JP3659702B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、フローコントロールバルブを備えたパワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7〜図11に示す従来例では、ポンプ1の吐出口1aを、パワーステアリング回路PSに接続している。そして、これらポンプ1とパワーステアリング回路PSを接続する流路2の途中には、絞り弁3を設けている。
さらに、次に述べるフローコントロールバルブFVを設けている。
フローコントロールバルブFVは、ケーシングcのスプール孔6にスプール7を摺動自在に組み込んで、このスプール孔6内を圧力室8aとパイロット室8bとに区画している。そして、パイロット室8bには、パイロット通路29を介して前記絞り弁3の下流側の圧力を導いている。また、このパイロット室8bにはスプリング9を設け、その弾性力をスプール7に作用させている。
【0003】
上記圧力室8aにはポンプポート4を介してポンプ1に接続しており、スプール7がノーマル位置にあるときは、この圧力室8aとドレンポート5とを完全に遮断している。そして、スプール7がスプリング9に抗して移動すると、その移動量に応じた開度で、圧力室8aをドレンポート5に連通することになる。
このようにしたフローコントロールバルブFVは、絞り弁3の前後の差圧に応じて余剰流量をタンクTに還流する。したがって、絞り弁3の前後の差圧は一定に保たれることになる。
【0004】
上記の回路図を具体的に示したのが図8〜図10であり、ここでは、ポンプ1としてベーンポンプVPを用いている。
ベーンポンプVPは、ポンプボディ10及びカバー11からなるハウジングHに、軸穴12を形成するとともに、この軸穴12内に設けた軸受13によってシャフト14を回転自在に支持している。シャフト14は、ポンプボディ10内に設けたロータ15の回転軸となっており、このロータ15には複数のベーン16を放射状に組み込んでいる。
さらに、上記ロータ15の周囲には、楕円形の内壁を有するカムリング17を設けている。そして、シャフト14が駆動すると、ロータ15も回転するが、このときベーン16がカムリング17の内壁に沿って出たり入ったりする。つまり、各ベーン16の先端がカムリング17に密接したまま回転し、これら各ベーン16間のそれぞれが独立した室を構成する。
【0005】
そして、各室が収縮行程に入ったときに吐出口から流体を吐出する一方、各室が拡大行程に入ったときに流体を吸入することになる。
なお、ロータ15及びカムリング17の側面には、サイドプレート18を設けている。そして、このサイドプレート18の背面側には高圧室19を形成し、ポンプ吐出圧を導いている。したがって、この高圧室19内の流体圧により、サイドプレート18がロータ15側に押し付けられ、ローディングバランスを保つことができる。
このようにしたベーンポンプVPのハウジングHには、フローコントロールバルブFV及び絞り弁3を一体に設けている。
【0006】
図10に、フローコントロールバルブFV、及び絞り弁3の断面図を示す。
フローコントロールバルブFVは、次のような構成となっている。つまり、ハウジングHにスプール孔6を形成し、このスプール孔6に、ベーンポンプVPの吐出口に連通するポンプポート4と、タンクTに連通するドレンポート5を連通させる。
スプール孔6内には、スプール7を摺動自在に組み込んでいる。このスプール7の一端側には、ポンプポート4に連通する圧力室8aが形成されている。また、スプール孔6とスプール7とが相まって、スプール7の他端側にはパイロット室8bが形成される。そして、パイロット室8bにはスプリング9を設け、その弾性力をスプール7に作用させている。
そして、このスプール7がスプリング9に抗して移動すると、その移動量に応じて圧力室8aがドレンポート5に連通することになる。
【0007】
絞り弁3は、次のような構成となっている。つまり、スプール孔6の端部にコネクタ20を挿入し、螺合している。そして、このコネクタ20にアクチュエータポート20aを形成して、圧力室8aをパワーステアリング回路に連通させる。さらに、圧力室8a側におけるコネクタ20の端部に、絞り孔21を有するサポート部材22が設けられている。
また、圧力室8a側におけるスプール7の端部にはロッド部材23を固定し、このロッド部材23を上記絞り孔21に貫通させている。さらに、このロッド部材23の先端には、大径部23aを設けている。
そして、これらロッド部材23と絞り孔21とによって、絞り弁3のオリフィス機構3aが構成される。
【0008】
このオリフィス機構3aの上流側の圧力は、圧力室8a側におけるスプール7の端部に作用することになる。
また、オリフィス機構3aの下流側の圧力は、パイロット室8b側におけるスプール7の端部に作用する。つまり、オリフィス機構3aの下流側に位置するアクチュエータポート20aの流体が、圧力感知孔24→環状溝25→通路口26→通路27→小孔28からなるパイロット通路29を通って、パイロット室8bに導かれている。
したがって、オリフィス機構3aの前後の差圧に応じてスプール7が移動し、その移動量に応じて、ポンプ吐出量のうち余剰流量をタンクTに還流する。そして、オリフィス機構3aの前後の差圧を、一定に保つことになる。
なお、パイロット室8b側におけるスプール7の端部には、スプリング31、ボールサポート32、ボールポペット33、及びシート部材34からなるリリーフバルブを設けている。
【0009】
次に、このパワーステアリング装置の作用を説明する。
ベーンポンプVPのシャフト14は、図示していないエンジンに連結している。したがって、エンジン回転数Nが高くなれば、ロータ15も高回転して、吐出量が多くなる。
この吐出流体は、圧力室8aに導かれ、フローコントロールバルブFV及び絞り弁3で制御される。そして、この制御流量Qが、アクチュエータポート20aを通ってパワーステアリング回路PSに供給される。
エンジン回転数Nが低いときには、圧力室8aに導かれる吐出流体は少なく、オリフィス機構3aの前後で発生する差圧も小さくなっている。そして、この差圧がスプール7の両端部に作用しても、スプリング9が保持するイニシャル荷重のためスプール7は移動しない。したがって、圧力室8aとドレンポート5とは遮断された状態を保ち、ポンプ吐出量のすべてがパワーステアリング回路PSに供給される。
このように、エンジン回転数Nが低い範囲では、吐出流体のすべてがパワーステアリング回路PSに供給され、エンジン回転数Nに比例して制御流量Qが増える。(図11の特性線Xの区間a)。
【0010】
エンジン回転数NがN1 に達すると、オリフィス機構3aの前後で発生する差圧により、スプール7がスプリング9に抗して移動する。そして、その移動量に応じた開度で圧力室8aをドレンポート5に連通し、余剰流量をタンクTに戻す。したがって、オリフィス機構3aの前後の差圧が一定に保たれることになる。
そして、この範囲では、スプール7が移動しても、絞り孔21に貫通している部分におけるロッド23の径は変わらないので、オリフィス機構3aの開度が一定に保たれている。
このように、エンジン回転数NがN1 を越える範囲では、制御流量Qが最大流量Q1 を保つことになる(図11の特性線Xの区間b)。
【0011】
エンジン回転数Nがさらに高くなると、たくさんの吐出量が圧力室8aに導かれるので、スプール7がスプリング9に抗して大きく移動する。このようにしてスプール7が移動すると、ロッド部材23もスプール7とともに移動するので、大径部23aが絞り孔22に近づいてくる。
そして、エンジン回転数NがN2を越えると、大径部23aが絞り孔22内に臨むことになり、オリフィス機構3aの開度がだんだんと小さくなる。したがって、制御流量Qが少なくなっていく(図11の特性線Xの区間c)。
さらに、エンジン回転数NがN3に達すると、大径部23aが絞り孔22内に完全に臨んで、オリフィス機構3aの開度が最小となる。したがって、制御流量Qが最低流量Q0を保つことになる(図11の特性線Xの区間d)。
【0012】
以上述べたパワーステアリング装置では、図11の特性線Xに示すように、エンジン回転数Nに応じて制御流量Qが変化する。そして、エンジン回転数Nと車速とはほぼ比例するので、車速に応じたアシスト力を付与することができる。
車両の低速走行時には、最大流量Q1がパワーステアリング回路PS側に供給されるので、ハンドルを切れば、大きなアシスト力を得ることができる。そして、車速が増せば、制御流量Qが少なくなるので、アシスト力を小さくしてハンドルを安定させることができる。
【0013】
なお、パワーステアリング回路PSへ供給される最高圧は、リリーフバルブによって決められている。つまり、パワーステアリング回路PSの負荷圧が異常に上昇すると、パイロット室8bの圧力も大きくなり、この圧力がボールポペット33に作用する。そして、この圧力がスプリング31によって決められているリリーフ設定圧より大きくなると、ボールポペット33を押し開いてパイロット室8bとドレンポート5を連通する。
上記のようにパイロット室8bとドレンポート5が連通すると、パイロット室8b内の圧力が急激に低下するとともに、圧力感知孔24に流れが生じる。このように圧力感知孔24に流れが生じると、そこに圧力損失が発生するので、スプール7は図10の左に移動してポンプポート4とドレンポート5の開度を大きくし供給圧を低くする。
そして、パワーステアリング回路PSの回路圧がリリーフ設定圧より小さくなると、再びボールポペット33がシート面34aに着座するので、パワーステアリング回路PSの最高圧を一定に保つことができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、車両走行時にパワーステアリング装置を使用する頻度は、運転時間の約20%程度である。そして、ハンドルの中立時あるいは微小操舵時などは、全運転時間の80%を占めるといわれているが、これらの運転状況ではアシスト力を必要としない。
しかしながら、上記従来例のパワーステアリング装置では、操舵時・非操舵時のいずれの場合にも、吐出流体が、図11に示すように制御されている。
つまり、運転時間の大部分を占めるアシスト力不要時にも、アシスト力に必要とされる流量がパワーステアリング回路PSに供給されてしまう。そのため、無駄な圧力損失が、ポンプ1とパワーステアリング回路PSを接続する流路2や、パワーステアリング回路PSで発生することになる。
そして、これらの圧力損失が発生すると、その分だけ大きなポンプ駆動トルクが必要となり無駄なエネルギーを消費してしまう。また、圧力損失が生じる際に油温が上昇してしまうこともある。
この発明の目的は、非操舵時には制御流量を少なくすることで、パワーステアリング回路側で発生する圧力損失を小さくし、エネルギーを無駄に消費しないパワーステアリング装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、エンジン回転数に応じて吐出量が変化するポンプと、このポンプに接続したパワーステアリング回路と、これらポンプ及びパワーステアリング回路の接続途中に設けた絞り弁と、絞り弁の前後の差圧を一定に保つフローコントロールバルブとを備えたパワーステアリング装置を前提とする。
そして、第1の発明は、絞り弁は、ボディと、ボディに摺動自在に組み込んだプランジャと、プランジャに作用させたスプリングと、プランジャの移動に応じて開度を変えるオリフィス機構とを備え、しかも、プランジャはパワーステアリング回路側の受圧面積をポンプ側の受圧面積よりも大きくしてなり、プランジャがノーマル位置にあるとき、オリフィス機構の開度が最小に保たれ、また、パワーステアリング回路で負荷圧が発生したとき、受圧面積の差によりプランジャがスプリングに抗して移動し、オリフィス機構の開度を大きくする構成とし、しかも、上記オリフィス機構は、プランジャに設けた絞り孔と、この絞り孔を貫通し、プランジャ内に突出させたロッド部材と、ロッド部材の先端に設け、かつ、その外径を絞り孔の内径よりも小さくした大径部とからなり、プランジャがノーマル位置にあるとき、大径部が絞り孔内に位置し、また、パワーステアリング回路で負荷圧が発生したとき、受圧面積の差によりプランジャがスプリングに抗して移動し、大径部が絞り孔から抜ける構成にした点に特徴を有する。
【0016】
上記のような構成にしたので、非操舵時には、オリフィス機構の開度が最小となっており、制御流量を最低流量に保つことができる。また、操舵時には、パワーステアリング回路で負荷圧が発生するので、受圧面積の差によりプランジャがスプリングに抗して移動し、オリフィス機構の開度を大きくする。したがって、アシスト力に必要とされる流量に制御することができる。
また、非操舵時には、大径部が絞り孔内に位置し、オリフィス機構の開度を最小に保つことができる。また、操舵時には、パワーステアリング回路で負荷圧が発生するので、受圧面積の差によりプランジャがスプリングに抗して移動し、大径部が絞り孔から抜ける。したがって、オリフィス機構の開度が大きくなり、アシスト力に必要とされる流量に制御することができる。
【0017】
の発明は、第の発明において、ロッド部材を、フローコントロールバルブに連動させた点に特徴を有する。
ここで、ロッド部材とフローコントロールバルブとを連動させるとは、例えば、フローコントロールバルブを、絞り弁の前後の差圧により移動し、その差圧を一定に保つスプールから構成するとともに、このスプールにロッド部材を連結させるような手段によって達成することができる。
このような構成にしたので、ロッド部材がフローコントロールバルブに連動する。そして、フローコントロールバルブは、エンジン回転数によりポンプ吐出量が変化すると、それに応じて作動するので、ロッド部材の位置もエンジン回転数に応じて変わることになる。つまり、エンジン回転数に応じてオリフィスの開度を変えることができる。
【0018】
の発明は、エンジン回転数に応じて吐出量が変化するポンプと、このポンプに接続したパワーステアリング回路と、これらポンプ及びパワーステアリング回路の接続途中に設けた絞り弁と、絞り弁の前後の差圧を一定に保つフローコントロールバルブとを備えたパワーステアリング装置を前提とする。
そして、絞り弁は、ボディと、ボディに摺動自在に組み込んだプランジャと、プランジャに作用させたスプリングと、プランジャの移動に応じて開度を変えるオリフィス機構とを備え、しかも、プランジャはパワーステアリング回路側の受圧面積をポンプ側の受圧面積よりも大きくしてなり、プランジャがノーマル位置にあるとき、オリフィス機構の開度が最小に保たれ、また、パワーステアリング回路で負荷圧が発生したとき、受圧面積の差によりプランジャがスプリングに抗して移動し、オリフィス機構の開度を大きくする構成とし、しかも、オリフィス機構は、プランジャに設けた第1絞り孔と第2絞り孔とからなり、プランジャがノーマル位置にあるとき、一方の絞り孔のみが開き、他方の絞り孔が閉じ、また、パワーステアリング回路で負荷圧が発生したとき、受圧面積の差によりプランジャがスプリングに抗して移動し、両方の絞り孔が開く構成とした点に特徴を有する。
このような構成にしたので、非操舵時には、一方の絞り孔のみが開き、オリフィス機構の開度を最小に保つことができる。また、操舵時には、パワーステアリング回路で負荷圧が発生するので、受圧面積の差によりプランジャがスプリングに抗して移動し、両方の絞り孔が開く。したがって、オリフィス機構の開度が大きくなり、アシスト力に必要とされる流量に制御することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1〜図3に示すこの発明の第1実施例は、上記従来例において、絞り弁3の構成を変更したものである。したがって、以下では、この相違点を中心に説明する。また、従来例と同一の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
スプール孔6の端部には、絞り弁3のボディを兼ねるコネクタ20を設けている。そして、そのアクチュエータポート20aを介して、圧力室8aをパワーステアリング回路PS側に連通している。
圧力室8a側におけるコネクタ20の端部には、ストッパ段部36を形成している。そして、このコネクタ20内には、摺動自在にプランジャ37を組み込んでいる。
【0020】
プランジャ37には軸方向に通孔38を形成している。したがって、この通孔38の一方の開口端がパワーステアリング回路PS側に連通し、また、他方の開口端が圧力室8a側に連通することになる。そして、この通孔38の圧力室8a側には絞り孔39を設けている。
さらに、プランジャ37のアクチュエータポート20a側における外周面端部には、フランジ部40を設けている。したがって、このフランジ部40とコネクタ20の内面との間にはスプリング室41が形成され、このスプリング室41を、孔42を介して低圧通路43に連通させている。そして、スプリング室41にはスプリング44を設け、その弾性力をフランジ部40を介してプランジャ37に作用させている。
また、コネクタ20内にはアクチュエータポート20a側に、スナップリング45をはめ込んでいる。したがって、スプリング44の弾性力により、プランジャ37がこのスナップリング45に当接することになる。
【0021】
一方、圧力室8a側におけるスプール7の端部にはロッド部材23を設け、このロッド部材23を、上記絞り孔39を貫通して通孔38内に臨ませている。そして、ロッド部材23の先端には大径部23aを設けている。この大径部23aは、その外径が絞り孔39の内径よりも小さくなっており、また、テーパー部52を有するものである。
このようにしたパワーステアリング装置では、ロッド部材23と絞り孔39とによって、オリフィス機構3aが構成される。
そして、プランジャ37がノーマル位置にあるときは、ロッド部材23の大径部23aが絞り孔39内に臨んでおり、オリフィス機構3aの開度が最小となっている。
なお、この絞り弁3の下流側の圧力は、従来例と同様、パイロット通路29を介してパイロット室8bに導かれている。
また、この第1実施例では、コネクタ20の外周面に、軸方向に並べたOリング46、47を設けている。このうちOリング46は、圧力室8aの吐出圧と、スプリング室41のタンク圧とを区画するものである。Oリング47は、スプリング室41のタンク圧と、パイロット通路29の絞り弁3の下流側圧力とを区画している。
【0022】
次に、この第1実施例のパワーステアリング装置の作用を説明する。
エンジンを始動すると、ベーンポンプVPが駆動して、圧力室8aに吐出流体が導かれる。
非操舵時には、パワーステアリング回路PSの負荷圧が低いので、この負荷圧がプランジャ37の両端部に作用しても、プランジャ37がノーマル位置を保つ。したがって、オリフィス機構3aの開度が最小となっている。
また、スプール7は、オリフィス機構3aの前後の差圧に応じて、余剰流量をタンクTに還流するので、オリフィス機構3aの前後の差圧は一定に保たれることになる。
このように、非操舵時には、オリフィス機構3aの開度が最小に保たれ、しかも、その前後の差圧がフローコントロールバルブFVにより一定に保たれるので、制御流量Qを最低流量Q0に保つことができる(図3の特性線Y)。
【0023】
なお、エンジン回転数Nが高くなり、圧力室8aにたくさんの流量が導かれると、スプール7はスプリング9に抗して移動するので、ロッド部材23も移動する。そして、ロッド部材23が移動すると、その大径部23aが、図1の状態に比べ、さらに絞り孔39内に臨むことになる。
しかし、このように大径部23aが絞り孔39に大きく臨んでも、オリフィス機構3aの開度が大径部23aと絞り孔39とによって構成されていることに変わりなく、その開度が大きく変化することはない。したがって、オリフィス機構3aの開度はほぼ同一に保たれると考えてもよい。
このように、非操舵時には、制御流量Qを、エンジン回転数Nにかかわらず常に最低流量Q0に保つことができる。
【0024】
操舵時には、パワーステアリング回路PS側に負荷圧が発生し、この負荷圧がプランジャ37の両端部に作用する。
ここで、パワーステアリング回路PS側におけるプランジャ37の受圧面積は、他方の受圧面積よりも大きくなっている。したがって、これら受圧面積に負荷圧が作用すると、その受圧面積差によって、プランジャ37がスプリング44に抗して移動する。そして、プランジャ37が移動すれば、図2に示すように、絞り孔39とロッド部材23の大径部23aとが離れ、オリフィス機構の開度が大きくなる。
なお、図2に示す状態は、従来例で説明したパワーステアリング装置と実質的に同じである。つまり、エンジン回転数Nに応じてスプール7が移動し、オリフィス機構の開度が変化するものである。なお、この作用については、従来例で述べたので、その詳細な説明を省略する(図3の特性線Z)。
ただし、この実施例では、ロッド部材23にテーパー部52を設けたので、最大流量Q1をなだらかに最低流量Q0に移行させることができる。つまり、大径部23aが絞り孔39内に臨むときに、テーパー部52を設けた分だけ、オリフィス機構3aの開度をなだらかに変化させることができる。
【0025】
この第1実施例のパワーステアリング装置によれば、非操舵時には、図3の特性線Yに示すように、制御流量Qを最低流量Q0を保つことができる。
そして、最低流量Q0のみをパワーシリンダPS回路側に供給すれば、流路2あるいはパワーステアリング回路PSで発生する圧力損失を抑えることができる。したがって、無駄なエネルギーを消費することがなく、また油温の上昇を抑えることができる。
また、操舵時には、従来例と同様、図3の特性線Zに示すように、エンジン回転数Nに応じて、アシスト力に必要な流量に制御することができる。
【0026】
そして、エンジン回転数Nは車速にほぼ比例するので、車速に応じたアシスト力を付与することができる。例えば、車両の低速走行時には、最大制御流量Q1がパワーステアリング回路PS側に供給されるので、大きなアシスト力を得ることができる。そして、車速が増すと、制御流量Qを少なくできるので、アシスト力を小さくして、ハンドル操舵を安定させることができる。
なお、この第1実施例では、ロッド部材23をフローコントロールバルブFVに連動させているが、例えば、ロッド部材23を固定しておいてもよい。ただし、この場合は、操舵時に、制御流量Qがエンジン回転数にかかわらず常にアシスト力に必要な流量Q1を保つことになる。
【0027】
図4、5に示す第2実施例では、プランジャ37に通孔38を形成するととも、この通孔38の圧力室8a側に、第1絞り孔48を形成している。さらに、プランジャ37の径方向には第2絞り孔49を形成している。
一方、コネクタ20の先端には径方向に連通孔50を形成し、圧力室8aとコネクタ20内とを連通させている。
この第2実施例では、ロッド部材23を設けないで、第1絞り孔48と第2絞り孔49とによって、オリフィス機構3aを構成している。そして、その他の構成については、第1実施例と同じなので、その詳細な説明を省略する。
【0028】
次に、この第2実施例のパワーステアリング装置の作用を説明する。
非操舵時には、パワーステアリング回路PSの負荷圧が低いので、この負荷圧がプランジャ37の両端部に作用しても、図4に示すように、プランジャ37がノーマル位置を保つ。そして、この状態では、第2絞り孔49が閉じているので、オリフィス機構3aの開度が、第1絞り孔48の開度のみからなり、最小となっている。
このように、非操舵時には、オリフィス機構3aの開度が最小に保たれ、しかも、その前後の差圧がフローコントロールバルブFVにより一定に保たれるので、制御流量Qを最低流量Q0に保つことができる(図6の特性線V)。
【0029】
操舵時には、パワーステアリング回路PS側に負荷圧が発生し、この負荷圧がプランジャ37の両端部に作用する。そして、この負荷圧がプランジャ37の両端部に作用すると、受圧面積の差によって、プランジャ37がスプリング44に抗して移動し、図5に示すように、ストッパ段部36に当接することになる。そして、図5に示す状態では、第2絞り孔49が連通孔50に重なるので、オリフィス機構3aの開度が、第1絞り孔48と第2絞り孔49とから構成されることになる。
このように、操舵時には、第1絞り孔48と第2絞り孔49とによって、吐出流体がアシスト力に必要な流量Q1に制御される(図6の特性線W)。
【0030】
この第2実施例のパワーステアリング装置によれば、非操舵時には、特性線Vに示すように、制御流量Qを最低流量Q0を保つことができる。
そして、最低流量Q0のみをパワーシリンダPS回路側に供給すれば、流路2やパワーステアリング回路PSで発生する圧力損失を抑えることができる。したがって、無駄なエネルギーを消費することがなく、また油温の上昇を抑えることができる。
また、操舵時には、オリフィス機構3aの開度が、第1絞り孔48と第2絞り孔49との開度からなので、特性線Wに示すように、アシスト力に必要な流量Q1に制御することができる。
【0031】
また、この第2実施例では、オリフィス機構3aを構成するためにロッド部材が必要でなく、部品数を少なくできる。
さらに、アシスト力に必要な制御流量Q1を保ちつつ、非操舵時における最低流量Q0を自由に設定することができる。例えば、第1絞り孔49の開度を小さく設定すれば、最低流量Q0を小さく設定できる。そして、その分だけ第2絞り孔48の開度を大きく設定しておけば、操舵時には、制御流量Q1を得ることができ、アシスト力が不足してしまうこともない。
ただし、この第2実施例では、操舵時に、オリフィス機構3aの開度はエンジン回転数Nに関係なく一定に保たれるので、制御流量Qはアシスト力に必要な流量Q1に保たれる。したがって、第1実施例のように車速に応じたアシスト力制御をすることはできない。
【0032】
【発明の効果】
第1の発明によれば、非操舵時には、制御流量を最低流量に保つことができる。したがって、パワーステアリング回路側に流れる流量を少なくでき、それだけ圧力損失を抑えることができる。そして、圧力損失を抑えることができれば、ポンプを駆動させるためのトルクを小さくすることができ、無駄なエネルギーを消費することがない。また、油温の上昇を抑えることもできる。
操舵時には、アシスト力に必要な流量に制御されるので、ハンドルを軽く切ることができる。
さらに、オリフィス機構が、ロッド部材と絞り孔とによって構成され、円筒形状となっている。したがって、プランジャに微小振動が発生しても、開度の変化を小さくでき、オリフィス特性を安定させることができる。
【0033】
の発明によれば、エンジン回転数に応じて制御流量を変えることができる。そして、エンジン回転数は車速にほぼ比例するので、車速に応じて、操舵時のアシスト力を制御することができる。
例えば、エンジン回転数が低い範囲、つまり、車両の低速走行時に、オリフィス機構の開度を大きくすれば、大きなアシスト力を得ることができる。そして、エンジン回転数が高い範囲で、オリフィス機構の開度を小さくすれば、高速時にハンドルを安定させることができる。
【0034】
の発明によれば、オリフィス機構を第1絞り孔と第2絞り孔とによって構成している。したがって、ロッド部材などを必要とせず、部品数を少なくできる。
また、二つの絞り孔の開度により、アシスト力に必要な流量制御をするので、アシスト力に必要とされる制御流量を保ちつつ、非操舵時における最低流量を自由に決めることができる。例えば、非操舵時に開いている絞り孔の開度を小さくすれば、最低流量を低く設定できる。そして、他方の絞り孔の開度をその分大きくしておけば、操舵時には、アシスト力に必要な制御流量を得ることができ、アシスト力が不足してしまうようなこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のパワーステアリング装置の一部断面図であり、非操舵時の状態を示す。
【図2】第1実施例のパワーステアリング装置の一部断面図であり、操舵時の状態を示す。
【図3】第1実施例のパワーステアリング装置における制御流量特性を示した図であり、Yが非操舵時の特性線で、Zが操舵時の特性線である。
【図4】第2実施例のパワーステアリング装置の一部断面図であり、非操舵時の状態を示す。
【図5】第2実施例のパワーステアリング装置の一部断面図であり、操舵時の状態を示す。
【図6】第2実施例のパワーステアリング装置における制御流量特性を示した図であり、Vが非操舵時の特性線で、Wが操舵時の特性線である。
【図7】従来例のパワーステアリング装置の回路図である。
【図8】ベーンポンプの断面図である。
【図9】図8のIX−IX線断面図である。
【図10】フローコントロールバルブの断面図である。
【図11】従来例のパワーステアリング装置の制御流量特性を示した図であり、Xは非操舵時および操舵時における特性線である。
【符号の説明】
1 ポンプ
2 流路
3 絞り弁
3a オリフィス機構
FV フローコントロールバルブ
PS パワーステアリング回路
7 スプール
8a 圧力室
8b パイロット室
9 スプリング
37 プランジャ
38 通孔
39 絞り孔
44 スプリング
48 第1絞り孔
49 第2絞り孔

Claims (3)

  1. エンジン回転数に応じて吐出量が変化するポンプと、このポンプに接続したパワーステアリング回路と、これらポンプ及びパワーステアリング回路の接続途中に設けた絞り弁と、絞り弁の前後の差圧を一定に保つフローコントロールバルブとを備えたパワーステアリング装置において、絞り弁は、ボディと、ボディに摺動自在に組み込んだプランジャと、プランジャに作用させたスプリングと、プランジャの移動に応じて開度を変えるオリフィス機構とを備え、しかも、プランジャはパワーステアリング回路側の受圧面積をポンプ側の受圧面積よりも大きくしてなり、プランジャがノーマル位置にあるとき、オリフィス機構の開度が最小に保たれ、また、パワーステアリング回路で負荷圧が発生したとき、受圧面積の差によりプランジャがスプリングに抗して移動し、オリフィス機構の開度を大きくする構成とし、しかも、上記オリフィス機構は、プランジャに設けた絞り孔と、この絞り孔を貫通し、プランジャ内に突出させたロッド部材と、ロッド部材の先端に設け、かつ、その外径を絞り孔の内径よりも小さくした大径部とからなり、プランジャがノーマル位置にあるとき、大径部が絞り孔内に位置し、また、パワーステアリング回路で負荷圧が発生したとき、受圧面積の差によりプランジャがスプリングに抗して移動し、大径部が絞り孔から抜ける構成にしたことを特徴とするパワーステアリング装置。
  2. ロッド部材を、フローコントロールバルブに連動させたことを特徴とする請求項1記載のパワーステアリング装置。
  3. エンジン回転数に応じて吐出量が変化するポンプと、このポンプに接続したパワーステアリング回路と、これらポンプ及びパワーステアリング回路の接続途中に設けた絞り弁と、絞り弁の前後の差圧を一定に保つフローコントロールバルブとを備えたパワーステアリング装置において、絞り弁は、ボディと、ボディに摺動自在に組み込んだプランジャと、プランジャに作用させたスプリングと、プランジャの移動に応じて開度を変えるオリフィス機構とを備え、しかも、プランジャはパワーステアリング回路側の受圧面積をポンプ側の受圧面積よりも大きくしてなり、プランジャがノーマル位置にあるとき、オリフィス機構の開度が最小に保たれ、また、パワーステアリング回路で負荷圧が発生したとき、受圧面積の差によりプランジャがスプリングに抗して移動し、オリフィス機構の開度を大きくする構成とし、しかも、オリフィス機構は、プランジャに設けた第1絞り孔と第2絞り孔とからなり、プランジャがノーマル位置にあるとき、一方の絞り孔のみが開き、他方の絞り孔が閉じ、また、パワーステアリング回路で負荷圧が発生したとき、受圧面積の差によりプランジャがスプリングに抗して移動し、両方の絞り孔が開く構成としたことを特徴とするパワーステアリング装置。
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