JP3644467B2 - 精製柿渋の製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は古くから清酒その他の酒類製造時の清澄化目的に用いられ、食品、化粧品、製紙、又は繊維産業の分野においても広く使用されている柿渋の精製方法に関し、さらに詳しくは従来製品の問題点、即ち▲1▼特有の臭気があり、細菌的にも不衛生である、▲2▼不純物の影響で保存中に皮膜を形成し欠減が生じる、▲3▼柿の品種、収穫時期によりタンニン濃度が異なり、タンニン濃度を一定にした安定商品を供給するにはブレンドという方法しかなく、製造上限界がある、等を全て解消し、しかもタンニン濃度を自由に調整して、濃縮品も加水調整品も製造することができる精製柿渋及びその安価で効率的な製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の柿渋の製造技術は古くから伝えられてきた方法で、まず原料渋柿を搾汁して汁液を得、これを容器に入れて常温で放置し自然に静置発酵させて搾汁中の糖質を微生物により資化させて取り除き、その後熟成を行っていた。この工程中に揮発性の有機酸(酢酸;Mw60、プロピオン酸;Mw74、酪酸;Mw88)が副製し、これらが柿渋臭気の原因となっていた。さらに加熱殺菌をし(火入れを行い)、通常2〜3年間常温度で放置熟成させたものが商品となっていた。この商品は凝集性を示す成分を残してその他の高分子不純物を沈殿除去したもので、有機酸、無機物など多量の低分子物質を含んでいるため、常法の濃縮法では限界があり、従って製品としての柿渋濃度はボーメ5〜6°でタンニンの力価は150程度のものであった。しかも製造期間も長く必要とした。
【0003】
ここで言うタンニン力価は、コロイド滴定法(国税庁所定分析法注解、p337、(財)日本醸造協会発行、昭和56年)に従って測定した値である。即ち、タンニン力価は負コロイドである柿タンニンにそれ以上の正コロイドであるメチルグリコールキトサンを一定量加えて反応させ、余ったメチルグリコールキトサン量を負コロイドであるポリビニル硫酸カリウムで滴定し、盲検値との差し引きをもって柿タンニン量とする定量法で求められ、柿渋原液1ml当たりのN/400ポリビニル硫酸カリウム滴定値をもって表示する。
【0004】
柿渋は天然物からの製造であるから、その品質も厳密にはかなり多様性で、性質面でも差異がある。柿渋は熟成中に化学的な変化を伴い、官能的にも色、香り、粘調性等が異なり、減圧濃縮しても特有の臭気は完全に除去できない。自然発酵の代わりに柿渋を殺菌した後、酵母( Saccharomyces bayanus )を加えて発酵させて糖質を資化させる改良方法が開発されているが、発酵時に発泡が著しく製造装置的に問題がある。また柿の産地、収穫年次及び熟度などによって糖組成が異なるために、糖質の資化性が一様でなく、全ての原料で完全無臭化することが難しい等の問題がある。しかも前述した如く低分子の含有不純物が多いために、常法の濃縮法では高タンニン力価のものが安定して製造できなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、発酵法による糖質の資化除去、減圧濃縮に代わって、溶媒抽出法、クロマトグラム法による吸着・分離方法、イオン交換法、逆浸透法、凍結濃縮法などを検討したが、いずれもいくつかの欠点があって実用的ではなかった。即ち、溶媒抽出法では有機溶媒を多量に使用するため作業上危険が伴い、クロマトグラム法やイオン交換法では回収率が悪くコスト高となり、逆浸透法や凍結濃縮法では柿渋臭気が完全に除去できない等の欠点があった。
【0006】
本発明はかかる従来技術の欠点を解消するために創案されたものであり、その目的は膜孔径による分子サイズのふるい分けを機能とする限外濾過膜を使用して、溶媒である水と共に低分子物質を除去することにより柿渋特有の臭気を取り除き、かつ濃度を自由に調整して濃縮品も加水調整品も得ることができる精製柿渋及びその安価で効率的な製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者はかかる目的を達成するために限外濾過膜を使用して柿渋の低分子成分を除去する方法について鋭意検討した結果、遂に本発明の完成に至った。
【0008】
即ち、本発明は渋柿より搾汁して得られた原料柿渋搾汁液を好ましくは55〜100℃、より好ましくは70〜90℃に加熱し、その液を、分子量が3000より小さい物質を透過させる限外濾過膜を使用して、好ましくは20〜95℃で、より好ましくは40〜60℃で循環濾過することによって、水と共に低分子成分を除去する工程を含むことを特徴とする精製柿渋の製造法である。
【0009】
また、本発明は酢酸、プロピオン酸、酪酸を含む揮発性有機酸、グルコース、フルクトースを含む糖質及び無機物を含む、分子量1000以下の低分子成分が除去されていることを特徴とする精製柿渋である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明で使用する原料柿渋搾汁液は、原料渋柿として、岐阜県産の田村柿、京都府産の天王柿、愛媛県産の愛宕柿、福島県産の会津柿などを使用し、まずタニナカ式粉砕機により柿実を細かくした後、庄田式圧搾機(スクリュープレス)で搾汁して固液分離を行うことによって得られるものである。このとき副産物として生成される残渣の粕は廃棄される。ここで得られる搾汁液は柿渋の主成分である柿タンニンとともに臭気の原因となる揮発性有機酸、無機物及び糖質等が多く含まれている。
【0011】
次に、こうして得られた柿渋搾汁液を加熱して殺菌し、熱凝固性の物質を凝固させた後、例えば濾過又は遠心分離により透明な濾液とする。このときの加熱温度は55〜100℃、好ましくは70〜90℃で30秒以上保持することが好ましい。柿渋は主に清酒の清澄剤として使用されているため、清酒の腐敗菌である火落ち菌の混入を防止するため55℃以上の加熱殺菌が必要であり、またそれ以外の酵母菌や細菌を効率よく殺菌するため瞬間殺菌として70℃以上で1〜2分間保持することが好ましい。
【0012】
濾過法では、濾過助剤として使用されている珪藻土を柿渋搾汁液重量の0.2〜5%の割合で搾汁液に添加して濾過するか、あるいは前もってプレコートした濾過機を用いることが好ましい。
また遠心分離法では、高速に回転するバケットの中に柿渋搾汁液を送り込み、回転によって生じる遠心力により連続的に固液分離する。この方法は珪藻土濾過が困難な場合に使用する。
【0013】
次に、こうして得られた透明な濾液を、限外濾過膜を使用して循環濾過することにより、低分子成分を除去する。限外濾過膜としては、酢酸セルロース、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリオレフィンなどの合成高分子多孔質膜、耐熱性、耐pH性及び耐薬品性があり、熱殺菌できるポリエーテルスルホン膜やポリスルホン膜、あるいは有機溶剤耐性のポリイミド膜やセラミック膜が挙げられる。
【0014】
限外濾過における濾過プロセスとしては、加圧濾過法、減圧濾過法などがあり、濾過タイプとしては一過式、多段一過式、循環方式などがあるが、工業的に安価に効率良く生産するには循環濾過方式が好ましい。このときの液温は20〜95℃、好ましくは30〜80℃、さらに好ましくは40〜60℃に保持する。かかる温度範囲で循環濾過すると濾過効率が良くかつ雑菌混入が防止でき、膜自体のダメージも少なくすることができる。
【0015】
本発明者は対象とする原料柿渋の性状や限外濾過の操作条件を考慮し検討した結果、▲1▼柿タンニンの分子量は約4500以上である、▲2▼耐熱性がある、▲3▼低いpHでも耐性がある(柿渋のpHは3〜4)、▲4▼柿タンニン分子の膜面への付着が少ない、▲5▼高温でアルカリ洗浄できる(柿渋の付着はアルカリ洗浄が最も効果的である)、等を満足しなければならないことがわかった。これらの条件を満足する柿渋の精製法として、分画分子量3000以上でポリエーテルスルホン膜、ポリスルホン膜又はセラミック膜で作られている中空糸モジュールの限外濾過膜を使用した濾過装置を用いた、加圧濾過法による循環濾過が最も好ましいことを見出した。
【0016】
以上のように限外濾過膜を使用して柿渋を精製することによって、柿渋に溶存している臭気原因物質である多量の揮発性有機酸、無機物、糖質等の分画分子量以下の低分子物質は効率良く膜を透過し、一方で柿タンニンは膜で阻止され、適宜濃縮することによってタンニン濃度(コロイド力価)200以上の無臭の柿渋製品を得ることができる。また得られた柿渋製品は加水又は濃縮調整することによって130以上の製品規格値のタンニン濃度(コロイド力価)の範囲で所望の製品を得ることができる。
【0017】
【実施例】
本発明を以下の実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例中のタンニン力価は国税庁所定分析法注解、p337((財)日本醸造協会発行、昭和56年)に従って測定し、有機酸は高速液体クロマトグラフィー( Shim - pack SCR −102H 島津製作所(株)製)によって分析した。また臭気の測定はパネラー10名による官能検査で行い、10名全員が明らかに臭気を感じた場合に「柿渋臭」と表示し、10名全員が明らかに臭気を感じなかった場合に「完全無臭」と表示した。さらにタンニン回収率は(タンニン力価×柿渋容量)を限外濾過前及び限外濾過後について計算し、それらの値から100×〔(限外濾過後)/(限外濾過前)〕を計算して求めた。
【0018】
実施例 1
渋柿(岐阜県産の田村柿、平成5年収穫)1000Kgを庄田式圧搾機を用いて搾汁液600lを得た。これをプレートヒーターにて80℃に昇温後、1分間保持し、火入れの後、珪藻土6Kgを添加し、撹拌によるボデイエイドを行い、濾過圧搾機(薮田式、90F、5m2 )を用いて透明な液とした。
【0019】
この濾液(固形分濃度5%、タンニン力価130、酸度2.1、pH3.7)300lをポリエーテルスルホン膜の中空糸モジュール(ダイセル化学工業(株)製;分画分子量;10000、89φ×1129L×5本、総膜面積25m2 )の限外濾過装置を用いて0.8〜1.2Kg/cm2 のゲージ圧で50〜60℃に保温しながら循環させた。加水、濃縮を繰り返し、3時間後に透過希薄液3980l、濃縮柿渋液140lが得られた。この時の透過速度は53.1l/m2 ・hrであった。この濃縮柿渋製品(タンニン力価260)と加水調整した柿渋製品(タンニン力価130)を従来方法による柿渋製品(上記の透明な液)と比較したデータを表1に示した。タンニン回収率は93%であった。
【0020】
【表1】
Figure 0003644467
【0021】
実施例 2
渋柿(京都府産の天王柿、平成3年収穫)1000Kgを庄田式圧搾機を用いて搾汁液640lを得た。これをプレートヒーターにて90℃に昇温後、1分間保持し、火入れの後、珪藻土7Kgを添加し、撹拌によるボデイエイドを行い、濾過圧搾機(薮田式、90F、5m2 )を用いて透明な液とした。
【0022】
この濾液(固形分濃度8%、タンニン力価160、酸度1.8、pH3.9)320lをポリスルホン膜の中空糸モジュール((株)クラレ製;分画分子量;13000、114φ×1100L×5本、総膜面積25m2 )の限外濾過装置を用いて0.8〜1.2Kg/cm2 のゲージ圧で45〜55℃に保温しながら循環させた。加水、濃縮を繰り返し、3時間後に透過希薄液3370l、濃縮柿渋液150lが得られた。この時の透過速度は44.9l/m2 ・hrであった。この濃縮柿渋製品(タンニン力価320)と加水調整した柿渋製品(タンニン力価160)を従来方法による柿渋製品(上記の透明な液)と比較したデータを表2に示した。タンニン回収率は94%であった。
【0023】
【表2】
Figure 0003644467
【0024】
実施例 3
渋柿(愛媛県産の愛宕柿、平成4年収穫)1000Kgを庄田式圧搾機を用いて搾汁液620lを得た。これをプレートヒーターにて70℃に昇温後、2分間保持し、火入れの後、珪藻土7Kgを添加し、撹拌によるボデイエイドを行い、濾過圧搾機(薮田式、90F、5m2 )を用いて透明な液とした。
【0025】
この濾液(固形分濃度6%、タンニン力価140、酸度1.5、pH4.1)310lをポリスルホン膜の中空糸モジュール((株)クラレ製;分画分子量;13000、114φ×1100L×5本、総膜面積25m2 )の限外濾過装置を用いて0.8〜1.2Kg/cm2 のゲージ圧で45〜55℃に保温しながら循環させた。加水、濃縮を繰り返し、3時間後に透過希薄液3440l、濃縮柿渋液200lが得られた。この時の透過速度は45.9l/m2 ・hrであった。この濃縮柿渋製品(タンニン力価200)と加水調整した柿渋製品(タンニン力価140)を従来方法による柿渋製品(上記の透明な液)と比較したデータを表3に示した。タンニン回収率は92%であった。
【0026】
【表3】
Figure 0003644467
【0027】
実施例 4
渋柿(福島県産の会津柿、平成6年収穫)1000Kgを庄田式圧搾機を用いて搾汁液600lを得た。これをプレートヒーターにて90℃に昇温後、1分間保持し、火入れの後、珪藻土6Kgを添加し、撹拌によるボデイエイドを行い、濾過圧搾機(薮田式、90F、5m2 )を用いて透明な液とした。
【0028】
この濾液(固形分濃度7%、タンニン力価100、酸度1.3、pH4.2)3lをセラミック膜モノリスモジュール(日本ガイシ(株)製;分画分子量;10000、30φ/4φ−19,1000L×1本、総膜面積0.24m2 )の限外濾過装置を用いて0.8〜1.2Kg/cm2 のゲージ圧で50〜60℃に保温しながら循環させた。加水、濃縮を繰り返し、3時間後に透過希薄液36l、濃縮柿渋液1.4lが得られた。この時の透過速度は50.0l/m2 ・hrであった。この濃縮柿渋製品(タンニン力価200)と加水調整した柿渋製品(タンニン力価100)を従来方法による柿渋製品(上記の透明な液)と比較したデータを表4に示した。タンニン回収率は93%であった。
【0029】
【表4】
Figure 0003644467
【0030】
実施例 5
渋柿(京都府産の天王柿、平成7年収穫)1000Kgを庄田式圧搾機を用いて搾汁液590lを得た。これをプレートヒーターにて80℃に昇温後、1分間保持し、火入れの後、遠心分離機(斎藤遠心機工業社製:ADS−3001CS、5.5kw、7300rpm)を用いて透明な液とした。
【0031】
この液(固形分濃度9%、タンニン力価160、酸度2.8、pH3.8)290lを、ポリエーテルスルホン膜の中空糸モジュール(ダイセル化学工業(株)製;分画分子量;30000、89φ×1129L×5本、総膜面積25m2 )の限外濾過装置を用いて0.8〜1.2Kg/cm2 のゲージ圧で40〜50℃に保温しながら循環させた。加水、濃縮を繰り返し、3時間後に透過希薄液3170l、濃縮柿渋液200lが得られた。この時の透過速度は42.3l/m2 ・hrであった。この濃縮柿渋製品(タンニン力価200)と加水調整した柿渋製品(タンニン力価160)を従来方法による柿渋製品(上記の透明な液)と比較したデータを表5に示した。タンニン回収率は86%であった。
【0032】
【表5】
Figure 0003644467
【0033】
実施例 6
酒類清澄剤としての有効性について、表1に記載した柿渋製品を用いて清酒原酒・割り水・火入れ後の清酒のオリ下げ試験を行い、その比較検討を行った。
オリ下げ試験は、清酒製造技術((財)日本醸造協会発行、p309〜315、昭和60年)に従い、従来方法、本発明方法(加水調整品)、本発明方法(濃縮品)の結果をそれぞれ表6、7、8に示した。
【0034】
【表6】
Figure 0003644467
【0035】
【表7】
Figure 0003644467
【0036】
【表8】
Figure 0003644467
【0037】
実施例 7
酒類清澄剤としての有効性について、表2に記載した柿渋製品を用いて味醂熟成もろみ・搾汁・火入れ後の味醂のオリ下げ試験を行い、その比較検討を行った。
オリ下げ試験は、清酒製造技術((財)日本醸造協会発行、p309〜315、昭和60年)に従い、従来方法、本発明方法(加水調整品)、本発明方法(濃縮品)の結果をそれぞれ表9、10、11に示した。
【0038】
【表9】
Figure 0003644467
【0039】
【表10】
Figure 0003644467
【0040】
【表11】
Figure 0003644467
【0041】
【発明の効果】
本発明の方法は柿渋の主成分である柿タンニンとその他の成分(揮発性有機酸等)の特異的な分子量差に着目して、耐熱性、耐pH性、耐薬品性に優れたポリエーテルスルホン膜又はポリスルホン膜の中空糸モジュール、更にはセラミック膜を使用した膜分離システムを用いることで、簡便に効率良く無臭の柿タンニンを分離精製することができる。
清澄剤(食品添加物)として多量に添加した場合でも、酒類(食品)の風味を損なうことがなく、また環境的、衛生的にみても、今後食品産業において幅広い利用が見込まれる。
更に、清澄剤(食品添加物)のみならず、その他の産業分野にも広く開発が進み、天然素材としての柿渋の利用価値が高まってくると考えられる。

Claims (6)

  1. 渋柿より搾汁して得られた原料柿渋搾汁液を、分子量が3000より小さい物質を透過させる限外濾過膜を使用して、循環濾過することによって、水と共に低分子成分を除去する工程を含むことを特徴とする精製柿渋の製造法。
  2. 柿渋搾汁液を55〜100℃に加熱し、20〜95℃で循環濾過することを特徴とする請求項1記載の精製柿渋の製造法。
  3. 柿渋搾汁液を70〜90℃に加熱し、40〜60℃で循環濾過することを特徴とする請求項1記載の精製柿渋の製造法。
  4. タンニン濃度(コロイド力価)を200以上に濃縮する工程を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の精製柿渋の製造法。
  5. タンニン濃度(コロイド力価)を130以上の範囲で濃縮又は加水調整する工程を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の精製柿渋の製造法。
  6. 限外濾過膜としてポリエーテルスルホン膜、ポリスルホン膜又はセラミック膜を使用することを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の精製柿渋の製造法。
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