JP3651529B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Formation Of Insulating Films (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体デバイス、多層配線基板などの製造プロセスに有用な感光性樹脂組成物に係り、更に詳細には、半導体デバイス、多層配線基板などの製造プロセスにおいて、短波長の光源を用いて安定したパターン形成が可能で、配線被覆性および耐熱性の高い絶縁膜、層間絶縁層、パッシベィーション膜、バッファコート膜及び保護膜等の形成に好適な感光性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体デバイスや多層配線基板などの製造プロセスの分野において、有機物の保護膜、各種絶縁膜として有用な、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸を加熱処理することにより得られるポリイミド樹脂が注目されている。これはその優れた耐熱性、絶縁性、強靱性と、平坦で厚い膜が容易に形成できることから、層間絶縁材としても広く用いられている。
【0003】
ポリイミド樹脂は、一般にジアミン成分とテトラカルボン酸、またはその二無水物成分とを有機溶媒中で重合させて、ポリアミド酸を生成し、これを脱水閉環させる等の方法で得られている。例えばジアミン成分として4,4’−ジアミノフェニルエーテル、テトラカルボン酸二無水物成分としてピロメリット酸二無水物等がある。
【0004】
なお、有機溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホン、パラ−クロロフェノール、パラ−ブロモフェノール、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トリグライムなどが用いられる。
【0005】
このポリイミド樹脂を例えば層間絶縁材として適用するに当たっては、ポリイミド膜にスルーホール等のパターン形成を行う必要があり、フォトレジストを併用する複雑なフォトエッチング工程が用いられている。
【0006】
現時点で主流になっているポリイミド膜のパターンの形成方法は次のように、先ずポリイミド前駆体であるポリアミック酸からなる非感光性樹脂組成物を所定の基板にスピンコータ等を用いて塗布し、乾燥させて塗膜を形成する。
【0007】
次にこの塗膜上にポジ型フォトレジストを塗布して乾燥させ、露光した後、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液等のアルカリ水溶液からなる現像液によってフォトレジストの現像と非感光性樹脂組成物(ポリイミド前駆体)の塗膜のエッチングを同時に行い、フォトレジストのマスクパターンの形成とポリイミド前駆体からなる非感光性樹脂組成膜のパターン形成を行う。
【0008】
その後、このフォトレジストを有機溶媒等により剥離し、パターニングしたポリイミド前駆体からなる非感光性樹脂組成膜を加熱処理することによってイミド化させて最終的に非感光性ポリイミド樹脂からなる絶縁膜のパターンが得られ、このような絶縁膜形成工程と導体パターン形成工程とを繰り返して配線パターンを多層に形成している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、そのような非感光性ポリイミド樹脂からなる絶縁膜のパターン形成は工程が煩雑でプロセスコストが高くなるという欠点を有している。
【0010】
そこで最近では、上述のような煩雑なパターン形成の処理工程数を削減するためにポリイミド前駆体自身に感光性をもたせてそれ自体に直接、微細パターンが形成できる感光性ポリイミドなるものが提案されている。
【0011】
その感光性ポリイミドは、例えばポリイミド前駆体自体の分子内に感光性の官能基を付与する方法(特開昭60−37550号、特開平1−59289号)や、ポリイミド前駆体に感光基を有する化合物を混合する方法(特開昭57−102926号、特開昭63−175854号)等によって得られる。
【0012】
これらの感光性ポリイミドを適用したパターンの形成方法は何れも、露光された部分だけ光反応させて未露光部分との現像液に対する溶解性を変え、次に現像処理により露光部分だけを残して所望のパターンを形成し、最後に熱処理を施すことにより耐熱性の悪い感光性の官能基または感光基を有する化合物が離脱除去されて耐熱性の良いポリイミド部分だけを残してイミド化させるという方法である。
【0013】
このような感光性ポリイミドを用いた絶縁膜等のパターン形成では、煩雑な形成工程が簡略化できるものの最後の熱処理(耐熱性の悪い感光性の官能基または感光基を有する化合物の除去と硬化させるため)の温度が高温であるため、前記絶縁膜等を形成する基材も耐熱性の高いものを用いなければならず、同じ基材上の他の耐熱性の劣る部分への熱的影響が大きい。
【0014】
特に、その高温熱処理により前記絶縁膜の体積が減り、該絶縁膜の厚さが熱処理前の厚さの50%程度と薄くなる所謂「膜減り」と呼ばれる現象が生じ、段差被覆性を悪化させ、残留ストレスの増大をもたらす等の不具合が顕著になるという欠点があった。
【0015】
また、特開昭59−68332号などでは感光性ポリイミドの分子内に感光基を付与するために熱や圧力を加えて複雑な化学反応を起こさせることが必要であることから、本来の樹脂を変性させる可能性があり、合成工程が増えることにより製作コストが上昇する他、感光基付与時に生じる副生成物が残留し易く、その副生成物の混入により耐熱性を劣化させるという欠点があるため、精製工程を増やす必要がある等の不都合があった。
【0016】
更に、従来の現像・パターニング工程では、有機溶媒を用いているので、その分だけ材料コストが高くなると共に、作業環境の悪化、引火の危険性、廃棄時の環境汚染等への対応を十分に考慮して安全対策を図る必要があるといった欠点があった。
【0017】
更に、感光性ポリイミド樹脂は銅と熱的に反応して剥離や光硬化不良が生じるものがあるため、プリント配線板等の銅配線や銅ランド部上に直接配設し、パターニングしてビアホール等を形成するというような工程を行うことが困難であった。そこでそのような問題を避けるためにバリヤメタルと呼ばれる別な金属の膜を前記銅配線や銅ランド部上に予め覆設しておき、感光性ポリイミド樹脂を前記銅部分と直接接触しないように配設するようにしている。
【0018】
このため、そのような不都合を事前に手当てする別な工程が必要となり、工程数が増えると共に、コスト高になるといった欠点があった。
本発明は上記した従来の問題点に鑑み、簡単な攪拌混合工程により低コストで得られ、安全な現像工程と、従来よりも低い熱処理温度により膜減りがなく、段差被覆性が良好で、銅、銅合金等の部分上に直接接触しても不都合が生じない耐熱性に優れた層間絶縁膜として有用な新規な感光性樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記した目的を達成するため、
一般式 (1)
【0023】
【化4】
Figure 0003651529
【0024】
(但し、式中のR1 は4価の脂肪族基、または脂環式基、R2 は2価の芳香族基、脂肪族基、脂環式基、或いはオルガノシロキサン基である。)で表される化合物の繰り返し単位を有するポリイミド前駆体と、エポキシアクリレートまたはエポキシメタクリレートの少なくとも一つと、3つ以上の重合性不飽和基を持つ重合性不飽和化合物と、光重合開始剤とを含む組成物に、テトラゾール、ベンゾトリアゾール、ピラゾールおよびトリアジンの少なくとも一つの含窒素化合物からなる銅イオン反応抑制剤が、前記ポリイミド前駆体の100重量部に対し、0.001〜10.0重量部添加されていることを特徴とする感光性樹脂組成物を用いる。
【0025】
上記のエポキシアクリレートまたはエポキシメタクリレートからなるエポキシ系重合性不飽和化合物は耐熱性を向上させる効果を有しており、該エポキシアクリレートはそのエポキシ樹脂の末端がアクリル基であるものが耐熱性、密着性に優れて好ましい。
【0026】
具体的には特に一般式(2)
【0027】
【化5】
Figure 0003651529
【0028】
で表されるビスフェノールA−ジエポキシ−アクリル酸付加物、一般式(3)
【0029】
【化6】
Figure 0003651529
【0030】
で表されるトリグリセリンジアクリレートエーテル、一般式(4)
【0031】
【化7】
Figure 0003651529
【0032】
で表されるビスフェノールA−ジプロピレンオキシド−アクリル酸付加物の適用が好ましい。
一方、エポキシメタクリレートとしては、そのエポキシ樹脂の末端がメタクリル基であるものがこれも耐熱性、密着性に優れて好ましく、具体的には特にビスフェノールA−ジエポキシ−メタクリル酸付加物、ビスフェノールA−ジプロピレンオキシド−メタクリル酸付加物、トリグリセリンジメタクリレートエーテル等があり、これらは単独、または複数種を選択し混合して用いられる。
【0033】
また、上記の3つ以上の重合性不飽和基を持つ重合性不飽和化合物としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパンアクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド変成トリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等の3つ以上の重合性不飽和基を持つ一般のアクリル酸系化合物、或いは、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロールプロパンメタクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド変成トリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート等の3つ以上の重合性不飽和基を持つ一般のメタクリル酸系化合物が適用でき、これらは単独、または複数種を選択し混合して用いられる。
【0034】
更に、光重合開始剤としては、一般の紫外線による樹脂や塗料の硬化用の光重合開始剤として使用されている各種化合物が適用できる。例えば2.2’−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(別名: ベンジルメチルケタール) 、2.2’−ビス(O−クロロフェニル)−4.4’,5.5’−テトラフェニル−1.2’−ビイミダゾール、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルケタール、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、チオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン等が適用でき、これらは単独、または複数種を選択し混合して用いられる。
【0035】
これら光重合開始剤の添加量は、過少の場合には光重合の不足、過多の場合には膜質の劣化、耐熱性の低下などが見られるため前記重合性不飽和化合物の100重量部に対して0.01〜30.0重量部の範囲で用いることが好ましい。
【0036】
更に、前記感光性樹脂組成物を銅、または銅合金等の配線、ランド等に直接的に接触した状態で塗設し加熱すると、該感光性樹脂組成物の膜が銅イオンにより剥離、または劣化する不都合が生じるので、本発明ではそのような現象を避けるために、例えばテトラゾール、ベンゾトリアゾール、ピサゾール、トリアジン等を単独、または複数種選択し混合した銅イオン反応抑制剤を添加している。
【0037】
この銅イオン反応抑制剤の前記感光性樹脂組成物への添加量としては、前記ポリイミド前駆体の100重量部に対して0.001〜10.0重量部の範囲が好ましい。
【0038】
その他に、露光効率を挙げるために増感剤を添加することができる。この増感剤の添加についての具体例としては、ミヒラーケトン、ケトクマリン、ピリリウム塩等が挙げられ、これらは単独、または複数種を選択し混合して用いられる。なお、これら増感剤の添加量は、前記重合性不飽和化合物の100重量部に対して0.001〜10.0重量部の範囲が好ましい。
【0039】
そして上記した本発明の感光性樹脂組成物は、前記複数種の成分を化学反応が伴わない攪拌混合のみで高純度で低コストに容易に作成することができる。
従って、上記した本発明の感光性樹脂組成物を、例えばシリコンやアルミナ等の基板、またはプリント配線板等の基材上にスピンコータ等によって塗布し乾燥して感光性樹脂膜を形成し、該感光性樹脂膜に露光用のマスクを介して高圧水銀灯などの活性の高い紫外線を出射する光源により所望のパターンに露光することにより、露光部分のエポキシアクリレートまたはエポキシメタクリレートの少なくとも一方と三つ以上の重合性不飽和基を持つ重合性不飽和化合物とが硬化される。
【0040】
次に、その感光性樹脂膜をアルカリ水溶液からなる現像液により現像し、80〜300℃で熱処理を施すことによって、感光性樹脂組成物中に含まれるポリイミド前駆体が完全に硬化され、最終的にパターン形成された樹脂膜からなる絶縁膜は、膜減りが無く、配線被覆性に優れた膜特性を有する耐熱性の絶縁膜、或いは保護膜を得ることができる。
【0041】
また、前記熱処理を150〜230℃の温度範囲で施しても耐熱性の良好な膜特性を得ることができるので、耐熱温度の低いガラスエポキシ樹脂基板上に耐熱性の高い絶縁膜、或いは保護膜をパターン形成するのに、本発明の感光性樹脂組成物を適用することができ、特に層間絶縁膜等の形成には極めて有用である。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る感光性樹脂組成物の第1実施例を詳細にする。
本実施例では、例えば攪拌装置が付設されている300mlの容器にポリイミド前駆体ワニス(樹脂分:14wt%と溶媒:N−メチル−2−ヒロリドンの86wt%からなる混合物)を100grと、エポキシメタクリレート(共栄社油脂化学工業製、エポライト3000M)を10grと、重合性不飽和化合物としてトリメチロールプロパントリアクリレートの10grとを加える。
【0043】
次いで、光重合開始剤として4−フェニルベンゾフェノンを3grと、銅イオン反応抑制剤として1H−テトラゾール(東京化成工業製)の1.4grとを加えて十分に攪拌することにより、均一に混合された感光性樹脂組成物を容易に得ることができる。
【0044】
また、このようにして得られた感光性樹脂組成物は、混合する工程で煩雑な化学反応を伴う混合過程を採用していないので、その後に濾過や精製といった特殊な工程を用いる必要もなく、そのままの状態で容易に用いることができる。
【0045】
次に、前記感光性樹脂組成物を、厚さが4μmの銅の配線パターンをスパッタリング法とフォトエッチング工程により形成している直径3インチの大きさのSiウェハー上に5gr程度滴下し、スピンコータ、ディップコータ、スプレーコータ等、本実施例ではスピンコータによって均一に塗布し、その塗布膜を80〜150℃の温度で、本実施例では例えば120℃の温度で40分間程度乾燥させて膜厚が約13μmの感光性樹脂膜を形成する。
【0046】
次に、この感光性樹脂膜に、所定のマスクを介して活性の高い紫外線を放射する高圧水銀灯または超高圧水銀灯等の露光用光源、本実施例では超高圧水銀灯の露光用光源により全光波長を使用して露光する。その時の露光量は365nm換算で250mJ/cm2 であった。
【0047】
次に、その露光済みの感光性樹脂膜を、例えば2.38wt%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液と、該水溶液に対して20wt%のイソプロピルアルコールとを混合してなるアルカリ性の現像液によって現像することにより未露光部分が溶出し、その後は純水でリンスすることで銅配線パターンを有するSiウェハー上に剥離等の欠点のない、鮮明な所望のパターンが形成された膜厚が約10μmの樹脂膜が得られる。
【0048】
その後、窒素ガス雰囲気中で300℃の温度において30分間程度の熱処理を施すことにより、膜厚が8μm程度と樹脂組成分が熱分解で消失する等による膜減りの少ない(従来例の50%減に対して20%減程度)耐熱性の良好な所望のパターンを有する樹脂膜が得られる。
【0049】
なお、当該樹脂膜の耐熱性については、熱重量分析法によって調べた結果、5%熱分解減少温度が360℃であるという良好な耐熱性を有していることが確認できた。
【0050】
次に、本発明に係る感光性樹脂組成物の第2実施例を詳細にする。
本実施例では、第1実施例と同様の攪拌装置が付設されている300mlの容器にポリイミド前駆体ワニス(樹脂分:18wt%と溶媒:N−メチル−2−ヒロリドンの86wt%からなる混合物)を100grと、エポキシアクリレート(共栄社油脂化学工業製、エポライト3000A)を15grと、重合性不飽和化合物としてペンタエリスリトールトリアクリレートの20grとを加える。
【0051】
次いで、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(チバガイギ社製、イルガキュア651)を3.5grと、増感剤としてミヒラーケトンを0.5grと、銅イオン反応抑制剤として1,2,3−ベンゾトリアゾール(東京化成工業製)の0.18grとを加えて十分に攪拌することにより、均一に混合された感光性樹脂組成物を容易に得ることができる。
【0052】
また、このようにして得られた感光性樹脂組成物も、混合する工程で煩雑な化学反応を伴う混合過程を採用していないので、その後に濾過や精製といった特殊な工程を用いる必要もなく、そのままの状態で容易に用いることができる。
【0053】
次に、このようにして得られた前記感光性樹脂組成物を、例えば厚さ35μmの銅配線パターンが形成されている85mm角の面積で、厚さが1.6mmのガラスエポキシ基板(FR−4相当)上に5gr滴下し、スピンコーターによって均一に塗布し、その塗布膜を例えば110℃の温度で60分間程度乾燥させて膜厚が約15μmの感光性樹脂膜を形成する。
【0054】
次に、この感光性樹脂膜に、所定のマスクを介して超高圧水銀灯等の露光光源により全光波長を使用して露光する。その時の露光量は365nm換算で250mJ/cm2 である。
【0055】
次に、その露光済みの感光性樹脂膜を、例えば4.0wt%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液と、該水溶液に対して20wt%のイソプロピルアルコールとを混合してなるアルカリ性の現像液によって現像することにより未露光部分が溶出し、その後は純水でリンスすることで銅配線パターンを有するガラスエポキシ基板(FR−4相当)上に剥離等の欠点のない鮮明な所望のパターンが形成された膜厚が約10μmの樹脂膜が得られる。
【0056】
しかる後、前記樹脂膜を窒素ガス雰囲気中で200℃の温度において30分間程度の熱処理を施すことにより、膜厚が8μm程度と樹脂組成分が熱処理により殆ど消失しない膜減りの少ない(従来例の50%減に対して20%減程度)耐熱性の良好な所望のパターンを有する樹脂膜が得られる。
【0057】
因に、当該樹脂膜の耐熱性について熱重量分析法により調べた結果、5%熱分解減少温度が330℃と良好な耐熱性を有していることが確認できた。
ポリイミド樹脂はパターニング後の熱硬化時の熱処理温度が高いほど、耐熱性も向上することが一般的に周知であるが、本発明の感光性樹脂組成物では、前記熱処理温度が200℃程度でも電子デバイスの分野に用いるのに充分な耐熱性を有する樹脂膜パターンを得ることができるので、耐熱性の低い安価なガラスエポキシ基板等の基材への樹脂膜パターンの形成に適用して極めて有利である。
【0058】
なお、以上の各実施例においては、本発明の感光性樹脂組成物をSiウェハー、或いはガラスエポキシ基板等の基材上にスピンコータ等によって直接的に塗布した例で説明したが、その方法以外に、例えば支持フィルム上に感光性樹脂組成物を塗布し、仮乾燥させた後の塗布膜を加熱圧着ローラーやラミネータ等を用いて前記支持フィルムを剥がしながら基材表面に熱圧着して感光性樹脂膜を形成することもできる。
【0059】
また、以上の各実施例の感光性樹脂組成物に用いられるエポキシアクリレートとしては、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、エチレングリコールジクリシジルエーテル−アクリル酸付加物、プロピレングリコールジクリシジルエーテル−アクリル酸付加物、トリプロピレングリコールジクリシジルエーテル−アクリル酸付加物、1,6−ヘキサンジオールジクリシジルエーテル−アクリル酸付加物、グリセリンジクリシジルエーテル−アクリル酸付加物、ビスフェノールA−ジエポキシ−アクリル酸付加物、ビスフェノールA−ジプロピレンオキシド−アクリル酸付加物、トリグリセリンジアクリレートエーテル−アクリル酸付加物の少なくとも一つを用いることができる。
【0060】
更に、エポキシメタクリレートとしては、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル−メタクリル酸付加物、プロピレングリコールジグリシジルエーテル−メタクリル酸付加物、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル−メタクリル酸付加物、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル−メタクリル酸付加物、グリセリンジグリシジルエーテル−メタクリル酸付加物、ビスフェノールA−ジエポキシ−メタクリル酸付加物、ビスフェノールA−ジプロピレンオキシド−メタクリル酸付加物、トリグリセリンジメタクリレートエーテルの少なくとも一つを用いることができる。
【0061】
更に、露光後の感光性樹脂膜のパターニング工程に用いるアルカリ水溶液からなる現像剤中のアルカリ成分(溶質)としては、アルカリ金属や、4級アンモニウムの水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、珪酸塩、燐酸塩、ほう酸塩、酢酸塩、アミン等があり、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、テトラメチルアンモニウムハイドラオキサイド、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、珪酸ナトリウム、燐酸カリウム、硼酸カリウム、酢酸ナトリウム、トリエタノールアミン等を用いることができる。
【0062】
なお、これらの溶質は、水100重量部に対して0.01〜50.0重量部を加えて現像液を調製すればよく、更に好ましくは0.05〜10.0重量部の適用が適当である。
【0063】
更に、上記現像液には、現像時に未露光部分の感光性樹脂膜の溶出が悪い場合には、そのような溶出を促進するために有機溶剤を取扱上の安全が確保できる範囲内で添加することができる。
【0064】
その有機溶剤としては、例えばエチルアルコール、メチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン類、エーテル類等と、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホン、パラ−クロロフェノール、パラ−ブロモフェノール、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トリグライムの少なくとも一つを現像液100重量部に対して0.1〜50.0重量部程度添加することが好ましい。
【0065】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る感光性樹脂組成物によれば、化学反応を伴わない攪拌による混合工程によって低コストに調製することができ、環境及び取扱いの安全な現像工程と従来よりも低い熱処理温度により膜減りが大幅に改善されて段差被覆性が良好であり、しかも銅、銅合金等の配線パターン上に直接接触した状態で配設しても剥離や硬化不良が生じない耐熱性に優れた絶縁膜や保護膜等を容易に形成することが可能となる利点を有する。
【0066】
従って、耐熱温度の比較的低いガラスエポキシ樹脂製の配線基板上に耐熱性の高い絶縁膜や保護膜等の形成とパターン形成に適用して優れた効果を奏する。
特に多層配線基板の層間絶縁層の形成に適用して極めて有利である。

Claims (1)

  1. 一般式(1)
    Figure 0003651529
    (但し、式中のR1 は4価の脂肪族基、または脂環式基、R2 は2価の芳香族基、脂肪族基、脂環式基、或いはオルガノシロキサン基である。)で表される化合物の繰り返し単位を有するポリイミド前駆体と、エポキシアクリレートまたはエポキシメタクリレートの少なくとも一つと、3つ以上の重合性不飽和基を持つ重合性不飽和化合物と、光重合開始剤とを含む組成物と、前記ポリイミド前駆体の100重量部に対し、0.001〜10.0重量部のテトラゾール、ベンゾトリアゾール、ピラゾールおよびトリアジンの少なくとも一つの含窒素化合物からなる銅イオン反応抑制剤とが含有されていることを特徴とする感光性樹脂組成物。
JP02891297A 1997-02-13 1997-02-13 感光性樹脂組成物 Expired - Lifetime JP3651529B2 (ja)

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