JP3659308B2 - 静圧流体軸受 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、2つの部材間に圧縮流体を噴出して静圧流体層を形成するとともに、2つの部材間に供給された圧縮流体を回収し、外部へ漏洩させることなく駆動させることが可能な回転運動や直線運動に用いる静圧流体軸受に関するものであり、特に真空中、その中でも1×10-5Torr以上の超高真空中でも使用可能な真空対応型の静圧流体軸受として好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、滑らかな回転運動や直線運動をさせる手段として静圧流体軸受が用いられている。静圧流体軸受は、固定部材と可動部材との微少隙間に圧縮流体を噴出して静圧流体層を形成することにより、可動部材を固定部材上に静圧支持するようになっており、2つの部材同士が直接接触しないことから摩擦抵抗が極めて小さく、可動部材を滑らかに回転運動や直線運動させることができるようになっている。
【0003】
ところで、可動部材を固定部材上に静圧支持するには、2つの部材間に供給された圧縮流体を外部へ漏洩させる必要があるが、真空雰囲気下ではそのまま使用することができず、本件出願人は例えば図9(a)(b)に示すような静圧流体軸受を先に提案している(特公平8−1215号公報参照)。
【0004】
この静圧流体軸受は、両端が支持板23,24により固定された柱状体であって、その外壁を第1ガイド面22とする第1部材21と、該第1部材21を囲繞する筒状体であって、その内壁を第2ガイド面32とする第2部材31とから成り、第2ガイド面32には、ポケット33と該ポケット33と連通し、第1ガイド面22に向けて空気等の圧縮流体を噴出する給気孔34を有し、該給気孔34から圧縮気体を噴出させ、ポケット33によって拡散させることで、第1ガイド面22との微少な隙間Sに静圧流体層を形成し、第2部材31を第1部材21上に静圧支持するようになっていた。また、第2部材31と各支持板23,24との間には、第1部材21の外周を覆うように収縮性を持った、例えばネオプレンゴム等の如き外囲体25,26を気密に取着してあり、第1部材21と第2部材31との隙間Sより漏洩する流体を各支持板23,24に穿孔した排気孔23a,24aより真空雰囲気外へ放出することで真空環境を維持するようになっていた。
【0005】
そして、第2部材31を移動させるには、第1部材21と平行に設置されたネジ軸42に螺合するナット43を第2部材31と連結させ、モータ44によってネジ軸42を回転させてナット43を軸方向に移動させることで、第2部材31を第1部材21に沿って移動させるようになっていた。
【0006】
なお、第2部材31を移動させる手段としては、ボールネジ41を介してのモータ44駆動以外に、ベルトを介してのモータ駆動や第2部材31をエアシリンダやリニアモータによって直接駆動させることも行われていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図9(a)(b)に示す静圧流体軸受を真空雰囲気下で使用できるのは、真空度が10-3Torr程度までであり、これ以上の真空環境では、外囲体25,26の内部圧力と外部圧力との圧力差が大きくなりすぎて外囲体25,26が急激に膨張し、延いては破損に至るため、1×10-3Torrを越える真空環境下では用いることができなかった。
【0008】
また、1×10-3Torr以下の真空環境下であっても、第2部材31の移動に伴って収縮する外囲体25,26の動きが抵抗となって第2部材31の移動が阻害されるため、第2部材31の持つ滑らかな運動性能が損なわれるといった課題もあった。
【0009】
そこで、第2部材31の滑らかな運動性能を阻害する外囲体25,26を用いることなく、真空環境下で使用可能な静圧流体軸受として、図10(a)(b)に示すものが提案されている(特開昭63−192864号公報参照)。
【0010】
この静圧流体軸受は、円柱状体であって、その外壁を第1ガイド面52とする第1部材51と、該第1部材51を囲繞する円筒体であって、その内壁を第2ガイド面62とする第2部材61とから成り、第2ガイド面62には、その中央で周方向に沿って形成されたポケット63と、該ポケット63に連通し、第1ガイド面52へ向けて圧縮流体を噴出する給気孔64と、前記ポケット63を挟んで両側に周方向に沿ってそれぞれ形成された三重の排気溝65,66,67と、各排気溝65,66,67とそれぞれ連通し、第1ガイド面52と第2ガイド面62との微少な隙間Rより漏洩する気体を強制的に排気する吸引孔68,69,70を備えたものがあった。そして、各排気溝65,66,67の内壁は、第2ガイド面62に対してそれぞれ垂直に形成されていた。
【0011】
なお、各吸引孔68,69,70は、ホース71,72,73を介して不図示の吸引ポンプにより真空吸引されるようになっており、また、給気孔64は、ホース74を介して不図示の圧縮ポンプから圧縮流体が供給されるようになっていた。
【0012】
そして、この静圧流体軸受を作動させるには、第2部材61の給気孔64より圧縮気体を噴出させ、ポケット63で拡散させることにより、第1ガイド面52との微少な隙間Rに静圧流体層を形成し、第2部材61を第1部材51上に静圧支持するとともに、第1ガイド面52と第2ガイド面62との微少な隙間Rより漏洩する流体を第1の排気溝65、第2の排気溝66、第3の排気溝67によって順次強制的に排気することで、外部(真空中)へ流体が漏洩することを防ぎ、真空環境を維持するようになっていた。
【0013】
ところが、図10(a)(b)に示す静圧流体軸受でも真空度を低下させることなく作動させることができるのは、せいぜい10-4Torr台〜10-5Torr台までであり、近年、半導体製造工程等で要求されている1×10-5Torrを越える10-6Torr台、あるいはそれ以上の超高真空環境下では使用することができなかった。
【0014】
また、図10(a)(b)に示す静圧流体軸受は、その軸受剛性を維持するために必要な静圧領域を確保したうえで、第1ガイド面52と第2ガイド面62の微少な隙間Rから気体が漏洩することを防ぎ、作動可能な前記真空環境を維持するためには、第2ガイド面62の両端に少なくとも低真空用、中真空用、高真空用の3つの排気溝65,66,67を必要とし、軸受剛性を維持したまま第2部材61を小型化することが難しく、また、排気溝65,66,67の数に合わせて3つの吸引ポンプ71,72,73が必要となることから、部品点数が多く構造が複雑となり、さらには各吸引ポンプ71,72,73と接続するホース74,75,76の数が多くなるため、第2部材61が第1部材51上を直線運動するような場合、移動に伴うホース74,75,76の屈曲が抵抗となって第2部材61の滑らかな直線運動が阻害される恐れもあった。
【0015】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者は前記課題に鑑み、排気溝を減らし、二重の排気溝でも1×10-5Torr以上の超高真空環境下で作動させることが可能な静圧流体軸受について鋭意研究を重ねたところ、少なくとも給気孔に近い排気溝の内壁を、開口部から外側へ広がるように、ある角度をもって傾斜させることにより、排気溝からの排気効率を格段に向上させることができ、もって二重の排気溝でも1×10-5Torr以上の超高真空環境下でも十分に作動し得ることを見出し、本発明に至った。
【0016】
即ち、本発明の静圧流体軸受は、第1ガイド面を有する第1部材と、前記第1ガイド面に対し隙間を設けて対向する第2ガイド面を有する第2部材とから成り、前記第1ガイド面又は第2ガイド面には、前記隙間に圧縮流体を噴出して静圧流体層を形成する給気孔と、該給気孔の周囲に刻設され、前記圧縮流体を回収する二重の排気溝を備えるとともに、少なくとも内側に位置する排気溝の内壁を、前記第1ガイド面又は第2ガイド面に対して40度〜65度の範囲で外側に傾斜させたことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0018】
図1は本発明の静圧流体軸受の一例を示す斜視図、図2は図1のX−X線における主要部のみを示す断面図、図3は図1の第2部材のみを示す一部を破断した斜視図である。
【0019】
この静圧流体軸受は、両端が支持板13,14により固定された柱状体であって、その外壁を第1ガイド面2とする第1部材1と、該第1部材1を囲繞する筒状体であって、その内壁を第2ガイド面4とする第2部材3とから成り、第2ガイド面4には、ポケット5と該ポケット5と連通し、第1ガイド面2に向けて空気などの圧縮流体を噴出する給気孔6を有し、該給気孔6から圧縮流体を噴出させ、ポケット5によって拡散させることで、第1ガイド面2との微少な隙間Tに静圧流体層を形成し、第2部材3を第1部材1上に静圧支持するようになっている。
【0020】
また、第2ガイド面4には、前記ポケット5(あるいは給気孔6)の周囲に刻設され、第1ガイド面2との隙間Tに噴出された圧縮流体を回収する二重の排気溝7,8を備え、内側に位置する排気孔7、即ち給気孔6に近い排気溝7の内壁を、第2ガイド面4に対して40度〜65度の角度αで開口部から外側へ広がるように傾斜させるとともに、外側に位置する排気孔8、即ち給気孔6より遠い排気溝8の内壁を、第2ガイド面4に対して垂直に形成してある。
【0021】
なお、第2部材3の内部には、各第2ガイド面4に形成された給気孔6と連通する給気通路21、及び各第2ガイド面4に形成された排気溝7,8と連通する吸引通路22,23を設けてあり、給気通路21はホース24を介して圧縮ポンプ10と、各吸引通路22,23はホース25,26を介して吸引ポンプ11,12とそれぞれ接続してある。
【0022】
また、この静圧流体軸受には、第1部材1と平行にボールネジ16のネジ軸17を設置してあり、該ネジ軸17に螺合するナット18を連結部材19を介して第2部材3と連結するとともに、ネジ軸17の一端にはモータ20を連結してある。
【0023】
なお、図1では第2部材3を移動させる手段として、ボールネジ16を介したモータ20による駆動手段を示したが、ベルトを介してのモータ駆動や第2部材3をエアシリンダやリニアモータによって直接駆動させるようにしても良い。
【0024】
そして、この静圧流体軸受を用いて第2部材3を移動させるには、まず、給気孔6より空気などの圧縮流体を第1ガイド面2に向けて噴出する。この時、ポケット5によって圧縮流体は拡散され、第1ガイド面2との隙間Tに静圧流体層を形成して第2部材3を第1部材1上に静圧支持する。そして、モータ20によってネジ軸17を回転させながらナット18を軸方向に移動させることにより、第2部材3は第1部材1と非接触であることから、この間での摺動抵抗は皆無であり、第2部材3を第1部材1に沿って滑らかに移動させることができる。
【0025】
また、第1ガイド面2と第2ガイド面4との隙間Tに供給された圧縮流体は、給気孔6の周囲に形成された二重の排気溝7,8より吸引ポンプ14,15によって回収し、第1ガイド面2と第2ガイド面4との隙間Tより流体が漏れることを防止するのであるが、本発明によれば、少なくとも内側に位置する排気溝7の内壁を、第2ガイド面4に対して40度〜65度の角度αで傾斜させてあるから、排気溝7により大部分の流体を回収し、残存する流体を外側の排気溝8によって回収することにより、第1ガイド面2と第2ガイド面4との隙間Tより漏洩する流体量を極めて少なくすることができるため、1×10-5Torrを越える超高真空環境下でもその真空度を低下させることなく作動させることができる。
【0026】
しかも、第1ガイド面2と第2ガイド面4との隙間Tに噴出された流体の回収は、二重の排気溝7,8によって達成することがきるため、三重の排気溝を有する従来の静圧流体軸受と比較して、第2部材3を小型化することができるとともに、第2部材3の重量を小さくできるため、第2部材3を静圧支持するために給気孔6より噴出させる圧縮流体量を少なくでき、経済的である。
【0027】
その上、二重の排気溝7,8としたことにより、吸引ポンプ11,12も2つで済むため、構造を簡略化できるとともに、各排気溝7,8と連通する吸引通路22,23と吸引ポンプ11,12とをそれぞれ接続するホース25,26の数を2本にできるため、第2部材3の移動に伴うホース25,26の屈曲による抵抗を低減することができ、滑らかな第2部材3の移動が阻害されるのを抑制することができる。
【0028】
ところで、このような効果を奏するためには、前述したように、二重の排気溝7,8のうち、少なくとも内側に位置する排気孔7の内壁を、第2ガイド面4に対して40〜65度の角度αで開口部から外側へ広がるように傾斜させることが重要である。
【0029】
即ち、第1ガイド面2と第2ガイド面4との隙間Tに噴出された圧縮流体を効率良く回収するためには、排気溝7の内壁をできるだけ傾斜させた方が良いのであるが、第2ガイド面4に対する角度αが40度未満では、これ以上傾斜させても流体の回収効率を高めることができず、しかも、三重の排気溝を有する従来の静圧流体軸受と比較して第2部材3を小型化することができないからであり、逆に、第2ガイド面4に対する角度αが65度を越えると、流体の回収効率が悪く、二重の排気溝7,8では隙間Tから漏洩する流体量が多くなりすぎるために、1×10-5Torrを越える超高真空環境下ではその真空度を低下させることなく動作させることができないからである。なお、好ましくは第2ガイド面4に対して40〜45度の角度αで開口部から外側へ広がるように傾斜させることが良い。
【0030】
また、排気溝7,8による流体の回収効率を高めるためには、内側に位置する排気溝7の溝幅Lを、外側に位置する排気溝8の溝幅Nの2倍以上とするとともに、排気溝7と排気溝8との間隔Mを、外側に位置する排気溝8の溝幅Nと同等あるいはそれ以上長くすることが好ましい。これは、内側に位置する排気溝7の溝幅Lが、外側に位置する排気溝8の溝幅Nの2倍未満では、溝幅Lが狭いために排気溝7にて回収できる流体量をそれほど多くすることができないからであり、また、排気溝7と排気溝8との間隔Mが、外側に位置する排気溝8の溝幅N未満であると、両者間の間隔Mが短すぎるため、この間を通過する流体の流量が大きく、排気溝8に流れ込む流体量が増大し、二重の排気溝7,8による流体の回収効率が低下するからである。
【0031】
なお、図2では、給気孔6に近い排気溝7の内壁のみを傾斜させた例を示したが、外側の排気溝8の内壁も排気溝7と同様の条件で傾斜させても良く、より効率的に流体を回収することができる。
【0032】
また、本実施形態では、第1部材1が第2部材3によって囲繞され、第2部材3が第1部材1上に静圧支持された状態で直線運動する構造の静圧流体軸受について示したが、必ずしも第1部材1が第2部材3によって囲繞されている必要性はなく、平板状の第1部材と平板状の第2部材との隙間に圧縮流体を噴出して静圧支持するようにした静圧流体軸受についても本発明を適用できることは言うまでもない。
【0033】
さらに、本発明は直線運動する静圧流体軸受だけに限定されるものではなく、第1部材が第2部材によって囲繞され、第1部材が第2部材内で回転運動する構造の静圧流体軸受にも適用することができ、同様の効果を奏することができることは言うまでもない。
【0034】
【実施例】
(実施例1)
ここで、本発明の静圧流体軸受と従来の静圧流体軸受による流体の回収効率を確認するため、本発明として、図4(a)に示すように、平板40と対設したガイド面42に二重の排気溝44,45を備えた部材41を5μmの間隔を設けて設置したものと、従来として、図4(b)に示すように、平板40と対設したガイド面47に三重の排気溝49,50,51を有する部材46を5μmの間隔を設けて設置したものとをそれぞれ用意し、図5に示す実験装置の真空容器52内で、平板40と各部材41,46との隙間に圧縮空気を噴出させた時の図4(a)に示す二重の排気溝44,45と図4(b)に示す三重の排気溝49,50,51による空気の回収効率を、真空容器52内における真空度の低下具合を調べることにより確認した。
【0035】
なお、図4(a)(b)において、43,48は平板40に対して圧縮空気を噴出する各部材41,46に設けた給気孔である。また、図5は図4(a)の平板40と部材41を真空容器52内に設置した状態を示したもので、平板40と部材41との隙間のうち3辺は封止部材53,54,85にて閉じ、残る一辺のみを開放してある。ただし、56は真空容器52内を真空にするための排気ポンプ、57は真空容器52内の圧力変動を測定するための真空ゲージ、58は部材41の給気孔43へ圧縮空気を供給するためのホース、59,60は各部材41の排気溝44,45より回収した空気を不図示の吸引ポンプへ送るためのホースである。
【0036】
また、図4(a)では、給気孔43に近い排気溝44の溝幅を20mm、外側の排気溝45の溝幅を10mm、排気溝44,45の間隔を10mmとし、かつ排気溝44の内壁を、ガイド面42に対して45度の角度βで開口部から外側へ向けて傾斜させるとともに、排気溝45の内壁を、ガイド面42と垂直に形成し、図4(b)では、給気孔48に近い排気溝49の溝幅を10mm、次の排気溝50の溝幅を10mm、外側の排気溝51の溝幅を10mm、排気溝49,50,51の間隔を10mmとし、かつ各排気溝49,50,51の内壁をいずれもガイド面47と垂直に形成した。
【0037】
そして、この実験装置により空気の回収効率を確認するには、真空容器52内の空気を排気ポンプ56により排気して5×10-6Torrの真空度としたあと、各部材41(46)の給気孔43(48)より平面40に対して2リットル/minの圧縮空気を噴出させた状態で排気溝44,45(49,50,51)により空気を回収し、その時の真空ゲージ57の真空度を確認した。
【0038】
この結果、図4(b)は、排気溝49,50,85の内壁がいずれもガイド面47に対して垂直に形成されているために空気の回収効率が悪く、平板40と部材46と隙間からの空気の漏れ量が多いため、真空容器52内の真空度は10-5Torr台まで低下した。
【0039】
これに対し、図4(a)は、排気溝44の内壁をガイド面42に対して45度の角度βで開口部から外側へ向けて傾斜させてあることから、二重の排気溝44,45であるものの、空気の回収性に優れ、平板40と部材41との隙間からの空気の漏れ量が極めて少ないために、真空容器52内の真空度が1×10-5Torrを下回ることがなく、超高真空下でも使用可能であった。
【0040】
そこで、図4(a)の構造において、排気溝44の内壁をガイド面42に対して30度、45度、65度、75度の角度βで傾斜させる以外は同様の条件にて空気の回収効率について測定した。
【0041】
結果は図6に示す通りである。
【0042】
この結果、角度βが45度を越えると真空容器52内の真空度が徐々に低下し、65度を越えると1×10-5Torrを下回り、10-6Torr台を維持することができなくなった。ただし、角度βが40度より小さいと、部材41が大型化して好ましくなかった。
【0043】
よって、二重の排気溝44、45のうち、給気孔43に近い排気溝44の内壁は、ガイド面42に対して40度〜65度の角度βで開口部から外側へ広がるように傾斜させることにより、二重の排気溝44,45でも高い空気の回収効率が得られ、1×10-5Torr以上の真空度を維持できることが判る。
【0044】
(実施例2)
次に、図4(a)の構造において、給気孔43に近い排気溝44の溝幅を異ならせた時の空気の回収効率について、実施例1と同様の条件にて測定を行った。なお、実験にあたり、排気溝44の内壁の傾斜角度βは45度、排気溝44,45間の間隔は10mm、排気溝45の溝幅は10mmとした。
【0045】
結果は図7に示す通りである。
【0046】
この結果、供気孔43に近い排気溝44の溝幅を、もう一方の排気溝45の溝幅の2倍以上とすることにより、空気の回収効率を高め、真空容器52内の真空度を1×10-5Torr以上とすることができた。
【0047】
この結果、給気孔43に近い排気溝44の溝幅は、もう一方の排気溝45の溝幅の2倍以上とすれば良いことが判る。
【0048】
(実施例3)
さらに、図4(a)の構造において、排気溝44,45の間隔を異ならせた時の空気の回収効率について、実施例1と同様の条件にて測定を行った。
【0049】
なお、実験にあたり、排気溝44の内壁の傾斜角度βは45度、排気溝44の溝幅は20mm、排気溝45の溝幅は10mmとした。
【0050】
結果は図8に示す通りである。
【0051】
この結果、排気溝44,45の間隔は、外側の排気溝45の溝幅と同等以上の長さとすることにより、真空容器52内の真空度を1×10-5Torr以上とすることができた。
【0052】
この結果、排気溝74,45の間隔は、外側の排気溝45の溝幅と同等以上とすれば良いことが判る。
【0053】
【発明の効果】
以上のように、本発明の静圧流体軸受によれば、第1ガイド面を有する第1部材と、前記第1ガイド面に対し隙間を設けて対向する第2ガイド面を有する第2部材とから成り、前記第1ガイド面又は第2ガイド面には、前記隙間に圧縮流体を噴出して静圧流体層を形成する給気孔と、該給気孔の周囲に刻設され、前記圧縮流体を回収する二重の排気溝を備えるとともに、少なくとも内側に位置する排気溝の内壁を、前記第1ガイド面又は第2ガイド面に対して40度〜65度の範囲で排気溝の開口部から外側に傾斜させたことにより、二重の排気溝でも第1ガイド面と第2ガイド面との隙間に噴出された流体の大部分を回収し、第1ガイド面と第2ガイド面との隙間より外部へ漏洩する流体量を極めて少なくすることができるため、1×10-5Torr以上という超高真空環境下でもその真空度を低下させることなく作動させることができる。
【0054】
また、二重の排気溝によって流体の回収を行うことができるため、三重の排気溝を有する従来の静圧流体軸受と比較して、給気孔を有する部材を小型化することができるとともに、重量を小さくできるため、給気孔より噴出させる圧縮流体量を少なくでき、経済的である。
【0055】
さらに、気体を回収するための吸引ポンプも2つで済むため構造を簡略化できるとともに、各排気溝と連通する吸引孔と吸引ポンプとをそれぞれ接続するホースの数も2本で済むため、排気溝を備えた部材が移動する場合、ホースの屈曲による抵抗を低減することができ、静圧流体軸受の滑らかな移動を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る静圧流体軸受の一例を示す斜視図である。
【図2】図1のX−X線における主要部のみを示す断面図である。
【図3】図1における第2部材のみを示す一部を破断した斜視図である。
【図4】(a)は実験における二重の排気溝を備えた部材を示す断面図、(b)は実験における三種の排気溝を備えた部材を示す断面図である。
【図5】実験装置を示す概略図である。
【図6】給気孔に近い排気溝の内壁の傾斜角度と真空容器内の真空度との関係を示すグラフである。
【図7】給気孔に近い排気溝の溝幅と真空容器内の真空度との関係を示すグラフである。
【図8】二重の排気溝の間隔と真空容器内の真空度との関係を示すグラフである。
【図9】(a)は従来の静圧流体軸受の一例を示す斜視図、(b)は(a)のY−Y線断面図である。
【図10】(a)は従来の静圧流体軸受の他の例を示す斜視図、(b)は(a)のZ−Z線断面図である。
【符号の説明】
1:第1部材 2:第1ガイド面 3:第2部材 4:第2ガイド面 5:ポケット
6:給気孔 7,8:排気溝 10:圧縮ポンプ 11,12:吸引ポンプ
13,14:支持部材 16:ボールネジ 17:ネジ軸 18:ナット
19:連結部材 20:モータ
L,N:排気溝の溝幅 T:第1部材と第2部材との隙間
M:二重の排気溝間の間隔 α:ガイド面に垂直な平面に対する排気溝内壁の傾斜角度
Claims (1)
- 第1ガイド面を有する第1部材と、前記第1ガイド面に対し隙間を設けて対向する第2ガイド面を有する第2部材とから成り、前記第1ガイド面又は第2ガイド面は、前記隙間に圧縮流体を噴出して静圧流体層を形成する給気孔と、該給気孔の周囲に形成され、前記圧縮流体を回収する二重の排気溝を備えており、かつ少なくとも内側に位置する排気溝の内壁が、前記第1ガイド面又は第2ガイド面に対し外側に40度〜65度傾斜していることを特徴とする静圧流体軸受。
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