JP3650300B2 - 瞳孔位置測定具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、瞳孔位置測定具に関し、特に被検者が眼鏡をつくる際に、左右の枠部内における瞳孔位置を測定するために用いられ、眼鏡フレームにおける被検者の瞳孔の横方向と高さ方向の位置を簡易にかつ正確に測定することができる瞳孔位置測定具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
眼鏡を作製するとき、一般に病院や眼鏡店において視力の検査を行い、視力に合ったレンズの処方値を決定する。この処方値が決定すると、装用者が選択した眼鏡フレームの左右の枠部形状に一致するようにレンズ玉型(未加工のレンズ)を加工して取付ける。加工に際しては、眼鏡装用者の左右の眼のアイポイント(眼鏡フレームを装用したとき、眼鏡フレームにおける装用者の左右眼の瞳孔位置)と、左右レンズの光学中心とがずれていると、装用感に大きく影響するため、左右の瞳孔間距離(PD:ピュピアリ・デイスタンス)、または鼻梁の中心から左右の瞳孔までの距離(片眼PD)を正確に測定して左右のレンズの光学中心点間距離を決定し、各レンズの光学中心と左右の眼の瞳孔位置が一致するように各レンズを加工する必要がある。例えば、図4に示すように眼鏡フレームAの左右の枠部Bの幾何学中心点間距離DよりPDが狭い場合、片眼偏心量dを求め、各枠部Bの幾何学中心Oより前記片眼偏心量dだけ内側にレンズの光学中心が位置するようにレンズを加工する。ここで、「左右の枠部の幾何学中心点」とは、各枠部に装着されるべきレンズにおける左端と右端の間の中間位置と、同レンズの形状の上端と下端の間の中間位置とによって決まる点である。
【0003】
従来、PDや片眼PDを測定する測定具としては、三田式万能計、ピュピアリメーター(ピュピロメータ)、特開平8−98810号公報に開示されたアイポイント測定具等が知られている。三田式万能計は、物差し状に形成されたもので、測定者が被検者の眼の近傍に当てがって目盛りを読み取ることにより片眼PDを遠見時と近見時の各々について測定し、PDを求めるものである。ピュピアリメーターは、ケース内に組み込まれた光学系を備え被検者の両眼に装着されるもので、測定者がケース内を覗き見ることにより簡単な操作でPDを比較的少ない誤差で測定することができる。アイポイント測定具は、左眼対応部と右眼対応部を一体に有するシート状の基礎部材と、前記左眼対応部、右眼対応部にそれぞれ左右方向に移動自在に取付けられた2つのシート状可動部材および基礎部材を眼鏡フレームに取付ける取付部とを備え、基礎部材と可動部材に表示した横方向目盛りおよび縦方向目盛りによって眼鏡フレームにおける左右眼の瞳孔の横方向と高さ方向の位置を測定するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した三田式万能計とピュピアリメーターは、いずれも簡単な操作でPD、片眼PDを比較的少ない誤差で測定することができるが、眼鏡フレームを装着した状態での測定でないため、眼鏡フレームにおける瞳孔の横方向と高さ方向の位置を測定できないという問題があった。
【0005】
上記した特開平8−98810号公報に開示されたアイポイント測定具は、瞳孔に可動部材の長孔を一致させると前方の視界状態が明確になるので、測定誤差を少なくすることができるという利点がある。しかしながら、2つの可動部材を瞳孔位置に応じて左右方向に移動させ長孔を瞳孔に一致させる必要があるので測定が面倒であるという問題があった。また、部品点数が多く構造が複雑で、枠部の上縁を基準に測定具を位置決めし、この上縁から瞳孔までの距離を測定しているので、眼鏡フレームにおける左右の枠部の幾何学中心点間を結ぶ仮想水平線(データムライン)を基準とする横方向と高さ方向の瞳孔位置を測定することができないという問題があった。
【0006】
本発明は上記した従来の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、眼鏡フレームの各枠部における左右眼の各瞳孔の横方向と高さ方向の位置をデータムラインを基準として簡易にかつ正確に測定することができる瞳孔位置測定具を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1の発明は、眼鏡フレームを装着したときの左右の枠部における左眼と右眼の瞳孔位置を測定する瞳孔位置測定具であって、左眼瞳孔位置測定部と右眼瞳孔位置測定部を一体に有し、前記眼鏡フレームの枠部に着脱自在に係止される透光性のプレートからなり、このプレートに、前記左右の枠部の幾何学中心点間を結ぶ線に相当する水平基準線と、前記枠部の上端位置および下端位置を位置決めする位置決め水平線と、被検者が眼鏡フレームを装用したとき前記水平基準線を基準とした瞳孔の高さ方向の位置を読取るための複数の水平線からなる瞳孔高さ位置読取水平線および前記水平基準線を基準とした瞳孔の横方向の位置を読取るための複数の垂直線からなる瞳孔水平位置読取垂直線を表示したものである。
【0008】
第2の発明は、上記第1の発明において、前記瞳孔高さ位置読取水平線の各水平線には、前記水平基準線からの距離を示す数値が表示され、前記各瞳孔水平位置読取垂直線の各垂直線には、左右の枠部の幾何学中心点間距離の半分の値を示す数値が表示されているものである。
【0009】
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、前記位置決め水平線を前記水平基準線を対称に上下にそれぞれ表示された複数の水平線で構成し、その各々に前記水平基準線からの距離を示す数値を表示したものである。
【0010】
第4の発明は、上記第1、第2または第3の発明において、前記プレートが弾性変形自在で、左眼瞳孔位置測定部および左眼瞳孔位置測定部の上下端部にそれぞれ形成された係止部を有し、この係止部を前記水平基準線方向に向かって凸となるように半円形状に切り込み形成された舌片で構成したものである。
【0011】
第5の発明は、上記第1〜第4のうちのいずれか1つの発明において、前記プレートは幅方向中央に位置合わせ用表示部を表示したものである。
【0012】
第1の発明において、プレートは透明なシートからなり、瞳孔位置の測定時に眼鏡フレームの枠部に装着される。したがって、被検者はプレートを透して前方を視認することができる。また、装着に際しては、枠部の上下端が水平基準線から等距離に位置するように眼鏡フレームに対するプレートの取付け高さを調整しながら取付ける。枠部の上下端が水平基準線から等距離になったか否かは、上下端と位置決め水平線との位置関係によって判定され、等距離になると水平基準線が眼鏡フレームのデータムライン、すなわち左右の枠部の幾何学中心点間を結んだ線と一致する。左右の瞳孔の高さ方向の位置は、水平基準線を基準とする瞳孔高さ位置読取水平線によって読み取られ、横方向(水平方向)の位置は水平基準線を基準とする瞳孔水平位置読取垂直線によって読み取られる。
【0013】
第2の発明において、水平基準線を基準とした左右の瞳孔の高さ方向の位置は、瞳孔高さ位置読取水平線の各水平線に表示されている数値を読み取ることで測定され、瞳孔の横方向の位置(片眼PD)は瞳孔水平位置読取垂直線の各垂直線に表示されている数値を読み取ることで測定される。
【0014】
第3の発明において、水平基準線から枠部の上下端までの距離は、位置決め水平線に表示されている数値を読み取ることにより測定され、上端位置の数値と下端位置の数値が同じ値になるようにプレートと眼鏡フレームの相対的高さが調整される。その結果、基準水平線は眼鏡フレームのデータムラインと一致する。
【0015】
第4の発明において、プレートは係止部を眼鏡フレームの枠部の上下端に係止することで、眼鏡フレームに着脱自在に装着される。
【0016】
第5の発明において、プレートは位置決め用表示部が眼鏡フレームの左右方向中央に位置するように眼鏡フレームに対して調整されて装着される。
【0017】
ここで、本発明に係る瞳孔位置測定具は、プラスチックフレーム、メタルフレーム、ブローラインフレーム、ツーポイントフレーム、ナイロン線フレーム等の枠部の形状、材質が異なる各種の眼鏡フレームに対して共通に使用されるものである。したがって、本発明における眼鏡フレームの「枠部」とは、プレートの左眼瞳孔位置測定部および右眼瞳孔位置測定部が係止される部分を意味する広い用語として理解されるべきである。例えば、眉(ブロー)とナイロン線とでレンズを保持するツーポイントフレームやレンズを智に直接取付けた所謂フレームレスタイプの場合は、眼鏡フレームに装着されているデモンストレーション用のレンズ(デモ用レンズ)にプレートを直接係止する必要があるため、デモ用レンズの一部または全体が眼鏡フレームの枠部を構成する。一方、プラスチックフレーム、メタルフレーム、ブローラインフレームにおいては、レンズを保持する眼鏡枠(リム)が枠部を構成する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る瞳孔位置測定具の一実施の形態を示す正面図、図2は同測定具を眼鏡フレームに装着した状態を示す正面図、図3は同じく眼鏡フレームに装着した状態を示す側面図である。
【0019】
これらの図において、1は眼鏡を装用しようとする者(被検者)2によって選択された眼鏡フレームで、ブリッジ1Aによって連結された左右の眼鏡枠(枠部)1B,1B’と、各眼鏡枠1B,1B’の外側端部にそれぞれ折畳み自在に取付けられた2本のテンプル1Cと、各眼鏡枠1B,1B’に取付けられたデモ用レンズ1D等で構成され、瞳孔位置の測定時に被検者2の顔に装着される。このデモ用レンズ1Dは、瞳孔位置の測定結果に基づいて装用者の視力に合った左右のレンズが加工形成された後に交換される。瞳孔位置の測定に当たっては、瞳孔位置測定具3が眼鏡フレーム1の前面に着脱自在に装着され、これによって左右の眼鏡枠1B,1B’における被検者2の左右眼の各瞳孔4,4’の中心の横方向と高さ方向の位置が眼鏡フレームのデータムラインを基準として測定される。
【0020】
前記瞳孔位置測定具3は、透光性を有するプラスチックによって薄いシート状に形成された弾性変形自在なプレート10によって形成されている。プレート10は、左右の眼鏡枠1B,1B’にそれぞれ対応する左眼瞳孔位置測定部11Aおよび右眼瞳孔位置測定部11Bと、これら両測定部11A,11Bの上半部を連結する連結部11Cとで構成されている。左眼瞳孔位置測定部11Aと右眼瞳孔位置測定部11Bは、好ましくは眼鏡枠1B,1B’の形状に近似した相似形でかつ大きく形成され、上下端部には係止部12が後述する水平基準線17を挟んで対称に形成されている。この係止部12は、左眼瞳孔位置測定部11A、右眼瞳孔位置測定部11Bの幅方向中央部の上下端部を各眼鏡枠1B,1B’の上下縁に係止するために用いられるもので、前記水平基準線17に向かって凸となるように半円形に切り込み形成された舌片からなり、その両端には係止部12を折り曲げたときの応力集中によるクラックの発生を防止する小孔14がそれぞれ形成されている。なお、係止部12は、瞳孔位置の測定時に図3に示すようにプレート10の裏面側に折り曲げられて各眼鏡枠1B,1B’の上下縁にそれぞれ係止される。ただし、眼鏡枠1B,1B’を備えずブロー(眉)とナイロン線によってレンズを保持するツーポイントタイプの眼鏡フレームにおいては、瞳孔位置測定時にブローとデモ用レンズがプレート10を係止するための眼鏡枠を実質的に構成し、上側の係止部12がブローに係止され、下側の係止部12がデモ用レンズの下縁に直接係止される。係止部12としては、半径が14mm〜20mm程度の大きさとされ、これより大きすぎるとプレート10が眼鏡フレーム1に対して上下方向に位置ずれし易くなり、反対に小さすぎると高さ方向の調整範囲が狭く、プレート10が眼鏡フレーム1から脱落し易くなるため好ましくない。
【0021】
前記プレート10の表面(または裏面)で左眼瞳孔位置測定部11A、右眼瞳孔位置測定部11Bには、3種類の水平線、すなわち前記水平基準線17と、位置決め水平線18および瞳孔高さ位置読取水平線19と、瞳孔水平位置読取垂直線20がそれぞれ表示されている。
【0022】
前記水平基準線17は、左右の眼鏡枠1B,1B’のデータムラインを表示するためのもので、プレート10の高さ方向中央に左眼瞳孔位置測定部11A、右眼瞳孔位置測定部11Bおよび接続部11Cを横切って表示された1本の直線からなり、好ましくは視認し易い色の塗料、例えば黒色塗料の印刷によって表示されている。
【0023】
前記位置決め水平線18は、前記水平基準線17を対称として各左眼瞳孔位置測定部11A、右眼瞳孔位置測定部11Bの上方部分および下方部分にそれぞれ所定の間隔をおいて表示された4本の水平線18a〜18dによって構成されている。これらの水平線18a〜18dは、眼鏡フレーム1とプレート10の高さ方向の相対的な位置ずれを調整し水平基準線17に対して眼鏡枠1B,1B’の上下端を位置決めするときに用いられるもので、3mm間隔で表示され、かつ各水平線に水平基準線17からの距離を示す数値15,18,21,24(mm)がそれぞれ表示されている。また、4本の水平線18a〜18dは、全て異なった色で印刷表示されており、例えば水平基準線17に最も近い水平線18aが赤色、次に近い水平線18bが緑色、3番目に近い水平線18cが黒色、最も遠い水平線18dが黄色でそれぞれ表示されている。このように各水平線18a〜18dを色分けして表示しておくと、水平基準線17から等距離離れた上下2本の水平線どうしを一目で識別することができる。なお、位置決め水平線18としては4本の水平線に限らず、適宜増減することができる。また、水平線の間隔も3mmに限らず1mm、2mm等であってもよい。
【0024】
前記瞳孔高さ位置読取水平線19は、水平基準線17からの瞳孔4,4’の高さ方向の位置を測定するためのもので、左眼瞳孔位置測定部11A、右眼瞳孔位置測定部11Bの中央に、前記水平基準線17を挟んでその上方に2mmの間隔をおいて3本、下方に同じく2mmの間隔をおいて2本表示された合計5本からなる水平線19a〜19eによって構成されている。また、各水平線19a〜19eには、水平基準線17からの距離を示す数値2,4,6(mm)がそれぞれ表示されている。この数値はデータムラインからの上下方向における高さ方向の位置を表している。さらに、これらの水平線19a〜19eのうち、水平基準線17の上下に等距離離れて表示されている水平線19cと19dは赤色、水平線19bと19eは緑色、最上位の水平線19aは赤色でそれぞれ表示されている。なお、5本の水平線19a〜19eのうち3本を水平基準線17の上方に表示し2本を下方に表示した理由は、遠見時の瞳孔の高さ方向位置が近見時よりも高くなることによるものである。
【0025】
前記瞳孔水平位置読取垂直線20は、横方向における瞳孔4,4’の位置を測定するためのもので、左眼瞳孔位置測定部11A、右眼瞳孔位置測定部11Bの中央にそれぞれ前記瞳孔高さ位置読取水平線19と直交するように、横方向に2mmの間隔をおいて表示された5本の垂直線20a〜20eによって構成されている。また、各垂直線20a〜20eには、左右の眼鏡枠1B,1B’の幾何学中心点間距離の半分の値を示す数値28,30,32,34,36(mm)がそれぞれ表示されている。この数値は片眼PDを表している。さらに、これらの垂直線20a〜20eのうち、最も内側と内側から4番目の垂直線20a,20dが赤色、内側から2番目と最も外側の垂直線20b,20eが緑色、内側から3番目の垂直線20cが黒色でそれぞれ表示されている。
【0026】
さらに、前記プレート10の表面で前記連結部11Cの幅方向中央部には、眼鏡フレーム1との位置合わせ用表示部22が表示され、さらにその両側には眼鏡フレーム1に対するプレート10の左右方向の傾きを調整するための垂直線23がそれぞれ表示されている。位置合わせ用表示部22は、黒い三角形のマークからなり、連結部11Cの上下端部にそれぞれ表示されている。垂直線23は、連結部11と前記左眼瞳孔位置測定部11A、右眼瞳孔位置測定部11Bとの境部に緑色と赤色でそれぞれ2本ずつ表示されている。
【0027】
次に、上記構造からなる瞳孔位置測定具3による瞳孔位置の測定方法について説明する。
先ず、被検者2が選択した眼鏡フレーム1の眼鏡枠1B,1B’に瞳孔位置測定具3を装着する。装着に際しては、図3に示すように4つの係止部12を後方に所要角度折り曲げて眼鏡枠1B,1B’の上下縁にそれぞれ係止し、プレート10の裏面をデモ用レンズ1Dの表面に密着させる。
【0028】
次に、瞳孔位置測定具3の眼鏡枠1B,1B’に対する左右方向と高さ方向の位置および左右方向の傾きを調整し、水平基準線17を眼鏡フレーム1のデータムラインに一致させる。左右方向の位置調整は、プレート10の連結部11Cを透して眼鏡フレーム1のブリッジ1Aを視認しながらプレート10を左右方向に移動させ、位置合わせ用表示部22をブリッジ1Aの中央に位置させることにより行われる。
【0029】
高さ方向の位置調整は、左右の眼眼枠1B,1B’の上下縁の位置をプレート10を透して視認しながらプレート10を上下方向に移動させ、水平基準線17に対して眼鏡枠1B,1B’の上下縁を等距離に位置させることにより行われる。例えば、眼鏡枠1B,1B’の上縁が水平基準線17より上方に表示されている位置決め水平線18の水平線18bと一致し、下縁が水平基準線17より下方に表示されている位置決め水平線18の水平線18dと一致している場合、これらの水平線18b,18dの水平基準線17からの距離はそれぞれ18mm、21mmであるから、眼鏡枠1B,1B’の幾何学中心点はプレート10の基準水平線17に対して相対的に3mmだけ下方にずれていることになる。そこで、プレート10を下方に3mmだけ下げるかまたは眼鏡フレーム1を3mmだけ上げて眼鏡枠1B,1B’の上下縁を上側と下側の水平線18cに一致させる。その結果、眼鏡1B,1B’とプレート10は高さが一致し、水平基準線17がデータムラインを表す。
【0030】
眼鏡フレーム1に対する左右方向の傾き調整は、眼鏡フレーム1を水平に保持した状態で垂直線23が垂直であるか否かを確認し、左または右に傾いている場合は垂直になるようにプレート10を傾き方向と反対側に回転させることにより行われる。
【0031】
瞳孔位置測定具3が眼鏡枠1B,1B’に対して位置決めされ正しい姿勢で装着されると、この瞳孔位置測定具3が装着された眼鏡フレーム1を被検者2に装用させる。図2はこの状態を示す。そして、この状態で遠見時と近見時における左右の眼の各瞳孔の高さ方向および横方向の位置を測定する。
瞳孔4,4’の高さ方向の位置は、5本の水平線19a〜19eのうち瞳孔4,4’の中心と一致するかまたは瞳孔中心に最も近い水平線に表示されている数値を読み取ることにより測定される。例えば、図4に示すように瞳孔4の中心が基準水平線17より上方で水平線19cと一致している場合、瞳孔4の高さ方向の位置は+2mmである。また、瞳孔4の中心が水平基準線17上に位置している場合、瞳孔の高さ方向の位置は±0mmである。
【0032】
瞳孔4,4’の横方向の位置(片眼PD)は、5本の垂直線20a〜20eのうち瞳孔の中心と一致するかまたは瞳孔中心に最も近い垂直線に表示されている数値を読み取ることにより測定される。例えば、図4に示すように瞳孔4の中心が垂直線20bと一致している場合、瞳孔4の片眼PDは30mmである。
【0033】
このようにして、左右眼の各瞳孔4,4’の高さ方向の位置と横方向の位置の測定が同時に行われる。左右眼の各瞳孔4,4’の高さ方向と横方向の位置の数値は、測定データとして処方箋に記入されるが、その位置をデモ用レンズ1Dに直接表示しておいてもよい。
【0034】
瞳孔位置が測定されると、その測定データに基づいてレンズ玉型を玉摺機によって左右の眼鏡枠1B,1B’の形状と一致するように加工する。そして、デモ用レンズ1Dを取り外して作製されたレンズを各眼鏡枠1B,1B’にはめ込む。レンズ玉型の加工に際しては、レンズの光学中心と左右眼の瞳孔位置を一致させる必要があるため、左右の眼鏡枠1B,1B’の幾何学中心点間距離D(図4参照)と測定された左右の瞳孔間距離PDとが比較される。幾何学中心点間距離Dは、ブリッジ1Aの裏面側に表示されている。
【0035】
瞳孔間距離PDが幾何学中心点間距離Dよりも小さいときには、両者の差dの分だけ内寄せした位置にレンズの光学中心を一致させるようにレンズを加工する。また、瞳孔間距離PDが幾何学中心点間距離Dよりも大きいときには、両者の差の分だけ外寄せした位置にレンズの光学中心を一致させるようにレンズを加工する。また、同様にして左右の眼鏡枠1B,1B’の各々に関して、瞳孔がデータムラインから高さ方向に位置ずれしているときは、その変位量d1(図4)だけレンズの光学中心をずらしてレンズを加工する。
【0036】
このように本発明に係る瞳孔位置測定具3にあっては、透光性を有するプレート10のみで製作されているので、上記した特開平8−98810号公報に開示されている従来のアイポイント測定具に比べて構造が著しく簡単で部品点数が少なく安価に製作することできる。また、測定に際しては、測定者がプレート10を透して瞳孔4,4’を視認し、その位置に対応する瞳孔水平位置読取水平線19と瞳孔水平位置読取り垂直線20に表示されている数値を読み取るだけで、データムラインを基準とする左右眼の瞳孔の横方向と高さ方向の位置を正確かつ容易に測定することができる。
【0037】
なお、上記した実施の形態においては、瞳孔水平位置読取水平線19に水平基準線17からの距離を示す数値を表示し、瞳孔水平位置読取垂直線20に眼鏡枠1B,1B’の光学中心点間距離(D)の半分の数値を表示した例について示したが、これに限らず例えばプレート10には色分けされたまたは線種が異なる複数本の線からなる瞳孔水平位置読取水平線19と瞳孔水平位置読取垂直線20のみをそれぞれ表示し、処方箋に瞳孔水平位置読取水平線19、瞳孔水平位置読取垂直線20とその数値を対照表示しておき、この数値を読み取るようにしてもよい。
また、プレート10を眼鏡フレーム1に係止する係止手段としては、プレート10に切り込み形成された係止部12に限らず、クリップ、接着テープ等を用いてもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る瞳孔位置測定具によれば、透光性を有する1枚のプレートによって製作されているので、構造が著しく簡単で最少部品点数とすることができ、安価に製作することできる。また、プレートを眼鏡フレームの枠部に係止し、瞳孔水平位置読取水平線と瞳孔水平位置読取垂直線によって左右眼の各瞳孔の高さ方向と横方向の位置を眼鏡枠のデータムラインを基準として同時に測定することができるので、取扱いが容易でかつ正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る瞳孔位置測定具の一実施の形態を示す正面図である。
【図2】 同測定具を眼鏡フレームに装着した状態を示す正面図である。
【図3】 同じく眼鏡フレームに装着した状態を示す側面図である。
【図4】 瞳孔と眼鏡枠を示す図である。
【符号の説明】
1…眼鏡フレーム、1A…ブリッジ、1B,1B’…眼鏡枠、1D…デモ用レンズ、2…被検者、3…瞳孔位置測定具、 10…プレート、11A…左眼瞳孔位置測定部、11B…右眼瞳孔位置測定部、11C…連結部、12…係止部、17…水平基準線、18,18a〜18e…位置決め水平線、19、19a〜19e…瞳孔高さ位置読取水平線、20,20a〜20e…瞳孔水平位置読取垂直線、22…表示部。
Claims (5)
- 眼鏡フレームを装着したときの左右の枠部における左眼と右眼の瞳孔位置を測定する瞳孔位置測定具であって、
左眼瞳孔位置測定部と右眼瞳孔位置測定部を一体に有し、前記眼鏡フレームの枠部に着脱自在に係止される透光性のプレートからなり、
このプレートに、前記左右の枠部の幾何学中心点間を結ぶ線に相当する水平基準線と、前記枠部の上端位置および下端位置を位置決めする位置決め水平線と、被検者が眼鏡フレームを装用したとき前記水平基準線を基準とした瞳孔の高さ方向の位置を読取るための複数の水平線からなる瞳孔高さ位置読取水平線および前記水平基準線を基準とした瞳孔の横方向の位置を読取るための複数の垂直線からなる瞳孔水平位置読取垂直線を表示したことを特徴とする瞳孔位置測定具。 - 請求項1記載の瞳孔位置測定具において、
前記瞳孔高さ位置読取水平線の各水平線には、前記水平基準線からの距離を示す数値が表示され、前記各瞳孔水平位置読取垂直線の各垂直線には、左右の枠部の幾何学中心点間距離の半分の値を示す数値が表示されていることを特徴とする瞳孔位置測定具。 - 請求項1または2記載の瞳孔位置測定具において、
前記位置決め水平線は前記水平基準線を対称に上下にそれぞれ表示された複数の水平線からなり、その各々に前記水平基準線からの距離を示す数値が表示されていることを特徴とする瞳孔位置測定具。 - 請求項1、2または3記載の瞳孔位置測定具において、
前記プレートは弾性変形自在で、左眼瞳孔位置測定部および左眼瞳孔位置測定部の上下端部にそれぞれ形成された係止部を有し、この係止部は前記水平基準線方向に向かって凸となるように半円形状に切り込み形成されていることを特徴とする瞳孔位置測定具。 - 請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の瞳孔位置測定具において、
前記プレートは幅方向中央に位置合わせ用表示部が表示されていることを特徴とする瞳孔位置測定具。
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