JP3653696B2 - 地中構造物の浮き上がり防止構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、地中構造物が周囲地盤の液状化により浮き上がることを防止するための構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、地盤より密度の低い地中構造物は、地盤が液状化すると大きな浮力を受けて浮き上がる場合がある。それを防止するためには、地盤改良によって液状化の発生を防止する、地中構造物の重量を増加して浮力とバランスさせる、アンカーや引き抜き抵抗杭等の設置により浮力に対抗する、といった対策が従来より取られていた。
【0003】
また、図2に示すように、液状化を生じる恐れのある周囲地盤1中に設けられる地中構造物2の周囲に非液状化地盤3に達するような遮蔽壁4を設けて、地中構造物2の下方地盤を遮蔽壁4と地中構造物2自体により取り囲んで外部地盤と隔離することにより地中構造物2の浮き上がりを防止するという構造も知られている(特許第2807696号)。これによれば従前の他の工法に比較して低コストで優れた浮き上がり防止効果が得られるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような遮蔽壁4による浮き上がり防止対策においては、地中構造物2の下方地盤全体を外部地盤から確実に隔離する必要があるが、施工上の都合により、たとえば遮蔽壁4として山留壁を利用するような場合、あるいは地中構造物2の外壁面に外防水を行うような場合においては、図3に示すように地中構造物2と遮蔽壁4との間に若干の間隙5を確保しなければならない場合もある。そのような間隙5を確保した場合、その間隙5の部分において地盤が流動化してしまうことが想定され、そのような流動化が生じると図示しているように間隙5の部分の土砂が地中構造物2の下部に回り込んだり、さらには地中構造物2の上部の土砂が間隙5を通って地中構造物2の下部にまで回り込むことも想定され、そのような事態になると地中構造物2の浮き上がりを有効に防止できなくなることも想定される。
【0005】
そのため、上記のような遮蔽壁4による浮き上がり防止対策をより確実なものとし得る有効な改善策が必要とされている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記事情に鑑み、請求項1の発明は、地中構造物が周囲地盤の液状化により浮き上がることを防止するための構造であって、非液状化地盤に達する遮蔽壁によって地中構造物を取り囲むとともに、該遮蔽壁と地中構造物との間に形成される間隙を非液状化材料からなる封止材により封止し、前記封止材と前記遮蔽壁および前記地中構造物との間の少なくともいずれか一方にアスファルト等の緩衝材を介装してそれらを縁切りしたことを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1記載の地中構造物の浮き上がり防止構造において、前記封止材として貧配合モルタルやセメント改良土等のコンクリート系材料もしくは化学的固化剤による改良土を用いることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態を示すものである。本実施形態は図2に示した構造のように非液状化地盤3に達する遮蔽壁4によって地中構造物2の下方地盤を取り囲むことでその浮き上がり防止を図るものであるが、図3に示したように施工上の都合により遮蔽壁4と地中構造物2との間に若干の間隙5を確保する必要がある場合に適用するものであって、図1に示すようにその間隙5を封止材6により封止するようにしたものである。
【0010】
上記のように、遮蔽壁4と地中構造物2との間の間隙5を封止材6により封止することにより、その間隙5内において流動化が生じたとしても、流動化した土砂が間隙5から地中構造物2の下部に回り込むようなことが防止され、また地中構造物2の上部の土砂が間隙5を通って地中構造物2の下部にまで回り込むようなことも防止され、したがって地中構造物2の浮き上がりを有効に防止することができる。
【0011】
上記の封止材6の素材や形態は、間隙5内で流動化した土砂の流通を有効に阻止できるものであれば特に限定されないが、コンクリート系の材料、たとえば貧配合モルタルやセメント改良土を封止材6として採用すれば、施工が容易であるし工費の点でも有利であるので特に好適である。また、既設の地中構造物2の周囲の間隙5に封止材6を設ける場合には、化学的固化剤により間隙5内の土を固化してその改良土を封止材6とすれば、施工が特に容易であるので好適である。ただし、封止材6としては、それ自体が流動化してしまうものであったり、万一の液状化時の揚圧力によって損傷を受けてしまうものであってはならず、それに耐え得る強度を有するものであることが必要がある。
【0012】
なお、万一の液状化時には、封止材6と遮蔽壁4や地中構造物2との間で揚圧力に起因する摩擦力が生じ、その摩擦力により封止材6に過大な応力が生じることがあるので、それらの間にたとえばアスファルト層等の緩衝材を介装して縁切りしておく。
【0013】
また、封止材6の設置位置は図1に示しているように間隙5の最下部(地中構造物2の底部)とすることが良いが、流動化した土砂の回り込みを防止できればその位置は必ずしも下部とすることに限らず間隙5の中間部や上部に設けることでも良いし、必要に応じて封止材6を上下に多段に設けたり間隙5内全体を封止することも妨げるものではない。勿論、本発明は地中構造物を新築する場合のみならず、既設の地中構造物に対しても適用できることは言うまでもない。
【0014】
【発明の効果】
請求項1の発明の浮き上がり防止構造は、非液状化地盤に達する遮蔽壁によって地中構造物を取り囲むとともに、遮蔽壁と地中構造物との間に形成される間隙を非液状化材料からなる封止材により封止したので、間隙内において流動化が生じたとしても、その流動化した土砂が間隙から地中構造物の下部に回り込むようなことが防止され、また地中構造物の上部の土砂が間隙を通って地中構造物の下部にまで回り込むようなことも防止され、したがって、遮蔽壁と地中構造物との間に間隙を確保した場合においても地中構造物の浮き上がりを有効に防止することができる。
また、封止材と遮蔽壁および地中構造物との間の少なくともいずれか一方にアスファルト等の緩衝材を介装して、封止材を遮蔽壁や地中構造物から縁切りしたから、液状化した際の揚圧力に起因する摩擦力によって封止材に過大な応力が生じることがなく、封止材が損傷を受けるようなことを防止することができる。
【0015】
請求項2の発明は、封止材として貧配合モルタルやセメント改良土等のコンクリート系材料もしくは化学的固化剤による改良土を用いたから、施工が容易であり工費の点でも有利であるし、既設の地中構造物の周囲に対する施工も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の浮き上がり防止構造を示す概要図である。
【図2】 従来の浮き上がり防止構造を示す概要図である。
【図3】 同、遮蔽壁と地中構造物との間に間隙を設けた場合の例を示す概要図である。
【符号の説明】
1 周囲地盤
2 地中構造物
3 非液状化地盤
4 遮蔽壁
5 間隙
6 封止材
Claims (2)
- 地中構造物が周囲地盤の液状化により浮き上がることを防止するための構造であって、非液状化地盤に達する遮蔽壁によって地中構造物を取り囲むとともに、該遮蔽壁と地中構造物との間に形成される間隙を非液状化材料からなる封止材により封止し、前記封止材と前記遮蔽壁および前記地中構造物との間の少なくともいずれか一方にアスファルト等の緩衝材を介装してそれらを縁切りしたことを特徴とする地中構造物の浮き上がり防止構造。
- 前記封止材として貧配合モルタルやセメント改良土等のコンクリート系材料もしくは化学的固化剤による改良土を用いることを特徴とする請求項1記載の地中構造物の浮き上がり防止構造。
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