階にわたって分離除去されるため、ポンプ側に異物が汲上げられるのを良好に阻止でき、このポンプ側の異物による破損事故を良好に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明にかかる吸水ストレーナの縦断面図。
【図２】図１のＸ−Ｘ線方向の断面図。
【図３】図１のＹ−Ｙ線方向の断面図。
【図４】他の実施例を示す断面図。
【図５】同ストレーナの使用例を示す説明図。
【図６】従来例を示す断面図。
【符号の説明】
１……ケーシング
２１…ポンプ接続口
３……フィルタ
４……周回通路
５１…吸水口

Claims

上下に離隔して対向する上部カバー及びベース部材間に円筒部材を配してなるケーシングと、前記上部カバーを貫通してその下端部が前記ベース部材に結合され、上下方向の途中に支持板を有する中芯部材と、該中芯部材及び前記円筒部材の間であり、前記上部カバー及び前記支持板間に配された円筒形のフィルタと、該フィルタ及び前記円筒部材間の周回通路に該周回通路の周方向へ開放された吸水口と、前記中芯部材の前記フィルタ内となる位置に穿設され、ポンプに接続されるポンプ接続口とを備えることを特徴とするポンプ装置用吸水ストレーナ。