JP3646212B2

JP3646212B2 - ゴーグル

Info

Publication number: JP3646212B2
Application number: JP03474697A
Authority: JP
Inventors: 祐介升本
Original assignee: Yamamoto Kogaku Co Ltd
Current assignee: Yamamoto Kogaku Co Ltd
Priority date: 1997-02-19
Filing date: 1997-02-19
Publication date: 2005-05-11
Anticipated expiration: 2017-02-19
Also published as: KR100487844B1; US6076196A; JPH10229998A; KR19980071308A

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
この発明は、スキー競技その他ヘルメットを装着するスポーツ、及び作業等に使用されるゴーグルに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
現在、複数種のスキー競技において、主として各競技の滑走速度の違いによりヘルメット着用の有無が存在する。
【０００３】
ヘルメットの上から着用するゴーグルに関しては、直接頭部に装着するゴーグルとは異なる設計が必要となる。理由としてはヘルメットを装着した場合、内装やシェルの厚みによりゴーグルに加わるベルト張力の作用方向に変化が生じ、結果としてゴーグルの顔面へのフィット感を損ね、風雪のゴーグル内への侵入を誘発する場合がある事が挙げられる。
【０００４】
具体的には、従来のヘルメット対応設計のゴーグルは図１４に示すように、正面視で左右に大きく、厚みも厚い傾向が見られる。これらは前述したヘルメットの厚みに対応したフレーム設計のためであるが、前面視の幅が大きいことからこのゴーグルを直接頭部に装着した場合、一般のヘルメット非対応設計のゴーグルより顔面へのフィット感は劣るものとなる。なお、図１４中、符号Ｇはゴーグル、符号９０はベルト、符号Ｒは内装・ライナー、符号Ｍは人頭、符号Ｓはヘルメットのシェルを示し、矢印は力のかかる方向を示す。図１５も同様である。
【０００５】
逆に従来のヘルメット非対応設計のゴーグルをヘルメットの上から装着すると、ベルトの張力によりゴーグルに顔面から浮き上がろうとする力が生じやすい。これはゴーグルの両サイドの厚みが小さいためベルトの結合部位置がヘルメット表面と顔面との間にくるからである。なお、ゴーグルの中には図１５に示すように、別パーツＰを介してベルトとフレームの結合位置をヘルメット表面に近くしているものもあるが、ベルト張力の作用方向に大きな変化はなく、効果が小さいのが現状である。
【０００６】
上記のことから、顔面へのフィット感や機能が直接成績にかかわるシビアな競技者は、複数種目に出場する場合、その競技種目に応じた異なるタイプのゴーグルを準備しなければならなかった。
【０００７】
なお、上述したものはスキー用ゴーグルについてであるが、モトクロス用ゴーグルその他のスポーツ用ゴーグル、作業用ゴーグル等についても顔面への良好なフィット感が要求されることから、同様の課題を有している。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明では、ヘルメットの着用時・非着用時及びヘルメットの内装・ライナーの厚みの大小にかかわらず、良好な顔面へのフィット感が得られるゴーグルを提供することを課題とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
（請求項１記載の発明）
請求項１記載の発明のゴーグルは、フレーム上部及びフレーム下部それぞれの左右部分にある突出位置から、フレームと一体成形で突出する軟質の弾性合成樹脂から成るアームを設け、当該アームは前記突出位置から離れたベルト取り付け位置近傍に終端を有し、当該終端近傍においてベルト取り付け部を介してベルトに接続し、かつ、アームが、前面視でフレームの前面の少なくとも一部に重なるか、当該前面の前方にあって前記前面にほぼ添うようにされている。
【００１０】
請求項２記載の発明のゴーグルは、レンズ保持枠の上枠部前面及びレンズ保持枠の下枠部前面それぞれの左右部分にある突出位置から、当該上枠部及び下枠部と一体成形で突出する軟質の弾性合成樹脂から成るアームを設け、当該アームは前記突出位置から離れたベルト取り付け位置近傍に終端を有し、当該終端近傍においてベルト取り付け部を介してベルトに接続し、かつ、アームが、前面視でレンズ保持枠の上枠部前面及びレンズ保持枠の下枠部前面に重なるか、又はほぼ添うようにされている。
【００１１】
請求項３記載の発明のゴーグルは、上記請求項１又は２記載の発明に関し、アームの終端近傍においてアーム上部とアーム下部が、フレーム側部の前面形状にほぼ合致する輪郭のアーム橋架部で接続され、当該アーム橋架部が、前面視でレンズ保持枠の側枠部前面に重なるか、又はほぼ添うように配置されている。
【００１２】
請求項４記載の発明のゴーグルは、上記請求項１乃至３のいずれかの発明に関して、前記突出位置とレンズ保持枠の中央との間隔が２〜８cmに設定してある。
【００１３】
ここで、これら発明のゴーグル特有の機能については以下の発明の実施の形態で明らかにする。
【００１４】
【発明の実施の形態】
以下、この発明のゴーグルの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【００１５】
図１はこの発明の実施の形態のスキー用ゴーグルの外観斜視図であってスポンジ板１４ａを捲った状態を示すものであり、前記ゴーグルは基本的には、フレーム１と、アーム２と、レンズ３と、伸縮弾性ベルト４とから構成されている。
【００１６】
以下に、このゴーグルの各構成部材について詳述する。
〔フレーム１について〕
フレーム１は、図１〜図３に示すように、前方に位置するレンズ保持枠１０と、前記レンズ保持枠１０の後方に位置する当板１１と、この当板１１に貼設された厚肉の所謂スポンジパッド１３を有するもので、前記保持枠１０と当板１１との間にベンチレーション部１２ａ，１２ｂを形成してある。なお、このフレーム１は全体がフレキシブルな塩化ビニル（軟質の弾性合成樹脂であれば他の樹脂も使用できる）により構成されており、中央部から両サイドに向かって徐々に薄くなるように設定されている。ここで、フレーム１の他の構成例としてはレンズ保持枠１０の後方に直接スポンジパッド１３を組付けたものも可能である。
【００１７】
レンズ保持枠１０は、図３に示すように、その内周面にはレンズ３を嵌合保持させるための嵌合溝１０ｄを形成してあり、詳細には記述しないが嵌合溝１０ｄに嵌まったレンズ３が不用意に抜け落ちないようにしてある。
【００１８】
当板１１は、図３示す如く、スポンジパッド１３を介したフレーム１と顔面との接触面積を大きくするためのものであり、レンズ保持枠１０と対応させた形状の帯状板（幅１５〜２０mm程度）により構成してある。
【００１９】
ベンチレーション部１２ａ，１２ｂは、上枠部１０ａ側と下枠部１０ｂ側とでは全く相違する構成としてあり、具体的には上側のベンチレーション部１２ａは図１に示す如くレンズ保持枠１０と当板１１間の三日月形空間部を接続片で区画するようにして構成してある。前記接続片はレンズ保持枠１０と当板１１との間の間隔と位置関係を弾力的に保持し、適当な弾性変形によってレンズ保持枠１０への衝撃もある程度吸収するものとしてある。他方、下側のベンチレーション部１２ｂは図２に示す如く二列の孔群により構成してある。なお、上記したベンチレーション部１２ａ，１２ｂは図３に示すように、厚みが薄いスポンジ板１４ａ，１４ｂにより閉蓋するようにしてあり、これにより空気以外の雪やゴミがゴーグル内部に侵入しないようにしてある。
〔アーム２について〕
アーム２は軟質塩化ビニルの如き弾性合成樹脂により上記フレーム１と一体成形して成るもので、図１や図２に示すように、レンズ保持枠１０前面の左右部分の形状に対応させて形成されていると共にこれの一方の端部２０がレンズ保持枠１０の上枠部１０ａの前面から、他方の端部２１がレンズ保持枠１０の下枠部１０ｂの前面から、それぞれ突出するものとしてある。そして、静置状態においてアーム２は、レンズ保持枠１における上下枠部１０ａ，１０ｂの前面とほぼ添う態様で配置されたものとしてあり、アーム２が前面視でレンズ保持枠１０内を遮らないようにしてある。ここで、前記端部２０，２１のレンズ保持枠１０からの突出位置は図２に示す如く、端部２０，２１のレンズ保持枠１０との接続部分の幅Ｗの中点として示され、図４に示すように、ゴーグルを顔面に装着した状態における左右の目と対応する垂直線Ｌ上に設定してある（この位置に限定されるものではなく、センターラインＣＬ寄りであっても、反対側寄りでもよい）。なお、アーム２のレンズ保持枠１からの突出位置とレンズ保持枠１０の中央点との距離は２〜８ｃｍの範囲内とするのが好ましい。その理由は、前記突出位置がレンズ保持枠１０の中央点から離れ過ぎるとゴーグルの全体的なフィット性が低下し、一方、レンズ保持枠中央に近づき過ぎるとフィット性低下ともにアーム２が長くなる分ゴーグルの重量が増大するからである。
【００２０】
また、このアーム２では、この終端となる部分を伸縮弾性ベルト４の取り付け位置としてあり、具体的には図１に示す上下の終端２２，２３に掛け渡した芯棒２４に伸縮弾性ベルト４端部の円筒部が外挿される態様で、伸縮弾性ベルト４はアーム２に取り付けられている。
【００２１】
さらに、アーム２の上部とアーム２の下部とはそれぞれの終端近傍においてフレーム側部の前面形状にほぼ合致する輪郭の橋架部２５で接続されている。
〔レンズ３について〕
レンズ３は、アクリル樹脂板で構成してあり、耐傷性に優れていると共に紫外線がほぼ完全にカットできるものを採用してある。
〔伸縮弾性ベルト４について〕
伸縮弾性ベルト４は、ベルト主体４０は伸縮自在に構成したものを使用しており、図１に示すように、アーム２に取り付けたベルト主体４０，４０相互をバックル４１を介して結合できるようにしてある。
〔このゴーグルを使用した場合の顔面へのフィット感について〕
▲１▼．図５は、薄い内装・ライナーＲを有するヘルメットを使用した状態でゴーグルＧを装着した場合の断面図である。図中、符号Ｍは人頭、符号Ｓはヘルメットのシェルを示すが、図６〜図８において同じ。
【００２２】
この場合、アーム２はフレーム１における上下枠部１０ａ，１０ｂの前面及び側枠部１０ｃ，１０ｃの前面と近接しており、この状態では、伸縮弾性ベルト４の弾性復帰力は図５に示すゴーグルＧの顔面への圧力Ｆに変換されている。したがって、このタイプのヘルメットの上からゴーグルＧを装着してもゴーグルＧが顔面から浮き上がるような力は作用しない。
【００２３】
また、このゴーグルＧのフレーム１は中央部から両サイドに向かって徐々に薄くなるように設定されているから、広い視野を確保できる（以下の▲２▼▲３▼も同じ）。
【００２４】
他方、このケースでさらにゴーグルＧの両サイドでの顔面への圧力の強化が必要な場合には図６に示すように、フレーム１とアーム２との間にアダプターＡＤを付加することにより好みのフィット感を得ることができる。
▲２▼．図７は厚い内装・ライナーＲを有するヘルメットを使用した状態でゴーグルＧを装着した場合の断面図である。
【００２５】
この場合、アーム２はレンズ保持枠１におけるＡ点を支点として柔軟に可動する。アーム２に作用するベルトの張力はＡ点にかかるため、伸縮弾性ベルト４の弾性復帰力は顔面への圧力Ｆに直接変換され、このように厚みのあるヘルメットの上からゴーグルＧを装着してもゴーグルＧが顔面から浮き上がるような力は作用しない。
▲３▼．図８は、直接人頭ＭにゴーグルＧを装着した場合を示した断面図である。この場合は、伸縮弾性ベルト４の弾性復帰力によりフレーム１の前面とアーム２の内面とが接近又は接触し、接触面から顔面へ圧力Ｆが加わる。したがって、頭に直接ゴーグルＧを装着した場合においてもゴーグルＧが顔面から浮き上がるような力は作用しない。
【００２６】
上記した図５〜図８の例はいずれもアーム２の突出位置をレンズ保持枠１０の前面に設けるものであるが、レンズ保持枠１０の上面に設けた場合でもアーム２がレンズ保持枠１０に重なるように配置しておけば類似の効果を達成できる。ただ、後者の場合はヘルメットを着用したときに、ヘルメットとゴーグルの間にアーム２の突出分だけの隙間を生ずるので、レンズ保持枠１０の前面に設けるのが好ましい。
▲４▼．このように、この実施形態のゴーグルＧを使用した場合、ヘルメットの着用時・非着用時及びヘルメットの内装・ライナーＲの厚みにかかわらず、常に広い視野を確保でき、且つ、良好な顔面へのフィット感が得られる。したがって、同一モデルのゴーグルにより複数の競技に使用できることになる。これに加えて、この実施形態のゴーグルＧではアーム２をフレーム１の前面に取り付ける構造としているから、ポール等との衝突による正面サイドからの衝撃力を抑制でき、更に、アーム２とフレーム１とは塩化ビニルを一体成形して構成したものであるからコスト低減（組み立て不要）を図れ、デザイン的にも優れたものとなる。
【００２７】
なお、上述したのはスキー用ゴーグルについてであるが、モトクロス用ゴーグルその他スポーツ用ゴーグル、及び作業用ゴーグルについてもこの発明を採用することが可能であり、この場合、同様に広い視野を得ることができると共に、顔面への良好なフィット感により埃や雪等がゴーグル内に侵入しないこととなる。
〔他の実施形態のゴーグルについて〕
次に、図９は上記したベンチレーション部１２ａの裏面側に遮風板５や偏風板６を着脱自在に取り付けることができるゴーグルのフレーム１を示しており、図１０〜図１３はベンチレーション部１２ａの裏面側に実際に遮風板５や偏風板６を取り付けた状態を示している。
【００２８】
このフレーム１では、図９に示すように、レンズ保持枠１０の後面と当板１１の前面にそれぞれ受け片１９ａを配設すると共に、前記受け片１９ａ，１９ａ相互間に複数の接続片１９ｂを架設してベンチレーション部１２ａを構成させてある。そして、図９に示すように当て片１１の前面から接続片１９ｂにかけて位置決め片１９ｃを形成すると共に、同図及び図１１に示す如くレンズ保持枠１０の後面と当板１１の前面に前記受け片１９ａから少し間隔（遮風板５や偏風板６の周縁部の厚み分程度の間隔）をあけて小舌片１９ｄ設けてある。
【００２９】
ここで、遮風板５は、図１０や図１１に示すように、平面視三日月形状に形成された薄板状の樹脂製のもので、位置決め片１９ｃと対応する位置にスリット５０を設けるようにして構成してある。この遮風板５は図１０や図１１に示すように、位置決め片１９ｃにスリット５０を外挿する態様で、その外周縁を受け片１９ａと小舌片１９ｄとで挟持するようにしてベンチレーション部１２ａの裏面側に取り付けられる。
【００３０】
他方、偏風板６は、平面視形状やスリット等及び材質、並びにベンチレーション部１２ａへの取り付け態様は上記遮風板５と同様であるが、この偏風板６は図１２や図１３に示すように、ベンチレーション部１２ａから流入してきた空気がレンズ３に沿って下方に流れるようにすべく、前方に向かって下方に傾斜する傾斜板６０ａを有した空気案内路６０を具備させてある。
【００３１】
【発明の効果】
発明の実施の形態の欄に記載した内容から、ヘルメットの着用時・非着用時及びヘルメットの内装・ライナーの厚みの大小にかかわらず、良好な顔面へのフィット感が得られるゴーグルを提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の実施形態のゴーグルの外観斜視図。
【図２】前記ゴーグルの下面図。
【図３】前記ゴーグルの縦断面図。
【図４】前記ゴーグルにおいてフレームからアームが突出する位置を示す正面図。
【図５】薄い内装・ライナーを有したヘルトメットを被った上から前記ゴーグルを装着した場合の断面図。
【図６】図５の状態において前記ゴーグルのフレームとアームとの間にアダプターを付加させた場合の断面図。
【図７】厚い内装・ライナーを有したヘルトメットを被った上から前記ゴーグルを装着した場合の断面図。
【図８】直接人頭にゴーグルを装着させた場合の断面図。
【図９】他の実施形態のゴーグルにおける上側ベンチレーション部の内面を示す図。
【図１０】前記ベンチレーション部の内面に遮風板を取り付けた状態を示す図。
【図１１】図１０の縦断面図。
【図１２】前記ベンチレーション部の内面に偏風板を取り付けた状態を示す図。
【図１３】図１２の縦断面図。
【図１４】厚い内装・ライナーを有したヘルトメットを被った上から先行技術のゴーグルを装着した場合の断面図。
【図１５】厚い内装・ライナーを有したヘルトメットを被った上から他の先行技術のゴーグルを装着した場合の断面図。
【符号の説明】
１フレーム
２アーム
３レンズ
４伸縮弾性ベルト
１０レンズ保持枠

Claims

フレーム上部及びフレーム下部それぞれの左右部分にある突出位置から、フレームと一体成形で突出する軟質の弾性合成樹脂から成るアームを設け、当該アームは前記突出位置から離れたベルト取り付け位置近傍に終端を有し、当該終端近傍においてベルト取り付け部を介してベルトに接続し、かつ、アームが、前面視でフレームの前面の少なくとも一部に重なるか、当該前面の前方にあって前記前面にほぼ添うようにされていることを特徴とするゴーグル。
レンズ保持枠の上枠部前面及びレンズ保持枠の下枠部前面それぞれの左右部分にある突出位置から、当該上枠部及び下枠部と一体成形で突出する軟質の弾性合成樹脂から成るアームを設け、当該アームは前記突出位置から離れたベルト取り付け位置近傍に終端を有し、当該終端近傍においてベルト取り付け部を介してベルトに接続し、かつ、アームが、前面視でレンズ保持枠の上枠部前面及びレンズ保持枠の下枠部前面に重なるか、又はほぼ添うようにされていることを特徴とするゴーグル。
アームの終端近傍においてアーム上部とアーム下部が、フレーム側部の前面形状にほぼ合致する輪郭のアーム橋架部で接続され、当該アーム橋架部が、前面視でレンズ保持枠の側枠部前面に重なるか、又はほぼ添うように配置されていることを特徴とする請求項１又は２記載のゴーグル。