JP3656732B2 - エネルギー変換繊維体および吸音材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば圧電材のように、振動や音圧からなる外部の機械的エネルギーを他のエネルギー、例えば電気的エネルギーに変換して消費することのできる成分を含んだエネルギー変換繊維体、およびこのような繊維体を用いた吸音材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車や建築用の遮音構造体には、金属あるいは樹脂材に代表される板状材料に吸音材を積層した構造(特開平07−223478号公報など)が用いられてきた。また、これらの発展系遮音材としては、強誘電性ポリマーフィルムを使用した特開平08−246573号公報に代表される遮音材が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特開平08−246573号公報記載の遮音材は、板状材料と吸音材との積層構造からなる前記遮音構造体の重量増および/または占有体積の増加に鑑みてなされたものであるが、強誘電材をフィルムとして使用する場合、膜面積に静電容量(C)が比例することから、大面積で使用する場合には外部抵抗値(R)を小さくする必要が生じ、面積によっては現実的なRを組み合わせることができないという問題が生じる。また、通常、遮音構造体は、フィルム単体で構成することはなく、適当な吸音材と組み合わせて使用する。この場合、フィルムの他に吸音材を用意する必要が生じ、最終製品である遮音構造体が高価なものになると同時に、吸音材とフィルムとを組み合わせることによる作業工程の煩雑さが生じ、現実的な遮音材料とはなり難い。
【0004】
また、吸音材は、家屋,鉄道車両,航空機,車両など、様々な部位に使用されており、その部位に基づく種々の制限を受け、最も適したものが使用されているが、特に車両に用いられるタイプでは、重量,スペースなどに多大な制約条件が加味されることとなり、より軽く、スペースを取らない吸音構造体を得る必要がある。
【0005】
従来の吸音構造体においては、フェルトなどの天然繊維やPETなどの合成繊維を用いたものを吸音の必要な部位に設置し、その性能を上げるためには、これらの使用量を増加させることによって対応してきたが、このような手法では使用量の増加によるコスト・重量増の弊害の割りには吸音性能が向上せず、効率の悪いものとなっており、とりわけ上記手法では、吸音が特に必要とされる500Hz以下の低周波数領側の吸音性能を効率よく向上させることができず、コストや重量、スペースを徒に増加させる結果となり、このような問題点の解消が従来の吸音材、吸音構造体における課題となっていた。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、従来の吸音材における上記課題に着目してなされたものであって、
、軽量化、省スペース化が可能であると共に、振動や音圧による外部からの機械的エネルギーを他のエネルギーに変換して、消費することによって高い吸音性能を有し、自動車などの吸音材として好適なエネルギー変換繊維体と、このような繊維体からなる吸音材を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係わるエネルギー変換繊維体においては、繊維断面積の10〜90%が平均直径1〜50μmの繊維を備えた島成分であり、残りの断面積部分が前記島成分を包含し、島成分を一体化させる海成分である平均直径10〜100μmの海島型複合繊維からなり、1つの島成分の断面2次モーメントが複合繊維全体の断面2次モーメントの10%以下であると共に、1つの島成分の断面積が複合繊維全体の断面積の30%以下であって、島成分の80〜100質量%が熱可塑性樹脂と圧電材の混合物である構成とし、請求項2に係わる繊維体においては、発泡体においては、1つの島成分の断面積をS、その外周長をLとし、円等価半径RをR=(S/π)0.5、外周換算半径GをG=l/(2π)、異形比FをF=G/Rと定義するとき、前記異形比Fが1.1〜3.0の範囲である構成とし、さらに請求項3に係わる繊維体においては、海成分の樹脂が、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)もしくはポリ(フッ化ビニリデン/トリフルオロエチレン)(P(VDF/TrFE))共重合体の非圧電部分からなる構成としたことを特徴としている。
【0008】
圧電材としては、請求項4に記載しているように少なくともアルカリ土類金属を有する複合酸化物が含まれているものを使用することができ、複合酸化物としては、請求項5に記載しているようにIV族から選ばれる少なくとも1種の元素とアルカリ土類金属との酸化物を使用することができ、請求項6に記載しているように、複合酸化物を構成するアルカリ土類金属と、IV族から選ばれる少なくとも1種の元素とのモル比を1:0.98〜1:1の範囲のものとすることができ、請求項7に記載しているように、複合酸化物を構成するアルカリ土類金属をBa,Sr,CaおよびMgから選ばれる少なくとも1種の元素を含んでいるものとすることができ、請求項8に記載しているように、複合酸化物を構成するIV族の元素をTi、Zr、Sn、およびPbから選ばれる少なくとも1種の元素を含んでいるものとすることができ、請求項9に記載しているように、複合酸化物をTiとBa,TiとSr,TiとCa,TiとMgの組み合わせからなる複合酸化物から選ばれる少なくとも1種の複合酸化物を含んでいるものとすることができ、さらに、圧電材として、請求項10に記載しているように、チタン酸バリウム(BaTiO3)およびチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)から選ばれる複合酸化物を含んでいるものとすることができる。
【0009】
そして、このような複合酸化物の大きさとしては、請求項11に記載しているように、その平均粒子径を0.3×10−6〜10.0×10−6mの範囲とすることが望ましく、さらには請求項12に記載しているように、0.3×10−6〜7.0×10−6mの範囲とすることがより望ましい。また、複合酸化物成分の配合量としては、請求項13に記載しているように、熱可塑性樹脂の0.5〜1000vol%、さらには請求項14に記載しているように、25〜400vol%とすることが望ましい。
【0010】
請求項15に係わるエネルギー変換繊維体においては、熱可塑性樹脂と圧電材と共に、導電材として炭素繊維および/または炭素粉末が混入されている構成としたことを特徴としており、炭素繊維としては、請求項16および17に記載しているように、その長手方向の平均長さを0.3×10−6〜100×10−6m、より望ましくは0.3×10−6〜20×10−6mの範囲のものとすることができ、炭素粉末としては、請求項18および19に記載しているように、その平均粒子径を10×10−9〜100×10−9m、より望ましくは10×10−9〜60×10−9mの範囲のものとすることができ、さらにこれらの配合量としては、請求項20および21に記載しているように、炭素繊維および/または炭素粉末の配合量を圧電材成分の0.5〜500vol%、より望ましくは5〜100vol%とすることができる。
【0011】
本発明の請求項22に係わる吸音材においては、本発明に係わる上記エネルギー変換繊維体を10〜100質量%使用した繊維集合体からなる構成とし、請求項23に係わる吸音材においては、上記請求項1ないし請求項21のいずれかに記載のエネルギー変換繊維体10〜100質量%に、少なくとも表面において他の繊維と熱融着するバインダー繊維を混入し、熱成形してなる構成としたことを特徴としており、このような吸音材の構成を前述した従来の課題を解決するための手段としている。
【0012】
本発明の請求項24に係わる遮音構造体は、本発明に係わる上記吸音材が遮音性を有する板状材に貼設してある構成とし、本発明の請求項25に係わる車両用吸音材においては本発明に係わる上記吸音材が車両の内装に用いてある構成とし、請求項26に係わる車両用吸音材においては上記吸音材が車両のエアクリーナシステム系内部に用いてあり、請求項27に係わる車両用吸音材においては上記吸音材が車両のエンジンカバーの内側に用いてあり、請求項28に係わる車両用吸音材においては上記吸音材が車両のダッシュインシュレータ用吸音材の全面もしくは一部に用いてあり、請求項29に係わる車両用吸音材においては上記吸音材が車両のフロアカーペット用吸音材の全面もしくは一部に用いてあり、請求項30に係わる車両用吸音材においては上記吸音材が車両のフロアパネルのトンネル部、リアパーセル部、インスト内部、各ピラー内部、ルーフパネル部、ダッシュロア部のいずれかの全面もしくは一部に用いてある構成としたことを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
一般的な吸音材においては、吸音材、例えば図9に示すように、天然繊維やPETなどの合成繊維101からなる不織布のような吸音材100を構成する材料と、音に起因する空気の粗密波との摩擦によって音のエネルギーを消費し、吸音が行われる。従って、吸音性能を向上させるためには、空気との摩擦を増す観点から、吸音材を構成する材料の表面積を上昇させることが行なわれる。特に吸音効率の高い繊維材からなる吸音材においては、その表面積を増すために繊維の細径化を行っているが、細径化にも限度があると共に、経済性の面からも極端な細径化は実用上困難である。
【0014】
本発明においては、空気との摩擦以外でも音のエネルギーを減少させ、吸遮音性能を向上させるために、圧電性を示す成分を含有させることによって、音のエネルギーを一度電気エネルギーに変換し、その励起した電気エネルギーを材料内部の抵抗によって熱に変換することで音のエネルギーが消費され、効率的に吸音を行うことができる。
【0015】
吸遮音材として効果的な形状は、空気との摩擦を効率よく確保できる繊維形態であるため、本発明の形態も繊維体を基本形態とする必要がある。また、成形性などの観点から、熱可塑性樹脂を主成分(マトリックス樹脂)とし、その中に外部の振動、音圧からなる機械的エネルギーにより起電力を生じる材料を混入することが必要となる。このような材料を一般的に圧電材と称する。
【0016】
本発明においては、圧電材として複合酸化物が有効であることを見出し、一般的な複合酸化物を圧電効果を創出する圧電材としてマトリックス樹脂中に混入することによって、音圧などのエネルギーが効率的に電気エネルギーに変換され、材料の抵抗で熱エネルギーに変わり、音などのエネルギーが消費されることになる。また、基本形状が繊維体であるため、摩擦による通常の音エネルギー消費をも確保できることが利点である。さらに、繊維形態以外のフィルム形態、板状材を構成しても音などのエネルギーを消費するメカニズムは変わらず、吸遮音性能を確保することができる。
【0017】
本発明に係わる繊維体を構成する繊維を熱可塑性樹脂を主成分とする繊維とすることにより、繊維集合体に入力された音圧や振動によって、圧電体である複合酸化物に電荷が生じると共に、この電荷が圧電体周囲の熱可塑性樹脂の電気抵抗によって熱に変換されることから、音圧や振動を効率よく吸収することが可能となる。
【0018】
本発明に係わるエネルギー変換繊維体は、繊維体であれば所期の効果を得ることができるが、例えば海島型の複合繊維体の繊維形態を採ることがとくに有効である。
【0019】
海島型の複合繊維体としては、例えば図1(a)および(b)に示すように、また請求項1に記載しているように、繊維断面積の10〜90%が平均直径1〜50μmの繊維を備えた島成分1aであって、残りの部分が島成分1aを包含して一体化させる海成分1bである平均直径10〜100μmの海島型複合繊維1からなり、島成分1aと海成分1bの圧電性および伸縮性が異なる複合繊維体とすることが望ましい。
【0020】
高性能の吸音材を得るためには、吸音材を構成する繊維体に高い圧電効果が必要である。ここで圧電効果とは、音圧エネルギーを電気エネルギーに変換できる効果であり、高い吸音性能を得るためには、吸音材を構成する繊維に高い圧電効果を持たせる必要がある。この圧電材においては、歪にほぼ比例して電荷が生じるため、高い圧電効果を得るためには圧電材が同じ音圧の下で効率よく歪むことが要求される。
【0021】
そこで、材料をより効果的に歪ませる観点から、圧電材の断面2次モーメントを可能な限り減少させることが望ましい。圧電材を含む繊維の断面2次モーメントを下げるには、繊維の総量を変えることなく繊維を細径化する手法と、繊維断面を通常の円形断面から縦横の直径比率を変化させた異形断面とする手法が有効である。このように、繊維の断面積および断面形状をチューニングして、繊維の断面2次モーメントを減少させることにより、同じ音圧のもとでも繊維体がよく歪むようになり、圧電効果が向上する。
【0022】
圧電樹脂にはマトリックス樹脂の他に圧電成分や圧電効果のチューニングを行う第3成分等が配合されるため、溶融化した場合には粘度が上昇する。さらに圧電成分は基本的に無機化合物である場合が多いので、樹脂を押出す口金の部分で口金金属に無機成分が干渉するため押出し抵抗が上昇する。繊維化を行う場合も同様であり、無理に繊維を押出す場合には、通常ポリエステルなどのマトリックス樹脂だけを紡糸する場合と大きく異なり、流動性が低下し、かつ繊維を押出すための抵抗も上昇するため、紡糸が困難となる。また、紡糸された繊維の表面も口金と無機成分との抵抗により、毛羽立つことが多く、繊維体がもろくなる傾向がある。特に、繊維の細径化や異形化は押し出し抵抗が上昇するため、高い圧電効果を有する繊維体を得ることが難しい。したがって、このような樹脂の流動性の低下を改善するには、紡糸に際して圧電成分等が混合された樹脂が繊維表面にできるだけ露出していないことが望ましいことになる。
【0023】
このような問題の解決には、海島型構造により圧電成分を含んだ複合繊維体とすることが有効である。このとき、圧電成分は海成分でも島成分でも所期の目的を達成することができるが、繊維化の容易性を基準に考えると島成分を圧電成分とすることが好ましい。
【0024】
このような複合繊維は、溶融紡糸法などによって作製するにあたり、圧電体を含まない樹脂部分を繊維断面内に持つことによって、紡糸時の巻取り張力が樹脂部分に選択的に働き、高速での巻取りが可能になると共に、低速での巻取りにおいても安定な操業が可能になる。
【0025】
島成分は、平均直径1〜50μmの繊維を発生し得るものであることが望ましい。圧電効果を高めるためには、島成分の平均直径がが小さいことが好ましいが、圧電効果を有する流動性の低い樹脂成分を細径化するのは困難であり、現状では平均直径が1μmに満たない島成分を形成させることはほとんど不可能である。一方、平均直径が50μmを超える島成分は、海島型複合体によって形成しなくても、一般の紡糸方法によって製造可能であることから、複合繊維体にする意味がない。複合繊維を製造するためには、平均直径が10〜30μmであることが望ましい。ここで平均直径とは、略円形の場合における長径と端径の平均のことを意味し、完全な円形の場合はその直径と等しいことになる。
【0026】
島成分の合計面積は、海島複合繊維全体の面積の10〜90%とすることが望ましい。10%未満では、圧電効果を発揮する島成分が効率よく得られず、経済性に劣り、90%を超えた場合には海成分が少なくなって複合繊維を形成することが困難となる傾向がある。圧電効果を効率的に得るためには、島成分を高く設定することが好ましく、具体的には島成分の合計面積を70〜90%の範囲とすることがより望ましい。
【0027】
海島型複合繊維全体の平均直径は、10〜100μmの範囲とすることが望ましい。流動性の悪い島成分を含む複合繊維は細径化するのが困難であって、10μmに満たない複合繊維を製造することは現状ではほとんど不可能である。また、100μmを超えるとなると、一般の紡糸法では繊維化が困難となって、経済性が低下する。
【0028】
島成分と海成分との圧電性が等しい場合には、複合繊維化する意味がなくなり、複合繊維全体の流動性が低下して繊維化することが困難となると共に、高い圧電効果が得難くなる。また、伸縮性が等しい場合には、後工程において複合繊維を島成分と海成分とに分割することが困難となる。これを脱海性という。ここで
脱海性とは、海成分を溶解または分解する場合の容易性を言い、伸縮性やアルカリ溶媒への溶解性等に左右される。
【0029】
1つの島成分の断面2次モーメントは、複合繊維全体の断面2次モーメントの10%以下であることが望ましい。断面2次モーメントは一般に曲げ難さの指標となっており、材質が同一であれば、この値を減少させることによって繊維体のばね定数が減少し、繊維体の曲げ易さが向上する。このため、同一条件の音圧による圧電効果が向上し、圧電材に生じる電荷量が増加し、発生する起電力が上昇する。1つの島成分の断面2次モーメントを複合繊維全体の断面2次モーメントの10%以下とすることによって、圧電効果を効率よく向上させることができ、10%を超える場合には、圧電効果が元の太さの場合とあまり変わらないこととなる。断面2次モーメントの値は小さいほどよいので、下限値は限定しない。ちなみに、直径100μmの複合繊維体に対し、直径50μmの島成分の断面2次モーメントは約6%である。断面2次モーメントは材質の違いが反映されないため、この値がそのまま曲げ易さに直結するわけではないが、圧電効果の上昇を客観的に判断する指標として有効である。
【0030】
島成分の断面積としては、1つの島成分の断面積が複合繊維全体の断面積の30%以下であることが望ましい。これは、断面積を小さくすることによって断面2次モーメントが減少し、効率よく圧電効果が向上することによる。島成分の断面積が30%を超えると、島成分が多くなり過ぎて海島複合繊維にするのが困難となることによる。島成分が細くなればなるほど圧電効果が上昇することから、島成分の全体に対する断面積比の下限値については限定しないが、実際には、1つの島成分の全体に対する断面積が0.02%以下の複合繊維にすることは、一般の手法では極めて困難である。
【0031】
1つの島成分の断面積をS、その外周長をLとし、円等価半径RをR=(S/π)0.5、外周換算半径GをG=l/(2π)としたとき、異形比F=G/Rが1.1〜3.0の範囲であることが望ましい。これは、異形化することで断面2次モーメントの値が減少することによる。すなわち、極端な細径化を行うよりも異形化によって島成分の断面2次モーメントを減少させる方が技術的にも量産性においてもメリットが大きい。
【0032】
異形化の定量的な表現方法として異形率Fを用いた。これは円等価半径Rと外周換算半径Gの比(F=G/R)であり、この値が大きいほど異形性が高くなる。円等価半径Rは、異形断面と面積の等しい円が有する半径を意味し、外周換算半径Gは、異形断面の外周長さに等しい外周長を有する円の半径を言う。完全な円の場合にはR=Gとなり、F=1となる。異形化が進むに従って外周換算半径が円等価半径に対して大きくなっていき、異形率Fが大きい方が断面2次モーメントが減少し、圧電効果が向上するので好ましい。異形率Fが1.1よりも小さい場合は、ほとんど円形断面となり異形化の効果が得られず、3.0を超えた場合には扁平に過ぎるために、島成分とした時に複合繊維化することが困難となる。
【0033】
島成分もしくは圧電材を取込むマトリックス樹脂は、ナイロン6,ナイロン66等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、共重合成分を含むポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリルなどを単独あるいは混合して用いることができる。異形断面繊維としては、扁平断面、中空断面、三角形やY型などの繊維形態や、繊維表面に微細な凹凸や筋を有する繊維形態を採用することができる。
【0034】
島成分は、その80〜100質量%が熱可塑性樹脂と圧電材の混合物であることが望ましい。圧電効果はマトリックス樹脂と圧電材の相互作用で発現されるため、基本的にはその分量が多いほうがよく、80質量%未満では十分な圧電効果が得られないので好ましくない。なお、95質量%以上とすることがさらに望ましい。
【0035】
海成分を構成する樹脂としては、ポリスチレン、共重合ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアセタール樹脂、メタクリル樹脂、ソジウムスルホイソフタル酸/テレフタル酸からなる共重合ポリエステル成分からなる弱アルカリ可溶型ポリエステル、ソジウムスルホイソフタル酸、ポリエチレングリコールを共重合した熱水可溶型ポリエステルなどが望ましい。この酸成分としてテレフタル酸とソジウムスルホイソフタル酸を用い、エチレングリコールなどとの縮合反応によって得られる共重合ポリエステルにおいて、ソジウムスルホイソフタル酸のテレフタル酸に対する共重合のモル比としては、2〜15モル%が好ましい。とくに4.5〜15モル%の範囲でソジウムスルホイソフタル酸成分を増大させると、島成分に用いるポリエチレンテレフタレートなどとはアルカリ等の水系溶媒などに対する溶解あるいは分解速度が大きく異なることから、より脱海しやすくなるので好ましい。
【0036】
ここでいうアルカリ等の水系溶媒とは、水を主体とした溶媒を指し、例えば水、水酸化ナトリウム水溶液やエチルアミン水溶液などのアルカリ水溶液、酢酸水溶液や硫酸水溶液などの酸性水溶液、アルコール水溶液やDMF水溶液などの有機物水溶液、硫酸ドデシルナトリウム水溶液などの界面活性剤水溶液等を使用することができ、さらにこれらの水系溶媒を混合したり、加熱したりしたものを使用することもできる。
【0037】
また、ポリエステルは、その融点が240℃以下であることが好ましく、このようなポリエステルの代表例としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、またはポリエチレンテレフタレートにイソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸等のジカルボン酸類、あるいは長鎖アルキレングリコール等を共重合した融点240℃以下の共重合ポリエステル等が挙げられる。これらポリエステルポリマー中には、一般の抗酸化剤、着色防止剤、易滑剤、難燃剤、などの添加剤が含まれてもよい。この他に、共重合ポリエステルとして、イソフタル酸をさらに共重合させたものも好ましい。また、グリコール成分としてエチレングリコールの他にポリエチレングリコールを共重合して用いるようにしてもよい。
【0038】
さらに、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド、ポリアクリロニトリルおよびこれらに共重合成分を添加した共重合ポリマーなどを使用することができる。
【0039】
また、セルロースエステルは、セルロース(モノ)アセテート、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、ベンジンセルロース、またはこれらの混合物、とりわけセルロース(モノ)アセテート、セルロースジアセテート、セルローストリアセテートが挙げられる。この中でも、熱可塑性、溶融流動性の点から、酸化度45〜59.5%のセルロースジアセテートであることが好ましい。また、本発明で用いるセルロースエステルにに対するセルロースエステルの可塑剤の含有量は、21〜35%であることが好ましい。この可塑剤については,特に限定されるものではなく、例えばジエチルフタレート、トリアセチレン、1,3−ブチレングリコールジアセテートなどのポリオールエステル化合物などのセルロースアセテートに一般に用いられる可塑剤でよいが、ジエチルフタレートが好ましい。
【0040】
本発明の複合繊維においては、種々の方法で島成分と海成分の分離、もしくは海成分の溶解が可能であり、圧電効果の大きな島成分に起因する繊維体を得ることができる。海成分を弱アルカリ水溶液で処理することにより、海成分を除去し、超微細繊維を得ることができる。この脱海処理は高分子相互配列体繊維を紡糸、延伸し、糸の段階で脱海する方法、または高分子相互配列体繊維を主に用いて織編物を形成した後に、脱海する方法があるが、どちらも好適に採用することができる。弱アルカリ水溶液の濃度としては、0.5〜5%の範囲、処理温度としては、60〜130℃の範囲が好ましい。
【0041】
複合繊維の形成方法については、通常の紡糸・延伸工程やスーパードロー法、あるいは2種類以上の成分を紡糸したのちに剥離して分割する方法、溶解性の異なる2種類以上のポリマーを合わせて紡糸したのちに少なくとも1成分を溶解除去する方法などを用いることができる。特に、溶解性の異なる2種類以上のポリマーを合わせて紡糸したのちに少なくとも1成分を溶解除去する方法により、繊維と繊維の間に空間を形成し、柔軟性に優れたシート状のものを得ることができる。このような場合の溶解除去成分としては、例えばポリエチレン、ポリスチレン、共重合ポリスチレン、ポリエステル、共重合ポリエステル等を用いることができる。
【0042】
本発明における圧電材としては、請求項4に記載しているように、少なくともアルカリ土類金属を有する複合酸化物が含まれているものを用いることができる。本発明において複合酸化物とは、少なくとも2種類の元素と酸素が結合した化合物を言い、一般的な構造式として、複合酸化物Cは、AnBmOl(n,m,lは自然数)で表わされる。この組成の化合物であれば、音のエネルギーにより、歪んだマトリックス樹脂により起電力を生じさせることができる。
【0043】
複合酸化物を構成する少なくとも1つの元素は、前述のようにアルカリ土類金属であることが望ましい。アルカリ土類金属とは、長周期型周期表のIIa族元素を意味し、具体的にはBe(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、Ra(ラジウム)である。これらの元素を用いることにより圧電効果が得られる。これらアルカリ土類金属のうちで、とくに圧電効果への寄与が高い元素は、Ba,Sr,Ca,Mgであり、圧電効果を高める上で有効である。この中でもBaは最も効果が高く、圧電効果をさらに高めるために重要である。
【0044】
さらに、複合酸化物は、IVa族の遷移元素、もしくはIVb族元素から選ばれる元素とアルカリ土類金属との酸化物であることが望ましい。これらIV族元素から選んだ元素とアルカリ土類金属との複合酸化物とすることにより、これら以外の元素の酸化物に較べて高い圧電性能が得られる。
【0045】
ここで、IVa族の遷移元素とは、Ti(チタン)、Zr(ジルコン),Hf(ハフニウム)であり、IVb族の元素とは、C(炭素)、Si(シリコン)、Ge(ゲルマニウム)、Sn(錫)、Pb(鉛)である。これら元素の中で、IVa族ではTiおよびZrの圧電効果に対する寄与が特に大きく、IVb族ではSnおよびPbの圧電効果に対する寄与が特に大きい。
【0046】
そして、複合酸化物を構成するアルカリ土類金属と、IVa族またはIVb族、すなわちIV族から選ばれる少なくとも1種の元素とのモル比が1:0.98〜1:1の範囲であることが望ましい。これらのモル比がこの関係にあるときに複合酸化物の圧電効果が高くなることによる。この詳細なメカニズムは不明であるが、アルカリ土類金属に対し、IV族の元素が等モルもしくは若干少ない時が、元素の格子を形成する上で歪みが大きくなり、外部圧力に対する電気の励起感度が高くなることによると推定される。
【0047】
また、複合酸化物は、TiとBa,TiとSr,TiとCa,TiとMgの組み合わせによる圧電効果が最も大きくなり、これらの組合せからなる複合酸化物、すなわちTiBamOn,TiSrmOn,TiCamOn,TiMgmOn(m=0.98〜1、nは自然数(特に4))から選択することが特に望ましい。
【0048】
これらの複合酸化物は、その元素の組合せにより、圧電特性が異なるため、後述するように、特定周波数に吸遮音特性をチューニングする場合に極めて有効となる。吸遮音特性を特定の周波数に設定するに際しては、カーボン等の配合量を変化させることもできるが、LもしくはR成分が大きく変化してしまうため、細かな設定が困難である。また、余りにカーボン等を混入してしまうと、擬似圧電回路そのものが短絡してしまい、共振特性がなくなってしまうこともある。その点、複合酸化物を選択することによってC成分を細かに変化させる方が容易であり、任意の周波数にその吸遮音特性を設定することが可能になる。
【0049】
さらに、圧電材としての複合酸化物として、チタン酸バリウム(BaTiO3)もしくはチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)から選ぶことが望ましい。これらは市場での入手がし易く、圧電特性も高いことによる。
【0050】
これらの複合酸化物の平均粒子径は、0.3×10−6〜10.0×10−6mの範囲であることが望ましい。複合酸化物の平均粒子径をこの範囲とすることによりマトリックス樹脂に複合酸化物を混入した樹脂を繊維化することが容易になり、狙いとする500Hz以下の周波数域での吸音性能が向上することになる。平均粒子径が0.3×10−6mに満たないときには、マトリックス樹脂に混入する際に、複合酸化物の分散性が悪くなり、見かけの平均粒子径が大きくなってしまうばかりか、吸音周波数が狙いとする500Hz以下の領域から外れ、通常に用いられる他の繊維体を用いる方が性能、コスト面で優れる領域となってしまう。10.0×10−6mを超える平均粒子径では、狙いとする繊維径に近い粒子が混入することになるため、マトリックス樹脂が少なくなって、紡糸時に繊維が切れやすくなり細径化が困難になる。
【0051】
また、平均粒子径を0.3×10−6〜7.0×10−6mの範囲とすることで、吸音が特に必要とされる500Hz以下の低周波側の吸音特性を効率的に向上させることができる。なお、ここで言う平均粒子径とは、混入に用いる複合酸化物全粒子の粒子径のメジアン値を言う。
【0052】
これら複合酸化物の配合量については、熱可塑性樹脂の0.5〜1000vol%であることが望ましい。この範囲とすることにより、マトリックス樹脂に複合酸化物を混入した樹脂を容易に繊維化することができるようになると共に、特定周波数での吸音性能を向上させることができるようになる。配合量が0.5vol%未満では、マトリックス樹脂に混入した複合酸化物が少なくなって、狙いとする周波数での大きな性能向上が得られない。また、配合量が1000vol%を超えると、マトリックス樹脂に混入した際に、混入された樹脂が溶融化された場合の粘度が増加するため紡糸性が大幅に低下し、繊維化が困難となる傾向がある。また、複合酸化物の配合量を熱可塑性樹脂の25〜400vol%の範囲とすることにより、紡糸性をほとんど低下させることなく、繊維化することができ、狙いとする500Hz以下の周波数域での吸音性能をコスト的にも効率よく向上させることが可能になる。
【0053】
上記海島型の複合繊維体においては、圧電材として、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、もしくはポリ(フッ化ビニリデン/トリフルオロエチレン)(P(VDF/TrFE))共重合体から選ばれることが望ましい。これらは、高い圧電効果が得られると共に、複合酸化物のような無機物の割合が少なくなるため、紡糸時において高速での巻取りが可能となり、低速での巻取りにおいても安定した操業が可能になるという利点が生じる。
【0054】
その他の圧電材としては、たとえば水晶、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZT)、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、チタン酸バリウムなどの無機圧電材料が挙げられる。
【0055】
海島型複合繊維体においては、海成分の樹脂が、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、もしくはポリ(フッ化ビニリデン/トリフルオロエチレン)(P(VDF/TrFE))共重合体の非圧電部分からなることが望ましい。これは、島成分の圧電体がポリフッ化ビニリデン(PVDF)圧電体、もしくはポリ(フッ化ビニリデン/トリフルオロエチレン)(P(VDF/TrFE))共重合体であり、海成分樹脂が前記PVDFもしくはP(VDF/TrFE)共重合体の非圧電部分の組み合わせにおいて優れた圧電効果を有することによる。
【0056】
また、圧電体がポリフッ化ビニリデン(PVDF)圧電体、もしくはポリ(フッ化ビニリデン/トリフルオロエチレン)(P(VDF/TrFE))共重合体であり、熱可塑性樹脂が前記PVDFもしくはP(VDF/TrFE)共重合体の非圧電部分であることとすることによって、前述のTiBaO3やPZTほどの高い音圧や振動の吸収性を得ることはできないものの、前述のように無機物割合が少なくなって高速の巻取りや安定操業が可能になる利点が生じるからである。
【0057】
また、これら海島型の複合繊維体においては、当該繊維体を構成する熱可塑性樹脂と圧電材の他に、導電材として炭素繊維および/または炭素粉末が混入されていることが望ましい。これらを第3成分として混入することにより、音圧および/または振動の入力によって発生した圧電体の電荷をその周囲の熱可塑性樹脂の電気抵抗によって熱に変換する際、炭素繊維や炭素粉末の分率によって、その電気抵抗を調整することが可能になり、吸音特性、周波数特性を変化することができる。また、炭素繊維や炭素粉末を混入することによって繊維体に剛性を付与することも可能になる。
【0058】
一般に、導電材としては、カーボンブラック,ケッチェンブラックなどの炭素系粉末、炭素系繊維、鉄,アルミニウムなどの金属微粒子があり、さらに半導電性微粒子として酸化錫(SnO2)や酸化亜鉛(ZnO)などが上げられるが、これらのうちで、市場での入手の容易性、比重の点から炭素繊維あるいは炭素粉末の使用が望ましい。
【0059】
これらの導電材に用いる炭素繊維の長手方向の平均長さは、0.3×10−6〜100×10−6mであることが望ましい。この範囲の長さとすることにより、マトリックス樹脂に圧電材と共に炭素繊維を混入した樹脂を容易に繊維化することができ、しかも狙いとする500Hz以下の特定周波数での吸音性能を向上させることができる。平均長さが0.3×10−6m未満では、マトリックス樹脂に混入する際の分散性が劣化し、100×10−6mを超える長さでは、繊維化する際に細径化が困難となる傾向がある。
【0060】
さらに、0.3×10−6〜20×10−6mの範囲とすることにより、吸音が特に必要とされる500Hz以下の特定周波数における吸音性能を効率よく向上させることができる。なお、ここで言う長手方向の平均長さとは、炭素繊維の長さを各炭素繊維の最大方向の長さとし、混入に用いる全繊維の繊維長のメジアン値を言う。
【0061】
これらの導電材に炭素粉末を用いる場合には、その平均粒子径が10×10−9〜100×10−9mであることが望ましい。この範囲の粒子径とすることにより、マトリックス樹脂に圧電材を混入し、さらに炭素粉末を混入した樹脂の繊維化が容易なものとなり、また狙いとする500Hz以下の特定周波数での吸音性能を向上させることができる。平均粒子径が10×10−9m未満では、マトリックス樹脂に混入する際の分散性が劣化し、100×10−9mを超える平均粒子径では、繊維化する際の細径化が困難となる。
【0062】
さらにまた、平均粒子径を10×10−9〜60×10−9mの範囲とすることにより、吸音が特に必要とされる500Hz以下の低周波側の吸音性能を効率よく向上させることができる。なお、ここで言う平均粒子径とは、炭素粉末の1次粒子径であって、混入に用いる全粒子の粒子径のメジアン値を言う。2次粒子径はストラクチャーの形成度合いにより異なるが、ここでは特に限定されない。
【0063】
これら導電材としての炭素繊維および/または炭素粉末の配合量は、圧電材成分の配合量の0.5〜500vol%であることが望ましい。これら導電材の配合量をこの範囲とすることにより、マトリックス樹脂に圧電材成分と共に、導電材としての炭素繊維や炭素粉末を混入した樹脂の繊維化が容易なものとなると共に、特定周波数での吸音性能が向上する。これら炭素材の配合量が圧電材成分の0.5vol%未満では、混入した導電材の量が少ないいために、導電材を添加しないものと実質的に性能が変わらず、コストが上昇するだけなので好ましくない。配合量が500vol%を超えると、マトリックス樹脂に混入した際に、混入された樹脂が溶融化された場合の粘度が増加するため、紡糸性がさらに大幅に低下し、繊維化が困難となる傾向がある。
【0064】
また、炭素繊維および/または炭素粉末の配合量を圧電材成分の5〜100vol%の範囲とすることにより、紡糸性をほとんど低下させることなく、繊維化することが可能となる。また、狙いとする500Hz以下の周波数域での吸音性能をコスト的にも効率よく向上させることができる。
【0065】
さらに、本発明の海島型の複合繊維体においては、圧電材たる複合酸化物を含むマトリックス樹脂である熱可塑性樹脂を極性を有するものとすることによって、繊維集合体に入力された音圧や振動によって圧電材に電荷が生じた時に、圧電材周囲の樹脂との相互作用が無極性の樹脂の場合よりも強くなり、さらに高い音圧や振動の吸収性を得ることができる。ここで、極性を有する樹脂とは、アミド基、エステル基、カーボネート基のような極性基を持つ樹脂を言う。
【0066】
本発明に係わるエネルギー変換繊維体として、海島型複合繊維体においては、圧電材の静電容量Cとその他の部分の擬似インダクタンス成分LとのLC共振によって、共振周波数f1=1/(2π√(LC))において、エネルギー吸収特性を有している。海島型複合繊維体に関しては、その島成分のみこの特性を有する。
【0067】
本来、マトリックス樹脂に分散された圧電材の静電容量Cとマトリックス樹脂や、導電材などの第3成分などとの間に形成される擬似インダクタンス成分を正確に測定することは困難であるため、f1によって共振周波数を正確に設定することはできない。しかしながら、近似式f1=1/(2π√(LC))によってf1を設定し、特定周波数に吸音ピークを備えた吸音材を作成することができる。また、第3成分によってこのf1を調整することが有効であるが、このとき、圧電材を含む樹脂成分の3〜10質量%が第3成分であることが望ましい。
【0068】
また、同じく海島型複合繊維体において、圧電材の静電容量Cと圧電材以外の部分の擬似電気抵抗成分Rとによって、振動または音圧、あるいはこれらの複合として入力される周波数f2=1/(2π√(RC))においてエネルギー吸収特性を有する。海島型複合繊維体に関しては、その島成分のみこの特性を有する。これは、インダクタンス成分が測定困難な場合に有効であり、比較的測定が容易な擬似電気抵抗Rを用いて圧電共振周波数f2を決定するものあり、f1の場合と同様に近似式であるが、上記式により島成分を形成する圧電体の静電容量Cとその他の擬似電気抵抗成分Rとによって、振動または音圧、あるいはこれらの複合として入力される周波数f2に対して活性の高い吸音材を得ることができる。f1の場合と同様に第3成分の配合量によって周波数を調整することができる。
【0069】
本発明のエネルギー変換繊維体のうち、海島型複合繊維体に関しては、少なくとも2以上の島成分に異なった圧電共振周波数を設定し、複数の周波数域に吸音特性を付与することができ、複数の島成分のそれぞれに異なった周波数特性を付与することも可能であるが、そうすると全周波数に一様に性能向上する場合と実質的に変わらなくなるので、せいぜい3つ程度の周波数を割り当てるのが望ましい。
【0070】
本発明に係わる上記エネルギー変換繊維体を10〜100質量%使用して繊維集合体を形成し、吸音材とすることができ、これによって空気との摩擦に基づく吸音効果と、圧電効果を始めとするエネルギー変換に基づく音圧低減効果によって全周波数域に渡って吸音効果が向上した吸音材、あるいは特定周波数に吸音効果を備えた吸音材が得られることになる。吸音性能は当該繊維体の配合量が多いほど向上するが、10質量%未満では、このような複合繊維体を配合する効果が性能に現れない。なお、当該複合繊維体以外の部分については、フェルトなどの天然繊維でもポリエステルなどの合成繊維でもよい。
【0071】
また、海島型複合繊維体に関しては、複合繊維のままでも、脱海により島成分のみとしても吸音材として効果がある。このとき島成分のみをカード式不織布工程で不織布化してもよく、エアブロー形式で不織布化してもよい。一般に直径が10μmに満たない島成分の場合は、エアブロー形式が効率がよく、それ以上の場合にはカード式が良好である。また、島成分の径を10〜30μmとし、一般の複合繊維のように極細にしないのが好ましい。これは、圧電繊維体を安定的に製造するのに好適であることによる。
【0072】
織物タイプや編物タイプの吸音材を作成するに際して、従来のいかなる方法をも採用することができ、織物タイプの場合、平織、斜文織、朱子織、これらの二重織あるいは変化組織のものなど、全ての織物が含まれる。また、編物タイプであるならば、ヨコ編み、タテ編みなど総ての編物が含まれる。なお、布帛を形成する場合、あらかじめ可能な範囲で高密度に織編物を形成しておくことが好ましい。
【0073】
本発明に係わるエネルギー変換繊維体を使用した吸音材において、少なくともその表面において他の繊維と熱融着する機能を備えたバインダー繊維を混入し、熱成形してなるものとすることができる。すなわち、バインダー成分の配合によって加熱成形が可能となり、車両の内装材を始めとする種々のインシュレータ材に使用することができるようになる。また、例えば図2に示すように、熱成形によって任意形状に成形できるようになり、任意のスペースに適応したものとなる。
【0074】
ここで、吸音材としての繊維集合体を構成する繊維については、バインダー繊維を含むこと以外、特に限定されるものではないが、このようなバインダー繊維と、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)を主成分とする繊維などのように、市場で一般に入手可能な繊維とを混合して熱成形する手法が経済的に良好である。
【0075】
本発明に係わるエネルギー変換繊維体を用いた吸音材を遮音性を備えた板状材に貼設することにより、高性能の遮音構造体とすることができる。本来、板状遮音材は、板の厚さや重さ、材質に応じた遮音周波数を有しているが、これに吸音材に基づく別の周波数特性を付与することができることによる。
【0076】
また、本発明に係わる吸音材は、スペース、重量およびコスト的制限が厳しく、特に低周波側の騒音を低減することが求められる自動車等の車両用吸音材に適用することが望ましい。
【0077】
例えば、エンジンの吸気ダクトにおいて吸気により発生する騒音は、車輛騒音の音源のひとつであり、これを効率よく吸音することが求められている。この騒音領域の特に低周波領域の騒音を低減するために、従来の吸音材では500Hz以下の低周波の吸音が困難であることから、現在は目的周波数に容量を合わせたレゾネーターや共鳴ダクトが用いられている。
【0078】
そこで、エアクリーナ内部のエアフィルターエレメントで仕切られた内燃機側のスペース内、もしくは空気吸入側スペース、あるいはその両側に本発明の吸音材を適用することが、特に低周波領域の騒音を低減する上で特に有効である。これにより、エアクリーナーに取り付けてあるレゾネーターや共鳴ダクトの一部あるいは全部を取り除くこともできるようになり、エンジン内スペースの確保と、付属部品撤去のコスト効果が期待できる。
【0079】
また、エンジンからの低周波の騒音を吸音し、車室内への侵入を防ぐ観点から本発明の吸音材を車両のダッシュインシュレータに用いることが望ましい。このとき吸音材はダッシュインシュレータのインシュレータ部分の全面あるいは一部分に設定することができる。特定周波数の音がダッシュ部の特定部分から発生する場合には、吸音材を発生部分にのみ設定することが経済的であり、効率的な吸音効果が得られる。
【0080】
同様に、エンジンからの低周波の特定周波数を吸音し、車室内への侵入を防ぐ意味から本発明の吸音材を車両用フロアカーペットに用いることも望ましい。吸音材はフロアカーペットのインシュレータ部分の全面あるいは一部分に設置することができ、特定周波数の音がフロアパネル部の特定部分から発生する場合には、当該吸音材を発生部分にのみ設定することができ、経済的かつ効率的な遮音が可能となる。また、フロアパネルのトンネル横にのみ設定するのも、この部位からトンネル内部のディバイスからの音が特異的に発生することから有効である。
【0081】
さらに、本発明の吸音材は、車両のフロアパネルのトンネル部、リアパーセル部、インスト内部、各ピラー内部、ルーフパネル部、ダッシュロア部の全面もしくは一部に用いることができ、車両内部のそれぞれの位置において、その位置に応じた特定周波数の吸音を行うことにより、無駄のない効率的な吸音性能を発揮させることができる。
【0082】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係わるエネルギー変換繊維体は、島成分と海成分とを備えた海島型複合繊維からなり、それぞれ所定繊維径と断面割合を備え、1つの島成分の断面2次モーメントが複合繊維全体の断面2次モーメントの10%以下で、1つの島成分の断面積が複合繊維全体の断面積の30%以下であり、島成分の80〜100質量%が熱可塑性樹脂と圧電材の混合物であるから、例えば溶融紡糸法などによる複合繊維化を容易に行なうことができ、繊維体のばね定数が減少し、音圧による変形量が増大することから圧電材に生じる電荷量が多くなって吸音効果が向上し、複合繊維化が容易であると共に、断面2次モーメントの減少により圧電効果が向上する。当該エネルギー変換繊維体の実施の形態として請求項2に係わるエネルギー変換繊維体においては、島成分の断面の異形比を1.1〜3.0としたものであるから、同様に容易に複合繊維化ができると共に、断面2次モーメントの減少によって圧電効果が向上する。また、請求項3に係わるエネルギー変換繊維体においては、海成分の樹脂がPVDFもしくはP(VDF/TrFE)共重合体の非圧電部分からなるものであるから、島成分の圧電体をPVDF圧電体もしくは、P(VDF/TrFE)共重合体とすることにより優れた圧電効果を得ることができる。
【0083】
本発明の請求項4に係わるエネルギー変換繊維体においては、圧電材として、少なくともアルカリ土類金属を有する複合酸化物が含まれており、請求項5に係わるエネルギー変換繊維体においては、前記複合酸化物がIV族から選ばれる少なくとも1種の元素とアルカリ土類金属との酸化物であり、請求項6に係わるエネルギー変換繊維体においては、前記アルカリ土類金属と、IV族から選ばれる少なくとも1種の元素とのモル比が1:0.98〜1:1であり、請求項7に係わるエネルギー変換繊維体においては、前記アルカリ土類金属がBa,Sr,CaおよびMgから選ばれる少なくとも1種の元素であり、請求項8に係わるエネルギー変換繊維体においては、前記IV族の元素がTi、Zr、Sn、およびPbから選ばれる少なくとも1種の元素であり、請求項9に係わるエネルギー変換繊維体においては、前記複合酸化物がTiとBa,TiとSr,TiとCa,TiとMgの組み合わせからなる複合酸化物から選ばれる少なくとも1種の複合酸化物を含んでおり、請求項10に係わるエネルギー変換繊維体においては、圧電材として、チタン酸バリウム(BaTiO3)およびチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)から選ばれる複合酸化物が含まれていることから、それぞれ優れた圧電性能を発揮し、良好な吸音性能を得ることができる。また、これら元素の組み合わせによって圧電特性を変え、吸音ピークの特定周波数へのチューニングに適用することができるという優れた効果が得られる。
【0084】
また、請求項11に係わるエネルギー変換繊維体においては、複合酸化物の平均粒子径を0.3×10−6〜10.0×10−6m、さらに望ましくは請求項12に記載しているように0.3×10−6〜7.0×10−6mの範囲としたものであるから、複合酸化物混入時の分散性を損なうことなく、繊維の細径化を可能にすると共に、吸音性能、とくに500Hz以下の低周波域の吸音性能を向上させることができ、請求項13に係わるエネルギー変換繊維体においては、複合酸化物の配合量を熱可塑性樹脂の0.5〜1000vol%、さらに望ましくは請求項14に記載しているように25〜400vol%の範囲としたものであるから、紡糸性と共に、低周波域の吸音性能を向上させることができる。
【0085】
そして、請求項15に係わるエネルギー変換繊維体においては、圧電材と共に、導電材として炭素繊維および/または炭素粉末が混入されているので、圧電材に発生した電荷を周囲の電気抵抗によって熱に変換する際に、これらの分率によってその電気抵抗を操作することができ、所望の吸音特性、周波数特性に調整することができるようになる。このとき、請求項16に係わるエネルギー変換繊維体においては、炭素繊維の平均長さを0.3×10−6〜100×10−6m、より望ましくは請求項17に記載しているように0.3×10−6〜20×10−6mの範囲としているので、紡糸性が向上して、繊維の細径化が可能になると共に、低周波域の吸音性能を向上させることができる。また、請求項18に係わるエネルギー変換繊維体においては、炭素粉末の平均粒子径を10×10−9〜100×10−9mの範囲、さらに望ましくは請求項19に記載しているように10×10−9〜60×10−9mの範囲としているので、同様に紡糸性が向上して細径化が可能になると共に、500Hz以下の低周波域の吸音性能を向上させることができる。さらに、請求項20に係わるエネルギー変換繊維体では、炭素繊維および/または炭素粉末の配合量を圧電材成分の0.5〜500vol%とし、さらに望ましくは請求項21記載しているように5〜100vol%としたものであるから、同様に紡糸性が向上すると共に、低周波域の吸音性能を向上させることができるという優れた効果がもたらされる。
【0086】
本発明の請求項22に係わる吸音材は、本発明に係わる上記エネルギー変換繊維体を10%以上使用した繊維集合体からなるものであるから、空気との摩擦による通常の吸音効果に加えて、圧電効果などエネルギー変換による音圧低減効果によって吸音特性を向上させることができる。また、このような吸音材は、請求項23に記載しているように、上記エネルギー変換繊維体に、バインダー繊維を混入し、熱成形することによって得ることができる。
【0087】
本発明の請求項24に係わる遮音構造体は、上記吸音材を遮音性のある板状材に貼設したものであるから、板状材の材質やサイズに基づく遮音周波数に加えて、吸音材による所望の周波数特性を付与することができる。さらに、本発明の請求項25ないし30に係わる車両用吸音材においては、上記吸音材を車輛の内装、エアクリーナシステムの内部、エンジンカバーの内側、ダッシュインシュレータ、フロアカーペット、さらにはフロアパネルのトンネル部、リアパーセル部、インスト内部、各ピラー内部、ルーフパネル部、ダッシュロア部などに用いたものであるから、それぞれの部位に特有の周波数、とりわけ従来から課題となっていた500Hz以下の低周波数騒音を有効に低減することができるという極めて優れた効果がもたらされる。
【0088】
【実施例】
以下に、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。
【0089】
実施例1
島成分にポリエステル樹脂とTiBaO3圧電体を95質量%用い、導電材として炭素粉末を5質量%混合し、海成分に共重合ポリスチレンを用い、島数6本の合計と海成分の面積比率を7:3とし、紡糸、延伸して、図1に示したような単糸直径60μmの海島型複合繊維体(エネルギー変換繊維体)1を作製した。この複合繊維1の島成分1aは、平均直径20μm、異形比1.2の扁平断面を有し、複合繊維全体との断面積比5%、複合繊維全体との断面2次モーメント比2%であって、マトリックス樹脂と炭素粉末の間の擬似インダクタンス成分Lより、近似式1、すなわちf1=1/(2π√(LC))式を用いて圧電共振周波数を200Hzに設定したものである。また、島成分と海成分の圧電性比率は、島成分が約100倍高く、脱海性比率は約50倍の差を有している。
【0090】
この複合繊維1を約100℃の弱アルカリ性の水酸化ナトリウム水溶液に約1時間浸すことにより海成分を溶解除去した後、乾燥および短繊維化し、平均直径20μm、繊維長約50mmの圧電繊維を製造した。この繊維80質量%と、約110℃に軟化点を有する2デニールのポリエステル系バインダー繊維20質量%を混合し、カードレーヤー工法で厚さ面密度1.0kg/m2、厚さ30mmの吸音材を作製した。
【0091】
実施例2
島成分にポリプロピレン樹脂を用い、島数8本の合計と海成分の面積比率を7:3とし、その他の条件については、上記実施例1と同様の条件により紡糸、延伸して、単糸直径100μmの海島型複合繊維体(エネルギー変換繊維体)1を作製した。この複合繊維1の島成分1aは、平均直径30μm、異形比1.2の扁平断面を有し、複合繊維全体との断面積比10%、複合繊維全体との断面2次モーメント比1%であって、マトリックス樹脂と炭素粉末の間の擬似インダクタンス成分Lより、近似式1:f1=1/(2π√(LC))を用いて圧電共振周波数を200Hzに設定したものである。また、島成分と海成分の圧電性比率は、島成分が約90倍高く、脱海性比率は約45倍の差を有しているものである。
【0092】
この複合繊維3より、平均直径30μmの圧電繊維を製造し、実施例1と全く同じ工法により、同条件の吸音材を作製した。
【0093】
実施例3
島成分にナイロン6樹脂、海成分にポリアセタール樹脂を用い、島数18本の合計と海成分の面積比率を7:3とし、その他の条件については、上記実施例1と同様の条件により紡糸、延伸して、単糸直径10μmの海島型複合繊維体(エネルギー変換繊維体)1を作製した。この複合繊維1の島成分1aは、平均直径2μm、異形比1.2の扁平断面を有し、複合繊維全体との断面積比4%、複合繊維全体との断面2次モーメント比0.2%であって、マトリックス樹脂と炭素粉末の間の擬似インダクタンス成分Lより、近似式1:f1=1/(2π√(LC))を用いて圧電共振周波数を200Hzに設定したものである。また、島成分と海成分の圧電性比率は、島成分が約150倍高く、脱海性比率は約48倍の差を有しているものである。
【0094】
この複合繊維1より、平均直径2μmの圧電繊維を製造し、エアブロー工法により、同条件の吸音材を作製した。
【0095】
実施例4
島成分にナイロン6,6樹脂とTiBaO3圧電体を98質量%用い、導電材として炭素粉末を2質量%混合し、海成分にメタクリル樹脂を用い、島数32本の合計と海成分の面積比率を9:1とし、紡糸、延伸して、単糸直径60μmの海島型複合繊維体(エネルギー変換繊維体)1を作製した。この複合繊維1の島成分1aは、平均直径10μm、異形比1.2の扁平断面を有し、複合繊維全体との断面積比3%、複合繊維全体との断面2次モーメント比0.1%以下であって、マトリックス樹脂と炭素粉末の間の擬似抵抗成分Rより、近似式2、すなわちf2=1/(2π√(RC))式を用いて圧電共振周波数を100Hzに設定したものである。また、島成分と海成分の圧電性比率は、島成分が約120倍高く、脱海性比率は約80倍の差を有している。
【0096】
この複合繊維1より、平均直径10μmの圧電繊維を製造し、実施例1と全く同じ工法により、同条件の吸音材を作製した。
【0097】
実施例5
海成分にポリオールエステル系可塑材を含浸したセルロースエステルを用い、導電材として炭素繊維を2質量%混合したこと以外は上記実施例1と同条件のもとで、島数4本の合計と海成分の面積比率を1:9とし、紡糸、延伸して、単糸直径60μmの海島型複合繊維体(エネルギー変換繊維体)1を作製した。この複合繊維1の島成分1aは、平均直径10μm、異形比1.2の扁平断面を有し、複合繊維全体との断面積比3%、複合繊維全体との断面2次モーメント比0.1%以下であって、マトリックス樹脂と炭素粉末の間の擬似抵抗成分Rより、近似式2:f2=1/(2π√(RC))を用いて圧電共振周波数を100Hzに設定したものである。また、島成分と海成分の圧電性比率は、島成分が約120倍高く、脱海性比率は約40倍の差を有している。
【0098】
この複合繊維1より、平均直径10μmの圧電繊維を製造し、実施例1と全く同じ工法により同条件の吸音材を作製した。
【0099】
実施例6
島成分にナイロン6樹脂とTiBaO3圧電体を93質量%用い、導電材として炭素粉末を7質量%混合し、海成分にソジウムスルホイソフタル酸とテレフタル酸からなるポリエステル共重合体を用い、島数3本の合計と海成分の面積比率を6:4とし、紡糸、延伸して、単糸直径100μmの海島型複合繊維体(エネルギー変換繊維体)1を作製した。この複合繊維1の島成分1aは、平均直径50μm、異形比1.8の扁平断面を有し、複合繊維全体との断面積比が25%、複合繊維全体との断面2次モーメント比が7%であって、マトリックス樹脂と炭素粉末の間の擬似インダクタンス成分Lより、近似式1:f1=1/(2π√(LC))式を用いて圧電共振周波数を300Hzに設定したものである。また、島成分と海成分の圧電性比率は、島成分が約50倍高く、脱海性比率は約45倍の差を有している。
【0100】
この複合繊維1より、平均直径50μmの圧電繊維を製造し、実施例1と全く同じ工法により、同条件の吸音材を作製した。
【0101】
実施例7
島成分の樹脂と圧電体を93質量%、導電材として炭素粉末を7質量%混合したこと以外は上記実施例1と同条件のもとで、島数300本の合計と海成分の面積比率を8:2とし、紡糸、延伸して、単糸直径20μmの海島型複合繊維体(エネルギー変換繊維体)1を作製した。この複合繊維1の島成分1aは、平均直径1μm、異形比1.2の扁平断面を有し、複合繊維全体との断面積比0.3%、複合繊維全体との断面2次モーメント比0.1%以下であって、マトリックス樹脂と炭素粉末の間の擬似オンダクタンス成分Lより、近似式1:f1=1/(2π√(LC))を用いて圧電共振周波数を300Hzに設定したものである。また、島成分と海成分の圧電性比率は、島成分が約200倍高く、脱海性比率は約60倍の差を有している。
【0102】
この複合繊維1より、平均直径1μmの圧電繊維を製造し、エアブロー工法により同条件の吸音材を作製した。
【0103】
実施例8
島成分の樹脂と圧電体を90質量%、導電材として炭素粉末を10質量%混合したこと以外は上記実施例1と同条件のもとで、島数2本の合計と海成分の面積比率を4:6とし、紡糸、延伸して、単糸直径20μmの海島型複合繊維体(エネルギー変換繊維体)1を作製した。この複合繊維1の島成分1aは、平均直径10μm、異形比1.5の扁平断面を有し、複合繊維全体との断面積比25%、複合繊維全体との断面2次モーメント比10%であって、マトリックス樹脂と炭素粉末の間の擬似オンダクタンス成分Lより、近似式1:f1=1/(2π√(LC))を用いて圧電共振周波数を500Hzに設定したものである。また、島成分と海成分の圧電性比率は、島成分が約120倍高く、脱海性比率は約44倍の差を有している。
【0104】
この複合繊維1より、平均直径10μmの圧電繊維を製造し、実施例1と全く同じ工法により、同条件の吸音材を作製した。
【0105】
実施例9
島成分の樹脂と圧電体を90質量%、導電材として炭素粉末を7質量%混合したこと以外は上記実施例1と同条件のもとで、島数2本の合計と海成分の面積比率を5:5とし、紡糸、延伸して、単糸直径60μmの海島型複合繊維体(エネルギー変換繊維体)1を作製した。この複合繊維1の島成分1aは、平均直径30μm、異形比1.2の扁平断面を有し、複合繊維全体との断面積比30%、複合繊維全体との断面2次モーメント比9%であって、マトリックス樹脂と炭素粉末の間の擬似オンダクタンス成分Lより、近似式1:f1=1/(2π√(LC))を用いて圧電共振周波数を500Hzに設定したものである。また、島成分と海成分の圧電性比率は、島成分が約85倍高く、脱海性比率は約44倍の差を有している。
【0106】
この複合繊維1より、平均直径30μmの圧電繊維を製造し、実施例1と全く同じ工法により、同条件の吸音材を作製した。
【0107】
実施例10
上記実施例1と同条件のもとで、島数2本の合計と海成分の面積比率を2:8とし、紡糸、延伸して、単糸直径60μmの海島型複合繊維体(エネルギー変換繊維体)1を作製した。この複合繊維1の島成分1aは、平均直径20μm、異形比3.0の扁平断面を有し、複合繊維全体との断面積比15%、複合繊維全体との断面2次モーメント比2%であって、マトリックス樹脂と炭素粉末の間の擬似オンダクタンス成分Lより、近似式1:f1=1/(2π√(LC))を用いて圧電共振周波数を500Hzに設定したものである。また、島成分と海成分の圧電性比率は、島成分が約120倍高く、脱海性比率は約50倍の差を有している。
【0108】
この複合繊維1より、平均直径20μmの圧電繊維を製造し、実施例1と全く同じ工法により、同条件の吸音材を作製した。
【0109】
実施例11
導電材を配合しないこと以外は、上記実施例1と同条件のもとで、島数7本の合計と海成分の面積比率を7:3とし、紡糸、延伸して、単糸直径60μmの海島型複合繊維体(エネルギー変換繊維体)1を作製した。この複合繊維1の島成分1aは、平均直径20μm、異形比1.2の扁平断面を有し、複合繊維全体との断面積比15%、複合繊維全体との断面2次モーメント比2%であって、マトリックス樹脂と炭素粉末の間の擬似抵抗成分Rより、近似式2:f2=1/(2π√(RC))を用いて圧電共振周波数を50Hzに設定したものである。また、島成分と海成分の圧電性比率は、島成分が約125倍高く、脱海性比率は約50倍の差を有している。
【0110】
この複合繊維1より、平均直径20μmの圧電繊維を製造し、実施例1と全く同じ工法により、同条件の吸音材を作製した。
【0111】
実施例12
第1島成分にポリエステル樹脂とTiBaO3圧電体を98質量%用い、導電材として炭素繊維を2質量%混合した。また、第2島成分にポリエステル樹脂とTiBaO3圧電体を93質量%用い、導電材として炭素繊維を7質量%混合した。これら第1,第2島成分と、海成分に共重合ポリスチレンを用い、島数6本(第1および第2島成分それぞれ3本)の合計と海成分の面積比率を7:3とし、紡糸、延伸して、単糸直径60μmの海島型複合繊維体(エネルギー変換繊維体)1を作製した。この複合繊維1の第1島成分は、平均直径20μm、異形比1.2の扁平断面を有し、複合繊維全体との断面積比が15%、複合繊維全体との断面2次モーメント比が2%であって、マトリックス樹脂と炭素粉末の間の擬似抵抗成分Rより、近似式2:f2=1/(2π√(RC))式を用いて圧電共振周波数を100Hzに設定したものであり、第2島成分は圧電共振周波数を300Hzに設定したものである(その他は第1島成分と同じ)。また、島成分と海成分の圧電性比率は、島成分が平均約100倍高く、脱海性比率は平均約50倍の差を有している。
【0112】
この複合繊維1より、平均直径20μmの圧電繊維を製造し、実施例1と全く同じ工法により同条件の吸音材を作製した。
【0113】
実施例13
第1島成分にポリエステル樹脂とTiBaO3圧電体を98質量%用い、導電材として炭素繊維を2質量%混合した。また、第2島成分にポリエステル樹脂とTiBaO3圧電体を93質量%用い、導電材として炭素繊維を7質量%混合した。さらに第3島成分にポリエステル樹脂とTiBaO3圧電体を90質量%用い、導電材として炭素繊維を10質量%混合した。これら第1,第2,第3島成分と、海成分に共重合ポリスチレンを用い、島数6本(第1,第2および第3島成分それぞれ2本)の合計と海成分の面積比率を7:3とし、紡糸、延伸して、単糸直径60μmの海島型複合繊維体(エネルギー変換繊維体)2を作製した。この複合繊維1の第1島成分は、平均直径20μm、異形比1.2の扁平断面を有し、複合繊維全体との断面積比が15%、複合繊維全体との断面2次モーメント比が2%であって、マトリックス樹脂と炭素粉末の間の擬似抵抗成分Rより、近似式2:f2=1/(2π√(RC))式を用いて圧電共振周波数を100Hzに設定すると共に、第2島成分は圧電共振周波数を300Hzに、第3島成分は圧電共振周波数を500Hzにそれぞれ設定したものである(その他は第1島成分と同じ)。また、島成分と海成分の圧電性比率は、島成分が平均約100倍高く、脱海性比率は平均約50倍の差を有している。
【0114】
この複合繊維1より、平均直径20μmの圧電繊維を製造し、実施例1と全く同じ工法により同条件の吸音材を作製した。
【0115】
実施例14
上記実施例1において製造した複合繊維から得られた圧電繊維10質量%と、14μm(2デニール)の中実ポリエステル繊維70質量%と、約110℃に軟化点を有する14μm(2デニール)のポリエステル系バインダー繊維20質量%を混合し、カードレーヤー工法により、厚さ面密度1.0kg/m2、厚さ30mmの吸音材を作製した。
【0116】
実施例15
上記実施例1において製造した複合繊維から得られた圧電繊維100質量%をカードレーヤー工法とニードルパンチ工法によって、厚さ面密度1.0kg/m2、厚さ30mmの吸音材を作製した。
【0117】
実施例16
上記実施例1において製造した複合繊維の島成分の異形率を1.0としたことの他は、実施例1とまったく同様にして吸音材を作製した。
【0118】
実施例17
島成分をポリフッ化ビニリデン(PVDF)樹脂としたこと以外は、上記実施例1と同条件のもとで、単糸直径60μmの海島型複合繊維体(エネルギー変換繊維体)1を作製した。この複合繊維1の島成分1aは、平均直径20μm、異形比1.0の円形断面を有し、複合繊維全体との断面積比15%、複合繊維全体との断面2次モーメント比2%であって、マトリックス樹脂と炭素粉末の間の擬似抵抗成分Rより、近似式2:f2=1/(2π√(RC))を用いて圧電共振周波数を300Hzに設定したものである。また、島成分と海成分の圧電性比率は、島成分が約60倍高く、脱海性比率は約60倍の差を有している。
【0119】
この複合繊維1より、実施例1と同一方法により、平均直径20μmの繊維を製造し、PVDF結晶中に占めるβ晶の割合が20%の繊維を作製した。なお、β晶の割合は、下記式に従って、広角X線散乱のα晶およびβ晶に基づく散乱強度から算出した。この繊維を用いて、実施例19と同一の条件、工法により吸音材を作製した。
β晶の割合=β晶の散乱強度/(α晶の散乱強度+β晶の散乱強度)
【0120】
比較例1
14μm(2デニール)のポリエステル繊維80質量%と、約110℃に軟化点を有する14μm(2デニール)のポリエステル系バインダー繊維20質量%を混合し、カードレーヤー工法により、厚さ面密度1.0kg/m2、厚さ30mmの吸音材を作製した。
【0121】
〔評価試験1〕
上記実施例1〜17、および比較例1によって得られた吸音材について、JIS A1405に規定される管内法による建築材料の垂直入射吸音率測定方法に基づいて、図3に示す構造の装置により、100〜1600Hzの周波数域について吸音率を測定した。なお、図3に示す垂直入射吸音率測定装置は、垂直入射吸音率測定管55の一端側に音源としてのスピーカー56を備えると共に、その中央位置に測定用のマイクロフォン57,57が設置され、前記測定管55の他端側にサンプルSをセットするようになっている。また、各実施例および比較例において得られたそれぞれの吸音材から、厚さ10mm、径100mmの不織布を切り出してサンプルSとした。
また、上記吸音材について、圧電性および脱海性に関する試験を実施し、これらの結果を上記吸音率の測定結果と共に、表1に示す。そして、これらのうちの代表的な吸音材について周波数と垂直入射吸音率の関係を図4に示す。
【0122】
なお、圧電性については、試験サンプルを1%延伸したときにサンプル表面に発生する静電気量を比較したものであり、表1に示す圧電性比率とはこの静電気量を単純比較したあたいである。また、脱海性については、試験サンプルを3%濃度の弱アルカリ溶液(100℃)に浸した場合の溶出速度を単純比較したものである。
【0123】
【表1】
【0124】
実施例18
図5に示すように、前記実施例1において得られた圧電不織布からなる吸音材10を室内の壁面、天井面に設置したところ、従来のフェルト吸音材に比べて、低周波域の不快音が低減された。また、吸音材10を保護するために、当該吸音材に表皮層25や粘着材層26を設けても、その吸音効果はかわらなかった。
【0125】
実施例19
前記実施例1において得られた吸音材10を車両ルーフパネル部のヘッドライニングの裏面に低周波側を車室内側にして設定したところ、500Hz以下の車室内音圧レベルが周波数平均で1〜2dB低減し、200Hzでは約4dBの低減効果が認められた。
【0126】
実施例20
前記実施例1において得られた吸音材10を車輛の各ピラーの裏面に低周波側を車室内側にして設定したところ、500Hz以下の車室内音圧レベルが周波数平均で0.5〜1dB低減し、200Hzでは約2dBの低減効果が認められた。
【0127】
実施例21
前記実施例1において得られた吸音材10を車輛のリアパーセルパネルに低周波側を車室内側にして設定したところ、500Hz以下の車室内音圧レベルが周波数平均で0.5〜1dB低減し、200Hzでは約2dBの低減効果が認められた。
【0128】
実施例22
前記実施例1において得られた吸音材10を車両のエンジンルーム用フードインシュレータに低周波側をエンジン側にして設定したところ、500Hz以下の車室内音圧レベルが周波数平均で1〜2dB低減し、200Hzでは約3dBの低減効果が認められた。
【0129】
実施例23
図6に示すように、前記実施例1において得られた吸音材10を車両の吸気ダクト内部に低周波側を内側にして設定したところ、500Hz以下の車室内音圧レベルが周波数平均で1〜2dB低減し、200Hzでは約3dBの低減効果が認められた。
【0130】
実施例24
前記実施例1において得られた吸音材10を車両のエンジンカバー内部に低周波側を内側にして設定したところ、500Hz以下の車室内音圧レベルが周波数平均で1〜2dB低減し、200Hzでは約3dBの低減効果が認められた。
【0131】
実施例25
図7に示すように、前記実施例1において得られた吸音材10を車両のダッシュインシュレータ27用吸音材の一部に低周波側をゴム表皮28の側にして設定したところ、500Hz以下の車室内音圧レベルが周波数平均で0.5〜1.0dB低減し、200Hzでは約2dBの低減効果が認められた。
【0132】
実施例26
図8に示すように、前記実施例1において得られた吸音材10を車両のフロアカーペット29用吸音材の一部に低周波側を表皮30の側にして設定したところ、500Hz以下の車室内音圧レベルが周波数平均で0.5〜1.0dB低減し、200Hzでは約2dBの低減効果が認められた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)および(b)は本発明に係わるエネルギー変換繊維体として海島型複合繊維体の形状例を示す模式図である。
【図2】 (a)および(b)は本発明に係わるエネルギー変換繊維体を設置部位に応じた形状に成形した吸音材およびその拡大断面図である。
【図3】 垂直入射吸音率測定に用いた装置の構造を示す概略図である。
【図4】 本発明に係わる複合酸化物混入型複合繊維体からなる吸音材における周波数ごとの垂直入射吸音率を示すグラフである。
【図5】 表皮層および粘着材層を備えた吸音材の構造例を示す断面図である。
【図6】 本発明に係わる吸音材をダクトに装着した状態を示す概略図である。
【図7】 本発明に係わる吸音材をダッシュインシュレータに装着した状態を示す概略図である。
【図8】 本発明に係わる吸音材をフロアカーペットに装着した状態を示す概略図である。
【図9】 従来の吸音材と当該吸音材を構成する繊維の形状を示す模式図である。
【符号の説明】
1 海島型複合繊維体(エネルギー変換繊維体)
1a 島成分
1b 海成分
5,10 吸音材
Claims (30)
- 繊維断面積の10〜90%が平均直径1〜50μmの繊維を備えた島成分であり、残りの断面積部分が前記島成分を包含し、島成分を一体化させる海成分である平均直径10〜100μmの海島型複合繊維からなり、1つの島成分の断面2次モーメントが複合繊維全体の断面2次モーメントの10%以下であると共に、1つの島成分の断面積が複合繊維全体の断面積の30%以下であって、島成分の80〜100質量%が熱可塑性樹脂と圧電材の混合物であることを特徴とするエネルギー変換繊維体。
- 1つの島成分の断面積をS、その外周長をLとし、円等価半径RをR=(S/π)0.5、外周換算半径GをG=l/(2π)、異形比FをF=G/Rと定義するとき、前記異形比Fが1.1〜3.0の範囲であることを特徴とする請求項1記載のエネルギー変換繊維体。
- 海成分の樹脂が、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)もしくはポリ(フッ化ビニリデン/トリフルオロエチレン)(P(VDF/TrFE))共重合体の非圧電部分からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエネルギー変換繊維体。
- 圧電材として、少なくともアルカリ土類金属を有する複合酸化物が含まれていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のエネルギー変換繊維体。
- 複合酸化物がIV族から選ばれる少なくとも1種の元素とアルカリ土類金属との酸化物であることを特徴とする請求項4記載のエネルギー変換繊維体。
- 複合酸化物を構成するアルカリ土類金属と、IV族から選ばれる少なくとも1種の元素とのモル比が1:0.98〜1:1の範囲であることを特徴とする請求項5記載のエネルギー変換繊維体。
- 複合酸化物を構成するアルカリ土類金属がBa,Sr,CaおよびMgから選ばれる少なくとも1種の元素を含んでいることを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれかに記載のエネルギー変換繊維体。
- 複合酸化物を構成するIV族の元素がTi、Zr、Sn、およびPbから選ばれる少なくとも1種の元素を含んでいることを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれかに記載のエネルギー変換繊維体。
- 複合酸化物がTiとBa,TiとSr,TiとCa,TiとMgの組み合わせからなる複合酸化物から選ばれる少なくとも1種の複合酸化物を含んでいることを特徴とする請求項7または請求項8記載のエネルギー変換繊維体。
- 圧電材として、チタン酸バリウム(BaTiO3)およびチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)から選ばれる複合酸化物が含まれていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のエネルギー変換繊維体。
- 複合酸化物の平均粒子径が0.3×10−6m以上10.0×10−6m以下であることを特徴とする請求項4ないし請求項10のいずれかに記載のエネルギー変換繊維体。
- 複合酸化物の平均粒子径が0.3×10−6m以上7.0×10−6m以下であることを特徴とする請求項4ないし請求項10のいずれかに記載のエネルギー変換繊維体。
- 複合酸化物成分の配合量が容積比で熱可塑性樹脂の0.5〜1000%であることを特徴とする請求項4ないし請求項12のいずれかに記載のエネルギー変換繊維体。
- 複合酸化物成分の配合量が容積比で熱可塑性樹脂の25〜400%であることを特徴とする請求項4ないし請求項12のいずれかに記載のエネルギー変換繊維体。
- 熱可塑性樹脂と圧電材と共に、導電材として炭素繊維および/または炭素粉末が混入されていることを特徴とする請求項1ないし請求項14のいずれかに記載のエネルギー変換繊維体。
- 導電材としての炭素繊維の長手方向の平均長さが0.3×10−6m以上100×10−6m以下であることを特徴とする請求項15記載のエネルギー変換繊維体。
- 導電材としての炭素繊維の長手方向の平均長さが0.3×10−6m以上20×10−6m以下であることを特徴とする請求項15記載のエネルギー変換繊維体。
- 導電材としての炭素粉末の平均粒子径が10×10−9m以上100×10−9m以下であることを特徴とする請求項15記載のエネルギー変換繊維体。
- 導電材としての炭素粉末の平均粒子径が10×10−9m以上60×10−9m以下であることを特徴とする請求項15記載のエネルギー変換繊維体。
- 導電材としての炭素繊維および/または炭素粉末の配合量が容積率で圧電材成分の0.5〜500%であることを特徴とする請求項15ないし請求項19のいずれかに記載のエネルギー変換繊維体。
- 導電材としての炭素繊維および/または炭素粉末の配合量が容積率で圧電材成分の5〜100%であることを特徴とする請求項15ないし請求項19のいずれかに記載のエネルギー変換繊維体。
- 請求項1ないし請求項21のいずれか1項記載のエネルギー変換繊維体を10〜100質量%使用した繊維集合体からなることを特徴とする吸音材。
- 請求項1ないし請求項21のいずれか1項記載のエネルギー変換繊維体10〜100質量%に、少なくとも表面において他の繊維と熱融着するバインダー繊維を混入し、熱成形してなることを特徴とする吸音材。
- 請求項22または請求項23記載の吸音材が遮音性を有する板状材に貼設してあることを特徴とする遮音構造体。
- 請求項22または請求項23記載の吸音材が車両の内装に用いてあることを特徴とする車両用吸音材。
- 請求項22または請求項23記載の吸音材が車両のエアクリーナシステム系内部に用いてあることを特徴とする車両用吸音材。
- 請求項22または請求項23記載の吸音材が車両のエンジンカバーの内側に用いてあることを特徴とする車両用吸音材。
- 請求項22または請求項23記載の吸音材が車両のダッシュインシュレータ用吸音材の全面もしくは一部に用いてあることを特徴とする車両用吸音材。
- 請求項22または請求項23記載の吸音材が車両のフロアカーペット用吸音材の全面もしくは一部に用いてあることを特徴とする車両用吸音材。
- 請求項22または請求項23記載の吸音材が車両のフロアパネルのトンネル部、リアパーセル部、インスト内部、各ピラー内部、ルーフパネル部、ダッシュロア部のいずれかの全面もしくは一部に用いてあることを特徴とする車両用吸音材。
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