JP3656289B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両に搭載される内燃機関の排気浄化装置に関し、特にエアコンディショナの装備された車両にあって、その排気浄化機能を好適に維持するための機関並びにエアコンディショナ制御構造の具現に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、内燃機関により燃焼されたガス(排気ガス)は排気管を通して触媒コンバータに導入され、ここで同排気ガス中の有害成分(CO,HC,NOx)が三元触媒により清浄化されて排出される。
【0003】
また、該触媒コンバータによるこうした排気ガスの浄化特性が、同機関に供給される混合気の空燃比によって大きく左右されることもよく知られている。
すなわち、上記空燃比が薄いとき(リーンのとき)には、燃焼後も酸素の量が多くなり、酸化作用が活発に、還元作用が不活発になる。また、同空燃比が濃いとき(リッチのとき)には、この逆に、酸化作用が不活発に、還元作用が活発になる。これら酸化と還元のバランスがとれたとき、上記三元触媒が最も有効に働くようになる。そして、該酸化と還元のバランスのとれる空燃比がいわゆる理論空燃比(A/F=14.7)付近となる。
【0004】
一方、上記三元触媒の浄化作用は排気ガス流量の大きさにも支配されており、該排気ガス流量が大きくなるとその浄化作用も低下する。
触媒コンバータを構成する三元触媒にあってはこのように、
(イ)機関の空燃比が理論空燃比付近に制御されること。
(ロ)排気ガス流量が過大とならないこと。
等が、その高い浄化作用を維持し、ひいてはエミッションの悪化を防ぐ上で重要な要素となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年、自動車にあって、エアコンディショナ(以下、単にエアコンという)の装備は極めて一般化されており、日常利用する自動車の殆どがいわゆるエアコン装備車となっていることは周知の通りである。
【0006】
また、こうしたエアコンによる冷凍サイクルを実現する上で欠かせないコンプレッサが、当該車両に搭載された内燃機関と連結されることによってその動力を得るようになることもよく知られている。
【0007】
ところが従来、上記内燃機関の排気浄化系にあっては、このエアコンが併用されることを考慮した制御構造とはなっておらず、車両の運転に際してエアコンが併用される場合には、同系による排気浄化機能上、以下のような不都合が生じることとなっていた。
【0008】
すなわち、上記エアコンのオン操作に伴い、コンプレッサが内燃機関と連結されて動力を得るようになると、同機関においては自ずとその負荷が増大することとなる。そして、内燃機関においてこうした負荷の増大が起こる場合には、排気ガス流速や排気ガス量も増大し、上記三元触媒による浄化作用は大きく低下するようになる。
【0009】
また、車室内温度が目標温度に達して以後、エアコンのオン/オフ、すなわちコンプレッサと内燃機関との連結/非連結が繰り返されるようになると、同機関においては上記負荷の変化が繰り返されることともなる。内燃機関においてこうして負荷の変化が繰り返される場合には、その制御される空燃比にも乱れが生じ、やはり上記三元触媒による浄化作用は低下するようになる。
【0010】
何れにしろ、三元触媒によるこのような浄化作用の低下によってエミッションが悪化するようになることは上述した通りである。一方、エアコンにしてもその需要は増すばかりであり、排気浄化作用が低下するからといって、これを使用しないわけにもいかないのが実情である。
【0011】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、自動車の運転に際しエアコンが併用される場合であっても、エアコンによる空調機能(冷却性能)を確保しつつ、エミッションの悪化をも抑制することのできる内燃機関の排気浄化装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
こうした目的を達成するため、請求項1記載の発明では、車載された内燃機関の排気系に設けられてその排気ガスを浄化する触媒コンバータを有し、該触媒コンバータによる排気浄化作用が適正に維持されるよう前記排気ガスの状態を制御する内燃機関の排気浄化装置として、前記内燃機関から動力を受けて稼働するコンプレッサを有し、該コンプレッサの稼働に基づく冷凍サイクルの実行により車室内を空調するエアコンと、当該車両内の任意の物理条件に基づいて前記エアコンによる空調の必要度合いを演算する必要度合い演算手段と、前記内燃機関の運転において前記触媒コンバータによる排気浄化作用が低下する排気ガス状態となることが予測されるとき、前記エアコンの起動時期を前記演算された空調必要度合いに応じて遅延させることにより同エアコンの稼働を制限する稼働制限手段とを具える構成とする。
【0013】
また、請求項2記載の発明では、車載された内燃機関の排気系に設けられてその排気ガスを浄化する触媒コンバータを有し、該触媒コンバータによる排気浄化作用が適正に維持されるよう前記排気ガスの状態を制御する内燃機関の排気浄化装置として、前記内燃機関から動力を受けて稼働するコンプレッサを有し、該コンプレッサの稼働に基づく冷凍サイクルの実行により車室内を空調するエアコンと、当該車両内の任意の物理条件に基づいて前記エアコンによる空調の必要度合いを演算する必要度合い演算手段と、前記内燃機関の運転において前記触媒コンバータによる排気浄化作用が低下する排気ガス状態となることが予測されるとき、前記エアコンの稼働を前記演算された空調必要度合いに応じた時間だけ休止せしめることにより同エアコンの稼働を制限する稼働制限手段とを具える構成とする。
【0014】
また、請求項3記載の発明では、車載された内燃機関の排気系に設けられてその排気ガスを浄化する触媒コンバータを有し、該触媒コンバータによる排気浄化作用が適正に維持されるよう前記排気ガスの状態を制御する内燃機関の排気浄化装置にとして、前記内燃機関から動力を受けて稼働する可変容量式コンプレッサを有し、該可変容量式コンプレッサの稼働に基づく冷凍サイクルの実行により車室内を空調するエアコンと、当該車両内の任意の物理条件に基づいて前記エアコンによる空調の必要度合いを演算する必要度合い演算手段と、前記内燃機関の運転において前記触媒コンバータによる排気浄化作用が低下する排気ガス状態となることが予測されるとき、前記可変容量式コンプレッサの容量増加時期を前記演算された空調必要度合いに応じて遅延させることにより前記エアコンの稼働を制限する稼働制限手段とを具える構成とする。
【0015】
また、請求項4記載の発明では、車載された内燃機関の排気系に設けられてその排気ガスを浄化する触媒コンバータを有し、該触媒コンバータによる排気浄化作用が適正に維持されるよう前記排気ガスの状態を制御する内燃機関の排気浄化装置として、前記内燃機関から動力を受けて稼働する可変容量式コンプレッサを有し、該可変容量式コンプレッサの稼働に基づく冷凍サイクルの実行により車室内を空調するエアコンと、当該車両内の任意の物理条件に基づいて前記エアコンによる空調の必要度合いを演算する必要度合い演算手段と、前記内燃機関の運転において前記触媒コンバータによる排気浄化作用が低下する排気ガス状態となることが予測されるとき、前記可変容量式コンプレッサの容量増加量を前記演算された空調必要度合いに応じて制限することにより前記エアコンの稼働を制限する稼働制限手段とを具える構成とする。
【0017】
また、請求項記載の発明では、これら請求項1〜の何れかに記載の発明の構成において、前記必要度合い演算手段を、当該車両の車室内温度と車室内設定温度との差分に基づき該差分が大きいほど大きな値として前記空調の必要度合いを演算するものとして構成する。
【0018】
また、請求項記載の発明では、同じく請求項1〜の何れかに記載の発明の構成において、前記必要度合い演算手段を、車室外温度、車室内温度、日射量、エバポレータ後空気温度、必要吹出温度、エバポレータ風量、コンプレッサ吐出圧、コンプレッサ吸入圧、エバポレータ後スーパーヒート、及びコンプレッサ稼働率の少なくとも1つが高い若しくは大きいほど大きな値として前記空調の必要度合いを演算するものとして構成する。
【0019】
また、請求項記載の発明では、同じく請求項1〜の何れかに記載の発明の構成において、前記必要度合い演算手段を、機関回転数、コンデンサ風量、車速、及びエバポレータフロスト量の少なくとも1つが高い若しくは大きいほど小さな値として前記空調の必要度合いを演算するものとして構成する。
【0020】
また、請求項記載の発明では、車載された内燃機関の排気系に設けられてその排気ガスを浄化する触媒コンバータを有し、該触媒コンバータによる排気浄化作用が適正に維持されるよう前記排気ガスの状態を制御する内燃機関の排気浄化装置として、前記内燃機関から動力を受けて稼働するコンプレッサを有し、該コンプレッサの稼働に基づく冷凍サイクルの実行により車室内を空調するエアコンと、当該車両の車室内温度と車室内設定温度との差分に基づき該差分が大きいほど大きな値として空調の必要度合いを演算する必要度合い演算手段と、前記内燃機関の運転において前記触媒コンバータによる排気浄化作用が低下する排気ガス状態となることが予測されるとき、前記演算された空調必要度合いに応じて前記エアコンの稼働を制限する稼働制限手段とを具える構成とする。
【0021】
また、請求項記載の発明では、車載された内燃機関の排気系に設けられてその排気ガスを浄化する触媒コンバータを有し、該触媒コンバータによる排気浄化作用が適正に維持されるよう前記排気ガスの状態を制御する内燃機関の排気浄化装置として、前記内燃機関から動力を受けて稼働するコンプレッサを有し、該コンプレッサの稼働に基づく冷凍サイクルの実行により車室内を空調するエアコンと、車室外温度、車室内温度、日射量、エバポレータ後空気温度、必要吹出温度、エバポレータ風量、コンプレッサ吐出圧、コンプレッサ吸入圧、エバポレータ後スーパーヒート、及びコンプレッサ稼働率の少なくとも1つが高い若しくは大きいほど大きな値として空調の必要度合いを演算する必要度合い演算手段と、前記内燃機関の運転において前記触媒コンバータによる排気浄化作用が低下する排気ガス状態となることが予測されるとき、前記演算された空調必要度合いに応じて前記エアコンの稼働を制限する稼働制限手段とを具える構成とする。
【0022】
また、請求項10記載の発明では、車載された内燃機関の排気系に設けられてその排気ガスを浄化する触媒コンバータを有し、該触媒コンバータによる排気浄化作用が適正に維持されるよう前記排気ガスの状態を制御する内燃機関の排気浄化装置として、前記内燃機関から動力を受けて稼働するコンプレッサを有し、該コンプレッサの稼働に基づく冷凍サイクルの実行により車室内を空調するエアコンと、機関回転数、コンデンサ風量、車速、及びエバポレータフロスト量の少なくとも1つが高い若しくは大きいほど小さな値として空調の必要度合いを演算する必要度合い演算手段と、前記内燃機関の運転において前記触媒コンバータによる排気浄化作用が低下する排気ガス状態となることが予測されるとき、前記演算された空調必要度合いに応じて前記エアコンの稼働を制限する稼働制限手段とを具える構成とする。
【0023】
また、請求項11記載の発明では、車載された内燃機関の排気系に設けられてその排気ガスを浄化する触媒コンバータを有し、該触媒コンバータによる排気浄化作用が適正に維持されるよう前記排気ガスの状態を制御する内燃機関の排気浄化装置として、前記内燃機関から動力を受けて稼働するコンプレッサを有し、該コンプレッサの稼働に基づく冷凍サイクルの実行により車室内を空調するエアコンと、このエアコンが非稼働状態から稼働状態へ切り換わる直前に、前記内燃機関に噴射供給する燃料量を増量補正する増量補正手段と、同エアコンが稼働状態から非稼働状態へ切り換わる直前に、前記内燃機関に噴射供給する燃料量を減量補正する減量補正手段と、前記内燃機関の負荷変化を順次算出し、それら算出した負荷変化量を前記増量補正若しくは減量補正のための補正係数に乗じて前記燃料量を補正以前の元の燃料量に復帰せしめるものとして構成する。
【0024】
また、請求項12記載の発明では、車載された内燃機関の排気系に設けられてその排気ガスを浄化する触媒コンバータを有し、該触媒コンバータによる排気浄化作用が適正に維持されるよう前記排気ガスの状態を制御する内燃機関の排気浄化装置として、前記内燃機関から動力を受けて稼働する可変容量式コンプレッサを有し、該可変容量式コンプレッサの稼働に基づく冷凍サイクルの実行により車室内を空調するエアコンと、前記内燃機関の空燃比を検出する空燃比検出手段と、この検出される空燃比が所定の範囲を超えて変動しているとき、前記可変容量式コンプレッサの容量変化を所定期間禁止することにより前記エアコンの状態変化を禁止する状態変化禁止手段とを具える構成とする。
【0027】
また、請求項13記載の発明では、車載された内燃機関の排気系に設けられてその排気ガスを浄化する触媒コンバータを有し、該触媒コンバータによる排気浄化作用が適正に維持されるよう前記排気ガスの状態を制御する内燃機関の排気浄化装置として、前記内燃機関から動力を受けて稼働するコンプレッサを有し、該コンプレッサの稼働に基づく冷凍サイクルの実行により車室内を空調するエアコンと、前記内燃機関の空燃比を検出する空燃比検出手段と、この検出される空燃比がリーン側に大きくずれているとき、前記エアコンが稼働状態にあることを条件にこれを非稼働状態とする第1の強制切り換え手段と、同検出される空燃比がリッチ側に大きくずれているとき、前記エアコンが非稼働状態にあることを条件にこれを稼働状態とする第2の強制切り換え手段とを具える構成とする。
【0030】
これら各発明による作用は以下の通りである。
まず、請求項1記載の発明によるように、排気浄化装置として、
・当該車両内の任意の物理条件に基づいて前記エアコンによる空調の必要度合いを演算する必要度合い演算手段。
・前記内燃機関の運転において前記触媒コンバータによる排気浄化作用が低下する排気ガス状態となることが予測されるとき、前記エアコンの起動時期を前記演算された空調必要度合いに応じて遅延させることにより同エアコンの稼働を制限する稼働制限手段。
を具える構成によれば、エアコンが併用される場合であれ、例えば加速運転時や高負荷運転時には、その稼働も上記空調必要度合いに応じて、すなわちその都度の最低限の空調機能が確保されるかたちで好適に制限されるようになる。
【0031】
このため、エアコンの併用に起因して機関負荷が極度に増大するようなことはなくなり、ひいては前記触媒コンバータによる排気浄化作用も好適に維持されるようになる。
【0032】
お、記稼働制限手段としては、他にも、例えば請求項2記載の発明によるように
・エアコンの稼働を所定時間につき前記演算された空調必要度合いに応じた時間だけ休止せしめるもの。
また、前記コンプレッサが可変容量式コンプレッサである場合には、請求項記載の発明によるように、
・可変容量式コンプレッサの容量増加時期を前記演算された空調必要度合いに応じて遅延させるもの。
或いは、請求項記載の発明によるように、
・可変容量式コンプレッサの容量増加量を前記演算された空調必要度合いに応じて制限するもの。
等々、を採用することができる。
【0033】
何れにしろ、前記演算される空調必要度合いと、それに応じたエアコンの稼働制限態様若しくは稼働制限量とに基づいて、例えば上記加速運転や高負荷運転にある内燃機関のその都度の負荷が決定されることとなる。このため、これら空調必要度合い、並びにそれに応じたエアコンの稼働制限態様若しくは稼働制限量の適合が図られることで、エアコンの併用に起因するエミッションの悪化は最小限に抑制されるようになる。
【0034】
またこれらの構成において、前記必要度合い演算手段としては、例えば請求項記載の発明によるように、
・当該車両の車室内温度と車室内設定温度との差分に基づき該差分が大きいほど大きな値として前記空調の必要度合いを演算するもの。
或いは、請求項記載の発明によるように、
・車室外温度、車室内温度、日射量、エバポレータ後空気温度、必要吹出温度、エバポレータ風量、コンプレッサ吐出圧、コンプレッサ吸入圧、エバポレータ後スーパーヒート、及びコンプレッサ稼働率の少なくとも1つが高い若しくは大きいほど大きな値として前記空調の必要度合いを演算するもの。
或いは、請求項記載の発明によるように、
・機関回転数、コンデンサ風量、車速、及びエバポレータフロスト量の少なくとも1つが高い若しくは大きいほど小さな値として前記空調の必要度合いを演算するもの。
等々、を採用することができる。
【0035】
これら何れの構成であれ、当該車両のその都度の物理条件に応じた空調の必要度合い、すなわちエアコンの要否の度合いについてこれを適切に指示することができるようになる。
なお、前記必要度合い演算手段としてこれらの構成を採用する内燃機関の排気浄化装置としては、他にも、例えば請求項8〜10に記載の発明による構成が有効であり、これら請求項8〜10に記載の発明によっても、当該車両のその都度の物理条件に応じた空調の必要度合い、すなわちエアコンの要否の度合いについてこれを適切に指示することができるようになる。
【0036】
一方、請求項11記載の発明によるように、排気浄化装置として、
・エアコンが非稼働状態から稼働状態へ切り換わる直前に、前記内燃機関に噴射供給する燃料量を増量補正する増量補正手段。
・エアコンが稼働状態から非稼働状態へ切り換わる直前に、前記内燃機関に噴射供給する燃料量を減量補正する減量補正手段。
・内燃機関の負荷変化を順次算出し、それら算出した負荷変化量を前記増量補正若しくは減量補正のための補正係数に乗じて前記燃料量を補正以前の元の燃料量に復帰せしめる燃料量復帰手段。
を具える構成によれば、エアコンが併用される場合であれ、まずは増量補正手段及び減量補正手段によって、そのオン/オフに伴う前記機関空燃比の乱れ好適に抑制されるようになる。
【0037】
すなわち通常、エアコンのオンに伴ってこれが非稼働状態から稼働状態へ切り換わるときには、機関負荷の増大を招きその空燃比はリーン気味となる。他方、エアコンのオフに伴ってこれが稼働状態から非稼働状態へ切り換わるときには、機関負荷の減少を招きその空燃比はリッチ気味となる。このため、これら増量補正手段および減量補正手段を通じて、エアコンがオン/オフする直前に、空燃比のこれら傾向を是正する方向で燃料噴射量をそれぞれ見込み補正するようにすれば、エアコンの併用に起因する空燃比の乱れも確実に抑制されるようになる。しかも、上記料量復帰手段を併せ具えることで、上記エアコンがオン/オフされて以後の空燃比の乱れも好適に抑制されるようになる。特に、その都度の負荷変化に応じて補正係数を修正するこうした構成によれば、内燃機関の運転状態に応じた迅速な空燃比の乱れ補償が実現されるようになる。
【0040】
また、請求項12記載の発明によるように、排気浄化装置として、
・内燃機関から動力を受けて稼働する可変容量式コンプレッサを有し、該可変容量式コンプレッサの稼働に基づく冷凍サイクルの実行により車室内を空調するエアコン。
・内燃機関の空燃比を検出する空燃比検出手段。
・この検出される空燃比が所定の範囲を超えて変動しているとき、前記可変容量式コンプレッサの容量変化を所定期間禁止することにより前記エアコンの状態変化を禁止する状態変化禁止手段。
を具える構成によれば、空燃比に乱れが生じているとき、その乱れがエアコンの状態変化によって更に増長されるようになることを未然に防止することができるようになる。
【0042】
またこの構成において、状態変化の禁止を「所定期間」としているのは、エアコン側からの状態変化要求が全く受け付けられなくなるといった事態を防ぐための配慮である。例えば、エアコン非稼働状態から稼働状態への切り換え要求があったにも拘わらず、上記空燃比の乱れを理由にこれが延々と禁止される場合には、過度の温度上昇によって、機関自身が逆に好ましくない事態に陥ることにもなりかねない。
【0043】
また一方、請求項13記載の発明によるように、排気浄化装置として、
・内燃機関の空燃比を検出する空燃比検出手段。
・この検出される空燃比がリーン側に大きくずれているとき、エアコンが稼働状態にあることを条件にこれを非稼働状態とする第1の強制切り換え手段。
・同検出される空燃比がリッチ側に大きくずれているとき、エアコンが非稼働状態にあることを条件にこれを稼働状態とする第2の強制切り換え手段。
を具える構成によれば、上述したエアコンのオン/オフに伴う空燃比の乱れを逆に利用して、機関空燃比の乱れを抑制することができるようになる。
【0044】
通常、エアコンのオンに伴ってこれが非稼働状態から稼働状態へ切り換わるときには機関負荷の増大を招きその空燃比はリーン気味となり、エアコンのオフに伴ってこれが稼働状態から非稼働状態へ切り換わるときには機関負荷の減少を招きその空燃比はリッチ気味となることは上述した。このため同請求項13記載の発明によるように、空燃比の乱れ方に応じてこれが是正される方向にエアコンの状態を強制切り換えするようにすれば、逆にエアコンの併用によって機関空燃比の適正化が図られるようになる。
【0047】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1に、この発明にかかる内燃機関の排気浄化装置の第1の実施形態についてその構成の概要を示す。
【0048】
この第1の実施形態の装置は、自動車の運転中にエアコンが併用される場合であっても、その利用を好適に制限して内燃機関(エンジン)の負荷の過度な増大を回避することで、同エアコンの併用に伴うエミッションの悪化を防止する装置として構成されている。
【0049】
はじめに、図1を参照して、この第1の実施形態にかかる装置の構成について説明する。
図1に示されるように、この装置は大きくは、エンジン10とその周辺機器、エンジン10の動力によって稼働するエアコン50、主に該エアコン50の制御に用いられるセンサ群61〜65、エンジン10の運転を統括制御するエンジン制御装置70、及びエアコン50の稼働を監視するエアコン制御装置80を具えて構成される。
【0050】
このうちまず、エンジン10は、図示しないエアクリーナなどを介して空気が吸入される吸気管20と、同エンジン10による燃焼ガスが排気ガスとして排出される排気管30とを基本的に具えて構成される。
【0051】
吸気管20には、エンジン10に対してその燃料を噴射供給するインジェクタ21をはじめ、上記吸入される空気量を調量するスロットルバルブ22、このスロットルバルブ22の開度を検出するスロットルセンサ23、及び該吸入された空気圧、すなわち吸気管内圧力を検出する吸気圧センサ24等が主に配設されている。
【0052】
一方、排気管30には、前述の三元触媒を有して上記排気ガスを浄化する触媒コンバータ31をはじめ、同排気ガス中の酸素濃度から上記吸入された空気と噴射供給された燃料との混合比である空燃比を検出する空燃比センサ32等が主に配設されている。
【0053】
また、エンジン10の本体には、その出力軸(クランク軸)11をはじめ、同出力軸11の回転数を検出する回転数センサ12等が主に配設されている。
そして、回転数センサ12によって検出されるエンジン回転数Neをはじめ、上記スロットルセンサ23によって検出されるスロットルバルブ開度TAや、吸気圧センサ24によって検出される吸気圧PM、空燃比センサ32によって検出される空燃比A/F等は何れもエンジン制御装置70に取り込まれ、それら検出値に応じて、上記インジェクタ21を通じたその都度の燃料噴射量が決定されるようになる。
【0054】
なお、エンジン10の上記出力軸11を介した動力は、クラッチ(マグネットクラッチ)40を介して上記エアコン50(正確にはそのコンプレッサ51)に伝達されるものであり、このクラッチ40のON(オン)/OFF(オフ)によって、上記エアコン50の稼働の有無が実質的に制御される。同実施形態の装置にあっては、このクラッチ40のON/OFFもエンジン制御装置70によって制御されるものとしている。
【0055】
こうしたエンジン10の動力によって稼働するエアコン50は、同図1に併せ示されるように、コンプレッサ51をはじめ、コンデンサ52、レシーバ53、エキスパンションバルブ54、エバポレータ55等からなる冷凍サイクルを具える構成となっている。
【0056】
エアコン50では、この冷凍サイクル内で冷媒を循環させ、車室内の熱をエバポレータ55で吸収するとともに、この熱をコンデンサ52から車外へ放出することによって車室内を空調(冷房)する。
【0057】
なお、上記エバポレータ55にはブロアモータ55aによって車室内の空気が送風される。また、上記コンデンサ52の背後にもファン52aが配設され、該ファン52aによってコンデンサ52への送風が行われる。
【0058】
他方、主にこうしたエアコン50の制御に用いられるセンサ群としては、
・車室外の温度すなわち外気温度を検出する外気温センサ61
・上記エバポレータ55の後方の空気温度を検出するエバ後温度センサ62
・車室内の温度を検出する車室内温度センサ63
・日射量を検出する日射センサ64
・当該車両の車速を検出する車速センサ65
等々、がある。
【0059】
これらセンサの出力は何れも、エアコン制御装置80に取り込まれ、エアコン50による後述する空調の必要度合い(以下「エアコン必要度合い」という)の算出等に用いられる。
【0060】
エアコン制御装置80にはその他、車室内操作パネルに設けられた図示しないエアコンスイッチのON/OFF操作信号なども取り込まれる。こうしたON/OFF操作信号が入力された場合、該エアコン制御装置80では、その内容をエアコンスイッチON/OFF情報として、上記エンジン制御装置70に対し通知する。
【0061】
図2及び図3は、同実施形態にかかる装置の、主に上記エンジン制御装置70及びエアコン制御装置80を通じて実行される排気浄化のためのエンジン10並びにエアコン50の制御手順についてその詳細を示したものである。次に、これら図2及び図3を併せ参照して、同実施形態の装置による排気浄化動作について詳述する。
【0062】
まず、図2に基づき、上記エンジン制御装置70を通じて実行されるエンジン10の空燃比フィードバック制御についてその制御概要を説明する。なお、このフィードバック制御は、上記エンジン制御装置70による例えば16ms(ミリ秒)毎のタイマ割り込みによって実行される。
【0063】
さて、図2に示す空燃比フィードバック制御ルーチンにおいて、エンジン制御装置70はまず、ステップS100にて、上記エアコン制御装置80からの要求や情報に基づくエアコン制御を実行する。このエアコン制御にかかる処理については、後に図3を参照して詳細に説明する。
【0064】
該エアコン制御にかかる処理を終えたエンジン制御装置70は次に、ステップS200にて、上記回転数センサ12から取り込んだ回転数情報Ne及び吸気圧センサ24から取り込んだ吸気圧情報PM等に応じた基本燃料噴射量TPを算出する。基本燃料噴射量TPは、これら回転数情報Neや吸気圧情報PMに基づく周知のマップ演算等を通じて求めることができる。
【0065】
こうして基本燃料噴射量TPを算出したエンジン制御装置70は、続くステップS300にて、空燃比フィードバック条件が成立しているか否かを判断する。空燃比フィードバック条件とは例えば、
・エンジン冷却水温が80℃以上であること。
・燃料カット中でないこと。
・燃料加速増量中でないこと。
等々、の論理積条件である。なお、上記エンジン冷却水温を検出する水温センサについては便宜上、図示を割愛した。
【0066】
ステップS300において、こうした空燃比フィードバック条件が満たされている旨判断される場合、エンジン制御装置70は、ステップS400にて、上記空燃比センサ32により検出される空燃比A/Fに基づきこれを前記理論空燃比とするための空燃比補正係数FAFを設定した後、ステップS600の処理に進む。
【0067】
他方、同ステップS300において、空燃比フィードバック条件が満たされていない旨判断される場合、エンジン制御装置70は、ステップS500にて上記空燃比補正係数FAFを「1.0」に設定して、ステップS600の処理に進む。因みにこの場合、空燃比の補正は行われない。
【0068】
ステップS600では最終的な燃料噴射量TAUの設定が行われる。すなわちここでは、上記算出された基本燃料噴射量TP、及び上記設定された空燃比補正係数FAFをもとに、
TAU=TP×FAF×FALL …(1)
といった演算がエンジン制御装置70において実行される。なお、この(1)式において、FALLは、例えば吸気温補正係数や過渡時補正係数、バッテリ電圧補正係数等々、空燃比補正係数FAFによらない他の補正係数である。
【0069】
上記インジェクタ21は、各該当する気筒において、こうして演算設定された燃料噴射量TAUに応じてその駆動量が決定されることとなる。なお、このインジェクタ21の駆動にかかる燃料噴射ルーチン(角度割り込み処理)についてはその図示を割愛する。
【0070】
次に、図3に基づいて、上記ステップS100のエアコン制御にかかる処理について説明する。なお、該エアコン制御にかかる処理は、上記エンジン制御装置70による例えば128ms毎のタイマ割り込みによって実行される。
【0071】
さて、図3に示すこのエアコン制御にかかる処理ルーチンにおいて、エンジン制御装置70はまず、ステップS1101にて、上記エアコン制御装置80からのエアコンスイッチON/OFF情報をエアコン要求として取り込む。そして、このエアコンスイッチON/OFF情報が「OFF」を示すものであった場合には、後述のカウンタCACTMをクリアして(ステップS1102)当該処理を終了する。
【0072】
一方、このエアコンスイッチON/OFF情報が「ON」を示すものであった場合、エンジン制御装置70は、以下の手順で、該エアコン制御にかかる処理を開始する。
【0073】
同処理にあたり、エンジン制御装置70はまず、ステップS1110にて、エアコン制御装置80からエアコン必要度合いにかかる情報NDACを入力する。このエアコン必要度合いNDACとは、エアコン制御装置80において、例えば図4に示される態様で算出される、その都度の空調の必要度合いを数値換算した情報である。
【0074】
因みにここでは同図4に示されるように、上記車室内温度センサ63によって検出される車室内温度Taとその予めの設定温度Tbとの差分温度ΔTを求め、この差分温度ΔTが基準となる差分温度ΔToに対してどの程度高いか或いは低いかによって同必要度合いNDACの大小を百分率換算している。例えば、車室内温度の設定温度Tb=20℃に対し上記検出された車室内温度Taが40℃であった場合、その差分温度ΔT=20℃と基準差分温度ΔToであるとする10℃とが比較され、その比較のもとに、同図4に示される態様で、エアコン必要度合いNDACの比率がマップ演算される。このようなかたちでエアコン必要度合いNDACが求められることにより、当該車両におけるその都度の空調(冷房)の必要度合いが適切に数値表現されることとなる。
【0075】
こうして算出されるエアコン必要度合いNDACを入力したエンジン制御装置70は次に、ステップS1111にて、該入力したエアコン必要度合いNDACに応じた制限値KACTMを算出する。この制限値KACTMは、例えば図5に示される態様でマップ演算される。
【0076】
すなわちここでは、同図5に示されるように、例えば60sec(秒)のうち何秒間エアコン50の稼働を制限すればよいかが、上記エアコン必要度合いNDACに反比例するかたちで算出される。したがってこの制限値KACTMとしては、エアコン必要度合いNDACが大きな比率を示すときには小さな値として、またエアコン必要度合いNDACが小さな比率を示すときには大きな値(この例では最大60sec)としてそれぞれ算出されるようになる。
【0077】
こうして制限値KACTMを算出したエンジン制御装置70は、次のステップS1112及びステップS1113にて、エンジン10の運転状態を確認する。すなわちここでは、ステップS1112にて加速運転の有無を、またステップS1113にて高負荷運転の有無を判断する。加速状態か否かについては、スロットルセンサ23から出力されるスロットル開度TAの時間微分値DLTAと同微分値の加速の有無に対応した閾値KDLTAとを比較することで判断することができる。また、高負荷状態か否かについては、吸気圧センサ24から出力される吸気圧PMと同吸気圧の高負荷の有無に対応した閾値KPMとを比較することで判断することができる。
【0078】
こうしたエンジン運転状態の確認において、加速状態でもまた高負荷状態でもない旨判断される場合、エンジン制御装置70では、ステップS1114にてエアコン制限フラグXACLMを「0」にセットした後、ステップS1115にてクラッチ40をONとする。すなわちこの場合には、何ら制限なくエアコン50が稼働されることとなる。なおこのとき、同エンジン制御装置70では、後処理として、
(1)カウンタCACTMがクリアされているか否かを確認する(ステップS1116)。
(2)クリアされていなければ、これをインクリメントする(ステップS1117)。
(3)同カウンタ値CACTMが60secに対応した値となったところでこれをクリアする(ステップS1118及びS1119)。
といった処理を行った後当該ルーチンを抜ける。カウンタCACTMは、制限値KACTMの基準となる上記60secといった時間を計時するためのカウンタである。
【0079】
一方、上記エンジン運転状態の確認において、加速状態若しくは高負荷状態である旨判断される場合、エンジン制御装置70は、ステップS1120にて上記エアコン制限フラグXACLMをチェックし、これが「1」にセットされていなければ、ステップS1121にてこれを「1」にセットする。また同ルーチンの前回の処理において既にこの制限フラグXACLMが「1」にセットされている場合には、ステップS1122にて、上記カウンタCACTMをインクリメントする。
【0080】
その後、エンジン制御装置70では、ステップS1123にてこのカウンタCACTMの値と上記算出した制限値KACTMとを比較する。そして、カウンタCACTMの値が制限値KACTMを超えるまではクラッチ40をOFFに(ステップS1124)、カウンタCACTMの値が制限値KACTMを超えたところでクラッチ40をONとする(ステップS1125)。ただし、カウンタCACTMの値はステップS1126において引き続き監視され、その値が上記60secに対応した値となったところで、上記エアコン制限フラグXACLMが「0」にセットされ(ステップS1127)、且つ同カウンタCACTMの値が「0」にクリアされる(ステップS1128)。
【0081】
同ルーチンを通じてこうした処理が繰り返し実行されることにより、加速運転時や高負荷運転時には、60secのうち上記制限値KACTMに対応した時間だけ、エアコン50の稼働が制限されるようになる。
【0082】
このように、同第1実施形態にかかる装置によれば、エンジン10の運転状態が定常状態にある場合には何ら制限なくエアコン50の稼働が許可されるものの、加速運転時や高負荷運転時等、前記触媒コンバータ31による排気浄化作用が低下する排気ガス状態となることが予測されるときには、同エアコン50の稼働がその必要度合いNDACに応じて好適に制限されるようになる。すなわち、こうして加速運転時や高負荷運転時等にエアコン50が併用される場合であれ、エアコン50による必要最低限の空調機能が確保された上で、エンジン負荷の過大な増大が抑制されることとなり、ひいては前記触媒コンバータ31による排気浄化作用も好適に維持されるようになる。
【0083】
そして、上記エアコン必要度合いNDACと上記制限値KACTMとの間で、エンジン負荷との兼ね合いも考慮した適合が図られることで、エアコン50の併用に起因するエミッションの悪化も最小限に抑制されるようになる。
【0084】
なお、同第1実施形態にかかる装置において、エアコン50の稼働に関する制限の付与態様は任意であり、60sec毎に制限値KACTMにかかる時間だけエアコン50の稼働を制限するといった上述の態様には限られない。
【0085】
(第2実施形態)
車載されるエアコンにあっては通常、図6及び図7に示されるように、エバ後(エバポレータ後)空気温Teに応じてそのON/OFF状態を自動制御しているものが多い。
【0086】
すなわち、上記エバ後空気温Teに応じたエアコンのオフ温度Toff並びにオン温度Tonを予め設定しておき、その都度入力したエバ後空気温Teに応じて(ステップS0201)、
(1)エバ後空気温Teがオフ温度Toff未満であれば(ステップS0202)エアコン(クラッチ)をOFFとする(ステップS0203)。
(2)エバ後空気温Teがオン温度Ton以上であれば(ステップS0204)エアコン(クラッチ)をONとする(ステップS0205)。
(3)それ以外ではON若しくはOFFの状態を維持する。
といった制御が行われる。
【0087】
図8に、この発明にかかる排気浄化装置の第2の実施形態として、エアコンのこうしたON/OFF制御に対応して同エアコンの稼働を制限することのできる装置についてその一例を示す。
【0088】
なお、この第2の実施形態にかかる装置にあっても、その基本的な装置構成は図1に示したものと同様であり、またそのエンジン制御装置70によるエンジン10の空燃比フィーバック制御も図2に示したルーチンに従って同様に実行される。そして、この図8に示すルーチンは、同図2に示されるルーチンのエアコン制御にかかる処理(ステップS100)の他の処理例として、エンジン制御装置70によって実行される。
【0089】
以下、この第2の実施形態にかかる装置において実行されるエアコン制御について、図8に基づき詳述する。このエアコン制御にかかる処理も、上記エンジン制御装置70による例えば128ms毎のタイマ割り込みによって実行されるものとする。
【0090】
さて、図8に示すエアコン制御にかかる処理ルーチンにおいて、エンジン制御装置70はまず、ステップS1201にて、エアコン制御装置80からのエアコンスイッチON/OFF情報をエアコン要求として取り込む。このエアコンスイッチON/OFF情報が「OFF」を示すものであった場合には、後述のカウンタCACDをクリアして(ステップS1212)当該処理を終了することは先の第1の実施形態の装置と同様である。
【0091】
一方、このエアコンスイッチON/OFF情報が「ON」を示すものであった場合、エンジン制御装置70は、以下の手順で、該エアコン制御にかかる処理を開始する。
【0092】
同処理にあたり、エンジン制御装置70はまず、ステップS1202にて、エアコン制御装置80からエアコン必要度合いNDACを入力する。このエアコン必要度合いNDACは前述のように、エアコン制御装置80において、例えば先の図4に示される態様で算出される、その都度の空調の必要度合いを数値換算した情報である。
【0093】
こうしてエアコン必要度合いNDACを入力したエンジン制御装置70は次に、ステップS1203にて、該入力したエアコン必要度合いNDACに応じた制限値(遅延値)KDLYを算出する。この制限値(遅延値)KDLYは、例えば図9に示される態様でマップ演算される。ここでは、エアコン50の上記ON/OFF制御に対応して、そのONタイミングを遅延させる時間(sec)を上記エアコン必要度合いNDACに反比例するかたちで算出する。
【0094】
こうして制限値(遅延値)KDLYを算出したエンジン制御装置70は、次のステップS1204にて、エバ後温度センサ62から上記エバ後空気温Teを入力した後、ステップS1205にて、該入力したエバ後空気温Teが予め設定されているオフ温度Toff(図7参照)以上か否かを判断する。そしてここで、エバ後空気温Teがオフ温度Toff未満である旨判断される場合には、ステップS1206にてクラッチ40をOFFとする。
【0095】
他方、ステップS1205においてエバ後空気温Teがオフ温度Toff以上である旨判断される場合には、更にステップS1207にて、エバ後空気温Teがこれも予め設定されているオン温度Ton(図7参照)未満か否かを判断する。そして、エバ後空気温Teがこのオン温度Ton以上である旨判断される場合には、
(1)遅延時間計時用のカウンタであるカウンタCACDをインクリメントする(ステップS1208)。
(2)このインクリメントされたカウンタCACDの値と上記算出した制限値(遅延値)KDLYとを比較し(ステップS1209)、カウンタCACDの値が制限値(遅延値)KDLYを超えるまではクラッチ40をOFF状態に保持する(ONさせない)。
(3)カウンタCACDの値が制限値(遅延値)KDLYを超えたところでクラッチ40をONせしめ(ステップS1210)、上記カウンタCACDの値をクリアする(ステップS1211)。
といった処理を同ルーチンを通じて実行する。
【0096】
エンジン制御装置70においてこのようなエアコン制御が行われることにより、エアコン50のONタイミングのみがその必要度合いNDACに応じた時間だけ遅延されることとなる。したがって、該必要度合いNDACが小さい場合には、エアコン50の併用に伴うエンジン負荷の増大はこの場合も好適に抑制されるようになる。
【0097】
なお、図8においては便宜上、エンジン10側の条件については割愛したが、同第2の実施形態にかかる装置にあっても、先の第1の実施形態の装置と同様、エンジン10が加速運転若しくは高負荷運転にあるときにのみ、エアコン50(クラッチ40)のONタイミングについてのこうした遅延制御が行われる構成とすることができる。
【0098】
(第3実施形態)
エアコンのエバ後空気温Teに応じたON/OFF制御においては上述のように、そのオン温度Ton及びオフ温度Toffの設定によってエアコンのON/OFF態様が決定される。このため、これらオン温度Ton及びオフ温度Toffを上記エアコン必要度合いNDACに応じて積極的に可変設定することでも、そのONタイミングを遅延させるなど、同エアコンの稼働を制限することができるようになる。
【0099】
図11に、この発明にかかる排気浄化装置の第3の実施形態として、上記オン温度Ton及びオフ温度Toffをエアコン必要度合いNDACに応じて可変設定することでエアコンの稼働を制限する装置についてその一例を示す。
【0100】
なお、同図11に示すルーチンも、上記第2の実施形態の装置と同様、先の図2に示されるルーチンのエアコン制御にかかる処理(ステップS100)の他の処理例として、エンジン制御装置70によって実行される。
【0101】
以下、この第3の実施形態にかかる装置において実行されるエアコン制御について、図11に基づき詳述する。このエアコン制御にかかる処理も、上記エンジン制御装置70による例えば128ms毎のタイマ割り込みによって実行されるものとする。
【0102】
さて、図11に示すエアコン制御にかかる処理ルーチンにおいて、エンジン制御装置70はまず、ステップS1301にて、エアコン制御装置80からのエアコンスイッチON/OFF情報をエアコン要求として取り込む。このエアコンスイッチON/OFF情報が「OFF」を示すものであった場合には、そのまま当該処理を終了する。
【0103】
一方、このエアコンスイッチON/OFF情報が「ON」を示すものであった場合、エンジン制御装置70は、以下の手順で、該エアコン制御にかかる処理を開始する。
【0104】
同処理にあたり、エンジン制御装置70はまず、ステップS1302にて、これまで同様、エアコン制御装置80から前記エアコン必要度合いNDACを入力する。
【0105】
こうしてエアコン必要度合いNDACを入力したエンジン制御装置70は次に、ステップS1303にて、該入力したエアコン必要度合いNDACに応じたオン温度Ton及びオフ温度Toffを算出する。これらオン温度Ton及びオフ温度Toffは、例えば図10(a)及び(b)に示される態様でマップ演算される。すなわちここでは、オン温度Ton及びオフ温度Toff共に、それぞれ先の図7の如く設定される温度を基準として、エアコン必要度合いNDACが大きいほど低く、且つエアコン必要度合いNDACが小さいほど高くなるよう設定して、
(A)エアコン必要度合いNDACが大きいほど、エアコン50(クラッチ40)がONされ易い。
(B)エアコン必要度合いNDACが小さいほど、エアコン50(クラッチ40)がONされ難い(若しくはONタイミングが遅延される)。
といったON/OFF特性を作り出すようにしている。
【0106】
こうしてオン温度Ton及びオフ温度Toffを算出したエンジン制御装置70は、次のステップS1304にて、エバ後温度センサ62から上記エバ後空気温Teを入力した後、ステップS1305にて、該入力したエバ後空気温Teが上記算出したオフ温度Toff以上か否かを判断する。そしてここで、エバ後空気温Teがオフ温度Toff未満である旨判断される場合には、ステップS1306にてクラッチ40をOFFとする。
【0107】
他方、ステップS1305においてエバ後空気温Teがオフ温度Toff以上である旨判断される場合には、更にステップS1307にて、エバ後空気温Teが上記算出したオン温度Ton未満か否かを判断する。そして、エバ後空気温Teがこのオン温度Ton以上である旨判断される場合には、ステップS1308にてクラッチ40をONとする。
【0108】
エンジン制御装置70においてこのようなエアコン制御が行われることにより、エアコン必要度合いNDACに応じて上記(A)及び(B)のようなエアコンON/OFF特性が実現されることとなる。そして、該必要度合いNDACが小さい場合には、エアコン50の併用に伴うエンジン負荷の増大はこの場合も好適に抑制されるようになる。
【0109】
なお、同第3の実施形態にかかる装置にあっても、エンジン10が加速運転若しくは高負荷運転にあるときにのみ、こうしてエアコン必要度合いNDACに応じて算出されるオン温度Ton及びオフ温度Toffを用いる構成とすることができる。
【0110】
(第4実施形態)
ところで、エアコンを構成する前記コンプレッサとしては、いわゆる可変容量式のものも多い。そして、このような可変容量式コンプレッサを採用したエアコンにあっては通常、図12及び図13に示されるように、上記エバ後空気温Teに応じてその容量のアップ/ダウンが自動制御されることとなる。
【0111】
すなわち、上記エバ後空気温Teに応じたコンプレッサの容量ダウン温度Tdown並びに容量アップ温度Tupを予め設定しておき、その都度入力したエバ後空気温Teに応じて(ステップS0401)、
(1)エバ後空気温Teが容量ダウン温度Tdown未満であれば(ステップS0402)コンプレッサ容量をダウン制御する(ステップS0403)。
(2)エバ後空気温Teが容量アップ温度Tup以上であれば(ステップS0404)コンプレッサ容量をアップ制御する(ステップS0405)。
(3)それ以外では容量アップ若しくはダウンの状態を維持する。
といった制御が行われる。なお、図13に破線にて併せ示すように、上記エバ後空気温Teが更に低下して、前記オフ温度Toff未満となった場合には、エアコンの稼働(クラッチ)をOFFとする制御が併せ行われることもある。
【0112】
図14に、この発明にかかる排気浄化装置の第4の実施形態として、こうした可変容量式コンプレッサを採用したエアコンに対応して同エアコンの稼働を制限することのできる装置についてその一例を示す。
【0113】
なお、この第4の実施形態にかかる装置にあっても、その基本的な装置構成は図1に示したものと同様である。ただし、コンプレッサ51はここでは可変容量式のものであり、同図1に破線にて付記するように、エンジン制御装置70からの容量制御指令に基づきエアコン制御装置80からソレノイド51aに対し適宜の電気信号が付与されることによって図示しない斜板が変位し、その圧縮容量が変化する周知の構造となっている。
【0114】
また、エンジン制御装置70によるエンジン10の空燃比フィーバック制御も図2に示したルーチンに従って同様に実行される。そして、この図14に示すルーチンも、同図2に示されるルーチンのエアコン制御にかかる処理(ステップS100)の他の処理例として、エンジン制御装置70によって実行される。
【0115】
以下、この第4の実施形態にかかる装置において実行されるエアコン制御について、図14に基づき詳述する。このエアコン制御にかかる処理も、上記エンジン制御装置70による例えば128ms毎のタイマ割り込みによって実行されるものとする。
【0116】
さて、図14に示すエアコン制御にかかる処理ルーチンにおいて、エンジン制御装置70はまず、ステップS1401にて、エアコン制御装置80からのエアコンスイッチON/OFF情報をエアコン要求として取り込む。このエアコンスイッチON/OFF情報が「OFF」を示すものであった場合には、カウンタCACDをクリアして(ステップS1412)当該処理を終了することは先の第1或いは第2の実施形態の装置と同様である。
【0117】
一方、このエアコンスイッチON/OFF情報が「ON」を示すものであった場合、エンジン制御装置70は、以下の手順で、該エアコン制御にかかる処理を開始する。
【0118】
同処理にあたり、エンジン制御装置70はまず、ステップS1402にて、これまで同様、エアコン制御装置80から前記エアコン必要度合いNDACを入力する。
【0119】
こうしてエアコン必要度合いNDACを入力したエンジン制御装置70は次に、ステップS1403にて、該入力したエアコン必要度合いNDACに応じた制限値(遅延値)KDLYupを算出する。この制限値(遅延値)KDLYupも先の第2の実施形態での制限値(遅延値)KDLYと同様、例えば図9に示される態様でマップ演算される。すなわち、コンプレッサ51の上述した容量制御に対応して、その容量アップタイミングを遅延させる時間(sec)を上記エアコン必要度合いNDACに反比例するかたちで算出する。
【0120】
こうして制限値(遅延値)KDLYupを算出したエンジン制御装置70は、次のステップS1404にて、エバ後温度センサ62から上記エバ後空気温Teを入力した後、ステップS1405にて、該入力したエバ後空気温Teが予め設定されている容量ダウン温度Tdown(図13参照)以上か否かを判断する。そしてここで、エバ後空気温Teが容量ダウン温度Tdown未満である旨判断される場合には、ステップS1406にて、上記コンプレッサ51の容量をダウンさせる旨の指令をエアコン制御装置80に対して出力する。
【0121】
他方、ステップS1405においてエバ後空気温Teが容量ダウン温度Tdown以上である旨判断される場合には、更にステップS1407にて、エバ後空気温Teがこれも予め設定されている容量アップ温度Tup(図13参照)未満か否かを判断する。そして、エバ後空気温Teがこの容量アップ温度Tup以上である旨判断される場合には、
(1)遅延時間計時用のカウンタであるカウンタCACDをインクリメントする(ステップS1408)。
(2)このインクリメントされたカウンタCACDの値と上記算出した制限値(遅延値)KDLYupとを比較し(ステップS1409)、カウンタCACDの値が制限値(遅延値)KDLYupを超えるまではコンプレッサ51の容量をそれまでの容量に保持する(アップさせない)。
(3)カウンタCACDの値が制限値(遅延値)KDLYupを超えたところで上記コンプレッサ51の容量をアップさせる旨の指令をエアコン制御装置80に対して出力し(ステップS1410)、上記カウンタCACDの値をクリアする(ステップS1411)。
といった処理を同ルーチンを通じて実行する。
【0122】
エンジン制御装置70においてこのようなエアコン制御が行われることにより、コンプレッサ51の容量アップタイミングのみがエアコン必要度合いNDACに応じた時間だけ遅延されることとなる。したがってこの場合も、該必要度合いNDACが小さい場合には、エアコン50の併用に伴うエンジン負荷の増大は好適に抑制されるようになる。
【0123】
なお、図14においても便宜上、エンジン10側の条件については割愛したが、同第4の実施形態にかかる装置にあっても、先の第1の実施形態の装置と同様、エンジン10が加速運転若しくは高負荷運転にあるときにのみ、コンプレッサ51の容量アップタイミングについてのこうした遅延制御が行われる構成とすることができる。
【0124】
また、先の図13に破線にて付記した制御に対応すべく、上記エバ後空気温Teが更に低下して前記オフ温度Toff未満となった場合には、エアコン50の稼働(クラッチ40)をOFFとする制御を併せ行うようにしてもよい。
【0125】
また、先の第3の実施形態にかかる装置に準じて、容量アップ温度Tup及びダウン温度Tdownをエアコン必要度合いNDACに応じて別途算出する構成とすることもできる。
【0126】
また、同第4の実施形態にかかる装置も含め、先の第2或いは第3の実施形態にてクラッチ40のON/OFF或いはコンプレッサ51の容量制御の目安としたエバ後空気温Teは、エバ後冷媒温度等によって代用することもできる。
【0127】
ところで、上記第1〜第4の実施形態においては何れも、エアコン必要度合いNDACを、当該車両の車室内温度Taとその予設定温度Tbとの差分ΔTに基づき、図4に示される態様で算出するとした。
【0128】
しかし、このエアコン必要度合いNDACの算出手法も任意であり、他に例えば図15に例示する態様で、同エアコン必要度合いNDACを算出する構成とすることもできる。
【0129】
すなわち、車室外温度Tout、車室内温度Ta、エバ後空気温Te、日射量S、必要吹出温度、エバポレータ風量、コンプレッサ吐出圧、コンプレッサ吸入圧、エバ後スーパーヒート、及びコンプレッサ稼働率等々は、それら値が高い若しくは大きいほど、エアコン必要度合いNDACも大きいとみなすことができる。そこで、図15(a)に示すように、それら値の少なくとも1つに比例した値として同エアコン必要度合いNDACを算出する構成とすることができる。
【0130】
他方、エンジン回転数Ne(≒コンプレッサ回転数Nc)、コンデンサ風量、車速、及びエバポレータフロスト量等々は、それら値が高い若しくは大きいほど、エアコン必要度合いNDACは小さいとみなすことができる。そこで、図15(b)に示すように、それら値の少なくとも1つに反比例した値として同エアコン必要度合いNDACを算出する構成とすることもできる。
【0131】
これら何れの構成であれ、当該車両のその都度の物理条件に応じた空調の必要度合い、すなわちエアコン必要度合いNDACについてこれを適切に指示することができるようになる。
【0132】
また更には、該エアコン必要度合いNDACそのものを、エンジン10側での要求、すなわち加速度合いや高負荷度合い等を加味した値として算出するようにしてもよい。
【0133】
(第5実施形態)
前述したように、エアコンがON/OFFすると、エンジンの負荷が変動し、その制御される空燃比にも乱れが生じる。そして、こうして空燃比に乱れが生じることで、前記触媒コンバータによる排気浄化作用も低下する。
【0134】
そこで図16に、この発明にかかる排気浄化装置の第5の実施形態として、上記エアコンのON/OFFに伴う空燃比の乱れを吸収することのできる装置についてその一例を示す。
なお、この第5の実施形態にかかる装置にあっても、その基本的な装置構成は図1に示したものと同様であり、またそのエンジン制御装置70によるエンジン10の空燃比フィーバック制御も図2に示したルーチンに従って同様に実行される。そして、この図16に示すルーチンも、同図2に示されるルーチンのエアコン制御にかかる処理(ステップS100)の他の処理例として、エンジン制御装置70によって実行される。
【0135】
以下、この第5の実施形態にかかる装置において実行されるエアコン制御について、図16に基づき詳述する。なお、この図16に示すエアコン制御にかかる処理は、先の図2に示される空燃比フィードバック制御ルーチンの実行周期毎に同エンジン制御装置70によって実行されるものとする。
【0136】
さて、図16に示すエアコン制御にかかる処理ルーチンにおいて、エンジン制御装置70は、ステップS1501及びステップS1504にて、前記エアコン制御装置80からのエアコン要求としてエアコン50の「OFFからONへ」、或いは「ONからOFFへ」の切り換え要求があるか否かを判断する。これら何れの切り換え要求もない旨判断される場合には、ステップS1508の後述するFAC減衰処理を経て当該ルーチンをそのまま抜ける。
【0137】
上記ステップS1501において、エアコン50の「OFFからONへ」の切り換え要求が出されている旨判断される場合、エンジン制御装置70は、ステップS1502にて、エアコン稼働フラグXACINを「1」にセットし、ステップS1503にて、その時点で検出されるエンジン回転数Ne及び吸気圧PMに応じた燃料量見込み補正係数FACを算出する。同補正係数FACはこの場合、図17(a)に示される態様で「0≦FAC<1」の値がマップ演算される。
【0138】
他方、上記ステップS1504において、エアコン50の「ONからOFFへ」の切り換え要求が出されている旨判断される場合、エンジン制御装置70は、ステップS1505にて、エアコン非稼働フラグXACDECを「1」にセットし、ステップS1506にて、その時点で検出されるエンジン回転数Ne及び吸気圧PMに応じた燃料量見込み補正係数FACを算出する。同補正係数FACはこの場合、図17(b)に示される態様で「−1<FAC≦0」の値がマップ演算される。
【0139】
なお、こうして燃料補正係数FACを算出したエンジン制御装置70では、先の最終的な燃料噴射量TAUの設定(図2ステップS600参照)に際し、前記基本燃料噴射量TP並びに空燃比補正係数FAFをもとに、
TAU=TP×(1+FAC)×FAF×FALL …(2)
といった演算を実行することとなる。
【0140】
このように、エアコン50の「OFFからONへ」、或いは「ONからOFFへ」の切り換え要求があった場合、エンジン制御装置70はまず、これら燃料量見込み補正係数FACを求める。そしてその後のステップS1507にて、それら要求に応じた切り換え許可を出す。
【0141】
同ルーチン最後のステップS1508にかかるFAC減衰処理は、上記見込み補正した燃料量を元に戻すための処理であり、例えば図18に示す態様で実行される。
【0142】
すなわち、この図18に示されるFAC減衰処理において、エンジン制御装置70は、ステップS811にて、エアコン50のON/OFF後(切り換え許可後)所定時間経過したか否かを監視し、未だ同時間に達していない旨、若しくは上記フラグXACIN及びXACDECの何れも「1」にセットされていない旨判断される場合には、そのまま同ルーチンを抜ける。
【0143】
他方、上記時間の経過後、上記エアコン稼働フラグXACINが「1」にセットされていた場合には(ステップS812)、ステップS813にて、徐変定数αをもとに、
FAC=FAC−α …(3)
といった補正係数FACの減衰演算を実行し、上記エアコン非稼働フラグXACDECが「1」にセットされていた場合には(ステップS814)、ステップS815にて、徐変定数βをもとに、
FAC=FAC+β …(4)
といった補正係数FACの減衰演算を実行する。
【0144】
そして、それら補正係数FACが「0」となったとき(ステップS816)、ステップS817にて、上記フラグXACIN及びXACDECを共に「0」にセット(クリア)する。
【0145】
図19に、こうした第5の実施形態にかかる装置による空燃比A/Fの補正態様を参考までに示す。
通常、エアコン50のONに伴ってこれが非稼働状態から稼働状態へ切り換わるときには、エンジン負荷の増大を招きその空燃比は、図19(d)に破線Bにて示されるようにリーン気味となる。他方、エアコン50のOFFに伴ってこれが稼働状態から非稼働状態へ切り換わるときには、エンジン負荷の減少を招きその空燃比は、同図19(d)に破線Cにて示されるようにリッチ気味となる。
【0146】
そこで同第5の実施形態にかかる装置では、図19(a)〜(c)に示されるように、エアコン50がON/OFFするタイミング(t2或いはt4)の直前(t1或いはt3)に、空燃比のこれら傾向を是正する方向で、上記燃料量見込み補正係数FACに基づく燃料量補正を行うようにしている。これにより空燃比A/Fは、図19(d)にそれぞれ実線Aにて示される態様で、その乱れが好適に補正されるようになる。
【0147】
また、同第5の実施形態にかかる装置では、上記見込み補正した燃料量を元に戻すFAC減衰処理として、図18に例示したような徐変処理を採用していることから、上記補正実行後の空燃比の乱れも最小限に抑制されるようになる。
【0148】
なお、同FAC減衰処理としては他にも、例えば図20に例示する処理、或いは図21に例示する処理なども適宜採用することができる。
因みに、図20に例示する処理においては、ステップS821にて、エアコン50のON/OFF後(切り換え許可後)所定時間経過したか否かを監視し、同時間を経過した旨判断される場合には、ステップS822にて、上記補正係数FACを一気に「0」に戻すようにしている。また、これに併せて、上記フラグXACIN及びXACDECも「0」にセット(クリア)される。
【0149】
一方、図21に例示する処理においては、ステップS831にて、吸気圧PMの変化ΔPMを算出するとともに、上記エアコン稼働フラグXACINが「1」にセットされていた場合には(ステップS832)、ステップS833にて、該算出した吸気圧変化ΔPMをもとに、
FAC=FAC×ΔPM …(5)
といった補正係数FACの修正を行い、上記エアコン非稼働フラグXACDECが「1」にセットされていた場合には(ステップS834)、ステップS835にて、同じく算出した吸気圧変化ΔPMをもとに、
FAC=FAC×ΔPM …(6)
といった補正係数FACの修正を行う。
【0150】
そして、それら補正係数FACが「0」付近となったとき(ステップS836)、ステップS837にて、上記フラグXACIN及びXACDECを共に「0」にセット(クリア)する。
【0151】
このようなFAC減衰処理によれば、エンジン10のその都度の負荷変化に応じて迅速に、上記見込み補正後の空燃比の乱れを収束させることができるようになる。なお、上記吸気圧変化ΔPMは、前回検出された吸気圧PMの値と今回検出された吸気圧PMの値の差分として求めることができる。
【0152】
ところで、同実施形態では便宜上、エアコン50(クラッチ40)のON/OFFタイミングのみを対象として、上記燃料量の見込み補正を行うとした。しかし、同エアコン50に前記可変容量式のコンプレッサが採用される場合には、その容量切り換えタイミングにおいても、上記に準じた空燃比の乱れが生じるものであり、そのような場合には、こうした容量切り換えに伴う空燃比の乱れを吸収する装置として同装置を構成することもできる。
【0153】
一方、こうした第5の実施形態の装置は、先の第1〜第4の実施形態にかかる装置と組み合わせることもでき、また、こうした組合せによって、エアコン50の併用に伴うエンジン負荷の増大、並びに負荷変動に起因する空燃比の乱れの何れにも対処することができるようになる。
【0154】
(第6実施形態)
エアコンがON/OFFすると、エンジンの負荷が変動し、その制御される空燃比にも乱れが生じることは上述の通りである。そしてこのため、もしも空燃比に乱れが生じているときにエアコンがON/OFFされるようなことがあると、こうした空燃比の乱れが増長されることともなりかねない。
【0155】
そこで図22に、この発明にかかる排気浄化装置の第6の実施形態として、上記空燃比に乱れが生じているときには、エアコンのON/OFFを一時的に禁止することのできる装置についてその一例を示す。
【0156】
なお、この第6の実施形態にかかる装置にあっても、その基本的な装置構成は図1に示したものと同様であり、またそのエンジン制御装置70によるエンジン10の空燃比フィーバック制御も図2に示したルーチンに従って同様に実行される。そして、この図22に示すルーチンも、同図2に示されるルーチンのエアコン制御にかかる処理(ステップS100)の他の処理例として、エンジン制御装置70によって実行される。
【0157】
以下、この第6の実施形態にかかる装置において実行されるエアコン制御について、図22に基づき詳述する。なお、この図22に示すエアコン制御にかかる処理は、上記エンジン制御装置70による例えば128ms毎のタイマ割り込みによって実行されるものとする。
【0158】
さて、図22に示すエアコン制御にかかる処理ルーチンにおいて、エンジン制御装置70はまず、ステップS1601にて、前記空燃比センサ32の出力に基づきそのときの空燃比A/Fを検出する。
【0159】
そして、次のステップS1602にて、この検出される空燃比A/Fが乱れのない所定の範囲に収まっているか否かを判断し、該所定の範囲に収まっている旨判断される場合には、ステップS1603にて、空燃比安定時間を計測するためのカウンタCAFINをインクリメントする。他方、同ステップS1602において、上記空燃比A/Fの乱れが認められる場合には、ステップS1604にて、このカウンタCAFINの値を「0」にクリアする。
【0160】
その後、エンジン制御装置70では、ステップS1605にて、前記エアコン制御装置80からのエアコン要求としてエアコン50の「OFFからONへ」、或いは「ONからOFFへ」の切り換え要求があるか否かを判断する。そして、これら何れの切り換え要求もない場合にはそのまま当該ルーチンを抜けるが、同ステップS1605において、上記切り換え要求がある旨判断される場合には、ステップS1606にて、上記カウンタCAFINの値と同値についての空燃比安定状態を示す閾値KCAFINとを比較し、
(1)カウンタCAFINの値が上記閾値KCAFINを超えていれば、上記要求に応じたエアコン50(クラッチ40)のON/OFFを許可する(ステップS1607)。そして、以下に説明するカウンタCACALの値を「0」にクリアする(ステップS1608)。
(2)カウンタCAFINの値が上記閾値KCAFINに達していなければ、上記要求を保留して、エアコン50(クラッチ40)のその時点での状態を維持せしめる(ステップS1609)。
(3)ただしこの場合には、該要求を保留した場合の限界時間を計時するためのカウンタCACALの値をインクリメントし(ステップS1610)、この値が同限界時間を示す閾値KCACALを超えたところで(ステップS1611)、当該ON/OFF要求を許可する(ステップS1607)。
といった処理を実行する。
【0161】
同第6の実施形態にかかる装置を通じてこうした処理が行われることにより、空燃比A/Fに乱れが生じているとき、その乱れがエアコンの状態変化によって更に増長されるようなことは未然に防止されるようになる。
【0162】
なお、図22の制御ルーチンにおいて、エアコン制御装置80からの切り換え要求を保留する際に上記(3)の処理を実行するとしているのは、エアコン50側の要求が全く受け付けられなくなるといった事態を防ぐための配慮である。例えば、エアコン50の非稼働状態から稼働状態への切り換え要求があったにも拘わらず、上記空燃比の乱れを理由にこれが延々と禁止される場合には、過度の温度上昇によって、エンジン10自身が逆に好ましくない事態に陥ることにもなりかねない。
【0163】
ところで、同第6の実施形態の装置でも便宜上、エアコン50(クラッチ40)のON/OFFタイミングのみを対象として、空燃比が乱れているとき、それら切り換えを禁止することとした。しかし、同エアコン50に前記可変容量式のコンプレッサが採用される場合には、その容量切り換えタイミングにおいても、上記に準じた空燃比の乱れが生じるものであり、そのような場合には、こうした容量切り換えを所定期間禁止する装置として同装置を構成することもできる。
【0164】
また、こうした第6の実施形態の装置も、先の第1〜第4の実施形態にかかる装置と組み合わせることができ、また、こうした組合せによって、エアコン50の併用に伴うエンジン負荷の増大、並びに負荷変動に起因する空燃比の乱れの何れにも対処することができるようになる。
【0165】
(第7実施形態)
前述したように、エアコンがON/OFFすると、エンジンの負荷が変動し、その制御される空燃比にも乱れが生じる。ただし、上記第5の実施形態の装置に関して上述したように、エアコンがON/OFFするときの空燃比の乱れ方には一定の法則性が存在する。
【0166】
そこで図23に、この発明にかかる排気浄化装置の第7の実施形態として、空燃比の挙動に合わせて積極的にエアコンのON/OFFを制御することによって同空燃比の乱れを吸収する装置についてその一例を示す。
【0167】
なお、この第7の実施形態にかかる装置にあっても、その基本的な装置構成は図1に示したものと同様であり、またそのエンジン制御装置70によるエンジン10の空燃比フィーバック制御も図2に示したルーチンに従って同様に実行される。そして、この図23に示すルーチンも、同図2に示されるルーチンのエアコン制御にかかる処理(ステップS100)の他の処理例として、エンジン制御装置70によって実行される。
【0168】
以下、この第7の実施形態にかかる装置において実行されるエアコン制御について、図23に基づき詳述する。なお、この図23に示すエアコン制御にかかる処理は、先の図2に示される空燃比フィードバック制御ルーチンの実行周期毎に同エンジン制御装置70によって実行されるものとする。
【0169】
さて、図23に示すエアコン制御にかかる処理ルーチンにおいて、エンジン制御装置70はまず、ステップS1701にて、前記空燃比センサ32の出力に基づきそのときの空燃比A/Fを検出する。
【0170】
こうして空燃比A/Fを検出したエンジン制御装置70は次に、ステップS1702にて、閾値KAFHとの比較のも
とに、この検出した空燃比A/Fがリーン側に過大な値でないか否かを判断する。
【0171】
そして、この検出した空燃比A/Fがリーン側に過大な値である旨判断される場合には、その時点でクラッチ40がONとなっていることを条件に(ステップS1703)、クラッチ40をOFFとする(ステップS1704)。
【0172】
こうしたクラッチ40すなわちエアコン50のOFFによって空燃比がリッチ気味となることは前述した通りである。すなわち、こうしたエアコン50の強制切り換えによって、リーン側に乱れていた空燃比A/Fは好適に是正されるようになる。
【0173】
一方、上記空燃比A/Fを検出したエンジン制御装置70は、ステップS1705では、閾値KAFLとの比較のもとに、同検出した空燃比A/Fがリッチ側に過大な値でないか否かを判断する。
【0174】
そして、上記検出した空燃比A/Fがリッチ側に過大な値である旨判断される場合には、その時点でクラッチ40がOFFとなっていることを条件に(ステップS1706)、クラッチ40をONとする(ステップS1707)。
【0175】
こうしたクラッチ40すなわちエアコン50のONによって空燃比がリーン気味となることも前述した通りである。すなわち、こうしたエアコン50の強制切り換えによって、リッチ側に乱れていた空燃比A/Fは好適に是正されるようになる。
【0176】
このように、同第7の実施形態にかかる装置によれば、前述したエアコン50のON/OFFに伴う空燃比の乱れを逆に利用して、空燃比A/Fの乱れを抑制することができるようになる。
【0177】
ところで、同第7の実施形態の装置でも便宜上、エアコン50(クラッチ40)のON/OFFのみを利用して、空燃比の乱れを抑制することとした。しかし、同エアコン50に前記可変容量式のコンプレッサが採用される場合には、その容量の切り換えによっても、上記に準じた空燃比の乱れが生じるものであり、そのような場合には、こうした容量の切り換えを利用して空燃比の乱れを抑制する装置として同装置を構成することもできる。
【0178】
また、こうした第7の実施形態の装置も、先の第1〜第4の実施形態にかかる装置と組み合わせることができ、また、こうした組合せによって、エアコン50の併用に伴うエンジン負荷の増大並びに空燃比の乱れの何れにも対処することができるようになる。
【0179】
(第8実施形態)
先の図2に示した空燃比のフィードバック制御にあっては通常、そのフィードバックゲイン(F/Bゲイン)が大きな値に設定されるほど、系の応答性は向上する。一方、同フィードバックゲインが小さな値に設定される場合には、系の安定性が向上する。したがって、エアコンのON/OFFに伴って空燃比に乱れが生じる場合であれ、そのときのフィードバックゲインを大きな値に設定すれば、こうした空燃比の乱れも早急に抑制されることとなる。
【0180】
図24に、この発明にかかる排気浄化装置の第8の実施形態として、こうした原理に基づいてエアコンのON/OFFに伴う空燃比の乱れを抑制する装置についてその一例を示す。
【0181】
なお、この第8の実施形態にかかる装置にあっても、その基本的な装置構成は図1に示したものと同様であり、またそのエンジン制御装置70によるエンジン10の空燃比フィーバック制御も図2に示したルーチンに従って同様に実行される。そして、この図24に示すルーチンも、同図2に示されるルーチンのエアコン制御にかかる処理(ステップS100)の他の処理例として、エンジン制御装置70によって実行される。
【0182】
以下、この第8の実施形態にかかる装置において実行されるエアコン制御について、図24に基づき詳述する。なお、この図24に示すエアコン制御にかかる処理も、先の図2に示される空燃比フィードバック制御ルーチンの実行周期毎に同エンジン制御装置70によって実行されるものとする。
【0183】
さて、図24に示すエアコン制御にかかる処理ルーチンにおいて、エンジン制御装置70はまず、ステップS1801にて、前記エアコン制御装置80からのエアコン要求としてエアコン50の「OFFからONへ」、或いは「ONからOFFへ」の切り換え要求があるか否かを判断する。
【0184】
そして、これら何れかの切り換え要求がある場合、エンジン制御装置70は、ステップS1802にて、前記空燃比のフィードバック制御系におけるフィードバックゲイン(F/Bゲイン)をより大きな値に設定し、その後のステップS1803にて、それら要求に応じた切り換え許可を出す。
【0185】
こうしたフィードバックゲインの設定によって、上記フィードバック制御系の応答性が向上されるようになることは上述した通りであり、エアコン50のその後の状態切り換えによって空燃比に乱れが生じても、該乱れは早急に抑制されるようになる。
【0186】
一方、上記何れの切り換え要求もなかった場合、エンジン制御装置70は、ステップS1804にて、そのときのフィードバックゲインをチェックし、これが大きいままであった場合には、ステップS1805にて、上記空燃比の乱れが抑制されるであろう時間を計時するためのカウンタCFBHをインクリメントする。そして、ステップS1806にて、このインクリメントしたカウンタCFBHの値と同値についての閾値KCFBHとを比較し、カウンタCFBHの値がこの閾値KCFBHを超えたところで、上記フィードバックゲインを元の小さな値に設定し直す(ステップS1807)。こうしてフィードバックゲインの設定を戻した後は、ステップS1808にて、上記カウンタCFBHの値を「0」にクリアする。
【0187】
このようなステップS1804〜S1808にかかる処理が併せ行われることで、上記エアコン50のON/OFFに伴う空燃比の乱れ抑制後は、同フィードバック系の安定性が高められ、その後の安定した空燃比制御が保証されるようになる。
【0188】
このように、同第8の実施形態にかかる装置によっても、エアコン50のON/OFFに伴う空燃比の乱れは好適に抑制されるようになる。そしてひいては、該空燃比の乱れに起因する前記触媒コンバータ31の浄化作用の低下も好適に抑制され、エアコン50の併用に伴うエミッションの悪化も好適に防止されるようになる。
【0189】
なお、同第8の実施形態の装置でも便宜上、エアコン50(クラッチ40)のON/OFFタイミングのみを対象として、その直前にフィードバックゲインを大きな値に制御することとした。しかし前述したように、同エアコン50に前記可変容量式のコンプレッサが採用される場合には、その容量の切り換えによっても、上記に準じた空燃比の乱れは生じる。したがってそのような場合には、こうした容量の切り換え直前に上記フィードバックゲインを大きな値に制御する装置として同装置を構成することもできる。
【0190】
また、こうした第8の実施形態の装置も、先の第1〜第4の実施形態にかかる装置と組み合わせることができ、また、こうした組合せによって、エアコン50の併用に伴うエンジン負荷の増大並びに空燃比の乱れの何れにも対処することができるようになる。
【0191】
ところで、以上の第1〜第8の実施形態にあっては何れも、先の図1に示されるように、通常マイクロコンピュータによって構成されるエンジン制御装置70とエアコン制御装置80との2つの制御装置を具える構成とした。しかし、これら制御装置による上述の処理と実質的に同等の処理を行い得るものであれば、
・これら2つの制御装置を1つの制御装置として構成する。
・この発明にかかる排気浄化装置として実行されるエアコン制御のみを更に別途の制御装置を通じて行う構成とする。
等々、各種の変形が可能であることは云うまでもない。
【0192】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、自動車の運転に際しエアコンが併用される場合であっても、エアコンによる空調機能(冷却性能)を確保しつつ、機関負荷の増大を好適に抑制することができるようになる。
【0193】
またこの発明によれば、エアコンの併用に伴う空燃比の乱れについてもこれを好適に抑制することができるようになる。
そして、こうして機関負荷の増大や負荷変動に伴う空燃比の乱れが抑制されることで、エアコンの併用に伴うエミッションの悪化等も好適に抑制されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる排気浄化装置の構成例を示すブロック図。
【図2】第1の実施形態によるエンジン制御手順を示すフローチャート。
【図3】そのエアコン制御にかかる処理の詳細手順を示すフローチャート。
【図4】エアコン必要度合いの算出態様を示すグラフ(マップ)。
【図5】制限値KACTMの算出態様を示すグラフ(マップ)。
【図6】エアコンの一般的なオン/オフ制御手順を示すフローチャート。
【図7】同制御に基づくエアコンオン/オフ態様を示すタイムチャート。
【図8】第2の実施形態によるエアコン制御手順を示すフローチャート。
【図9】制限値(遅延値)KDLYの算出態様を示すグラフ(マップ)。
【図10】エアコンのオン温度Ton及びオフ温度Toffの算出態様を示すグラフ(マップ)。
【図11】第3の実施形態によるエアコン制御手順を示すフローチャート。
【図12】エアコンの一般的な容量可変制御手順を示すフローチャート。
【図13】同制御に基づくエアコン容量可変態様を示すタイムチャート。
【図14】第4の実施形態によるエアコン制御手順を示すフローチャート。
【図15】エアコン必要度合いの他の算出態様を示すグラフ(マップ)。
【図16】第5の実施形態によるエアコン制御手順を示すフローチャート。
【図17】補正係数FACの算出態様を示すグラフ(マップ)。
【図18】同実施形態のFAC減衰処理手順を示すフローチャート。
【図19】同実施形態による空燃比補正態様を示すタイムチャート。
【図20】FAC減衰処理についての他の処理手順を示すフローチャート。
【図21】FAC減衰処理についての他の処理手順を示すフローチャート。
【図22】第6の実施形態によるエアコン制御手順を示すフローチャート。
【図23】第7の実施形態によるエアコン制御手順を示すフローチャート。
【図24】第8の実施形態によるエアコン制御手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
10…エンジン、11…エンジン出力軸、12…回転数センサ、20…吸気管、21…インジェクタ、22…スロットルバルブ、23…スロットルセンサ、24…吸気圧センサ、30…排気管、31…触媒コンバータ、32…空燃比センサ、40…クラッチ(マグネットクラッチ)、50…エアコン、51…コンプレッサ、51a…ソレノイド、52…コンデンサ、52a…ファン、53…レシーバ、54…エキスパンションバルブ、55…エバポレータ、55a…ブロアモータ、61…外気温センサ、62…エバ後(エバポレータ後)温度センサ、63…車室内温度センサ、64…日射センサ、65…車速センサ、70…エンジン制御装置、80…エアコン制御装置。

Claims (13)

  1. 車載された内燃機関の排気系に設けられてその排気ガスを浄化する触媒コンバータを有し、該触媒コンバータによる排気浄化作用が適正に維持されるよう前記排気ガスの状態を制御する内燃機関の排気浄化装置において、
    前記内燃機関から動力を受けて稼働するコンプレッサを有し、該コンプレッサの稼働に基づく冷凍サイクルの実行により車室内を空調するエアコンディショナと、
    当該車両内の任意の物理条件に基づいて前記エアコンディショナによる空調の必要度合いを演算する必要度合い演算手段と、
    前記内燃機関の運転において前記触媒コンバータによる排気浄化作用が低下する排気ガス状態となることが予測されるとき、前記エアコンディショナの起動時期を前記演算された空調必要度合いに応じて遅延させることにより同エアコンディショナの稼働を制限する稼働制限手段と、
    を具えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 車載された内燃機関の排気系に設けられてその排気ガスを浄化する触媒コンバータを有し、該触媒コンバータによる排気浄化作用が適正に維持されるよう前記排気ガスの状態を制御する内燃機関の排気浄化装置において、
    前記内燃機関から動力を受けて稼働するコンプレッサを有し、該コンプレッサの稼働に基づく冷凍サイクルの実行により車室内を空調するエアコンディショナと、
    当該車両内の任意の物理条件に基づいて前記エアコンディショナによる空調の必要度合いを演算する必要度合い演算手段と、
    前記内燃機関の運転において前記触媒コンバータによる排気浄化作用が低下する排気ガス状態となることが予測されるとき、前記エアコンディショナの稼働を前記演算された空調必要度合いに応じた時間だけ休止せしめることにより同エアコンディショナの稼働を制限する稼働制限手段と、
    を具えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  3. 車載された内燃機関の排気系に設けられてその排気ガスを浄化する触媒コンバータを有し、該触媒コンバータによる排気浄化作用が適正に維持されるよう前記排気ガスの状態を制御する内燃機関の排気浄化装置において、
    前記内燃機関から動力を受けて稼働する可変容量式コンプレッサを有し、該可変容量式コンプレッサの稼働に基づく冷凍サイクルの実行により車室内を空調するエアコンディショナと、
    当該車両内の任意の物理条件に基づいて前記エアコンディショナによる空調の必要度合いを演算する必要度合い演算手段と、
    前記内燃機関の運転において前記触媒コンバータによる排気浄化作用が低下する排気ガス状態となることが予測されるとき、前記可変容量式コンプレッサの容量増加時期を前記演算された空調必要度合いに応じて遅延させることにより前記エアコンディショナの稼働を制限する稼働制限手段と、
    を具えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  4. 車載された内燃機関の排気系に設けられてその排気ガスを浄化する触媒コンバータを有し、該触媒コンバータによる排気浄化作用が適正に維持されるよう前記排気ガスの状態を制御する内燃機関の排気浄化装置において、
    前記内燃機関から動力を受けて稼働する可変容量式コンプレッサを有し、該可変容量式コンプレッサの稼働に基づく冷凍サイクルの実行により車室内を空調するエアコンディショナと、
    当該車両内の任意の物理条件に基づいて前記エアコンディショナによる空調の必要度合いを演算する必要度合い演算手段と、
    前記内燃機関の運転において前記触媒コンバータによる排気浄化作用が低下する排気ガス状態となることが予測されるとき、前記可変容量式コンプレッサの容量増加量を前記演算された空調必要度合いに応じて制限することにより前記エアコンディショナの稼働を制限する稼働制限手段と、
    を具えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  5. 前記必要度合い演算手段は、当該車両の車室内温度と車室内設定温度との差分に基づき該差分が大きいほど大きな値として前記空調の必要度合いを演算する
    請求項1〜4の何れかに記載の内燃機関の排気浄化装置。
  6. 前記必要度合い演算手段は、車室外温度、車室内温度、日射量、エバポレータ後空気温度、必要吹出温度、エバポレータ風量、コンプレッサ吐出圧、コンプレッサ吸入圧、エバポレータ後スーパーヒート、及びコンプレッサ稼働率の少なくとも1つが高い若しくは大きいほど大きな値として前記空調の必要度合いを演算する
    請求項1〜4の何れかに記載の内燃機関の排気浄化装置。
  7. 前記必要度合い演算手段は、機関回転数、コンデンサ風量、車速、及びエバポレータフロスト量の少なくとも1つが高い若しくは大きいほど小さな値として前記空調の必要度合いを演算する
    請求項1〜4の何れかに記載の内燃機関の排気浄化装置。
  8. 車載された内燃機関の排気系に設けられてその排気ガスを浄化する触媒コンバータを有し、該触媒コンバータによる排気浄化作用が適正に維持されるよう前記排気ガスの状態を制御する内燃機関の排気浄化装置において、
    前記内燃機関から動力を受けて稼働するコンプレッサを有し、該コンプレッサの稼働に基づく冷凍サイクルの実行により車室内を空調するエアコンディショナと、
    当該車両の車室内温度と車室内設定温度との差分に基づき該差分が大きいほど大きな値として空調の必要度合いを演算する必要度合い演算手段と、
    前記内燃機関の運転において前記触媒コンバータによる排気浄化作用が低下する排気ガス状態となることが予測されるとき、前記演算された空調必要度合いに応じて前記エアコンディショナの稼働を制限する稼働制限手段と、
    を具えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  9. 車載された内燃機関の排気系に設けられてその排気ガスを浄化する触媒コンバータを有し、該触媒コンバータによる排気浄化作用が適正に維持されるよう前記排気ガスの状態を制御する内燃機関の排気浄化装置において、
    前記内燃機関から動力を受けて稼働するコンプレッサを有し、該コンプレッサの稼働に基づく冷凍サイクルの実行により車室内を空調するエアコンディショナと、
    車室外温度、車室内温度、日射量、エバポレータ後空気温度、必要吹出温度、エバポレータ風量、コンプレッサ吐出圧、コンプレッサ吸入圧、エバポレータ後スーパーヒート、及びコンプレッサ稼働率の少なくとも1つが高い若しくは大きいほど大きな値として空調の必要度合いを演算する必要度合い演算手段と、
    前記内燃機関の運転において前記触媒コンバータによる排気浄化作用が低下する排気ガス状態となることが予測されるとき、前記演算された空調必要度合いに応じて前記エアコンディショナの稼働を制限する稼働制限手段と、
    を具えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  10. 車載された内燃機関の排気系に設けられてその排気ガスを浄化する触媒コンバータを有し、該触媒コンバータによる排気浄化作用が適正に維持されるよう前記排気ガスの状態を制御する内燃機関の排気浄化装置において、
    前記内燃機関から動力を受けて稼働するコンプレッサを有し、該コンプレッサの稼働に基づく冷凍サイクルの実行により車室内を空調するエアコンディショナと、
    機関回転数、コンデンサ風量、車速、及びエバポレータフロスト量の少なくとも1つが高い若しくは大きいほど小さな値として空調の必要度合いを演算する必要度合い演算手段と、
    前記内燃機関の運転において前記触媒コンバータによる排気浄化作用が低下する排気ガス状態となることが予測されるとき、前記演算された空調必要度合いに応じて前記エアコンディショナの稼働を制限する稼働制限手段と、
    を具えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  11. 車載された内燃機関の排気系に設けられてその排気ガスを浄化する触媒 コンバータを有し、該触媒コンバータによる排気浄化作用が適正に維持されるよう前記排気ガスの状態を制御する内燃機関の排気浄化装置において、
    前記内燃機関から動力を受けて稼働するコンプレッサを有し、該コンプレッサの稼働に基づく冷凍サイクルの実行により車室内を空調するエアコンディショナと、
    このエアコンディショナが非稼働状態から稼働状態へ切り換わる直前に、前記内燃機関に噴射供給する燃料量を増量補正する増量補正手段と、
    同エアコンディショナが稼働状態から非稼働状態へ切り換わる直前に、前記内燃機関に噴射供給する燃料量を減量補正する減量補正手段と、
    前記内燃機関の負荷変化を順次算出し、それら算出した負荷変化量を前記増量補正若しくは減量補正のための補正係数に乗じて前記燃料量を補正以前の元の燃料量に復帰せしめる燃料量復帰手段と、
    を具えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  12. 車載された内燃機関の排気系に設けられてその排気ガスを浄化する触媒コンバータを有し、該触媒コンバータによる排気浄化作用が適正に維持されるよう前記排気ガスの状態を制御する内燃機関の排気浄化装置において、
    前記内燃機関から動力を受けて稼働する可変容量式コンプレッサを有し、該可変容量式コンプレッサの稼働に基づく冷凍サイクルの実行により車室内を空調するエアコンディショナと、
    前記内燃機関の空燃比を検出する空燃比検出手段と、
    この検出される空燃比が所定の範囲を超えて変動しているとき、前記可変容量式コンプレッサの容量変化を所定期間禁止することにより前記エアコンディショナの状態変化を禁止する状態変化禁止手段と、
    を具えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  13. 車載された内燃機関の排気系に設けられてその排気ガスを浄化する触媒コンバータを有し、該触媒コンバータによる排気浄化作用が適正に維持されるよう前記排気ガスの状態を制御する内燃機関の排気浄化装置において、
    前記内燃機関から動力を受けて稼働するコンプレッサを有し、該コンプレッサの稼働に基づく冷凍サイクルの実行により車室内を空調するエアコンディショナと、
    前記内燃機関の空燃比を検出する空燃比検出手段と、
    この検出される空燃比がリーン側に大きくずれているとき、前記エアコンディショナが稼働状態にあることを条件にこれを非稼働状態とする第1の強制切り換え手段と、
    同検出される空燃比がリッチ側に大きくずれているとき、前記エアコンディショナが非稼働状態にあることを条件にこれを稼働状態とする第2の強制切り換え手段と、
    を具えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
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