JP3656696B2 - 光走査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光走査装置に関し、特に、多段に重ねられた複数の回転多面鏡を用いた光走査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レーザービームプリンター等に用いられる光走査装置では、高速化のため、単位時間当たりの走査線数を増加させることへの要求が強い。しかし、回転多面鏡(ポリゴンミラー)を用いる光走査装置では、多面鏡の回転数には上限がある。軸受に空気軸受を用いても、実用的な回転数は40,000〜50,000rpmに制限される。
【0003】
一方、多面鏡の1回転当たりの走査数(走査線数)を増加させるために多面鏡の面数を増加させると、所定の反射面の大きさを確保するためには多面鏡の直径が増大する。また、1つの反射面で光ビームを偏向できる偏向角が減少する。
【0004】
偏向角の減少に伴ってある走査幅を確保するためには、走査光学系の焦点距離が増加する。被走査面上に所定の大きさの光スポットを結像させるためには、光ビームのNA(開口数)を一定値以上にしなければならないため、走査光学系の焦点距離の増加に比例して多面鏡の反射面上での光ビームの大きさが大きくなり、反射面の大きさをさらに増加させる必要がある。
【0005】
そのため、ますます回転多面鏡の大きさが大きくなり、高速回転を行うのが難しくなる。その結果、反射面の面数の増加の効果は回転数の減少で相殺され、単位時間当たりの走査数はさほど増加できない。
【0006】
回転多面鏡の1反射面当たりの偏向角を大きくできないのは、多面鏡の反射面の境界部に光ビームが入射しないようにするため、多面鏡の回転角度を有効に活用できないことが原因である。一般に、多面鏡の1つの反射面に対応する回転角(あるいは時間)に対して、実際の走査に活用できるのはその70%にすぎない。
【0007】
そこで、複数の多面鏡を位相を変えて積層し、各多面鏡を交互に使用することで、各反射面の大きさを拡大でき、多面鏡の回転角を有効に活用できる。1つの光源か出た光ビームを2つに分離し、2段に積み重ねた多面鏡各々に各光ビームを入射させ、一方の光束が走査を終了した直後に他方の光束が走査を開始するように構成することで、走査範囲を走査している期間の隙間の時間を短くすることができる。このような場合、反射面1面当たりの回転角に対して90%程度を実際の走査に利用できる。
【0008】
このような2段(多段)多面鏡を用いたい従来例には、以下のようなものがある。
特公昭48−16002号のものは、集束レンズの後側に2段回転多面鏡が配置されているもので、多面鏡より後側には光学系が配置されていない。また、面倒れ補正光学系はなく、分離された2つのビームに対して各々偏向器を置くことで電気的に補正している。
【0009】
また、特公平2−54525号(特開昭58−224325号)のものは、2段回転多面鏡には分離された2つの平行光束が入射し、共通の1つの走査レンズによって被走査面上に結像するものであるが、面倒れ補正光学系に関する記述はない。多面鏡に平行光束が入射しているので、少なくとも共役型の面倒れ補正光学系を用いることはあり得ない。
【0010】
また、特公平6−75973号(特開昭61−166560号)のものは、面倒れ補正光学系について述べられており、また、2つの光束に分離した後に各光束をシャッターで交互に遮ることで、走査効率を上げている。
【0011】
これらの公知例を面倒れ補正光学系に関して比較すると、
特公昭48−16002号のものは、面倒れ補正を電気的に行うので、構造が複雑である、
特公平2−54525号のものは、面倒れ補正光学系がないか、少なくとも共役型面倒れ補正光学系ではないので、多面鏡の面倒れの影響を受ける、
特公平6−75973号のものは、面倒れ補正光学系があるが、その第3図に示されているように、各多面鏡で偏向後の各光束に対して光学面が個別に設けられたレンズ(すなわち、複数のシリンドリカルレンズを合体したレンズ)を用いているため、2つの光学面(シリンドリカルレンズ面)の特性の差により、光束毎にスポットサイズが異なったり、面倒れ補正効果が異なるという問題がある。そのため画質を劣化させる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、多段回転多面鏡を用いた光走査装置においてスポットサイズの不同や面倒れ補正効果の不同がなく良好な光走査を可能にすることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の光走査装置は、単一の光源から射出された光束を複数の光束に分離する分離光学系と、互いに角度位相が異なるように同軸に多段に積み重ねられ、前記複数の光束の数と同数設けられ、各々の光束が別々に反射面に入射して各々偏向する回転多面鏡と、偏向された複数の光束を被走査面上で同一の走査線を描くように結像させる走査光学系と、光学的に回転多面鏡の面倒れの補正を行う面倒れ補正光学系とを有する光走査装置において、
前記複数の光束の中1本だけが被走査面の走査範囲内にあるように構成されており、
前記分離光学系で光束が分離された後から前記回転多面鏡の反射面に入射するまでの間に、少なくとも副走査方向に光学パワーを有する光学素子が配置されておらず、
前記面倒れ補正光学系は、前記光源と前記分離光学系の間に配置された副走査方向に光学パワーを有する光学素子と、前記回転多面鏡で偏向された複数の光束が全て通過する単一の副走査方向に光学パワーを有する光学素子とからなり、
前記回転多面鏡で偏向された複数の光束が副走査方向において前記回転多面鏡の反射面近傍の仮想の結像点から出て行くよう、各光束の進行方向を偏向させる光学手段を備えていることを特徴とするものである。
【0017】
この光走査装置において、その光学手段としては、複数の平面状の屈折面から構成することができ、その場合、その平面状の屈折面は、走査光学系を構成する何れかのレンズの入射側あるいは射出側の面に設けることができる。また、その光学手段として、複数の平面状の反射面から構成することもできる。
【0018】
また、分離光学系を光束分割面を境に2つの透明ブロックを貼り合わせてなる貼り合わプリズムから構成することもできる。
【0019】
また、被走査面に近接した位置でかつ光束の所要の走査範囲の両側に、主走査方向にその位置が調整可能であって、前記複数の光束の中走査範囲外に位置する光束を遮蔽する遮蔽板を設けることが望ましい。
【0020】
本発明の別の光走査装置は、単一の光源から射出された光束を複数の光束に分離する分離光学系と、互いに角度位相が異なるように同軸に多段に積み重ねられ、前記複数の光束の数と同数設けられ、各々の光束が別々に反射面に入射して各々偏向する回転多面鏡と、偏向された複数の光束を被走査面上で同一の走査線を描くように結像させる走査光学系と、光学的に回転多面鏡の面倒れの補正を行う面倒れ補正光学系とを有する光走査装置において、
前記分離光学系で分離された複数の光束が前記回転多面鏡に同時に入射するように配置され、
前記回転多面鏡で偏向された複数の光束の中1本だけが被走査面の走査範囲内にあるように構成されており、
被走査面に近接した位置でかつ光束の所要の走査範囲の両側に、主走査方向にその位置が調整可能であって、前記複数の光束の中走査範囲外に位置する光束を遮蔽する遮蔽板を設けたことを特徴とするものである。
【0021】
以上の本発明においては、分離光学系で光束が分離された後から回転多面鏡の反射面に入射するまでの間に、少なくとも副走査方向に光学パワーを有する光学素子が配置されておらず、また、面倒れ補正光学系が、光源と分離光学系の間に配置された副走査方向に光学パワーを有する光学素子と、回転多面鏡で偏向された複数の光束が全て通過する単一の副走査方向に光学パワーを有する光学素子とからなるので、分離光学系で分離された複数の光束が同一の共役型面倒れ補正光学系を通過することで、各々別々の光学系を通過するとき生ずるスポットサイズの不同や面倒れ補正効果の不同を除去することが可能になり、良好な光走査を可能になる。本発明の光走査装置を例えば画像形成装置に応用した場合には、画質が向上する。また、被走査面に近接した位置でかつ光束の所要の走査範囲の両側に、主走査方向にその位置が調整可能な遮蔽板を設けたので、複数の光束の何れかを選択的に透過させるようなシャッター手段を必要とせず、構造が簡素で安価かつ信頼性が高いものが構成できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の光走査装置の実施例について説明する。
図1は本発明の1実施例の光走査装置の構成を示す主走査面内の光路図、図2はその副走査面内の光路図である。以下、本発明では、光学系の任意の位置において、その位置における光学系の光軸を含み偏向器である多段回転多面鏡の回転軸に平行な面を副走査面と定義し、光軸を含み副走査面に垂直な面を主走査面と定義する。さらに、主走査面内において、光軸に垂直な方向を主走査方向と定義し、また、副走査面内において、光軸に垂直な方向を副走査方向と定義する。
【0023】
この実施例の光走査装置は、図1及び図2に示すように、単一の光源1(半導体レーザー)から射出した光束は、コリメータレンズ2で略平行な光束に変換された後に、副走査方向にのみパワーを持つシリンドリカルレンズ3によって副走査方向に集束し主走査方向では略平行な光束に変換される。この光束は、ハーフミラー4で光量が等しい2つの光束に分割される。
【0024】
ハーフミラー4で分割された2つの光束の一方はミラー5を介して、他方は光路長調整ミラー6を介して向きを変えられて2段回転多面鏡7に入射する。このとき、2つの光束は互いに平行でかつ2段回転多面鏡7の回転軸8(図1の紙面に垂直な軸)とは直交する面内にあるように配置される。また、分割された各々の光束において、副走査方向の集束ビーム集束点a、bに2段回転多面鏡7を構成する各々の回転多面鏡7a、7bの反射面7am、7bmが位置するように配置されている。そのために、光路調整ミラー6により2つの光束のハーフミラー4から2段回転多面鏡7までの光路長を等しくなるよるように調整している。この実施例では、これらハーフミラー4とミラー5と光路調整ミラー6を合わせてビームスプリッターを構成している。
【0025】
2段回転多面鏡7は、同一の大きさの2つの回転多面鏡7aと回転多面鏡7bを回転軸8を中心にして同軸に積層して構成されており、各多面鏡7a、7bは各々、6つの反射面を持つ正六角柱の形をしており、2つの多面鏡7a、7bは回転軸8を中心に角度30°だけ相互にずらして重ねてある。すなわち、2つの多面鏡7a、7bが1回転する間に12回の偏向走査が可能である。
【0026】
2段回転多面鏡7で偏向された各光束は、副走査面内において断面が凹型でV字形をなしている平面の入射面9a、9bを有するプリズム9の各入射面9a、9bで向きを変えられ、主走査方向にのみパワーを有する結像レンズ10と主として副走査方向にパワーを有し被走査面13に近接配置された長尺レンズ11とからなる走査光学系12に入射した後に、被走査面13上で同一の走査線を形成するように結像する。
【0027】
走査光学系12は、回転多面鏡7a、7bの反射面7am、7bmと被走査面13が副走査面内において光学的な共役関係を保つように構成されており、各々の反射面7am、7bmの面倒れによる走査線の副走査方向の変位を補償するようになっている。したがって、副走査面内において、共通の走査光学系12を通過する2つの光束を同一の走査線に結像させるためには、回転多面鏡7の反射面の位置においても、2つの光束が1つの結像点Pを通過するように構成する必要がある。
【0028】
そこで、本発明では、反射面7am、7bmで反射された2つの光束が重ならない位置に、副走査方向に各光束の向きを変えるプリズム9等の光学素子を配置することによって、仮想的には2段回転多面鏡7の反射面7am、7bm近傍の1つの仮想の結像点Pから2つの光束が出て行くよう偏向させ、かつ、実際の結像点a、bは各光束に対応して各々回転多面鏡7a、7bの反射面7am、7bm上に分かれて存在することを可能にしている。
【0029】
このように、分割され各々別の回転多面鏡7a、7bの反射面7am、7bmで反射された2つの光束は、同一の走査光学系12を通過する。特に、副走査面断面内において同一のレンズ系12を通過するので、各光束に対して個別のレンズ系を設ける従来の方法に比べて安価に構成できるのはもちろんのこと、複数のレンズのレンズ面形状の差あるいは材料の特性差に起因する結像性能の劣化が生じない。
【0030】
この実施例では、走査光学系12は結像レンズ10と長尺レンズ11とで構成されている。結像レンズ10は主走査面内でしか屈折力を有しないので、図1、図2のようにプリズム9の後側に配置してもよいし、プリズム9の前側に配置してもよい。
【0031】
また、2つの光束は走査光学系12の光軸に対して各々偏心して入射し、かつ、光軸O−O’(あるいは子午面)に対して副走査方向に対称な位置に入射する。もし、被走査面13上に描かれる走査線に湾曲を生じさせてしまうと、子午面に対して対称の湾曲形状になり、1つの走査線に重ねることが困難になる。したがって、本発明で用いる走査光学系12においては、偏向される光束が偏心して入射しても被走査面13上において走査線が湾曲しないか実用上無視し得る程度に湾曲量を低減するための光学的な配慮が必要である。
【0032】
さらに、上記原因でやむを得ず走査線の湾曲が残存してしまう場合にも、湾曲形状が対称であることを利用して、一方の光束を副走査面内で奇数回折り返し(反射し)、他方の光束を偶数回折り返すことで、湾曲の方向を揃えることができる。このようにすれば、ある程度走査線の湾曲が残存していても、実用上問題ない。
【0033】
ハーフミラー4とミラー5と光路調整ミラー6からなるビームスプリッターで分離された2つの光束の間隔はどのような値でも取り得るが、間隔が小さい場合には、2段階に積層した回転多面鏡7a、7bの回転軸8方向の間隔を小さくする必要が生ずる。回転多面鏡7a、7bの反射面7am、7bm上では光束は副走査方向には集束状態にあるので、反射面7am、7bmの副走査方向の大きさはさほど必要ないが、反射面の有効に使えない部分の大きさや、回転多面鏡として加工可能な厚みを考慮すると、回転多面鏡7a、7bの間隔は極端には小さくできない。回転多面鏡7a、7bの反射面7am、7bmの副走査方向の余裕を考慮すると、回転多面鏡7a、7bの間隔は最小限2mm程度である。
【0034】
本発明においては、2つの光束を1つの走査線に重ね合わせるために、プリズム9等を用いるが、2つの光束の断面が重なってしまうと個々の光束の向きを別々の入射面9a、9bを介して個別に変えることができない。したがって、2つ光束の間隔が大きい方がこのプリズム9等を配置しやすい。例えばレーザービームプリンター等の画像形成装置に用いる光走査装置では、走査光学系を通過する光束の副走査方向の大きさは最も大きいところで1〜4mm程度あるので、それ以上の間隔を持たせることが望ましい。
【0035】
一方、2つの光束の間隔が大きいと、2つの光束が共通して通過する走査光学系12の副走査方向の大きさが大きくなるので、精度を確保するのが困難になりコストも上昇する。
上記の要因を考えると、2つの光束の間隔は2〜5mmの範囲にあることが望ましい。
【0036】
以下、図1、図2に示した実施例の光走査装置の動作を図3〜図5を参照にして説明する。
図3の2段回転多面鏡7の位置では、回転多面鏡7a(図では紙面の手前側)に入射して反射面7amで偏向された一方の光束は、プリズム9の入射面9aを経て走査光学系12を通過した後、ビーム検出用ミラー14で反射されてビーム検出器15に向かう。ビーム検出器15では、入射した光束に応じてパルス信号を出力し、このパルス信号によって水平同期信号が生成され、画像信号の書き出しの時間的な基準とされる。
【0037】
このとき、回転多面鏡7b(図では背後側)で偏向された他方の光束(2点鎖線で表示)は、プリズム9の入射面9bを経て走査光学系12を通過した後、被走査面13上の書き込み領域Lの外側に向かう。ところが、本発明の光走査装置を画像形成装置に用いるような場合には、書き込み領域L外でも光束が入射することになり、不要な画像が形成されてしまう。そこで、書き込み領域L外に向かう光束を遮蔽する遮蔽板16を書き込み領域Lの外側に対応する位置に設ける必要がある。
【0038】
遮蔽板16は光路上のどこにあってもよいが、なるべく被走査面13に近い方が光束の偏向される幅が大きくなるので、より正確に不要な光束を遮蔽できる。もちろん、回転多面鏡7bで偏向された光束が向かう領域が画像形成装置の画像形成領域の外側にあるのなら、このような遮蔽板は設ける必要がない。
【0039】
ビーム検出器15には、回転多面鏡7aで偏向された光束と、回転多面鏡7bで偏向された光束が入射するが、2つの光束は被走査面13上では同一の走査線に重なるので、ビーム検出器15を被走査面13と共役な位置に置くことで、ビーム検出器15上に入射する位置を同一にすることが可能となる。さらに、2つの光束は単一の走査光学系12に対して子午面を挟んで上下対称に入射しているので、2つの光束のビーム検出位置と被走査面13上での走査開始位置の相対差がなく、2つの光束の走査開始点が相違することはない。
【0040】
図4の2段回転多面鏡7の位置では、回転多面鏡7aで偏向された光束は被走査面13上の走査開始位置に到達する。このときに回転多面鏡7bで偏向された光束(2点鎖線で表示)は光軸O−O’から見て図3の位置よりさらに外側に移動している。
【0041】
図1の2段回転多面鏡7の位置では、回転多面鏡7aで偏向された光束は走査光学系12の光軸O−O’を略通過する。一方、回転多面鏡7bで偏向された光束は走査光学系12に入射することはないので、図1には図示していない。
【0042】
図5の2段回転多面鏡7の位置では、回転多面鏡7aで偏向された光束は被走査面13上において書き込み領域Lの後端に達する。このとき、回転多面鏡7bで偏向された光束(2点鎖線で表示)はビーム検出用ミラー14の手前側を通過する。このときも、図3あるいは図4の場合と同様に、回転多面鏡7bで偏向された光束が被走査面13に到達しないように遮蔽板16により遮蔽する必要がある。
【0043】
この状態からさらに2段回転多面鏡7を回転させると、今度は回転多面鏡7bで偏向された光束がビーム検出用ミラー14に入射して次の走査が始まる。すなわち、次は回転多面鏡7bによって走査が行われる。
【0044】
このように、回転多面鏡7aと回転多面鏡7bで交互に走査を行う。図でも明らかなように、2つの回転多面鏡7a、7bで偏向される2つの光束が同時に被走査13面に達しないように、遮蔽手段を工夫することで、図5の状態の直後に、次の走査の図3の状態にすることが可能となるので、2段回転多面鏡7の回転期間を極めて有効に活用できる。
【0045】
図3、図5で図示した遮蔽板16を主走査方向に調整可能とすることで、図3の状態と図5の状態を時間的により正確に近接させることができ、2段回転多面鏡7の回転周期をより有効に走査に活用できる。
【0046】
次に、他の実施例について説明する。以下の実施例で参照する図6〜図7には、副走査面内における2段回転多面鏡7より後の光路図を示してある。
結像レンズ10の後側にプリズム6を配置し、さらにその後側に長尺レンズ11を配置する場合、図6(結像レンズは図示を省いてある。)に示すように、プリズムと長尺レンズを一体に構成して変形長尺レンズ11’とするすることも可能である。この変形長尺レンズ11’の入射側の面は、副走査断面内において凹型でV字形をなす入射面9aと9bからなり、変形長尺レンズ11’の射出側の面17は、主として副走査方向にパワーを有する面からなる。作用は、図1、図2のプリズム9の作用と長尺レンズ11の作用を併せた作用を有する。このようにプリズム9と長尺レンズ11を一体に構成する場合には、プラスチックで一体に成形するのが好ましい。この実施例の場合は、一体にすることで安価に製造でき、また、プリズム面9a、9bとレンズ面17の相対位置精度を向上させることができる効果がある。
【0047】
ところで、図1〜図5の実施例の走査光学系12の構成は1例であり、走査光学系12を構成するレンズの数は2枚に限らない。例えば、主走査断面と副走査断面で光学パワーの異なるアナモフィック特性を持ち、少なくとも主走査断面において円弧でない非球面走査レンズを用いれば、走査光学系12を1枚のレンズ構成(すなわち、単玉走査レンズ)とすることも可能である。その場合、図2に示したような副走査断面でV字形を有するプリズム9の後側に上記の非球面走査レンズを配置すればよい。
【0048】
このような単玉走査レンズの主走査方向の大きさを小さくするためには、なるべく単玉走査レンズを2段回転多面鏡7に近づけるのが好ましい。ところが、上記のような単玉走査レンズと2段回転多面鏡7の間にプリズム9が存在すると、単玉走査レンズは2段回転多面鏡7より距離を離して設置せざるを得ない。そこで、図7に示すように、走査光学系を構成する単玉走査レンズ12’を通過した2つの光束が副走査断面内で1度交差した後に副走査断面内において凸型でV字形をなす入射面を持つプリズム9’に入射させることによって、単玉走査レンズ12’を2段回転多面鏡7に接近させることが可能となる。この構成においても、2つの光束による走査線をプリズム9’によって同一の走査線に重ね合わせることができる。
【0049】
走査光学系内に置かれるプリズム9、9’の代わりに、図8に示すように、副走査断面において山形あるいは谷形に角度をもって配置された2つのミラー面18a、18bからなる2枚鏡18によって各光束を反射させて、被走査面13上で1つの走査線を形成することも可能である。
【0050】
さらにこの場合、2つのミラー面18a、18bを一体とせずに互いに角度を調整可能とすることで、より正確に2つの回転多面鏡7a、7bで偏向走査される走査線を一致させることができる。
【0051】
この図8に関して、光走査装置を外形を小さく納めるためには、一般に折り返しミラーを用いて走査光学系の光路を折りたたむ必要がある。この折り返しミラーと上記のミラー面18a、18bを兼用させることで、安価で簡素な装置を構成することができる。
【0052】
一方、この2つのミラー面18a、18bを1つの光学素子の表面に形成すると、2つのミラー面の相対的な位置角度を正確に加工できるので、上記のような調整が不要となる。
【0053】
ところで、図2のビームスプリッターの構成において、光源1からの光束を分割分離するハーフミラー4の表面に薄膜を形成して所望と特性の反射率あるいは透過率のハーフミラー4を得ている場合には、成膜条件のばらつき等により、反射率あるいは透過率が変動する。この場合、光束のハーフミラー4への入射角度を調整することにより、ハーフミラー4で分離される2つの光束の光量を同一にすることが可能となる。ただし、ハーフミラー4の角度を変化させると、分離された後の2つの光束の間隔や距離が変化するので、他のミラー5、6の角度を変えて光束の間隔や角度を所要の値を満たすよう調整する必要がある。
【0054】
光源1からの光束を分割分離するビームスプリッターは、図2のようにハーフミラー4とミラー5と光路調整ミラー6の組み合わせでなくとも、例えば図9に示すように、光束分割面(ハーフミラー面)4’を境に2つの透明ブロックを貼り合わせてなるプリズム19であってもよい。また、図10に示すように、光束分割面(ハーフミラー面)4’を境に2つの透明ブロックを貼り合わせてなるプリズム19’であってもよい。何れのプリズム19、19’も、分割された2つの光束の間隔や光路を調整するための反射面5’が設けられている。
【0055】
このように、ビームスプリッターを貼り合わプリズムで構成すると、プリズムの角度、寸法は比較的高精度に加工しやすいので、分離された2本の光束の間隔や平行度を必要な値に納めることが容易である。また、2本の光束の調整が不要になる。
【0056】
以上、本発明の光走査装置を実施例に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。また、多段回転多面鏡の回転多面鏡数及び分離された光束の数は必ずしも2でなくても、3以上であってもよい。しかし、この場合は、1つの反射面当たりの光束の偏向角が減少してしまうので、実際には2つの回転多面鏡で2つの光束を交互に走査する構成が好適である。
【0057】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の光走査装置によると、分離光学系で光束が分離された後から回転多面鏡の反射面に入射するまでの間に、少なくとも副走査方向に光学パワーを有する光学素子が配置されておらず、また、面倒れ補正光学系が、光源と分離光学系の間に配置された副走査方向に光学パワーを有する光学素子と、回転多面鏡で偏向された複数の光束が全て通過する単一の副走査方向に光学パワーを有する光学素子とからなるので、分離光学系で分離された複数の光束が同一の共役型面倒れ補正光学系を通過することで、各々別々の光学系を通過するとき生ずるスポットサイズの不同や面倒れ補正効果の不同を除去することが可能になり、良好な光走査を可能になる。本発明の光走査装置を例えば画像形成装置に応用した場合には、画質が向上する。また、被走査面に近接した位置でかつ光束の所要の走査範囲の両側に、主走査方向にその位置が調整可能な遮蔽板を設けたので、複数の光束の何れかを選択的に透過させるようなシャッター手段を必要とせず、構造が簡素で安価かつ信頼性が高いものが構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例の光走査装置の構成を示す主走査面内の光路図である。
【図2】本発明の1実施例の光走査装置の構成を示す副走査面内の光路図である。
【図3】本発明の1実施例の光走査装置の動作を説明するための図である。
【図4】本発明の1実施例の光走査装置の動作を説明するためのもう1つの図である。
【図5】本発明の1実施例の光走査装置の動作を説明するためのさらに別の図である。
【図6】別の実施例の副走査面内における2段回転多面鏡より後の光路図である。
【図7】さらに別の実施例の副走査面内における2段回転多面鏡より後の光路図である。
【図8】もう1つの実施例の副走査面内における2段回転多面鏡より後の光路図である。
【図9】ビームスプリッターの別の実施例の副走査面内における光路図である。
【図10】ビームスプリッターのさらに別の実施例の副走査面内における光路図である。
【符号の説明】
a、b…集束ビーム集束点
P…共通の結像点(仮想)
L…書き込み領域
O−O’…光軸
1…光源
2…コリメータレンズ
3…シリンドリカルレンズ
4…ハーフミラー
4’…光束分割面(ハーフミラー面)
5…ミラー
5’…反射面
6…光路長調整ミラー
7…2段回転多面鏡
7a、7b…回転多面鏡
7am、7bm…回転多面鏡の反射面
8…2段回転多面鏡の回転軸
9…凹型プリズム
9a、9b…プリズムの平面の入射面
9’…凸型プリズム
10…結像レンズ
11…長尺レンズ
11’…変形長尺レンズ
12…走査光学系
12’…単玉走査レンズ(走査光学系)
13…被走査面
14…ビーム検出用ミラー
15…ビーム検出器
16…遮蔽板
17…変形長尺レンズの射出側の面
18a、18b…ミラー面
18…2枚鏡
19、19’…貼り合わプリズム

Claims (7)

  1. 単一の光源から射出された光束を複数の光束に分離する分離光学系と、互いに角度位相が異なるように同軸に多段に積み重ねられ、前記複数の光束の数と同数設けられ、各々の光束が別々に反射面に入射して各々偏向する回転多面鏡と、偏向された複数の光束を被走査面上で同一の走査線を描くように結像させる走査光学系と、光学的に回転多面鏡の面倒れの補正を行う面倒れ補正光学系とを有する光走査装置において、
    前記複数の光束の中1本だけが被走査面の走査範囲内にあるように構成されており、
    前記分離光学系で光束が分離された後から前記回転多面鏡の反射面に入射するまでの間に、少なくとも副走査方向に光学パワーを有する光学素子が配置されておらず、
    前記面倒れ補正光学系は、前記光源と前記分離光学系の間に配置された副走査方向に光学パワーを有する光学素子と、前記回転多面鏡で偏向された複数の光束が全て通過する単一の副走査方向に光学パワーを有する光学素子とからなり、
    前記回転多面鏡で偏向された複数の光束が副走査方向において前記回転多面鏡の反射面近傍の仮想の結像点から出て行くよう、各光束の進行方向を偏向させる光学手段を備えていることを特徴とする光走査装置。
  2. 前記光学手段が複数の平面状の屈折面からなることを特徴とする請求項記載の光走査装置。
  3. 前記の平面状の屈折面が走査光学系を構成する何れかのレンズの入射側あるいは射出側の面に設けられていることを特徴とする請求項記載の光走査装置。
  4. 前記光学手段が複数の平面状の反射面からなることを特徴とする請求項記載の光走査装置。
  5. 前記分離光学系が光束分割面を境に2つの透明ブロックを貼り合わせてなる貼り合わプリズムからなることを特徴とする請求項1からの何れか1項記載の光走査装置。
  6. 被走査面に近接した位置でかつ光束の所要の走査範囲の両側に、主走査方向にその位置が調整可能であって、前記複数の光束の中走査範囲外に位置する光束を遮蔽する遮蔽板を設けたことを特徴とする請求項1からの何れか1項記載の光走査装置。
  7. 単一の光源から射出された光束を複数の光束に分離する分離光学系と、互いに角度位相が異なるように同軸に多段に積み重ねられ、前記複数の光束の数と同数設けられ、各々の光束が別々に反射面に入射して各々偏向する回転多面鏡と、偏向された複数の光束を被走査面上で同一の走査線を描くように結像させる走査光学系と、光学的に回転多面鏡の面倒れの補正を行う面倒れ補正光学系とを有する光走査装置において、
    前記分離光学系で分離された複数の光束が前記回転多面鏡に同時に入射するように配置され、
    前記回転多面鏡で偏向された複数の光束の中1本だけが被走査面の走査範囲内にあるように構成されており、
    被走査面に近接した位置でかつ光束の所要の走査範囲の両側に、主走査方向にその位置が調整可能であって、前記複数の光束の中走査範囲外に位置する光束を遮蔽する遮蔽板を設けたことを特徴とする光走査装置。
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