JP3648044B2 - プラズマディスプレイパネル装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプラズマディスプレイパネル装置に関し、特に、熱歪による破壊を防止したプラズマディスプレイパネルの放熱構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図18に一般的なプラズマディスプレイパネル(以後、PDPと略記)の部分破断平面図を示す。
【0003】
PDP1は各々が一定の厚さを有するガラスで形成されるフロントパネル2とバックパネル3とを貼り合わせて構成されている。なお。図18はバックパネル3の側から見た図である。
【0004】
フロントパネル2とバックパネル3はいずれも長方形をなしているが、その大きさは互いに異なっており、一般的なPDPにあっては、長辺方向にはフロントパネル2の方が大きく、短辺方向にはバックパネル3の方が大きく構成されている。そして、両者は各々の長手方向の中心軸が互いに直行し、対称形をなすように互いに重ね合わされる。このため長手方向の端部(すなわち両短辺)においてはフロントパネル2がバックパネル3からはみ出している。この部分はフロント張り出し部2Aと呼称される。また、短手方向の端部(すなわち両長辺)ではバックパネル3がフロントパネル2からはみ出している。この部分はバック張り出し部3Aと呼称される。なお以下の説明においては、フロント張り出し部2Aおよびバック張り出し部3Aを張り出し部と総称し、フロントパネル2およびバックパネル3をパネルと総称する場合もある。
【0005】
また、フロントパネル2およびバックパネル3は、向かい合う面が所定の間隔を保つように互いに平行に配置され、両者の重ね合わせ部分の端縁部には、全周に渡って気密性を保ちつつフロントパネル2およびバックパネル3を接着する周辺封止部材4が配置されている。
【0006】
パネル2および3と周辺封止部材4とで囲まれた空間には所定のガスが充填されている。そして、周辺封止部材4で囲まれた領域のさらに内側にはパネル2および3に共通して画像表示部である有効部5が形成されている。以下においては有効部5の外周輪郭線(仮想線)を有効部境界5Aと呼称する。なお、有効部境界5Aは周辺封止部材4とは若干の距離をおいて、これに沿ってほぼ平行になるように設定されている。
【0007】
フロントパネル2には有効部5全体に渡って所定数の放電電極10が長辺に平行な方向に規則正しく配列形成されている。ここで、図18におけるA−A断面を図19に示す。
【0008】
図19に示すように放電電極l0のうち所定数は、その端部が周辺封止部材4の配設位置を越えて図19に向かって左側のフロント張り出し部2Aに延在するように設けられ、この部分が給電端子10Aとなっている。そして給電端子l0Aには、可撓性を有するプリント基板であるFPC(Flexible Print Circuit)11に密着して設けられた導体箔11Aが接続され、導体箔11Aを通じて回路基板20に電気的に接続される構成となっている。
【0009】
なお、放電電極l0のうち残りのものは図18に向かって右側のフロント張り出し部2Aに延在するように設けられ、上述した構造によって別の回路基板(図示せず)に電気的に接続されている。
【0010】
一方、バックパネル3には、有効部5全体に渡って図示しない放電電極が短辺に平行な方向に所定数規則正しく配列形成されている。これらはバック張り出し部3Aに達して同しようにFPCに密着して設けられた導体箔を通じて回路基板(図示せず)に接続されている。なお、この部分は上述したフロントパネル2と同様であるので説明および図示は省略する。
【0011】
なお図18では、FPC11が下側のバック張り出し部3Aにのみ接続された構成を示しているが、上側のバック張り出し部3Aにのみ設けられる場合もあれば、上下両側に同時に設けられる場合もある。
【0012】
画像は仮想線である有効部境界5Aで囲まれた有効部5に表示される。すなわちこの領域の放電電極10の相互間にプラズマ放電を起こさせ、この放電によって生じた紫外線をバックパネル3の内面に塗布された蛍光体(図示せず)によって可視光線に変換し、この可視光線がほぼ透明なフロントパネル2の有効部5から出射されるようにしている。画像の観視者はフロントパネル2の側から、この可視光線による画像を観視する。
【0013】
このように、PDPにおいては画像表示にプラズマ放電を利用するため、動作中のPDPの有効部5では相当の発熱があり、また、動作条件によっては同一パネル内に温度差を生じ、これが原因となって大きな熱歪が生じ、最悪の場合、ガラスで構成されているパネルが破壊してしまうという問題があった。
【0014】
このため、PDPには放熱のための工夫がなされており、例えば特開平9−22658号公報などにはバックパネル外面の近傍に冷却ファンを取り付け、強制空冷を行う構成が開示され、特開平9−97015号公報などにはバックパネルにアルミ板などの熱伝導率の大きな伝熱部材を貼り付けて冷却を促進するとともに温度分布の不均一を防止する構成が開示されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかし強制空冷には種々の問題点がある。特にPDPが画像を観賞するために用いられる場合には強制空冷で生ずるわずかな騒音が問題になる。従ってファンを設けるような構成は放棄されないまでも、パネルに伝熱部材を貼り付けるような静的な冷却手段をまず極限まで追求することが必要である。
【0016】
ここで、パネルに伝熱部材を貼り付ける際には、バックパネルに側に配置するPDPを動作させるための回路基板(例えば図19の回路基板20)や、上述したファン(強制空冷装置)などの付属装置を固定するための構成を設ける場所を確保しておく必要がある。また、これら付属装置が取り付けられたPDP自身をディスプレイ装置の筐体に取り付けるための構成を設ける場所を確保しておく必要がある。
【0017】
さらに、一般にPDPでは製造歩留まりという問題があり、製造された品が全て良品になるとは限らない、従って、パネルに伝熱部材などを貼り付けた後で当該PDPが不良と判断された場合は、貼り付けた伝熱部材とパネルとを分離回収し、しかるべきプロセスによって再使用できるようにすることが、コスト低下のためには重要である。
【0018】
また、伝熱部材とパネルとの分離が確実にできるようにすることは、部材が廃却される際の廃棄物分別処分の観点からも重要である。
【0019】
本発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、静的な冷却手段によって動作中のPDPの冷却を図るとともに、パネル面に生じる熱歪を効率的に解消する伝熱部材の構成を提供することを第1の目的とする。
【0020】
また、パネルに貼り付けた伝熱部材が容易に分離できる構成を提供することを第2の目的とし、バックパネル側に配置する回路基板や強制空冷装置のような付属装置を固定するための構成を設ける場所の確保や、これらの付属装置が取り付けられたPDP自身をディスプレイ装置の筐体に取り付けるための構成を設ける場所を確保した静的な冷却手段の具体的な構造を提供することを第3の目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る請求項1記載のプラズマディスプレイパネル装置は、一定の厚さを有するガラス板で構成され、画像が透過して表示されるフロントパネルと、前記フロントパネルに対向して配置された一定の厚さを有するガラス板で構成されたバックパネルと、少なくとも前記バックパネルの前記フロントパネルに対向しない側の主面に、両面粘着シートを用いて貼付された熱伝導性を有する伝熱板とを備え、前記両面粘着シートの少なくとも片側の粘着力は、JIS Z0237に記載の試験方法において、90度引き剥し粘着力で規定すると0.05kgf/cmないし0.2kgf/cmの範囲である。
【0022】
本発明に係る請求項2記載のプラズマディスプレイパネル装置は、前記伝熱板は、その厚みが0.7mmないし1.2mmの範囲にあるアルミニウムまたはアルミニウムを主成分とするアルミ合金である
【0023】
本発明に係る請求項3記載のプラズマディスプレイパネル装置は、一定の厚さを有するガラス板で構成され、画像が透過して表示されるフロントパネルと、前記フロントパネルに対向して配置された一定の厚さを有するガラス板で構成されたバックパネルと、少なくとも前記バックパネルの前記フロントパネルに対向しない側の主面に貼付された熱伝導性を有する伝熱板と、前記バックパネルの前記主面に、前記伝熱板とは独立して貼付された荷重保持板と、を備え、前記荷重保持板、前記フロントパネル、前記バックパネルおよび前記伝熱板を含むプラズマディスプレイパネルの荷重がかかることを特徴とする
【0024】
本発明に係る請求項4記載のプラズマディスプレイパネル装置は、前記荷重保持板を前記バックパネルに貼付する単位面積あたりのせん断粘着力は、前記伝熱板を前記バックパネルに貼付する単位面積あたりのせん断粘着力よりも強い。
【0025】
本発明に係る請求項5記載のプラズマディスプレイパネル装置は、前記両面粘着シートは、テープ状のシートであって、前記伝熱板の貼付領域において、複数に分割されて前記バックパネルに貼付される。
【0026】
本発明に係る請求項6記載のプラズマディスプレイパネル装置は、前記両面粘着シートは、アクリルフォームシートである。
【0027】
本発明に係る請求項7記載のプラズマディスプレイパネル装置は、前記両面粘着シートは、幅が300mmを越えないテープ状のシートである。
【0037】
【発明の実施の形態】
<A.実施の形態1>
<A−1.PDPの断面構成>
図1に本発明に係るプラズマディスプレイパネル(以後、PDPと略記)装置の実施の形態1として、PDP100の部分断面図を示す。なお、PDP100は40インチの対角寸法を有するいわゆる40型PDPであり、図1はその端縁部の部分断面図である。
【0038】
図1に示すように、PDP100は各々が一定の厚さを有するガラス板で形成されるフロントパネル2(前面パネル)とバックパネル3(背面パネル)とを貼り合わせて構成されている。なおフロントパネル2およびバックパネル3にはPDPとして画像を表示するための種々の構成(電極や蛍光体)が作り込まれており、これらの構成を合わせてフロントパネル2あるいはバックパネル3と呼称されるが、以下の説明では便宜的にガラス板部分のみを表示し、その他の構成については図示および説明は省略する。
【0039】
フロントパネル2およびバックパネル3はそれぞれ厚さが3mmのフロート法で作られたソーダガラスの平板で構成されている。その外形は約850mm×650mmの長方形をなしている。フロントパネル2およびバックパネル3は向かい合うように配設され、両者の重ね合わせ部分の端縁部には、全周に渡って気密性を保ちつつフロントパネル2およびバックパネル3を接着し、両パネルの間に約0.15mmの間隙が設けられるように周辺封止部材4が配置されている。周辺封止部材4は特殊な接着ガラスで構成され、その形成幅は約5mmである。なお、以後の説明においてはフロントパネル2およびバックパネル3をパネルと総称する場合もある。
【0040】
バックパネル3のフロントパネル2に向かい合ってない側の表面には接着部材としての両面粘着シート31(第1の両面粘着シート)が全面に渡って貼り付けられ、当該両面粘着シート31のバックパネル3とは反対側の粘着面には伝熱板30が貼り付けられている。なお、伝熱板30としては、例えば、厚さが約1.0mmのJISコードでA5052P−H34と呼ばれる耐食アルミ合金が用いられている。
【0041】
両面粘着シート31は厚さ0.6mm、幅150mmの緩衝性のあるアクリル発泡体(アクリルフォーム)テープをベースとしている。また両面粘着シート31のガラスとの間の粘着力は、一般のこの種の粘着シートより相当に弱く、弱粘着性シートと呼ばれている種類のものである。両面粘着シート31の引き剥がし粘着力は、90度引き剥し粘着力で規定すると0.15kgf/cmである。なお、90度引き剥し粘着力の定義と測定方法については後述する。
【0042】
<A−2.伝熱板および両面接着シートについて>
次に、かかる伝熱板30と弱粘着性の両面接着シート31との組合せをPDP100に用いる理由を説明する。
【0043】
PDP100が動作した際、破壊に至るのは、画像が表示されるとパネル(フロントパネル2およびバックパネル3)に画像に応じた電力消費があり、同一パネル上で温度差の生じるためである。すなわち、画像の明るい部分ではパネルの温度が局部的に上昇し熱膨張する結果、温度上昇に伴って熱膨張の少ない部分(すなわち画像の暗い部分)に引っ張り応力が生ずるのがその原因である。
【0044】
従って温度上昇の大きい部分の熱をなるべく早く外部へ逃がすと同時に、熱を温度上昇の小さい部分に伝達させ局部的な温度の高低差をなるべく小さくすることがその対策となる。アルミニウムを主成分とする伝熱板30を貼り付けるのはこのためである。アルミニウム合金においても、その熱伝導率はガラスの100倍程度はあり、価格も安いので上の作用効果を得るには最適である。
【0045】
ここで、伝熱板30を用いるに際しての重要な点は、伝熱板30とパネル(本実施の形態ではバックパネル3)との間に熱伝達を妨げる隙間を生じさせないことである。
【0046】
また、PDPには歩留まりの問題がある。すなわち、一旦、伝熱板30を貼り付けたパネルがその後不良と判断されたときは伝熱板30をパネルから剥がして再使用する。この引き剥がし作業の時ガラスで構成されるパネルを破損するようなことがあってはならない、また伝熱板30に大きな反りや折れ目が生じてはならない。反りや折れ目が次の使用の際に密着不完全の原因になりやすいからである。
【0047】
従って、伝熱板30と、伝熱板30をパネルに貼り付ける接着部材には、密着性と剥離性という相反する要請を満足する材料の組合せを用いることが必要になる。かかる観点から接着部材を選択すると、弱粘着性の両面粘着シートが適切となる。
【0048】
<A−3.接着性の評価について>
ここで、接着性に関する評価が問題となる。粘着シートの粘着力あるいは保持力の評価法(指数)としては種々のものが知られているが、上述したように回収のための剥がし作業のことを考えると、これに関係する特性評価指数としては90度引き剥し粘着力として知られている指数を使用すれば良い。
【0049】
以下、図2および図3を用いて90度引き剥し粘着力の測定方法について説明する。図2は90度引き剥し粘着力の測定原理を説明する斜視図である。
【0050】
図2において、90度引き剥がし粘着力の測定対象となる粘着シート試料101が、基板102に貼り付けられている。一定幅寸法W(標準的には2.5cm)の試料101を一旦基板102に貼り付けて後、一端を剥がして引っ張り端を設ける。そして、この端部の全幅に渡ってチャックし、幅全体に渡って均一に引っ張り力Fがかかるように注意しながら毎分300mmの早さで基板102の主面に対して90度方向に引っ張る。常に90度を維持したまま引っ張り続け、ある程度剥がれた位置から更に60mm剥がれるまでの平均引っ張り力を幅寸法Wで除して得られる値が90度引き剥がし粘着力である。
【0051】
正確な測定のためには当初の圧着法や90度を維持する方法などを詳しく規定する必要があるが、これらはJIS Z0237で規定されている方法を用いるものとする。ただし、上記JIS規格には被接着物の材質も規定されているが、以下の説明においては本発明に関係する材料を被接着物としてテストを行うものとする。
【0052】
次に、引き剥がしの際にガラス破壊を招来することなくパネルに加えることができる力の限度を見定めるために、図3に示すような90度引き剥し粘着力の測定モデルを採用する。図3はフロントパネル2あるいはバックパネル3に接着された伝熱板30の剥がし作業の途中の状況を示す斜視図である。図3において、フロントパネル2(あるいはバックパネル3)は、P1−P2線間が押さえ板PBで作業台(図示せず)から浮き上がらないように押さえられている。なお、押さえ板PBは以下に説明する作業中においてパネルを押さえつける力をパネル上の特定点に集中させないために用いる。
【0053】
図3に示すように、伝熱板30の一方の短辺の中央部の点P3において、パネル面に垂直方向(矢印方向)の力が加えられ、伝熱板30がこの方向に引っ張られている。このとき、押さえ板PBより内側の引き剥し済み領域(図中ハッチング領域)PRにかかる最大応力σはσ=6Pa/bt2で計算できる。
【0054】
ここで、Pは点P3を垂直方向に引く力、tはパネルの厚さ、aは点P3からパネルに降ろした垂線とパネルとの交点P4の、P1−P2線からの距離である。
【0055】
なお、伝熱板30の引き剥しに際してはパネルのP1−P2線の近傍の引き剥し済み領域PRには、このパネルを垂直方向に曲げようとする力が働くので、最大応力σはP1−P2線に垂直な方向の張力であると言える。
【0056】
そして、上式からP/b=σt2/6aが得られるので、ガラスが破壊されない許容歪みとして知られている200kgf/cm2を最大応力σとして使用し、また、作業の実態を想定して、a=15cm、t=3mm(=0.3cm)を代入すると、P/b=0.2kgf/cmが得られる。
【0057】
ガラス板(すなわちパネル)は2枚重ねられているので歪みはこの半分になると想定する。すなわち、2枚重ねであっても全面密着ではなく、周辺封止部材4によって部分的に圧着的に重ね合わされているだけなので、厚さtの値は変えず、引っ張り力Pが1/2になったとものとしている。また、作業の安全確保の観点から、ガラス構造物の安全上の許容歪みは計算上の許容歪みの1/2としているので上記値を採用することができ、伝熱板30の引き剥がしはP/b=0.2kgf/cm以内で行うようにする必要があることが判る。
【0058】
なお、図3に示す引き剥がしモデルは、実際の作業とは異なっており、また、図2で説明した90度引き剥し粘着力測定時の引き剥がしモデルとも全く同じとは言えないが、算出された値は信頼性という点では満足できるものであり、実験的にも裏付けられている。
【0059】
ここで、上で求めた引き剥がし力(P/b=0.2kgf/cm)の限度、換言すれば粘着力の限度は、市販の接着保持を目的とした粘着テープにはほとんど見られない程弱いものである。本発明で弱粘着性シートと称するのはこの程度の粘着力のものを言う。なお一般の粘着性シートの90度引き剥し粘着力は、被接着材を上と同じくガラスとしたとき、1.0kgf/cmないしはそれ以上あるのが普通である。
【0060】
<A−4.粘着性シートの保持特性について>
本発明において、上述したような弱粘着性シートを用いるのは、伝熱板30の引き剥がしを容易にするという観点からであるが、一方で、粘着性シートは少なくとも伝熱板30の自重をパネルに対して支えねばならない。ここで、粘着性シートの保持特性を表す指数として、せん断保持力が挙げられる。
【0061】
せん断保持力とは、単位面積の接着部分に対して、所定の使用温度条件下で長時間印加しても接着部材相互間にずれが生じないせん断力の限度を言う。
【0062】
なお、伝熱板30を接着保持しておくには自重の10倍程度を保持できれば十分である。そして、この値は伝熱板30として使用する程度の厚さのアルミ材またはアルミの合金材に対しては、以下に説明するように、先の剥離性に着眼して定めた粘着性シートの粘着力とは両立するものである。
【0063】
すなわち、両面粘着シートとしてはアクリル系粘着材を用いることを想定しているが、そのせん断保持力は90℃(PDPの動作中に予想される局部最高温度)において30gf/cm2であった。なお、先に説明した厚さが約1.0mmの耐食アルミ合金を使用した場合の伝熱板30の自重は0.27g/cm2程度である。従って、P/b=0.2kgf/cmの引き剥がし力を有するアクリル系粘着材を用いた場合のせん断保持力は、耐食アルミ合金の自重の100倍程度となり、粘着力と剥離性とは両立することになる。
【0064】
<A−5.両面粘着シートの粘着面について>
なお、両面粘着シート31のうち、上述したような弱粘性を有するのは一方の粘着面だけでも良い。すなわちPDPにおいて不良品が発生し、伝熱板30を剥す必要が生じた場合、両面粘着シート31が伝熱板30の方に残るように伝熱板30との接着面の粘性は強く、パネル側の接着面は上述した弱粘性にすることで後の処理が簡単となる。
【0065】
なぜなら、伝熱板31であれば貼り付いた両面粘着シート31の除去に際して、加熱や、溶剤の使用、特殊な工具の使用などが可能となる。また、両面粘着シート31の除去のために待機している場合の保管も容易である。
【0066】
一方、パネル側に両面粘着シート31が残ると、除去作業に際してパネルに傷が付く可能性がある。また、これまで説明しなかったが、パネル面の一隅には排気および放電ガスなどのガス注入のためガラス管が垂直に突出して配設されており、積み重ねて保管するためには特別な積み重ね用スペーサーが必要となる。
【0067】
このように、両面粘着シート31のうち、一方の粘着面は弱粘性(P/b=0.2kgf/cm以下)で、他方の粘着面は一般の粘着性シートと同程度の粘性(P/b=1.0kgf/cm以上)とすることで、両面粘着シート31の除去作業を容易にすることができる。
【0068】
また、両面粘着シート31の両方の粘着面を上述したような弱粘性としても良いことは言うまでもない。この場合、伝熱板30の剥離に際して両面粘着シート31が伝熱板30およびパネルのうちどちらに残るかは定かではないが、どちらに残っても弱粘性であるので除去は容易である。
【0069】
<A−6.両面粘着シートの材質について>
次に両面粘着シート31を厚みが0.6mmの発泡シート(フォームシート)発泡で構成している理由を説明する。両面粘着シート31にはガラスで構成されるバックパネル3と伝熱板30との緩衝材料としての機能も要求される。両者が直接接触するとガラスに傷が付きこれが破壊の原因になる。また、バックパネル3と伝熱板30との熱膨張係数の差に起因する延びの差を吸収させて、バックパネル3の破損を防止する必要もある。
【0070】
ここで、熱膨張係数差について説明する。パネルガラスの熱膨張係数は約9×10-6/℃、アルミ板(すなわち伝熱板30)のそれは約23×10-6/℃である。もし両者が長さ1000mm(40型PDPの対角寸法長に対応)に渡って平行に接合されている(貼り合わされている)場合、温度1℃あたり約0.014mmの延びの差が現れることになる。動作中のPDPの平均温度が常温から50℃上昇するとすれば延びの差は0.70mmに達する。延びがパネル中央から対角線の両端方向に当方的に生じるとすると、吸収すべき延びの差は0.70mm÷2=0.35mmになる。
【0071】
これにより緩衝材料(すなわち両面粘着シート31)はその延在面内でせん断力を受ける。ここで、両面粘着シート31がせん断力を受けた状態を図4に模式的に示す。図4は伝熱板30、両面粘着シート31、バックパネル3の端縁部の断面を示す図であり、両面粘着シート31の端縁部では接着面に垂直であった端面が伝熱板30の側に引き延ばされて傾斜を有した形状となっている。両面粘着シート31がこのように変形することで、バックパネル3に加わる応力が緩和され、バックパネル3が破損することが防止される。
【0072】
この傾斜の許容量を30度とすると、せん断力で緩衝材料の厚みが変わらないものとすれば、必要な厚みは0.35×√3=0.61mmとなる。また、実験結果からも緩衝材料に発泡シート(フォームシート)を使用した場合の厚さは少なくとも0.4mmは必要であることが確認されている。従って、本実施の形態においては余裕を持たせるため上の計算値を用いて0.6mmとした。逆に、この厚みが0.6mmを大きく越えた場合、例えば0.8mm以上となった場合には熱伝導性を損なうことになり、不具合をもたらすことになる。
【0073】
なお、緩衝材料の厚みはパネルの大きさによって変更すべきであるが、冷却効果の差などもあり(大きいパネルほど筐体内での空間的裕度が大きく平均温度上昇が少ない)、40型以上のPDP装置にもこの値は適用できる。
【0074】
また、アクリルフォームシートを使用するのは、上述した緩衝性に加えて、入手しやすく、耐熱性、耐候性があり、しかも緩衝性をあまり損なわず比較的高い熱伝導率を得ることができるためである。
【0075】
<A−7.両面粘着シートの形状について>
両面粘着シート31においては、その形状、特に幅寸法が重要である。すなわち、本実施の形態においては幅150mmのテープ状のものを採用しているが、この種のフォームシートは幅が300mmを越えると貼り付け時に被接着物(ここではパネル)との間に溜まった気泡が抜けにくい場合がある。従って、PDP装置のパネルの全面に貼り付けるためには、幅が300mmを越えないテープ状のものをいくつかに分割して、複数個並べて貼るようにすると良い。
【0076】
また、両面粘着シート31の幅寸法を300mm以下にする理由としては作業性の観点がある。すなわち、両面粘着シート31の貼付に際して、パネルとの良好な密着性を得るためにはどうしても手作業が必要になる。特にパネル面に後に説明する部品取り付け部材のような突起物を有する場合には自動化は困難である。
【0077】
幅が300mmのものを例に採れば、両面粘着シート31のパネルへの貼付は、簡単に言えば、まず両面粘着シート31の幅の中央を幅約100mmのローラーを転がして押圧し、ついで両端を順次ローラーで押圧することで行う。このとき、ローラーを押し当てる力はパネルが破壊しない限度内であることは言うまでもなく、当該押圧力はローラーのロール面に均一である必要がある。すなわち、本作業は人手によって行うのであるから、作業者が均一な力を加えることができるローラーの長さは自ずと決まってしまう。例えば、ローラーの幅が2倍になれば作業者に要求される力も2倍になり、作業者の負担が増えて多数の製品を次々と処置することが困難になる。従って、両面粘着シート31の幅寸法を無制限に大きくすることはできない。
【0078】
また、フォームシートの中央部から一旦押し出されて端部に近づいた気泡は、逆に端部を押すと一部が中央部に向かって戻る傾向があるので、両面粘着シート31の幅寸法に比べてローラーの幅が小さく、3列以上に渡って押圧する必要がある場合には押圧の必要回数が幾何級数的に増加し非能率になる。従って、ローラーの幅寸法を必要以上に小さくすることはできない。
【0079】
これらのことから、両面粘着シート31の幅寸法が300mmの場合には幅約100mmのローラーを使用することが適切であり、両面粘着シート31の幅寸法が150mmの場合には幅約50〜60mmのローラーを使用することが適切であると言える。
【0080】
<A−8.伝熱板の選択について>
次に伝熱板30の選択について説明する。伝熱板30に要求される条件としては熱伝導性が重要であり、そして、厚さが薄すぎると熱伝導性が悪くなる。一方でコストを考えると使用量は少ないほど良い。しかし、アルミニウムを主成分とする材質を伝熱板30に使用する際には、上の条件だけでなくそれが貼り付けられるパネルとの全面に渡っての密着性を確保しなければならない。
【0081】
パネルは当初は充分に平坦としても、放電電極l0の形成や封止部材4での封着の際の熱処理でどうしてもある程度変形し、なだらかではあるが凹凸ができてしまう。また伝熱板自体も全く平坦というわけには行かない。そして平坦でないパネルに、厚みが厚く容易には変形しない伝熱板を貼り付けても凹凸形状に合わせて変形しにくいので密着性の点で問題が生じる。特に本発明においては伝熱板やパネルの再使用に着眼して弱粘着性シートの使用を前提にしているため密着性には注意が必要である。また、伝熱板が厚いと接着面に気泡が残るだけでなく無理に押圧するとパネルの破損原因になる。
【0082】
逆に伝熱板が薄いと熱伝導性が悪くなるのは言うまでもなく、貼り付け前の取り扱いや貼り付け作業の際に伝熱板に折り目がつく可能性がある。かかる折り目は接着面に空洞の発生する原因となる。従って伝熱板には最低限、折り目がつかない程度の厚みが要求される。
【0083】
また、伝熱板30には図5に示すような部品取り付け部材40が取り付けられることが多い。これはPDP装置を駆動するのに必要な部品(図19の回路基板20など)のうち比較的軽量なものをバックパネル3の近くに固定するための部材である。PDP装置の駆動部品のうち大きくて重量のあるものは後に説明するように専用の取り付け部を設けてしっかり固定する必要があるが、軽量物は伝熱板30に直接固定するのが実際的である。そして、その取り付け手段は伝熱板30の材質の性質上、リベットやネジを用いるのが一般的である。
【0084】
図5においてはバックパネル3の側からリベット41を用いる例が示されているが、当然ながらリベット41の頭部(バックパネル3側の端部)は伝熱板30とバックパネル3の密着を損なわないように平坦、すなわち伝熱板30の表面から突出しない形状である必要があって、かつ相応の強度を有していなければならない。このためには、リベット41の頭部を埋め込む伝熱板30には相応の厚みが要求される。
【0085】
<A−9.伝熱板の厚みについて>
そこで、伝熱板30として耐食アルミ合金板(JISコードA5052P−H34)1枚でバックパネル3全体を覆う場合を例に採って、各特性毎に望ましい板厚を調査した結果を図6に一覧表として示す。
【0086】
図6においては、伝熱板30に要求される特性として、熱伝導性、コスト、密着性、取扱い中の折れ発生の可能性、剥し作業における折れ発生の可能性、リベットやネジの使用の可否を示している。
【0087】
そして、伝熱板30の厚みをパラメータとして上述した特性に対する評価を、使用不可、かろうじて使用可能、ほぼ満足、満足の4段階で行っている。なお、これらの評価はそれぞれ、×、△、○、◎の記号で表中に示されている。
【0088】
なお、密着性については折れ部分を有さない板を用いた場合の評価であり、剥し作業における折れ発生の可能性については、90度引き剥し粘着力が0.15kgf/cmの弱粘着性両面粘着シートを使用した場合の評価である。
【0089】
伝熱板30の板厚の選択には熱伝導性とコストが相反するという問題があるが、パネルと伝熱板の熱伝導率が2桁も相違するので、伝熱板が相当薄くても(例えば0.5mm)熱伝導の点では効果がある。しかし、図6の表に示される他の特性を考慮すると、1.0mmが最良であり、多少選択の範囲を広げるとしても0.7mm〜1.2mmが採用可能範囲と言うことになる。
【0090】
以上の説明においては1枚の伝熱板30でバックパネル3全体を覆う場合を示したが、伝熱板30の厚みの決定要素には伝熱板30の大きさも関係する。
【0091】
ここで、図7に1枚の伝熱板30でバックパネル3全体を覆った構成を示し、図8に複数の伝熱板30でバックパネル3全体を覆った構成を示す。図7および図8においてはバックパネル3の表面に、先に説明したようにテープ状の両面粘着シート31を全面的に貼り、その上に伝熱板30を貼り付けている。
【0092】
図8においては、バックパネル3の表面を等しく4つに区分し、各部分の面積に等しい伝熱板30をそれぞれ貼付している。面積の小さい伝熱板30は取り扱いが容易で折れ目がつきにくく、またバックパネル3との間の凹凸にも容易に馴じんで(凹凸形状に合わせて変形し)、確実に密着することになる。
【0093】
ここで、考慮すべきは分割による貼り付け作業の手間の増加、分割による熱伝導性への影響、分割して面積を小さくしてもなおかつ生じる凹凸や折れ目などであるが、これらを考慮すると、伝熱板30の一方向の大きさが300mm以上ある場合には、先に示した0.7〜1.2mmの厚さが適切であると言える。
【0094】
また、図6の表の取扱い中の折れ発生の可能性、剥し作業における折れ発生の可能性からは耐食アルミ合金(耐力0.25kg/cm2)よりも、さらに強度(耐力)の大きい材料の方が望ましいことが判るが、耐食アルミ合金(マグネシュウム合金)以外のアルミ合金は一般的に需要が少なく特殊品となり価格が高い。
【0095】
また、手に入りやすい材料としては純アルミがある。これは熱伝導率は大きいものの柔らかく耐力が小さいため変形が起きやすい問題がある。しかし一般的に言って、耐力が小さく変形の起きやすい材料は、逆に凹凸への馴じみも良く、小さい折れ目などは接着の際、適当な工具でならして簡単に修復することができ、板厚の選択条件に対する影響は小さい。なお、耐力が大きくて薄い材料は、一旦変形すると、これを押圧により修復しようとしてもスプリングバック力が残っており、長期の間には部分的剥がれの生じる傾向がある。
【0096】
<A−10.特徴的作用効果>
以上の説明から、弱粘着性(P/b=0.05〜0.2kgf/cm)両面粘着シート31をバックパネル3の全面に渡って貼付し、その上に、厚さ0.7〜1.2mmの耐食アルミ合金(マグネシュウム合金)の伝熱板30を貼付することで、静的な冷却手段によって動作中のPDPの冷却を図るとともに、パネル面に生じる温度差を解消して、熱歪を効率的に解消することができ、また、製造コストの抑制、回収コストの低減を図ることができると言える。
【0097】
<B.実施の形態2>
以上説明した本発明に係る実施の形態1においては、伝熱板30をバックパネル3に貼付する構成を示したが、伝熱板30をフロントパネル2に貼付する構成としても良い。
【0098】
図9に本発明に係るPDP装置の実施の形態2として、PDP200の部分断面図を示す。なお、PDP200は40インチの対角寸法を有するいわゆる40型PDPであり、図9はその端縁部の部分断面図である。
【0099】
図9において伝熱板30がフロントパネル2の端縁部に貼付されている。フロントパネル2は画像が表示される側なので伝熱板30を貼り付けられる範囲は有効部境界5A(画像表示部である有効部5の仮想外周輪郭線)の外側に限られるが、パネル温度の場所による不均一を解消するには効果がある。
【0100】
特にフロント張り出し部2A(フロントパネル2がバックパネル3からはみ出している部分)は発熱がない部分であり、バックパネル3上に張り出しているため温度上昇が小さく、引っ張りひずみ生じやすいので、この部分からクラックが発生することが多い。そこで、フロントパネル2の端縁部、すなわち仮想外周輪郭線より外側に伝熱板30を貼り付け、有効部境界5Aの近傍の有効部5の熱を伝熱板30で伝達することで、フロント張り出し部2Aの昇温を図ることできる。
【0101】
この場合でも伝熱板30や両面粘着シート31の材料の選択には、実施の形態1で説明した基準を適用できる。
【0102】
なお、伝熱板30をフロントパネル2に貼付するだけでなく、バックパネル3の全面に伝熱板30を貼付するようにしても良いことは言うまでもない。
【0103】
<C.実施の形態3>
<C−1.装置構成>
次に、本発明に係る実施の形態3として、バックパネル側に配置する回路基板や強制空冷装置のような付属装置を固定するための構成を設ける場所や、これらの付属装置が取り付けられたPDP自身をディスプレイ装置の筐体に取り付けるための構成を設ける場所を確保した伝熱板の具体的な構造について説明する。
【0104】
図10にバックパネル3に伝熱板301が両面粘着シート31によって貼付されたPDP300の部分斜視図を示す。図10において、伝熱板301には開口部32が設けられている。開口部32は例えば大きさが65mm×65mmの正方形状であり、この部分において露出するバックパネル3には、開口部32と相似形状のアルミ合金板で構成される荷重保持板33が、開口部32と相似形状の緩衝用の両面粘着シート34(第2の両面粘着シート)によって貼付され、固定されている。なお、荷重保持板33および緩衝用の両面粘着シート34の大きさは開口部32よりも小さく、例えば60mm×60mmの正方形状となっている。
【0105】
ガラスで構成されるバックパネル3は比較的しっかりした構造物なので、PDPの動作用の回路基板類はパネル自身に固定することができる。すなわちPDP装置の筐体にまずPDP300を取り付け、それに回路基板類を取り付けるのである。このためには筐体とPDP300との確実な結合や、回路基板類をPDP300に確実に保持(以下「荷重の保持」と呼称)する手段が必要になる。
【0106】
ところが、この荷重保持の主体となるべきバックパネル3に先に説明したように比較的薄い伝熱板30を弱粘着性の両面粘着シート31で貼り付けてしまうとかかる荷重の保持が困難になる。先に図5を用いて説明した部品取り付け部材40などは、ごく軽量の荷重にしか耐えられない。
【0107】
そこで、図10に示すように、伝熱板30に開口部(切り込みでも可)32を設け、そこには特別な構造部材を伝熱板30とは独立に設けることで、伝熱板30では耐えきれない荷重にも耐えられる構成を得ることができる。
【0108】
なお、両面粘着シート34は厚さが1.3mmのアクリルフオームシートで構成され、その両面は両面粘着シート31に比べて強力なせん断保持力を有している。この強度については後述する。
【0109】
<C−2.荷重保持板の構成>
荷重保持板33にはその中央部に断面が12mm×12mmの正方形をなす角柱の金属材からなる荷重保持スタッド35がカシメあるいは溶接などで取り付けられている。荷重保持スタッド35にはネジ孔36などの係合のための手段が設けられており、このPDP300自身を筐体に取り付けたり、PDP300を動作させるための回路基板等を保持するなど、比較的大きな荷重を支えることが可能な構造となっている。荷重保持板33の厚みは、荷重保持スタッド35の取り付けの関係から伝熱板301よりも厚くなっている。なお、荷重保持板33と荷重保持スタッド35とを合わせて荷重保持具と呼称することができる。
【0110】
なお、開口部32は部分的に設けられるので、伝熱板30の冷却および伝熱の機能は損われることはない。
【0111】
また、荷重保持板33には通常は静的重量荷重がかかるが、PDP装置全体としての輸送や取り扱いの際には一時的に静的荷重より相当大きな衝撃性荷重がかかることがあるので、この衝撃性荷重を緩和する緩衝材が必要である。従って両面粘着シート34は、両面粘着シート31よりも接着力が強くなければならず、また緩衝性を高めるために両面粘着シート31よりも厚くしなければばならない。
【0112】
<C−3.荷重保持板の回収作業について>
また、荷重保持板33は比較的厚い板なので、面積的に大きすぎると密着性の問題(凹凸への馴じみの問題)がある。しかしこの問題は両面粘着シート34の接着力が強いことと、緩衝性(厚み)が大きいことで、大きさの上限を決定する要因とはなりにくく、荷重保持板33をバックパネル3に貼り付けた後に、例えば、パネルが不良と判断された場合に荷重保持板33を回収する作業の作業性の観点からの条件がより大きな限定要因となる。なお、荷重保持板33の回収作業は廃棄物の分別の点からも重要な作業である。
【0113】
ここで、荷重保持板33の回収作業について説明する。荷重保持板33をバックパネル3から引き剥がす方法としては、接着部にドライバーの先端などのような平坦な治具をこじ入れてこじり取る方法がある。しかしこの方法ではバックパネル3を傷付けることになり、再利用の観点から実際的ではない。
【0114】
実験の結果、局部応力に弱いガラス(すなわちパネル)を破壊ぜず短時間に剥がすには接着面にせん断力を加える方法が良いことが判明した。具体的には、荷重保持板33を面内回転させることでせん断力を加えるものである。
【0115】
図11および図12を用いて、荷重保持板33を面内回転させる具体的方法について説明する。図11および図12においては、両面粘着シート34は図示しないバックパネル3に貼付されているものとする。
【0116】
図11に示すように、荷重保持スタッド35をスパナなどの回転治具50で掴んで回転治具50を面内回転させることで回転モーメントを与える。このように荷重保持スタッド35は引き剥がしの際の掴みシロとして使用することができ、また一般的なスパナなどで回転させることができるように角柱形状(4角柱あるいは6角柱)にすると良い。
【0117】
また、荷重保持スタッド35は、荷重保持板33全体に荷重が均一にかかるためと引き剥がしの際の回転モーメントが荷重保持板33の中心付近を軸として加えられるのが好ましいので、荷重保持板33の中心付近に設ける。
【0118】
また、回転モーメントは荷重保持スタッド35を掴んで回さなくても荷重保持板33を直接回すことによっても得られる。このためには図12に示すように、荷重保持板33の端縁部に切り欠き部37を設け、当該切り欠き部37に挿入可能な爪部61を有した専用回転治具60を使用する。
【0119】
専用回転治具60は荷重保持スタッド35を掴むように係合するスタッド係合部62と、荷重保持板33の切り欠き部37に挿入される爪部61とを有しており、荷重保持板33の除去に際してはスタッド係合部62を荷重保持スタッド35に係合させ、爪部61を切り欠き部37に挿入して、荷重保持スタッド35を支点として切り欠き部37を爪部61でひっかけた状態で回す。荷重保持スタッド35が設けられていれば切り欠き部37は1ケ所に設けるだけで目的は達せられる。
【0120】
なお、切り欠き部37の代わりに、孔または突起を設け、それに適合した専用回転治具により除去を行っても良い。ただし、荷重保持板33の外周部だけを掴んで回転させることは、工具が滑ったときガラスに傷が生じる原因になるので好ましくない。
【0121】
<C−4.せん断粘着力の試験方法>
荷重保持板33の面内回転に際しての条件を定量的に決定するための指数としてはせん断粘着力が挙げられる。以下に図13を用いてせん断粘着力の試験方法について説明する。
【0122】
図13において、せん断粘着力を測定する粘着シート試料103によって、試験板104Aおよび104Bの一方端どうしが向かい合うように接着されている。ここで、試験板104Aおよび104Bは、PDP装置において両面粘着シート34が貼り付けられる部材と同じ材質で構成されている。
【0123】
せん断粘着力の測定は、長さL×幅W(標準的には2.5cm×2.5cm)の粘着シート試料103で試験板104Aおよび104Bを接着した後、試験板104Aおよび104Bの他方端(粘着シート試料103が貼付されていない側)を平行度に注意しながら毎分300mmの早さで互いに逆の方向に引っ張る。そして、粘着面が剥がれた時の力を試料の面積(L×W)で除したものがせん断粘着力である。
【0124】
正確な測定のためには当初の圧着法などを詳しく規定する必要があるが、これらはJIS Z0237で規定されている方法を用いるものとする。ただし、上記JIS規格には被試験材(粘着シート)の長さを一定にしておいて結果を単位幅あたりの所用力で表現しており、またテストの際の被接着物が規定されているが、以下の説明においては結果を単位面積当たりの所用力で表現し、本発明に関係する材料を被接着物としてテストを行うものとする。
【0125】
簡単化のために荷重保持板33を円形とすると、加える回転モーメトに対して接着部に生じる最大せん断応力τは、τ=16M/πD3で計算できる。ここでDは接着部直径、Mは加える回転モーメントである。
【0126】
本実施の形態に適合させるため、接着部直径Dを6cmとし、さらに回転モーメントMを500kg・cmとすると、上式から接着面に最大約12kg/cm2のせん断応力が生じることが判る。従って荷重保持板33を、通常容易に入手できる両面粘着シート(せん断粘着力の代表値としては8kg/cm2)で接着しておけば容易に剥離できることになる。
【0127】
ここで用いる両面粘着シート34には、伝熱板30とは異なり通常の使用状態では十分強いせん断保持力(荷重をかけても被接着物どうしの相対位置関係が弾性限度を超えて動かない力)が必要である。せん断保持力はここで扱っているせん断粘着力と密接な関係がある。
【0128】
従ってせん断粘着力としてもある程度の強さが要求されることになるが、この最低値として、この種の市販の粘着シートとしては容易に入手可能な比較的小さい方に入る線断粘着力4kg/cm2のものを想定する。
【0129】
せん断粘着力を4kg/cm2とすると、図11および図12を用いて説明した方法で容易に剥がれるようにするためには、4kg/cm2の1.2倍すなわち4.8kg/cm2程度の最大せん断応力を印加する必要がある。
【0130】
そこで、最大せん断応力を4.8kg/cm2とし、荷重保持板33を円形、加えるトルクを500kg・cmとして、上述した最大せん断応力τを求める式から剥離可能な直径の限度を求めると、D=8.1cmを得る。すなわち、せん断粘着力を比較的小さくしても直径8cmの荷重保持板33が引き剥がし(ねじり取り)可能な最大限と言える。従って、荷重保持板33の面積は大きくても8cm×8cm以内とすべきである。図10を用いて説明した荷重保持板33の大きさはこの範囲に入るものである。
【0131】
ここで、引き剥がした荷重保持板33の再利用を考えるなら、両面粘着シート34のせん断粘着力は荷重保持板33に対する方がバックパネル3に対するよりも強くすれば良い。すなわちPDPにおいて不良品が発生し、荷重保持板33を剥す必要が生じた場合、両面粘着シート34が荷重保持板33の方に残るようにすると後の処理が簡単となる。なぜなら、荷重保持板33であれば貼り付いた両面粘着シート34の除去に際して、加熱や、溶剤の使用、特殊な工具の使用などが可能となるからである。もしガラス側に両面粘着シート34が残ると、除去作業に際してパネルに傷が付く可能性がある。
【0132】
なお、先に説明した伝熱板30の貼り付けに用いる両面粘着シート31については、その粘着力を90度引き剥し粘着力で評価したが、荷重保持板33に用いる両面粘着シート34は引き剥し方法との関係でせん断粘着力で評価している。
【0133】
もし両者(両面粘着シート31と両面粘着シート34)を粘着保持の観点で比較するならば、せん断保持力で比較すべきである。しかし、せん断保持力とせん断粘着力の間には相関関係があるので、両面粘着シート34の方が両面粘着シート31より当然にせん断粘着力が大きいと言える。
【0134】
また、荷重保持板33は本来、伝熱板30で覆われているべき位置に取り付けられるので、それ自身が伝熱性、放熱性を有していることが望ましい。従って、放熱性の点から荷重保持板33にはできるだけ熱伝導性の良い金属材料を選び、荷重保持スタッド35など放熱のための表面積を大きくする構造物を取り付けるようにする。
【0135】
<D.実施の形態4>
<D−1.基本構成>
先に説明した本発明に係る実施の形態2においては、フロントパネル2の端縁部、すなわち仮想外周輪郭線より外側に伝熱板30を貼り付け、有効部境界5Aの近傍の有効部5の熱を伝熱板30で伝達することで、フロント張り出し部2Aの昇温を図る構成を説明したが、フロント張り出し部2Aの昇温効果を高めるために以下に説明する構成を採用しても良い。
【0136】
図14に本発明に係るPDP装置の実施の形態4として、PDP400の部分断面図を示す。図14において、バックパネル3に貼り付けられている伝熱板302はフロントパネル2の端縁部であるフロント張り出し部2Aに向かい合うように延在している。この部分を対向部30Aと呼称する。
【0137】
そして、フロント張り出し部2A、対向部30Aおよびバックパネル3の端面で規定される空間内には熱伝導物質38が充填されている。熱伝導物質38は例えばシリコーン樹脂のようなゲル状またはクリーム状の軟らかい電気絶縁性物質である。この物質はFPC11や導電箔11Aのある部分ではこれを覆うように設ける。
【0138】
先に説明したように、動作中のPDPに熱破壊が起きる場合は、張り出し部(本例ではフロント張り出し部2A)から起こる傾向がある。これは、張り出している部分では発熱がなく冷却されるのみなので、温度勾配の関係でここに引っ張り歪みが生じやすいのと、ガラスの端面は切断や作業中における接触などで小さい傷が生じやすく、クラックソースになりやすいからである。
【0139】
しかし、図14に示すPDP400においては、有効部境界5Aより内側の有効部5で生じる熱(フロントパネル2だけでなくバックパネル3で生じる熱も含む)を、熱伝導物質38を通してフロント張り出し部2Aに伝達し、この部分の昇温を図ることで引っ張り歪みを減少させることができるので、フロント張り出し部2Aから熱破壊が発生することを防止できる。
【0140】
<D−2.変形例1>
以上説明したPDP400では、熱伝導物質38によりフロントパネル2およびバックパネル3で生じる熱をフロント張り出し部2Aに伝達する構成を示したが、熱伝導物質38の熱伝導度は金属である伝熱板302よりも小さい。
【0141】
そこで、図15に示すPDP500のように、対向部30Aとフロント張り出し部2Aとの間隔を短くするように段差30Bを設けることで、対向部30Aとフロント張り出し部2Aとの間の熱抵抗を減少させるようにしても良い。
【0142】
また、図15に示すように対向部30Aの外面(フロント張り出し部2Aに面しない側)に断熱材39を貼り付けることで、伝熱板302を通じて有効部境界5Aから伝達される熱が外部に放散されることを抑制でき、温度分布の傾斜を小さくし、フロント張り出し部2Aに生ずる熱歪みを小さくできる。
【0143】
なお、断熱材39は例えばスポンジ状の厚さ10mm程度の発泡樹脂で構成し、接着剤AHで対向部30Aの外面から有効部境界5Aの外側の伝熱板30上にかけて接着する。
【0144】
<D−3.変形例2>
また、対向部30Aとフロント張り出し部2Aとの間隔を短くする構成としては、図15に示すPDP600のように、対向部30Aをフロント張り出し部2Aに近づける方向に曲げて傾斜30Cを設けるようにしても良い。
【0145】
<D−4.変形例3>
なお、以上の説明においては、バックパネル3に伝熱板30を貼付することを前提としていたが、フロントパネル2の端縁部、すなわち仮想外周輪郭線より外側に伝熱板302を貼り付ける構成とした場合でも同様の作用効果を得ることができる。すなわち、図17に示すPDP700のように、フロントパネル2の仮想外周輪郭線5Aより外側に伝熱板303を貼り付ける。この場合、伝熱板303のうち、バックパネル3の端縁部であるバック張り出し部3Aに向かい合うように延在している部分が対向部30Aとなる。
【0146】
そして、バック張り出し部3Aと対向部30Aとの間には熱伝導物質38が充填されていることはこれまで説明したPDP装置400〜600と同様である。
【0147】
また、変形例1において説明したように、対向部30Aの外面(バック張り出し部3Aに面しない側)に断熱材39を貼り付けるようにしても良い。
【0148】
なお、以上説明した実施の形態1〜4を、それぞれ組み合わせて使用しても良いことは言うまでもない。
【0149】
【発明の効果】
本発明に係るプラズマディスプレイパネル装置によれば、バックパネルのフロントパネルに対向しない側の主面に、両面粘着シートを用いて貼付された熱伝導性を有する伝熱板を備えているので、静的な冷却手段によって動作中のプラズマディスプレイパネル装置の冷却を図るとともに、パネル面に生じる温度差を解消して熱歪を効率的に解消することができる。また、伝熱板とバックパネルとの分離が容易、かつ、バックパネルおよび伝熱板が損傷することが防止されるので、製造コストの抑制、回収コストの低減を図ることができる。
【0150】
本発明に係るプラズマディスプレイパネル装置によれば、伝熱板とバックパネルとの分離に際して、バックパネルおよび伝熱板の損傷を確実に防止することができる。
【0152】
本発明に係るプラズマディスプレイパネル装置によれば、緩衝材としての機能に加えて、入手しやすく、耐熱性、耐候性があり、しかも緩衝材としての機能を損なうことなく比較的高い熱伝導率を有した粘着シートを得ることができ、バックパネルの破損を確実に防止できる。
【0153】
本発明に係るプラズマディスプレイパネル装置によれば、テープ状の両面粘着シートを伝熱板の貼付領域において、複数に分割してバックパネルに貼付するので、テープ幅を適切に設定すれば、両面粘着シートの貼付時に、両面粘着シートとバックパネルとの間に溜まった気泡を確実に抜くことができ、また、両面粘着シートの貼付時に押圧作業を行う作業者に負担をかけることを防止できる。
【0154】
本発明に係るプラズマディスプレイパネル装置によれば、バックパネルの主面に、伝熱板とは独立して貼付された複数の荷重保持板を備えているので、当該荷重保を用いてプラズマディスプレイパネルをプラズマディスプレイパネル装置の筐体に固定することができ、プラズマディスプレイパネル装置の筐体内の空間を有効に利用できる。また、プラズマディスプレイパネルを動作させるための回路基板も取り付けるようにすれば、筐体内の空間をさらに有効に利用できるとともに、組み立て作業も容易となる。
【0155】
本発明に係るプラズマディスプレイパネル装置によれば、荷重保持板をバックパネルに貼付する粘着力を、伝熱板をバックパネルに貼付する粘着力よりも強くすることで、プラズマディスプレイパネルの荷重を確実に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る実施の形態1のプラズマディスプレイパネルの構成を説明する断面図である。
【図2】 90度引き剥し粘着力の測定原理を説明する斜視図である。
【図3】 90度引き剥し粘着力の測定モデルを説明する斜視図である。
【図4】 両面粘着シートがせん断力を受けた状態を示す模式図である。
【図5】 伝熱板に部品取り付け部材を取り付けた状態の一例を示す図である。
【図6】 伝熱板に適する材料の板厚を調査した結果を示す図である。
【図7】 1枚の伝熱板でバックパネル全体を覆った例を示す平面図である。
【図8】 複数の伝熱板でバックパネル全体を覆った例を示す平面図である。
【図9】 本発明に係る実施の形態2のプラズマディスプレイパネルの構成を説明する断面図である。
【図10】 本発明に係る実施の形態3のプラズマディスプレイパネルの構成を説明する斜視図である。
【図11】 荷重保持具を面内回転させる方法を説明する斜視図である。
【図12】 荷重保持具を面内回転させる方法を説明する斜視図である。
【図13】 せん断粘着力の試験方法を説明する図である。
【図14】 本発明に係る実施の形態4のプラズマディスプレイパネルの構成を説明する断面図である。
【図15】 本発明に係る実施の形態4のプラズマディスプレイパネルの変形例の構成を説明する断面図である。
【図16】 本発明に係る実施の形態4のプラズマディスプレイパネルの変形例の構成を説明する断面図である。
【図17】 本発明に係る実施の形態4のプラズマディスプレイパネルの変形例の構成を説明する断面図である。
【図18】 一般的なプラズマディスプレイパネルの構成を示す平面図である。
【図19】 一般的なプラズマディスプレイパネルの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
2 フロントパネル、3バックパネル、30,301,302,303 伝熱板、31,34 両面粘着シート、32 開口部、33 荷重保持板、35 荷重保持スタッド、38 熱伝導物質、39 断熱材、30A 対向部,30B 段差、30C 傾斜、2A フロント張り出し部、3A バック張り出し部。

Claims (7)

  1. 一定の厚さを有するガラス板で構成され、画像が透過して表示されるフロントパネルと、
    前記フロントパネルに対向して配置された一定の厚さを有するガラス板で構成されたバックパネルと、
    少なくとも前記バックパネルの前記フロントパネルに対向しない側の主面に、両面粘着シートを用いて貼付された熱伝導性を有する伝熱板とを備え、
    前記両面粘着シートの少なくとも片側の粘着力は、JIS Z0237に記載の試験方法において、90度引き剥し粘着力で規定すると0.05kgf/cmないし0.2kgf/cmの範囲である、プラズマディスプレイパネル装置。
  2. 前記伝熱板は、その厚みが0.7mmないし1.2mmの範囲にあるアルミニウムまたはアルミニウムを主成分とするアルミ合金である、請求項1記載のプラズマディスプレイパネル装置。
  3. 一定の厚さを有するガラス板で構成され、画像が透過して表示されるフロントパネルと、
    前記フロントパネルに対向して配置された一定の厚さを有するガラス板で構成されたバックパネルと、
    少なくとも前記バックパネルの前記フロントパネルに対向しない側の主面に貼付された熱伝導性を有する伝熱板と、
    前記バックパネルの前記主面に、前記伝熱板とは独立して貼付された荷重保持板と、を備え、
    記荷重保持板、前記フロントパネル、前記バックパネルおよび前記伝熱板を含むプラズマディスプレイパネルの荷重がかかることを特徴とする、プラズマディスプレイパネル装置。
  4. 前記荷重保持板を前記バックパネルに貼付する単位面積あたりのせん断粘着力は、前記伝熱板を前記バックパネルに貼付する単位面積あたりのせん断粘着力よりも強い、請求項3記載のプラズマディスプレイパネル装置。
  5. 記両面粘着シートは、テープ状のシートであって、前記伝熱板の貼付領域において、複数に分割されてバックパネルに貼付されることを特徴とする、請求項1記載のプラズマディスプレイパネル装置。
  6. 前記両面粘着シートは、アクリルフォームシートである、請求項5記載のプラズマディスプレイパネル装置。
  7. 前記両面粘着シートは、幅が300mmを越えないテープ状のシートである、請求項6記載のプラズマディスプレイパネル装置。
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