JP3646057B2 - 流体注入システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、箱体に収納した緩衝用バッグへの流体注入システムに関する。
【0002】
【従来技術】
従来の物品の梱包では、箱体内に物品を収納すると共に、箱体内の物品を保護するための緩衝用エアバッグをエア未供給のまま収納する。作業者は先端が管状の手動充填機をエアバッグ内に挿入して箱体の蓋を閉じる。次に、箱体外周に帯状体(バンド)を巻きかけた後に、上記手動充填機からエアを供給してエアバッグを膨張させ、エア供給後に手動充填機をエアバッグから引き抜いて、箱体を出荷する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の梱包過程で、手動充填機をエアバッグ内に挿入したまま箱体を移動させることは困難なため、箱体の蓋を閉じる作業、箱体外周にバンドを巻きかける作業と、バッグへエアを注入する作業を同じ場所で行う必要がある。そこで、箱体の蓋を閉じるための装置や、箱体外周に帯状体(バンド)を巻きかけるための装置等が一カ所に集中し、複雑になる。更に手動充填機を作業者が手作業でセットするため、作業スピードに限界がある。
【0004】
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、物品の箱体への梱包作業の効率化、および高速化を実現可能とする流体注入システムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明の流体注入システムは、箱体内に収納した緩衝用バッグに、流体の供給口から流体を注入するためのシステムであって、前記緩衝用バッグの注入口を、緩衝用バッグに接続され、かつ該バッグから引き抜き可能なパイプで構成し、かつ該パイプが箱体から露出した状態で、該パイプをチャックすることにより位置決めして前記供給口へ接続するための手段を設けたことを特徴とする(請求項1)。注入する流体は例えばエアとするが、炭酸ガスや保冷用の液体などでも良い。また好ましくは、前記パイプを逆流防止弁を介して緩衝用バッグに接続する。
【0006】
好ましくは、前記箱体の膨張を検出して、前記供給口からの流体の注入を停止させるための手段を設ける(請求項2)。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を用いて説明するが、本発明の趣旨を越えない限り、何ら本実施の形態に限定されるものではない。
【0009】
図1は、本発明の実施形態における物品梱包システムを示す図である。図2は、蓋W1aが被せられ、バンドBが掛けられた状態の箱体W1を示す斜視図である。図3は、本発明の実施形態における、流体注入システム1及び、箱体W1を示す側面図である。図4は、図3の箱体W1,流体注入システム1の押圧部材3,可動フレーム6を示す平面図である。図5は、可動パイプ5からエア供給パイプZへのエア供給の状態を示す側面図である。図6は、エア供給後の押圧部材3、可動フレーム6、基盤部8の状態を示す側面図である。図7は、箱体変形検出手段12の動作原理を示す図4のローロ矢視図である。図8は、エアバッグY内へのエア供給前においてエア供給パイプZを挿入した状態を示す側面図である。図9は、エア供給パイプZを示す斜視図である。図10は、図3の押圧部材3と箱体W1とを示す図である。図11は、把持装置4の動作を示す図3のイーイ矢視図である。図12は、図3の基盤部8と可動フレーム6とを示す平面図である。図13は、流体注入システム1の緩衝用エアバッグYへのエア供給動作の順序を示すフローチャートである。
【0010】
先ず、本発明における物品梱包システムには、図1に示すように、搬送経路43上において、上流側から物品投入ステーションAS、バンド掛けステーションBS、自動の流体注入システム1を備えたエア供給ステーションCSが、この順番に配されている。またバンド掛けステーションBSには、自動的に箱体W1に対して蓋W1a(図2参照)を被せて閉じる図示しない蓋閉じ装置、およびバンドBを箱体W1外周に自動的に巻き掛ける図示しないバンド掛け装置が設けられている。
【0011】
又、図1の搬送経路43における流体注入システム1は、搬送経路43の箱体W1の搬送方向に沿って複数併設されている。流体注入システム1には、図3、図4に示すように、位置決め装置2として、押圧部材3と、把持部4aを備えた把持装置4とが設けられている。上記押圧部材3は、エア給排チューブ42に接続されたシリンダ14のシリンダロッド22に上下動可能に取り付けられている。一方、チャック手段としての把持部4aは、エア給排チューブ13に接続されたシリンダ27によって、旋回可能に取り付けられている。
【0012】
上記把持装置4,シリンダ27は、可動フレーム6に取り付けられており、該可動フレーム6には、把持装置4の下方にエア供給パイプ感知センサS1,エア供給チューブ17に接続された可動パイプ5が取り付けられている。該可動パイプ5はバネ30を介してプレート28に取り付けられている。又、該プレート28は、エア給排チューブ15に接続されたシリンダ16のシリンダロッド33に水平方向においてスライド可能に取り付けられている。
【0013】
更に、可動パイプ5内部には、図5に示すように、先端側にはエア供給口5a、弾性シール部32が形成され、中心部には、エア通路となる通気管31が設けられている。可動パイプ5は、上記通気管31の外周を摺動可能であると共に、通気管31は可動パイプ5の後端側から突出しており、この通気管31の突出部分の外周を覆うようにバネ30が設けられ、通気管31の一端はプレート28を貫通して該プレート28に固着されている。
【0014】
次に、図3において、上記可動フレーム6の下方には、枢軸7,軸受35(図6参照)を介して基盤部8が設けられている。該基盤部8はシリンダ9のシリンダロッド34に取り付けられ、シリンダ9はエア給排チューブ18に接続されている。該シリンダ9は、流体注入システム1の図示しない機台フレームに固着されて、所定位置に固定されている。ここで、上記基盤部8および可動フレーム6は、上記シリンダ9によって水平方向にスライド自在で、可動フレーム6はスライド方向と略直交する枢軸7回りに回動自在である。
【0015】
ここで、可動フレーム6と基盤部8との間に形成された隙間では、可動フレーム6の略中心部から突起23が基盤部8に向かって突出し、基盤部8から突起25が可動フレーム6に向かって突出している。この突起23−25間に、付勢手段であるバネ24が接続されている。通常は、突起23と突起25と枢軸7とが略同一直線上に位置している。
【0016】
又、図3において、可動パイプ5を取り付けた可動フレーム6,基盤部8,シリンダ9は、押圧部材3および図1の搬送経路43に対し、平面視において傾斜して設けられており、可動フレーム6及び基盤部8,シリンダ9と、押圧部材3、搬送経路43は図4に示す位置関係にある。
【0017】
図3において、上記エア供給チューブ17,エア給排チューブ13,15は、図3の可撓性ケーブル21に沿って束ねられ、エア給排切り換え部20に接続されている。エア給排切り換え部20には、各エア給排チューブ13,15,18,42に対して、各々別個に切換弁を設けてある。エア供給チューブ17は、エア供給、停止切り換えバルブ19に接続されている。押圧部材3の下方には、エア供給パイプ回収箱W2が備えられ、該回収箱W2の上端近傍には、エア供給パイプ感知センサS2,S3が設けられている。
【0018】
図4に示すように、箱体変形検出手段12が回動軸38を介して押圧部材3に対して回動自在に取り付けられており、箱体変形検出手段12は、図4、図7に示すように、棒状部材36,リンク37,回動軸38,スリット40を有した円弧状板39,円弧状板39即ちスリット40の移動を検出する検出部41とからなる。ここで、上記棒状部材36及びリンク37は回動軸38を介して連結されており、円弧状板39は回動軸38を介してリンク37即ち棒状部材36と連動可能に連結されている。
【0019】
更に、この流体注入システム1は、図3に示すように、上記エア供給、停止切り換えバルブ19およびエア給排切り換え部20の切り換え制御を行う制御装置10、10a、エア供給パイプ飽和状態報知灯44,及びそれを点灯制御する報知制御部11とを備えている。ここで、上記制御装置10aは、チューブ29を介して通気管31に接続されている。
【0020】
図1に示す物品梱包システムにおいて、物品投入ステーションASより上流側には、物品X収納前の空の箱体W1が流れ、物品投入ステーションASでは、搬送経路43の上流側の物品Xが収納されていない空の箱体W1に、物品X及び緩衝用のエアバッグYを収納し、ここでは、例えば、物品名、数量等を記入した伝票等と照合して、選別された所定の物品Xを収納する。
【0021】
次に、物品投入ステーションASを通過した箱体W1がバンド掛けステーションBSに到着する迄に、予めエア注入口Y1からエア供給パイプZを挿入して装着済みのエアバッグYを作業者は物品X上に敷いて(エアバッグ収納工程)、バンド掛けステーションBSに送り込む。上記エアバッグY内には、図8に示すように、エア注入口Y1が設けられ、内部には該エア注入口Y1を一端側とした筒部Y2が形成されており、他端側にはエア逆流防止弁Y3が設けられている。図5のエア供給口5aに接続可能なエア供給パイプZがエア注入口Y1から筒部Y2、エア逆流防止弁Y3を通過して挿入されて、エアバッグY(箱体W1)から引き抜き可能に装着されている。ここで、上記エア供給パイプZはエア供給路であり、外周面の途中に箱体内への入り込み防止用ストッパとしてフランジZ1を有している(図9参照)。
【0022】
作業者は、エア供給パイプZの一端側を箱体W1内(エアバッグY内)に入れ、他端側を上記箱体W1角部から外部へ突出させた状態にして、エアバッグを物品X上に敷くようにする。
【0023】
ここで、従来では、手動エア充填機の先端をエアバッグ内に挿入する手動作業が必要であったが、本発明では、上記エア供給パイプZを装着したエアバッグYを物品X上に敷けば良く、従来に比べて短時間で容易にエア供給のセッティングができる。よって、搬送経路43上にて、箱体W1の流れが停滞することは回避される。箱体W1に蓋W1aを被せた際に箱体W1の角部からエア供給パイプZ先端が突出するように、エア供給パイプZを配置する。但し、上記エアバッグ収納工程において、収納された物体Xの総体積が箱体W1内で略飽和(隙間が略ない)状態である箱体W1に対してはエアバッグYを収納せず、エアが流入するのを阻止するためにエア供給パイプZの代わりに、例えば該エア供給パイプZ先端に対して図9の二点鎖線で示す被膜状部材Z2を貼り付けたものや、上記パイプZに形状が酷似した部材(図示せず)等をセットする。
【0024】
上記エアバッグYを収納後、図1のバンド掛けステーションBSにおいて、上記エア供給パイプZによりエア供給路が確保されつつ、箱体W1の蓋W1a(図2参照)が自動的に被せられ、バンドBが箱体W1の外周に自動的に巻きかけられる。箱体W1から突出したエア供給パイプZは、図8に示す箱体W1に入り込んだ部分が下方に押し込まれ、図2に示すように、箱体W1から突出したエア供給パイプZの先端が斜め上方を向いた状態で、流体注入システム1に送りこまれる。ここで、エア供給パイプZの途中に設けられたフランジZ1は、箱体W1(エアバッグY)に挿入したエア供給パイプZ全体が、箱体W1(エアバッグY)内に入り込むのを防止する。
【0025】
次に、図1の流体注入システム1において、図3に示す位置決め装置2のうち、押圧部材3は、斜め上方を向いた状態のエア供給パイプZの先端を、図10に示すように、シリンダ14のシリンダロッド22の駆動によって下方に誘導し、略水平方向の可動パイプ5と同一平面上の位置になるように位置決めする。この時、棒状部材36が箱体W1の蓋W1aに当接する。
【0026】
又、図4の平面視において、可動パイプ5が取り付けられた可動フレーム6が、搬送経路43,箱体W1に対して傾斜しているのは、可動パイプ5の軸と、箱体W1から斜め上方に突出したエア供給パイプZの軸とを、略同軸上(一直線上)に配置するためである。しかしながら、上記2つの軸の方向は互いに多少のずれが生じることがある。そこで図11に示すように、上記押圧部材3によって可動パイプ5と同一平面上に位置決めされたエア供給パイプZの先端を、位置決め装置2の把持装置4が、2つの把持部4aによって挟持して可動パイプ5と略同軸上(一直線上)に位置決めする。
【0027】
図6に示すように、可動フレーム6,基盤部8がシリンダ9のシリンダロッド34によって、箱体W1に対して接近、離反方向に移動可能で、シリンダロッド34が伸長すると、図5に示すように、把持装置4がエア供給パイプZ先端付近の押圧部材3の下方に接近して、エア供給パイプZを把持できる。更に、エア供給パイプZを把持した状態でシリンダロッド34を収縮させると、図6に示すように、箱体W1から把持装置4及び可動フレーム6,基盤部8が離反し、把持したエア供給パイプZを引き抜くことができる。従って把持部材4は、エア供給パイプZの箱体W1からの引き抜き、回収装置を兼用している。この時、可撓性ケーブル21は、上記移動に伴って変形する。
【0028】
ところで、把持装置4の把持部4aがエア供給パイプZを把持したとしても、図12に示すように、エア供給パイプZの軸と可動パイプ5の軸とのずれが完全に補正されない状態で把持されることがあり、その場合、可動フレーム6側の突起23が枢軸7,突起25を結ぶ直線上からずれて、バネ24が伸長する。そこで、バネ24の収縮しようとする矢印方向の弾力性により、突起23と突起25と枢軸7とが略同一直線上に位置するように付勢される、枢軸7を中心に可動フレーム6が基盤部8に対して回動し、突起23と突起25と枢軸7とが略同一直線上に位置した時、可動フレーム6が基盤部8に対して平面視で略平行に位置する。この時、可動フレーム6の可動パイプ5と同軸上にエア供給パイプZが位置し、把持部4aに対するエア供給パイプZの方向のずれ補正が行われる。
【0029】
図5に示すように、可動パイプ5は、シリンダ16のシリンダロッド33の収縮によって、把持装置4で把持されたエア供給パイプZの先端に接続され、図3に示すエア供給、停止切り換えバルブ19のバルブ開放によって、エアがエア供給チューブ17を経て供給される。ここで、エア供給パイプZの先端が、通常の接続時の整合位置(エア供給位置)よりも可動パイプ5側にずれることがある。そこで、バネ30が収縮して、可動パイプ5が通気管31に対して摺動し、若干待避してずれを吸収し、適切にエア供給パイプZと可動パイプ5とを整合させる。
【0030】
可動フレーム6のエア供給パイプ感知センサS1は、箱体W1(図2参照)において、エア供給パイプZの装着漏れを検出するものである。ここで、収納された物品Xの総体積が箱体W1内で略飽和(隙間が略ない)状態である箱体W1に対してエアバッグYを収納しない場合でも、エア供給パイプZに代えて、例えば該パイプZに図9の二点鎖線で示す被膜状部材Z2を貼り付けたものや、上記パイプZに形状が酷似した部材(図示せず)等を箱体W1から突出させるようにするのは、図5のエア供給パイプ感知センサS1がエア供給パイプZの装着し忘れと判断するのを防止するためである。又、通気管31に関しては、エアバッグY内にエアを供給し満杯状態となった時、或いは、エア流入が阻止されている場合、供給されるエアが逆流し、通気管31内を流れる。そこで、通気管31内にエアが流れた時は、図3の制御装置10aが上記逆流エアの圧力を測定し、ある閾値に達すると、エア供給、停止切り替えバルブ19に対してエア供給停止するよう制御する。又、制御装置10、10aはエア給排切り換え部20を制御して、シリンダ9,14,16,27へのエア給排制御を行い、把持部4a、シリンダロッド22,33,34の伸長、収縮駆動を制御する。
【0031】
エアバッグY内にエアが供給されると、図7の二点鎖線で示すように、箱体W1が膨張(変形)した場合、箱体変形検出手段12のうち、蓋W1aと接触している棒状部材36が箱体W1表面によって変位する。この変位によって、リンク37及び円弧状板39が、回動軸38を中心として図7において反時計方向に回動する。この回動に伴ってスリット40が移動するが、これを検出部41が検出して、エアバッグY内のエアが満杯であることが検出される。本発明の実施形態において、蓋W1a(箱体W1)が剛性を有している場合、エア満杯状態でも蓋W1aの変形の度合いは比較的小さいため、上記箱体変形検出手段12の他に、図5に示す通気管31によるエア満杯検出方式を兼用する。
【0032】
エア供給パイプZ(エアバッグY)へのエア供給が終了すると、図6に示すように、シリンダロッド33が伸長して可動パイプ5が流体注入システムから待避する。更に、シリンダロッド22が伸長して、押圧部材3が上方に待避すると共に、シリンダロッド34の収縮に伴って可動フレーム6や基盤部8が箱体から離反する方向にスライドして、箱体W1からエア供給パイプZが引き抜かれる。ここで、引き抜かれて把持装置4に把持されたエア供給パイプZの重心は、可動フレーム6の先端よりも外側(箱体W1側)に位置しているため、把持装置4が把持を解除した時にエア供給パイプZは、可動フレーム6の先端側から下方に落下する。落下したエア供給パイプZは図3に示す回収箱W2に回収され、回収されたエア供給パイプZは再利用される。回収箱W2が上記パイプZで飽和すると、エア供給パイプ感知センサS3がエア供給パイプZを検出し、報知制御部11がエア供給パイプ飽和状態報知灯44を点灯させる。更に、エア供給パイプZが堆積してエア供給パイプ感知センサS2がエア供給パイプZを検出すると、流体注入システム1自体の停止制御を行う。
【0033】
エアバッグY内にエアが供給されて、該エアバッグY(箱体W1)からエア供給パイプZが引き抜かれると、エアバッグY内に供給されたエアの空気圧によって、図8のエア逆流防止弁Y3が閉じられ、エアバッグYからのエア漏れを防止する。
【0034】
ここで、図13を用いて流体注入システム1による、エアバッグYへのエア供給の手順を説明する。
【0035】
図1の搬送経路43上において、物品X及びエア供給パイプZを装着したエアバッグYの収納工程、箱体W1の蓋W1a(図2参照)を閉じる工程、バンドBを箱体W1外周に巻きかけるバンド掛け工程が完了した後、エア供給パイプZの先端が箱体W1の角部から斜め上方に突出した状態の箱体W1を流体注入システム1付近のエア供給位置(押圧部材3の下方)に位置決めする(s1)。
【0036】
図3に示す流体注入システム1の基盤部8及び可動フレーム6が、シリンダロッド34の伸長によって箱体W1に接近し、可動フレーム6の把持装置4をエア供給パイプZ先端の下方に位置させる(s2)。
【0037】
次に、図10に示すように、シリンダ14のシリンダロッド22を収縮させ、押圧部材3を下方に誘導し、斜め上方を向いた状態のエア供給パイプZの先端を略水平方向に位置決めし、図3の可動パイプ5と同一平面上の位置になるように位置決めすると共に、棒状部材36が箱体W1の蓋W1aに当接する(s3)。
【0038】
把持装置4の把持部4aが、図11に示すように、シリンダ27によって二点鎖線の位置迄旋回し、エア供給パイプZを挟持して把持する。更に、図12に示すように、エア供給パイプZの軸と可動フレーム6の可動パイプ5の軸とがずれている場合、バネ24が収縮して、突起23が突起25と基盤部8とを結ぶ直線上に位置させるように可動フレーム6が枢軸7を中心に回動し、これによってエア供給パイプZの軸のずれ補正が行われる(s4)。
【0039】
上記軸芯のずれ補正完了後、図3のシリンダロッド33の収縮により、図5に示すように、プレート28を介して可動パイプ5が水平方向にスライドし、エア供給パイプZ先端に接続され(s5)、図3の制御装置10がエア供給、停止切り替えバルブ19を開放する制御を行うことにより、エア供給チューブ17,可動パイプ5,エア供給パイプZを介してエアバッグY内へのエア供給を行う(s6)。
【0040】
エアバッグY内のエア供給により、図7の二点鎖線で示すように、箱体W1が膨張(変形)すると、箱体変形検出手段12の棒状部材36が変位し、円弧状板39が回動軸38を中心として図7において反時計方向に回動する。この回動によるスリット40の移動を検出部41が検出すると、図3の制御装置10は、上記停止切り替えバルブ19を閉じてエア供給停止の制御を行う。或いは、蓋W1a(箱体W1)が剛性を有しているか、エアの流入が阻止されている場合、供給されるエアが図3において通気管31内を流れると、制御装置10aは、上記停止切り替えバルブ19を閉じてエア供給停止の制御を行う。そこで、制御装置10,10aはシリンダロッド22を伸長させて、押圧部材3をエア供給位置付近から上昇、待避させると共に、シリンダロッド33の伸長により可動パイプ5をエア供給パイプZから離反させる(s7,s8,s9)。
【0041】
次に、図6に示すように、シリンダロッド34が収縮すると、基盤部8,可動フレーム6が箱体W1から離反し、これに伴って、把持装置4により把持されたままの状態で、エア供給パイプZが箱体W1から引き抜かれる(s10)。
【0042】
シリンダ27の駆動により、把持装置4の把持部4aが図11の二点鎖線の位置から実線の位置に旋回して、エア供給パイプZの把持状態を解除、開放する。図6において把持状態が解除されたエア供給パイプZの重心は可動フレーム6先端より外側に位置しているため、エア供給パイプZは可動フレーム6の先端側から落下し、図3に示す下方の回収箱W2に回収される(s11)。
【0043】
上記流体注入システム1によるエア供給が完了すると、箱体W1は流体注入システムから排出され、図1に示すように、出荷可能な状態が完成し、更に次の箱体W1を取り込むことにより、上記s1乃至s11のステップを繰り返す(s12)。
【0044】
このように、図1に示す物品Xの梱包システムを箱体搬送経路43上に、該搬送路43の上流側から、物品X及びエア供給パイプZを装着したエアバッグYを収納するための物品投入ステーションAS、上記エアバッグYへのエア供給路をエア供給パイプZにより確保しつつ箱体W1に蓋W1aを被せ、該箱体W1外周にバンドBを巻きかけるためのバンド掛けステーションBS、エアバッグY内へエア供給を自動的に行う流体注入システム1を備えたエア供給ステーションCSを順番に配置したことにより、作業者の介入する作業を簡略化する事ができると共に、箱体W1の蓋W1a(図2参照)を閉じる作業、箱体W1外周にバンドBを巻きかける作業、エアバッグY内にエアを供給する作業を各々分業化させることができ、搬送経路43において箱体W1を円滑に各工程へ流すことができる。
【0045】
又、箱体W1から突出して設けられたエア供給パイプZを介して、箱体W1内にエアを供給する際、図3において、エア供給パイプZを可動パイプ5と略同軸上のエア供給位置に位置決めする位置決め装置2として、押圧部材3、把持装置4を設けたことにより、エア供給パイプZと可動パイプ5とが確実に接続されてから自動的にエア供給を行うことができる。
【0046】
流体注入システム1に、図4,図7に示すような箱体変形検出手段12を設けたことにより、エアバッグY内のエアが所定量となった際に発生する箱体W1の変形を確実に検出して、過剰なエア供給を防止できる。又、図5に示すように、通気管31を設けると、図8のエアバッグY内にエアを供給し満杯状態となった時、或いは、エア供給パイプZにエア流入が阻止されている場合、確実に図3の制御装置10aによってエア供給を停止させることができる。
【0047】
図3に示すように、エア供給パイプZの引き抜きを、把持装置4と、シリンダ9のシリンダロッド34とにより行うと、把持装置4を、エア供給パイプZの位置決め保持用及び、引き抜き用に兼用でき、自動的にエア供給パイプZを引き抜くようにして、エア供給パイプZが後の作業の妨げになるのを防止でき、回収されたエア供給パイプZを再利用できる。
【0048】
図8に示すように、エア供給口5a(図5)に接続可能で且つエアバッグY(箱体W1)から引き抜き可能なエア供給パイプZが(図9参照)、予めエア注入口Y1から挿入されて装着されているエアバッグYを用いると、流体注入システム1によるエア供給を、エア供給パイプZを介して容易に行うことができると共に、搬送経路上におけるエアバッグYのセッティング作業の時間を短縮できる。
【0049】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されるので、以下のような効果を奏する。
【0050】
請求項1の発明では、緩衝用バッグの注入口が箱体から露出している状態から、注入口を位置決めし流体の供給口へ接続するので、物品や緩衝用バッグの収納、箱体の蓋を閉じバンド掛けするなどの作業と、流体の注入とを別の場所で行える。このため梱包作業の効率が増す。また注入口と供給口とを自動的に位置決めできるので、流体の注入を自動化できる。さらに注入口をパイプで構成してチャックして位置決めするので、位置決めが容易である。また流体の注入後に、パイプをチャックしたまま、箱体とチャック位置とを引き離せば、自動的にパイプを箱体から分離でき、分離したパイプは再利用できる。
【0051】
請求項2の発明では上記に加えて、箱体の膨張を検出して流体の注入を停止するので、確実に必要量の流体を注入できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態における、物品梱包システムを示す図である。
【図2】 実施形態のバンド掛けステーションの下流側での、蓋が被せられ、バンドが掛けられた状態の箱体を示す斜視図である。
【図3】 本発明の実施形態における、流体注入システム及び箱体を示す側面図である。
【図4】 図3の箱体、流体注入システムの押圧部材、可動フレームを示す平面図である。
【図5】 実施形態での、可動パイプからエア供給パイプへのエア供給時の、可動パイプの断面を示す図である。
【図6】 実施形態の流体注入システムでの、エア供給後の押圧部材、可動フレーム、基盤部の状態を示す側面図である。
【図7】 箱体変形検出手段の動作原理を示す図4のローロ矢視図である。
【図8】 実施形態の物品投入ステーションの下流側での、エアバッグ内へのエア供給前における、エア供給パイプを挿入した箱体の断面、ならびにエア供給パイプの斜視図である。
【図9】 実施形態のエア供給パイプを示す斜視図である。
【図10】 図3の押圧部材と箱体とを示す図である。
【図11】 把持装置の動作を示す図3のイーイ矢視図である。
【図12】 図3の基盤部と可動フレームとを示す平面図である。
【図13】 実施形態の流体注入システムの、エアバッグへのエア供給動作の順序を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 流体注入システム
2 位置決め装置
3 押圧部材
4 把持装置
5 可動パイプ
6 可動フレーム
7 枢軸
8 基盤部
9 シリンダ
10、10a
制御装置
S1、S2、S3
エア供給パイプ感知センサ
W1 箱体
W1a 蓋
W2 回収箱
Z エア供給パイプ
Claims (2)
- 箱体内に収納した緩衝用バッグに、流体の供給口から流体を注入するためのシステムであって、前記緩衝用バッグの注入口を、緩衝用バッグに接続され、かつ該バッグから引き抜き可能なパイプで構成し、かつ該パイプが箱体から露出した状態で、該パイプをチャックすることにより位置決めして前記供給口へ接続するための手段を設けたことを特徴とする、流体注入システム。
- 前記箱体の膨張を検出して、前記供給口からの流体の注入を停止させるための手段を設けたことを特徴とする、請求項1に記載の流体注入システム。
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