JP3643586B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3643586B2
JP3643586B2 JP2003314687A JP2003314687A JP3643586B2 JP 3643586 B2 JP3643586 B2 JP 3643586B2 JP 2003314687 A JP2003314687 A JP 2003314687A JP 2003314687 A JP2003314687 A JP 2003314687A JP 3643586 B2 JP3643586 B2 JP 3643586B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulse
magnetic field
water
fat
frequency
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003314687A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004024902A (ja
Inventor
美津恵 宮崎
富美敏 児島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2003314687A priority Critical patent/JP3643586B2/ja
Publication of JP2004024902A publication Critical patent/JP2004024902A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3643586B2 publication Critical patent/JP3643586B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)

Description

本発明は、磁気共鳴イメージング装置に係り、特に、撮影用のスキャンの前にプリパルスを印加する手順を含むシーケンスや被検体内の水のみを選択的に励起するシーケンスを使って脂肪からのMR信号抑制の効果を改善した磁気共鳴イメージング装置に関する。
MR撮像において、いわゆるMTC(Magnetization Transfer Contrast)効果を得ることが臨床上重要な意義をもつ場合がある。
図17は、水、脂肪および高分子に含まれるプロトンのスペクトルを描いたものである。同図でわかるように、水に含まれるプロトンは、例えば1.5テスラの磁場下では約64MHzの共鳴周波数を持つが、脂肪に含まれるプロトンは、よく知られているようにケミカルシフトによって3.5PPMだけ低周波側(同図中の右側)にずれ、上述の磁場下では約224Hzだけシフトする。一方、高分子に含まれるプロトンは非常に周波数幅の広い特性を持っている。
ここで、通常の撮影シーケンスを実行する前に水のプロトンの共鳴周波数から例えば500Hzずれた周波数を選択的に励起してやると、高分子のプロトンからの信号レベルは破線のように低下するが、さらに水に含まれるプロトンからのMR信号レベルも破線のように低下する。これは、水のプロトンが高分子のプロトンと交差緩和または交換しているためであると考えられ、MTC(Magnetization Transfer Contrast)効果としてすでに知られている。
このようなMTC効果を利用すると、高分子が存在する割合に応じて従来とは異なったコントラストの画像を得ることができる。また、血管部の信号レベルに比べて実質部の信号レベルを大幅に低減させるという効果もあるため、細い血管描出を行うアンギオグラフィーにも応用されている。
図18は、高分子のプロトンを選択励起するためのパルスの一例を示したものである。同図に示したパルスは、パルス長が2項分布で表される比率であって極性が交互に反転する複数のパルス群で構成されたいわゆるバイノミアルパルスであり、特に、パルス長を1:2:1(このようなバイノミアルパルスを以下11パルスのように表記する)、全体の時間を上述の周波数を考慮して約1msecになるように、パルス間の時間τを短く設定してある。
図19は、11パルスの磁化特性を表した曲線であり、縦軸には磁化Mzを横軸には中心周波数fからのシフト量をとってある。この曲線は、中心周波数付近にスペクトル値をもつプロトンは結果的に励起されず、バイノミアルパルスに続いて行う撮影シーケンスに何等影響が残らないが、中心周波数から500Hz以上離れたところにスペクトル値を持つプロトンはバイノミアルパルスで励起されて磁化が残らず、後の撮影シーケンスで得られるMR信号のレベルが小さくなることを示している。すなわち、後の撮影シーケンスで信号を抽出することができる周波数範囲は同図のカーブの山部分に相当し、信号が抽出されない周波数範囲は同図のカーブの谷部分に相当する。
したがって、このようなバイノミアルパルスの中心周波数fを水のプロトンの共鳴周波数に一致させて印加すると、水のプロトンは励起されないが、高分子のプロトンは500Hz以上の谷の部分で励起されることになり、引き続き行う撮影シーケンスにおいては高分子からのMR信号のレベルを低下させることができる。このように、バイノミアルパルスを用いて高分子のプロトンを予め選択的に励起することにより、上述のMTC効果を得ることができる。
一方、MR撮像では、臨床上の意義が小さいといわれる脂肪が画像に現れないように、いわゆる脂肪抑制可能な撮影手法がとられることが多い。脂肪を抑制する撮影手法には多数あるが、その一つとして周波数選択的にプロトンを励起可能なバイノミアルパルスを利用する方法が知られている。
上述したように、バイノミアルパルスの磁化Mzの谷部分については後の撮影シーケンスで出てくる信号レベルが低下するため、脂肪に含まれるプロトンの共鳴周波数が谷部分にくるようにバイノミアルパルスを設定する。
図20は、このように設定された1パルスを示したものである。ここで、水に含まれるプロトンの共鳴周波数が中心周波数fにくるようにかつ脂肪に含まれるプロトンの共鳴周波数がfから220Hz程度低周波側にずれた谷部分にくるように、時間軸t上ではパルスとパルスの間の時間τを2.3msec程度に長めに設定してある。
このようなバイノミアルパルスを印加し、次いで、通常の撮影シーケンスを実行すれば、自由水のプロトンだけを画像化し、脂肪に含まれるプロトンからの信号レベルを抑制することができる。
ところで、磁気共鳴イメージング(MRI)装置では、静磁場の均一性はスペクトルの質(SN比と分解能)を決める上で重要なファクタになるから、MRI装置には通常、磁場均一性を調整するためのシムコイルによる調整手段が設けられている。この調整手段としては、医用MRIの場合、患者の長時間の拘束を回避することなどの観点から、x,y,zの1次シム(グラジェント・シム)が使われ、水と脂肪のスペクトル上での分離が行われている。
しかしながら、脂肪からのMR信号を抑制するために加える1パルスは、プリパルスであり、パルス全体の長さが約7msecにもなるため、繰返し時間TRが長くなることから、この繰返し時間TRを短くして使用するウルトラファーストスキャンやアンギオグラフィーには使用しにくいという問題があった。これに対して、繰返し時間TRを短かくするためにτを短くすると、磁化Mz特性のグラフでいうところの山部分が拡がって脂肪も画像化されてしまい、脂肪抑制の効果が小さくなってしまうという、相反する問題を生じていた。さらに、プリパルスはあくまでパルスであるから、静磁場の不均一の影響を受け易く、画質が低下することもあった。さらにまた、水の共振点から外れた周波数域を励起する(off−resonance)ため、MTC効果も併せて発生してしまい、その分S/N比が低下する。
さらに、前述した従来の1次シムによる静磁場均一性の確保の問題について考察してみる。このように1次シムによるシミングを行っても、静磁場の高次(2次以上)の磁界成分の乱れは依然として残っており、この高次成分の不均一性によって水の共鳴曲線がプリパルス(例えば1バイノミアルパルス)の中心周波数fからずれてしまうという状態が頻発している。
図21には、スライス方向を縦軸に、周波数fを横軸にとったときの、高次の磁界成分の不均一性に因る、スライス位置毎の周波数変化の一例を示す。スライス面の位置がスライス方向の中心から離れるに従って、同一周波数f=fのずれが顕著になっている。
この結果、特にマルチスライス撮影のときに前述したような脂肪抑制などを狙ったプリパルスを起動させた場合、アイソセンターの位置に合わせられるスライス方向の中心のスライス面はかかる1次シムの効果に拠って、例えば図22(a)に示すように水の共鳴曲線が中心周波数fに一致するものの、スライス方向の中心からずれたスライス面では前述した高次の磁界成分の乱れに因って、例えば同図(b)に示すように水の共鳴曲線が中心周波数fからずれてしまい、水及び脂肪の共鳴曲線がプリパルスの山及び谷部分から逸脱する。したがって、マルチスライス撮影を行ったとき、スライス方向の中心付近のスライス面では脂肪抑制の効果を発揮できるが、中心付近からずれるにつれて、脂肪抑制の効果が小さくなってしまい、スライス位置に応じて画像の品質が低下するという未解決の問題点があった。
本発明は上述した種々の事情を考慮してなされたもので、とくに、プリパルスを含むシーケンスを使った種々の問題に鑑み、マルチスライス撮影を行う場合、繰返し時間TRを増大させることなく且つ脂肪からのMR信号を抑制したMR画像を得ることを、その目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1、3,4、及び6に記載の発明に係る磁気共鳴イメージング装置は、静磁界中に置かれた被検体のスライス断面の水に含まれるプロトンのスピンを励起し、このスピン励起に関するMR信号を画像化するようにしたもので、前記水に含まれるプロトンのみを選択的に励起可能な90°RFパルスを印加するRFパルス印加手段と、この90°RFパルスの印加と同時に、前記断面をスライスするための傾斜磁場を印加する傾斜磁場印加手段とを備えたことを要部とする。
また、請求項2〜6記載の発明に係る磁気共鳴イメージング装置は、静磁界中に置かれた被検体の複数のスライス断面の水に含まれるプロトンのスピンを励起し、このスピン励起に関するMR信号を所定シーケンスで収集し画像化するようにしたもので、前記水に含まれるプロトンのみを選択的に励起可能な90°RFパルスを印加する第1のRFパルス印加手段と、この90°RFパルスの印加と同時に、前記複数のスライス断面の夫々をスライスするための第1の磁場強度を有する第1の傾斜磁場を印加する第1の傾斜磁場印加手段と、前記90°RFパルス及び第1の傾斜磁場を印加した後の所定時間経過後に、当該90°RFパルスで励起されたスピンを反転させる180°RFパルスを印加する第2のRFパルス印加手段と、この180°RFパルスの印加と同時に、上記第1の磁場強度よりも大きい第2の磁場強度を有する第2の傾斜磁場を印加する第2の傾斜磁場印加手段とを備えたことを要部とする。
請求項1、3,4、及び6に記載の発明では、水に含まれるプロトンのみを選択的に励起可能な90°RFパルスの印加と同時に、その断面をスライスするための傾斜磁場が印加される。これにより、水のプロトンのみが選択に励起され、脂肪は励起されない。
また、請求項2〜6記載の発明では、水に含まれるプロトンのみを選択的に励起可能な90°RFパルスの印加と同時に、複数の断面の夫々をスライスするための第1の磁場強度を有する第1の傾斜磁場が印加される。この印加後の所定時間経過後に、90°RFパルスで励起されたスピンを反転させる180°RFパルスが、第1の磁場強度よりも大きい第2の磁場強度を有する第2の傾斜磁場と同時に印加される。このように第1、第2の傾斜磁場の強度及び90°RFパルス及び180°RFパルスの周波数帯域が異なるので、水のプロトンのみが90°RFパルスで選択的に励起された後、180°RFパルスでリフォーカスされて、MR信号として収集される。しかし、脂肪に含まれるスピンは180°RFパルスで励起されるだけであるから、MR信号として殆ど収集されない。この結果、プリパルスを使用しなくても済むのでMTC効果を発生させず、脂肪からのMR信号のレベルを抑制することができる。
請求項1〜6記載の発明に係る磁気共鳴イメージング装置では、水に含まれるプロトンのみを選択的に励起可能な90°RFパルスとその断面をスライスするための傾斜磁場を同時に印加したり、そのような印加の後の所定時間経過後に、90°RFパルスで励起されたスピンを反転させる180°RFパルスを、前の傾斜磁場よりも磁場強度が大きい傾斜磁場と同時に印加したりすることにより、水のプロトンのみを選択的に励起できる。また、前後の傾斜磁場の強度が異なるので、マルチスライスが可能になる。この結果、プリパルスを使用しないのでMTC効果を発生させず、また繰返し時間TRを増大させることなく、脂肪からのMR信号のレベルを抑制した高画質のMR画像を得ることができる。
以下、この発明の第1実施例を、図1〜図4を参照して説明する。
この実施例に係る磁気共鳴イメージング装置の概略構成を図1に示す。この磁気共鳴イメージング装置は、静磁場発生用の磁石部と、静磁場に位置情報を付加するための傾斜磁場部と、選択励起用及びMR信号受信用の送受信部と、システムコントロール及び画像再構成を担う制御・演算部とを備えている。
磁石部は、例えば超電導方式の磁石1と、この磁石1に電流を供給する静磁場電源2とを備え、被検体Pが挿入される円筒状の診断空間のZ軸方向に静磁場Hを発生させる。なお、この磁石部には、1次のシミング用のシムコイル14が設けられ、このシムコイル14に供給する電流を調整することで、1次のシミングが行えるようになっている。
傾斜磁場部は、磁石1に組み込まれたX,Y,Z軸方向の3組の傾斜磁場コイル3x〜3zと、この傾斜磁場コイル3x〜3zに電流を供給する傾斜磁場電源4と、この電源4を制御するシーケンサ5内の傾斜磁場シーケンサ5aとを備える。このシーケンサ5aはコンピュータを備え、装置全体のコントローラ6(コンピュータを搭載)からFE法、高速SE法などに係る収集シーケンスを指令する信号を受ける。これにより、傾斜磁場シーケンサ5aは、指令されたシーケンスにしたがってX,Y,Z軸方向の各傾斜磁場の印加及びその強度を制御し、それらの傾斜磁場が静磁場Hに重畳可能になっている。この実施例では、互いに直交する3軸の内のZ軸方向の傾斜磁場をスライス用傾斜磁場Gとし、X軸方向のそれを読出し用傾斜磁場Gとし、さらにY軸方向のそれを位相エンコード用傾斜磁場Gとする。
送受信部は、磁石1内の撮影空間にて被検体Pの近傍に配設される高周波コイル7と、このコイル7に接続された送信機8T及び受信機8Rと、この送信機8T及び受信機8Rの動作タイミングを制御するRFシーケンサ5b(コンピュータを搭載)とを備える。この送信機8T及び受信機8Rは、RFシーケンサ5bの制御のもと、核磁気共鳴(NMR)を励起させるためのプリパルスやラーモア周波数のRF電流パルスを高周波コイル7に供給する一方、高周波コイル7が受信したMR信号(高周波信号)を受信し、各種の信号処理を施して、対応するデジタル信号を形成するようになっている。
さらに、制御・演算部は、上述したコントローラ6のほか、受信機8Rで形成されたMR信号のデジタルデータを入力し、画像データを演算する演算ユニット10と、演算した画像データを保管する記憶ユニット11と、画像を表示する表示器12と、入力器13とを備えている。演算ユニット10は、具体的には、メモリ空間である2次元フーリエ空間への実測データの配置、画像再構成のためのフーリエ変換などの処理を行う。コントローラ6は傾斜磁場シーケンサ5a及びRFシーケンサ5bの同期をとりながら、両者の動作内容及び動作タイミングを制御する。
図2は、シーケンサ5(傾斜磁場シーケンサ5a及びRFシーケンサ5b)が実行するパルスシーケンスを示したものである。
同図でわかるように、シーケンサ5は、バイノミアルパルスを印加する第1のシーケンスと、MR画像データを収集する第2のシーケンスとを実行するようになっている。第2のシーケンスは、同図に示したように例えばFE法で行うのがよい。
第1のシーケンスは、11パルスP121 の中心周波数を所定のオフセット量だけ高周波側にオフセットさせて印加するようになっている(*記号は、必要に応じてオフセット可能なパルスであることを示す)。このときの、オフセット量は、予めプリスキャンなどにより決定してあり、1.0ppm乃至4.0ppmとするのがよく、さらに、1.5ppm乃至3.0ppmとするのがよい。この場合、例えば1.5テスラの磁場下ではそれぞれ50Hz乃至250Hz、100Hz乃至200Hzとなる。
本実施例の磁気共鳴イメージング装置を用いてMR撮像を行うには、まず、バイノミアルパルスP121 を含む第1のシーケンスを実行する。このときのバイノミアルパルスP121 のオフセットにより、脂肪に含まれるプロトンおよび高分子に含まれるプロトンが励起される。
図3は、バイノミアルパルスP121 を高周波側に例えば150Hzだけオフセットさせた場合の磁化Mz曲線を示したグラフである。
同図でわかるように、水の共鳴周波数付近は山の部分であるので励起されないが、脂肪に含まれるプロトンの共鳴周波数すなわち−220Hzあたりでは谷部分にさしかかるところであり所定量だけ励起される。また、高分子に含まれるプロトンは、谷部分で励起される。
次に、第2のシーケンスを実行し、MR画像データを収集する。この収集時には、脂肪および高分子は第1のシーケンスですでに励起されているので、第2のシーケンスで得られる脂肪の信号レベルは小さくなる。高分子についても同様に信号レベルは小さくなる。これに対し、水に含まれるプロトンは、第1のシーケンスで励起されていないため、第2のシーケンスで強い信号が得られる。
以上説明したように、本実施例の磁気共鳴イメージング方法および磁気共鳴イメージング装置は、脂肪に含まれるプロトンおよび高分子に含まれるプロトンが励起されるように、バイノミアルパルスの中心周波数を水に含まれるプロトンの共鳴周波数に対して所定のオフセット量だけ高周波側にオフセットさせてバイノミアルパルスを印加するようにしたので、脂肪の信号レベルを大幅に低減させることができる。したがって、脂肪の中に隠れて見えなかった細い血管を画像化することができる。
図4は、水と脂肪から出てくる信号強度を測定した実験データであり、オフセット量を横軸として示したものである。
同図でわかるように、オフセット量を1.0ppm乃至3.8ppmとすると、水の信号強度は100%乃至50%程度になり、脂肪の信号強度は90%乃至45%になる。オフセット量を1.5ppm乃至3.0ppmとすると、水の信号強度を96%乃至84%程度に確保できる一方で、脂肪の信号強度を84%乃至63%に低減させることができる。
また、本実施例の磁気共鳴イメージング方法および磁気共鳴イメージング装置は、脂肪の信号レベルを低減させるのみならず、高分子の信号レベルを低減させることができ、MTC効果を得ることができる。特に本実施例ではバイノミアルパルスをオフセットさせたので、高分子が励起される周波数帯が水の共鳴周波数に近くなり、かかるオフセットをさせなかった従来シーケンスよりも高いMTC効果を得ることができる。
このような脂肪抑制効果およびMTC効果は、第1のシーケンスを通常の撮影シーケンスに先立って行うことによって容易に得ることができ、繰り返し時間(TR)をほとんど延ばす必要もない。
したがって、本実施例の磁気共鳴イメージング方法および磁気共鳴イメージング装置は、TRを短くして使用するパルスシーケンス、例えばウルトラファーストスキャンやアンギオグラフィーにきわめて有効な手段となる。
また、アンギオ以外においても、脂肪を抑制しつつMTC効果を得ることが可能となる。
また、本実施例の磁気共鳴イメージング方法および磁気共鳴イメージング装置は、静脈からのMR信号を抑制し動脈からの信号を強調することができるという別の効果もある。
上述の実施例では、バイノミアルパルスを11パルスとしたが、これに限定されるものではなく、必要に応じて1あるいは11パルス等としてもよい。かかる構成により、水と脂肪との分離の程度がさらに向上する。
続いて、本発明の第2実施例を図5〜図9に基づいて説明する。ここで、第1実施例と同一又は同等の構成要素又は処理については同一の符号を用い、説明を簡単化又は省略する(後述の第3,4実施例でも同様にする)。
この第2実施例に係る磁気共鳴イメージング装置は、マルチスライス撮影における脂肪からのMR信号抑制効果の劣化防止に関する。
この目的を達成するため、第2実施例における磁気共鳴イメージング装置は第1実施例と同一のハード構成を採用する一方で、コントローラ6、シーケンサ5、及び演算ユニット10は共働して、図5(a),(b)のシーケンスに従う図6の処理を行うようになっている。
すなわち、図6の最初のステップ30ではX,Y,Z軸方向について1次のシミング(ボリュームシミング)を例えば図5(a)に示すシミング用パルスシーケンスを用いて行い、静磁場Hの均一化を図るとともに、各スライス面のプリパルス(ここでは1のバイノミアルパルスP1331 を用いる:図5(b)参照)の周波数オフセット量Δfを求める。
具体的には、3次元のスライス領域を構成する複数のスライス面のうち、最初のスライス面(例えばアイソセンターに対応するスライス方向中心の面)について90°パルスで励起しMR信号(エコー信号又はFID信号)を得る(ステップ30,30参照)。次いで、このMR信号がフーリエ変換されて、例えば図7に示すような、水及び脂肪の共鳴周波数(中心周波数)fWAT,fFATを含むスペクトルが得られる(ステップ30参照)。そこで、これら水及び脂肪の共鳴曲線CWAT,CFATの半値幅WWAT,WFATが各々演算され、この半値幅WWAT,WFATが最小になるようにシムコイル14(図1参照)に流す電流が調整される(ステップ30〜30参照)。この結果、水及び脂肪の共鳴曲線CWAT,CFATが互いに良好に分離される。
このように診断対象のボリューム部位について1次シミングが終ると、ステップ30〜3010の処理を順次実行する。この内、ステップ30〜30では、ステップ30〜30と同様に、スライス面毎にスキャンを行ってMR信号を収集し、この収集したMR信号をフーリエ変換する。この結果、スライス面毎に水と脂肪の共鳴曲線CWAT,CFATを含むスペクトル分布が得られる(図7参照)。
さらに、ステップ3010では、1のプリパルスP1331 を脂肪抑制効果が最も高くなる周波数位置に設定したときのプリパルスP1331 の中心周波数f(=fd0)と水の共鳴周波数fWATとのずれを、周波数オフセット量Δf(=fd0−fWAT)として演算し、記憶する。但し、この実施例では中心のスライス面(アイソセンター位置に一致)を基準にするので、中心スライス面の周波数オフセット量Δf=0となる。
かかるオフセット量の演算は全スライス面について個別に実施される(ステップ3011参照)。この結果、図8に一例を示す如く、複数のスライス面S〜Sのそれぞれについて1プリパルスP1331 に対する周波数オフセット量Δf=(Δf,…,Δf)が求められる。
続いて、1のプリパルスP1331 を、SE法に拠るシーケンス前に図5(b)に示す如く印加することにより、マルチスキャン撮影が実施される(ステップ31,32参照)。この一連のシーケンスを実行する中で、脂肪抑制のための1パルスP1331 に、前記ステップ3010で演算した周波数オフセット量Δfが加算され、この加算結果に対応した1パルスP1331 が求められる(ステップ32,32参照)。この補正されたパルスP1331 がRFコイル7から印加されると、スライス面毎にプリパルスP1331 による磁化の周波数域全体が周波数軸上で水の共鳴曲線CWAT側に移動する。この結果、例えば図9に示すスライス面S〜S(図8に対応する)のスペクトルの各々において、静磁場Hの磁界成分の高次の乱れに因って、各スライス面のスペクトル曲線CWAT,CFATが周波数軸上で移動する(ずれる)ような場合であっても、スライス面毎に、1パルスP1331 の中心周波数fが水の共鳴曲線CWATの中心に一致するように制御される。このとき、RFパルスによる励起範囲はスライス面が変わっても固定である。
したがって、スライス面がスライス方向の中心位置から離れるに従ってスペクトルとプリパルスがずれるといった従来の問題点は確実に排除され、どのスライス面をとっても、プリパルスP1331 の磁化特性の山及び谷部分が水及び脂肪の共鳴曲線CWAT,CFATに良好に合致する。このため、何れのスライス面でも脂肪抑制の効果が確実に発揮され、高画質であって、脂肪抑制効果の面でスライス面毎のバラツキの極めて少ない均一で安定した画像となり、装置の信頼性も向上する。しかも、本実施例のシムコイル14は1次のシミング用のもののみで済むから、シムコイルのハード構成が格別に大形化することもない。さらに、高次のシミングを行うときのような長時間のスキャン準備時間も不要である。
続いて、本発明の第3実施例図10〜図13に基づいて説明する。
この第3実施例の磁気共鳴イメージング装置も前記第2実施例と同様に、マルチスライス撮影における脂肪からのMR信号の抑制効果の劣化防止に関する。この第2実施例および第3実施例は共に、プリパルスを用いた脂肪からのMR信号抑制の手法を採用しているが、第2実施例では前述の如くプリパルスの周波数帯域をスライス面毎に調整することにより脂肪からのMR信号抑制を行っているのに対し、この第3実施例ではスライス面毎にRFパルスの高周波信号の周波数自体を調整するものである。
この第3実施例に係る磁気共鳴イメージング装置は第1実施例と同一のハード構成を採用するとともに、コントローラ6,シーケンサ5,および演算ユニット10は共働して、図10(a),(b)のシーケンスに従う図11の処理を行うようになっている。
図11の最初のステップ40では、X,Y,Z軸について1次のシミング(ボリュームシミング)を図10(a)に示すシミング用パルスシーケンスを用いて行い、静磁場Hの均一化を図るとともに、スライス面に印加するRFパルスの周波数に対するオフセット量Δfをスライス面毎に演算する。
この内、ステップ40〜40は1次のシミングに対する処理の概要を示しており、前述した図6のステップ30〜30と同一の処理内容である。なお、シミングとしては高次のシミングも可能である。
このシミングが終わると、ステップ40〜40の処理(スキャン,MR信号収集、フーリエ変換)を順次行って、水と脂肪の共鳴曲線CWAT,CFATを含むスライス面毎のスペクトル分布を得る(図12参照)。この後、ステップ4010に移行して、1のプリパルスP1331を脂肪抑制効果が最も高くなる周波数位置に設定したときのプリパルスP1331の中心周波数f(=fdo)と基準ピークとしての水の共鳴周波数fWATとの周波数ずれを、周波数オフセット量Δf(=fdo−fWAT)として演算し、記憶する。この実施例では図12に示すように、上記プリパルスP1331の周波数位置は中心スライス面(アイソセンター位置を含むスライス面)を基準に設定するようにしているので、中心スライス面の周波数オフセット量はΔf=0になる。このオフセット量Δfの演算は全スライス面について個別に実施される(ステップ4011)。この結果、診断対象のボリューム部位(例えば腹部)の複数のスライス面の夫々について、RFパルスの周波数に対する周波数オフセット量Δf(=Δf,…,Δf)が求められる。
この後、ステップ41,42にて、脂肪からのMR信号を抑制するための1のプリパルスP1331を用いたSE法のシーケンスを図10(b)に示す如く実行し、マルチスキャン撮影を行う。このシーケンスを行う中で、励起用のRFパルスの周波数はスライス面S(…S)毎に補正される。
具体的には、ステップ42にて、ステップ4010で予め演算/記憶していた周波数オフセット量Δf=Δf(…Δf)をメモリから呼び出した後、ステップ42において、基準値として予め設定した周波数(例えば64MHz:1.5T時)に周波数オフセット量Δfを加え、RFパルス:RF(…RF)の中心周波数を補正演算する。これにより、例えばスライス面S…SのRFパルス:RF…RFの中心周波数f…fは(但し、1.5T時)
Figure 0003643586
のように調整される。
この補正されたRFパルスRF…RFがRFコイル7から印加されると、図13に示すように、その励起範囲Rf自体が周波数軸上で移動し、これに伴って脂肪からのMR信号抑制用の1パルスの磁化特性も周波数軸上を移動する。つまり、各スライス面で、励起範囲Rfと磁化特性は一体となって周波数軸上を動く。この動く距離(周波数値)は、前述したオフセット量Δf(=Δf,…,Δf)に一致し、このオフセット量Δfは各スライス面S…Sの水共鳴曲線の周波数軸上における移動に応じて決めてあるので、各スライス面において、図13に示す如く、1パルスP1331の中心周波数fが水の共鳴曲線CWATの中心周波数に良好に一致する。
つまり、シミングを行った後も例えば高次の静磁界成分の乱れが残っており、これが原因でスライス面毎の水や脂肪のスペクトル分布が移動してしまう場合であっても、どのスライス面をとっても、プリパルスP1331の磁化特性の山および谷部分が水および脂肪の共鳴曲線CWAT,CFATに良好に合致する。
この結果、何れのスライス面においても常に、CHESS(Chemical Selec−tive Suppression)法に依る脂肪からのMR信号抑制の効果が遺憾なく発揮され、スライス面毎の脂肪からの信号に依るむらが著しく減り、前述した第2実施例と同等の効果を得ることができる。
特に、あるスライス面のスペクトル分布のシフトが水と脂肪のケミカルシフトより大きい場合でも、本実施例の周波数補正は有効に機能する。つまり、従来のように、脂肪抑制のためのプリパルスの磁化特性が周波数軸上で固定の場合、あるスライス面では脂肪抑制の効果が有効であるが、別のスライス面では脂肪抑制の効果が減少あるいは殆ど無いという事態も起こる。しかし、本実施例によれば、そのような事態を防止して、各スライス面で脂肪からのMR信号を著しく且つ均一に抑制できる。
なお、上記第2,第3実施例におけるプリパルスは1のバイノミアルパルスに限定されることなく11パルスなど、他のバイノミアルパルスであってもよいし、シンク関数、ガウシャン関数のパルスであってもよい。また、プリパルスに続いて行われる画像データ収集シーケンスも上述したSE法に限定されることなく、FE法、FastSE法などのシーケンスを採用してもよい。
またなお、上記第2,第3実施例では、周波数オフセット量Δfを求める際、スペクトル分布上の基準ピークとして水の共鳴曲線を参照する構成を示したが、この基準ピークのその他の例としては、脂肪の共鳴曲線であってもよい。また、水や脂肪を殆ど含んでいない部位を診断対象とすることもあるので、そのような場合には、操作者が診断部位の外部に参照用の試薬(例えばTMS:テトラメチルサイレン)を用いて、この試薬の共鳴曲線を参照してオフセット量を求めるようにしてもよい。
続いて、本発明の第4実施例を図14〜図16に基づいて説明する。
この第4実施例にかかる磁気共鳴イメージング装置は、前述した第1〜第3実施例で説明したプリパルスを用いないで、繰返し時間TRを増大させず且つ脂肪からのMR信号を抑制したマルチスライス撮影を行うことができるようにしたものである。
具体的には、本実施例の磁気共鳴イメージング装置のシーケンサ5は図14に示すシーケンスでマルチスライス撮影を行うように構成してある。同図に示すシーケンスは、高速SE(FastSE)法を応用したもので、被検体のスライス面選択とその面内の水のみを選択的に励起させる(脂肪は励起させない)シーケンスである。以下、このシーケンスを用いた撮影法を“Water Chemicelective xcitation(Water−CHASE)”法と呼ぶことにする。
このWater−CHASE法は、まず図14に示すように、スライス選択用のZ軸方向の傾斜磁場G=強度GS1を印加しながら。励起RFパルスとしての90°パルスを印加する。この90°パルスは、シンク(sinc)関数のπ数を(−4、+1)πだけ増やして片方(図中左側)のサイドロブを長くとって,20msec程度のパルス長さに設定してある。なお、もう一方の側(図中右側)のサイドロブはエコー時間TEを短かくするため、この実施例ではカットされている。このπ数については、必要に応じて、(−1、+1)π〜(−10、+10)π程度に設定しても効果がある。
この従来よりも時間的に長い90°パルスにより、その励起周波数範囲Rfは図15に示す如く狭帯域となる。この励起周波数範囲Rfは、マルチスライス撮影の基準となる面、例えば中心のスライス面で水の共鳴スペクトル曲線CWATのみを含み、ケミカルシフトに因る脂肪の共鳴曲線CFATは入らないように調整される。この従来よりも長いパルス長の90°パルスを印加している間のスライス用傾斜磁場Gは所定強度GS1に設定される。
この後、読出し傾斜磁場Gとともに、位相エンコード用傾斜磁場Gが印加される。
この後、TE/2時間の経過に合わせて、反転RFパルスとしての180°パルス(π数が90°パルスより短い)がスライス用傾斜磁場G=強度GS2と共に印加される。このときの傾斜磁場GS2の強度は90°パルス印加時のそれよりも大きく(GS2>GS1)設定してある。このように、2つのスライス用傾斜磁場GS1、GS2及び90°RFパルス、180°RFパルスの周波数帯域が異なるので、180°パルス印加時にスライスされる面は90°パルス印加時のスライス面とはスライス厚程度異なる。
さらに、その後、TE/2時間経過すると、読出し用傾斜磁場Gを印加しながら、エコー信号が受信される。
以下、決められたエコー数の分だけ同様の180°パルスが印加され(その時のスライス用傾斜磁場強度はG=強度GS2)、高速SE法によって画像データが収集される。
このように、Water−CHASE法では、最初にスライス用傾斜磁場G(GS1)と共に時間軸上で長い90°パルスが印加されるので、所望のスライス面が選択され、且つ、そのスライス面内の水のみに含まれるプロトンのスピンが図15(90°パルスによる励起範囲Rfに水の共鳴曲線CWATのみが入っている)に示すように選択的に励起される。つまり、この水のプロトンに関しては常に狭帯域の90°パルスで励起される(On−resonance)。その後、180°パルス印加のときはスライス用傾斜磁場G(=強度GS2)の強度及び周波数帯域が異なるので、スライス励起位置がスライス厚程度異なるため、90°パルスでもし脂肪が励起された面があっても、次の180°パルスでは異なる面が励起されるので、脂肪のMR信号は集まらない。
この結果、90°パルスでXY面に倒された水のスピンはその後、180°パルスによってリフォーカスされ、MR信号として収集される。しかし、脂肪のスピンは90°パルスで励起されないので、180°パルスで、その広い励起範囲Rf′(図16参照)によって励起されても−Z軸方向に倒されるのみであり、脂肪スピンのMR信号は収集されない。これにより、脂肪はMR信号の収集に関与せず、結果として脂肪からのMR信号を大幅に抑制することができるとともに、マルチスライス撮影が可能となり、良好な画質を得ることができる。
このように、スライスと同時に水のプロトンのみを選択的に励起できるから、プリパルスを使わなくても済み、プリパルスを使った場合に比べて繰返し時間TRを短縮させることもできる。また、水を選択的に励起させるのはバイノミアルパルスのようなパルスではないので、バイノミアルパルスを使ったときよりも静磁場の不均一性に強くなる。さらに、水のプロトンの共鳴周波数からずれた周波数を励起させる方法とは異なり、MTC効果は発生しないので、水のMR信号値の低下は無い。したがって、S/N比をT強調像のコントラスト相当のものに良好に維持できる。一方、脂肪分子の中には隣接し合っているプロトン間でスピンのJ−カップリングがあり、信号値が低下するが、Fast SE法に関しては、J−モジュレーション(J−modulation)に因って、脂肪からの信号が上がるという問題がある。しかし、このWater−CHASE法では脂肪を殆ど励起しないで済むので、J−モジュレーションの問題は殆ど生じない。よって、Water−CHASE法はFast SE法にも応用可能である。
なお、このWater−CHASE法に適用するシーケンスはSE法であればよく、高速SE(FastSE)法であってもよい。
実施例に共通する磁気共鳴イメージング装置の全体ブロック図。 第1実施例のMR撮像のシーケンスを示すパルスシーケンス。 バイノミアルパルスを高周波側に150Hzだけオフセットさせた場合の磁化Mz曲線を示したグラフ。 水と脂肪から出てくる信号強度を測定した実験データ。 同図(a)は第2実施例に係るシミング用パルスシーケンス、同図(b)は第2実施例のMR撮像のパルスシーケンス。 第2実施例のシーケンスを実行するための概略フローチャート。 1次のシミングによる水と脂肪の共鳴スペクトルの分離を示す図。 スライス面毎のオフセット量の演算を説明する図。 第2実施例に係るスライス面毎のプリパルスのオフセットを説明する図。 同図(a)は第3実施例に係るシミング用パルスシーケンス、同図(b)は第3実施例のMR撮像のパルスシーケンス。 第3実施例のシーケンスを実行するための概略フローチャート。 スライス面毎のオフセット量の演算を説明する図。 第3実施例に係るスライス面毎のRFパルスのオフセットを説明する図。 第4実施例のMR撮像のシーケンスを示すパルスシーケンス。 90パルスによる励起範囲に水のみの共鳴曲線が入っている状態を示す図。 180°パルスによる励起範囲と水及び脂肪の共鳴曲線との関係を示す図。 水、脂肪および高分子に含まれるプロトンのスペクトル図。 高分子のプロトンを選択励起するためのプリパルスを示した図。 1パルスの磁化特性を表した曲線。 パルスを示した図。 スライス方向における、静磁場の高次の成分の乱れに起因した周波数のずれを示す図。 同図(a)はプリパルスと水、脂肪の共鳴曲線が合っている状態、同図(b)はプリパルスと水、脂肪の共鳴曲線がずれている状態を夫々示す図。
符号の説明
1 磁石
2 静磁場電源
3x〜3y 傾斜磁場コイル
4 傾斜磁場電源
5 シーケンサ
6 コントローラ
7 高周波コイル
8T 送信機
8R 受信機
10 演算ユニット
11 記憶ユニット
12 表示器
13 入力器
14 シムコイル

Claims (6)

  1. 静磁場中に置かれた被検体のスライス断面の水に含まれるプロトンのスピンを励起し、このスピン励起に関するMR信号を画像化するようにした磁気共鳴イメージング装置において、
    前記水に含まれるプロトンのみを選択的に励起可能な90°RFパルスを印加するRFパルス印加手段と、
    この90°RFパルスの印加と同時に、前記断面をスライスするための傾斜磁場を印加する傾斜磁場印加手段とを備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 静磁場中に置かれた被検体の複数のスライス断面の水に含まれるプロトンのスピンを励起し、このスピン励起に関するMR信号を所定シーケンスで収集し画像化するようにした磁気共鳴イメージング装置において、
    前記水に含まれるプロトンのみを選択的に励起可能な90°RFパルスを印加する第1のRFパルス印加手段と、この90°RFパルスの印加と同時に、前記複数のスライス断面の夫々をスライスするための第1の磁場強度を有する第1の傾斜磁場を印加する第1の傾斜磁場印加手段と、前記90°RFパルス及び第1の傾斜磁場を印加した後の所定時間経過後に、当該90°RFパルスで励起されたスピンを反転させる180°RFパルスを印加する第2のRFパルス印加手段と、この180°RFパルスの印加と同時に、上記第1の磁場強度よりも大きい第2の磁場強度を有する第2の傾斜磁場を印加する第2の傾斜磁場印加手段とを備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 前記90°RFパルスは、当該90°RFパルスの励起周波数領域が前記水に含まれるプロトンの共鳴周波数のみを含むように設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載の磁気共鳴イメージング装置。
  4. 前記90°RFパルスは、π数を増加させたシンク関数で高周波信号を変調したパルスであることを特徴とする請求項1又は2記載の磁気共鳴イメージング装置。
  5. 前記90°RFパルスと前記180°RFパルスの周波数帯域は互いに異なることを特徴とした請求項2記載の磁気共鳴イメージング装置。
  6. 前記シーケンスはスピンエコー法のシーケンスであることを特徴とする請求項1又は2記載の磁気共鳴イメージング装置。
JP2003314687A 1994-04-15 2003-09-05 磁気共鳴イメージング装置 Expired - Lifetime JP3643586B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003314687A JP3643586B2 (ja) 1994-04-15 2003-09-05 磁気共鳴イメージング装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7743594 1994-04-15
JP2003314687A JP3643586B2 (ja) 1994-04-15 2003-09-05 磁気共鳴イメージング装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20236194A Division JP3519128B2 (ja) 1993-04-27 1994-08-26 磁気共鳴イメージング装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004024902A JP2004024902A (ja) 2004-01-29
JP3643586B2 true JP3643586B2 (ja) 2005-04-27

Family

ID=31189707

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003314687A Expired - Lifetime JP3643586B2 (ja) 1994-04-15 2003-09-05 磁気共鳴イメージング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3643586B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3992674B2 (ja) 2003-09-25 2007-10-17 ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー 磁気共鳴撮影装置
JP4739943B2 (ja) * 2005-12-26 2011-08-03 ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー Rfパルス印加方法およびmri装置
JP5942466B2 (ja) 2012-02-22 2016-06-29 住友金属鉱山株式会社 複合タングステン酸化物微粒子分散ポリカーボネート樹脂組成物およびそれを用いた熱線遮蔽成形体並びに熱線遮蔽積層体
CN111460934B (zh) * 2020-03-18 2023-09-29 深圳市贝斯达医疗股份有限公司 一种超导高场磁共振的中心频率计算方法及***
CN112244812B (zh) * 2020-10-19 2023-08-22 上海联影医疗科技股份有限公司 磁共振成像方法、磁共振成像***和电子装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004024902A (ja) 2004-01-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4619674B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
EP0529527B1 (en) Method and apparatus for high speed magnetic resonance imaging with improved image quality
US5557202A (en) Method and system for magnetic resonance imaging
US7091720B2 (en) Magnetic resonance tomography method and apparatus with suppression of ambiguity artifacts in spin echo images
US10302729B2 (en) Method and magnetic resonance apparatus for speed-compensated diffusion-based diffusion imaging
WO1995005610A1 (en) Method for magnetic resonance spectroscopic imaging with multiple spin-echoes
JP2009240767A (ja) 磁気共鳴イメージング装置
US5677626A (en) System for magnetic resonance imaging
US10317497B2 (en) Imaging method with multi-slice acquisition
EP1573348B1 (en) Magnetization primer sequence for balanced steady state free precession mr imaging
JP2001212108A (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP3519128B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
US6906515B2 (en) Magnetic resonance imaging device and method
JP3731135B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP3643586B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
US4983918A (en) Magnetic resonance imaging system
JP3753668B2 (ja) Rfパルスチューニング装置
JP3688782B2 (ja) Mri装置
US20170089998A1 (en) Method and apparatus for accelerated acquisition of magnetic resonance data
JP2001276016A (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP4331451B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP4472950B2 (ja) Mri装置
JPH11267113A (ja) 磁気共鳴スペクトロスコピ―・イメ―ジング方法及び装置
US4950992A (en) Magnetic resonance imaging system and method
JP4462781B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050125

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050128

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080204

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090204

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100204

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100204

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110204

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120204

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130204

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140204

Year of fee payment: 9

EXPY Cancellation because of completion of term