JP3654746B2 - エレクトロフュージョン継手用ボビンの製造法と金型 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明が属する技術分野】
本発明は、プラスチック管との接合面に電熱線をコイル状に埋設し、プラスチック管との接続を電気融着によって行うエレクトロフュージョン継手の製造法において用いられるボビンの製造法と、該製造法において用いられる金型に関する。
【０００２】
【従来技術】
エレクトロフュージョン継手の製造法の一つに、樹脂よりなるボビンの両側にワイヤーを一定ピッチで巻き、ついでこれをコアに嵌挿したのち金型内に装着し、その後、樹脂を射出成形する方法が知られ、またボビンについても図１に示すように、金型１内にコア２を装着したのちゲート３より樹脂を射出成形することが行われている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上述するボビンのように肉厚の薄いもの、ことに図２に詳細に示されるようにワイヤーを巻込むための螺旋溝４を備えたボビン５を製造する金型においては、金型とコアによって形成されるキャビティが狭いうえ、螺旋溝を形成するために金型内面が断面櫛歯状をなしているためキャビティの隅々まで樹脂が行き渡りにくゝ、成形品の一部にガスが封じ込められて孔があく現象を生じがちであった。
【０００４】
本発明は、上記の問題を解消し、樹脂がキャビティの隅々まで行き渡るようにするためのボビンの製造法と、該製造法において用いられる金型を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題の解決手段】
上記の目的を達成する第１の発明は、コアを装着した金型内に樹脂を射出成形することによりエレクトロフュージョン継手用のボビンを製造する方法において、上記ボビンはワ イヤーを巻込むための螺旋溝を形成したボビンであり、ウェルド側の金型にゲートと同様に設けるガス抜き用ゲートが金型に形成される螺旋溝の溝底に設けられて、成形時に樹脂を強制的に流出させることにより上記ガス抜きゲートよりガス抜きを行うことを特徴とする。
【０００６】
第２の発明は、上記ゲートをコアの軸方向に複数設けることを特徴とし、第３の発明は、ゲートが螺旋溝の溝底に設けられることを特徴とする。第４の発明は、上記第１の発明の製造法において用いられる金型に関するもので、金型と、該金型内に着脱可能に装着されるコアよりなり、金型のウェルド部分に形成される螺旋溝の溝底にガス抜き用のゲートを設けたことを特徴とし、第５の発明は、ゲートをコアの軸方向に複数設けたことを特徴とする。
【０００７】
また第６の発明は、ゲートを螺旋溝の溝底に設けたことを特徴とする。
本発明におけるゲートは、好ましくは螺旋溝の各ピッチごとの溝底にそれぞれ設けられる。ゲートやガス抜き用ゲートを溝底に設けることにより成形品には溝間の山部にスプルーや吸引口により形成される突起物が一体形成されるが、こうした突起部分が山部に突出形成されることによりカッターやグラインダー等による除去が容易に行えるようになる。
【０００８】
【発明の実施の形態】
図３は、エレクトロフュージョン継手用ボビンの成形に用いる金型について示すもので、金型１１内の内面には図４に詳細に示すように螺旋溝１２が形成され、各ピッチごとの溝底にはランナー１３（図３参照）に接続するゲート１４が設けられている。
【０００９】
金型１１内にはまたウェルド側の各ピッチごとの溝底にガス抜き室１６に接続されるガス抜き用ゲート１５が設けられ、樹脂の流出と共にガスを完全に排出できるようになっている。図中、１７はコアである。図５は、上記金型によって得られたボビン１９で、スプルー２０やガス抜き室１６によって形成される突起物２１が山部に一体形成され、製品化するときにスプルー２０や突起物２１がカッターで切断除去される。
【００１０】
【発明の効果】
請求項１及び４記載の発明では、樹脂の抜き取りにより成形品に連なって一体形成される突起物が溝間の山部に形成されるため、除去が容易に行える。
請求項２及び５記載の発明によると、樹脂がキャビティの全域に行き渡り易くなる。
請求項３及び６記載の発明では、成形品に連なって一体形成されるスプルーが溝間の山部に形成されるため、除去が容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図１】従来のボビン製造用金型の概略断面図。
【図２】ボビンの部分拡大断面図。
【図３】本発明に係わる金型の断面図。
【図４】図３に示す金型の部分拡大断面図。
【図５】図３に示す金型によって得られるボビンの断面図。
【符号の説明】
１１・・金型
１２・・螺旋溝
１３・・ランナー
１４・・ゲート
１５・・吸引口
１６・・ガス抜き室
１７・・コア
１９・・スプルー
２０・・突起物

Claims (6)

1. コアを装着した金型内に樹脂を射出成形することによりエレクトロフュージョン継手用のボビンを製造する方法において、上記ボビンはワイヤーを巻込むための螺旋溝を形成したボビンであり、ウェルド側の金型にゲートと同様に設けるガス抜き用ゲートが金型に形成される螺旋溝の溝底に設けられて、成形時に樹脂を強制的に流出させることにより上記ガス抜きゲートよりガス抜きを行うことを特徴とするエレクトロフュージョン継手用ボビンの製造法。
2. ゲートをコアの軸方向に複数設けて、各ゲートから樹脂を射出することを特徴とする請求項１記載のエレクトロフュージョン継手用ボビンの製造法。
3. ゲートが螺旋溝の溝底に設けられる請求項１又は２記載のエレクトロフュージョン継手用ボビンの製造法。
4. 金型と、該金型内に着脱可能に装着されるコアよりなり、金型のウェルド側部分に形成される螺旋溝の溝底にガス抜き用のゲートを設けたことを特徴とする請求項１記載の製造法で用いる金型。
5. 金型にはゲートをコアの軸方向に複数設けたことを特徴とする請求項４記載の金型。
6. ゲートは螺旋溝の溝底に設けられる請求項４又は５記載の金型。

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