JP3643690B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、保湿作用及び真皮線維芽細胞活性化作用が相乗的に増強され、真皮線維芽細胞に対する紫外線による傷害を防御する作用を有し、シワの発生、皮膚弾性の低下といった皮膚老化症状の防止或いは改善に有効で、抗炎症作用,創傷治癒促進作用をも有する皮膚外用剤に関する。さらに詳しくは、アガリクス茸(Agaricus blazei Murill)の子実体抽出物と、動物由来の生理活性物質、抗炎症剤、ムコ多糖類、2−ヒドロキシカルボン酸,これらの塩及び誘導体を併用して成る、皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
加齢や紫外線等外来ストレスにより生じるしわ,シミの発生、皮膚弾性の低下といった皮膚の老化症状には、皮膚真皮の線維芽細胞の機能低下やマトリックス線維の減少又は分解が重要な要因となっている。従って、皮膚の老化防止,改善作用を有する老化防止用皮膚外用剤を得るため、線維芽細胞の賦活或いは増殖促進作用を有する成分の検索と配合が試みられている。
【0003】
例えば、ビワ抽出物(特公平5−17206号公報),α−ヒドロキシ酢酸(特開平5−112422号公報),α−ヒドロキシ酸のステロールエステル(特開平8−104632号公報),6-ベンジルアミノプリン(特開平7−233037号公報),特定のリボヌクレアーゼ(特開平7−309778号公報),L-リシル-L-グリシル-L-ヒスチジン(特開平7−316192号公報),乳汁由来線維芽細胞増殖因子(特開平8−119867号公報),酸化型コエンザイムA(特開平8−175961号公報)等が開示されている。
【0004】
しかしながら、上記の真皮線維芽細胞賦活効果を有する成分等の中には、作用効果が不十分であったり、安定性が悪かったりして、皮膚外用剤基剤中に含有させた場合、有効な効果を得るにはかなりの量を含有させなければならないものも存在していた。また、好ましくない副作用や刺激性などを有していたり、製剤安定性に悪影響を及ぼすものや、臭いや色の点で外用剤に配合しにくいもの、一定の作用,品質を維持することの困難なものも多かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明においては、保湿作用及び真皮線維芽細胞活性化作用が相乗的に増強され、シワ,シミの発生、皮膚の弾性の低下といった皮膚の老化症状の防止或いは改善に、優れた効果を発揮する皮膚外用剤を得ることを目的とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、アガリクス茸(Agaricus blazei Murill)の子実体抽出物において、高い真皮線維芽細胞賦活作用が得られることを見いだしている(特願平9−267936)。今回、このアガリクス茸子実体抽出物と、動物由来の生理活性物質、抗炎症剤、ムコ多糖類、2-ヒドロキシカルボン酸,これらの塩及び誘導体を併用することにより、皮膚生理機能が活性化され、保湿効果及び真皮線維芽細胞活性化効果が相乗的に高まることを見いだした。そして、これらを併用して皮膚外用剤に含有させることにより、シワ,シミの発生,皮膚の弾性の低下といった皮膚の老化症状の防止或いは改善に優れた効果を発揮し得る皮膚外用剤を得ることができ、上記課題を解決するに至った。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明する。
【0008】
本発明で用いられるアガリクス茸(Agaricus blazei Murill)は、担子菌類ハラタケ目ハラタケ科ハラタケ属の一種で、カワリハラタケやヒメマツタケともよばれ、工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託番号、生命研菌寄第4731号として寄託されている。
【0009】
本発明に於いて、アガリクス茸の子実体から抽出物を得る場合、生の子実体或いは乾燥した子実体のいずれを用いても良い。子実体からの抽出溶媒としては、極性溶媒が好ましく用いられる。例えば、水、エタノール,メタノール,イソプロパノール,イソブタノール,n-ヘキサノール,メチルアミルアルコール,2-エチルブタノール,n-オクチルアルコール等のアルコール類、グリセリン,エチレングリコール,エチレングリコールモノメチルエーテル,エチレングリコールモノエチルエーテル,プロピレングリコール,プロピレングリコールモノメチルエーテル,プロピレングリコールモノエチルエーテル,トリエチレングリコール,1,3-ブチレングリコール,ヘキシレングリコール等の多価アルコール又はその誘導体等から選択される1種の溶媒又は2種以上の混合溶媒が使用できる。また、極性溶媒に無機塩類,界面活性剤などを添加して用いても良い。これらの極性溶媒の中でも、エタノール,メタノール,1,3-ブチレングリコール,水から選択される1種の溶媒又は2種以上の混合溶媒、及びこれらの溶媒に無機塩,界面活性剤を添加した溶媒が好ましく用いられる。
【0010】
さらに抽出方法としては、室温下,冷却又は加温した状態で含浸させて抽出する方法、水蒸気蒸留等の蒸留法を用いて抽出する方法、生のアガリクス茸子実体を直接圧搾して抽出物を得る圧搾法等が例示され、これらの方法を単独で又は2種以上を組み合わせて抽出を行う。
【0011】
抽出の際のアガリクス茸子実体と溶媒との比率は特に限定されるものではないが、アガリクス茸子実体1に対して溶媒0.5〜1000重量倍、特に抽出操作,効率の点で0.5〜100重量倍が好ましい。また抽出温度は、常圧下で5℃から溶剤の沸点以下の範囲とするのが便利であり、抽出時間は抽出温度などによって異なるが、2時間〜2週間の範囲とするのが好ましい。
【0012】
また、このようにして得られたアガリクス茸子実体抽出物は、抽出物をそのまま用いることもできるが、本発明の効果を失わない範囲内で分画、脱臭,脱色,濃縮等の精製操作を加えて用いることもできる。これらの抽出物やその分画物、精製物は、これらから溶媒を除去することによって乾固物とすることもでき、さらに精製水などの溶媒に可溶化又は懸濁化した形態、或いは乳剤の形態で皮膚外用剤に添加することができる。
【0013】
アガリクス茸子実体抽出物の皮膚外用剤への配合量は、その効果や添加した際の匂い,色調の点から考え、0.0001〜5重量%の濃度範囲とすることが望ましい。
【0014】
本発明において用いられる動物由来の生理活性物質としては特に限定されないが、ヒト及び牛等の哺乳動物の胎盤抽出物,脾臓抽出物、可溶性卵殻膜タンパク質、塩基性及び酸性線維芽細胞増殖因子、上皮細胞増殖因子、核酸類などが例示される。本発明においては、これらの動物由来の生理活性物質より1種又は2種以上を選択して用いる。なお、皮膚外用剤への配合量としては、製剤安定性への影響やバイオアベイラビリティ等を考慮すると、0.0001〜5重量%程度が適当である。
【0015】
本発明において用いられる抗炎症剤としては特に限定されないが、グリチルリチン酸,グリチルレチン酸,アズレン,ルチン,インドメタシン,イブプロフェン,ケトプロフェン,アラントイン,グアイアズレン,ε-アミノカプロン酸,ヒドロコルチゾン,酢酸ヒドロコルチゾン,トラネキサム酸,ジヒドロコレステロール及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、酸化亜鉛,ジクロフェナクナトリウム,カンゾウ抽出物,アロエ抽出物,シコン抽出物,サルビア抽出物,アルニカ抽出物,カミツレ抽出物,シラカンバ抽出物,オトギリソウ抽出物,ユーカリ抽出物,ムクロジ抽出物,ヒノキチオール等が例示される。本発明においては、これらの抗炎症剤より選択される1種又は2種以上を用いる。なお、皮膚外用剤への配合量としては、製剤安定性への影響やバイオアベイラビリティ等を考慮すると、0.0001〜3重量%程度が適当である。
【0016】
本発明において用いられるムコ多糖としては特に限定されないが、ケラト硫酸,ケラタン硫酸,コンドロイチン,コンドロイチン硫酸A,コンドロイチン硫酸B(デルマタン硫酸,デルマトイジン硫酸,β-ヘパリン),コンドロイチン硫酸C(コンドロイチン-6-硫酸),コンドロイチン硫酸D,コンドロイチン硫酸E(コンドロイチン4,6-硫酸),テイカン(テイクロン酸),ヒアルロン酸,ヘパリチン硫酸(ヘパリンモノ硫酸,ヘパリチンモノ硫酸,ヘパラン硫酸),ヘパリン等が例示される。本発明においては、これらのムコ多糖及びこれらの塩より1種又は2種以上を選択して用いる。また、これらのムコ多糖の中でも、本発明の効果の点から、ヒアルロン酸及びその塩が好ましく用いられる。なお、皮膚外用剤への配合量としては、製剤安定性への影響やバイオアベイラビリティ等を考慮すると、0.001〜10重量%程度が適当である。
【0017】
本発明において用いられる2-ヒドロキシカルボン酸としては特に限定されないが、炭素数2〜26の2-ヒドロキシカルボン酸及びその塩又はその誘導体が用いられる。これらの2-ヒドロキシカルボン酸の中でも、本発明の効果の点から、炭素数2〜6の短鎖2-ヒドロキシカルボン酸、例えば2-ヒドロキシ酢酸,乳酸,リンゴ酸,酒石酸,ピルビン酸,クエン酸及びその塩が好ましく用いられる。また、2-ヒドロキシカルボン酸の経皮吸収又は皮膚親和性を改善した、2-ヒドロキシ酸のアシルエステル、コレステリルエステル,配糖体,ホスファチジルエステルなども好ましく用いられる。なお、皮膚外用剤への配合量としては、製剤安定性への影響やバイオアベイラビリティ等を考慮すると、0.0001〜5重量%程度が適当である。
【0018】
本発明にかかる皮膚外用剤には、外用剤基剤に通常用いられる油脂類,ロウ類,炭化水素類,脂肪酸類,低級アルコール類,高級アルコール類,多価アルコール類,エステル類,界面活性剤,水溶性高分子等を含有させることができる。さらに、他の皮膚細胞賦活剤,抗炎症剤,活性酸素消去剤,美白剤,保湿剤,紫外線吸収剤,防腐防黴剤,香料等を含有させることができる。
【0019】
本発明にかかる皮膚外用剤は、ローション剤,乳剤,ゲル剤,クリーム,軟膏等の剤型で提供することができる。また、化粧水,乳液,クリーム,美容液,マッサージ剤,パック剤等の皮膚用化粧料、メイクアップベースローション,メイクアップベースクリーム,液状又はクリーム状のファンデーション等のメイクアップ化粧料、ハンドクリーム,レッグクリーム,ボディローション等の身体用化粧料等としても提供することができる。
【0020】
【実施例】
本発明の実施例に使用した、アガリクス茸子実体抽出物の製造例を次に示す。
【0021】
[製造例1]アガリクス茸子実体抽出物
乾燥したアガリクス茸子実体を粉砕し、その10重量倍の50重量%エタノールを抽出溶媒として添加して、室温で3日間浸漬した後濾過した濾液を、アガリクス茸子実体抽出物とした。
【0022】
本発明において、アガリクス茸子実体抽出物と各種成分を併用することにより得られる、線維芽細胞の相乗的な活性化作用について、以下に示す。
【0023】
[真皮線維芽細胞代謝活性化作用]
ヒト由来真皮線維芽細胞を1ウェルあたり2.0×104個となるように96穴マイクロプレートに播種し、24時間後に表1に示した成分をそれぞれ含有する1.0容量%牛胎仔血清添加ダルベッコ最小必須培地にて、37℃で48時間培養した。次いで2-(4,5-ジメチル-2-チアゾリル)-3,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)を0.4mg/ml含有する前記培地に交換して37℃で2時間培養し、テトラゾリウム環の開環により生じるフォルマザンを、2-プロパノールにて抽出し550nmにおける吸光度により測定した。なお、1.0容量%牛胎仔血清添加ダルベッコ最小必須培地のみで培養した系を対照とし、5.0容量%牛胎仔血清添加ダルベッコ最小必須培地で培養した系を陽性対照とした。結果は対照における吸光度を100.0%として表した活性化指数により表1に示した。
【0024】
【表1】
Figure 0003643690
【0025】
その結果、表1に示したとおり、作用例1〜作用例4においては、各成分を単独で使用した作用例5〜作用例9と比較して、各成分の最終濃度が10分の1に減少しているにもかかわらず、約2倍の線維芽細胞活性化作用が認められ、線維芽細胞賦活作用が相乗的に向上したことが示された。
【0026】
次に、先に示した製造例を用いて調製した実施例を示し、更に本発明について詳細に説明する。
【0027】
[実施例1〜4,比較例1〜6]O/W乳化型美容液
表2に示した各成分を用いて、下記の処方によりO/W乳化型美容液を調製した。
(処方)
(1)スクワラン 5.0(重量%)
(2)白色ワセリン 2.0
(3)ミツロウ 0.5
(4)ソルビタンセスキオレエート 0.8
(5)ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20EO) 1.2
(6)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(7)プロピレングリコール 5.0
(8)精製水 全量が100となる量
(9)カルボキシビニルポリマー1.0重量%水溶液 20.0
(10)水酸化カリウム 0.1
(11)エタノール 5.0
(12)表2に示した成分 表2に示す量
(13)香料 0.2
製法:(1)〜(5)の油相成分を混合し75℃に加熱して溶解,均一化する。一方(6)〜(8)の水相成分を混合,溶解して75℃に加熱し、油相成分を添加して予備乳化する。(9)を添加した後ホモミキサーにて均一に乳化し、(10)を加えてpHを調整する。冷却後40℃にて(11)〜(13)を添加,混合,均一化する。
【0028】
【表2】
Figure 0003643690
【0029】
前記実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例6を用いて、紫外線によるしわの発生に対する防止効果を評価した。しわ発生防止効果は、ヘアレスマウス5匹を1群とし、各群について実施例及び比較例をそれぞれ1日1回背部に塗布し、1J/cm2/週の長波長紫外線(UVA)を50週間照射し、ヘアレスマウスにおけるしわの発生状況を観察し、表3に示す判定基準に従って点数化して行った。この際、精製水のみを塗布した群を対照とした。結果は各群の平均値を算出し、UVA照射日数との関係により表4に示した。
【0030】
【表3】
Figure 0003643690
【0031】
【表4】
Figure 0003643690
【0032】
表4に示されるように、各種成分を単独で配合した比較例1〜比較例5,若しくは配合していない比較例6と比較して、アガリクス茸子実体抽出物と各種成分を併用して配合した本発明の実施例では、各成分の配合量が少ないにもかかわらず、しわの発生が顕著に抑制され、50週後に微小なしわが僅かに発生している程度であった。
【0033】
続いて、本発明の実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例6について、抗炎症作用及び創傷治癒促進効果を評価した。人工的に炎症又は創傷を形成した1群5匹のマウスを用い、各群に実施例及び比較例をそれぞれ0.5gずつ1日2回7日間塗布し、7日目に炎症部位及び創傷部位の状態を観察した。抗炎症作用については「有効」,「やや有効」,「無効」、創傷治癒促進効果については「完全治癒」,「ほぼ治癒」,「治癒不完全」の3段階でそれぞれ評価し、各評価を得たマウスの数にて表5に示した。
【0034】
【表5】
Figure 0003643690
【0035】
表5より明らかなように、抗炎症作用,創傷治癒促進効果については、本発明の実施例塗布群では全て4例以上のマウスにおいて有効な抗炎症作用及び創傷治癒促進効果が認められており、製造例1のアガリクス茸子実体抽出物を単独で2倍量配合した比較例1より優れた効果を発揮し、抗炎症剤であるグリチルリチン酸ジカリウムを配合した比較例3と同程度の抗炎症作用を示した。
【0036】
次に本発明の実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例6について、6ヶ月間の実使用試験を行った。パネラーとして、顕著なしわの発生若しくは弾性の低下等の皮膚症状を有する40歳〜60歳代の女性、及び顕著な肌荒れ症状を呈する20歳〜50歳代の女性を用い、それぞれ1群20名とした。使用試験は、各群に実施例及び比較例のそれぞれをブラインドにて使用させ、使用試験開始前と使用試験終了後の皮膚の状態を観察して行った。しわ及び皮膚弾性の各改善状況については、「改善」,「やや改善」,「変化なし」の3段階にて評価し、各評価を得たパネラー数にて表6に示した。なお、しわの程度については、写真撮影及びレプリカにより、皮膚弾性についてはキュートメーターにより測定して評価した。また、肌荒れについては、表7に示す判断基準に従って皮膚の状態を点数化し、20名の平均値により使用試験開始前と使用試験終了後を比較して表8に示した。
【0037】
【表6】
Figure 0003643690
【0038】
表6に示されるように、本発明の実施例使用群ではしわ及び皮膚弾性の改善が認められないパネラーは存在せず、16名以上のパネラーにおいて明確な改善が認められた。一方、比較例1〜比較例5使用群においては、各種成分を配合していない比較例6より、しわ及び弾性の改善傾向が認められたが、明確な改善が認められたパネラーの数は全て10名以下であった。
【0039】
【表7】
Figure 0003643690
【0040】
【表8】
Figure 0003643690
【0041】
表8に示されるように、本発明の実施例使用群では、全パネラーにおいて、肌荒れの改善傾向が認められ、殆どのパネラーにおいて、皮溝,皮丘が明瞭に認められていた。これに対し、各種成分を単独で配合した比較例1〜比較例5においては、各種成分を配合していない比較例6より皮膚の状態が改善されていたが、皮溝が平坦で皮丘の形が不明瞭な状態にとどまっていた。
【0042】
なお、本発明の実施例1〜実施例4については、上記使用試験期間中に含有成分の析出,分離,凝集,変臭,変色といった製剤の状態変化は全く見られなかった。また、各実施例使用群において、皮膚刺激性反応や皮膚感作性反応を示したパネラーは存在しなかった。
【0043】
続いて本発明の他の実施例の処方を示す。
【0044】
[実施例6]皮膚用ローション
(1)エタノール 10.0(重量%)
(2)ヒドロキシエチルセルロース 1.0
(3)アガリクス茸子実体抽出物(製造例1) 0.2
(4)牛脾臓抽出物 0.05
(5)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(6)精製水 88.65
製法:(1)〜(6)を混合し均一とする。
【0045】
[実施例7]皮膚用乳剤
(1)ステアリン酸 0.2(重量%)
(2)セタノール 1.5
(3)ワセリン 3.0
(4)流動パラフィン 7.0
(5)ポリオキシエチレン(10EO)モノオレイン酸エステル 1.5
(6)酢酸トコフェロール 0.5
(7)グリセリン 5.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)トリエタノールアミン 1.0
(10)精製水 79.5
(11)アガリクス茸子実体抽出物(製造例1) 0.5
(12)グアイアズレン 0.2
製法:(1)〜(6)の油相成分を混合,加熱して均一に溶解し、70℃に保つ。一方、(7)〜(10)の水相成分を混合,加熱して均一とし、70℃とする。この水相成分に前記油相成分を攪拌しながら徐々に添加して乳化し、冷却した後40℃にて(11)及び(12)を添加,混合する。
【0046】
[実施例8]皮膚用ゲル剤
(1)精製水 88.0(重量%)
(2)カルボキシビニルポリマー 0.5
(3)ジプロピレングリコール 10.0
(4)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(5)水酸化カリウム 0.1
(6)アガリクス茸子実体抽出物(製造例1) 0.8
(7)ヒアルロン酸ナトリウム 0.5
製法:(1)に(2)を均一に溶解した後、(3)に(4)を溶解して添加し、次いで(5)を加えて増粘させ、(6)及び(7)を添加する。
【0047】
Figure 0003643690
製法:(1)〜(7)の油相成分を混合,溶解して75℃に加熱する。一方、(8)〜(10)の水相成分を混合,溶解して75℃に加熱する。次いで、上記水相成分に油相成分を添加して予備乳化した後、ホモミキサーにて均一に乳化し、冷却後40℃にて(11),(12)を添加,混合する。
【0048】
[実施例10]水中油型乳剤性軟膏
(1)白色ワセリン 25.0(重量%)
(2)ステアリルアルコール 25.0
(3)グリセリン 12.0
(4)ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
(5)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(6)精製水 35.4
(7)アガリクス茸子実体抽出物(製造例1) 1.0
(8)可溶性卵殻膜タンパク質 0.5
製法:(1)〜(4)の油相成分を混合,溶解して均一とし、75℃に加熱する。一方、(5)を(6)に溶解して75℃に加熱し、これに前記油相成分を添加して乳化し、冷却後40℃にて(7)及び(8)を添加,混合する。
【0049】
[実施例11]化粧水
(1)エタノール 10.0(重量%)
(2)1,3-ブチレングリコール 5.0
(3)アガリクス茸子実体抽出物(製造例1) 0.1
(4)牛胎盤抽出物 0.1
(5)香料 0.1
(6)精製水 84.7
製法:(1)〜(5)を順次(6)に添加して均一に混合,溶解する。
【0050】
[実施例12]エモリエントクリーム(油中水型)
(1)流動パラフィン 30.0(重量%)
(2)マイクロクリスタリンワックス 2.0
(3)ワセリン 5.0
(4)ジグリセリルオレイン酸エステル 5.0
(5)L-グルタミン酸ナトリウム 1.6
(6)L-セリン 0.4
(7)プロピレングリコール 3.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)精製水 52.1
(10)香料 0.1
(11)アガリクス茸子実体抽出物(製造例1) 0.2
(12)グリチルリチン酸ジカリウム 0.5
製法:(5),(6)を(9)の一部に溶解して50℃とし、50℃に加熱した(4)に攪拌しながら徐々に添加する。これをあらかじめ混合し70℃に加熱溶解した(1)〜(3)に均一に分散し、これに(7),(8)を(9)の残部に溶解して70℃に加熱したものを攪拌しながら添加し、ホモミキサーにて乳化する。冷却後、40℃にて(10)〜(12)を添加,混合する。
【0051】
[実施例13]メイクアップベースクリーム
(1)ステアリン酸 12.0(重量%)
(2)セタノール 2.0
(3)グリセリルトリ2-エチルヘキサン酸エステル 2.5
(4)自己乳化型グリセリルモノステアリン酸エステル 2.0
(5)プロピレングリコール 10.0
(6)水酸化カリウム 0.3
(7)精製水 68.6
(8)酸化チタン 1.0
(9)ベンガラ 0.1
(10)黄酸化鉄 0.4
(11)香料 0.1
(12)アガリクス茸子実体抽出物(製造例1) 0.5
(13)デルマタン硫酸 0.5
製法:(1)〜(4)の油相成分を混合し、75℃に加熱して均一とする。一方(5)〜(7)の水相成分を混合し、75℃に加熱,溶解して均一とし、これに(8)〜(10)の顔料を添加し、ホモミキサーにて均一に分散させる。この水相成分に前記油相成分を添加し、ホモミキサーにて乳化した後冷却し、40℃にて(11)〜(13)を添加,混合する。
【0052】
[実施例14]乳液状ファンデーション
(1)ステアリン酸 2.0(重量%)
(2)スクワラン 5.0
(3)ミリスチン酸オクチルドデシル 5.0
(4)セタノール 1.0
(5)デカグリセリルモノイソパルミチン酸エステル 9.0
(6)1,3-ブチレングリコール 6.0
(7)水酸化カリウム 0.1
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)精製水 53.3
(10)酸化チタン 9.0
(11)タルク 7.4
(12)ベンガラ 0.5
(13)黄酸化鉄 1.1
(14)黒酸化鉄 0.1
(15)香料 0.1
(16)アガリクス茸子実体抽出物(製造例1) 0.15
(17)2-ヒドロキシ酢酸 0.15
製法:(1)〜(5)の油相成分を混合し、75℃に加熱して均一とする。一方(6)〜(9)の水相成分を混合し、75℃に加熱,溶解して均一とし、これに(10)〜(14)の顔料を添加しホモミキサーにて均一に分散させる。この水相成分に前記油相成分を添加し、ホモミキサーにて均一に乳化した後冷却し、40℃にて(15)〜(17)を添加,混合する。
【0053】
Figure 0003643690
製法:(1)〜(6)の油相成分を混合,溶解して75℃に加熱する。一方、(7)〜(9)の水相成分を混合,溶解して75℃に加熱する。ついで、この水相成分に油相成分を添加して予備乳化した後、ホモミキサーにて均一に乳化して冷却し、40℃にて(10)及び(11)を添加,混合する。
【0054】
【発明の効果】
以上詳述したように、アガリクス茸子実体抽出物と、動物由来の生理活性物質、抗炎症剤、ムコ多糖類、2−ヒドロキシカルボン酸,これらの塩及び誘導体を併用した皮膚外用剤は、真皮線維芽細胞賦活作用及び保湿作用が相乗的に向上し、真皮線維芽細胞に対する紫外線による傷害を防御する作用を有し、シワの発生、皮膚弾性の低下といった皮膚老化症状の防止或いは改善に有効で、抗炎症作用,創傷治癒促進作用をも有し、さらに安定性,安全性も良好であった。

Claims (2)

  1. アガリクス茸(Agaricus blazei Murill)子実体の抽出物と牛胎盤抽出物、、又はアガリクス茸(Agaricus blazei Murill)子実体の抽出物とグリチルリチン酸及びその誘導体並びにそれらの塩、又はアガリクス茸(Agaricus blazei Murill)子実体の抽出物とムコ多糖類、又はアガリクス茸(Agaricus blazei Murill)子実体の抽出物と2-ヒドロキシカルボン酸,これらの塩及び誘導体より選択される1種又は2種以上、を配合して成る、保湿用及び真皮線維芽細胞活性化用皮膚外用剤
  2. 皮膚外用剤が、化粧料であることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚外用剤。
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