JP3653682B2 - カード用積層ポリエステルオーバーシート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カード用積層ポリエステルオーバーシートに関するものであり、詳しくは、IDカード、ICカード、磁気ストライプ付きクレジットカード、プリペイドカード等のカード構成基材として、表面保護用等に使用するカード用積層ポリエステルオーバーシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、識別カード、外部端子付きICカード、磁気ストライプ付きクレジットカード、プリペイドカード等は、個人識別、情報読み書き、現金の出し入れ、現金代替等の機能を有するカードとして、携帯性、便利さ等により普及している。しかしながら、これらのカードは、カードリーダー、カードケース等への出し入れなどによりカード表面が他のものに接触し摩擦する際にカード表面に擦過傷が付き、印刷や表示等が見にくくなる場合があり、改良が望まれている。
また、カード用基材としてポリエステルフィルムを使用した場合、カード関係の規格(JIS−L−6311等)に着目すると、従来使用されている塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体と比較して機械的強度等の特性は優れるものの、難燃性が劣り、その改良が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明においては、透明性、鮮映性、耐擦傷性、難燃性に優れ、各種カード類の表面保護用オーバーシートとして有用な基材を提供することを解決課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記実情に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、ある特定の構成を持つポリエステルフィルムが鮮映性、透明性、耐擦傷性、難燃性を兼ね備えることを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、ポリエステルA層およびポリエステルB層からなる積層シートであって、少なくとも1層が難燃剤を含有し、下記式▲1▼〜▲3▼を同時に満足することを特徴とするカード用積層ポリエステルオーバーシートに存する。
【0005】
【数2】
0.3≦W(A)≦4 ………▲1▼
0.01≦Ra(A)≦0.2 ………▲2▼
60≦T ………▲3▼
(上記式中、W(A)はポリエステルA層中の粒子添加量(重量%)、Ra(A)はポリエステルA層表面の中心線平均粗さ(μm)、Tは積層シートの全光線透過率(%)を表す)
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明にいう積層シートとは、ラミネート法(ポリエステルフィルム同士を接着剤等を介して貼り合わせることによりフィルムを得る手法)、共押出法(押出口金から複数の押出機により溶融押し出しすることによりフィルムを得る手法であり、縦方向および/または横方向に配向させることもできる)等により得られるフィルムのことを指す。その中でも共押出法を用いることが、本発明の対象とする用途上好ましい。
【0007】
本発明において、ポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコ−ルとを重縮合させて得られるものを指す。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。
【0008】
本発明で用いるポリエステルは、第三成分を含有した共重合体であってもよい。共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、およびオキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)等の一種または二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ、ールネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。
【0009】
本発明において、ポリエステルA層は粒子を含有し、かかる粒子としては、シリカ粒子、二酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン等が使用できるが、特にこれらに限定されるものではない。より高い耐擦傷性を付与する場合には、モース硬度が7以上の粒子を使用するのが好ましい。モース硬度が7以上の粒子としては、例えば、水晶(SiO2)、トパーズ(Al2F2SiO2 )、酸化アルミニウム(Al2O3 )、シリコンカーバイド(SiC )、ダイヤモンド(C)等が挙げられるが、これらの中でも、酸化アルミニウムが汎用性、経済性の点で好ましい。
【0010】
本発明において、ポリエステルA層中の粒子添加量(W(A);重量%)は、下記式▲1▼満足する必要がある。
【数3】
0.3≦W(A)≦4 ………▲1▼
W(A)が0.3重量%未満の場合には、カードがカードリーダー、カードケース等の出し入れなどカード表面が他のものに接触し摩擦する際に、カード表面に擦過傷が付きやすくなるので好ましくない。また、W(A)が4重量%を超える場合には、耐擦傷性が飽和し、不経済となるばかりではなく、粒子の凝集が多くなり、表面が粗面化するので好ましくない。
【0011】
本発明において、ポリエステルA層が含有する粒子の平均粒径は特に限定されるものではないが、通常0.02〜2μm、好ましくは0.02〜1.5μm、さらに好ましくは0.02〜1μmである。
本発明でポリエステルに粒子を含有させる方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法を採用し得る。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後重縮合反応開始前の段階でエチレングリコール等に分散させたスラリーとして添加し、重縮合反応を進めてもよい。またベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
【0012】
本発明において、ポリエステルA層には粒子以外に、当該ポリエステルの特性を損なわない範囲で各種粒子、酸化防止剤、熱安定剤、潤滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、染料、顔料等の添加剤を配合させてもよい。
本発明において、ポリエステルA層面の中心線平均粗さ(Ra(A))は下記式▲2▼を満足する必要がある。
【数4】
0.01≦Ra(A)≦0.2 ………▲2▼
Ra(A)が0.01μm未満の場合には、擦過傷が付きやすくなるので好ましくない。また、Ra(A)が0.2μmを超える場合には、コアシートに印刷された図柄等の鮮映性が悪化するので好ましくない。
【0013】
本発明において、ポリエステル層に含有される難燃剤としては、臭素化合物、塩素化合物等に代表されるハロゲン化合物、りん化合物あるいは酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等に代表される無機化合物等が挙げられる。その中でも難燃化元素としてリン元素またはハロゲン元素を含有するものが好ましい。使用の際にはリン化合物、ハロゲン化合物各々単独で使用してもよいし、両者を併用してもよく、特に限定されるものではない。具体例を挙げると、リン化合物の代表例としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ホスフェートエステル等が挙げられる。一方、ハロゲン化合物としては塩素元素または臭素元素を含有する化合物等が挙げられるが、中でも臭素元素を含有する化合物が好ましく、一例として挙げると、ジブロモネオペンチルグリコール、ヘキサブロモベンゼン、テトラブロモビスフェノールA等がある。
【0014】
ポリエステル層中への難燃剤の添加量としては、難燃化元素換算量として、0.1〜5重量%の範囲が好ましい。難燃剤の添加量が0.1重量%未満では、得られる積層フィルムの難燃性が不十分な場合があり、一方、5重量%を超える場合には、チップ溶融、押し出し、製膜の各製造工程において難燃剤の分解を伴い、製膜に不都合が生じ、最終的に得られるポリエステルフィルム自体が本来の特性を失う場合がある。
なお、ポリエステル層中に難燃剤を添加する方法としては、前述のポリエステル中に粒子を添加する方法と同様に行えばよく、特に限定されるものではない。
本発明において難燃性評価に用いる酸素指数(OI)とは、JIS−K−7201に規格化されているとおり、所定の試験条件下において、試験材料が燃焼を持続するのに必要な酸素と窒素との混合気体の容量%で表される最低酸素濃度の数値のことを指す。この値が大きい程、難燃性が高いことになる。一般的に、自己消炎性を示す酸素指数は22〜23以上を必要とする。
【0015】
本発明における難燃性の定義は、「ポリマーの難燃化」(西沢仁著 大成社昭和62年出版)の本文中に記載されているとおり、酸素指数26以上をもって難燃性と定義する。この定義によれば、酸素指数22〜25の範囲は自己消火性に分類される。ちなみに二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムは通常、自己消火性に属する(ただし、フィルムが微細気泡を含有する場合はこの限りではない)。
本発明において、積層シートの全光線透過率(T)は下記式▲3▼を満足する必要がある。
【0016】
【数5】
60≦T ………▲3▼
Tが60%未満の場合には、コアシートに印刷された図柄等の鮮映性が悪化するので好ましくない。
本発明の積層ポリエステルオーバーシートの厚さは、フィルムとして製膜できる厚さであればよいが、好ましくは10〜200μm、さらに好ましくは25〜180μmである。積層ポリエステルフィルムのうち、ポリエステルA層の厚みの割合は、全体の厚みの通常1〜90%、好ましくは1〜60%、さらに好ましくは1〜30%である。
【0017】
次に本発明の中の積層シートの製造方法について具体的に説明するが、本発明の積層シートは以下の製造例に何ら限定されるものではない。
すなわち、先に述べたポリエステル原料を使用し、別個の押出機を用い溶融し、フィードブロックまたは口金内で合流させ押出し、冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることがこのましく、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。
次に、得られた未延伸シートを二軸方向に延伸して二軸に配向させる方法について述べる。
【0018】
すなわち、まず前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は、通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸を行う。延伸温度は、通常70〜130℃、好ましくは80〜120℃であり、延伸倍率は、通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍である。そして、引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。延伸工程中にフィルム表面を処理する、いわゆるインラインコーティングを施すこともできる。それは以下に限定するものではないが、特に1段目の延伸が終了して、2段目の延伸前に、帯電防止性、滑り性、接着性等の改良、2次加工性改良等の目的で、水溶性、水系エマルジョン、水系スラリー等によるコーティング処理を施すことができる。
【0019】
上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を用いることもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うことが好ましい。また、前記の未延伸シートを面積倍率が10〜40倍になるように同時二軸延伸を行うことも可能である。さらに、必要に応じて熱処理を行う前または後に再度縦および/または横方向に延伸してもよい。
かくして得られた積層シートは、熱圧加工、ドライラミネーション等の方法によりポリエステルA層側を外側になるようにカード用コアシート上の印刷面保護等の目的で複合化され使用される。
【0020】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例中「部」とあるのは「重量部」を示す。
また、本発明で用いた測定法は次のとおりである。
(1)平均粒径(d50:μm)
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
【0021】
(2)表面粗度(Ra)
中心線平均粗さRa(μm)をもって表面粗度とする。(株)小坂研究所社製表面粗さ測定機(SE−3F)を用いて次のようにして求めた。すなわち、フィルム断面曲線からその中心線の方向に基準長さL(2.5mm)の部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をx軸、縦倍率の方向をy軸として粗さ曲線 y=f(x)で表したとき、次の式で与えられた値を〔μm〕で表す。中心線平均粗さは、試料フィルム表面から10本の断面曲線を求め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部分の中心線平均粗さの平均値で表した。なお、触針の先端半径は2μm、荷重は30mgとし、カットオフ値は0.08mmとした。
【数6】
【0022】
(3)全光線透過率(T)
JISーKー6714に準じ、日本電色工業社製積分球式濁度計NDHー20Dによりフィルムの全光線透過率を測定した。
(4)鮮映性
(株)GE企画センター製レーザードットカラーチャート内のグラデーションカラースケール[1]上に試料フィルムをのせ、鮮映性を目視判定し以下のランクに分けた。
A:原画と比べ、ほとんど差がない
B:アミ点濃度5%位置が若干見にくい
C:アミ点濃度10%位置まで見にくい
D:アミ点濃度20%位置まで見にくい
ここで、AおよびBは、実用上問題のないレベルである。
【0023】
(5)耐擦傷性
大平理化工業(株)社製RUBBING TESTERを使用し、専用のフェルトで試料表面を10往復摩擦させた。この時の荷重は200gであった。摩擦後の表面を目視で観察し、以下のランクに分けた。
A:キズが付かないか殆ど付かない
B:キズが少ない
C:キズが多い
ここで、AおよびBは、実用上問題のないレベルである。
【0024】
(6)フィルム積層厚み
試料フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形した後、ミクロトームで切断し、フィルムの断面を透過型電子顕微鏡にて観察した。その断面のうちフィルム表面とほぼ平行に、明暗によってその界面が観察される。その界面とフィルム表面までの距離を測定し、積層厚みとした。
(7)酸素指数(OI)
JISーK−7201に準じてA−2号法の試験片で酸素指数を測定した。
【0025】
〈ポリエステルの製造〉
製造例1(ポリエステルA1)
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温するとともにメタノールを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、平均粒径(d50)0.7μmの酸化アルミニウム粒子を3部含有するエチレングリコールスラリーを反応系に添加し、さらにエチルアシッドフォスフェート0.04部、酸化ゲルマニウム0.01部を添加した後、100分かけて温度を280℃、圧力を15mmHgとし、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時間後、系内を常圧に戻してポリエステルA1を得た。ポリエステルA1の酸化アルミニウム粒子の含有量は3重量%であった。
【0026】
製造例2(ポリエステルA2)
製造例1において、平均粒径(d50)0.7μmの酸化アルミニウム粒子を3部含有するエチレングリコールスラリーを反応系に添加しなかった以外は、製造例1と同様にして、ポリエステルA2を得た。
製造例3(ポリエステルB1)
製造例1において、平均粒径(d50)0.7μmの酸化アルミニウム粒子を3部含有するエチレングリコールスラリーの代わりに、平均粒径1.54μmの二酸化珪素粒子を0.05部含有するエチレングリコールスラリーを反応系に添加し、さらに難燃剤として、大八化学製「CRー735」(芳香族縮合リン酸エステル:リン含有量11.2%)をリン元素量に換算して0.17重量%になるように添加する以外は、製造例1と同様にして、ポリエステルB1を得た。
【0027】
製造例4(ポリエステルB2)
製造例3において難燃剤を旭硝子製「TBAーEO」(テトラブロモビスフェノールA EO共重合体:臭素含有量51%)に代えて、臭素元素量に換算して1.5重量%になるように添加する以外は製造例3と同様にして、ポリエステルB2を得た。
製造例5(ポリエステルB3)
製造例3において難燃剤を添加しない以外は同様に製造し、ポリエステルB3を得た。
【0028】
製造例6(ポリエステルA3)
製造例1において製造したポリエステルA1を50部と製造例2において製造したポリエステルA2を50部ドライブレンドし、ポリエステルA3とした。該ポリエステルA3の酸化アルミニウム粒子の含有量は1.5重量%であった。
製造例7(ポリエステルA4)
製造例1において製造したポリエステルA1を25部と製造例2において製造したポリエステルA2を75部ドライブレンドし、ポリエステルA4とした。該ポリエステルA4の酸化アルミニウム粒子の含有量は0.75重量%であった。
【0029】
製造例8(ポリエステルA5)
製造例1において製造したポリエステルA1を5部と製造例2において製造したポリエステルA2を95部ドライブレンドし、ポリエステルA5とした。該ポリエステルA5の酸化アルミニウム粒子の含有量は0.15重量%であった。
製造例9(ポリエステルA6)
製造例1においてエチレングリコールスラリー中に含有する酸化アルミニウム粒子の量が10部である以外は実施例1と同様にしてポリエステルA6を得た。該ポリエステルA6の酸化アルミニウム粒子の含有量は10重量%であった。
【0030】
実施例1
ポリエステルA1およびポリエステルB1をそれぞれ180℃で4時間不活性ガス雰囲気中で乾燥し、別個の溶融押出機により290℃で溶融し、フィードブロック内で合流させ口金から押出し、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。得られたシートを85℃で3.5倍縦方向に延伸した。次いで、フィルムをテンターに導き100℃で3.7倍横方向に延伸した後、230℃にて熱固定を行い、厚さがA1/B1=2μm/98μmのシートを得た。
【0031】
実施例2
実施例1におけるポリエステルA1をポリエステルA3に変更する以外は実施例1と同様にして、厚さがA3/B1=2μm/98μmのシートを得た。
実施例3
実施例1におけるポリエステルA1をポリエステルA4に変更する以外は実施例1と同様にして、厚さがA4/B1=2μm/98μmのシートを得た。
実施例4
実施例1におけるポリエステルB1をポリエステルB2に変更する以外は実施例1と同様にして、厚さがA1/B2=2μm/98μmのシートを得た。
【0032】
比較例1
実施例1におけるポリエステルA1をポリエステルA5に変更する以外は実施例1と同様にして、厚さがA5/B1=2μm/98μmのシートを得た。
比較例2
実施例1におけるポリエステルA1をポリエステルA2に変更する以外は実施例1と同様にして、厚さがA2/B1=2μm/98μmのシートを得た。
【0033】
比較例3
実施例1におけるポリエステルA1をポリエステルA6に変更する以外は実施例1と同様にして、厚さがA6/B1=2μm/98μmのシートを得た。得られたシートは酸化アルミニウム粒子の凝集が多く、表面が粗面化していた。
比較例4
実施例1におけるポリエステルB1をポリエステルB3に変更する以外は実施例1と同様にして厚さがA1/B3=2μm/98μmのシートを得た。
以上、得られた結果をまとめて下記表1および2に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】
本発明のカード用積層ポリエステルオーバーシートは、透明性、鮮映性、耐擦傷性、難燃性に優れ、各種カード類の表面保護用オーバーシートとして使用した場合、極めて有用であり、本発明の工業的価値は高い。
Claims (7)
- 難燃剤がリン元素またはハロゲン元素を含有することを特徴とする請求項1記載のカード用積層ポリエステルオーバーシート。
- 難燃剤が臭素元素を含有することを特徴とする請求項2記載のカード用積層ポリエステルオーバーシート。
- ポリエステルA層中の粒子がモース硬度7以上の粒子であることを特徴とする請求項1記載のカード用積層ポリエステルオーバーシート。
- モース硬度7以上の粒子が酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項4記載のカード用積層ポリエステルオーバーシート。
- 積層ポリエステルオーバーシートの酸素指数(OI)が26以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のカード用積層ポリエステルオーバーシート。
- ポリエステルA層およびポリエステルB層が共押出により積層されてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のカード用積層ポリエステルオーバーシート。
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