JP3655501B2 - 情報検索方法、情報検索装置及び記録媒体 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、プラントなどの設備の監視、操作、運用、保守に関わる文書データと設備等から直接得られるリアルタイムデータとを管理し利用するための情報装置において、データを効率的に検索するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、人が日常的に使うような自然言語の質問を解釈し、ユーザの意図にあった情報を検索して呈示するための技術が開発されてきた。
【0003】
特に、文書検索の分野では、検索条件であるユーザの質問と、検索対象である文書が、ともに自然言語で記述されていることから、両者に含まれる語の重複や、表現の類似性、語の統計的・意味的な関連が、比較的導き易く、実用的な自然言語検索インタフェースが実現されている(例えば、「文書情報検索装置(特開平7−192020)」)。
【0004】
また、リレーショナル・データベースを自然言語で検索するインタフェースも開発されている(例えば、「データベース自然言語インタフェース装置および方法(特開平9−44508)」)。これは、データベースの構造と自然言語の表現との関連を記述した知識を用いて、ユーザの質問文をSQL等のデータベース検索言語に変換し、検索を行うものである。
【0005】
一方、ユーザの明示的な質問だけでなく、ユーザの質問時やデータの登録時における環境情報を検索条件として用いて、検索を行う方法も開発されている。例えば「検索装置(特開平7−141389)」は、文書検索の際に、その文書を作成・検索した場所や時刻、文書を利用した人の当時の業務スケジュールなどの情報を利用して、ユーザが明示的な質問をシステムに与えることができない場合にも、検索を可能にする方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、文書検索や、構造と内容が比較的静的なリレーショナル・データベースを対象とした自然言語検索インタフェースは、実用的な段階にある。オフィスにおいては、利用するデータの多くが、文書データか、リレーショナル・データベースに蓄積されたデータであるため、従来の自然言語検索インタフェースはオフィス業務では有効であると言える。
【0007】
しかしながら、たとえば、プラントの監視制御などの業務においては、ユーザが扱う情報としては、マニュアルや運転方案書などの文書データは一部に過ぎず、これ以外にも、センサ値やアラーム、操作履歴などの、動的かつ多数のリアルタイムデータ(この場合、特にプロセスデータと呼ぶ)を参照しながら、業務が進められる。このような業務においても、必要な情報を、音声やテキストの自然言語による問い合わせによって、検索して利用したいというニーズが高まっている。また、文書データとリアルタイムデータ(例えば、プロセスデータ)とういう異種のデータを、複数検索し、両方を利用しながら、プロセスの異常などに迅速に対処するということが望まれている。
【0008】
本発明の課題の1つは、文書データと、監視対象の例えばプラントから得られるリアルタイムデータとの両方の検索・利用を可能とする、統合的な自然言語検索インタフェースを実現することによって、プラント等の設備の監視制御などの業務における情報のアクセスの労を軽減し、業務を効率化することにある。
【0009】
また、上述の「検索装置(特開平7−141389)」は、環境情報を文書検索の検索条件として利用する方法であったが、この場合の環境情報は、主にオフィスでの、文書の作成・利用に関わる環境を意味するものであり、プラント等設備の監視制御におけるような、外部の実世界のリアルタイムな環境情報とは意味が異なる。
【0010】
本発明では、文書データのみならず、文書データとリアルタイムデータの両方の検索・利用に関わる環境を考慮する。
【0011】
環境情報として、プラント等の外部世界の情報を用いることにより、その環境下でのユーザの情報アクセスをより能動的に支援することを課題とする。さらに言えば、本発明におけるリアルタイムデータは、それ自体、ユーザが検索し利用する対象であり、かつ環境情報でもあるデータであるという点で、上述の「検索装置」における環境情報と位置づけが異なる。
【0012】
具体例を挙げると、例えば、プラント内の一部の機器に異常が発生した場合に、ユーザが「復旧方法は?」とのみ問い合わせることにより、その機器の復旧方法に関わるマニュアル文書やプロセスデータを呈示するという機能を実現することを目的とする。この例のように、監視制御等の業務では、ユーザの自然言語による問い合わせは、簡潔かつ省略された表現になる傾向がある。
【0013】
そこで本発明では、簡潔な問い合わせ文を環境情報(リアルタイムデータ)に応じて解釈することにより、適切な情報を提供することも課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の情報検索方法は、入力された検索要求文を解釈して文書データおよびリアルタイムデータを検索するための検索命令を生成し、この生成された検索命令に基づき前記文書データおよび前記リアルタイムデータのうちの少なくとも一方を検索して呈示することにより、文書データとリアルタイムデータとを効率よく検索でき、例えば、プラント等の設備の監視制御などの業務における情報のアクセスの労を軽減し、業務を効率化を図ることができる。
【0015】
また、本発明の情報検索方法は、入力された検索要求文を検索要求時に取得されたリアルタイムデータに基づいて解釈して(より具体的には、検索要求時のリアルタイムデータに基づいて検索要求文の解釈結果を補う、または、絞り込む)、文書データおよびリアルタイムデータを検索するための検索命令を生成し、この生成された検索命令に基づき前記文書データおよび前記リアルタイムデータのうちの少なくとも一方を検索して呈示することにより、文書データとリアルタイムデータとを効率よく検索でき、例えば、プラント等の設備の監視制御などの業務における情報のアクセスの労を軽減し、業務を効率化を図ることができる。また、簡潔な検索要求文を入力するだけで、リアルタイムデータに基づきそれを解釈することにより、効率よく適切な情報の検索を可能にする。
【0016】
好ましくは、前記検索命令を生成する際に、検索要求時の前記リアルタイムデータに基づいて、要求を受け付けるか拒絶するかを判断する。
【0017】
好ましくは、前記検索命令を生成する際に、検索要求時の前記リアルタイムデータに基づいて行なった前記検索要求文の解釈の内容を呈示する。
【0018】
本発明の情報検索装置は、文書データを記憶する文書データ記憶手段と、リアルタイムデータを取得して記憶するリアルタイムデータ記憶手段と、入力された検索要求文を解釈して前記文書データおよび前記リアルタイムデータを検索するための検索命令を生成する検索命令生成手段と、前記検索命令に基づき文書データとリアルタイムデータの少なくとも一方を検索して呈示する検索手段とを具備したことにより、文書データとリアルタイムデータとを効率よく検索でき、例えば、プラント等の設備の監視制御などの業務における情報のアクセスの労を軽減し、業務を効率化を図ることができる。
【0019】
また、本発明の情報検索装置は、文書データを記憶する文書データ記憶手段と、リアルタイムデータを取得して記憶するリアルタイムデータ記憶手段と、入力された検索要求文を前記リアルタイムデータ記憶手段で記憶された検索要求時のリアルタイムデータに基づいて解釈して(より具体的には、検索要求時のリアルタイムデータに基づいて検索要求文の解釈結果を補う、または、絞り込む)前記文書データおよび前記リアルタイムデータを検索するための検索命令を生成する検索命令生成手段と、前記検索命令に基づき文書データとリアルタイムデータの少なくとも一方を検索して呈示する検索手段とを具備したことにより、文書データとリアルタイムデータとを効率よく検索でき、例えば、プラント等の設備の監視制御などの業務における情報のアクセスの労を軽減し、業務を効率化を図ることができる。また、簡潔な検索要求文を入力するだけで、リアルタイムデータに基づきそれを解釈することにより、効率よく適切な情報の検索を可能にする。
【0020】
好ましくは、前記検索命令生成手段は、前記リアルタイムデータ記憶手段で記憶された検索要求時のリアルタイムデータに基づいて、要求を受け付けるか拒絶するかを判断する。
【0021】
好ましくは、前記検索命令生成手段は、前記リアルタイムデータ記憶手段で記憶された検索要求時のリアルタイムデータに基づいて行なった前記検索要求文の解釈の内容を呈示する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0023】
図1は、本実施形態に係る情報検索システムの構成を示すブロック図である。図1に示す情報検索システムは、大きく分けて、文書データ管理部1とプロセスデータ管理部2と検索命令生成部3とデータ呈示部4と検索命令生成規則記憶部31とから構成されている。
【0024】
文書データ管理部1は、文書データを記憶・管理(登録、検索を含む)するためのもので、文書データ記憶部12と、この文書データ記憶部12に文書を登録する文書データ登録部11と、文書データ記憶部12から文書を検索する文書データ検索部13とから構成されている。
【0025】
なお、図1の情報検索システムをコンピュータ上に構成することもできる。すなわち、上記各部のうち、文書データ記憶部12、プロセスデータ記憶部22、検索命令生成規則記憶部31をコンピュータによりアクセス可能な磁気ディスク(フロッピーディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記録媒体に構成し、その他の構成部を磁気ディスク(フロッピーディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記録媒体に格納されたコンピュータに実行させることのできるプログラムとして構成することもできる。
【0026】
文書データ管理部1は、従来技術の文書データベースを用いて実現してもよく、文書検索機能として、キーワードの論理式を検索条件とした文書検索と、自然言語の問い合わせを検索条件とした文書検索との両方を具備したものであればよい。
【0027】
プロセスデータ管理部2は、リアルタイムデータであるプラント等の設備のプロセスデータを記憶・管理(登録、検索を含む)するためのもので、設備に取り付けられたセンサ等の制御機器からの、センサ値、アラーム、オペレータの操作履歴などのプロセスデータを、プロセスデータ取得部21で取得する。取得されたプロセスデータのうち、必要なものはプロセスデータ記憶部22によって記憶される。また、プロセスデータ検索部23は、問い合わせに応じて、プロセスデータ取得部21が常時取得しているプロセスデータ(すなわち現在値)、または、プロセスデータ記憶部22が記憶している過去のプロセスデータ(すなわち、プロセスデータの履歴)を検索する。
【0028】
プロセスデータ管理部2は、従来よりプラント等設備の制御システムで実現されている手段を用いて実現してよい。
【0029】
検索命令生成部3は、ユーザからの自然言語による問い合わせ文(検索要求文)を解釈し、前述の文書データ管理部1、あるいは、プロセスデータ管理部2から、ユーザにより入力された検索要求文にあった情報を検索する検索命令を生成する。
【0030】
検索命令生成部3は、後述するように、プラント等設備の状態、すなわち環境情報として、プロセスデータ取得部21が常時取得しているプロセスデータを得、これに基づいて、ユーザにより入力された検索要求文の解釈処理方法を制御する。
【0031】
検索命令生成規則記憶部31は、自然言語の要求文を解釈し、環境情報に基づいて検索命令を生成するための知識・規則を、複数記憶する。すなわち、検索命令生成部3は、検索命令生成規則記憶部31に記憶された規則を用いて、検索命令を生成する。
【0032】
データ呈示部4は、文書データおよびプロセスデータをユーザに呈示するためのもので、ユーザの問い合わせは、検索命令生成部3によって、文書データ検索部13、または、プロセスデータ検索部23への検索命令に変換され、文書データ検索部13またはプロセスデータ検索部23によってデータの検索が行われる。検索結果のデータは、データ呈示部4によって、ユーザに呈示される。
【0033】
本発明の構成上で本質的かつ新規な点は、文書データ管理部1とプロセスデータ管理部2の両方に対するユーザの要求を統一的に受け付けて、各々のデータを検索し、ユーザに呈示するよう構成した点と、プラントの状態に基づいてユーザの要求を適切に解釈する検索命令生成部3の処理内容である。
【0034】
次に、検索命令生成規則記憶部31に記憶された、知識・規則のデータについて説明する。
【0035】
図2、図3は、文書データの検索に用いる知識である文書クラスを表した図で、図2は、その文書クラスの概要をツリー状に示したものである。例えば、図2において、「非定常運転」と表された文書クラス21の詳細な記述を図3に示す。
【0036】
図3において、文書クラス「非定常運転」は、「監視・制御」に属する概念であり、スーパークラスは「監視・制御」である。また、「非定常運転」の関連語とは、文書データ中のその語の有無が、その文書がその文書クラスに分類されるかどうかを決定するような語という意味であり、ここでは、「立ち上げ」「停止」「異常処理」などの語が「非定常運転」の関連語して記述されている。なお、図3において、「立ち上げ」、「起動」、「始動」、「スタートアップ」というまとまりは、これらの4つの語が、「非定常運転」という文脈で同義語であることを示している。
【0037】
図4は、プラントの構成の一例を示した図で、ごく簡単なプラント設備「反応缶」の構成を示したものであるが、検索命令生成規則記憶部31では、これに相当する知識として、図5〜図7に示したような形式で記述した知識を記憶する。図5は、図4に示したようなプラント設備の構成と設備の各々の要素が属するクラスをツリー状に示した図である。図5中、「センサ」「水位」などの楕円で示したノードは、クラス(抽象概念)を表し、「NO.1反応缶」など矩形で表したノードはインスタンス(具体概念。対象プラントに存在する実際の機器など)を表す。図5では、垂直方向のツリー(実線で示したつながり)で、クラス・インスタンス間の上位・下位関係を示す。例えば、「NO.1反応缶」は「反応缶」のインスタンスであり、「反応缶」は「缶」のサブクラスであると表現されている。また、図5中の破線で示したつながりは、概念間の関係を表す。例えば、クラス31の「センサ」は「物理量」を計測する、「温度計」は「温度」を計測する、「設備」は「機器」で構成される、「NO.1反応缶」は「NO.1缶内温度計」や「NO.1攪拌機」などのセンサやアクチュエータで構成される(言い換えれば、「NO.1缶内温度計」や「NO.1攪拌機」などのセンサやアクチュエータが属する設備は「NO.1反応缶」である(図7では、この関係を「設備」という項目に記述している)、といった関係が図5に記述されている。
【0038】
図6は、図5に示したクラス間の上位・下位関係と概念間の関係を含む各クラスの詳細な記述であり、例えば、図6の「水位計」というクラスからは、「センサ」というクラスをスーパークラスとするものであり、図6の「上限リミット」というクラスのスーパクラスでもあるということが読み取れる。また、この「水位計」というクラスを見ると、物理量の「水位」を計測するセンサであることが読み取れる。また、「水位計」というクラスの記述項目の1つである関連語には「水位計」「液位計」「レベル計」である、と記述されているが、これは、「水位計」という概念の呼び方には、「液位計」「レベル計」などというバリエーション(同義語)があることを意味している。
【0039】
図7は、図5に示したインスタンスの概念間の関係を含む各インスタンスの詳細な説明の記述であり、例えば、図7の上から5番目に示してある「NO.1上限リミット」は、「上限リミット」というクラスのインスタンスである、と記述されている。各インスタンスにて表現される機器には、その機器を識別するためのユニークな識別子であるタグが付されている。例えば、図7で例示したように、「NO.1上限リミット」のタグは「LS1001」である。
【0040】
なお、図2、図3で説明した文書分類のクラスと、図4〜図7で説明した機器の分類のクラス、インスタンスは、形式が同じであるので、例えば、図5の「設備」「機器」「操作」「物理量」等のクラスを、図2の「設備・機器」というクラス22のサブクラスとし、両者を併せて監視制御業務に関わる情報全般のクラスと考えてもよく、検索命令生成規則記憶部31に記憶する知識データとしては、文書、機器の分類を1つのツリーで表現してもよい。
【0041】
図8は、自然言語の要求文を解釈して、ユーザの求めるデータを検索して呈示するための検索命令生成規則の一部を示した図である。各規則(ここでは、一例として規則R1〜R4の4つを示している)は、8つの項目をもつ。
【0042】
第1の項目である「パターン」は、ユーザの要求文が各々のルールに合致するかどうかを判断するためのチェック項目である。この項目に記載されているパターンと要求文とのマッチングをとったときの類似度から、当該規則を適用するかどうかを判断すると同時に、要求文から、ユーザの意図を解釈する上で重要な情報を抽出する。例えば、規則R1のパターンは、「NO.1反応缶の温度計の温度」「缶の水位」「温度計と水位計の値」などの要求文にマッチするパターンである。パターン中の < > で指定した部分は、図5で説明したクラスやインスタンスを意味する表現(例えば、名称)が要求文中に現われることを意味する。例えば上記の例文での「NO.1反応缶」や「缶」は規則R1のパターン中の<設備(X)> の部分にマッチし、「温度計」や「水位計」は <センサ(Y)>にマッチする。
【0043】
なお、図8のパターンの表記方法については、「*」印は0個以上の繰り返しにマッチし、「+」印は1個以上の繰り返しにマッチ、「|」印は複数列挙したいずれかのパターンにマッチする(OR)という意味であり、{ }印はグルーピングの意味である。
【0044】
規則R3のパターン中、<クラス(X)>という記述は、図2〜図7で説明した文書クラスやプラント設備のクラス・インスタンスの関連語が、要求文中に含まれることを意味する。たとえば、「反応缶のシャットダウンの方法」という要求文に対して規則R3のパターンとマッチングを行った場合、「反応缶」「シャットダウン」という語が<クラス(X)>にマッチする。この結果、この要求文は、図5、図6から設備クラスの「反応缶」、図2〜図3から文書クラスの「非定常運転」についての要求であると解釈される。規則R4のパターンは「TRUE」であり、どのような要求文にもマッチする。
【0045】
図8において、第2の項目である「前提条件」は、規則が適用されるための条件を記述する項目である。例えば、規則R1とR2の前提条件「controller_is_enable(CURRENT_STATE)」の意味するところは、現在のプラントの状態(CURRENT_STATE)において、制御機器が利用可能であることが、これらの規則を適用するために必要であるということである。後述するように、規則R1は制御機器からプロセスデータの現在値を取得するための規則であり、規則R2は制御機器に操作命令を出すための規則であるが、両規則とも、制御機器が利用可能である場合にのみ適用される。
【0046】
図9は、プラントの現在状態(CURRENT_STATE)の一例をプラント設備の一部について示したものである。図1のプロセスデータ取得部21は、プラント設備のセンサ、アクチュエータの異常の有無や程度に関するデータを、制御機器自体の状態も含めて取得するが、例えば、図9中で、タグが「CONTROLLER」である設備機器の状態が重故障であれば、上述の前提条件「controller_is_enable(CURRENT_STATE)」は偽となり、規則R1と規則R2は適用されない。
【0047】
同様に、図8の規則R3の前提条件は、「現在の状態(CURRENT_STATE)が重故障(is_critical(CURRENT_STATE))であるなら、監視・制御に関する要求である場合(クラス X==監視・制御)にのみ、この規則を適用する」という意味である。規則R3は、文書検索を行なう規則であるが、このような前提条件によってその適用の可否を制御することにより、後述するように、プラントの状態に無関係で不適切な要求がユーザによって発せられた場合に、これを拒絶することができる。
【0048】
一方、規則R4の前提条件は、恒真(TRUE)であり、この規則はどのような状態でも適用可能であるとしている。
【0049】
図8において、第3の項目「パラメータ」と、第4の項目「コマンド」は、各々の規則が生成する検索命令およびそのパラメータの生成の方法に関する記述である。規則R1は、ユーザが要求したプロセスの現在値を取得して呈示する規則であるが、そのコマンドは「get_value(Y.タグ)」である。ここで、「Y」は、センサのインスタンス(例えば「NO.1上限リミット」など)であり、そのタグを、そのコマンド「get_value」のパラメータとする。規則のパラメータの項目には、そのパラメータの値を特定するための手続きを記述する。規則R1の場合、
bind((X,Y,Z)、(Y.設備==X and Y.物理量==Z)、CURRENT_STATE)
という処理によって、Xすなわち「設備」と、Yすなわち「センサ」、および、Zすなわち「物理量」を特定する。そのための制約条件が(Y.設備==X and Y.物理量==Z)であるが、これは、Yの設備はXであり、かつ、Yの物理量はZである、という意味の制約である。この制約から、たとえば、「反応缶の水位は」というような問い合わせに対して、設備Xが「反応缶」クラスのインスタンスであり、物理量Zが「水位」クラスであるようなセンサのインスタンスYが求められる。この制約を満たすセンサYが多数存在する場合には、後述するように、現在のプロセスの状態 CURRENT_STATE に基づき、ユーザの意図に最も合うと思われるセンサYが選択される。
【0050】
図8において、第5〜8の項目は、ユーザの要求に対して、システムが行なった解釈の結果や提供できる情報について、ユーザに説明を行なうためのテンプレートである。
【0051】
第5の項目「メニュー」は、システムが提供できる情報をユーザに手短に呈示するためのものである。例えば、ユーザが「反応缶の弁を開く」という要求を出した場合には、パターンの照合を行うことにより、規則R2が、その要求に最も合致した規則であるが、この場合、規則R2のメニュー項目「XのYのZ操作」に対して、ユーザの要求文から、上述の処理により設備X、アクチュエータY、操作Zが特定され、これがメニューの変数X、Y、Zの部分にされた結果、ユーザに対して、「反応缶の弁の開操作」というメニューが呈示される。
【0052】
第6の項目「拒絶時応答」、第7の項目「成功時応答」、第8の項目「失敗時応答」も、これと同様、ユーザにシステムの解釈の状況を説明するためのメッセージのテンプレートである。「拒絶時応答」は、上述の前提条件が満足されなかった場合にユーザに対して要求の拒絶の旨を伝えるための応答文のテンプレートである。「成功時応答」「失敗時応答」は、それぞれ、コマンドを実行した結果の成功・失敗に応じて出力する応答文のテンプレートである。なお、図8中、「REQUEST」とはユーザの要求文を意味する変数である。
【0053】
以上、本実施形態にかかる検索命令生成規則について例を挙げて説明したが、本発明では、これらの知識・規則の内容および記述方法について、上記の方法に限定するものでない。本実施形態は、主にプラントの監視制御における情報検索を対象にしているが、対象分野が異なる場合には知識・規則の内容および記述方法が異なる。本発明の検索命令生成規則において本質的な部分は、ユーザの要求文からその意図を解釈するための知識(概念階層など)と規則(パターンなど)を持つ点、および、プラント等の環境情報に基づいて要求の受理/拒絶や解釈の方法を制御するための枠組を持つ点である。
【0054】
次に、図10に示すフローチャートを参照して、図1の情報検索システムの情報検索処理動作について説明する。なお、その際、ユーザからの要求文とシステムの応答との画面表示例を図11〜図15に示す。
【0055】
システムは、ユーザからの質問を受け付け、ユーザからの要求文Qがあれば(ステップS1)、まず、全ての検索命令規則の集合Rの、各々の要素Riについて、要求文QとRiのパターンとの類似度を計算し、これをRiの得点Piとする(ステップS2)。ここで、Piの計算方法は、パターンの記述方法に依るが、例えば、単純には、以下のような計算式で求めることができる。
【0056】
Pi=(li×ni)/(Lq×Ni)
Lq=要求文Qの文字列長
li=要求文QのうちRiのパターンにマッチした部分の文字列長
Ni=Riのパターン中の概念(上述の <設備(X)> などの記述)の個数
ni=要求文Q中でRiのパターンで指定した概念が現われた個数
例えば、Q=「反応缶の温度はいくら」であるとき、この要求文Qに対する図8の規則R1の得点P1は、Lqの値は10文字、l1の値は、「反応缶の」、「温度」の6文字、Niの値は、この場合、<センサ(Y)の>と<物理量(Z)>の2つ、niの値は、「反応缶の」と「温度」の2つであるから、P1=(6×2)/(10×2)=0.6 となる。ここで、Niは、パターンの省略や繰り返しを考慮して数える。すなわち、規則R1では、「{<センサ(Y)>の}*」の部分は0個以上の繰り返しを許すため、要求文Qにその記述がない場合はNiには含めない。一方、「{<設備(X)>の}*」 の部分も0個以上の繰り返しを許すが、要求文Qにその記述「反応缶」が一度現われるので、Niにもniにもその数が含められる。
【0057】
規則R1と同様に、規則R2、規則R3の得点P2、P3は、それぞれ、P2=(3×1)/(10×2)=0.15、P3=(5×2)/(10×2)=0.5となる。
【0058】
規則R4は、パターンが「TRUE(恒真)」である特殊な規則なので、この得点は、常に閾値Psであるとする。Psは、規則を適用すべきかどうかの閾値であり、ここではその値を例えば「0.3」とすると、P4=0.3 である。
【0059】
各々の規則Riの得点Piを計算したのち、閾値Psを超える得点Piを持つRiが存在しなければ(ステップS3)、要求文Qが解釈できなかった旨の応答文を呈示する(ステップS4)。図11はその画面例である。ただし、規則R4のように得点が常に閾値を下回らない規則がある場合にはこのステップには至らず、ステップS5以下の処理に移ることになる。
【0060】
ステップS5では、現在のプロセス値の状態S(図8では「CURRENT_STATE」と記したが、これと同じ情報であり、その例は図9に示した)を取得する。状態Sは、後のステップS6とステップS8の処理で利用する。
【0061】
ステップS6からS14までの処理は、検索命令を生成して検索を実行する処理である。図10では、ステップS6からS14までの処理を、ステップS2で求めた規則、すなわち、要求文Qに対する得点Piが閾値Pを超えるRiについて、Piの大きい順に繰り返し実行するとしているが、この繰り返しなどの方法は、後述するように変形してもよい。
【0062】
まず、ステップS6では、規則Riが状態Sで適用可能かどうかを、規則Riの前提条件をもとに決定する。例えば、先に図8を用いて説明したように、ユーザの要求文が「保養所の利用方法は?」という質問であった場合で、かつ、状態Sが、重故障が発生している状態である場合には、例えば、規則R3の前提条件(is_critical(CURRENT_STATE)?(X==監視・制御):TRUE)は満足されない。「is_critical(CURRENT_STATE)」は真であるが、「X」すなわち「保養所」クラス(図2参照)は「監視・制御」クラス(図2参照)に属すクラスではないからである(なお、図8等において、(A? B:C) という式は、Aが真ならばBの真偽値が採られ、Aが偽ならCの真偽値が採られるという意味である)。したがってこの場合には、ステップS7にて、当該規則(例えば、ここでは規則3)に適用可能でない、すなわち、要求拒絶の旨の応答文を呈示する。図12は、要求が拒絶された場合の画面表示例である。
【0063】
一方、前提条件が満足された場合には、ステップS8にて、コマンドに渡すパラメータの値を決定する。パラメータの値は、現在の状態Sを考慮して決定する。例として、現在の状態Sが、図9に示したように、タグ「LS1001」の機器(つまり、「NO.1上限リミット」)が重故障を検知している状態で、ユーザが「復旧の方法」という要求文でシステムに問い合わせた場合を考える。この場合、規則R3が最も高得点でマッチし、また、「復旧」すなわち「非定常運転」が「監視・制御」に属する(図3参照)ことから、規則R3の前提条件は満たされる。
【0064】
ステップS8では、規則R3が実行するコマンド「get_text(X、REQUEST、K)」のパラメータX、REQUEST、Kの値が求められる。ここで、「get_text」というコマンドは文書検索のコマンドであり、パラメータ「X」は文書クラス「非定常運転」、「REQUEST」は要求文自体、すなわち「復旧の方法」という文字列である。「K」は補助的なキーワードであり、「get_text」コマンドは、Xのクラスの文書を対象に、自然言語の問い合わせ文REQUESTと、補助的なキーワードの論理式を検索条件として、文書を検索する。この場合の補助的なキーワードは、規則R3のパラメータ項目、すなわち、「K=(X==監視・制御? get_keyword(CURRENT_STATE):NULL)」によって求められる。すなわち、ここでは、「非定常運転」が「監視・制御」に属するので、キーワードKは、「get_keyword(CURRENT_STATE)」というコマンド、つまり、現在の状態からキーワードを求める処理により生成される。
【0065】
ここで、プラントの現在の状態から、キーワードを求める処理について説明する。例えば、現在の状態ではタグ「LS1001」の付された機器に異常が発生しているものとする。タグ「LS1001」の付されている機器は、図7からセンサ「NO.1上限リミット」を意味することが分かる。
【0066】
図7から「NO.1上限リミット」のクラスは「上限リミット」であり、さらに図6、図5から「上限リミット」のスーパークラスは「水位計」、「センサ」、「機器」である。このように上位概念を辿って行くことにより、現在着目している「LS1001」に関連する語が、その関連の度合とともに求められる。すなわち、「NO.1上限リミット」インスタンスより一段上位の概念は図6より「上限リミット」クラスであり、その関連語は、図6より「上限リミット」「上限水位」「水位超過」である。同様に、「上限リミット」クラスの一段上位の概念は図6より「水位計」であり、その関連語は、図6より「水位計」「レベル計」「液位計」である。また「水位計」の一段上位の概念は図6より「センサ」であり、その関連語は図6より「センサ」「測定器」「計測器」「計器」である。さらに、「センサ」の一段上位の概念は図6より「機器」である(以上の「NO.1上限リミット」から上位概念に向かった流れを模式的に示すと、NO.1上限リミット→上限リミット→水位計→センサ→機器)。
【0067】
さて、「LS1001」、すなわち、「NO.1上限リミット」インスタンスより一段上位の概念は図6より「上限リミット」クラスであり、その関連語は、図6より「上限リミット」「上限水位」「水位超過」であった。そこで、これら関連語のそれぞれの語を形態素で区切り、AND(*印)とOR(+印)の論理式として検索条件を生成する。
【0068】
また、最下位の「NO.1上限リミット」より上位に辿る毎に、関連度を1/2ずつ乗じていくことにすれば、上記したような上位概念を辿った結果生成される検索条件の論理式とその関連度は次のようになる。
【0069】
関連度 論理式
1/2 (上限*リミット+上限*水位+水位*超過)
1/4 (水位*計+レベル*計+液位*計)
1/8 (センサ+測定*器+計測*器+計器)
同様にして、上位概念以外の関係、すなわち、「NO.1上限リミット」が測定対象とする「物理量」という関係においては、図7より「NO.1上限リミット」インスタンスに記述されている物理量は「水位」であり、その関連語は図6より「水位」「液位」「レベル」である。従って、最下位の「NO.1上限リミット」より上位に辿る毎に、関連度を1/2ずつ乗じていくことにすれば、上記したような「物理量」という関係を辿った結果生成される検索条件の論理式とその関連度は次のようになる。
【0070】
関連度 論理式
1/2 (水位+液位+レベル)
さらに、「NO.1上限リミット」を構成要素とする「設備」の関係においては、図7より「NO.1反応缶」であり、「NO.1反応缶」インスタンスの一段上位の構成要素は図7より「反応缶」クラスであり、その関連語は、図6には示していないが「反応タンク」「反応槽」であるとする。また、「反応缶」の一段上位の構成要素は図6には示していないが図5から明らかなように、「缶」であり、その関連語は、「タンク」「槽」であるとする。さらに、「缶」の一段上位の構成要素は図6には示していないが図5から明らかなように、「設備」である(以上の「NO.1上限リミット」から上位に向かった構成要素の流れを模式的に示すと、NO.1上限リミット→NO.1反応缶→反応缶→缶→設備)。従って、最下位の「NO.1上限リミット」より上位に辿る毎に、関連度を1/2ずつ乗じていくことにすれば、上記したような「設備」という関係を辿った結果生成される検索条件の論理式とその関連度は次のようになる。
【0071】
関連度 論理式
1/4 (反応*缶+反応*タンク+反応*槽)
1/8 (缶+タンク+槽)
これらの論理式の和を、コマンド「get_text」の補助的な検索条件Kとする。
【0072】
次に、ステップS9において、コマンドを実行するかどうかを決定し、実行する場合にはステップS10に進む。コマンドを実行するかどうかは、規則Riの得点Piに基づいて自動的に実行する方法や、ユーザがコマンドを実行するかどうかを明示的に選択する方法などがある。図13は後者の例であり、各規則のメニュー(図8の説明参照)を得点の高いものから順にユーザに呈示して、実行すべきコマンドをユーザに選択させる画面の例で、このメニューのうち、「反応缶の温度計の温度」がユーザにより選択されたときの検索結果を表示した場合を示している。この場合、図6の処理の流れは少し変形を要する。すなわち、ステップS8の後にメニューを作成して呈示する処理が加わり、対象としている全ての規則についてメニューを呈示した後、ユーザに実行するかどうかを判断させるという処理の流れになる。コマンドの実行は、ステップS8で求めたコマンドおよびパラメータの値を、文書データ管理部1あるいはプロセスデータ管理部2に送り、検索を実行することにより行なわれる(ステップS10)。例えば、図8の規則R3の例では、「get_text」というコマンドと、そのパラメータ「REQUEST」「X」「K」が、文書データ管理部1に送られ、文書の検索が行なわれる。
【0073】
文書データ検索部13では、文書クラス「X」(上記の例では「非定常運転」)に属する文書データのうち、自然言語の検索条件「REQUEST」(例えば「復旧の方法」)に合致する文書を検索する。自然言語を検索条件とした文書検索の方法は従来と同等の方法で行なうが、この際、「REQUEST」中の「復旧」という語は、図3で示したように、文書クラス「非定常運転」の文脈では「復帰」「異常処理」などの語と関連があるので、これらの語も検索条件とする。
【0074】
前述した補助的なキーワードの検索条件は、自然言語の検索条件で検索した結果に適応し、プラントの状態に合致した文書を絞り込んで検索するのに用いる。
【0075】
以上、文書検索などのコマンド実行の結果、成功すれば(ステップS11)、成功の旨の応答文と、実行結果をユーザに呈示する(ステップS12)。図14は、コマンドの実行結果として検索された文書の一覧を呈示した画面例である。ユーザの要求文「復旧の方法」に対し、上述のように、プラントの状態に基づいて文書検索の条件を付加した結果、「水位の超過」等の復旧方法に関する運転方案書が検索されてユーザに呈示される。
【0076】
このように、本発明によれば、ユーザの簡潔で曖昧な要求文を、プロセスデータの状態に基づいて解釈し、ユーザの意図にあった情報を呈示することが可能である。また、図14に示すように、システムが返す応答文「『復旧の方法(上限、リミット、水位、超過、…)』に関する文書を表示します。」によって、システムがどのような処理を行なったか(この例では、文書の検索を行なった)と、プロセスデータの状態に基づいてどう要求を解釈したのか(この例では、「水位」「超過」等の状況に基づいて解釈した)という説明がなされる。この機能により、ユーザは、システムが自分の意図通りの解釈をしたかどうかを容易に知ることができ、システムの間違った解釈によるコマンドを実行せずに、自分の求める情報のみを得ることができる。
【0077】
いま一つの例として、ユーザが「弁を開く」という要求を発した場合の処理の流れを説明する。この要求文に対して、ステップS2では、規則R2が最も得点の高い規則として選ばれ、これがステップS6で適用可能であれば(つまり制御機器が利用可能であれば)、ステップS8では、「set_value(Y.タグ、Z.信号」)というコマンドのパラメータY、Zの値を生成する。このコマンドは、YのアクチュエータにZの信号を設定するコマンドである。ここで、プラント内に多数の弁が存在する場合には、どの弁を開くべきかは要求文からは特定できない。このとき、プラントの現在の状態が、タグ「TI1401」の付された機器が異常な(すなわち、「NO.1缶内温度計」が異常値を示している)状態であれば、システムは、この異常状態に関連する弁が、ユーザの意図する弁であると判断する。
【0078】
以下、その手順を具体的に説明する。まず、タグ「TI1401」の付された機器は、図7より「NO.1缶内温度計」を指すタグであることが分かる。図7より、「NO.1缶内温度計」が属する設備は「NO.1反応缶」であり、「NO.1反応缶」は、同じく図7より「NO.1注入弁A」「NO.1注入弁B」「NO.1排出弁」「NO.1冷却水弁」の4つの弁を持つことがわかる(以上のNO.1缶内温度計との第1の関係を模式的に示すと、NO.1缶内温度計→NO.1反応缶→NO.1注入弁A、NO.1注入弁B、NO.1排出弁、NO.1冷却水弁)。
【0079】
一方、同じく図7より「NO.1缶内温度調節計」は、「NO.1缶内温度計」の測定値を入力として「NO.1冷却水弁」を調節することがわかる(以上のNO.1缶内温度計との第2の関係を模式的に示すと、NO.1缶内温度計→NO.1缶内温度調節計→NO.1冷却水弁)。
【0080】
「NO.1缶内温度計」と「NO.1冷却水弁」との間は、上記第1および第2の関係のように2通りの道筋の関係があり、関係を辿る段数は、両方とも2段なので、「NO.1缶内温度計」と「NO.1冷却水弁」の間の関連度は、1/4+1/4=1/2となる。一方、他の3つの弁「NO.1注入弁A」「NO.1注入弁B」「NO.1排出弁」は、みな、第1の関係しかないため、「NO.1缶内温度計」とこれら3つの弁との関連度は1/4である。
【0081】
以上の計算により、ステップS8にて、コマンド「set_value(Y.タグ、Z.信号)」の「Y」は、「NO.1冷却水弁」である可能性が高いと判断し、そのタグ「MV1101」をパラメータとする(図7参照)。なお、Zはユーザの要求から「開」操作であるから、図6より「Z.信号」は「1」である。結果として、「set_value(MV1101、1)」というコマンドがステップS10にて実行され、その結果がステップS12もしくはステップS13でユーザに呈示される。
【0082】
なお、以上の例で説明した、プラントの状態から操作対象の弁を決定する処理は、ユーザが意図する対象を常に正しく決定できるとは限らないため、図15に示すように、ユーザに操作対象の候補を呈示して、選択・確認せしめてもよい。この場合には、ユーザに選択させる処理を、パラメータ生成処理(ステップS8)の一部として付け加える。ユーザに選択させる候補のうち、どの候補がユーザの意図に合っているかの確からしさは、上記に説明した通り、プラントの状態に基づいて判断できる。上の例では、4つの弁のうち、「NO.1冷却水弁」が最も確からしい。したがって、図15に示すように、可能性の高い候補を上位の候補として、先頭に呈示したり、強調して呈示することにより、ユーザによる選択の労力を軽減することができる。
【0083】
以上説明したように、上記実施形態によれば、プラント監視制御等の業務における、文書データとプロセスデータの検索・利用を、簡潔な自然言語による入力によって労力なく行なうことができる。また、プラント等設備のプロセスデータの状態によって、ユーザの要求を受け付けるかどうかを制御したり、要求の解釈の正確さを増すことができるため、ユーザに対して適切な行動を示唆したり、曖昧な要求文に対しても適切なデータを検索し呈示できる。さらに、プロセスデータの状態に基づいて要求を解釈した場合、なぜそう解釈したのかの説明や、解釈が複数通りある場合の候補の呈示の優先度付けが行なわれるため、ユーザは、システムの処理内容を容易に理解でき、ユーザとシステムとの間の要求−回答のインタラクションをスムーズに行なうことができる。
【0084】
以上述べた効果の結果として、ユーザは、多種多量のデータから自分の必要なデータを探す作業の負荷から解放され、監視制御等の業務自体に専念できるため、業務の効率が向上し、操業の安全性も高まる。
【0085】
なお、上記実施形態では、プラント等の監視制御への適用例を説明したが、本発明の適用対象はプラントの場合に限らない。交通システム、インテリジェントビル、自動倉庫などを対象とした文書データとリアルタイムデータを利用する様々な業務に適用可能なことは明らかである。
【0086】
また、工業分野以外、例えば、サービス業、金融業、医療分野、農林水産業での適用も可能である。このそれぞれの場合において、上記実施形態ではプロセスデータと呼んだリアルタイムデータは、商品の在庫や予約状況のデータ、証券価格データ、患者データ、気象データなど、様々な種類のリアルタイムデータと置き換えて考えることができ、基本的に、上記実施形態と同様にして、情報の検索・利用の効率化を実現することができる。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、文書データとリアルタイムデータとを効率よく検索でき、例えば、プラント等の設備の監視制御などの業務における情報のアクセスの労を軽減し、業務を効率化を図ることができる。
【0088】
また、簡潔な検索要求文を入力するだけで、リアルタイムデータに基づきそれを解釈することにより、効率よく適切な情報の検索を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報検索システムの構成を示すブロック図。
【図2】検索命令生成のための知識である文書の分類のクラスの例を示す図。
【図3】文書クラスの詳細な記述例を示した図。
【図4】プラントの一部の構成例を示した図。
【図5】検索命令生成のための知識であるプラントの分類・構成の例を示す図。
【図6】図5に示したクラス間の上位・下位関係と概念間の関係を含む各クラスの詳細な記述の一例を示した図。
【図7】図5に示したインスタンスの概念間の関係を含む各インスタンスの詳細な説明の記述の一例を示した図。
【図8】検索命令生成のための知識である検索命令生成規則の例を示した図。
【図9】プラントの現在状態(CURRENT_STATE)の一例をプラント設備の一部について示した図。
【図10】図1の情報検索システムの処理の流れを示すフローチャート。
【図11】ユーザの要求に対するシステムの応答の画面例を示す図で、ユーザの要求文が解釈できなかったときの画面表示例を示している。
【図12】ユーザの要求に対するシステムの応答の画面例を示す図で、規則に適用可能できなかったため要求文が拒絶された場合の画面表示例を示している。
【図13】ユーザの要求に対するシステムの応答の画面例を示す図で、各規則のメニューを得点の高いものから順にユーザに呈示して、実行すべきコマンドをユーザに選択させるための画面表示例を示している。
【図14】ユーザの要求に対するシステムの応答の画面例を示す図で、コマンドの実行結果として検索された文書の一覧を呈示した画面表示例を示している。
【図15】ユーザの要求に対するシステムの応答の画面例を示す図で、ユーザの要求をプロセスデータを基に解釈した内容をユーザに呈示して、その中から選択・確認せしめるための画面表示例を示している。
【符号の説明】
1…文書データ管理部
11…文書データ記憶部
12…文書データ登録部
13…文書データ検索部
2…プロセスデータ管理部
21…プロセスデータ取得部
22…プロセスデータ記憶部
23…プロセスデータ検索部
3…検索命令生成部
31…検索命令生成規則記憶部
4…データ呈示部
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、プラントなどの設備の監視、操作、運用、保守に関わる文書データと設備等から直接得られるリアルタイムデータとを管理し利用するための情報装置において、データを効率的に検索するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、人が日常的に使うような自然言語の質問を解釈し、ユーザの意図にあった情報を検索して呈示するための技術が開発されてきた。
【0003】
特に、文書検索の分野では、検索条件であるユーザの質問と、検索対象である文書が、ともに自然言語で記述されていることから、両者に含まれる語の重複や、表現の類似性、語の統計的・意味的な関連が、比較的導き易く、実用的な自然言語検索インタフェースが実現されている(例えば、「文書情報検索装置(特開平7−192020)」)。
【0004】
また、リレーショナル・データベースを自然言語で検索するインタフェースも開発されている(例えば、「データベース自然言語インタフェース装置および方法(特開平9−44508)」)。これは、データベースの構造と自然言語の表現との関連を記述した知識を用いて、ユーザの質問文をSQL等のデータベース検索言語に変換し、検索を行うものである。
【0005】
一方、ユーザの明示的な質問だけでなく、ユーザの質問時やデータの登録時における環境情報を検索条件として用いて、検索を行う方法も開発されている。例えば「検索装置(特開平7−141389)」は、文書検索の際に、その文書を作成・検索した場所や時刻、文書を利用した人の当時の業務スケジュールなどの情報を利用して、ユーザが明示的な質問をシステムに与えることができない場合にも、検索を可能にする方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、文書検索や、構造と内容が比較的静的なリレーショナル・データベースを対象とした自然言語検索インタフェースは、実用的な段階にある。オフィスにおいては、利用するデータの多くが、文書データか、リレーショナル・データベースに蓄積されたデータであるため、従来の自然言語検索インタフェースはオフィス業務では有効であると言える。
【0007】
しかしながら、たとえば、プラントの監視制御などの業務においては、ユーザが扱う情報としては、マニュアルや運転方案書などの文書データは一部に過ぎず、これ以外にも、センサ値やアラーム、操作履歴などの、動的かつ多数のリアルタイムデータ(この場合、特にプロセスデータと呼ぶ)を参照しながら、業務が進められる。このような業務においても、必要な情報を、音声やテキストの自然言語による問い合わせによって、検索して利用したいというニーズが高まっている。また、文書データとリアルタイムデータ(例えば、プロセスデータ)とういう異種のデータを、複数検索し、両方を利用しながら、プロセスの異常などに迅速に対処するということが望まれている。
【0008】
本発明の課題の1つは、文書データと、監視対象の例えばプラントから得られるリアルタイムデータとの両方の検索・利用を可能とする、統合的な自然言語検索インタフェースを実現することによって、プラント等の設備の監視制御などの業務における情報のアクセスの労を軽減し、業務を効率化することにある。
【0009】
また、上述の「検索装置(特開平7−141389)」は、環境情報を文書検索の検索条件として利用する方法であったが、この場合の環境情報は、主にオフィスでの、文書の作成・利用に関わる環境を意味するものであり、プラント等設備の監視制御におけるような、外部の実世界のリアルタイムな環境情報とは意味が異なる。
【0010】
本発明では、文書データのみならず、文書データとリアルタイムデータの両方の検索・利用に関わる環境を考慮する。
【0011】
環境情報として、プラント等の外部世界の情報を用いることにより、その環境下でのユーザの情報アクセスをより能動的に支援することを課題とする。さらに言えば、本発明におけるリアルタイムデータは、それ自体、ユーザが検索し利用する対象であり、かつ環境情報でもあるデータであるという点で、上述の「検索装置」における環境情報と位置づけが異なる。
【0012】
具体例を挙げると、例えば、プラント内の一部の機器に異常が発生した場合に、ユーザが「復旧方法は?」とのみ問い合わせることにより、その機器の復旧方法に関わるマニュアル文書やプロセスデータを呈示するという機能を実現することを目的とする。この例のように、監視制御等の業務では、ユーザの自然言語による問い合わせは、簡潔かつ省略された表現になる傾向がある。
【0013】
そこで本発明では、簡潔な問い合わせ文を環境情報(リアルタイムデータ)に応じて解釈することにより、適切な情報を提供することも課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の情報検索方法は、入力された検索要求文を解釈して文書データおよびリアルタイムデータを検索するための検索命令を生成し、この生成された検索命令に基づき前記文書データおよび前記リアルタイムデータのうちの少なくとも一方を検索して呈示することにより、文書データとリアルタイムデータとを効率よく検索でき、例えば、プラント等の設備の監視制御などの業務における情報のアクセスの労を軽減し、業務を効率化を図ることができる。
【0015】
また、本発明の情報検索方法は、入力された検索要求文を検索要求時に取得されたリアルタイムデータに基づいて解釈して(より具体的には、検索要求時のリアルタイムデータに基づいて検索要求文の解釈結果を補う、または、絞り込む)、文書データおよびリアルタイムデータを検索するための検索命令を生成し、この生成された検索命令に基づき前記文書データおよび前記リアルタイムデータのうちの少なくとも一方を検索して呈示することにより、文書データとリアルタイムデータとを効率よく検索でき、例えば、プラント等の設備の監視制御などの業務における情報のアクセスの労を軽減し、業務を効率化を図ることができる。また、簡潔な検索要求文を入力するだけで、リアルタイムデータに基づきそれを解釈することにより、効率よく適切な情報の検索を可能にする。
【0016】
好ましくは、前記検索命令を生成する際に、検索要求時の前記リアルタイムデータに基づいて、要求を受け付けるか拒絶するかを判断する。
【0017】
好ましくは、前記検索命令を生成する際に、検索要求時の前記リアルタイムデータに基づいて行なった前記検索要求文の解釈の内容を呈示する。
【0018】
本発明の情報検索装置は、文書データを記憶する文書データ記憶手段と、リアルタイムデータを取得して記憶するリアルタイムデータ記憶手段と、入力された検索要求文を解釈して前記文書データおよび前記リアルタイムデータを検索するための検索命令を生成する検索命令生成手段と、前記検索命令に基づき文書データとリアルタイムデータの少なくとも一方を検索して呈示する検索手段とを具備したことにより、文書データとリアルタイムデータとを効率よく検索でき、例えば、プラント等の設備の監視制御などの業務における情報のアクセスの労を軽減し、業務を効率化を図ることができる。
【0019】
また、本発明の情報検索装置は、文書データを記憶する文書データ記憶手段と、リアルタイムデータを取得して記憶するリアルタイムデータ記憶手段と、入力された検索要求文を前記リアルタイムデータ記憶手段で記憶された検索要求時のリアルタイムデータに基づいて解釈して(より具体的には、検索要求時のリアルタイムデータに基づいて検索要求文の解釈結果を補う、または、絞り込む)前記文書データおよび前記リアルタイムデータを検索するための検索命令を生成する検索命令生成手段と、前記検索命令に基づき文書データとリアルタイムデータの少なくとも一方を検索して呈示する検索手段とを具備したことにより、文書データとリアルタイムデータとを効率よく検索でき、例えば、プラント等の設備の監視制御などの業務における情報のアクセスの労を軽減し、業務を効率化を図ることができる。また、簡潔な検索要求文を入力するだけで、リアルタイムデータに基づきそれを解釈することにより、効率よく適切な情報の検索を可能にする。
【0020】
好ましくは、前記検索命令生成手段は、前記リアルタイムデータ記憶手段で記憶された検索要求時のリアルタイムデータに基づいて、要求を受け付けるか拒絶するかを判断する。
【0021】
好ましくは、前記検索命令生成手段は、前記リアルタイムデータ記憶手段で記憶された検索要求時のリアルタイムデータに基づいて行なった前記検索要求文の解釈の内容を呈示する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0023】
図1は、本実施形態に係る情報検索システムの構成を示すブロック図である。図1に示す情報検索システムは、大きく分けて、文書データ管理部1とプロセスデータ管理部2と検索命令生成部3とデータ呈示部4と検索命令生成規則記憶部31とから構成されている。
【0024】
文書データ管理部1は、文書データを記憶・管理(登録、検索を含む)するためのもので、文書データ記憶部12と、この文書データ記憶部12に文書を登録する文書データ登録部11と、文書データ記憶部12から文書を検索する文書データ検索部13とから構成されている。
【0025】
なお、図1の情報検索システムをコンピュータ上に構成することもできる。すなわち、上記各部のうち、文書データ記憶部12、プロセスデータ記憶部22、検索命令生成規則記憶部31をコンピュータによりアクセス可能な磁気ディスク(フロッピーディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記録媒体に構成し、その他の構成部を磁気ディスク(フロッピーディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記録媒体に格納されたコンピュータに実行させることのできるプログラムとして構成することもできる。
【0026】
文書データ管理部1は、従来技術の文書データベースを用いて実現してもよく、文書検索機能として、キーワードの論理式を検索条件とした文書検索と、自然言語の問い合わせを検索条件とした文書検索との両方を具備したものであればよい。
【0027】
プロセスデータ管理部2は、リアルタイムデータであるプラント等の設備のプロセスデータを記憶・管理(登録、検索を含む)するためのもので、設備に取り付けられたセンサ等の制御機器からの、センサ値、アラーム、オペレータの操作履歴などのプロセスデータを、プロセスデータ取得部21で取得する。取得されたプロセスデータのうち、必要なものはプロセスデータ記憶部22によって記憶される。また、プロセスデータ検索部23は、問い合わせに応じて、プロセスデータ取得部21が常時取得しているプロセスデータ(すなわち現在値)、または、プロセスデータ記憶部22が記憶している過去のプロセスデータ(すなわち、プロセスデータの履歴)を検索する。
【0028】
プロセスデータ管理部2は、従来よりプラント等設備の制御システムで実現されている手段を用いて実現してよい。
【0029】
検索命令生成部3は、ユーザからの自然言語による問い合わせ文(検索要求文)を解釈し、前述の文書データ管理部1、あるいは、プロセスデータ管理部2から、ユーザにより入力された検索要求文にあった情報を検索する検索命令を生成する。
【0030】
検索命令生成部3は、後述するように、プラント等設備の状態、すなわち環境情報として、プロセスデータ取得部21が常時取得しているプロセスデータを得、これに基づいて、ユーザにより入力された検索要求文の解釈処理方法を制御する。
【0031】
検索命令生成規則記憶部31は、自然言語の要求文を解釈し、環境情報に基づいて検索命令を生成するための知識・規則を、複数記憶する。すなわち、検索命令生成部3は、検索命令生成規則記憶部31に記憶された規則を用いて、検索命令を生成する。
【0032】
データ呈示部4は、文書データおよびプロセスデータをユーザに呈示するためのもので、ユーザの問い合わせは、検索命令生成部3によって、文書データ検索部13、または、プロセスデータ検索部23への検索命令に変換され、文書データ検索部13またはプロセスデータ検索部23によってデータの検索が行われる。検索結果のデータは、データ呈示部4によって、ユーザに呈示される。
【0033】
本発明の構成上で本質的かつ新規な点は、文書データ管理部1とプロセスデータ管理部2の両方に対するユーザの要求を統一的に受け付けて、各々のデータを検索し、ユーザに呈示するよう構成した点と、プラントの状態に基づいてユーザの要求を適切に解釈する検索命令生成部3の処理内容である。
【0034】
次に、検索命令生成規則記憶部31に記憶された、知識・規則のデータについて説明する。
【0035】
図2、図3は、文書データの検索に用いる知識である文書クラスを表した図で、図2は、その文書クラスの概要をツリー状に示したものである。例えば、図2において、「非定常運転」と表された文書クラス21の詳細な記述を図3に示す。
【0036】
図3において、文書クラス「非定常運転」は、「監視・制御」に属する概念であり、スーパークラスは「監視・制御」である。また、「非定常運転」の関連語とは、文書データ中のその語の有無が、その文書がその文書クラスに分類されるかどうかを決定するような語という意味であり、ここでは、「立ち上げ」「停止」「異常処理」などの語が「非定常運転」の関連語して記述されている。なお、図3において、「立ち上げ」、「起動」、「始動」、「スタートアップ」というまとまりは、これらの4つの語が、「非定常運転」という文脈で同義語であることを示している。
【0037】
図4は、プラントの構成の一例を示した図で、ごく簡単なプラント設備「反応缶」の構成を示したものであるが、検索命令生成規則記憶部31では、これに相当する知識として、図5〜図7に示したような形式で記述した知識を記憶する。図5は、図4に示したようなプラント設備の構成と設備の各々の要素が属するクラスをツリー状に示した図である。図5中、「センサ」「水位」などの楕円で示したノードは、クラス(抽象概念)を表し、「NO.1反応缶」など矩形で表したノードはインスタンス(具体概念。対象プラントに存在する実際の機器など)を表す。図5では、垂直方向のツリー(実線で示したつながり)で、クラス・インスタンス間の上位・下位関係を示す。例えば、「NO.1反応缶」は「反応缶」のインスタンスであり、「反応缶」は「缶」のサブクラスであると表現されている。また、図5中の破線で示したつながりは、概念間の関係を表す。例えば、クラス31の「センサ」は「物理量」を計測する、「温度計」は「温度」を計測する、「設備」は「機器」で構成される、「NO.1反応缶」は「NO.1缶内温度計」や「NO.1攪拌機」などのセンサやアクチュエータで構成される(言い換えれば、「NO.1缶内温度計」や「NO.1攪拌機」などのセンサやアクチュエータが属する設備は「NO.1反応缶」である(図7では、この関係を「設備」という項目に記述している)、といった関係が図5に記述されている。
【0038】
図6は、図5に示したクラス間の上位・下位関係と概念間の関係を含む各クラスの詳細な記述であり、例えば、図6の「水位計」というクラスからは、「センサ」というクラスをスーパークラスとするものであり、図6の「上限リミット」というクラスのスーパクラスでもあるということが読み取れる。また、この「水位計」というクラスを見ると、物理量の「水位」を計測するセンサであることが読み取れる。また、「水位計」というクラスの記述項目の1つである関連語には「水位計」「液位計」「レベル計」である、と記述されているが、これは、「水位計」という概念の呼び方には、「液位計」「レベル計」などというバリエーション(同義語)があることを意味している。
【0039】
図7は、図5に示したインスタンスの概念間の関係を含む各インスタンスの詳細な説明の記述であり、例えば、図7の上から5番目に示してある「NO.1上限リミット」は、「上限リミット」というクラスのインスタンスである、と記述されている。各インスタンスにて表現される機器には、その機器を識別するためのユニークな識別子であるタグが付されている。例えば、図7で例示したように、「NO.1上限リミット」のタグは「LS1001」である。
【0040】
なお、図2、図3で説明した文書分類のクラスと、図4〜図7で説明した機器の分類のクラス、インスタンスは、形式が同じであるので、例えば、図5の「設備」「機器」「操作」「物理量」等のクラスを、図2の「設備・機器」というクラス22のサブクラスとし、両者を併せて監視制御業務に関わる情報全般のクラスと考えてもよく、検索命令生成規則記憶部31に記憶する知識データとしては、文書、機器の分類を1つのツリーで表現してもよい。
【0041】
図8は、自然言語の要求文を解釈して、ユーザの求めるデータを検索して呈示するための検索命令生成規則の一部を示した図である。各規則(ここでは、一例として規則R1〜R4の4つを示している)は、8つの項目をもつ。
【0042】
第1の項目である「パターン」は、ユーザの要求文が各々のルールに合致するかどうかを判断するためのチェック項目である。この項目に記載されているパターンと要求文とのマッチングをとったときの類似度から、当該規則を適用するかどうかを判断すると同時に、要求文から、ユーザの意図を解釈する上で重要な情報を抽出する。例えば、規則R1のパターンは、「NO.1反応缶の温度計の温度」「缶の水位」「温度計と水位計の値」などの要求文にマッチするパターンである。パターン中の < > で指定した部分は、図5で説明したクラスやインスタンスを意味する表現(例えば、名称)が要求文中に現われることを意味する。例えば上記の例文での「NO.1反応缶」や「缶」は規則R1のパターン中の<設備(X)> の部分にマッチし、「温度計」や「水位計」は <センサ(Y)>にマッチする。
【0043】
なお、図8のパターンの表記方法については、「*」印は0個以上の繰り返しにマッチし、「+」印は1個以上の繰り返しにマッチ、「|」印は複数列挙したいずれかのパターンにマッチする(OR)という意味であり、{ }印はグルーピングの意味である。
【0044】
規則R3のパターン中、<クラス(X)>という記述は、図2〜図7で説明した文書クラスやプラント設備のクラス・インスタンスの関連語が、要求文中に含まれることを意味する。たとえば、「反応缶のシャットダウンの方法」という要求文に対して規則R3のパターンとマッチングを行った場合、「反応缶」「シャットダウン」という語が<クラス(X)>にマッチする。この結果、この要求文は、図5、図6から設備クラスの「反応缶」、図2〜図3から文書クラスの「非定常運転」についての要求であると解釈される。規則R4のパターンは「TRUE」であり、どのような要求文にもマッチする。
【0045】
図8において、第2の項目である「前提条件」は、規則が適用されるための条件を記述する項目である。例えば、規則R1とR2の前提条件「controller_is_enable(CURRENT_STATE)」の意味するところは、現在のプラントの状態(CURRENT_STATE)において、制御機器が利用可能であることが、これらの規則を適用するために必要であるということである。後述するように、規則R1は制御機器からプロセスデータの現在値を取得するための規則であり、規則R2は制御機器に操作命令を出すための規則であるが、両規則とも、制御機器が利用可能である場合にのみ適用される。
【0046】
図9は、プラントの現在状態(CURRENT_STATE)の一例をプラント設備の一部について示したものである。図1のプロセスデータ取得部21は、プラント設備のセンサ、アクチュエータの異常の有無や程度に関するデータを、制御機器自体の状態も含めて取得するが、例えば、図9中で、タグが「CONTROLLER」である設備機器の状態が重故障であれば、上述の前提条件「controller_is_enable(CURRENT_STATE)」は偽となり、規則R1と規則R2は適用されない。
【0047】
同様に、図8の規則R3の前提条件は、「現在の状態(CURRENT_STATE)が重故障(is_critical(CURRENT_STATE))であるなら、監視・制御に関する要求である場合(クラス X==監視・制御)にのみ、この規則を適用する」という意味である。規則R3は、文書検索を行なう規則であるが、このような前提条件によってその適用の可否を制御することにより、後述するように、プラントの状態に無関係で不適切な要求がユーザによって発せられた場合に、これを拒絶することができる。
【0048】
一方、規則R4の前提条件は、恒真(TRUE)であり、この規則はどのような状態でも適用可能であるとしている。
【0049】
図8において、第3の項目「パラメータ」と、第4の項目「コマンド」は、各々の規則が生成する検索命令およびそのパラメータの生成の方法に関する記述である。規則R1は、ユーザが要求したプロセスの現在値を取得して呈示する規則であるが、そのコマンドは「get_value(Y.タグ)」である。ここで、「Y」は、センサのインスタンス(例えば「NO.1上限リミット」など)であり、そのタグを、そのコマンド「get_value」のパラメータとする。規則のパラメータの項目には、そのパラメータの値を特定するための手続きを記述する。規則R1の場合、
bind((X,Y,Z)、(Y.設備==X and Y.物理量==Z)、CURRENT_STATE)
という処理によって、Xすなわち「設備」と、Yすなわち「センサ」、および、Zすなわち「物理量」を特定する。そのための制約条件が(Y.設備==X and Y.物理量==Z)であるが、これは、Yの設備はXであり、かつ、Yの物理量はZである、という意味の制約である。この制約から、たとえば、「反応缶の水位は」というような問い合わせに対して、設備Xが「反応缶」クラスのインスタンスであり、物理量Zが「水位」クラスであるようなセンサのインスタンスYが求められる。この制約を満たすセンサYが多数存在する場合には、後述するように、現在のプロセスの状態 CURRENT_STATE に基づき、ユーザの意図に最も合うと思われるセンサYが選択される。
【0050】
図8において、第5〜8の項目は、ユーザの要求に対して、システムが行なった解釈の結果や提供できる情報について、ユーザに説明を行なうためのテンプレートである。
【0051】
第5の項目「メニュー」は、システムが提供できる情報をユーザに手短に呈示するためのものである。例えば、ユーザが「反応缶の弁を開く」という要求を出した場合には、パターンの照合を行うことにより、規則R2が、その要求に最も合致した規則であるが、この場合、規則R2のメニュー項目「XのYのZ操作」に対して、ユーザの要求文から、上述の処理により設備X、アクチュエータY、操作Zが特定され、これがメニューの変数X、Y、Zの部分にされた結果、ユーザに対して、「反応缶の弁の開操作」というメニューが呈示される。
【0052】
第6の項目「拒絶時応答」、第7の項目「成功時応答」、第8の項目「失敗時応答」も、これと同様、ユーザにシステムの解釈の状況を説明するためのメッセージのテンプレートである。「拒絶時応答」は、上述の前提条件が満足されなかった場合にユーザに対して要求の拒絶の旨を伝えるための応答文のテンプレートである。「成功時応答」「失敗時応答」は、それぞれ、コマンドを実行した結果の成功・失敗に応じて出力する応答文のテンプレートである。なお、図8中、「REQUEST」とはユーザの要求文を意味する変数である。
【0053】
以上、本実施形態にかかる検索命令生成規則について例を挙げて説明したが、本発明では、これらの知識・規則の内容および記述方法について、上記の方法に限定するものでない。本実施形態は、主にプラントの監視制御における情報検索を対象にしているが、対象分野が異なる場合には知識・規則の内容および記述方法が異なる。本発明の検索命令生成規則において本質的な部分は、ユーザの要求文からその意図を解釈するための知識(概念階層など)と規則(パターンなど)を持つ点、および、プラント等の環境情報に基づいて要求の受理/拒絶や解釈の方法を制御するための枠組を持つ点である。
【0054】
次に、図10に示すフローチャートを参照して、図1の情報検索システムの情報検索処理動作について説明する。なお、その際、ユーザからの要求文とシステムの応答との画面表示例を図11〜図15に示す。
【0055】
システムは、ユーザからの質問を受け付け、ユーザからの要求文Qがあれば(ステップS1)、まず、全ての検索命令規則の集合Rの、各々の要素Riについて、要求文QとRiのパターンとの類似度を計算し、これをRiの得点Piとする(ステップS2)。ここで、Piの計算方法は、パターンの記述方法に依るが、例えば、単純には、以下のような計算式で求めることができる。
【0056】
Pi=(li×ni)/(Lq×Ni)
Lq=要求文Qの文字列長
li=要求文QのうちRiのパターンにマッチした部分の文字列長
Ni=Riのパターン中の概念(上述の <設備(X)> などの記述)の個数
ni=要求文Q中でRiのパターンで指定した概念が現われた個数
例えば、Q=「反応缶の温度はいくら」であるとき、この要求文Qに対する図8の規則R1の得点P1は、Lqの値は10文字、l1の値は、「反応缶の」、「温度」の6文字、Niの値は、この場合、<センサ(Y)の>と<物理量(Z)>の2つ、niの値は、「反応缶の」と「温度」の2つであるから、P1=(6×2)/(10×2)=0.6 となる。ここで、Niは、パターンの省略や繰り返しを考慮して数える。すなわち、規則R1では、「{<センサ(Y)>の}*」の部分は0個以上の繰り返しを許すため、要求文Qにその記述がない場合はNiには含めない。一方、「{<設備(X)>の}*」 の部分も0個以上の繰り返しを許すが、要求文Qにその記述「反応缶」が一度現われるので、Niにもniにもその数が含められる。
【0057】
規則R1と同様に、規則R2、規則R3の得点P2、P3は、それぞれ、P2=(3×1)/(10×2)=0.15、P3=(5×2)/(10×2)=0.5となる。
【0058】
規則R4は、パターンが「TRUE(恒真)」である特殊な規則なので、この得点は、常に閾値Psであるとする。Psは、規則を適用すべきかどうかの閾値であり、ここではその値を例えば「0.3」とすると、P4=0.3 である。
【0059】
各々の規則Riの得点Piを計算したのち、閾値Psを超える得点Piを持つRiが存在しなければ(ステップS3)、要求文Qが解釈できなかった旨の応答文を呈示する(ステップS4)。図11はその画面例である。ただし、規則R4のように得点が常に閾値を下回らない規則がある場合にはこのステップには至らず、ステップS5以下の処理に移ることになる。
【0060】
ステップS5では、現在のプロセス値の状態S(図8では「CURRENT_STATE」と記したが、これと同じ情報であり、その例は図9に示した)を取得する。状態Sは、後のステップS6とステップS8の処理で利用する。
【0061】
ステップS6からS14までの処理は、検索命令を生成して検索を実行する処理である。図10では、ステップS6からS14までの処理を、ステップS2で求めた規則、すなわち、要求文Qに対する得点Piが閾値Pを超えるRiについて、Piの大きい順に繰り返し実行するとしているが、この繰り返しなどの方法は、後述するように変形してもよい。
【0062】
まず、ステップS6では、規則Riが状態Sで適用可能かどうかを、規則Riの前提条件をもとに決定する。例えば、先に図8を用いて説明したように、ユーザの要求文が「保養所の利用方法は?」という質問であった場合で、かつ、状態Sが、重故障が発生している状態である場合には、例えば、規則R3の前提条件(is_critical(CURRENT_STATE)?(X==監視・制御):TRUE)は満足されない。「is_critical(CURRENT_STATE)」は真であるが、「X」すなわち「保養所」クラス(図2参照)は「監視・制御」クラス(図2参照)に属すクラスではないからである(なお、図8等において、(A? B:C) という式は、Aが真ならばBの真偽値が採られ、Aが偽ならCの真偽値が採られるという意味である)。したがってこの場合には、ステップS7にて、当該規則(例えば、ここでは規則3)に適用可能でない、すなわち、要求拒絶の旨の応答文を呈示する。図12は、要求が拒絶された場合の画面表示例である。
【0063】
一方、前提条件が満足された場合には、ステップS8にて、コマンドに渡すパラメータの値を決定する。パラメータの値は、現在の状態Sを考慮して決定する。例として、現在の状態Sが、図9に示したように、タグ「LS1001」の機器(つまり、「NO.1上限リミット」)が重故障を検知している状態で、ユーザが「復旧の方法」という要求文でシステムに問い合わせた場合を考える。この場合、規則R3が最も高得点でマッチし、また、「復旧」すなわち「非定常運転」が「監視・制御」に属する(図3参照)ことから、規則R3の前提条件は満たされる。
【0064】
ステップS8では、規則R3が実行するコマンド「get_text(X、REQUEST、K)」のパラメータX、REQUEST、Kの値が求められる。ここで、「get_text」というコマンドは文書検索のコマンドであり、パラメータ「X」は文書クラス「非定常運転」、「REQUEST」は要求文自体、すなわち「復旧の方法」という文字列である。「K」は補助的なキーワードであり、「get_text」コマンドは、Xのクラスの文書を対象に、自然言語の問い合わせ文REQUESTと、補助的なキーワードの論理式を検索条件として、文書を検索する。この場合の補助的なキーワードは、規則R3のパラメータ項目、すなわち、「K=(X==監視・制御? get_keyword(CURRENT_STATE):NULL)」によって求められる。すなわち、ここでは、「非定常運転」が「監視・制御」に属するので、キーワードKは、「get_keyword(CURRENT_STATE)」というコマンド、つまり、現在の状態からキーワードを求める処理により生成される。
【0065】
ここで、プラントの現在の状態から、キーワードを求める処理について説明する。例えば、現在の状態ではタグ「LS1001」の付された機器に異常が発生しているものとする。タグ「LS1001」の付されている機器は、図7からセンサ「NO.1上限リミット」を意味することが分かる。
【0066】
図7から「NO.1上限リミット」のクラスは「上限リミット」であり、さらに図6、図5から「上限リミット」のスーパークラスは「水位計」、「センサ」、「機器」である。このように上位概念を辿って行くことにより、現在着目している「LS1001」に関連する語が、その関連の度合とともに求められる。すなわち、「NO.1上限リミット」インスタンスより一段上位の概念は図6より「上限リミット」クラスであり、その関連語は、図6より「上限リミット」「上限水位」「水位超過」である。同様に、「上限リミット」クラスの一段上位の概念は図6より「水位計」であり、その関連語は、図6より「水位計」「レベル計」「液位計」である。また「水位計」の一段上位の概念は図6より「センサ」であり、その関連語は図6より「センサ」「測定器」「計測器」「計器」である。さらに、「センサ」の一段上位の概念は図6より「機器」である(以上の「NO.1上限リミット」から上位概念に向かった流れを模式的に示すと、NO.1上限リミット→上限リミット→水位計→センサ→機器)。
【0067】
さて、「LS1001」、すなわち、「NO.1上限リミット」インスタンスより一段上位の概念は図6より「上限リミット」クラスであり、その関連語は、図6より「上限リミット」「上限水位」「水位超過」であった。そこで、これら関連語のそれぞれの語を形態素で区切り、AND(*印)とOR(+印)の論理式として検索条件を生成する。
【0068】
また、最下位の「NO.1上限リミット」より上位に辿る毎に、関連度を1/2ずつ乗じていくことにすれば、上記したような上位概念を辿った結果生成される検索条件の論理式とその関連度は次のようになる。
【0069】
関連度 論理式
1/2 (上限*リミット+上限*水位+水位*超過)
1/4 (水位*計+レベル*計+液位*計)
1/8 (センサ+測定*器+計測*器+計器)
同様にして、上位概念以外の関係、すなわち、「NO.1上限リミット」が測定対象とする「物理量」という関係においては、図7より「NO.1上限リミット」インスタンスに記述されている物理量は「水位」であり、その関連語は図6より「水位」「液位」「レベル」である。従って、最下位の「NO.1上限リミット」より上位に辿る毎に、関連度を1/2ずつ乗じていくことにすれば、上記したような「物理量」という関係を辿った結果生成される検索条件の論理式とその関連度は次のようになる。
【0070】
関連度 論理式
1/2 (水位+液位+レベル)
さらに、「NO.1上限リミット」を構成要素とする「設備」の関係においては、図7より「NO.1反応缶」であり、「NO.1反応缶」インスタンスの一段上位の構成要素は図7より「反応缶」クラスであり、その関連語は、図6には示していないが「反応タンク」「反応槽」であるとする。また、「反応缶」の一段上位の構成要素は図6には示していないが図5から明らかなように、「缶」であり、その関連語は、「タンク」「槽」であるとする。さらに、「缶」の一段上位の構成要素は図6には示していないが図5から明らかなように、「設備」である(以上の「NO.1上限リミット」から上位に向かった構成要素の流れを模式的に示すと、NO.1上限リミット→NO.1反応缶→反応缶→缶→設備)。従って、最下位の「NO.1上限リミット」より上位に辿る毎に、関連度を1/2ずつ乗じていくことにすれば、上記したような「設備」という関係を辿った結果生成される検索条件の論理式とその関連度は次のようになる。
【0071】
関連度 論理式
1/4 (反応*缶+反応*タンク+反応*槽)
1/8 (缶+タンク+槽)
これらの論理式の和を、コマンド「get_text」の補助的な検索条件Kとする。
【0072】
次に、ステップS9において、コマンドを実行するかどうかを決定し、実行する場合にはステップS10に進む。コマンドを実行するかどうかは、規則Riの得点Piに基づいて自動的に実行する方法や、ユーザがコマンドを実行するかどうかを明示的に選択する方法などがある。図13は後者の例であり、各規則のメニュー(図8の説明参照)を得点の高いものから順にユーザに呈示して、実行すべきコマンドをユーザに選択させる画面の例で、このメニューのうち、「反応缶の温度計の温度」がユーザにより選択されたときの検索結果を表示した場合を示している。この場合、図6の処理の流れは少し変形を要する。すなわち、ステップS8の後にメニューを作成して呈示する処理が加わり、対象としている全ての規則についてメニューを呈示した後、ユーザに実行するかどうかを判断させるという処理の流れになる。コマンドの実行は、ステップS8で求めたコマンドおよびパラメータの値を、文書データ管理部1あるいはプロセスデータ管理部2に送り、検索を実行することにより行なわれる(ステップS10)。例えば、図8の規則R3の例では、「get_text」というコマンドと、そのパラメータ「REQUEST」「X」「K」が、文書データ管理部1に送られ、文書の検索が行なわれる。
【0073】
文書データ検索部13では、文書クラス「X」(上記の例では「非定常運転」)に属する文書データのうち、自然言語の検索条件「REQUEST」(例えば「復旧の方法」)に合致する文書を検索する。自然言語を検索条件とした文書検索の方法は従来と同等の方法で行なうが、この際、「REQUEST」中の「復旧」という語は、図3で示したように、文書クラス「非定常運転」の文脈では「復帰」「異常処理」などの語と関連があるので、これらの語も検索条件とする。
【0074】
前述した補助的なキーワードの検索条件は、自然言語の検索条件で検索した結果に適応し、プラントの状態に合致した文書を絞り込んで検索するのに用いる。
【0075】
以上、文書検索などのコマンド実行の結果、成功すれば(ステップS11)、成功の旨の応答文と、実行結果をユーザに呈示する(ステップS12)。図14は、コマンドの実行結果として検索された文書の一覧を呈示した画面例である。ユーザの要求文「復旧の方法」に対し、上述のように、プラントの状態に基づいて文書検索の条件を付加した結果、「水位の超過」等の復旧方法に関する運転方案書が検索されてユーザに呈示される。
【0076】
このように、本発明によれば、ユーザの簡潔で曖昧な要求文を、プロセスデータの状態に基づいて解釈し、ユーザの意図にあった情報を呈示することが可能である。また、図14に示すように、システムが返す応答文「『復旧の方法(上限、リミット、水位、超過、…)』に関する文書を表示します。」によって、システムがどのような処理を行なったか(この例では、文書の検索を行なった)と、プロセスデータの状態に基づいてどう要求を解釈したのか(この例では、「水位」「超過」等の状況に基づいて解釈した)という説明がなされる。この機能により、ユーザは、システムが自分の意図通りの解釈をしたかどうかを容易に知ることができ、システムの間違った解釈によるコマンドを実行せずに、自分の求める情報のみを得ることができる。
【0077】
いま一つの例として、ユーザが「弁を開く」という要求を発した場合の処理の流れを説明する。この要求文に対して、ステップS2では、規則R2が最も得点の高い規則として選ばれ、これがステップS6で適用可能であれば(つまり制御機器が利用可能であれば)、ステップS8では、「set_value(Y.タグ、Z.信号」)というコマンドのパラメータY、Zの値を生成する。このコマンドは、YのアクチュエータにZの信号を設定するコマンドである。ここで、プラント内に多数の弁が存在する場合には、どの弁を開くべきかは要求文からは特定できない。このとき、プラントの現在の状態が、タグ「TI1401」の付された機器が異常な(すなわち、「NO.1缶内温度計」が異常値を示している)状態であれば、システムは、この異常状態に関連する弁が、ユーザの意図する弁であると判断する。
【0078】
以下、その手順を具体的に説明する。まず、タグ「TI1401」の付された機器は、図7より「NO.1缶内温度計」を指すタグであることが分かる。図7より、「NO.1缶内温度計」が属する設備は「NO.1反応缶」であり、「NO.1反応缶」は、同じく図7より「NO.1注入弁A」「NO.1注入弁B」「NO.1排出弁」「NO.1冷却水弁」の4つの弁を持つことがわかる(以上のNO.1缶内温度計との第1の関係を模式的に示すと、NO.1缶内温度計→NO.1反応缶→NO.1注入弁A、NO.1注入弁B、NO.1排出弁、NO.1冷却水弁)。
【0079】
一方、同じく図7より「NO.1缶内温度調節計」は、「NO.1缶内温度計」の測定値を入力として「NO.1冷却水弁」を調節することがわかる(以上のNO.1缶内温度計との第2の関係を模式的に示すと、NO.1缶内温度計→NO.1缶内温度調節計→NO.1冷却水弁)。
【0080】
「NO.1缶内温度計」と「NO.1冷却水弁」との間は、上記第1および第2の関係のように2通りの道筋の関係があり、関係を辿る段数は、両方とも2段なので、「NO.1缶内温度計」と「NO.1冷却水弁」の間の関連度は、1/4+1/4=1/2となる。一方、他の3つの弁「NO.1注入弁A」「NO.1注入弁B」「NO.1排出弁」は、みな、第1の関係しかないため、「NO.1缶内温度計」とこれら3つの弁との関連度は1/4である。
【0081】
以上の計算により、ステップS8にて、コマンド「set_value(Y.タグ、Z.信号)」の「Y」は、「NO.1冷却水弁」である可能性が高いと判断し、そのタグ「MV1101」をパラメータとする(図7参照)。なお、Zはユーザの要求から「開」操作であるから、図6より「Z.信号」は「1」である。結果として、「set_value(MV1101、1)」というコマンドがステップS10にて実行され、その結果がステップS12もしくはステップS13でユーザに呈示される。
【0082】
なお、以上の例で説明した、プラントの状態から操作対象の弁を決定する処理は、ユーザが意図する対象を常に正しく決定できるとは限らないため、図15に示すように、ユーザに操作対象の候補を呈示して、選択・確認せしめてもよい。この場合には、ユーザに選択させる処理を、パラメータ生成処理(ステップS8)の一部として付け加える。ユーザに選択させる候補のうち、どの候補がユーザの意図に合っているかの確からしさは、上記に説明した通り、プラントの状態に基づいて判断できる。上の例では、4つの弁のうち、「NO.1冷却水弁」が最も確からしい。したがって、図15に示すように、可能性の高い候補を上位の候補として、先頭に呈示したり、強調して呈示することにより、ユーザによる選択の労力を軽減することができる。
【0083】
以上説明したように、上記実施形態によれば、プラント監視制御等の業務における、文書データとプロセスデータの検索・利用を、簡潔な自然言語による入力によって労力なく行なうことができる。また、プラント等設備のプロセスデータの状態によって、ユーザの要求を受け付けるかどうかを制御したり、要求の解釈の正確さを増すことができるため、ユーザに対して適切な行動を示唆したり、曖昧な要求文に対しても適切なデータを検索し呈示できる。さらに、プロセスデータの状態に基づいて要求を解釈した場合、なぜそう解釈したのかの説明や、解釈が複数通りある場合の候補の呈示の優先度付けが行なわれるため、ユーザは、システムの処理内容を容易に理解でき、ユーザとシステムとの間の要求−回答のインタラクションをスムーズに行なうことができる。
【0084】
以上述べた効果の結果として、ユーザは、多種多量のデータから自分の必要なデータを探す作業の負荷から解放され、監視制御等の業務自体に専念できるため、業務の効率が向上し、操業の安全性も高まる。
【0085】
なお、上記実施形態では、プラント等の監視制御への適用例を説明したが、本発明の適用対象はプラントの場合に限らない。交通システム、インテリジェントビル、自動倉庫などを対象とした文書データとリアルタイムデータを利用する様々な業務に適用可能なことは明らかである。
【0086】
また、工業分野以外、例えば、サービス業、金融業、医療分野、農林水産業での適用も可能である。このそれぞれの場合において、上記実施形態ではプロセスデータと呼んだリアルタイムデータは、商品の在庫や予約状況のデータ、証券価格データ、患者データ、気象データなど、様々な種類のリアルタイムデータと置き換えて考えることができ、基本的に、上記実施形態と同様にして、情報の検索・利用の効率化を実現することができる。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、文書データとリアルタイムデータとを効率よく検索でき、例えば、プラント等の設備の監視制御などの業務における情報のアクセスの労を軽減し、業務を効率化を図ることができる。
【0088】
また、簡潔な検索要求文を入力するだけで、リアルタイムデータに基づきそれを解釈することにより、効率よく適切な情報の検索を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報検索システムの構成を示すブロック図。
【図2】検索命令生成のための知識である文書の分類のクラスの例を示す図。
【図3】文書クラスの詳細な記述例を示した図。
【図4】プラントの一部の構成例を示した図。
【図5】検索命令生成のための知識であるプラントの分類・構成の例を示す図。
【図6】図5に示したクラス間の上位・下位関係と概念間の関係を含む各クラスの詳細な記述の一例を示した図。
【図7】図5に示したインスタンスの概念間の関係を含む各インスタンスの詳細な説明の記述の一例を示した図。
【図8】検索命令生成のための知識である検索命令生成規則の例を示した図。
【図9】プラントの現在状態(CURRENT_STATE)の一例をプラント設備の一部について示した図。
【図10】図1の情報検索システムの処理の流れを示すフローチャート。
【図11】ユーザの要求に対するシステムの応答の画面例を示す図で、ユーザの要求文が解釈できなかったときの画面表示例を示している。
【図12】ユーザの要求に対するシステムの応答の画面例を示す図で、規則に適用可能できなかったため要求文が拒絶された場合の画面表示例を示している。
【図13】ユーザの要求に対するシステムの応答の画面例を示す図で、各規則のメニューを得点の高いものから順にユーザに呈示して、実行すべきコマンドをユーザに選択させるための画面表示例を示している。
【図14】ユーザの要求に対するシステムの応答の画面例を示す図で、コマンドの実行結果として検索された文書の一覧を呈示した画面表示例を示している。
【図15】ユーザの要求に対するシステムの応答の画面例を示す図で、ユーザの要求をプロセスデータを基に解釈した内容をユーザに呈示して、その中から選択・確認せしめるための画面表示例を示している。
【符号の説明】
1…文書データ管理部
11…文書データ記憶部
12…文書データ登録部
13…文書データ検索部
2…プロセスデータ管理部
21…プロセスデータ取得部
22…プロセスデータ記憶部
23…プロセスデータ検索部
3…検索命令生成部
31…検索命令生成規則記憶部
4…データ呈示部
Claims (9)
- 各設備・機器から出力される設備・機器データを取得する取得手段と、
文書データ及び前記設備・機器データを記憶する第1の記憶手段と、
文書データ及び各設備・機器を分類するための複数のクラスと、当該複数のクラスの上位・下位関係と、各クラスに属する語及び設備・機器名とを示した知識データを記憶する第2の記憶手段と、
前記複数のクラスと各クラスに属する語及び設備・機器名とのうちの少なくとも1つを含む自然言語の検索要求文に含まれるパターンと、当該パターンに対応する文書データを検索するための検索命令及び設備・機器データを検索するための検索命令のうちのいずれか1つと、前記検索命令を実行するために必要なパラメータを取得するための方法に関する記述とをそれぞれ含む複数の生成規則を記憶する第3の記憶手段と、
自然言語の検索要求文を入力する入力手段と、
前記入力手段で入力された検索要求文を基に検索命令及びパラメータを生成する生成手段と、
前記検索命令及び前記パラメータを用いて、前記第1の記憶手段に記憶された文書データ及び設備・機器データを検索する検索手段と、
呈示手段と、
を備えた情報検索装置における情報検索方法において、
前記入力手段が前記検索要求文を入力する入力ステップと、
前記生成手段が、前記知識データを参照して、入力された検索要求文に含まれる語及び設備・機器名の属するクラスと、当該クラスの上位のクラスとを取得する第1の取得ステップと、
前記生成手段が、前記入力された検索要求文に含まれる語及び設備・機器名と、前記第1の取得ステップで取得したクラスを用いて、前記複数の生成規則のそれぞれのパターンと、前記入力された検索要求文との間の類似度を算出する算出ステップと、
前記生成手段が、前記複数の生成規則のなかから、前記入力された検索要求文に適用可能な予め定められた値以上の類似度のパターンを有する生成規則を選択する選択ステップと、
前記生成手段が、選択された生成規則に含まれる前記記述を用いて、前記入力された検索要求文及び前記知識データのうちの少なくとも1つと、前記取得手段で取得された設備・機器データとから、前記パラメータを取得する第2の取得ステップと、
前記検索手段が、前記生成手段によって得られた生成規則に含まれる前記検索命令と、前記生成手段によって得られた前記パラメータとを用いて検索を行う検索ステップと、
前記呈示手段が、前記検索手段での検索結果を呈示するステップと、
を含む情報検索方法。 - 前記生成規則には、当該生成規則を前記検索要求文に適用するための条件を含み、
前記選択ステップは、前記複数の生成規則のなかから、前記入力された検索要求文に適用可能な予め定められた値以上の類似度のパターンを含み、且つ前記条件を満たす生成規則を選択することを特徴とする請求項1記載の情報検索方法。 - 前記条件は、前記設備・機器データ及び前記検索要求文中の語のうちの少なくとも1つに関する条件であることを特徴とする請求項2記載の情報検索方法。
- 前記呈示手段が、前記入力された検索要求文に対し、前記生成手段によって得た生成規則に関する情報及びパラメータに関する情報を呈示することを特徴とする請求項1記載の情報検索方法。
- 各設備・機器から出力される設備・機器データを取得する第1の取得手段と、
文書データ及び前記設備・機器データを記憶する第1の記憶手段と、
文書データ及び各設備・機器を分類するための複数のクラスと、当該複数のクラスの上位・下位関係と、各クラスに属する語及び設備・機器名とを示した知識データを記憶する第2の記憶手段と、
前記複数のクラスと、各クラスに属する語及び設備・機器名とのうちの少なくとも1つを含む自然言語の検索要求文に含まれるパターンと、当該パターンに対応する文書データを検索するための検索命令及び設備・機器データを検索するための検索命令のうちのいずれか1つと、前記検索命令を実行するために必要なパラメータを取得するための方法に関する記述とをそれぞれ含む複数の生成規則を記憶する第3の記憶手段と、
自然言語の検索要求文を入力する入力手段と、
前記知識データを参照して、前記入力手段で入力された検索要求文に含まれる語及び設備・機器名の属するクラスと、当該クラスの上位のクラスを取得する第2の取得手段と、
前記入力手段で入力された検索要求文に含まれる語及び設備・機器名と、前記取得手段で取得したクラスを用いて、前記複数の生成規則のそれぞれのパターンと、前記入力手段で入力された検索要求文との間の類似度を算出する算出手段と、
前記複数の生成規則のなかから、前記入力手段で入力された検索要求文に適用可能な予め定められた値以上の類似度のパターンを有する生成規則を選択する選択手段と、
前記選択手段で選択された生成規則に含まれる前記記述を用いて、前記検索要求文及び前記知識データのうちの少なくとも1つと、前記第1の取得手段で取得される設備・機器データとから、前記パラメータを取得する第3の取得手段と、
前記選択手段で選択された生成規則に含まれる前記検索命令と、前記第3の取得手段で取得された前記パラメータを用いて、前記第1の記憶手段に記憶された文書データ及び設備・機器データを検索する検索手段と、
前記検索手段での検索結果を呈示する手段と、
を具備したことを特徴とする情報検索装置。 - 前記生成規則には、当該生成規則を前記検索要求文に適用するための条件を含み、
前記選択手段は、前記複数の生成規則のなかから、前記入力手段で入力された検索要求文に適用可能な予め定められた値以上の類似度のパターンを含み、且つ前記条件を満たす生成規則を選択することを特徴とする請求項5記載の情報検索装置。 - 前記条件は、前記設備・機器データ及び前記検索要求文中の語のうちの少なくとも1つに関する条件であることを特徴とする請求項6記載の情報検索装置。
- 前記入力手段で入力された検索要求文に対し、前記選択手段で選択した生成規則に関する情報及び前記第3の取得手段で取得したパラメータに関する情報を呈示することを特徴とする請求項5記載の情報検索装置。
- コンピュータを、
各設備・機器から出力される設備・機器データを取得する第1の取得手段と、
文書データ及び前記設備・機器データを記憶する第1の記憶手段と、
文書データ及び各設備・機器を分類するための複数のクラスと、当該複数のクラスの上位・下位関係と、各クラスに属する語及び設備・機器名とを示した知識データを記憶する第2の記憶手段と、
前記複数のクラスと、各クラスに属する語及び設備・機器名とのうちの少なくとも1つを含む自然言語の検索要求文に含まれるパターンと、当該パターンに対応する文書データを検索するための検索命令及び設備・機器データを検索するための検索命令のうちのいずれか1つと、前記検索命令を実行するために必要なパラメータを取得するための方法に関する記述とをそれぞれ含む複数の生成規則を記憶する第3の記憶手段と、
自然言語の検索要求文を入力する入力手段と、
前記知識データを参照して、前記入力手段で入力された検索要求文に含まれる語及び設備・機器名の属するクラスと、当該クラスの上位のクラスを取得する第2の取得手段と、
前記入力手段で入力された検索要求文に含まれる語及び設備・機器名と、前記取得手段で取得したクラスを用いて、前記複数の生成規則のそれぞれのパターンと、前記入力手段で入力された検索要求文との間の類似度を算出する算出手段と、
前記複数の生成規則のなかから、前記入力手段で入力された検索要求文に適用可能な予め定められた値以上の類似度のパターンを有する生成規則を選択する選択手段と、
前記選択手段で選択された生成規則に含まれる前記記述を用いて、前記検索要求文及び前記知識データのうちの少なくとも1つと、前記第1の取得手段で取得される設備・機器データとから、前記パラメータを取得する第3の取得手段と、
前記選択手段で選択された生成規則に含まれる前記検索命令と、前記第3の取得手段で取得された前記パラメータを用いて、前記第1の記憶手段に記憶された文書データ及び設備・機器データを検索する検索手段と、
前記検索手段での検索結果を呈示する手段と、
して機能させるためのプログラムを記録した機械読み取り可能な記録媒体。
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