JP3661180B2 - 高減衰材料組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高減衰材料組成物に関し、更に詳しくは、音響ルームの遮音壁、建築構造体の遮音間仕切り、車両の防音壁等に適用される振動や騒音を吸収する制振材・防音材として好適な高減衰材料組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の高減衰材料組成物は、その材料特性として典型的な粘弾性挙動を呈するものであり、その材料微小部が何等かの原因で振動すると、夫々の材料微小部に複素正弦歪(ε*)が発生し、これにより複素正弦応力(σ*)が発生する。複素弾性係数(E*)は、次式に示したように、これらの比をとったものである。
複素弾性係数(E*)=複素正弦応力(σ*)/複素正弦歪(ε*)
【0003】
この複素弾性係数(E*)の実数部は、材料の弾性的な性質に係る貯蔵弾性係数(E’)と定義され、その虚数部は、材料の粘性的な性質に係る損失弾性係数(E”)と定義される。減衰特性として評価される損失正接(tanδ)は、次式に示したように、これらの比をとったものである。
損失正接(tanδ)=損失弾性係数(E”)/貯蔵弾性係数(E’)
【0004】
この損失正接(以下、単に「tanδ」とする。)は、防音・制振特性を決定する因子の1つであり、この値が高いほど力学的エネルギーを電気或いは熱エネルギーとして吸収・放出して、優れた吸音性や制振性等の機械特性を示すことが知られている。従来、高減衰材料組成物のtanδとして求められていた値は、0.5以上である。
【0005】
この従来の要求特性を満たした高減衰材料組成物として、例えば、高分子系複合材料が知られている。この高分子系複合材料はポリマーアロイ或いは高分子網目構造を有する高分子化合物をベースポリマーとしており、これに充填剤(マイカ等)や可塑剤を添加し、所定の製造工程を経て得られたものである。この場合に、ベースポリマーとしては各種ゴム、高分子樹脂材料の他に、エラストマー樹脂材料等が用いられている。
【0006】
また、本出願人により先に出願されたもの(特願平9−362125号)として、極性側鎖を有するベースポリマーに、第2級アミン、第3級アミン及び含窒素複素環より選ばれた塩基を1分子中に2個以上含む塩基性物質を配合したものがある。具体的には、ベースポリマーとして塩素化ポリエチレンを用い、これに減衰性付与剤として、N−シクロヘキシルベンゾチアジル−2−スルフェンアミド等を配合したもので、tanδのピーク値が1.0を超えており、一応の成果が得られている。
【0007】
更に本出願人は、塩素化ポリエチレン等の極性側鎖を有するベースポリマーに含まれる塩素を中心としたハロゲンの環境に与える影響を考慮し、これに代えて他の極性側鎖を有するベースポリマーを用い、このベースポリマーにヒンダードフェノール系化合物、亜リン酸エステル系化合物等の減衰性付与剤を配合したものを提案し、既に出願している。この材料は、環境に与える影響が少ないばかりでなく、塩素化ポリエチレン等の極性側鎖を有するベースポリマーを用いた材料よりも、高いtanδを発現するものとなっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特願平9−362125号に示されるような高減衰材料組成物は、プレス成形直後においては従来の要求特性(tanδ≧0.5)を遥かに超える高いtanδの値(tanδ≧2.5)を発現しているが、経時的変化によりtanδが低下してしまい、しかもtanδが基準値(例えば、tanδ>1)を超える温度域が狭いという問題がある。
【0009】
一方、上述した他の極性側鎖を有するベースポリマーにヒンダードフェノール系化合物、亜リン酸エステル系化合物等の減衰性付与剤を配合したものは、プレス成形直後のtanδの値は比較的高い値を示しているが、やはり経時的変化によるtanδの低下は大きく、またtanδが基準値(tanδ>1)を超える温度域も狭いという問題点は解消されていなかった。
【0010】
そこで、このようにtanδピークが狭い範囲でしか高い値を維持できない理由として考えられることは、これまでの材料はベースポリマーに減衰性付与剤を配合してなる配合成分が単一系のものであることから、E’の緩和が急激に起こってしまったのではないかということであり、また、経時的変化によりtanδが低下してしまう問題については、ベースポリマーに配合される減衰性付与剤がベースポリマーに飽和した後、結晶として析出してしまうことが考えられる。
【0011】
本発明の解決しようとする課題は、高い減衰特性(tanδ)を長期にわたって発現でき、しかも幅広い温度範囲での使用に適した高減衰材料組成物を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明の高減衰材料組成物は、極性側鎖を有するベースポリマーに減衰性付与剤を含有させ、更にベースポリマーと減衰性付与剤とを相溶化させる非結晶性樹脂を含有させたことを要旨とするものである。
【0013】
この場合に、「極性側鎖を有するベースポリマー」としては、アクリルゴム、エチレン−アクリルゴム、エチレン−酢酸ビニルゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体より選ばれた1種又は2種以上を配合したものを用いる。
【0014】
また、「減衰性付与剤」としては、ヒンダードフェノール系化合物を用いる。「ヒンダードフェノール系化合物」の好適なものとして、酸化防止剤である1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−s−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、1,1,3−トリス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−ベンゼン、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、p−クレゾールとジシクロペンタジエンのブチル化反応生成物、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルハイドロキノン、紫外線吸収剤である1,4−ビス(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)−ブタン、光安定剤である1−[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−4−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が例として挙げられる。
【0015】
そして、「非結晶性樹脂」としては、上記したベースポリマーと減衰性付与剤とを相溶化させるためのアモルファス樹脂であるクマロン樹脂、フェノール樹脂、ケトン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、マレイン酸樹脂、エステル化ロジン、エポキシ樹脂、尿素樹脂或いはメラミン樹脂等を好適なものとして用いる。
【0016】
また更に、上記した配合成分に、「可塑剤」であるフタル酸ジブチル、フタル酸ジシクロヘキシル、リン酸トリフェニル等を配合することにより、材料を廉価に提供できるばかりでなく、一層の減衰幅の広域化を図ることができる。
【0017】
上記構成を有する高減衰材料組成物は、極性側鎖を有するベースポリマーにヒンダードフェノール系化合物よりなる減衰性付与剤を含有させていることにより優れた減衰性能を発現するばかりでなく、ベースポリマーと減衰性付与剤とを相溶化させるため、特定の非結晶性樹脂をも含有させていることから、減衰性付与剤が析出することなく、ベースポリマー中に分散するものとなる。そして、このように非結晶性樹脂を含有させることにより多成分系となっていることからE’の緩和が緩やかなものとなり、tanδピーク温度の広域化を図ることができる。したがって、本発明に係る高減衰材料組成物によれば、長期間にわたり安定して幅広い温度範囲で、振動や騒音が大幅に吸収できるものとなる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。初めに表1に記載した本発明品(実施例1〜3)及び比較品(比較例1〜7)の材料組成について説明する。実施例1乃至実施例3は、いずれもベースポリマーとして塩基性の極性側鎖を有するアクリルゴムを用い、これに減衰性付与剤としてヒンダードフェノール系化合物を配合し、更にベースポリマーと減衰性付与剤とを相溶化させるための非結晶性樹脂を配合したものである。また、比較例1乃至比較例5は、ベースポリマーと減衰性付与剤のみが配合されており、非結晶性樹脂は配合されていない。また、比較例6及び比較例7は、いずれもベースポリマーとして塩基性の極性側鎖を有するアクリルゴムを用い、これに減衰性付与剤として亜リン酸エステル系化合物、ベンゾチアゾール系化合物のいずれかを配合し、更にベースポリマーと減衰性付与剤とを相溶化させるための非結晶性樹脂とを配合したものである。
【0019】
【表1】
【0020】
この表1において、本発明品の実施例1は、ベースポリマーとしてのアクリルゴム(日本ゼオン(株)製:商品名「ニポールAR51」)100重量部(以下、単に「phr」と表記する。)に対して、減衰性付与剤としてヒンダードフェノール系化合物である4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(旭電化工業(株)製:商品名「アデカスタブAO−40」:この構造式を化1に示す。)を40phr配合し、これに更に非結晶性樹脂として「ヒタノール1501」(日立化成工業(株)製)を10phr配合している。
【0021】
【化1】
【0022】
また、実施例2及び実施例3、比較例6及び比較例7は、ベースポリマーと非結晶性樹脂についての配合成分及びその配合量は実施例1と同様であるが、減衰性付与剤のみが異なる。すなわち、実施例2はヒンダードフェノール系化合物であるペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](旭電化工業(株)製:商品名「アデカスタブAO−60」:この構造式を化2に示す。)を40phr配合し、実施例3はヒンダードフェノール系化合物である3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(旭電化工業(株)製:商品名「アデカスタブAO−80」:この構造式を化3に示す。)を40phr配合している。
【0023】
また、比較例6は減衰性付与剤として亜リン酸エステル系化合物であるビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(旭電化工業(株)製:商品名「アデカスタブPEP−24G」:この構造式を化4に示す。)を40phr配合し、比較例7はベンゾチアゾール系化合物であるN−シクロヘキシルベンゾチアジル−2−スルフェンアミド(三新化学工業(株)製:商品名「サンセラーCM」:この構造式を化5に示す。)を40phr配合している。
【0024】
【化2】
【0025】
【化3】
【0026】
【化4】
【0027】
【化5】
【0028】
次に、本発明品及び比較品の作製工程について説明すると、まず初めに、上述したベースポリマー100phrに、各実施例の配合成分を配合し、これを室温で約15〜20分程度、2本ロールで混練した。次に、この混練材料を熱プレス機により所定の型枠内で、配合成分の融点より20℃以上高い温度で、10分程度溶融プレス成形した。そして更に、0℃の温度条件下、これに130kgf/cm2の面圧を掛けて冷却プレス成形し、これを2mm厚さのシートとした。
【0029】
次に、このように作製された本発明品(実施例1〜3)及び比較品(比較例1〜7)の供試材について、プレス成形直後及び1ヶ月経過後のtanδのピーク値及びそのピーク値を示す温度等を測定した。この測定には、株式会社レオロジ社製のスペクトロメータを用い、その測定条件としては、周波数が100Hz(一定)の振動を与え、歪量が0.05%(一定)に保たれた状態での温度とtanδの相関関係を調べた。
【0030】
その測定結果は、表1に示したように、実施例1〜3のいずれについても、プレス成形直後において、要求特性(tanδ≧2.5)を発現している。ただ、その値は、非結晶性樹脂を配合していない対応する各比較品と比べて若干低い値を示しているが、その値が1ヶ月経過後においては、逆に本発明品の方が高くなっているか、若しくは同等の値を示し、各実施例のtanδ保持率が対応する各比較品よりも高いことを示している。特に実施例2及び3は、tanδ保持率がそれぞれ98%、99%となっており、減衰性の低下が殆ど見られない。このようなことから、本実施例品1〜3はいずれも、非結晶性樹脂が配合されていることで、高い減衰性を長期にわたって発揮できるものであることが分かる。
【0031】
また、tanδ>1を発現する温度範囲についても、実施例1〜3はいずれも対応する各比較品より広くなっている。更に、tanδのピーク温度については、いずれも比較品と殆ど変わらない値を示していることから、非結晶性樹脂の配合は、tanδのピーク温度に影響を与えることなく、その減衰幅を広げることができていることが分かる。
【0032】
以上のことから、本発明品(実施例1〜3)のそれぞれ対応する比較品(比較例1〜7)に対する総合評価としては、表1に示した通り、実施例1〜3は、幅広い温度範囲で高いtanδを発現し、経時変化が殆どないものとなっていることから極めて優れている(◎印)と評価した。比較例1、2、4、5は、tanδの低下が大きく、減衰性を示す温度範囲が狭いことから不良(×印)と評価され、比較例3はtanδの低下は少ないが、減衰性を示す温度範囲が狭いことから、稍不良(△印)と評価した。なお、比較例4及び比較例5はtanδの値が稍低下し、tanδ>1の温度範囲が若干狭いものとなっているので良好(○印)と評価した。
【0033】
次に表2は、他の実施例を示したもので、その1つは塩素化ポリエチレンをベースポリマーとしたもの、他の1つはアクリロニトリル−ブタジエンゴムをベースポリマーとしたものである。
【0034】
【表2】
表2に示されるように、本発明品の実施例4は、ベースポリマーであるアクリロニトリル−ブタジエンゴム(日本ゼオン(株)製:商品名「ニポールDN005」)100phrに対して、減衰性付与剤としてヒンダードフェノール系化合物である「アデカスタブAO−80」を40phr配合し、更に非結晶性樹脂としてフェノール樹脂である「ヒタノール1500」を10phr配合している。
【0035】
一方、比較例10は、ベースポリマーである塩素化ポリエチレン(昭和電工(株)製:商品名「エラスレン401A」)100phrに対し、減衰性付与剤としてベンゾチアゾール系化合物である「サンセラーCM」を40phr配合し、更に非結晶性樹脂としてジ シクロペンタジエン樹脂(DCPD樹脂)である「クイントン1500」(日本ゼオン(株)製)を10phr配合している。
【0036】
また、比較例8はベースポリマーである塩素化ポリエチレン系の「エラスレン401A」100phrに対し、減衰性付与剤としてベンゾチアゾール系化合物の「サンセラーCM」を50phr配合している。また、比較例9はベースポリマーであるアクリロニトリル−ブタジエンゴム系の「ニポールDN005」100phrに対し、減衰性付与剤としてヒンダードフェノール系化合物の「アデカスタブAO−80」を50phr配合している。比較例8及び比較例9はいずれも非結晶性樹脂を配合していない。
【0037】
表2に示した測定結果について説明すると、本発明品の実施例4はtanδの要求特性(tanδ≧2.5)を稍下回るものの、プレス成形してから1ヶ月経過後のtanδ保持率は93%と比較品よりも高いものとなっている。そして、tanδがピーク値を示すピーク温度はいずれも室温付近にあり、tanδ>1を発現する温度範囲は28℃となっていることから、室温付近を中心として幅広い温度範囲で長期にわたって比較的高い減衰性能を示している。
【0038】
これに対して、非結晶性樹脂が配合されていない比較例8及び比較例9はプレス直後のtanδこそ本発明品と同程度の値を示しているが、1ヶ月経過後のtanδの値は低くなっており、tanδ保持率が低い値になっている。また、tanδ>1の温度範囲も18℃、19℃となっており、本発明品よりも狭い温度範囲でしか減衰性を示さないとの結果になっている。また、減衰性付与剤としてベンゾチアゾール系化合物を用いた比較例10は、減衰性付与剤としてヒンダードフェノール系化合物を用いた実施例4と比較して、1ヶ月経過後のtanδの値は低かった。総合評価は表2に示した通りであり、アクリルゴムだけでなく様々な極性側鎖を有するベースポリマーに対して、非結晶性樹脂の配合が減衰特性の向上に有効であることが分かる。
【0039】
次に表3は、各種の非結晶性樹脂を用いて比較したものである。ベースポリマーはいずれもアクリルゴムである「ニポールAR51」であり、これに配合される減衰性付与剤はヒンダードフェノール系化合物の「アデカスタブAO−80」を用いている。そして、これに各種の非結晶性樹脂を配合したものである。
【0040】
【表3】
【0041】
初めに本発明品の実施例5は、ベースポリマーであるアクリルゴム系の「ニポールAR51」100phrに対して減衰性付与剤であるヒンダードフェノール系化合物の「アデカスタブAO−80」を40phr配合し、これに更に、非結晶性樹脂としてフェノール樹脂である「ヒタノール1501」を20phr配合したものである。以下、本発明品の実施例6〜11はいずれもベースポリマーと減衰性付与剤が上記した実施例5と同一の組成・配合量であるが、非結晶性樹脂として、実施例6はフェノール樹脂である「ヒタノール1501」を30phr配合し、実施例7はフェノール樹脂である「ヒタノール1501」を50phr配合している。
【0042】
また、本発明品の実施例8はDCPD樹脂(ジシクロペンタジエン樹脂)である「クイントン1500」(日本ゼオン(株)製)を10phr配合し、実施例9はクマロン樹脂である「エスクロンG90」(新日鉄化学(株)製)を10phr配合し、実施例10はマレイン酸樹脂である「マルキード32」(荒川化学工業(株)製)を10phr配合し、実施例11はケトン樹脂である「ハイラック110H」(日立化成工業(株)製)を50phr配合している。
【0043】
この表3に示した本発明品(実施例5〜11)の結果を評価すると、いずれの供試材もtanδは全て要求特性(tanδ≧2.5)を超える値を示し、しかも1ヶ月後においてもtanδは全く低下することなく、その保持率は95〜100%となっており、経時的変化が少ないことを示している。そして、tanδ>1を発現する温度範囲も殆どの供試材が30℃を超える値を示し、広い範囲にわたって高いtanδの値を示すことが確認された。
【0044】
また、本発明品の各実施例5〜11間の比較においては、初めに実施例5〜7間では、非結晶性樹脂が同一であって、その配合量のみが異なるものであるが、非結晶性樹脂の配合量を増加させるにつれて、tanδの値が徐々に下がる傾向が見られ、逆にtanδ>1を発現する温度範囲が広くなる傾向にあることが分かる。このことは他の非結晶性樹脂を用いた場合においても、配合量を変えることで同様の傾向が見られるものと推定され、このことから目的の使用環境に合わせた材料設計が可能であると推察されるものである。また、実施例8〜11に示したように、フェノール樹脂以外の非結晶性樹脂を配合した場合においても、フェノール樹脂の配合と同様、減衰特性が向上することが確認された。以上のことから本発明品の実施例5〜11はいずれも極めて優れている(◎印)と評価されるものであった。
【0045】
次に表4は、ベースポリマーに減衰性付与剤及び非結晶性樹脂を配合したものに、更に可塑剤を配合したものについて示したものである。
【0046】
【表4】
【0047】
また、本発明品の実施例12〜15はいずれも、ベースポリマーとしてアクリルゴムである「ニポールAR51」を用い、これに減衰性付与剤としてヒンダードフェノール系化合物の「アデカスタブAO−80」を40phrそれぞれ配合している。そして、実施例12では、これに非結晶性樹脂としてフェノール樹脂の「ヒタノール1501」を50phr配合し、更に可塑剤としてリン酸トリフェニル(大八化学工業(株)製:商品名「TPP」)を30phr配合している。
【0048】
そして、実施例13は、その「TPP」に代えて可塑剤としてフタル酸ジブチル「DBP」を30phr配合している。また、実施例14は非結晶性樹脂としてケトン樹脂の「ハイラック110H」を50phr配合し、更に可塑剤としてリン酸トリフェニル「TPP」を30phr配合しており、実施例15は、その「TPP」に代えて、可塑剤としてフタル酸ジシクロヘキシル「DCHP」を30phr配合している。
【0049】
また、比較例12及び比較例13は、いずれもベースポリマーである「エラスレン401A」100phrに対し、ベンゾチアゾール系化合物である「サンセラーCM」を減衰性付与剤として40phr配合し、非結晶性樹脂であるジシクロペンタジエン樹脂の「クイントン1500」を100phr配合している。そして、比較例12は更に可塑剤としてフタル酸ジブチル(三建化工(株)製:商品名「DBP」)を30phr配合し、比較例13はフタル酸ジシクロヘキシル(大阪有機化学工業(株)製:商品名「DCHP」)を100phrそれぞれ配合したものである。
【0050】
表4の結果について評価すると、初めに本発明品の実施例12〜15のいずれも、プレス直後のtanδは要求特性(tanδ≧2.5)を超える値を示し、プレス成形してから1ヶ月後のtanδは要求特性を稍下回るものがあるものの、その値は極く僅かであり、tanδ保持率はいずれも80%を超えている。しかも、tanδ>1を発現する温度範囲はいずれも20℃を超えており、tanδがピーク値を示すピーク温度が常温から稍高い温度付近にあることから、室温付近を中心として幅広い温度範囲で、長期にわたって減衰特性を示すものとなっている。
【0051】
次に、本発明品の実施例12〜15は比較例3と対比されるものであるが、実施例12〜15はいずれもプレス直後のtanδの値が比較例3よりも稍低いものの、プレス1ヶ月後のtanδの値は逆に比較例3よりも高いか、遜色のないものであり、tanδの保持率は高くなることを示している。また、tanδ>1を発現する温度範囲も比較例3よりはかなり広くなっており、常温より高めの温度域を中心として広い温度範囲で、優れた減衰性能を長期にわたって発現できるものとなっている。
【0052】
尚、本発明品の実施例12及び実施例13は上述の実施例7の配合組成に可塑剤を配合したものであり、また、実施例14及び実施例15は上述の実施例11の配合組成に可塑剤を配合したものである。これらを対比してみると、可塑剤を配合することにより、単なる増量剤としての働きだけでなく、優れた減衰特性を発現する温度範囲が広がる傾向にあるといえる。
【0053】
更にまた、実施例12〜15と比較例12及び比較例13とを比較すると、比較例12及び比較例13の減衰特性は、実施例12〜15より稍低いものとなっているが、これはベースポリマーの元々の減衰性能の違いに起因するものである。また、比較例12及び比較例13のtanδ保持率は、実施例12〜15のtanδ保持率より低かった。この表において強調したいことは、極性側鎖を有するベースポリマーに非結晶性樹脂を配合することによって減衰特性を向上させることができ、更に可塑剤を配合することによって、材料を廉価に提供でき、しかも幅広い温度範囲で減衰性能を発揮できるということである。本発明品である実施例12〜15の総合評価は、表4に示した通りである。
【0054】
以上、各実施例を順に説明したが、本発明品は、極性側鎖を有する特定のベースポリマーに、ヒンダードフェノール系化合物よりなる減衰性付与剤を含有させ、これに特定の非結晶性樹脂を配合させることにより減衰性付与剤とベースポリマーを相溶化させたものであるから、減衰性付与剤が析出することなくベースポリマー中に分散され、長期にわたってブリード現象や結晶化を起こすことなく、室温付近を中心として幅広い温度範囲において、優れた減衰性能を発現できるものである。
【0055】
本発明は、上記した実施例に何等限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。例えば、極性側鎖を有するベースポリマーとしては、本発明で用いたもの以外に、エチレン−アクリルゴム、エチレン−酢酸ビニルゴム、ポリ塩化ビニル、ブチルゴム、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体等を適用することができる。
【0056】
また、非結晶性樹脂についても、ベースポリマーと減衰性付与剤を相溶化させるものであれば適用でき、例えば、エステル化ロジン、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等も適用することができる。
【0057】
更に、ベースポリマーには必要に応じて、以下に掲げる種々の材料を添加することができる。その材料としては、まず、硬度、強度或いは加工性の向上、若しくは重量化等を図る場合に添加する充填剤が挙げられる。その充填剤としては、マイカ、タルク、クレー或いは炭酸カルシウム等の無機微粉末、若しくはセルロース粉末等の有機微粉末等が好適なものとして挙げられる。
【0058】
更に、ベースポリマーに添加できる別の材料としては、着色剤(顔料、染料)、光沢剤、老化防止剤、粘着付与剤、難燃剤、発泡剤、発砲助剤、加工助剤、オゾン劣化防止剤、ブロッキング防止剤、耐候剤、耐熱剤、架橋剤、架橋助剤、加硫剤、分散剤、相溶化剤、界面活性剤、帯電防止剤或いは滑剤等が好適なものとして挙げられる。
【0059】
【発明の効果】
本発明に係る高減衰材料組成物によれば、極性側鎖を有する特定のベースポリマーに、ヒンダードフェノール系化合物よりなる減衰性付与剤を含有させ、これに特定の非結晶性樹脂を含有させてベースポリマーと減衰性付与剤を相溶化させたものであるから、減衰性付与剤が析出したり結晶化することなく、ベースポリマー中に長期にわたって分散されるので、恒久的に優れた減衰性能を維持することができるものである。
【0060】
そして非結晶性樹脂の配合によってtanδを発現する温度範囲も広がることから、いろいろな使用環境に対応できるものであり、更に、可塑剤を配合することにより、その減衰性付与剤の配合量を減らすことができて材料の低廉化も図ることができる。したがって本発明に係る高減衰材料組成物を、音響ルームの遮音壁、建築構造体の遮音間仕切り、車両の防音壁等幅広い分野に適用することは、産業上極めて有益なものである。
Claims (4)
- アクリルゴム、エチレン−アクリルゴム、エチレン−酢酸ビニルゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体より選ばれた1種又は2種以上の極性側鎖を有するベースポリマーに、ヒンダードフェノール系化合物より選ばれた1種又は2種以上の減衰性付与剤を含有させ、更に前記ベースポリマーと前記減衰性付与剤とを相溶化させる非結晶性樹脂として、クマロン樹脂、フェノール樹脂、ケトン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、マレイン酸樹脂、エステル化ロジン、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂より選ばれた1種又は2種以上の樹脂を含有させたことを特徴とする高減衰材料組成物。
- 前記ヒンダードフェノール系化合物は、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−s−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、1,1,3−トリス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−ベンゼン、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、p−クレゾールとジシクロペンタジエンのブチル化反応生成物、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルハイドロキノン、1,4−ビス(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)−ブタン、1−[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−4−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンより選ばれた少なくとも1種又は2種以上の材料であることを特徴とする請求項1に記載される高減衰材料組成物。
- 更に可塑剤を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載される高減衰材料組成物。
- 前記可塑剤は、フタル酸ジブチル、フタル酸ジシクロヘキシル、リン酸トリフェニルより選ばれた1種又は2種以上のものであることを特徴とする請求項3に記載される高減衰材料組成物。
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