JP3647593B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真感光体に関し、詳しくは特定のスチリル化合物またはヒドラゾン化合物のうち、少なくともいずれか一方を一種と、特定のアゾ顔料を含有することを特徴とする電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真方式の利用は複写機の分野に限らず、印刷版材、スライドフィルム、マイクロフィルム等の従来では写真技術が使われていた分野へ広がり、またレーザーやLED、CRTを光源とする高速プリンターへの応用も検討されている。従って電子写真感光体に対する要求も高度で幅広いものになりつつある。これまで電子写真方式の感光体としては無機系の光導電性物質、例えばセレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛、シリコン等が知られており、広く研究され、かつ実用化されている。これらの無機物質は、多くの長所を持っているのと同時に、種々の欠点をも有している。例えばセレンには製造条件が難しく、熱や機械的衝撃で結晶化し易いという欠点があり、硫化カドミウムや酸化亜鉛は耐湿性、耐久性に難がある。シリコンについては帯電性の不足や製造上の困難さが指摘されている。更に、セレンや硫化カドミウムには毒性の問題もある。
【0003】
これに対し、有機系の光導電性物質は成膜性がよく、可撓性も優れていて、軽量であり、透明性もよく、適当な増感方法により広範囲の波長域に対する感光体の設計が容易である等の利点を有していることから、次第にその実用化が注目を浴びている。
【0004】
ところで、電子写真技術において使用される感光体は、一般的に基本的な性質として次のようなことが要求される。即ち、(1)暗所におけるコロナ放電に対して帯電性が高いこと、(2)得られた帯電電荷の暗所での漏洩(暗減衰)が少ないこと、(3)光の照射によって帯電電荷の散逸(光減衰)が速やかであること、(4)光照射後の残留電荷が少ないこと等である。
【0005】
しかしながら、今日まで有機系光導電性物質としてポリビニルカルバゾールを始めとする光導電性ポリマーに関して多くの研究がなされてきたが、これらは必ずしも皮膜性、可撓性、接着性が十分でなく、また上述の感光体としての基本的な性質を十分に具備しているとはいい難い。
【0006】
一方、有機系の低分子光導電性化合物については、感光体形成に用いる結着剤等を選択することにより、皮膜性や接着性、可撓性等機械的強度に優れた感光体は得られるものの、高感度の特性を保持し得るのに適した化合物を見出すことは困難である。
【0007】
このような欠点を改良し、より高感度の特性を有する感光体を得るため、電荷発生機能と電荷輸送機能とを異なる物質に分担させた有機感光体が開発されている。機能分離型と称されているこのような感光体の特徴は、それぞれの機能に適した材料を広い範囲から選択できることであり、任意の性能を有する感光体を容易に作製し得ることから多くの研究が進められてきた。
【0008】
このうち、電荷発生機能を担当する物質としては、フタロシアニン顔料、スクエアリウム色素、アゾ顔料、ペリレン顔料等の多種の物質が検討され、中でもアゾ顔料は多様な分子構造が可能であり、また、高い電荷発生効率が期待できることから広く研究され、実用化も進んでいる。しかしながら、このアゾ顔料においては、分子構造と電荷発生効率の関係は未だに明らかになっていない。膨大な合成研究を積み重ねて、最適の構造を探索しているのが実情であるが、先に掲げた感光体として求められている基本的な性質や高い耐久性等の要求を十分に満足するものは、未だ得られていない。
【0009】
一方、電荷輸送機能を担当する物質には正孔輸送物質と電子輸送物質がある。正孔輸送物質としてはヒドラゾン化合物やスチリル化合物等、電子輸送性物質としては2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、ジフェノキノン誘導体等多種の物質が検討され、実用化も進んでいるが、こちらも膨大な合成研究を積み重ねて最適の構造を探索しているのが実情である。事実、これまでに多くの改良がなされてきたが、先に掲げた感光体として求められている基本的な性質や高い耐久性等の要求を十分に満足するものは、未だ得られていない。
【0010】
以上述べたように電子写真感光体の作製には種々の改良がなされてきたが、先に掲げた感光体として要求される基本的な性質や高い耐久性等の要求を十分に満足するものは未だ得られていないのが現状である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、帯電電位が高く高感度で、繰返し使用しても諸特性が変化せず安定した性能を発揮できる電子写真感光体を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく検討した結果、特開平2−184857号公報等に記載されている特定の構造を有するスチリル化合物、または特開平2−184859号公報等に記載されている特定の構造を有するヒドラゾン化合物の少なくともいずれか一方を、特開平1−200267号公報に記載されている特定の構造を有するアゾ顔料と組み合わせることによって、またこれらスチリル化合物またはヒドラゾン化合物の少なくともいずれか一方を、特開平2−150855号公報等に記載されている特定の構造を有するアゾ顔料と組み合わせることによって、いずれも極めて良好な感度、耐久性を有する感光体が得られることを見出し、本発明に至った。
【0013】
これらアゾ顔料はそれぞれ分光特性が異なり、一般式(I)はどちらかといえば可視光に、一般式(II)はどちらかといえば近赤外光に感度を有しており、両者により可視光から近赤外域までがカバーできるため、電子写真感光体とした場合の光源に合わせ、少なくともいずれか一方のアゾ化合物を用いればよい。
【0014】
上記において、特定の構造を有するスチリル化合物またはヒドラゾン化合物とは、それぞれ下記一般式(1)または(2)で示される化合物であり、特定の構造を有するアゾ顔料とは、それぞれ下記一般式(I)または(II)で示される化合物である。
【0015】
【化3】
Figure 0003647593
【0016】
一般式(1)または(2)において、R1及びR2はそれぞれ水素原子、アルキル基、アリール基を表す。R3〜R8はそれぞれ水素原子、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基を表す。R9及びR10はそれぞれアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基を表す。また、R3とR4、R5とR6、R7とR8及びR9とR10はそれぞれ環を形成していてもよい。A1及びA2はそれぞれ二価の芳香環基または窒素原子と共に複素環を形成するのに必要な原子群を表す。これらアルキル基、アリール基、アルケニル基、アラルキル基、二価の芳香環基または窒素原子と共に複素環を形成するのに必要な原子群は、いずれも置換基を有していてもよい。m及びnはそれぞれ0または1を示す。
【0017】
また、一般式(I)において、Zは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ジ置換アミノ基を表し、これらの基を構成する炭素の数はいずれも8以下である。これらアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基はいずれも置換基を有していてもよい。Cpはカップラー残基を表す。q及びrは0または1、sは1または2を表す。
【0018】
また、一般式(II)において、Qはアルキル基、複素環基、アリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Cpはカップラー残基を表す。q及びrは0または1、sは1または2を表す。
【0019】
1及びR2の具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基が挙げられる。R3〜R8の具体例としては、水素原子、上述のアルキル基、アリール基、アリル基、メタリル基、2−メチル−1−プロペニル基等のアルケニル基、ベンジル基、β−フェニルエチル基、α−ナフチルメチル基等のアラルキル基が挙げられ、置換基の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、上述のアルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。R9及びR10の具体例としては、上述のアルキル基、アリール基、アルケニル基、アラルキル基が挙げられ、置換基の具体例としては、上述のアルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基等が挙げられる。A1及びA2の具体例としては、フェニレン基、ナフチレン基等の二価の芳香環基が挙げられ、置換基の具体例としては、上述のハロゲン原子、アルコキシ基、アルキル基が挙げられる。また、窒素原子と共に複素環を形成するのに必要な原子群の具体例としては、カルバゾール環、フェノキサジン環、フェノチアジン環等を形成するのに必要な原子群が挙げられる。
【0020】
またZの具体例としては、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、ネオペンチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基等のアルコキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基等のアルキルチオ基を挙げることができる。また、ジ置換アミノ基の置環基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の低級アルキル基や、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、トリル基、フリル基、チエニル基等が挙げられ、2つの置環基は同一であっても異なっていても良い。
【0021】
本発明にかかわるカップラー残基(Cp)の具体例としては、例えば以下の表1〜16に示されるものが挙げられる。
【0022】
【表1】
Figure 0003647593
【0023】
【表2】
Figure 0003647593
【0024】
【表3】
Figure 0003647593
【0025】
【表4】
Figure 0003647593
【0026】
【表5】
Figure 0003647593
【0027】
【表6】
Figure 0003647593
【0028】
【表7】
Figure 0003647593
【0029】
【表8】
Figure 0003647593
【0030】
【表9】
Figure 0003647593
【0031】
【表10】
Figure 0003647593
【0032】
【表11】
Figure 0003647593
【0033】
【表12】
Figure 0003647593
【0034】
【表13】
Figure 0003647593
【0035】
【表14】
Figure 0003647593
【0036】
【表15】
Figure 0003647593
【0037】
【表16】
Figure 0003647593
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明に係わる一般式(1)で示されるスチリル化合物、または一般式(2)で示されるヒドラゾン化合物の具体例を以下に例示するが、これらに限定されるものではない。
【0039】
【化4】
Figure 0003647593
【0040】
【化5】
Figure 0003647593
【0041】
【化6】
Figure 0003647593
【0042】
【化7】
Figure 0003647593
【0043】
【化8】
Figure 0003647593
【0044】
【化9】
Figure 0003647593
【0045】
【化10】
Figure 0003647593
【0046】
【化11】
Figure 0003647593
【0047】
【化12】
Figure 0003647593
【0048】
【化13】
Figure 0003647593
【0049】
【化14】
Figure 0003647593
【0050】
【化15】
Figure 0003647593
【0051】
【化16】
Figure 0003647593
【0052】
【化17】
Figure 0003647593
【0053】
【化18】
Figure 0003647593
【0054】
【化19】
Figure 0003647593
【0055】
【化20】
Figure 0003647593
【0056】
【化21】
Figure 0003647593
【0057】
【化22】
Figure 0003647593
【0058】
【化23】
Figure 0003647593
【0059】
また、本発明に係わる一般式(I)または一般式(II)で示されるアゾ顔料の具体例を以下に例示するが、これらに限定されるものではない。尚、カップラー残基Cpは表1〜16に示されるものとのすべての組み合わせを含む。また、これらは、上述したように、光源を含めて電子写真感光体としての用途により本発明に係わる一般式(1)または一般式(2)で示される化合物と組み合わせて用いればよいが、勿論本発明に係わる一般式(I)及び一般式(II)で示されるアゾ顔料の双方を併用してもよい。
【0060】
【化24】
Figure 0003647593
【0061】
【化25】
Figure 0003647593
【0062】
【化26】
Figure 0003647593
【0063】
【化27】
Figure 0003647593
【0064】
【化28】
Figure 0003647593
【0065】
【化29】
Figure 0003647593
【0066】
【化30】
Figure 0003647593
【0067】
【化31】
Figure 0003647593
【0068】
【化32】
Figure 0003647593
【0069】
【化33】
Figure 0003647593
【0070】
【化34】
Figure 0003647593
【0071】
【化35】
Figure 0003647593
【0072】
【化36】
Figure 0003647593
【0073】
【化37】
Figure 0003647593
【0074】
【化38】
Figure 0003647593
【0075】
【化39】
Figure 0003647593
【0076】
【化40】
Figure 0003647593
【0077】
【化41】
Figure 0003647593
【0078】
電子写真感光体には種々の形態があるが、本発明はそのいずれの形態においても用いることができる。例えば、導電性支持体上に電荷発生物質、電荷輸送物質、及びフィルム形成性の結着剤樹脂からなる感光層を設けた単層型感光体、導電性支持体上に電荷発生物質と結着剤樹脂からなる電荷発生層と、電荷輸送物質と結着剤樹脂からなる電荷輸送層を設けた積層型の感光体が挙げられる。電荷発生層と電荷輸送層はどちらが上層となっても構わない。また、必要に応じて導電性支持体と感光層の間に下引き層を、感光体表面にオーバーコート層を、積層型感光体の場合は電荷発生層と電荷輸送層との間に中間層を設けることもできる。
【0079】
本発明の電子写真感光体において、感光層を形成する導電性支持体としては、金属製ドラム、金属板、導電性加工を施した紙、プラスチックフィルムのシート状、ドラム状、あるいはベルト状の支持体等が使用される。
【0080】
それらの導電性支持体上へ感光層を形成するために用いるフィルム形成性の結着剤樹脂としては、利用分野に応じて種々のものが挙げられる。例えば、複写用感光体の用途では、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアリレート樹脂、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でも特に、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂は感光体としての電位特性に優れている。また、これらの樹脂剤樹脂は、単独あるいは共重合体として1種または2種以上を混合して用いることができる。これら結着剤樹脂の光導電性化合物に対して加える量は、20〜1000重量%が好ましく、50〜500重量%がより好ましい。
【0081】
積層型感光体の場合、電荷発生層に含有されるこれらの結着剤樹脂は、電荷発生物質に対して10〜500重量%が好ましく、50〜150重量%がより好ましい。電荷発生層において、結着剤樹脂の比率が高くなりすぎると電荷発生効率が低下し、また結着剤樹脂の比率が低くなりすぎると成膜性に問題が生じる。
また、電荷輸送層に含有されるこれらの結着剤樹脂は、電荷輸送物質に対して20〜1000重量%が好ましく、50〜500重量%がより好ましい。結着剤樹脂の比率が高すぎると感度が低下し、また、結着剤樹脂の比率が低くなりすぎると繰り返し特性の悪化や塗膜の欠損を招くおそれがある。
【0082】
これらの結着剤樹脂の中には、引っ張り、曲げ、圧縮等の機械的強度に弱いものがある。この性質を改良するために、本発明に係わる感光層には可塑性を与える物質を加えてもよい。具体的には、フタル酸エステル(例えばDOP、DBP等)、リン酸エステル(例えばTCP、TOP等)、セバシン酸エステル、アジピン酸エステル、ニトリルゴム、塩素化炭化水素等が挙げられる。これらの物質は、必要以上に添加すると電子写真特性の悪影響を及ぼすので、その割合は結着剤樹脂に対し20%以下が好ましい。
【0083】
その他、本発明の電子写真感光体中へは、添加物として従来公知・公用の酸化防止剤やカール防止剤等や、塗工性の改良のためレベリング剤等を必要に応じて添加することができる。
【0084】
一般式(1)、(2)で示される化合物は更に他の電荷輸送物質と組み合わせて用いることができる。電荷輸送物質には正孔輸送物質と電子輸送物質がある。前者の例としては、特公昭34−5466号公報等に示されているオキサジアゾール類、特公昭45−555号公報等に示されているトリフェニルメタン類、特公昭52−4188号公報等に示されているピラゾリン類、特公昭55−42380号公報等に示されているヒドラゾン類、特開昭56−123544号公報等に示されているオキサジアゾール類等を挙げることができる。一方、後者の電子輸送物質の例としては、クロラニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキシド等を挙げることができる。これらの電荷輸送物質は、単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0085】
また、本発明において、上記の有機導電性材料と電荷移動錯体を形成して増感効果を増大させる増感剤として、電子吸引性化合物を添加することもできる。電子吸引性化合物の例としては、2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、1−ニトロアントラキノン、1−クロロ−5−ニトロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、フェナントレンキノン等のキノン類、4−ニトロベンズアルデヒド等のアルデヒド類、9−ベンゾイルアントラセン、インダンジオン、3,5−ジニトロベンゾフェノン、3,3′,5,5′−テトラニトロベンゾフェノン等のケトン類、無水フタル酸、4−クロロナフタル酸無水物等の酸無水物、テレフタラルマロノニトリル、9−アントリルメチリデンマロノニトリル、4−ニトロベンザルマロノニトリル、4−(p−ニトロベンゾイルオキシ)ベンザルマロノニトリル等のシアノ化合物、3−ベンザルフタリド、3−(α−シアノ−p−ニトロベンザル)フタリド、3−(α−シアノ−p−ニトロベンザル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド等のフタリド類等を挙げることができる。
【0086】
本発明に係わる有機光導電性材料は、電子写真感光体の形態に応じ、上記の種々の添加物質と共に適当な溶剤中に溶解または分散し、その塗布液を先に述べた導電性支持体上に塗布し、乾燥して電子写真感光体を製造することができる。
【0087】
塗布液に用いる溶剤の具体例としては、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエチレン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、1−メトキシ−2−プロパノール等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、蟻酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、メチルセロソルブアセテート等のエステル系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤、及びアルコール系溶剤等を挙げることができる。これらの溶剤は、単独または2種以上を混合して使用することができる。
【0088】
【実施例】
次に本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。尚、以下Cpとはアゾ顔料におけるカップラーを表す。
【0089】
実施例1
アゾ顔料(顔料骨格:P−4、Cp:A−6)1重量部及びポリエステル樹脂(東洋紡製バイロン220)1重量部をテトラヒドロフラン100重量部と混合し、ペイントコンディショナー装置でガラスビーズと共に3時間分散した。こうして得た分散液を、アプリケーターにてアルミ蒸着ポリエステル上に塗布して乾燥し、膜厚約0.2μmの電荷発生層を形成した。次に例示化合物(43)を、ポリアリレート樹脂(ユニチカ製U−ポリマー)と1:1の重量比で混合し、ジクロロエタンを溶媒として10重量%の溶液を作り、上記の電荷発生層の上にアプリケーターで塗布して膜厚約20μmの電荷輸送層を形成した。
【0090】
このようにして作製した積層型感光体について、静電記録試験装置(川口電気製SP−428)を用いて電子写真特性の評価を行なった。
測定条件:印加電圧−6kV、スタティックNo.3(ターンテーブルの回転スピードモード:10m/min)。
その結果、帯電電位(Vo)が−785V、半減露光量(E1/2)が0.9ルックス・秒と高感度の値を示した。
【0091】
更に同装置を用いて、帯電−除電(除電光:白色光で400ルックス×1秒照射)を1サイクルとする繰返し使用に対する特性評価を行った。5000回での繰返しによる帯電電位の変化を求めたところ、1回目の帯電電位(Vo)−785Vに対し、5000回目の帯電電位(Vo)は−780Vであり、繰返しによる電位の低下が少なく安定した特性を示した。また、1回目の半減露光量(E1/2)0.9ルックス・秒に対して5000回目の半減露光量(E1/2)は0.9ルックス・秒と変化がなく、優れた特性を示した。
【0092】
実施例2〜80
実施例1のアゾ顔料(顔料骨格:P−4、Cp:A−6)及び例示化合物(43)の代わりに、それぞれ表17〜24に示すアゾ顔料及び例示化合物を用いた他は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製して、その特性を評価した。結果を表17〜24に示す。尚、表中の半減露光量(E1/2)の単位はルックス・秒である。
【0093】
【表17】
Figure 0003647593
【0094】
【表18】
Figure 0003647593
【0095】
【表19】
Figure 0003647593
【0096】
【表20】
Figure 0003647593
【0097】
【表21】
Figure 0003647593
【0098】
【表22】
Figure 0003647593
【0099】
【表23】
Figure 0003647593
【0100】
【表24】
Figure 0003647593
【0101】
実施例81
アゾ顔料(顔料骨格:P−4、Cp:A−6)1重量部とテトラヒドロフラン40重量部を、ペイントコンディショナー装置でジルコニアビーズと共に4時間分散処理した。こうして得た分散液に、例示化合物(43)を2.5重量部、ポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学製PCZ−200)10重量部、テトラヒドロフラン60重量部を加え、更にペイントコンディショナー装置で30分間分散処理を行った後、アプリケーターにてアルミ蒸着ポリエステル上に塗布し、膜厚約15μmの電子写真感光体を形成した。この感光体の電子写真特性を、実施例1と同様にして評価した。ただし、印加電圧のみ+5kVに変更した。その結果、1回目の帯電電位(Vo)+335V、半減露光量(E1/2)1.5ルックス・秒、5000回繰り返し後の帯電電位(Vo)+325V、半減露光量(E1/2)1.5ルックス・秒と、高感度でしかも変化の少ない、優れた特性を示した。
【0102】
実施例82〜161
実施例81のアゾ顔料(顔料骨格:P−4、Cp:A−6)及び例示化合物(43)の代わりに、それぞれ表25〜32に示すアゾ顔料及び例示化合物を用いた他は、実施例81と同様にして電子写真感光体を作製してその特性を評価した。結果を表25〜32に示す。
【0103】
【表25】
Figure 0003647593
【0104】
【表26】
Figure 0003647593
【0105】
【表27】
Figure 0003647593
【0106】
【表28】
Figure 0003647593
【0107】
【表29】
Figure 0003647593
【0108】
【表30】
Figure 0003647593
【0109】
【表31】
Figure 0003647593
【0110】
【表32】
Figure 0003647593
【0111】
比較例1
電荷輸送物質として例示化合物(43)の代わりに下記比較化合物(83)を用いた他は、実施例1と同様に感光体を作製してその特性を評価した。その結果、1回目の帯電電位は(Vo)−760V、半減露光量(E1/2)は1.9ルックス・秒と比較的良好な感度を示したが、5000回目の帯電電位(Vo)は−230V、半減露光量(E1/2)は1.3ルックス・秒であり、繰り返しによる大幅な電位の低下がみられた。
【0112】
【化42】
Figure 0003647593
【0113】
比較例2
電荷発生物質としてアゾ顔料(顔料骨格:P−4、Cp:A−6)の代わりに下記比較化合物(84)を用いた他は、実施例1と同様に感光体を作製してその特性を評価した。その結果、1回目の帯電電位(Vo)は−780V、半減露光量(E1/2)は2.7ルックス・秒であり、感度不足であった。
【0114】
【化43】
Figure 0003647593
【0115】
比較例3
電荷輸送物質として例示化合物(43)の代わりに下記比較化合物(85)を用いた他は、実施例81と同様に感光体を作製してその特性を評価した。その結果、1回目の帯電電位は(Vo)+355V、半減露光量(E1/2)は2.6ルックス・秒と比較的良好な感度を示したが、5000回目の帯電電位(Vo)は+235V、半減露光量(E1/2)は2.3ルックス・秒であり、繰り返しによる大幅な電位の低下がみられた。
【0116】
【化44】
Figure 0003647593
【0117】
比較例4
電荷発生物質としてアゾ顔料(顔料骨格:P−4、Cp:A−6)の代わりに前記比較化合物(84)を用いた他は、実施例81と同様にして感光体を作製してその特性を評価した。その結果帯電電位(Vo)が+350V、半減露光量(E1/2)が4.5ルックス・秒と感度不足であった。
【0118】
【発明の効果】
以上から明らかなように、本発明に係わる特定構造を有するスチリル化合物またはヒドラゾン化合物と特定構造を有するアゾ顔料を併用すれば、高感度で高耐久性を有する電子写真感光体を提供することができる。

Claims (2)

  1. 導電性支持体上に電荷発生物質及び電荷輸送物質を構成成分として含む感光層を有する電子写真感光体において、電荷輸送物質として下記一般式(1)で示されるスチリル化合物または一般式(2)で示されるヒドラゾン化合物の少なくともいずれか一方を少なくとも一種含み、かつ電荷発生物質として下記一般式(I)で示されるアゾ顔料を少なくとも一種含むことを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0003647593
    (一般式(1)、(2)において、R1及びR2はそれぞれ水素原子、アルキル基、アリール基を表す。R3〜R8はそれぞれ水素原子、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基を表す。R9及びR10はそれぞれアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基を表す。R3とR4、R5とR6、R7とR8、及びR9とR10はそれぞれ環を形成していてもよい。A1及びA2はそれぞれ二価の芳香環基または窒素原子と共に複素環を形成するのに必要な原子群を表す。m及びnはそれぞれ0または1を表す。また、一般式(I)において、Zは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ジ置換アミノ基を表し、これらの基を構成する炭素の数はいずれも8以下である。q及びrは0または1、sは1または2を表す。Cpはカップラー残基を表す。)
  2. 電荷輸送物質として上記一般式(1)で示されるスチリル化合物または一般式(2)で示されるヒドラゾン化合物の少なくともいずれか一方を少なくとも一種含み、かつ電荷発生物質として下記一般式(II)で示されるアゾ顔料を少なくとも一種含むことを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0003647593
    (一般式(II)において、Qはアルキル基、アリール基、複素環基を表す。Cpはカップラー残基を示す。)
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