JP3646921B2 - 張り合わせ誘電体分離ウェーハの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は張り合わせ誘電体分離ウェーハの製造方法、詳しくは活性層用ウェーハに誘電体分離シリコン島を有する張り合わせ誘電体分離ウェーハの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の張り合わせ誘電体分離ウェーハは、図5に示す各工程を経て製造されていた。
まず、活性層用ウェーハとなる表面を鏡面加工したシリコンウェーハ10を用意する(図5(a))。次いで、このシリコンウェーハ10の表面に、マスク酸化膜11を形成する(図5(b))。さらに、ホトレジスト12をマスク酸化膜11上に被着し、フォトリソグラフ法によって所定位置に開口を形成する。そして、この開口を介して露出した酸化膜11を除去し、酸化膜11に所定パターンの窓を形成する。その結果、シリコンウェーハ10の表面の一部が露出する。次に、ホトレジスト12の除去後、このシリコンウェーハ10をアルカリ性のエッチング液(IPA/KOH/H2 O)に浸漬して、ウェーハ表面の窓内部を異方性エッチングする(図5(c))。このようにして、ウェーハ表面に断面V字形状の誘電体分離用溝13が形成される。
【0003】
次に、このマスク酸化膜11を希HF液(希フッ酸液)またはバッファフッ酸液で洗浄除去する(図5(d))。それから、ウェーハ表面に、酸化熱処理によって誘電体分離酸化膜14を形成する(図5(e))。この結果、誘電体分離用溝13表面を含むシリコンウェーハ表面に所定厚さの誘電体分離酸化膜14が形成される。
続いて、このシリコンウェーハ10の表面、すなわち誘電体分離酸化膜14上に、種ポリシリコン層15を所定の厚さに被着し、その後、約1200〜1300℃の高温CVD法で、高温ポリシリコン層16を150μm程度の厚さに成長させる(図5(f))。それから、ウェーハ外周部を面取りし、次いでウェーハ裏面に研磨を施して、ウェーハ裏面に回り込んだ不要な高温ポリシリコンの部分およびこのポリシリコンが突起状に堆積した裏面突起16aを除去して平坦化する。次に、ウェーハ表面の高温ポリシリコン層16を厚さ約10〜80μmまで研削、研磨し、その後、このシリコンウェーハ10を表面研削装置のウェーハ保持板から剥がし、脱ろうして洗浄する(図5(g))。
このあと、ウェーハ表面に550〜700℃の低温CVD法で、厚さ1〜5μmの低温ポリシリコン層17を成長させる。そして、張り合わせ面の平坦化を図る目的で、この低温ポリシリコン層17の表面をポリッシングする(同じく図5(g))。
【0004】
一方、上記シリコンウェーハ10とは別の、支持基板用ウェーハとなるシリコン酸化膜21で被覆されたシリコンウェーハ20を準備する(図5(h))。このウェーハ表面は鏡面加工してある。次に、このシリコンウェーハ20上に、上記活性層用ウェーハ用のシリコンウェーハ10を、鏡面同士を接触させて張り合わせる(図5(i))。
その後、張り合わせウェーハの張り合わせ強度を高める熱処理が施される。 次に、図5(j)に示すように、この張り合わせウェーハの活性層用ウェーハ側の外周部を面取りする。すなわち、シリコンウェーハ10の表面から斜めに研削し、張り合わせ界面を通り越してシリコンウェーハ20の表層部に達するまで面取りする。
そして、この張り合わせウェーハの活性層用ウェーハ側表面を研削・研磨する(図5(k))。この活性層用ウェーハの研削量は、誘電体分離酸化膜14の一部が外部に露出し、高温ポリシリコン層16の表面上に、誘電体分離酸化膜14で区画された誘電体分離シリコン島10Aが現出するまでとする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来技術では、活性層用ウェーハ10の外周部の裏面に現出されたポリシリコンの裏面回り込みの部分およびこのポリシリコンが突起状に堆積した裏面突起16aを研磨により除去していた。その際、回り込んだポリシリコンおよび裏面突起16aを完全に除去しなければならない。
これは、後の表面研磨工程で、ウェーハ研磨装置のウェーハ支持板に活性層用ウェーハ10をワックスで貼り付けた際、このポリシリコン16aによるウェーハ裏面の凹凸がウェーハ表面に転写され、このウェーハ表面の外周部の研磨が不十分になるからである。
その結果、後工程の張り合わせ時に、張り合わせ界面にボイドが発生しやすくなり、これが張り合わせ誘電体分離ウェーハの不良原因のひとつになっていた。
また、上記裏面研磨工程で裏面突起16aを完全に除去しないまま研削工程まで達すると、この研削時に、裏面突起16aに起因した活性層用ウェーハ10のクラックやワレなどが生じ、同様にこれが張り合わせ誘電体分離ウェーハの不良原因になっていた。
【0006】
【発明の目的】
そこで、この発明は、多数枚の活性層用ウェーハの裏面に被着した高温ポリシリコンを、短時間のうちに一括して除去することができる張り合わせ誘電体分離ウェーハの製造方法を提供することを、その目的としている。
また、この発明は、多数枚の半導体ウェーハにおいて、張り合わせ前の高温ポリシリコン層の研削面の鏡面仕上げおよび汚染除去を、短時間のうちに一括して行うことができる張り合わせ誘電体分離ウェーハの製造方法を提供することを、その目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、活性層用ウェーハの表面に誘電体分離酸化膜を介して高温ポリシリコン層を成長させる工程と、上記高温ポリシリコン層を成長させた活性層用ウェーハの裏面に回り込んだ高温ポリシリコンおよびこの高温ポリシリコンが突起状に堆積した裏面突起を除去するエッチング工程と、上記高温ポリシリコン層を研削してから平坦化する工程と、この平坦化した高温ポリシリコン層の表面に低温ポリシリコン層を成長させる工程と、上記低温ポリシリコン層の表面を張り合わせ面として、上記活性層用ウェーハを支持基板用ウェーハの表面に張り合わせることにより、張り合わせウェーハを形成する工程と、上記張り合わせウェーハの外周部を面取りする工程と、この後、上記活性層用ウェーハを裏面側から研削・研磨して、誘電体分離酸化膜で分離された複数の誘電体分離シリコンを現出させる工程とを含む張り合わせ誘電体分離ウェーハの製造方法において、上記エッチング工程は、アルカリエッチング液を用いた第1のアルカリエッチングにより行う張り合わせ誘電体分離ウェーハの製造方法である。
【0008】
高温CVD法とは、シリコンを含んだ原料ガスをキャリアガス(H2 ガスなど)とともに反応炉内へ導入し、高温に熱せられたシリコンウェーハ上に原料ガスの熱分解または還元により生成されたシリコンを析出させる方法である。シリコンを含む化合物としては、通常、SiCl2 H2 ,SiHCl3 ,SiCl4 などが用いられる。
反応炉としては、例えばパンケーキ型炉、シリンダ型炉なども採用できる。
【0009】
高温ポリシリコンの成長温度は炉の加熱方式で異なる。この用途に用いる最も一般的な縦型炉では、1200〜1290℃、特に1230〜1280℃が好ましい。1200℃未満ではシリコンウェーハが割れやすいという不都合が生じる。また、1290℃を超えるとスリップが発生し、シリコンウェーハが異常に反ったり、また割れに到りやすいという不都合が生じる。
高温ポリシリコン層の厚さは、異方性エッチングを行った深さの2〜3倍の厚さに対して、残したい高温ポリシリコン層の厚さを付加した厚さとする。高温ポリシリコン層の厚さが異方性エッチングを行った深さの2倍以下では、エッチング溝が充分に埋まらないことがある。一方で、3倍以上では、不要に厚く成長させることとなり、不経済である。
【0010】
この異方性エッチング液には、KOH(IPA/KOH/H2 O),KOH(KOH/H2 O),KOH(ヒドラジン/KOH/H2 O)を使用することができる。異方性エッチングの条件は、通常の条件を適用することができる。
また、ウェーハ表面側のレジスト膜に、異方性エッチング用の窓部を形成するための各工程の条件は、一般的な条件を採用することができる。
【0011】
活性層用ウェーハの裏面に回り込んだ高温ポリシリコンおよび裏面突起の除去を行うための第1のアルカリエッチング時のアルカリエッチング液の種類は限定されない。例えば、請求項4の水酸化カリウム5〜15重量%、過酸化水素0.1〜1.0重量%を純水に混合させたものでもよい。この第1のアルカリエッチング後は、請求項3のHF洗浄を行った方がよい。
高温ポリシリコン層の研削面の平坦化仕上げは、請求項2の第2のアルカリエッチングに限定されない。例えば、一般的な研磨による鏡面仕上げでもよい。
この裏面回り込みポリシリコン除去時の第1のアルカリエッチング時のアルカリエッチング液の液温は限定されない。例えば、請求項5の60〜90℃でもよい。
【0012】
また、裏面回り込みポリシリコン除去時には、請求項6のように活性層用ウェーハを回転させてもよい。また、回転させなくてもよい。なお、回転させる場合には、その回転速度を請求項6の20rpm以下としてもよいし、それ以外の回転速度としてもよい。
【0013】
請求項2に記載の発明は、上記平坦化する工程においては、上記高温ポリシリコン層の研削した表面を、アルカリエッチング液を用いた第2のアルカリエッチングにより平坦化した請求項1に記載の張り合わせ誘電体分離ウェーハの製造方法である。
使用される第2のアルカリエッチング時のアルカリエッチング液としては、例えば上記第1のアルカリエッチング時のアルカリエッチング液を用いることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、上記第1のアルカリエッチングおよび第2のアルカリエッチング後に、HF洗浄する請求項1または請求項2に記載の張り合わせ誘電体分離ウェーハの製造方法である。
ここでいう第1のアルカリエッチングとは、請求項1のウェーハ裏面に回り込んだ高温ポリシリコン類を除去する場合を含む。
HF洗浄は、汎用の洗浄法による。
【0015】
請求項4に記載の発明は、上記第1のアルカリエッチング時のアルカリエッチング液および第2のアルカリエッチング時のアルカリエッチング液は、水酸化カリウム5〜15重量%および過酸化水素0.1〜1.0重量%を純水に混合したものである請求項1〜請求項3のうち、何れか1項に記載の張り合わせ誘電体分離ウェーハの製造方法である。
好ましい水酸化カリウムの添加量は6〜8重量%である。5重量%未満ではエッチングレートが低下し、裏面突起の除去能力が低下する。また、15重量%を超えると、品質上は特に問題はないものの、薬液の使用量が多くなることでコスト高を招く。
そして、好ましい過酸化水素の添加量は0.1〜0.5重量%である。0.1重量%未満では面荒れがひどくなる。また、1.0重量%を超えるとエッチングレートが低下し、裏面突起の除去能力が低下する。
【0016】
請求項5に記載の発明は、上記第1のアルカリエッチング時のアルカリエッチング液および第2のアルカリエッチング時のアルカリエッチング液の温度が60〜90℃である請求項1〜請求項4のうち、何れか1項に記載の張り合わせ誘電体分離ウェーハの製造方法である。
好ましい第1のアルカリエッチング時のアルカリエッチング液および第2のアルカリエッチング時のアルカリエッチング液の液温は80〜85℃である。60℃未満ではエッチングレートが低下し、裏面突起の除去能力が低下するという不都合が生じる。また、90℃を超えると、品質上は特に問題はないものの、ラインヒータの加熱温度が高まり、このヒータの耐久性が低下するおそれがある。
【0017】
請求項6に記載の発明は、上記第1のアルカリエッチングは、活性層用ウェーハをその軸線回りに20rpm以下で回転しながら行われる請求項1〜請求項5のうち、何れか1項に記載の張り合わせ誘電体分離ウェーハの製造方法である。
20rpmを超えると、半導体ウェーハとラックとの擦れによる発塵の問題が生じる。ただし、通常は、高速回転させても品質上の問題はない。
ウェーハの回転装置は限定されない。例えば、ラック中に多数枚の半導体ウェーハを一括して収納し、このラックを回転モータにより回転させる装置などが挙げられる。
【0018】
【作用】
この発明によれば、誘電体分離酸化膜の表面への高温ポリシリコンの成長後、エッチング面が荒れにくい第1のアルカリエッチングによって、活性層用ウェーハの裏面に回り込んだ高温ポリシリコンおよび裏面突起を除去する。これにより、多数枚の活性層用ウェーハの裏面に成長した高温ポリシリコンを、短時間のうちに一括して除去することができる。この第1のアルカリエッチング時に、半導体ウェーハを20rpm以下で回転すれば、大きくて溶失しにくい裏面突起でも、エッチング面をさほど荒らさずに、比較的短時間で処理することができる。
【0019】
特に、請求項2の発明によれば、張り合わせる前の高温ポリシリコン層の研削面の平坦化仕上げを、第2のアルカリエッチング液を用いた第2のアルカリエッチングにより行うので、多数枚の半導体ウェーハについて、張り合わせ前の高温ポリシリコン層の研削面の鏡面仕上げおよび汚染除去を、一括して短時間で行うことができる。
【0020】
また、請求項6の発明によれば、活性層用ウェーハを20rpm以下で回転しながら第1のアルカリエッチングを行うので、活性層用ウェーハとそれを保持するラックとの擦れによる発塵を抑えながら、効果的なエッチングを施すことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施例に係る張り合わせ誘電体分離ウェーハの製造方法を説明する。なお、ここでは従来技術の欄で説明した張り合わせ誘電体分離ウェーハの製造方法を例に説明する。したがって、同一部分には同一符号を付す。
まず、活性層用ウェーハとなる表面を鏡面加工した直径4〜6インチのシリコンウェーハ10を作製、準備する(図2(a))。面方位は(100)とする。
次に、このシリコンウェーハ10を洗浄する。それから、このシリコンウェーハの表面に、例えば厚さ1μmのマスク酸化膜11を形成する(図2(b))。マスク酸化膜11に代えて、CVD法によりチッ化膜(SiNx )を成長させてもよい。
【0022】
次に、公知のフォトリソ工程を用いて、このマスク酸化膜11上にフォトレジスト膜12を被着する。そして、通常の通りこのフォトレジスト膜12に所定パターンの窓を形成する(図2(c))。
続いて、この窓を介して、エッチングにより酸化膜11に同じパターンの窓を形成し、シリコンウェーハ10表面の一部を露出させる。その後、フォトレジスト膜12を除去する(同じく図2(c))。そして、このウェーハ表面を洗浄する。
さらに、この酸化膜11をマスクとして、シリコンウェーハ10を異方性エッチング液(IPA/KOH/H2 O)に所定時間だけ浸漬する。その結果、シリコンウェーハ表面には所定パターンでの凹部(窪み)が形成されることになる。すなわち、ウェーハ表面に異方性エッチングが施され、断面V字形状の誘電体分離用溝13が形成される(同じく図2(c))。
【0023】
次いで、このマスク酸化膜11は、例えば希HF液により洗浄除去される(図2(d))。
その後、必要に応じて、シリコン内部にドーパントを注入し、それからウェーハ表面(裏面も)に、酸化熱処理によって所定厚さの誘電体分離酸化膜14を形成する(図2(e))。このとき、誘電体分離用溝13上にも、誘電体分離酸化膜14が形成される。そして、このウェーハ表面を洗浄する。
続いて、このシリコンウェーハ10の表面、すなわち表面側の誘電体分離酸化膜14上に、種ポリシリコン層15を所定の厚さに被着する(図2(f))。被着後その表面を洗浄する。
【0024】
次に、約1200〜1300℃の高温CVD法で、種ポリシリコン層15の表面に、高温ポリシリコン層16を150μmくらいの厚さに成長させる(同じく図2(f))。このとき、ウェーハ裏面に、高温ポリシリコンの一部が回り込んで付着し、その一部が突起状に堆積して裏面突起16aとなる。このため、まずウェーハ外周部を面取りしてから、このシリコンウェーハ10を、図1のアルカリエッチング装置(以下、単にエッチング装置という場合がある)30に投入して、槽内のアルカリエッチング液によりウェーハ裏面に回り込んだポリシリコンや裏面突起16aを除去する。これにより、ウェーハ裏面が平坦化される(図2(g))。しかも、このようにアルカリエッチングによる鏡面仕上げを採用したので、従来の研磨に比べて、多数枚のシリコンウェーハ10の裏面処理を短時間のうちに一括して行うことができる。なお、アルカリエッチング液は、純水に水酸化カリウム6〜10重量%、過酸化水素0.1〜0.5重量%を溶解させたアルカリ性液である。エッチング中、その液温は80〜85℃に保たれる。アルカリエッチング後は、そのエッチ面がHF洗浄される。
【0025】
ここで、図1を参照して、裏面回り込みポリシリコンおよび裏面突起16aの、エッチング装置30による除去工程を詳細に説明する。
図1に示すように、エッチング装置30は、SUS製のエッチング槽31と、エッチング槽31内に装入されるウェーハ回転機構32とを備えている。
ウェーハ回転機構32は、ラック33,モータ34,ベルト35を有しており、ラック33に装填・搭載された複数枚のシリコンウェーハ10をその中心軸線回りに回転させる。具体的には、ラック33は、シリコンウェーハ10より大径な2枚の円形な側板36,37を、3本のシャフト38〜40で連結して構成されている。各シャフト38〜40は、いずれも側板36,37の外縁部分に配設されており、このうちの2本のシャフト38,39は、互いに略180度離間して対向配置されている。また、残りのシャフト40は、軸線長さ方向へ一定間隔ごとに溝が周設されている。この溝付きのシャフト40は、駆動軸として、ラック33にシリコンウェーハ10を搭載した場合の下方に位置されている。また、シャフト40の一端にはテフロン製の歯車41が固着されており、この歯車41と上記モータ34の出力軸端に固着された歯車42との間には、上記ベルト35が掛け渡されている。
【0026】
したがって、モータ34の出力軸を回転すると、その回転力は歯車42、ベルト35、歯車41を介して駆動側のシャフト40に伝達される。このシャフト40が軸線回りに回転することで、各溝にウェーハ外縁部の一部が嵌まり込んだ多数枚のシリコンウェーハ10が、各ウェーハ中心軸を中心にして回転する。ここでの回転速度は5〜10rpmである。このように、ウェーハ回転機構32によるウェーハ回転速度を低速(5〜10rpm)に設定したので、シリコンウェーハ10とラック33との擦れによる発塵を抑えながら、効果的にウェーハ裏面の平坦化処理、すなわち裏面突起16aを含む裏面回り込みのポリシリコンを溶失させることができる。
【0027】
次に、図2に示すように、ウェーハ表面の高温ポリシリコン層16を厚さ約10〜80μmまで研削し、その後研磨する。研磨後、脱ろうして洗浄し、ウェーハ表面に550〜700℃の低温CVD法で厚さ1〜5μmの低温ポリシリコン層17を形成する。さらには、張り合わせ面の鏡面化を図る目的で、低温ポリシリコン層17の表面を研磨する(図2(h))。
一方、支持基板用ウェーハとなる、シリコン酸化膜21で被覆された直径4〜6インチの鏡面仕上げされたシリコンウェーハ20を準備する(図2(i))。
次いで、このシリコンウェーハ20上に、活性層用ウェーハ用のシリコンウェーハ10を、その鏡面同士を接触させて張り合わせる(図2(j))。それから、これを熱処理して、張り合わせウェーハの張り合わせ強度を高める。
【0028】
続いて、この張り合わせウェーハの外周部を面取りする(図2(k))。その後、この活性層用ウェーハ10の表面を研削・研磨する(図2(l))。このときの活性層用ウェーハ10の研削・研磨量は、誘電体分離酸化膜14が外部に露出し、高温ポリシリコン層16の表面上に、誘電体分離酸化膜14で分離された誘電体分離シリコン島10Aが現出し、隣り合うシリコン島同士が完全に分離する量とする。この結果、張り合わせ誘電体分離ウェーハが製造される。
【0029】
次に、図3に基づいて、この発明の第2の実施例に係る張り合わせ誘電体分離ウェーハの製造方法を説明する。
図3は、この発明の第2の実施例に係る張り合わせ誘電体分離ウェーハの製造方法を説明するための断面図である。
この第2の実施例の張り合わせ誘電体分離ウェーハの製造方法は、シリコンウェーハ10の裏面に回り込んだ裏面突起16aを含むポリシリコンを除去した後(図3(g))、ウェーハ表面の高温ポリシリコン層16を厚さ約10〜80μmまで研削し(図3(h1))、次いで第1の実施例の研磨工程(図2(h))に代えて、図2(g)と同じくエッチング装置30を使用したアルカリエッチングを行う。これにより、ウェーハ研削面を鏡面仕上げする(図3(h2))。このアルカリエッチング後、エッチ面をHF洗浄する。ウェーハ表面に低温ポリシリコン層17を形成する(図3(h3))。
このように、張り合わせ前の高温ポリシリコン層16の研削面の鏡面仕上げをアルカリエッチングによって行うようにしたので、多数枚のシリコンウェーハ10の鏡面処理を短時間のうちに一括して行うことができる。
その他の構成、作用および効果は、第1の実施例と同様であるので説明を省略する。
【0030】
ここで、図4のグラフを参照して、実際に、第1の実施例の図2(g)に示すアルカリエッチング処理と、これに対応する従来の研磨処理との2つの異なる方法で、シリコンウェーハ10の裏面に回り込んだ裏面突起16aを含む高温ポリシリコンを除去した際の、ウェーハ外周部の裏面の平坦度(SBIR)の度合いを報告する。
図4は、この発明のアルカリエッチングと従来の研磨とによる裏面回り込みポリシリコンの除去時の平坦度の違いを示すグラフである。
両棒グラフの対比から明らかなように、アルカリエッチングによる裏面回り込みポリシリコンの除去は、鏡面仕上げによる除去とさほど平坦度に差はなかった。
【0031】
【発明の効果】
この発明によれば、誘電体分離酸化膜の表面への高温ポリシリコンの成長後、第1のアルカリエッチングにより、活性層用ウェーハの裏面に回り込んだ高温ポリシリコンおよび裏面突起を除去する。これにより、多数枚の活性層用ウェーハの裏面に被着した高温ポリシリコンを、短時間のうちに一括して除去することができる。
【0032】
特に、請求項2の発明によれば、張り合わせる前の高温ポリシリコン層の研削面の鏡面仕上げを、第2のアルカリエッチング液を用いた第2のアルカリエッチングにより行うので、多数枚の半導体ウェーハについて、張り合わせ前の高温ポリシリコン層の研削面の鏡面仕上げおよび汚染除去を、一括して短時間で行うことができる。
【0033】
また、請求項6の発明によれば、活性層用ウェーハを20rpm以下で回転しながら第1のアルカリエッチングを行うようにしたので、活性層用ウェーハとそれを保持するラックとの擦れによる発塵を抑えながら、効果的なエッチングを施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1の実施例に係る張り合わせ誘電体分離ウェーハの製造方法に使用されるアルカリエッチング装置を示す斜視図である。
【図2】 この発明の第1の実施例に係る張り合わせ誘電体分離ウェーハの製造方法を説明するための断面図である。
【図3】 この発明の第2の実施例に係る張り合わせ誘電体分離ウェーハの製造方法を説明するための断面図である。
【図4】 この発明のアルカリエッチングと従来の研磨とによる裏面回り込みポリシリコンの除去時の平坦度の違いを示すグラフである。
【図5】 従来の張り合わせ誘電体分離ウェーハの製造工程を説明するための断面図であ
る。
【符号の説明】
10 シリコンウェーハ(活性層用ウェーハ)、
10A 誘電体分離シリコン島、
14 誘電体分離酸化膜、
16 高温ポリシリコン層、
16a 裏面突起、
17 低温ポリシリコン層、
20 支持基板用ウェーハ。
Claims (6)
- 活性層用ウェーハの表面に誘電体分離酸化膜を介して高温ポリシリコン層を成長させる工程と、
上記高温ポリシリコン層を成長させた活性層用ウェーハの裏面に回り込んだ高温ポリシリコンおよびこの高温ポリシリコンが突起状に堆積した裏面突起を除去するエッチング工程と、
上記高温ポリシリコン層を研削してから平坦化する工程と、
この平坦化した高温ポリシリコン層の表面に低温ポリシリコン層を成長させる工程と、
上記低温ポリシリコン層の表面を張り合わせ面として、上記活性層用ウェーハを支持基板用ウェーハの表面に張り合わせることにより、張り合わせウェーハを形成する工程と、
上記張り合わせウェーハの外周部を面取りする工程と、
この後、上記活性層用ウェーハを裏面側から研削・研磨して、誘電体分離酸化膜で分離された複数の誘電体分離シリコンを現出させる工程とを含む張り合わせ誘電体分離ウェーハの製造方法において、
上記エッチング工程は、アルカリエッチング液を用いた第1のアルカリエッチングにより行う張り合わせ誘電体分離ウェーハの製造方法。 - 上記平坦化する工程においては、上記高温ポリシリコン層の研削した表面を、アルカリエッチング液を用いた第2のアルカリエッチングにより平坦化した請求項1に記載の張り合わせ誘電体分離ウェーハの製造方法。
- 上記第1のアルカリエッチングおよび第2のアルカリエッチング後に、HF洗浄する請求項1または請求項2に記載の張り合わせ誘電体分離ウェーハの製造方法。
- 上記第1のアルカリエッチング時のアルカリエッチング液および第2のアルカリエッチング時のアルカリエッチング液は、水酸化カリウム5〜15重量%および過酸化水素0.1〜1.0重量%を純水に混合したものである請求項1〜請求項3のうち、何れか1項に記載の張り合わせ誘電体分離ウェーハの製造方法。
- 上記第1のアルカリエッチング時のアルカリエッチング液および第2のアルカリエッチング時のアルカリエッチング液の温度が60〜90℃である請求項1〜請求項4のうち、何れか1項に記載の張り合わせ誘電体分離ウェーハの製造方法。
- 上記第1のアルカリエッチングは、活性層用ウェーハをその軸線回りに20rpm以下で回転しながら行われる請求項1〜請求項5のうち、何れか1項に記載の張り合わせ誘電体分離ウェーハの製造方法。
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