JP3653419B2 - プロジェクタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、拡大率、フォーカス、コンバージェンス等の投射条件を自動的に調整するプロジェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
プロジェクタにおいて、コンバージェンス、フォーカス等の投射条件を自動的に調整する技術として、当該プロジェクタからスクリーンに投影された画像をビデオカメラ等の撮像手段で撮像し、得られた画像データを取り込んだ後、マイクロコンピュータ等の情報処理装置で解析することにより投射条件の調整のずれを検出し、検出された調整のずれを補正する技術が米国特許(USP)第5,231,481号公報に開示されている。以下、投射レンズのフォーカス自動調整に適用した場合を例として、上記従来の技術について説明する。
【0003】
図31は、上記従来技術におけるプロジェクタ900の構成を示すブロック図である。同図に示されるように、プロジェクタ900は、投射レンズ901、ダイクロイックミラー902、903、906及び907、ミラー904、905、ライトバルブ908、909及び910、光源911、A/Dコンバータ915、マイクロコンピュータ916、テストパターン発生回路929、及び投射レンズフォーカス調整機構933を備えており、当該プロジェクタ900よりスクリーン980に投影された画像がビデオカメラ990により撮像されるようになっている。ビデオカメラ990による撮像結果はA/Dコンバータ915を介してマイクロコンピュータ916に入力される。
【0004】
マイクロコンピュータ916は、撮像により得られた画像データを解析し、解析結果に基づいて投射レンズフォーカス調整機構933を制御することにより、投射レンズ901のフォーカスが調整される。なお、図31の例では各ライトバルブ908、909、910から投射レンズ901までの光路の距離が異なっているようであるが、この調整は不図示のレンズ等を用いる周知の技術により容易に行うことが可能であるし、後述の実施の形態にて説明するようにダイクロイックミラー等の配置を変更してもよい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術の如く、ビデオカメラ990を用いてスクリーン980上に投影された画像を撮像する手法は、プロジェクタ以外にビデオカメラを用いる必要があるため装置全体のコストアップにつながる他、ビデオカメラ990を正確にスクリーン980に向けることが必要となるため、操作が煩雑となるなどの問題点を有している。
【0006】
本発明の目的は、装置のコスト上昇を最小限に抑えつつ、簡単な操作で投射条件の自動調整を行うことができるプロジェクタを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るプロジェクタは、ライトバルブを通過した光源からの光を、投射レンズを介して被投影面に投影するプロジェクタにおいて、前記被投影面から反射され、前記ライトバルブを逆進した光を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された光に基づいて投射条件を調整する投射条件調整手段とを備えることを特徴としている。
【0008】
この構成によれば、ライトバルブを逆進した光を検出して投射条件の調整に用いるので、ビデオカメラ等、スクリーン上に投影された画像を撮像するための高価な装置を備える必要がなくなる。また、ビデオカメラ等による撮像の向きの調整も不要となるため、簡単な操作で投射条件の自動調整が行える。
ここで、上記本発明の特徴を具現化する構成の一つとして、更に、前記ライトバルブを制御して所定の画像パターンを形成させることにより、前記被投影面に当該画像パターンを投影させるパターン投影手段を備え、前記検出手段は、前記画像パターンが投影された前記被投影面から反射され、前記ライトバルブを逆進した反射光を集光する反射光集光手段と、前記反射光集光手段により集光された反射光の光量を測定する反射光量測定手段とを有し、前記投射条件調整手段は、前記反射光量測定手段により測定された反射光の光量に基づいて投射条件を調整するようにすることができる。
【0009】
この構成は、プロジェクタから投影された画像パターンの反射光を検出して投射条件の調整を行うものであり、即ち、一台のプロジェクタを用いて画像を投影する場合に、当該プロジェクタの投射条件の自動調整を可能とするものである。ここで、例えば、前記パターン投影手段は、少なくとも前記被投影面に投影すべき画像の外周部に相当する部分において光が通過する状態である画像パターンを前記ライトバルブに形成させ、前記投射条件調整手段は、前記反射光量測定手段により測定された反射光の光量に基づいて、前記投射レンズの拡大率を調整することができる。ここで、「被投影面に投影すべき画像の外周部に相当する部分において光が透過する状態である画像パターン」としては、例えば後述の実施の形態として説明するような矩形状のパターンが考えられるが、それに限定されるわけではなく、投射レンズの拡大率が大きくなりすぎることで、画像の外周部がスクリーンの画像表示領域をはみ出すことにより発生する反射光の光量の減少を検出することができるような画像パターンであれば、どのような画像パターンでもよく、その条件を満たす画像パターンには種々のものが考えられる。
【0010】
また、前記パターン投影手段は、少なくとも明度の低い部分と明度の高い部分との境界が存在する画像パターンを前記ライトバルブに形成させ、前記投射条件調整手段は、前記反射光量測定手段により測定された反射光の光量に基づいて、前記投射レンズのフォーカスを調整することもできる。ここで、「少なくとも明度の低い部分と明度の高い部分との境界が存在する画像パターン」の一例としては、実施の形態で説明するようなモザイク状パターンが考えられるが、これも厳密なモザイク状パターンに限定されるわけではなく、フォーカスの調整にずれが生じることによる反射光の光量の減少を検出することができるような画像パターンであれば、どのような画像パターンでもよく、これも種々の画像パターンがあり得ると考えられる。なお、フォーカスの調整のためには、「明度の低い部分」については、ライトバルブにおいて光を透過させない状態とし、「明度の高い部分」としては、ライトバルブにおいて光を透過させる状態とすることが好ましいが、これに限定されるわけではなく、上記本発明の骨子からすれば、フォーカスが調整された際の反射光の光量の変化を検出することができれば、「明度の低い部分」と「明度の高い部分」との明度の差に特に制限はない。
【0011】
また、前記パターン投影手段は、それぞれ異なる領域に、明度の低い部分と明度の高い部分との境界が存在する複数種類の画像パターンを、前記ライトバルブに順次形成させ、前記プロジェクタはさらに、前記反射光量測定手段により測定された反射光の光量から、前記複数種類の画像パターンそれぞれについての、前記ライトバルブの位置及び傾きに関する調整量を取得する位置傾き調整量取得手段と、前記位置傾き調整量取得手段により取得された、前記複数種類の画像パターンそれぞれについての前記調整量から、ライトバルブの最適な位置及び傾きを表す情報を算出する位置傾き算出手段とを備え、前記投射条件調整手段は、前記位置傾き算出手段により算出された結果に基づいて、前記ライトバルブの位置及び傾きを調整することもできる。
【0012】
また、前記パターン投影手段は、少なくとも明度の低い部分と明度の高い部分との境界が存在する画像パターンを前記ライトバルブに形成させ、前記投射条件調整手段は、前記反射光量測定手段により測定された反射光の光量に基づいて、前記ライトバルブの光軸方向における位置を調整するようにしてもよい。
本発明の特徴を具現化する構成のもう一つの例として、更に、前記被投影面に他のプロジェクタから投影される画像パターンと略同一の画像パターンを、前記ライトバルブに形成させるパターン形成手段を備え、前記検出手段は、前記被投影面から反射し、前記ライトバルブを逆進した反射光を集光する反射光集光手段と、前記反射光集光手段により集光された反射光の光量を測定する反射光量測定手段とを有し、前記投射条件調整手段は、前記反射光量測定手段により測定された反射光の光量に基づいて投射条件を調整するようにすることができる。
【0013】
この構成によれば、複数台のプロジェクタを用いて画像を重ね合せることにより、画像を表示するような場合において、当該複数台のプロジェクタによる画像を適切に重ね合せることができるように、投射条件の調整を行うことができる。複数台のプロジェクタを用いた場合において、画像が適切に重なり合う場合には、投射条件を調整する側のプロジェクタのライトバルブ上において、スクリーンからの反射光が、当該ライトバルブに形成された略同一のパターンと重なり合うように結像するため、即ち、適切に調整された場合には、ライトバルブを逆進する光の光量はもっとも大きくなるからである。
【0014】
具体的には、例えば前記パターン形成手段は、少なくとも前記被投影面に投影すべき画像の外周部に相当する部分において光が透過する状態である画像パターンを前記ライトバルブに形成させ、前記投射条件調整手段は、前記反射光量測定手段により測定された、前記他のプロジェクタから投影された画像パターンの反射光の光量に基づいて、前記投射レンズの拡大率を調整することができる。
【0015】
また、前記パターン形成手段は、明度の高い部分と明度の低い部分とが、画像垂直方向に交互に出現する画像パターンを前記ライトバルブに形成させ、前記投射条件調整手段は、前記反射光量測定手段により測定された、前記他のプロジェクタから投影された画像パターンの反射光の光量に基づいて、前記投射レンズの軸ずらし量を調整することもできる。ここで、「明度の高い部分と明度の低い部分とが、画像垂直方向に交互に出現する画像パターン」としては、例えば実施の形態で説明するような横縞状の画像パターンを用いることができる。横縞状のパターンを用いた場合には、画像水平方向の位置が厳密に合った状態でなくても、投射レンズ軸ずらし量の調整ができる点において好ましいが、これに限定されるわけではなく、水平方向の位置がほぼ合っているとすれば、波形のパターンやジグザグのパターンを用いることも可能である。
【0016】
さらに、前記パターン形成手段は、明度の高い部分と明度の低い部分とが画像垂直方向に交互に出現する画像パターンと、明度の高い部分と明度の低い部分とが画像水平方向に交互に出現する画像パターンとを、前記他のプロジェクタに合わせて順次前記ライトバルブに形成させ、前記投射条件調整手段は、前記反射光量測定手段により測定された、前記他のプロジェクタから投影された画像パターンの反射光の光量に基づいて、前記ライトバルブの縦方向及び横方向のコンバージェンスを調整することもできる。
【0017】
なお、前記反射光集光手段は、前記光源からの光路上に設置することが可能なハーフミラーと、前記ハーフミラーにより反射された、前記被投影面からの反射光を集光する集光レンズとを含む構成が考えられる。ここで、上記したように二台のプロジェクタからの画像を重ね合せる場合には、前記反射光集光手段は、前記投射条件制御手段による投射条件の調整を行う場合に、前記光源からの光路上に設置することが可能なミラーと、前記ミラーにより反射された、前記被投影面からの反射光を集光する集光レンズとを含む構成も可能である。投射条件の調整を行う側のプロジェクタの光源は消灯した状態で、投射条件の調整を行うからである。もっともこの場合、実際に画像を投影する場合には、当該ミラーを光源からの光の光路上から移動させる必要がある。
【0018】
また、前記プロジェクタは、赤、緑及び青の各色に対応して三つのライトバルブを備えており、前記投射条件調整手段は、前記三つのライトバルブのそれぞれについて、順次投射条件の調整を行うことができる。ここで、当該三つのライトバルブの間におけるコンバージェンス調整も行うことが好ましいが、当該調整については周知の種々の方法を用いることが可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るプロジェクタの構成を示す図である。同図に示されるプロジェクタ100は、投射レンズ101、ダイクロイックミラー102、103、106及び107、ミラー104、105、ライトバルブ108、109及び110、光源111、A/Dコンバータ115、マイクロコンピュータ116、ライトバルブ駆動回路117、矩形パターン発生回路121、及び投射レンズ拡大率調整機構131を備えており、プロジェクタ100より投影された画像はスクリーン200上に投影されるようになっている。
【0020】
ダイクロイックミラー107は、光源111から出射された白色光のうち、赤色光のみを反射し、それ以外の光を透過させる。また、ダイクロイックミラー106は、前記ダイクロイックミラー107を透過した光のうち、緑色光のみを反射し、それ以外の光を透過させる。従って、ミラー105は、ダイクロイックミラー106を透過し、青色光用ライトバルブ108を通過した青色光を反射する。
【0021】
一方、ミラー104は、ダイクロイックミラー107により反射した赤色光を反射し、赤色光用ライトバルブ110へと導く。ダイクロイックミラー103は、当該赤色光用ライトバルブ110を通過した赤色光を透過させるとともに、前記ダイクロイックミラー106により反射され、緑色光用ライトバルブ109を通過した緑色光を反射させる。また、ダイクロイックミラー102は、前記ダイクロイックミラー103を透過した赤色光、及びダイクロイックミラー103により反射された緑色光をそれぞれ透過させるとともに、青色光用ライトバルブ108を通過し、ミラー105により反射された青色光を反射させ、これにより再度合成された光を投射レンズ101へと導く。なお、以上の構成はいわゆる三板型のプロジェクタとして公知のものである。
【0022】
各色用のライトバルブ108〜110は、例えば液晶ライトバルブとして公知のものを利用することができ、当該各ライトバルブの制御はライトバルブ駆動回路117により行われる。このライトバルブ駆動回路117には、通常の画像投影に用いられるビデオ信号の他に、投射条件の自動調整に用いられる各種パターンを表示する信号が入力され、入力された信号に基づいて公知の方法により制御される。なお、投射条件の調整に用いる各種パターンはマイクロコンピュータ116により制御され、本実施の形態では、矩形パターン発生回路121を介して後述の矩形パターンを表示する信号が出力される。投射条件の自動調整のために形成される各種パターンの詳細については後述する。
【0023】
同図1に示されるように、本実施の形態のプロジェクタ100においては、光源111とダイクロイックミラー107との間の位置に、同図には不図示の駆動手段により、その設置位置の切り換えが可能なように構成されているハーフミラー112が設けられている。このハーフミラー112は、投射条件自動調整時には、光源111からの光を透過させるとともに、投射レンズ101、各ライトバルブ108〜110等を逆進して入射してくるスクリーン200からの反射光を反射させ、当該反射光を集光レンズ113を介して光検出素子114へと導くようになっており、投射条件調整時以外には、光源111からの光路の外に移動される。
【0024】
図2に、ハーフミラー112の投射条件調整時、及びそれ以外の場合における設置位置を示す。即ち、投射条件調整時には、図2(a)に示されるように、光源111からダイクロイックミラー107への光の進行方向に対してほぼ45度の角度にてハーフミラー112が設置されることにより、スクリーン200からの反射光が集光レンズ113により集光される。集光された光が到達する位置には、光検出素子114が設けられており、これにより反射光の光量を検出することができる。一方、投射条件調整時以外、例えば、ビデオ信号に基づいて通常の画像を投射する場合には、図2(b)に示されるように、ハーフミラー112を光源111からの光の光路上から移動させる。
【0025】
光検出素子114としては、例えばフォトダイオード(PD)や、CCD等を用いることができ、光検出素子114の出力信号はA/Dコンバータ115にてデジタル信号に変換されてマイクロコンピュータ116へと入力される。マイクロコンピュータ116は、このA/Dコンバータ115からの出力信号に基づいて投射レンズ拡大率調整機構131を制御し、投射レンズ101の拡大率を自動調整する。投射レンズ拡大率調整機構131については公知のものであるから、ここでの詳細な説明は省略する。
【0026】
次に、投射レンズ拡大率自動調整の具体的な方法について説明する。図3は、投射レンズ101の拡大率自動調整を行う際におけるマイクロコンピュータ116の処理内容を示すフローチャートである。なお、この自動調整を行うに際しては、プロジェクタ100の設置位置や画像を投影する向き等についてのおおまかな調整(以下、「粗調整」という。)を行っておく必要がある。例えばプロジェクタ100全体が、投射レンズ101から投影された光がスクリーン200に投影されないような方向を向いているような状況では、スクリーン200からの反射光を取得して投射条件の自動調整を行うことは不可能だからである。もっとも、既に適切な位置にプロジェクタが設置されている場合などには、さらに前記粗調整を行う必要はない。
【0027】
プロジェクタ設置位置の粗調整が終了している状況において、プロジェクタ100に対して投射レンズ101の拡大率の自動調整の指示を行うと、図3のフローチャートに示されるような制御が開始される。即ち、まずハーフミラー112の設置位置を調整して図2(a)に示した位置とする(S101)。次に、青色光用ライトバルブ108、緑色光用ライトバルブ109、赤色光用ライトバルブ110(以下、単に「ライトバルブ108」等ともいう。)のそれぞれに投射レンズ拡大率調整用の矩形パターン(以下、「パターンA」という。)を表示させる(S102)。このパターンAとしては、例えば図4に示されるように、その外周部以外は光を透過させない状態(以下、「閉状態」という。)であり、外周部のみ光が透過する状態(以下、「開状態」という。)としたようなパターンを用いることができる。このようなパターンの画像を、例えば図5にその例を示されるような枠付きスクリーン200上に投影すると、投射レンズ101の拡大率が大きくなりすぎた場合には、パターンAは、枠付きスクリーン200上における画像の表示可能領域201をはみ出し、外枠202にかかるようになる。
【0028】
パターンAの画像が外枠202にかかると、外枠202部分では照射された光が反射しないため、投影されたパターンAの反射光の光量は減少することとなる。したがって光検出素子114、A/Dコンバータ115を介して反射光の光量を取得し、取得した光量に基づいて投射レンズ101の拡大率の制御を行うことにより、投射レンズ101の拡大率の自動調整を行うことができる。
【0029】
図3のフローチャートに戻って、ステップS102において、ライトバルブ駆動回路117により、各ライトバルブ108〜110にパターンAを表示させると、次に、投射レンズ拡大率調整機構131を制御して投射レンズ101の拡大率を最小に設定し(S103)、光源111を点灯させる(S104)。以上の処理により、マイクロコンピュータ116は、スクリーン200からの反射光の光量をA/Dコンバータ115からの出力として取得できるようになるので、マイクロコンピュータ116は、まず、この時点におけるA/Dコンバータ115の出力値を取り込み、これを計測値Pとする(S105)。なお、本実施の形態では光源111の点灯などをマイクロコンピュータ116で制御するようにしたが、光源111の点灯及び消灯は他の方法で制御するようにしてもよく、極端な場合には手動で行っても構わない。これは、以下の各実施の形態でも同様である。
【0030】
次に、投射レンズ拡大率調整機構131を制御し、投射レンズ101の拡大率を一定量だけ大きくする(S106)。この場合の「一定量」は固定値としてもよいし、設置環境に応じて可変としてもよく、任意の設定が可能であり、特に一定の値に限定されるわけではない。マイクロコンピュータ116は、拡大率を一定量増加させた後、再度A/Dコンバータ115の出力値を取り込み、これを計測値Qとする(S107)。マイクロコンピュータ116は、計測値Pと計測値Qとを比較し、計測値Qが計測値Pを下回った時点で拡大率自動調整を終了する(S108:Yes)。これは、前述の如く投影されたパターンAがスクリーン200の外枠202にかかることにより反射光の光量が減少したことを意味するものだからである。従って、計測値Qが計測値Pよりも大きいか、若しくは両者が等しい場合(S108:No)には、その時点の計測値Qを計測値Pとした後(S109)、再度ステップS106へと戻って、投射レンズの拡大率を一定量増加させる(S106)。
【0031】
以上に説明したように、各ライトバルブ108〜110上にパターンAを表示させ、スクリーン200からの反射光の光量をモニターしながら投射レンズ101の拡大率調整を行うことにより、簡単に投射レンズ拡大率の自動調整を行うことができる。
なお、本実施の形態における反射光の減少は投影されたパターンAの画像が外枠202にかかることによるものであるから、パターンAにおける開状態の部分の幅は図4に示したものに限定されるわけではなく、少なくともスクリーン200に投影すべき画像の外周部に相当する部分において光が通過する状態であればよい。即ち、開状態部分の幅は広くても狭くてもよく、また、光検出素子114による検出精度にも依存するが、極端な場合には全面開状態としても制御は可能であると考えられる。もっとも、設置環境や前記光検出素子114の検出精度等も考慮して適切な幅とすることが好ましいことは言うまでもない。
【0032】
(実施の形態2)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態では、複数のプロジェクタを用いて同一のスクリーン上に画像を重ね合せて投影する場合における投射レンズの拡大率自動調整の方法について説明する。
図6は、本実施の形態におけるプロジェクタ100の構成を示す図である。同図に示されるように、本実施の形態のプロジェクタ100の構成は、第1の実施の形態において説明したものと同一であるが、もう一台のプロジェクタ300を用いて同一のスクリーン200上に画像を重ね合せて投影する点、従って、プロジェクタ100の投射レンズ101の拡大率の自動調整を行うに際しては、プロジェクタ300から投影されたパターンを基準パターンとして、プロジェクタ100により投影されるパターンが基準パターンと適切に重なり合うようにプロジェクタ100の側の制御を行う点が第1の実施の形態とは異なっており、それに起因してマイクロコンピュータ116の処理内容が多少異なっているので、以下、異なる点を中心にして説明する。尚、複数のプロジェクタを用いて画像を重ね合せるのは、設置場所がホール、会議室など広い場所である場合に、一台のプロジェクタでは十分な明るさを得ることができない場合もあり、そのような場合に、より高い輝度を得るために行われるものである。
【0033】
図7は、本実施の形態における、プロジェクタ100の側のマイクロコンピュータ116の処理内容を示すフローチャートである。本実施の形態では、同図に示される投射条件の自動調整処理を実行する前に、二台のプロジェクタ間の設置位置の相互関係について、予め二台のプロジェクタにより投影される画像がほぼ重なり合うように設置しておくことが好ましいことは言うまでもないこととして、さらに二台のプロジェクタそれぞれについての、投射レンズのフォーカス等の投射条件についても粗調整を行っておくことが好ましい。それらの条件が調整されているほど、反射光の光量の検出精度を向上させることができるからである。
【0034】
図7に示すように、本実施の形態におけるマイクロコンピュータ116の処理内容は、図3に示した第1の実施の形態における処理内容とほぼ共通している。しかしながら、本実施の形態では、プロジェクタ300により投影された画像の反射光を検出する関係上、投射条件調整に際してはプロジェクタ100の光源111を点灯する必要がないため、かかる光源点灯処理を行わない点が異なっている(S204参照)。即ち、本実施の形態では、例えばステップS202において、プロジェクタ装置100の各ライトバルブ108〜110にパターンAを表示させるとともに、プロジェクタ300からスクリーン200にパターンAを投影する。もっともプロジェクタ300からパターンAを投影させるタイミングについては、ステップS204において第1の実施の形態と同様に計測値Pの取得を行う前であればいつでもよい。
【0035】
なお、ここでプロジェクタ100の各ライトバルブ108〜110にもパターンAを表示させるのは、以下に説明するような理由による。即ち、スクリーン200からの反射光は、投射レンズ101を介して各ライトバルブ108〜110上に結像する。この際に各ライトバルブ108〜110にもパターンAを表示させておくことにより、スクリーン200上において二台のプロジェクタにより投影された画像が正確に重なり合う状態において、各ライトバルブにおいて開状態となった部分を透過する反射光の光量がもっとも大きくなるからである。
【0036】
以上のような理由に基づいて、ステップS204において計測値Pを取得した後、第1の実施の形態と同様の制御を行うことにより、二台のプロジェクタから投影された画像を重ね合せる場合における投射レンズ101の拡大率の自動調整を行うことができる。この場合においても、例えばビデオカメラを設置するような場合と比較して、低コストで、かつ、簡単な操作で投射条件の調整を行うことができる。
【0037】
なお、本実施の形態のように、プロジェクタ100の側の光源111を点灯させない場合には、ハーフミラー112にかえてミラーを設置してもよい。即ち、当該ミラーについて、図2に示した例と同様に、設置位置の切り換えを可能としておき、投射条件調整時にのみ図2(a)の位置にミラーを設置させるようにしてもよい。この点は、後述の各実施の形態においても同様のことが言える。
【0038】
(実施の形態3)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態では、複数のプロジェクタを用いて同一のスクリーン上に画像を重ね合せて投影する場合における投射レンズの軸ずらし量自動調整の方法について説明する。ここで、投射レンズの軸ずらし量の調整とは、より具体的には、投射レンズ101の設定を調整することで、スクリーン200上における上下方向の画像の投影位置の調整を行うことをいう。
【0039】
図8は、本実施の形態におけるプロジェクタ100の構成を示す図である。同図に示されるように、本実施の形態のプロジェクタ100の構成は、第2の実施の形態において説明したものとほぼ同一であるが、投射レンズ拡大率調整機構131のかわりに、投射レンズ軸ずらし量調整機構132を備える点、及び投射条件の自動調整に際してスクリーン200上に投影するパターンが第2の実施の形態と異なっていることに起因して、矩形パターン発生回路121のかわりに、画像位置調整用パターン発生回路122を備える点などが異なっているので、以下、異なる点を中心にして説明する。
【0040】
図9は、本実施の形態におけるマイクロコンピュータ116の処理内容を示すフローチャートである。同図に示されるように、本実施の形態におけるマイクロコンピュータ116の処理内容の概略は、図7に示した第2の実施の形態における処理内容とほぼ共通しているが、投射条件の調整機構が投射レンズ101の軸ずらし量調整機構132となっていることに起因して、各々のステップでの処理内容が異なっている。
【0041】
まず、第2の実施の形態において説明した内容と同様の理由により、本実施の形態でも、投射条件の自動調整を行うに先立って、二台のプロジェクタ間の設置位置の相互関係、及び二台のプロジェクタそれぞれについてのフォーカス等について粗調整を行っておくことが好ましい。次に、本実施の形態では、パターンAにかえて、横縞状のパターン(以下、「パターンB」という。)を基準パターンとしてプロジェクタ300から投影するとともに、プロジェクタ100の各ライトバルブ108〜110にパターンBを表示させる(S302)。なお、パターンBとは、図10にその一例を示すような横縞状のパターンであるが、横縞の開状態部分の幅や、閉状態部分の幅等が特に限定されないのは、これまでの実施の形態と同様である。また、本実施の形態においては、開状態と閉状態との横縞状パターンとしたが、本発明の骨子に鑑みると、明度の高い部分と明度の低い部分との横縞状であれば、開状態と閉状態に限定されるわけではなく、それぞれの部分の明度の変更も可能である。さらに、図10に示すような横縞状だけではなく、二台のプロジェクタ間における画像水平方向の位置ずれがほぼ解消されているような状態であれば、波形やジグザグのパターンを用いることもできる。
【0042】
このようなパターンをプロジェクタ300から投影すると、スクリーン200に反射した光が、プロジェクタ100の各ライトバルブ108〜110上に結像する。ここで、上記各ライトバルブ108〜110にもパターンBが表示されているため、二台のプロジェクタの投射レンズ軸ずらし量が適切に調整され、二台のプロジェクタによりそれぞれ投影された画像が適切にスクリーン200上に重ね合わされる状態において、プロジェクタ100側の光検出素子114に集光される反射光の光量は最大となり、従ってA/Dコンバータ115からの出力値は最大となる。
【0043】
以上のような理由に基づいて、ステップS303以降において第2の実施の形態とほぼ同様の処理を行うことにより、二台のプロジェクタから投影された画像を重ね合せる場合における投射レンズ101の軸ずらし量の自動調整を行うことができる。具体的には、ステップS303において、プロジェクタ100の側の投射レンズ軸ずらし量調整機構132の設定を最大(ここでは、投影された画像がもっともスクリーン200上部に表示される状態)とした後、プロジェクタ300からパターンBがスクリーン200に投影された状態における、A/Dコンバータ115の出力値を計測値Pとして取得する(S304)。なお、投射レンズ軸ずらし量調整機構132の構成については公知であるので、詳細な説明は省略する。
【0044】
さらに投射レンズ軸ずらし量調整機構132を制御して、軸ずらし量を一定量減少させる方向に調整する(S305)。この処理によりパターンBの画像は一定量下方に移動することとなるため、そのときのA/Dコンバータ115の出力値を計測値Qとして取得する(S306)。ここで、軸ずらし量について減少させる一定量についても任意の設定が可能であり、特に限定されるわけではなく、また、固定値としても可変値としてもよいのはこれまでの実施の形態と同様である。
【0045】
その後は、第2の実施の形態と同様、計測値Qが計測値Pを下回った場合(S307:Yes)に投射レンズ101の軸ずらし量の調整処理を終了し、それ以外の場合(S307:No)には、投射レンズ軸ずらし量調整機構132の調整を繰り返す(S308、S305)。
以上に説明したように、本実施の形態の場合においても、例えばビデオカメラを設置するような場合と比較して、低コストで、かつ、簡単な操作で投射条件の調整を行うことができる。なお、本実施の形態においては、投射レンズ軸ずらし量調整機構132の調整可能範囲と、パターンBの横縞の幅の関係等によっては、A/Dコンバータ115から出力される反射光の光量について、極大値が複数回検出される可能性もあり得る。従って、図9に示したように、最初に計測値Qが計測値Pを下回った場合に調整を終了するのではなく、例えば調整可能範囲全域にわたってA/Dコンバータ115の出力値を取得し、メモリなどの記憶装置に記憶しておくようにしてもよい。その後に、調整可能範囲全域の中でもっともA/Dコンバータ115の出力値が大きい部分に投射レンズ軸ずらし量調整機構132の設定を行うことにより、より確実に投射レンズ101の軸ずらし量の調整を行うことができる。もっとも、粗調整の段階で二台のプロジェクタの投射レンズ軸ずらし量がほぼ調整された状態に近い状態とすることができれば、図9のフローチャートの方法でも十分な調整を行うことは可能である。
【0046】
(実施の形態4)
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態では、一台のプロジェクタを用いてスクリーン上に画像を投影する場合における投射レンズのフォーカスの自動調整の方法について説明する。
図11は、本実施の形態におけるプロジェクタ100の構成を示す図である。同図に示されるように、本実施の形態のプロジェクタ100の構成は、第1の実施の形態において説明したものとほぼ同一であるが、投射レンズ拡大率調整機構131の代わりに、投射レンズフォーカス調整機構133を備える点、及び投射条件の自動調整に際してスクリーン200上に投影するパターンが第1の実施の形態で用いたパターンAと異なっていることに起因して、矩形パターン発生回路121の代わりにモザイクパターン発生回路123を備えている点などが異なっているので、以下、異なる点を中心にして説明する。
【0047】
図12は、本実施の形態におけるマイクロコンピュータ116の処理内容を示すフローチャートである。同図に示されるように、本実施の形態におけるマイクロコンピュータ116の処理内容の概略は、第1の実施の形態における処理内容とほぼ共通しているが、投射条件の調整機構が投射レンズフォーカス調整機構133となっていることに起因して、各々のステップでの処理内容が多少異なっている。
【0048】
本実施の形態における投射条件の自動調整は、第1の実施の形態と同様に一台のプロジェクタ100のみを用いるものであるから、第1の実施の形態において説明した内容と同様の理由により、投射条件の自動調整を行うに先立って、まず、プロジェクタ100の設置位置や投射レンズ101の軸ずらし量、投射レンズ101の拡大率等について粗調整を行っておくことが好ましい。
【0049】
次に、本実施の形態では、ステップS402において、プロジェクタ100からモザイク状のパターン(以下、「パターンC」という。)をスクリーン200上に投影すべく、各ライトバルブ108〜110にパターンCを表示させる点が異なっている。なお、パターンCとは、図13にその一例を示すようなモザイク状のパターンである。このようなパターンをプロジェクタ100から投影すると、スクリーン200に反射した光がプロジェクタ100の各ライトバルブ108〜110上に結像する。ここで、上記各ライトバルブ108〜110にもパターンCが表示されているため、各ライトバルブ108〜110を透過してくるスクリーン200からの反射光の強度を上記各実施の形態と同様に検出すると、投射レンズ101のフォーカスが適切に調整された場合に、反射光の強度、即ちA/Dコンバータ115からの出力値は最大となる。なお、これは投射レンズ101のフォーカス調整が適切でない場合には、スクリーン200上に投影されるパターンCのモザイク形状のうち、開状態の部分と閉状態の部分との境界がぼやけて表示されることとなり、結果としてスクリーン200からの反射光のうち、各ライトバルブ108〜110の開状態となっている部分を透過しない光が発生することに起因するものであるから、図13に示したようなパターンに限定されるわけではなく、光検出素子114の検出精度にも依存するが、明度の高い部分と明度の低い部分との境界が存在するパターンであれば、フォーカスの自動調整に用いることは可能であると考えられる。
【0050】
以上のような理由に基づいて、ステップS403以降において第1の実施の形態とほぼ同様の処理を行うことにより、一台のプロジェクタを用いるに際しての投射レンズ101のフォーカスの自動調整を行うことができる。具体的には、ステップS403において、プロジェクタ100の投射レンズフォーカス調整機構133の設定を最大(ここでは、調整可能範囲の両端のいずれかを意味する。)とし、光源を点灯して(S404)、そのときのA/Dコンバータ115の出力値を計測値Pとして取得する(S405)。なお、投射レンズフォーカス調整機構133については公知のものが利用できるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0051】
さらに投射レンズフォーカス調整機構133を、その調整量を一定量減少させる方向に調整し(S406)、調整後のA/Dコンバータ115の出力値を計測値Qとして取得する(S407)。ここでのステップS406における調整量が任意である点は第1の実施の形態と同様である。その後は、第1の実施の形態と同様、計測値Qが計測値Pを下回った場合(S408:Yes)にフォーカス調整処理を終了し、それ以外の場合(S408:No)には、投射レンズフォーカス調整機構133の調整を繰り返す(S409、S406)。
【0052】
以上に説明したように、本実施の形態の場合においても、例えばビデオカメラを設置するような場合と比較して、低コストで、かつ、簡単な操作で投射条件の調整を行うことができる。
なお、パターンCにおける開状態部分の大きさは任意の設定が可能であり、設置環境に応じて可変としてもよいし、固定値としてもよい。また、開状態部分と閉状態部分との明度についても特に制限はない。さらに、本実施の形態ではステップS403においてフォーカス調整量を最大とし、ステップS406において、それを一定量減少させる方向で調整したが、調整の方向はどちらでも構わない。
【0053】
(実施の形態5)
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。本実施の形態では、一台のプロジェクタを用いてスクリーン上に画像を投影する場合における各ライトバルブの光進行方向における位置(以下、「ライトバルブのフォーカス」ともいう。)及び傾きの自動調整の方法について説明する。なお、このような調整が必要なのは、本実施の形態のようないわゆる三板式のプロジェクタにおいては、RGBの三色にそれぞれ対応する各ライトバルブについて、投射レンズからの距離を等しくし、また、スクリーンに投影するに際してスクリーンの傾きとライトバルブの傾きを一致させることが好ましいからである。
【0054】
図14は、本実施の形態におけるプロジェクタ100の構成を示す図である。同図に示されるように、本実施の形態のプロジェクタ100の構成は、第4の実施の形態において説明したものとほぼ同一であるが、投射レンズフォーカス調整機構133の代わりに、各ライトバルブ108、109、110のそれぞれについて、ライトバルブ位置傾き調整機構141、142、143を備える点、モザイクパターン発生回路123の代わりに局部モザイクパターン発生回路124を備える点などが第4の実施の形態と異なっているので、以下、異なる点を中心にして説明する。
【0055】
ここで、ライトバルブ位置傾き調整機構141〜143の構成について説明する。なお、このライトバルブ位置傾き調整機構141〜143自体は公知のものであり、従来は例えば調整に習熟した人がリモコン等を用いて目視にて調整を行う場合に用いられていたものである。また、ライトバルブ位置傾き調整機構141〜143は、いずれも同一の機構であるから、ここではライトバルブ位置傾き調整機構141を例にとって説明する。図15は、ライトバルブ位置傾き調整機構141の構成を模式的に示す斜視図である。
【0056】
同図において、401は固定枠、402は可動枠である。本実施の形態では固定枠401はプロジェクタ100の本体に固定されており、何も装着されていない窓403を有している。可動枠402にはライトバルブ固定窓404があり、ここにライトバルブ108を構成する、例えば液晶表示パネル等が装着される。即ち、光源111からの光はライトバルブ固定窓404に装着されたライトバルブ108及び窓403を透過してスクリーン200の方へ進行することとなる。
【0057】
ライトバルブ位置傾き調整機構141は、三つのモータ411、412、413を備えており、各モータによりネジ421、422、423がそれぞれ正逆両方向に回転駆動される。このモータ411〜413としては位置決め制御の可能な、例えばステッピングモータ、回転数のセンサがついたDCモータなどを用いることができる。ネジ421、422、423は、固定枠401の三ヶ所に備えられたネジ先端部固定機構431、432、433により、それぞれその先端位置が固定される。即ち、ネジ421〜423は、それぞれ自在に回転することが可能であるが先端位置は動かないようになっており、そのような状態を実現するネジ先端部固定機構431等の構造としては、例えば図16(a)に示されるように球状の窪み4312を設けた部材4311を設け、その窪みの中にネジ421と連結した球体4211を封入するような構成が考えられる。
【0058】
一方、可動枠402の三ヶ所には、ネジ中間部固定機構441、442、443が設けられている。ネジ中間部固定機構441〜443は、例えば図16(b)に示されるように、ネジ421に切られた雄ネジが、当該ネジ中間部固定機構441の外部筐体4411内部に設けられた球状の窪みにはめ込まれた球状部材4412に空けられた穴内部に切られた牝ネジと螺合する構成となっている。このような構成により、例えばネジ421〜423をモータ411〜413によりそれぞれ回転駆動することで固定枠401と可動枠402との間の距離及び傾きを調整することができる。即ち、モータ411〜413の駆動量をそれぞれ等しくすれば、上記ライトバルブフォーカスの調整を行うことができるし、モータ411〜413の駆動量が異なればライトバルブの傾きの調整ができる。
【0059】
図17は、本実施の形態におけるマイクロコンピュータ116の処理内容を示すフローチャートである。本実施の形態におけるマイクロコンピュータ116の処理内容の概略は、これまでの実施の形態における処理内容と共通する点も多いが、投射条件の調整機構がライトバルブ位置傾き調整機構141〜143となっていることに起因して、各々のステップでの処理内容や全体の処理が異なっている。
【0060】
本実施の形態の投射条件自動調整は、一台のプロジェクタ100のみを用いるものであるから、第1の実施の形態において説明した内容と同様の理由により、投射条件の自動調整を行うに先立って、プロジェクタ100の設置位置や、投射レンズ101に関連する投射条件等について粗調整を行っておくことが好ましい。また、本実施の形態における投射条件の自動調整は、各ライトバルブ108〜110ごとに行う必要があるが、以下の説明では、まずライトバルブ108の調整を例として説明する。ライトバルブ109及び110の調整も同様に行うことが可能であり、その調整の順序は任意である。
【0061】
また、本実施の形態で用いるパターンは、上記パターンCと類似するモザイク状パターンであるが、各ライトバルブ108〜110の傾きの調整を行うために、その一部のみをモザイクとした局部モザイク状パターンを用いる点で第4の実施の形態と異なる。この局部モザイク状パターンは、図14に示した局部モザイクパターン発生回路124により、その発生が制御される。本実施の形態で用いるパターンの例を図18から図21に示す。以下、説明の便宜上、図18に例を示すように左上のみがモザイク状となっているパターンをパターンD、図19に例を示すように左下のみがモザイク状となっているパターンをパターンE、図20に例を示すように右上のみがモザイク状となっているパターンをパターンF、図21に例を示すように右下のみがモザイク状となっているパターンをパターンGという。本実施の形態では、上記四種類のパターンを用いて、まず、それぞれのパターンについて、調整の対象となるライトバルブの最適な位置及び傾きの調整量を取得した後に、求められた各パターンについての調整量から、さらに上記各モータ411〜413の最適な設定値を算出する。それらの処理について、以下に詳細に説明する。
【0062】
図17のフローチャートに示されるように、本実施の形態ではハーフミラー112の設置位置調整を行った後(S501)、光源111を点灯させ(S502)、まず調整の対象となるライトバルブ108にパターンDからパターンGの四種類のいずれかのパターンを表示させる(S503)。ここでは、まずパターンDを表示するものとする。この際、調整の対象とならないライトバルブ109及び110は、全面閉状態としておく。調整対象以外のライトバルブを全面閉状態とするのは、他のライトバルブ109及び110の調整を行う場合も同様である。
【0063】
パターンの表示により反射光から位置傾き調整量を取得できる理由は、これまでの実施の形態と同様である。即ち、パターンDをプロジェクタ100から投影すると、スクリーン200に反射した光はライトバルブ108上に結像する。ここで、上記各ライトバルブ108にもパターンDが表示されており、従ってライトバルブ108を透過してくるスクリーン200からの反射光の強度を検出すると、ライトバルブ108の位置及び傾きが適切に調整された場合に反射光の強度、即ちA/Dコンバータ115の出力は最大となることに基づく。
【0064】
本実施の形態では、パターンごとのライトバルブの位置及び傾きの調整量を取得するに際し、まず、パターンの種類に対応して、ライトバルブ位置傾き調整機構141の初期設定を行う(S504)。本ステップの初期設定の内容の詳細を以下に説明する。本実施の形態では、パターンの種類に応じて本ステップで設定されるライトバルブ位置傾き調整機構141の初期設定が予め決まっている。例えば左上の部分がモザイク状となっているパターンDを表示する場合であれば、図15に示したライトバルブ位置傾き調整機構141において、モータ412の設定を調整可能範囲の中間値とし、モータ411及びモータ413の設定を最大(調整可能範囲において、可動枠402を最も固定枠401に近づける状態)とする。
【0065】
また、左下の部分がモザイク状となっているパターンEを表示する場合には、モータ411及びモータ412の設定を調整可能範囲の中間値とし、モータ413の設定を最大とする。右上の部分がモザイク状となっているパターンFを表示する場合には、モータ413の設定を調整可能範囲の中間値とし、モータ411及びモータ412の設定を最大とする。さらに、右下の部分がモザイク状となっているパターンGを表示する場合には、モータ411及びモータ413の設定を調整可能範囲の中間値とし、モータ412の設定を最大とする。
【0066】
以上のようなライトバルブ位置傾き調整機構141の初期設定を行った後に、これまでの実施の形態と同様に、A/Dコンバータ115の出力値を計測値Pとして取得する(S505)。その後、ライトバルブ位置傾き調整機構141による位置傾き調整量を一定量調整する(S506)。本実施の形態での一定量調整とは、パターンDを表示させる場合を例にとると、初期設定において最大設定となっていたモータ411及びモータ413の設定を一定量減少させる方向に調整することをいう。初期設定において最大設定となっていたモータの設定を一定量減少させることについては、他のパターンを用いる場合も同様である。ここで、本実施の形態ではモータ412の設定、即ち初期設定において調整可能範囲の中間値となっていたモータの設定は変更しない。即ち、この一定量調整によりライトバルブ108の傾きが一定量調整されることとなる。ここでの調整を行う一定量について任意の設定が可能である点についてはこれまでの実施の形態と同様である。
【0067】
以上の一定量の調整の後に、A/Dコンバータ115の出力値を計測値Qとして取得する(S507)。以後は、これまでの実施の形態と同様に、計測値Qが計測値Pを下回った場合(S508:Yes)にパターンDを用いた位置傾き調整量取得処理を終了し、それ以外の場合(S508:No)は、さらにパターンDを用いたライトバルブ位置傾き調整機構141の調整量取得処理を繰り返す(S509、S506)。取得される調整量の詳細については後述する。
【0068】
さて、本実施の形態では、パターンDを用いた調整量取得が終了した場合に(S508:Yes)、ライトバルブ108において、パターンDからパターンGまでの全パターンについて調整量取得処理が終了したか否かを判定する(S510)。ここで、全パターンについての調整量取得が終了していない場合には(S510:No)、ステップS503へと戻って、まだ調整に用いていないパターン(例えばパターンE)をライトバルブ108に表示させて(S503)、当該パターンを用いたライトバルブ位置傾き調整量取得処理を行う。
【0069】
一方、全パターンについて調整量取得が終了した場合には(S510:Yes)、それまでの処理で得られた各パターンにおける調整量取得結果から、最適な位置傾き調整量を算出する(S511)。ここで、本ステップにおける最適な位置傾き調整量の算出方法について説明する。
図22は、当該算出方法について説明するための図である。同図において、108の四角形はモータ411〜413の全てを調整可能範囲の中間値411c〜413cに設定した場合のライトバルブ108の位置及び傾きを模式的に表すものであり、矢印a、b、cはそれぞれモータ411、412及び413による調整方向を表している。
【0070】
ここでは、まずパターンDを用いた調整量取得について説明する。モータ411及びモータ413の設定を最大値から徐々に減少させていき、ライトバルブ108の位置及び傾きが図中点線で囲まれた領域108sで示される位置に到達した時点において計測値Qが計測値Pを下回ったとすると、その時点におけるモータ411及びモータ413の設定から図中点DZで示される位置の座標を求めることができる。この点DZは、図中DIにて示される位置からのXY平面への垂線と、図中点線で表される傾いたライトバルブ108を表す面108sとの交点である。ここで、点DIはモータ411〜413の設定を全て調整可能範囲の中間値411c〜413cとした場合における、ライトバルブ108の所定の二辺の中点を結ぶ線分と、所定の対角線との交点であり、パターンDのモザイク部分の中央位置とほぼ一致する。この点DZの位置の座標(dx,dy,dz)がパターンDを用いた場合のライトバルブ108の位置傾き調整量として取得される。
【0071】
これと同様の座標を、他のパターンを用いた場合にも取得することができる。即ち、パターンEを用いた場合には、パターンEを用いた調整の結果、測定値Qが測定値Pを下回った時点における点EZ(不図示)の座標(ex,ey,ez)を同様の方法により取得できる。点EZは、図中EIで示される位置(ライトバルブ108の二辺の中点を結ぶ線分と所定の対角線との交点)と、当該EIからXY平面への垂線と前記調整後の時点における傾いたライトバルブ108との交点だからである。他のパターンを用いた場合も同様であり、それぞれ点FZの座標(fx,fy,fz)、及び点GZの座標(gx,gy,gz)を取得することができる。
【0072】
ここで、位置及び傾きが最適に調整されたライトバルブ108が次の座標により表される4点を含むものとする。即ち点DZ’(dx,dy,dz’)、点EZ’(ex,ey,ez’)、点FZ’(fx,fy,fz’)及び点GZ’(gx,gy,gz’)の4点を含むものとして、ライトバルブの位置及び傾きの最適化のための基準値Sを、下記の(式1)により定義する。
【0073】
S=Δdz2+Δez2+Δfz2+Δgz2 ・・・(式1)
(ここで、Δdz2=(dz−dz’)2
Δez2=(ez−ez’)2
Δfz2=(fz−fz’)2
Δgz2=(gz−gz’)2 とする。)
そして、上記基準値Sが最小となるような数値の組(dz’,ez’,fz’,gz’)を算出すれば、最適に位置及び傾きが調整されたライトバルブ108を含む面を特定できるため、当該算出結果に基づいてモータ411〜413の設定を決定し、図17のフローチャートのステップS512において、モータ411〜413の設定を行うことにより、ライトバルブ108の位置及び傾きの自動調整を行うことができる。
【0074】
以上、図17のフローチャートに基づき詳述したような調整をライトバルブ109及び110についても同様に行うことで、各ライトバルブ108〜110の位置及び傾き調整を行うことができる。
以上に説明したように、本実施の形態の場合においても、例えばビデオカメラを設置するような場合と比較して、低コストで、かつ、簡単な操作で投射条件の調整を行うことができる。なお、本実施の形態では、ステップS503において、例えばモータ411及び413の設定を最大とし、ステップS506で設定を一定量減少させる方向で調整するようにしたが、これは逆にしてもよく、ステップS503において設定の調整を行うモータについて設定を最小とし、ステップS506で設定を一定量増加させる方向で調整するようにしてもよい。
【0075】
また、上記ステップS503においては、モータ412を調整可能範囲の中間値で固定するようにしたが、固定する位置は中間値に限定されないし、必ずしも固定させる必要もなく、他のモータ411及び413を初期状態において最大に設定する場合であれば、初期状態でモータ412を最小の設定とし、モータ411及び413を一定量減少させる際に、モータ412を一定量増加させるようにするなど、種々の方法が可能である。
【0076】
さらに、ステップS511における最適な位置傾きの算出方法についても、上記(式1)に示した基準値Sを用いる方法に限られず、種々の方法を用いることが可能であり、設置環境等によって、より精度を上げるような方法をとることも可能である。
(実施の形態6)
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。本実施の形態では、一台のプロジェクタを用いてスクリーン上に画像を投影する場合における各ライトバルブのフォーカスの自動調整の方法について説明する。なお、本実施の形態におけるライトバルブのフォーカス調整は、第5の実施の形態の方法により位置及び傾きの調整を行った場合には、加えて行う必要はない場合が多いと考えられる。後に詳述する如く、本実施の形態のライトバルブフォーカス調整は、ライトバルブ位置傾き調整機構141のモータ411〜413をそれぞれ同一の量だけ駆動することにより、各ライトバルブの光軸方向における位置を調整するものであるが、第5の実施の形態の方法では、当該位置も同時に調整がなされる場合が多いものと考えられるからである。もっとも、第5の実施の形態の方法での調整を行った後で、最適化されたライトバルブの傾きを維持しつつ、微調整的に本実施の形態の調整を行うようにしても構わない。
【0077】
本実施の形態のプロジェクタ100の構成は、図14に示した第5の実施の形態のものとほぼ同一であるが、用いるパターンが、第4の実施の形態で用いた全面モザイク状のパターンCである点で第5の実施の形態と異なっているため、局部モザイクパターン発生回路124の代わりにモザイクパターン発生回路123を備えている。即ち、ライトバルブ位置傾き調整機構141〜143の調整を行う点において、本実施の形態における各ライトバルブのフォーカスの自動調整は、第5の実施の形態で説明したライトバルブ位置傾き自動調整と等しいのであるが、前述の如く、本実施の形態で行うのは前記光軸方向の位置のみの自動調整であるから、モータ411〜413のそれぞれの駆動量は同一である点が第5の実施の形態とは異なっており、またそれらに起因して、マイクロコンピュータ116による処理内容などが第5の実施の形態とは異なっているので、以下、異なる点を中心にして説明する。
【0078】
図24は、本実施の形態におけるマイクロコンピュータ116の処理内容を示すフローチャートである。第5の実施の形態と同様、ライトバルブ108〜110の位置調整処理は、各ライトバルブごとに行う必要があるため、ここでは、ライトバルブ108の調整を例として説明する。ライトバルブ109及び110についても同様に調整を行うことができ、その順序は任意である。同図24に示されるように、本実施の形態におけるマイクロコンピュータ116の処理内容の概略は、第5の実施の形態よりも、むしろ第1〜第4の実施の形態における処理内容とほぼ共通している。しかし、本実施の形態では、ライトバルブ位置傾き調整機構141〜143を用いてライトバルブの位置の調整を行うことに起因して、前記第1〜第4の実施の形態とは各々のステップでの処理内容が多少異なっている。なお、本実施の形態の投射条件自動調整は、第5の実施の形態と同様に一台のプロジェクタ100のみを用いるものであるから、まず、第1の実施の形態において説明した内容と同様の理由により、投射条件の自動調整を行うに先立って、プロジェクタの設置位置、及び他の投射条件などについて粗調整を行っておくことが好ましい。
【0079】
図24のフローチャートに戻って、本実施の形態のマイクロコンピュータ116は、ハーフミラー112の位置を調整した後(S601)、パターンCをプロジェクタ100から投影するべく、ライトバルブ108にパターンCを表示させる(S602)。本実施の形態でパターンCを用いるのは、本実施の形態での調整がライトバルブ108の光路方向における位置の調整であり、換言すればライトバルブ108の投射レンズ101からの距離、即ちライトバルブ108のフォーカスを調整していると言える内容であるから、第4の実施の形態において投射レンズ101のフォーカス調整に用いたパターンと同様のパターンを用いることにより調整を行うことが可能だからである。即ち、このパターンCを用いた場合に、ライトバルブ108を透過してくるスクリーン200からの反射光の強度を検出すると、ライトバルブ108の位置が適切に調整された場合に反射光の強度、即ちA/Dコンバータ115の出力は最大となる。なお、ライトバルブ108について調整を行う際に他のライトバルブ109及び110を全面閉状態としておくのは第5の実施の形態と同様である。
【0080】
次に、マイクロコンピュータ116は、ライトバルブ108の位置調整量を最大に設定し(S603)、光源を点灯する(S604)。ここで、「位置調整量を最大に設定する」とは、ライトバルブ位置傾き調整機構141のモータ411〜413の全てを、調整可能範囲において、可動枠402をもっとも固定枠401に近づける方向に設定することをいう。その後、そのときのA/Dコンバータ115の出力値を計測値Pとして取得する(S605)。
【0081】
さらに、マイクロコンピュータ116は、ライトバルブ位置傾き調整機構141の位置調整量を一定量減少させる方向に調整する(S606)。ここで、「位置調整量を一定量減少させる」とは、モータ411〜413をそれぞれ同一の量だけ回転駆動して可動枠402を固定枠401から一定量遠ざけるように調整することをいう。この調整量が任意である点はこれまでの実施の形態と同様である。そして、そのときのA/Dコンバータ115の出力値を計測値Qとして取得する(S607)。その後は、これまでの実施の形態と同様、計測値Qが計測値Pを下回った場合(S608:Yes)にライトバルブ108の位置調整処理を終了し、それ以外の場合(S608:No)は、ライトバルブ位置傾き調整機構141の調整を繰り返す(S609、S606)。
【0082】
以上の処理により、ライトバルブ108の位置調整が終了するので、ライトバルブ109及び110についても同様の処理を行うことにより、各ライトバルブの位置調整が終了する。
以上に説明したように、本実施の形態の場合においても、例えばビデオカメラを設置するような場合と比較して、低コストで、かつ、簡単な操作で投射条件の調整を行うことができる。なお、本実施の形態の方法は、第5の実施の形態の方法と比較して、精度の面ではやや劣る可能性があることは否定できないが、例えばライトバルブを設定する面の特定などのやや複雑な計算を行う必要がないことや、ライトバルブ位置傾き調整機構として備えるモータを一つに減らすことも可能なことから、価格の安い装置を用いる場合でも実現できるなどの長所を有するものであり、また、設置環境等によっては、十分な精度が得られる方法でもあるといえる。
【0083】
(実施の形態7)
次に、本発明の第7の実施の形態について説明する。本実施の形態では、二台のプロジェクタを用いてスクリーン上に画像を重ね合せて投影する場合におけるプロジェクタのコンバージェンス自動調整の方法について説明する。
図25は、本実施の形態におけるプロジェクタ100の構成を示す図である。同図に示されるように、本実施の形態のプロジェクタ100の構成は、図14に示した第5の実施の形態のものとほぼ同一であるが、ライトバルブ位置傾き調整機構141〜143の代わりに、各ライトバルブ108、109、110のそれぞれにコンバージェンス調整機構151、152、153が備えられている点が異なっている。また、本実施の形態の自動調整は、他のプロジェクタ300から投影されたパターンを基準パターンとして、プロジェクタ100のコンバージェンス調整を行うものであるから、プロジェクタ300からスクリーン200に投影するパターンが一部これまでの実施の形態と異なっており、また、マイクロコンピュータ116による処理内容も、これまでの実施の形態と多少異なっているので、以下、異なる点を中心にして説明する。
【0084】
ここで、コンバージェンス調整機構151〜153の構成の一例について説明する。なお、コンバージェンス調整機構151〜153自体については公知のものであり、従来はライトバルブ位置傾き調整機構141〜143と同様、リモコン等を用いて目視にて調整がなされていた場合に用いられていたものである。また、コンバージェンス調整機構151〜153は、全て同一の構造を有するので、以下、コンバージェンス調整機構151を例として説明する。図26は、コンバージェンス調整機構151の構成の一例を模式的に示す正面図である。
【0085】
同図において、501は固定枠、502は可動枠であり、可動枠502の内側に設けられたライトバルブ固定窓504にライトバルブ108を構成する、例えば液晶表示パネルが装着される。可動枠502は、固定枠501との間に、例えばバネ等の弾性体505、506を介してその設置位置がほぼ固定されるとともに、後述の機構により、縦横方向にその設置位置の微調整ができるようになっている。従って、光源111からの光はライトバルブ固定窓504に対して略垂直方向に入射し、ライトバルブ108を通過することとなる。
【0086】
また、本実施の形態のコンバージェンス調整機構151には、位置決め制御が可能なモータ511、512、513と当該モータにより正逆両方向に回転駆動されるネジ521、522、523が含まれており、当該ネジの回転駆動により可動枠502の位置が制御されるように構成されている。即ち、ネジ521〜523の先端位置は、第5の実施の形態で説明したネジ先端位置固定機構431(図16(a)参照)と同様の構造を有するネジ先端位置固定機構531〜533によりコンバージェンス調整のために移動する方向以外の方向について固定される一方、例えば図27にその一例が示されるような構造を有するネジ中間位置固定機構541、542、543によりネジの中間位置が保持されることにより、モータ511〜513の回転駆動による可動枠502の位置の制御が可能となっている。なお、本実施の形態においては、ネジ521〜523の先端位置が可変であるから、モータ511〜513としては、例えばリニア・ステッピング・アクチュエータなどのアクチュエータを用いることができる。
【0087】
即ち、本実施の形態のネジ中間位置固定機構541(他のネジ中間位置固定機構542、543も同様であるので、ここではネジ中間位置固定機構541を例として説明する。)は外部筐体5411に、ネジ521と螺合する牝ネジ5412を切ってあり、これによって、モータ511がネジ521を回転駆動した場合にネジ先端位置が前後方向に移動するようになっている。なお、本実施の形態では、ネジ中間位置固定機構541等と固定枠501との間に、ガイド部材5413a及び5413bを設けることにより、ネジ中間位置固定機構541等を固定枠501に沿った方向に移動可能にするとともに、他の方向には移動しないように構成しているが、本構成に限定されるわけではなく、例えば外部筐体5411にやや大きめの穴を空け、前記牝ネジを切った別の部材が当該穴の中を移動するような構成とすることも考えられる。また、モータ511〜513についてもネジ中間位置固定機構541等の移動方向と等しい方向については移動可能に構成する必要があるが、それらについては公知の手法を用いることが可能であるから、ここでの詳細な説明は省略する。
【0088】
図28及び図29は、本実施の形態におけるマイクロコンピュータ116の処理内容を示すフローチャートである。本実施の形態におけるマイクロコンピュータ116は、各々のライトバルブ108〜110について、それぞれ縦方向及び横方向のコンバージェンス調整を行う必要があるところ、各ライトバルブ108〜110に対する調整処理はいずれも同様の処理であるため、ここでは、ライトバルブ108のコンバージェンス調整を例として説明する。ライトバルブ109及び110のコンバージェンス調整も同様の方法により行うことが可能である。また、図28に縦方向のコンバージェンス調整の処理内容を、図29に横方向のコンバージェンス調整の処理内容をそれぞれ記載している。
【0089】
まず、図28を参照しながら、縦方向のコンバージェンス調整処理の内容について説明する。本実施の形態の投射条件調整処理は、二台のプロジェクタを用いる場合の調整であるから、縦方向のコンバージェンス調整の処理内容の概略は、図7のフローチャートにて説明した第2の実施の形態における処理の内容とほぼ共通しているが、投射条件の自動調整として、コンバージェンス調整機構151等を用いてライトバルブ108等の位置調整を行うという相違点があることに起因して、各々のステップでの処理内容が異なっている。
【0090】
本実施の形態の投射条件自動調整は、プロジェクタ100の他、プロジェクタ300をも用いるものであるから、第2の実施の形態において説明した内容と同様の理由により、投射条件の自動調整を行うに先立って、プロジェクタの設置位置、及び他の投射条件等について粗調整を行っておくことが好ましい。また、本実施の形態で用いるパターンとしては、縦方向のコンバージェンス調整を行う際には、第3の実施の形態と同様の横縞状パターン(パターンB)を用い、横方向のコンバージェンス調整を行う場合には、図30にその一例を示すような縦縞状のパターン(以下、「パターンH」という。)を用いる。各パターンの表示は、コンバージェンス調整パターン発生回路125により制御される。このようなパターンを用いる理由については、これまでの実施の形態にて説明した内容と重複するので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0091】
図28のフローチャートに戻って、本実施の形態のマイクロコンピュータ116は、ハーフミラー112の位置を図2(a)の位置に調整して、スクリーン200からの反射光を光検出素子114で検出できるようにする(S701)。次に、ライトバルブ108にパターンBを表示させ(S702)、コンバージェンス調整機構151のモータ513を回転駆動させて、縦方向コンバージェンス調整量を最大に設定する(S703)。ここで、「縦方向コンバージェンス調整量が最大」とは、モータ513の回転駆動により、可動枠502の縦方向の位置が、調整可能範囲において、モータ513からもっとも遠くに位置する状態となったことをいうものとする。なお、プロジェクタ300からのパターンBの投影は、ステップS704の処理を行うまでに行うのであればいつ行ってもよく、また、ライトバルブ108について調整を行う場合には、他のライトバルブ109及び110は全面閉状態に設定しておくものとする。
【0092】
マイクロコンピュータ116は、次に、プロジェクタ300からパターンBが投影された状態でのA/Dコンバータ115からの出力値を計測値Pとして取得する(S704)。そして、モータ513を一定量回転駆動することにより、縦方向のコンバージェンス調整量を一定量減少させる方向に調整する(S705)。具体的には、モータ513の回転駆動により、可動枠502が、縦方向に一定量だけモータ513に近づくこととなる。マイクロコンピュータ116は、そのときのA/Dコンバータ115の出力値を計測値Qとして取得する(S706)。
【0093】
その後は、これまでの実施の形態と同様、計測値Qが計測値Pを下回った場合(S707:Yes)には、縦方向のコンバージェンス調整処理を終了して、横方向のコンバージェンス調整処理に移行し、それ以外の場合(S707:No)には、モータ513の回転駆動により、ライトバルブコンバージェンス調整機構151の縦方向の調整を繰り返す(S708、S705)。
【0094】
縦方向のコンバージェンス調整を終了すると、次に横方向のコンバージェンス調整を行う必要があるため、図29のフローチャートへと移行する。図29のフローチャートに示される処理は、パターンBにかえて、パターンHを表示させる点(S709)、及び横方向にコンバージェンスの調整を行う点(S710、S712)以外は、図28の処理と同様であるから、ここでの詳細な説明は省略する。なお、横方向のコンバージェンス調整を行うためには、モータ511とモータ512を同量だけ回転駆動することにより行えることは言うまでもない。以上のように、横方向のコンバージェンス調整を終了すると、本実施の形態における投射条件自動調整は終了する。
【0095】
以上に説明したように、本実施の形態の場合においても、例えばビデオカメラを設置するような場合と比較して、低コストで、かつ、簡単な操作で投射条件の調整を行うことができる。なお、本実施の形態では、ステップS703及びS710において、まずコンバージェンス調整量を最大に設定し、それから当該調整量を一定量減少させる方向で調整したが(S705、S712)、逆に最初に最小に設定して、それを一定量増加させる方向で調整するようにしてもよい。また、本実施の形態においても、パターンB及びパターンHにおける縞状部分の幅等は任意の設定が可能である。
【0096】
また、本実施の形態では縦方向と横方向のコンバージェンス調整を行ったが、適切なパターンを用いることによりライトバルブを回転させるコンバージェンス調整を行うことも可能である。例えば、モータ511とモータ512との駆動量を変えることによりライトバルブを回転させることもできるからである。
<変形例>
以上、本発明を種々の実施の形態に基づいて説明したが、本発明の内容が、上記実施の形態において詳細に説明した具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を考えることができる。
【0097】
(1)上記各実施の形態においては、投射レンズ拡大率、投射レンズフォーカス、ライトバルブフォーカス、コンバージェンスなどの各投射条件それぞれについて別個に自動調整を行う場合について説明した。しかしながら、上記各実施の形態でそれぞれ用いた投射条件の調整機構(投射レンズ拡大率調整機構、投射レンズフォーカス調整機構、ライトバルブ位置傾き調整機構、コンバージェンス調整機構など)を一台のプロジェクタにすべて備えることも可能であるから、結局同一のプロジェクタにおいて、上記各投射条件の自動制御をすべて(若しくは一部)行うようにすることも可能である。
【0098】
なお、ライトバルブ位置傾き調整機構141とコンバージェンス調整機構151とを共に備えることは、上記実施の形態に示した図15の例において、固定枠401を本体に固定せず、図26における固定枠501に弾性体を介して装着するようにすれば容易に実現することができる。
ここで、一台のプロジェクタにおいて複数の投射条件の自動調整を行う場合に、どのような順序で調整を行うかについて特に限定はなく、どのような順序で調整を行ってもかまわないが、スクリーンからの反射光を検出して投射条件の自動調整を行うという本発明特有の技術的思想に鑑みれば、一般的には、投射レンズフォーカス、若しくはライトバルブフォーカスの自動調整を他の条件に先立って行うことが好ましいと考えられる。一方、コンバージェンスの自動調整については、他の投射条件と比較して、より微細な調整が必要とされる場合が多いと考えられることから、他の投射条件がほぼ調整された時点で行うことが好ましい場合が多いと考えられる。
【0099】
また、複数の投射条件を自動調整する場合に、ある一つの条件について調整を行っても、他の条件について調整を行うことにより、それまでに調整した内容に誤差が生じてくることも十分考えられることであるから、各投射条件の調整は、それぞれ一度ずつに限定されるわけではなく、適宜複数回行うようにしてもよい。なお、以上のような調整の順序、回数については、設置環境や利用目的等によって最適な値が異なってくるものであるから、それらの条件に基づいて最適化を行うことが可能であり、特に限定されるものではない。
【0100】
(2)上記実施の形態では、ライトバルブ108〜110として、例えば液晶表示パネルを用いた場合を例に挙げたが、それに限定されるわけでもなく、本発明の骨子に鑑みれば、スクリーンからの反射光を透過させる方式のライトバルブに関しては、種々の構造のライトバルブに適用することが可能であるし、また、DMD(デジタル・ミラー・デバイス)等を用いたいわゆる反射型のライトバルブを用いた場合でも適用することは可能である。
【0101】
(3)上記実施の形態では、いわゆる三板型プロジェクタとして図1等に示したような構造の光分離手段を用いた例について説明したが、光分離手段の構成もこれに限定されるわけではなく、種々の構成のものに適用することが可能であり、例えば、ダイクロイックプリズムを用いるような場合でも、容易に適用することができる。
【0102】
(4)上記実施の形態では、RGB各色のライトバルブ108〜110の間におけるコンバージェンス調整については、特に記載していないが、これについては、本方式(二台のプロジェクタを用いる方式)を用い、厳密にR、G、Bのコンバージェンスが調整された一台のプロジェクタを基準として、もう一台の被調整プロジェクタの調整を行うことが可能であるから、詳細な説明は省略している。もっとも、上記各実施の形態で説明したような投射条件の自動調整を行うには、上記各ライトバルブ間のコンバージェンス調整も行った方が好ましいことは言うまでもないことである。
【0103】
(5)また、上記実施の形態では、例えば図3のフローチャートにおいて示したように、計測値Qと計測値Pとを比較して、計測値Qが計測値Pを下回った場合に調整を終了するようにしているが、制御の方法はこれに限定されるわけではなく、制御の精度を向上させるための種々の工夫を行うことも可能である。例えば、計測値Qが計測値Pを下回る前後における反射光の強度を検出、記憶しておき、もっとも適切な設定となるように各投射条件調整機構を制御するようにしてもよい。
【0104】
(6)さらに、上記実施の形態では、光検出素子114にて反射光の光量を検出し、検出された光量に基づいて投射条件の調整を行ったが、反射光の光量に限定されるわけではなく、例えば光検出素子114としてCCDを用いる場合等であれば、反射光により形成される像の形状、色彩などを検出し、それに基づいて投射条件の調整を行うようにすることも可能である。
【0105】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るプロジェクタによれば、被投影面から反射され、前記ライトバルブを逆進した光を検出し、当該検出された光に基づいて投射条件を調整するようにしているので、一般的には高価な撮像手段等を備える必要がなく、装置のコスト上昇を最小限に抑えることができる上、撮像手段の向きの調整等の煩雑な操作も不要であるから、簡単な操作で投射条件の自動調整を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るプロジェクタの構成を示す図である。
【図2】投射条件調整時、及びそれ以外の場合におけるハーフミラー112の設置位置を示す図である。
【図3】第1の実施の形態におけるマイクロコンピュータ116の処理内容を示すフローチャートである。
【図4】パターンAの一例を示す図である。
【図5】枠付きスクリーン200の外観の一例を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るプロジェクタの構成を示す図である。
【図7】第2の実施の形態におけるマイクロコンピュータ116の処理内容を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係るプロジェクタの構成を示す図である。
【図9】第3の実施の形態におけるマイクロコンピュータ116の処理内容を示すフローチャートである。
【図10】パターンBの一例を示す図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態に係るプロジェクタの構成を示す図である。
【図12】第4の実施の形態におけるマイクロコンピュータ116の処理内容を示すフローチャートである。
【図13】パターンCの一例を示す図である。
【図14】本発明の第5の実施の形態に係るプロジェクタの構成を示す図である。
【図15】ライトバルブ位置傾き調整機構141の構成を模式的に示す斜視図である。
【図16】(a)ネジ先端部固定機構431の構造の一例を示す図である。(b)ネジ中間部固定機構441の構造の一例を示す図である。
【図17】第5の実施の形態におけるマイクロコンピュータ116の処理内容を示すフローチャートである。
【図18】パターンDの一例を示す図である。
【図19】パターンEの一例を示す図である。
【図20】パターンFの一例を示す図である。
【図21】パターンGの一例を示す図である。
【図22】第5の実施の形態における最適な位置傾き調整量の算出方法について説明するための図である。
【図23】本発明の第6の実施の形態に係るプロジェクタの構成を示す図である。
【図24】第6の実施の形態におけるマイクロコンピュータ116の処理内容を示すフローチャートである。
【図25】本発明の第7の実施の形態に係るプロジェクタの構成を示す図である。
【図26】コンバージェンス調整機構151の構成の一例を模式的に示す正面図である。
【図27】ネジ中間位置固定機構541の構造の一例を示す図である。
【図28】第7の実施の形態におけるマイクロコンピュータ116の処理内容を示すフローチャートである。
【図29】第7の実施の形態におけるマイクロコンピュータ116の処理内容を示すフローチャートである。
【図30】パターンHの一例を示す図である。
【図31】ビデオカメラを用いて投射レンズのフォーカス自動調整を行うプロジェクタの構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
100,300 プロジェクタ
101 投射レンズ
102,103,106,107 ダイクロイックミラー
104,105 ミラー
108 青色光用ライトバルブ
109 緑色光用ライトバルブ
110 赤色光用ライトバルブ
111 光源
112 ハーフミラー
113 集光レンズ
114 光検出素子
115 A/Dコンバータ
116 マイクロコンピュータ
117 ライトバルブ駆動回路
121 矩形パターン発生回路
122 画像位置調整用パターン発生回路
123 モザイクパターン発生回路
124 局部モザイクパターン発生回路
125 コンバージェンス調整パターン発生回路
131 投射レンズ拡大率調整機構
132 投射レンズ軸ずらし量調整機構
133 投射レンズフォーカス調整機構
141,142,143 ライトバルブ位置傾き調整機構
151,152,153 コンバージェンス調整機構
200 スクリーン
201 表示可能領域
202 外枠
401 固定枠
402 可動枠
403 窓
404 ライトバルブ固定窓
411,412,413 モータ
421,422,423 ネジ
431,432,433 ネジ先端位置固定機構
441,442,443 ネジ中間位置固定機構
501 固定枠
502 可動枠
504 ライトバルブ固定窓
505,506 弾性体
511,512,513 モータ
521,522,523 ネジ
531,532,533 ネジ先端位置固定機構
541,542,543 ネジ中間位置固定機構

Claims (20)

  1. ライトバルブを通過した光源からの光を、投射レンズを介して被投影面に投影するプロジェクタにおいて、
    前記被投影面から反射され、前記ライトバルブを逆進した光を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された光に基づいて投射条件を調整する投射条件調整手段とを備える
    ことを特徴とするプロジェクタ。
  2. 請求項1のプロジェクタはさらに、
    前記ライトバルブを制御して所定の画像パターンを形成させることにより、前記被投影面に当該画像パターンを投影させるパターン投影手段を備え、
    前記検出手段は、
    前記画像パターンが投影された前記被投影面から反射され、前記ライトバルブを逆進した反射光を集光する反射光集光手段と、
    前記反射光集光手段により集光された反射光の光量を測定する反射光量測定手段とを有し、
    前記投射条件調整手段は、
    前記反射光量測定手段により測定された反射光の光量に基づいて投射条件を調整する
    ことを特徴とするプロジェクタ。
  3. 請求項2に記載のプロジェクタにおいて、
    前記パターン投影手段は、
    少なくとも前記被投影面に投影すべき画像の外周部に相当する部分において光が通過する状態である画像パターンを前記ライトバルブに形成させ、
    前記投射条件調整手段は、
    前記反射光量測定手段により測定された反射光の光量に基づいて、前記投射レンズの拡大率を調整する
    ことを特徴とするプロジェクタ。
  4. 請求項2に記載のプロジェクタにおいて、
    前記パターン投影手段は、
    少なくとも明度の低い部分と明度の高い部分との境界が存在する画像パターンを前記ライトバルブに形成させ、
    前記投射条件調整手段は、
    前記反射光量測定手段により測定された反射光の光量に基づいて、前記投射レンズのフォーカスを調整する
    ことを特徴とするプロジェクタ。
  5. 請求項2に記載のプロジェクタにおいて、
    前記パターン投影手段は、
    それぞれ異なる領域に、明度の低い部分と明度の高い部分との境界が存在する複数種類の画像パターンを、前記ライトバルブに順次形成させ、
    前記プロジェクタはさらに、
    前記反射光量測定手段により測定された反射光の光量から、前記複数種類の画像パターンそれぞれについての、前記ライトバルブの位置及び傾きに関する調整量を取得する位置傾き調整量取得手段と、
    前記位置傾き調整量取得手段により取得された、前記複数種類の画像パターンそれぞれについての前記調整量から、ライトバルブの最適な位置及び傾きを表す情報を算出する位置傾き算出手段とを備え、
    前記投射条件調整手段は、
    前記位置傾き算出手段により算出された結果に基づいて、前記ライトバルブの位置及び傾きを調整する
    ことを特徴とするプロジェクタ。
  6. 請求項2に記載のプロジェクタにおいて、
    前記パターン投影手段は、
    少なくとも明度の低い部分と明度の高い部分との境界が存在する画像パターンを前記ライトバルブに形成させ、
    前記投射条件調整手段は、
    前記反射光量測定手段により測定された反射光の光量に基づいて、前記ライトバルブの光軸方向における位置を調整する
    ことを特徴とするプロジェクタ。
  7. 請求項1に記載のプロジェクタはさらに、
    前記被投影面に他のプロジェクタから投影される画像パターンと略同一の画像パターンを、前記ライトバルブに形成させるパターン形成手段を備え、
    前記検出手段は、
    前記被投影面から反射し、前記ライトバルブを逆進した反射光を集光する反射光集光手段と、
    前記反射光集光手段により集光された反射光の光量を測定する反射光量測定手段とを有し、
    前記投射条件調整手段は、
    前記反射光量測定手段により測定された反射光の光量に基づいて投射条件を調整する
    ことを特徴とするプロジェクタ。
  8. 請求項7に記載のプロジェクタにおいて、
    前記パターン形成手段は、
    少なくとも前記被投影面に投影すべき画像の外周部に相当する部分において光が透過する状態である画像パターンを前記ライトバルブに形成させ、
    前記投射条件調整手段は、
    前記反射光量測定手段により測定された、前記他のプロジェクタから投影された画像パターンの反射光の光量に基づいて、前記投射レンズの拡大率を調整する
    ことを特徴とするプロジェクタ。
  9. 請求項7に記載のプロジェクタにおいて、
    前記パターン形成手段は、
    明度の高い部分と明度の低い部分とが、画像垂直方向に交互に出現する画像パターンを前記ライトバルブに形成させ、
    前記投射条件調整手段は、
    前記反射光量測定手段により測定された、前記他のプロジェクタから投影された画像パターンの反射光の光量に基づいて、前記投射レンズの軸ずらし量を調整する
    ことを特徴とするプロジェクタ。
  10. 請求項7に記載のプロジェクタにおいて、
    前記パターン形成手段は、
    明度の高い部分と明度の低い部分とが画像垂直方向に交互に出現する画像パターンと、明度の高い部分と明度の低い部分とが画像水平方向に交互に出現する画像パターンとを、前記他のプロジェクタに合わせて順次前記ライトバルブに形成させ、
    前記投射条件調整手段は、
    前記反射光量測定手段により測定された、前記他のプロジェクタから投影された画像パターンの反射光の光量に基づいて、前記ライトバルブの縦方向及び横方向のコンバージェンスを調整する
    ことを特徴とするプロジェクタ。
  11. 前記反射光集光手段は、
    前記光源からの光路上に設置することが可能なハーフミラーと、
    前記ハーフミラーにより反射された、前記被投影面からの反射光を集光する集光レンズとを含む
    ことを特徴とする請求項2から10のいずれかに記載のプロジェクタ。
  12. 前記反射光集光手段は、
    前記投射条件制御手段による投射条件の調整を行う場合に、前記光源からの光路上に設置することが可能なミラーと、
    前記ミラーにより反射された、前記被投影面からの反射光を集光する集光レンズとを含む
    ことを特徴とする請求項7から10のいずれかに記載のプロジェクタ。
  13. 前記プロジェクタは、
    赤、緑及び青の各色に対応して三つのライトバルブを備えており、
    前記投射条件調整手段は、
    前記三つのライトバルブのそれぞれについて、順次投射条件の調整を行う
    ことを特徴とする請求項5、6又は10に記載のプロジェクタ。
  14. ライトバルブを用いたプロジェクタの光源の前にハーフミラーを配置することで、投射レンズを通してライトバルブ上に結像されたスクリーンからの反射光を光センサに導き、当該反射光の強度を測定する手段を有し、ライトバルブの有効部を縁取るような形状にライトバルブが開となるパターンを設定して、投射レンズの拡大率を調整しつつ、前記反射光の強度を測定して、スクリーンの光を反射しない枠から投影像がはみ出した場合に起こる、反射光の減少を検出して投射レンズの拡大率を調整することにより、投射レンズの拡大率を最適に調整することを特徴とするプロジェクタ。
  15. ライトバルブを用いた二台のプロジェクタの映像を重ね合わせて使用する方式において、片方のプロジェクタを基準とし、前記基準となるプロジェクタの映像にその映像を調整して重ね合わせる側のプロジェクタにおいて、光源の前にミラーを配置することで、投射レンズを通してライトバルブ上に結像されたスクリーンからの反射光を光センサに導き、当該反射光の強度を測定する手段を有し、基準側のプロジェクタから、ライトバルブの有効部を縁取るような形状の投影像をスクリーンに投影し、調整する側のライトバルブも同じ形状に開になるパターンを設定し、投射レンズの拡大率を調整しつつ、前記反射光の強度を測定して、二台のプロジェクタの投影像が一致した場合に生じる反射光強度のピークを検出して投射レンズの拡大率を調整することにより、投射レンズの拡大率を最適に調整することを特徴とするプロジェクタ。
  16. 二台のライトバルブを用いたプロジェクタの映像を重ね合わせて使用する方式において、片方のプロジェクタを基準とし、前記基準となるプロジェクタの映像にその映像を調整して重ね合わせる側のプロジェクタにおいて、光源の前にミラーを配置することで、投射レンズを通してライトバルブ上に結像されたスクリーンからの反射光を光センサに導き、当該反射光の強度を測定する手段を有し、基準側のプロジェクタから、横縞状のような形状の投影像をスクリーンに投影し、調整する側のライトバルブも同じ形状に開になるパターンを設定し、投射レンズの軸ずらし量を調整しつつ、前記反射光の強度を測定して、二台のプロジェクタの投影像が一致した場合に生じる反射光強度のピークを検出して投射レンズの軸ずらし量を調整することにより、投射レンズの軸ずらし量を最適に調整することを特徴とするプロジェクタ。
  17. ライトバルブを用いたプロジェクタの光源の前にハーフミラーを配置することで、投射レンズを通してライトバルブ上に結像されたスクリーンからの反射光を光センサに導き、当該反射光の強度を測定する手段を有し、ライトバルブにモザイク状に開閉が繰り返すパターンを設定して、投射レンズのフォーカスを調整しつつ、前記反射光の強度を測定して、その強度が最大になるように投射レンズのフォーカスを調整することにより、投射レンズのフォーカスを最適に調整することを特徴とするプロジェクタ。
  18. ライトバルブを用いたプロジェクタの光源の前にハーフミラーを配置することで、投射レンズを通してライトバルブ上に結像されたスクリーンからの反射光を光センサに導き、当該反射光の強度を測定する手段を有し、ライトバルブにモザイク状に開閉が繰り返すパターンを、赤緑青の三色に対応する各ライトバルブにそれぞれ別々に設定し、前記赤緑青の各ライトバルブにそれぞれ取り付けられたフォーカス調整機構を調整しつつ、前記反射光の強度を測定して、その強度が最大になるように赤青緑の各ライトバルブのフォーカスをそれぞれ調整することにより、赤緑青の各ライトバルブのフォーカスを最適に調整することを特徴とするプロジェクタ。
  19. ライトバルブを用いたプロジェクタの光源の前にハーフミラーを配置することで、投射レンズを通してライトバルブ上に結像されたスクリーンからの反射光を光センサに導き、当該反射光の強度を測定する手段を有し、ライトバルブに、それぞれ異なる領域においてモザイク状に開閉が繰り返す部分が存在する複数のパターンを、赤緑青に対応する各ライトバルブにそれぞれ別々に設定し、赤緑青の各ライトバルブにそれぞれ取り付けられたライトバルブ傾き調整機構を調整しつつ、前記反射光の強度を測定して、その強度が最大になるような赤青緑の各ライトバルブの位置及び傾きを取得した後、取得された値に基づいて各ライトバルブの位置及び傾きをそれぞれ設定することにより、赤緑青のライトバルブの位置及び傾きを最適に調整することを特徴とするプロジェクタ。
  20. 二台のライトバルブを用いたプロジェクタの映像を重ね合わせて使用する方式において、片方のプロジェクタを基準とし、前記基準となるプロジェクタの映像にその映像を調整して重ね合わせる側のプロジェクタにおいて、光源の前にミラーを配置することで、投射レンズを通してライトバルブ上に結像されたスクリーンからの反射光を光センサに導き、当該反射光の強度を測定する手段を有し、基準側のプロジェクタから、二台のプロジェクタ間のコンバージェンスずれを補正する場合に用いる投影像をスクリーンに投影し、調整する側のライトバルブも同じ形状に開になるパターンを設定し、調整する側のライトバルブコンバージェンス調整機構を調整しつつ、前記反射光の強度を測定して、二台のプロジェクタの投影像が一致した場合に生じる反射光強度のピークを検出してライトバルブのコンバージェンスを調整することを特徴とするプロジェクタ。
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