JP3647450B2 - 再生装置 - Google Patents

Description

本発明は、一定の線速度で回転するディスクのデータを読み出す再生装置に関する。
公知のこの形式の再生装置は、一定の線速度でコンパクトディスクを再生するCDプレーヤである。英語ではこの種のシステムを"constant linear velocity system"と称する。慣用的な略語ではCLVシステムと呼ばれている。これとは対照的に、"constant angular system"の用いられているアナログレコードプレーヤの場合、ディスクの角速度が一定である。このシステムに対してはCAVシステムという略語がしばしば用いられている。
製造者は規格にしたがって、1.2m/s〜1.4m/sの速度でコンパクトディスクを記録することができる。したがってCDプレーヤでコンパクトディスクを再生する際の走査速度は、その記録速度と一致していなければならない。たとえば1.2m/sの速度でコンパクトディスクが記録されたならば、1.2m/sである同じ速度でディスクを再生しなければならない。しかし記録速度は1.2m/s〜1.4m/sの間にあればよいので、各コンパクトディスクはそれ特有のディスク固有の走査速度を有しており、たとえば1.2m/sまたは1.3m/sあるいは1.4m/sの走査速度を有している。
たとえば音楽作品が１時間にわたりコンパクトディスクに記録される場合、速い方の記録速度の場合のピット長は、低い方の記録速度の場合よりも長い。したがって、音楽作品をたとえば1.4m/sの速度で記録したときの方が、たとえば1.2m/sの速度でしか記録しなかったときよりも、トラック長が長くなりひいてはデータトラック数も多くなる。
CDプレーヤの場合、走査速度は、コンパクトディスクからの光ビームにより走査される高周波信号から導出される。デコーダにおいて、この高周波信号から音声信号と、ディスク駆動部を精確に適切な回転数に制御調整する同期信号とが生成される。したがってCDプレーヤの場合、各コンパクトディスクはディスク固有の走査速度で回転する。読み出されるビットのビットレートは一定に保持される。しかし、ディスク固有の走査速度が実際にはどれくらいの速さであるかはわからない。
しかしながら、所望のディスク位置を見つけるために−たとえば所望の音楽作品を見つけるために−トラックジャンプを行う際に、飛び越したトラック数を精確に算出できるようにするためには、走査速度が1.2m/s〜1.4m/sの間にあることが既知であるだけでは不十分である。ディスク固有の走査速度が精確にわかっていればいるほど、トラック数もいっそう精確に算出できる。そうでなければ走査速度の平均値を前提としなければならない。
ヨーロッパ特許出願第0214256号公報により、ディスクの回転数をフォーカスエラー信号の濾波された周波数から得ることにより、ディスク固有の走査速度を求めることが知られている。
ディスク固有の走査速度を求める公知のCDプレーヤの欠点は、装填（ローディング）されたディスクごとに走査速度を求めなければならないことである。しかしこの手順は時間がかかる。しかしながら操作者は、ディスクの装填後、できるかぎりただちにディスクを再生させたいと望んでいる。
したがって本発明の課題は、CDプレーヤにおいてディスクの装填と再生の間の期間を短くすることである。
本発明によればこの課題は、複数個のディスクの固有の走査速度を記憶できるように再生装置内にメモリが設けられている構成により解決される。
複数個のディスクに関するディスク固有の走査速度を記録する構成により、すでに再生したディスクを新たに再生するために再びCDプレーヤに装填する場合、ディスク固有の走査速度を新たに求める必要がない。このことによりディスクの装填と再生の間の期間が著しく短縮される。
個々のディスクは、たとえばディスクのサブコード中に含まれている符号化されたカタログナンバーにより、またはサブコードの個々の特徴的指標により、識別することができる。
カートリッジ式プレーヤの場合には、複数個のディスクを１つのカートリッジに明瞭に対応づけることができ、ディスク固有の走査速度をディスクとカートリッジにしたがって順序配列して記憶できる。
図面には本発明の第１の実施例が示されており、次にこの実施例について説明する。
コンパクトディスクCDは光学式走査装置Ａにより走査され、この走査装置はデータをデータ処理回路Ｄへ供給する。データ処理回路Ｄは識別回路Ｉの入力側と接続されており、この識別回路は、装填されたディスクCDのサブコードを評価する。比較装置Ｖにおいて、受信したサブコードに関してディスク固有の走査速度がすでにメモリＳに記録されているか否かを検査する。記憶されているならば、記憶されているディスク固有の走査速度をメモリＳから読み出し、CDプレーヤのサーボ回路SVで使用できるようにする。装填されたディスクについてはまだディスク固有の走査速度が記憶されていなかったのであれば、たとえばヨーロッパ特許出願第0214256号公報に記載の方法にしたがってそのディスク固有の走査速度を求めてから、メモリＳに記憶する。
本発明の別の実施例では、操作者に対しメモリＳ中のデータを消去する構成が与えられる。
本発明は、CLVシステムと称される再生装置に適している。その理由は、それらの再生装置はディスクを一定の線速度で走査するからである。このような装置の実例として、CDプレーヤ、ビデオディスクプレーヤ、DRAWディスクプレーヤ、および光磁気記録／再生装置が挙げられる。

Claims (5)

1. ディスク固有の走査速度を検出する手段が設けられており、一定の線速度で回転するディスク（CD）からデータを読み出す形式の再生装置において、
   当該再生装置内に、ディスクを適切に読み出すのに必要とされるデータを格納するためのメモリ（Ｓ）が設けられており、該メモリ（Ｓ）は複数のディスクの固有の走査速度を記憶し、
   固有の走査速度がすでに格納されているディスクが当該再生装置内に挿入されると、走査速度を検出する手段は用いられず、前記固有の走査速度が前記メモリ（Ｓ）から読み出されて制御回路（SV）へ供給されることを特徴とする再生装置。
2. 操作者は前記メモリ（Ｓ）の内容を消去できる、請求項１記載の再生装置。
3. 当該装置はCDプレーヤである、請求項１または２記載の再生装置。
4. 当該装置はカートリッジ式装置であり、ディスク固有の走査速度は、ディスクおよびカートリッジにしたがって順序配列されてメモリ（Ｓ）中に記憶される、請求項１から３のいずれか１項記載の再生装置。
5. ディスク（CD）からデータを読み出す走査装置（Ａ）がデータ処理装置（Ｄ）と接続されており、該データ処理装置の出力側は、ディスク（CD）を識別する識別回路（Ｉ）の入力側と接続されており、該識別回路（Ｉ）の出力側は比較回路（Ｖ）と接続されており、該比較回路はメモリ（Ｓ）と接続されており、前記識別回路（Ｉ）は、ディスク固有の走査速度を求める装置（Ｇ）とも接続されており、ディスク固有の走査速度を求める前記の装置（Ｇ）はメモリ（Ｓ）とも接続されている、請求項１から４のいずれか１項記載の再生装置。

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