JP3641419B2 - タイヤ空気圧低下警報装置および方法 - Google Patents
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Measuring Fluid Pressure (AREA)
- Arrangements For Transmission Of Measured Signals (AREA)
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はタイヤ空気圧低下警報装置および方法に関する。さらに詳しくは、設置スペースを狭くして、製造コストの低減を図ることができるタイヤ空気圧低下警報装置および方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、乗用車などの４輪車両の安全装置として、車輪速情報の変化からタイヤ空気圧の変化を検出する方式のタイヤ空気圧低下警報装置がある。この装置では、図５に示されるように４つの車輪のそれぞれに備えられる車輪速センサから得られる正弦波状のアナログ信号をそれぞれ専用の信号線で取り出したのち、２値化回路を通して車輪速信号のパルスとして取り込むか、または図６に示されるように車輪速信号を取り込んでいる他の演算装置、たとえばＡＢＳ用演算装置から直接メモリを介して取り込み、タイヤの空気圧低下を検出すると警報を出力するようにしている。
【０００３】
しかし、前記各車輪速信号それぞれに専用の信号線を使用する警報装置は、４本（または４組）の信号線を必要としているため、少しでも配線を減らしてコストダウンを図ろうとしている現状では受入れられにくくなりつつある。
【０００４】
また、前記他の演算装置からメモリを介して車輪速信号を取り込む警報装置は、他の演算装置とメモリをともに用いる必要がある。このため、警報装置は、車輪速信号を取り込んでいる演算装置と同一基板上になければならず、警報装置および演算装置を設置させるための設計自由度が大きく制限されてしまうという問題がある。
【０００５】
これに対し、車輪速センサから得られる検出信号を２値化回路において２値化された車輪速信号として、ＡＢＳ用マイクロコンピュータに一旦取り込み、ついで取り込まれた車輪速パルス数情報（パルス数と計測時間とのデータ）を通信ラインを通して受け取るようにしたタイヤ空気圧低下検出装置がある（特開平１０−７１８１８号公報参照）。この検出装置は、従来のタイヤ空気圧低下検出用マイクロコンピュータの入力インターフェース回路を省くことにより、構成を簡単にして安価なものにしている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる検出装置における通信ラインは、ＡＢＳ用マイクロコンピュータとタイヤ空気圧低下警報装置用マイクロコンピュータを一対一で接続するものであり、これら２つのマイクロコンピュータが離れている場合には通信線が長くなることによるコストアップの他に通信エラーが発生し易いなどの問題があり、マイクロコンピュータの配置の自由度が低い。
【０００７】
本発明は、叙上の事情に鑑み、車内通信ネットワーク（以下、車内ＬＡＮという）を利用して、製造コストの低減を図ることができるタイヤ空気圧低下警報装置および方法を提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明のタイヤ空気圧低下警報装置は、４輪車両に装着したタイヤから得られる車輪速情報に基づいて得られる判定値を用いてタイヤの内圧低下を警報するタイヤ空気圧低下警報装置であって、各タイヤの車輪速情報が流れている１つの車内通信ネットワークに、各タイヤの車輪速情報から判定値を演算する演算処理手段が接続されており、各タイヤの車輪速情報を１つの車内通信ネットワークを経由して、前記演算処理手段に取り込むタイヤ空気圧低下警報装置であって、
前記車内通信ネットワークに、少なくとも車輪速演算装置と前記タイヤ空気圧低下警報装置とが接続され、前記車輪速情報が、前記車輪速演算装置において各車輪ごとに２バイトにデジタルデータ化されたのち、前記車内通信ネットワークを経由して前記タイヤ空気圧低下警報装置に送信され、かつ４車輪分の車輪速情報が１回の受信で取り込まれることを特徴とする。
【０００９】
また本発明のタイヤ空気圧低下警報方法は、４輪車両に装着したタイヤから得られる車輪速情報に基づいて得られる判定値を用いてタイヤの内圧低下を警報するタイヤ空気圧低下警報方法であって、各タイヤの車輪速情報を１つの車内ＬＡＮを経由して、各タイヤの車輪速情報から判定値を演算する演算処理手段に取り込み、
前記車内通信ネットワークに、少なくとも車輪速演算装置と前記タイヤ空気圧低下警報装置とが接続され、前記車輪速情報を、前記車輪速演算装置において各車輪ごとに２バイトにデジタルデータ化したのち、前記車内通信ネットワークを経由して前記タイヤ空気圧低下警報装置に送信し、かつ４車輪分の車輪速情報が１回の受信で取り込まれる
ことを特徴とする。
【００１０】
【発明の実施の形態】
実施の形態１
以下、添付図面に基づいて、本発明のタイヤ空気圧低下警報装置および方法を説明する。
【００１１】
図１は本発明のタイヤ空気圧低下警報装置の実施の形態１を示すブロック図、図２は本発明の実施の形態１における車輪速情報の取り込みを示す説明図、図３は図１におけるタイヤ空気圧低下警報装置の電気的構成を示すブロック図、図４は本発明の実施の形態３にかかわる車輪速情報の取り込みを示す説明図である。
【００１２】
図１〜３に示すように、本発明の実施の形態１にかかわるタイヤ空気圧低下警報装置は、たとえば４輪車両に備えられた４つのタイヤＦＬ、ＦＲ、ＲＬおよびＲＲ（Ｗi、ｉ＝１〜４、１：前左タイヤ、２：前右タイヤ、３：後左タイヤ、４：後右タイヤ）の空気圧が低下しているか否かを検出するもので、各タイヤＷiにそれぞれ関連して設けられた通常の車輪速情報検知手段１を備えている。
【００１３】
前記車輪速情報検知手段１としては、電磁ピックアップなどを用いて回転パルスを発生させてパルスの数から車輪速を測定する車輪速センサまたはダイナモのように回転を利用して発電を行ない、この電圧から車輪速を測定するものを含む角速度センサなどを用いることができる。
【００１４】
本実施の形態における車両に搭載されるタイヤの空気圧低下警報装置としては、４輪車両に装着したタイヤから得られる車輪速情報に基づいて得られる判定値を用いてタイヤの内圧低下を警報する装置であれば、とくに限定されるものではないが、たとえば前記各タイヤの車輪速情報を検知する車輪速情報検知手段と、前記各タイヤの車輪速情報を記憶するメモリ手段と、各タイヤの車輪速情報から判定値をそれぞれ演算する演算処理手段とからなるものを用いることができる。
【００１５】
本実施の形態では、前記各タイヤの車輪速情報検知手段１から検出される車輪速情報（車輪速信号）を、ＡＢＳなどの演算装置２に取り込んだのち、該車輪速信号をデジタルデータ化し、車内ＬＡＮ３を経由して該車輪速情報のデータ（車輪速デ−タ）をタイヤ空気圧低下警報装置４に送信し、ついで前記演算処理手段に取り込んでいる。
【００１６】
そして該車輪速情報のデータに基づいて各タイヤの回転角速度を求め、対角線上の一対のタイヤの回転角速度の和から、他の対角線上の一対のタイヤの回転角速度の和を引き算し、その結果と２つの和の合計の平均値との比率（判定値）が、所定のしきい値をこえるときに、タイヤの空気圧低下と判定して警報を出力する。
【００１７】
また前記タイヤ空気圧低下警報装置４には、空気圧が低下したタイヤＷiを知らせるための液晶表示素子、プラズマ表示素子またはＣＲＴなどで構成された表示器５、およびドライバーによって操作することができる初期化スイッチ６が接続されている。
【００１８】
前記車内ＬＡＮ３には、ＡＢＳ用演算装置、タイヤ空気圧低下警報装置、その他の演算装置が接続されており、車輪速データ他様々なデータがやり取りされる。初期化スイッチの信号や表示器への警報出力をこの車内ＬＡＮを使ってやり取りすることも可能である。
【００１９】
前記警報装置４は、図３に示されるように車内ＬＡＮ３との信号の受け渡しに必要なＩ／Ｏインターフェイス４ａと、演算処理の中枢として機能するＣＰＵ４４ｂと、該ＣＰＵ４ｂの制御動作プログラムが格納されたＲＯＭ４ｃと、前記ＣＰＵ４ｂが制御動作を行なう際にデータなどが一時的に書き込まれたり、その書き込まれたデータなどが読み出されるＲＡＭ４ｄとから構成される演算装置に前記演算処理手段およびメモリ手段が含まれている。
【００２０】
本実施の形態では、車輪速信号をデジタルデータ化し、車内ＬＡＮを経由して取り込むことにより、従来の信号線が大幅に節減できる。このため、製造コストの低減を図ることができる。また車内ＬＡＮが通っている所なら、どこでもタイヤ空気圧低下警報装置を配置することができるので、設計の自由度が増す。
【００２１】
実施の形態２
つぎに他の実施の形態を説明する。前記タイヤの空気圧の減少に伴う車輪速の変化は非常に微少である。たとえば３０％の減圧に対して車輪速の変化は０．２％程度である。
【００２２】
したがって、短時間で精度良くタイヤの空気圧の減少を検出するためには、車輪速情報を精度良く取り込む必要がある。このため、つぎの表１に示すように各車輪ごとの車輪速情報のデータとしては２バイト（１６ビット）が必要である。
【００２３】
【表１】
【００２４】
またこの１つの車輪あたり２バイトのデータを４車輪分、合計８バイトを１回の送信で取り込むようにすることで、効率良く、しかも精度良く車輪速情報のデータを取り込むことができる。
【００２５】
実施の形態３
前記実施の形態２に示すように受信可能な車輪速情報のデータがすでに充分精度良く計算されている場合は２バイトの車輪速情報で取り込むことができるが、たとえば車輪速情報を演算するマイクロコンピュータの負荷が高く、車輪速の演算ができないような場合には、車輪速情報のデータが計算されないため、２バイトの車輪速情報で取り込むことができない。
【００２６】
このような場合には、車輪の回転に比例して出力されるパルス（車輪速パルス）の数とそのパルス数に対応する時間の組で表わされる車輪速情報を用いる。たとえば図４に示すような車輪速情報のデータで受信または送信することができる。すなわちＡ点およびＢ点はそれぞれ車輪速情報のデータを受信するタイミングであり、Ｂ点のタイミングで受信される間隔は、Ａ点の直前のパルスの立ち上がりからＢ点の直前のパルスの立ち上がりまでの時間ＴBであり、そのあいだの車輪速パルス数はＮBである。同様にＡ点のタイミングで受信される間隔も同様に、時間ＴAと車輪速パルス数ＮAである。ここで、車輪速パルス数ＮA、ＮBは１バイトおよび対応する時間ＴA、ＴBは２バイトのデータである。
【００２７】
前記車輪速情報のデータを取り込む間隔としては、１０〜１００ｍｓの範囲とするのが好ましい。これはスリップしやすい路面での誤報を避けるためにはこの範囲の間隔でデータを取り込むのが好ましいからである。
【００２８】
なお、本実施の形態では、パルスの立ち上がりから立ち上がりまでの間隔で説明したが、パルスの立ち下がりから立ち下がりまでの間隔で行なうこともできる。
【００２９】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によれば、車輪速情報をデジタルデータ化とし、車内ＬＡＮを経由して、タイヤ空気圧低下警報装置に取り込むことにより、従来よりも車内の配線を大幅に減少させることができる。またタイヤ空気圧警報装置を車内ＬＡＮに接続可能な場所であればどこにでも設置することができるため、比較的スペースに余裕があるところへ置くなど、車両内の電装系の設計の自由度を増すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のタイヤ空気圧低下警報装置の一実施の形態を示すブロック図である。
【図２】本発明の実施の形態１における車輪速情報の取り込みを示す説明図である。
【図３】図１におけるタイヤ空気圧低下警報装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図４】本発明の実施の形態３にかかわる車輪速情報の取り込みを示す説明図である。
【図５】従来の車輪速情報の取り込みを示す説明図である。
【図６】従来の車輪速情報の他の取り込みを示す説明図である。
【符号の説明】
１ 車輪速情報検知手段
２ ＡＢＳなどの演算装置
３ 車内ＬＡＮ（車内通信ネットワーク）
４ タイヤ空気圧低下警報装置
５ 表示器
６ 初期化スイッチ
【発明の属する技術分野】
本発明はタイヤ空気圧低下警報装置および方法に関する。さらに詳しくは、設置スペースを狭くして、製造コストの低減を図ることができるタイヤ空気圧低下警報装置および方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、乗用車などの４輪車両の安全装置として、車輪速情報の変化からタイヤ空気圧の変化を検出する方式のタイヤ空気圧低下警報装置がある。この装置では、図５に示されるように４つの車輪のそれぞれに備えられる車輪速センサから得られる正弦波状のアナログ信号をそれぞれ専用の信号線で取り出したのち、２値化回路を通して車輪速信号のパルスとして取り込むか、または図６に示されるように車輪速信号を取り込んでいる他の演算装置、たとえばＡＢＳ用演算装置から直接メモリを介して取り込み、タイヤの空気圧低下を検出すると警報を出力するようにしている。
【０００３】
しかし、前記各車輪速信号それぞれに専用の信号線を使用する警報装置は、４本（または４組）の信号線を必要としているため、少しでも配線を減らしてコストダウンを図ろうとしている現状では受入れられにくくなりつつある。
【０００４】
また、前記他の演算装置からメモリを介して車輪速信号を取り込む警報装置は、他の演算装置とメモリをともに用いる必要がある。このため、警報装置は、車輪速信号を取り込んでいる演算装置と同一基板上になければならず、警報装置および演算装置を設置させるための設計自由度が大きく制限されてしまうという問題がある。
【０００５】
これに対し、車輪速センサから得られる検出信号を２値化回路において２値化された車輪速信号として、ＡＢＳ用マイクロコンピュータに一旦取り込み、ついで取り込まれた車輪速パルス数情報（パルス数と計測時間とのデータ）を通信ラインを通して受け取るようにしたタイヤ空気圧低下検出装置がある（特開平１０−７１８１８号公報参照）。この検出装置は、従来のタイヤ空気圧低下検出用マイクロコンピュータの入力インターフェース回路を省くことにより、構成を簡単にして安価なものにしている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる検出装置における通信ラインは、ＡＢＳ用マイクロコンピュータとタイヤ空気圧低下警報装置用マイクロコンピュータを一対一で接続するものであり、これら２つのマイクロコンピュータが離れている場合には通信線が長くなることによるコストアップの他に通信エラーが発生し易いなどの問題があり、マイクロコンピュータの配置の自由度が低い。
【０００７】
本発明は、叙上の事情に鑑み、車内通信ネットワーク（以下、車内ＬＡＮという）を利用して、製造コストの低減を図ることができるタイヤ空気圧低下警報装置および方法を提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明のタイヤ空気圧低下警報装置は、４輪車両に装着したタイヤから得られる車輪速情報に基づいて得られる判定値を用いてタイヤの内圧低下を警報するタイヤ空気圧低下警報装置であって、各タイヤの車輪速情報が流れている１つの車内通信ネットワークに、各タイヤの車輪速情報から判定値を演算する演算処理手段が接続されており、各タイヤの車輪速情報を１つの車内通信ネットワークを経由して、前記演算処理手段に取り込むタイヤ空気圧低下警報装置であって、
前記車内通信ネットワークに、少なくとも車輪速演算装置と前記タイヤ空気圧低下警報装置とが接続され、前記車輪速情報が、前記車輪速演算装置において各車輪ごとに２バイトにデジタルデータ化されたのち、前記車内通信ネットワークを経由して前記タイヤ空気圧低下警報装置に送信され、かつ４車輪分の車輪速情報が１回の受信で取り込まれることを特徴とする。
【０００９】
また本発明のタイヤ空気圧低下警報方法は、４輪車両に装着したタイヤから得られる車輪速情報に基づいて得られる判定値を用いてタイヤの内圧低下を警報するタイヤ空気圧低下警報方法であって、各タイヤの車輪速情報を１つの車内ＬＡＮを経由して、各タイヤの車輪速情報から判定値を演算する演算処理手段に取り込み、
前記車内通信ネットワークに、少なくとも車輪速演算装置と前記タイヤ空気圧低下警報装置とが接続され、前記車輪速情報を、前記車輪速演算装置において各車輪ごとに２バイトにデジタルデータ化したのち、前記車内通信ネットワークを経由して前記タイヤ空気圧低下警報装置に送信し、かつ４車輪分の車輪速情報が１回の受信で取り込まれる
ことを特徴とする。
【００１０】
【発明の実施の形態】
実施の形態１
以下、添付図面に基づいて、本発明のタイヤ空気圧低下警報装置および方法を説明する。
【００１１】
図１は本発明のタイヤ空気圧低下警報装置の実施の形態１を示すブロック図、図２は本発明の実施の形態１における車輪速情報の取り込みを示す説明図、図３は図１におけるタイヤ空気圧低下警報装置の電気的構成を示すブロック図、図４は本発明の実施の形態３にかかわる車輪速情報の取り込みを示す説明図である。
【００１２】
図１〜３に示すように、本発明の実施の形態１にかかわるタイヤ空気圧低下警報装置は、たとえば４輪車両に備えられた４つのタイヤＦＬ、ＦＲ、ＲＬおよびＲＲ（Ｗi、ｉ＝１〜４、１：前左タイヤ、２：前右タイヤ、３：後左タイヤ、４：後右タイヤ）の空気圧が低下しているか否かを検出するもので、各タイヤＷiにそれぞれ関連して設けられた通常の車輪速情報検知手段１を備えている。
【００１３】
前記車輪速情報検知手段１としては、電磁ピックアップなどを用いて回転パルスを発生させてパルスの数から車輪速を測定する車輪速センサまたはダイナモのように回転を利用して発電を行ない、この電圧から車輪速を測定するものを含む角速度センサなどを用いることができる。
【００１４】
本実施の形態における車両に搭載されるタイヤの空気圧低下警報装置としては、４輪車両に装着したタイヤから得られる車輪速情報に基づいて得られる判定値を用いてタイヤの内圧低下を警報する装置であれば、とくに限定されるものではないが、たとえば前記各タイヤの車輪速情報を検知する車輪速情報検知手段と、前記各タイヤの車輪速情報を記憶するメモリ手段と、各タイヤの車輪速情報から判定値をそれぞれ演算する演算処理手段とからなるものを用いることができる。
【００１５】
本実施の形態では、前記各タイヤの車輪速情報検知手段１から検出される車輪速情報（車輪速信号）を、ＡＢＳなどの演算装置２に取り込んだのち、該車輪速信号をデジタルデータ化し、車内ＬＡＮ３を経由して該車輪速情報のデータ（車輪速デ−タ）をタイヤ空気圧低下警報装置４に送信し、ついで前記演算処理手段に取り込んでいる。
【００１６】
そして該車輪速情報のデータに基づいて各タイヤの回転角速度を求め、対角線上の一対のタイヤの回転角速度の和から、他の対角線上の一対のタイヤの回転角速度の和を引き算し、その結果と２つの和の合計の平均値との比率（判定値）が、所定のしきい値をこえるときに、タイヤの空気圧低下と判定して警報を出力する。
【００１７】
また前記タイヤ空気圧低下警報装置４には、空気圧が低下したタイヤＷiを知らせるための液晶表示素子、プラズマ表示素子またはＣＲＴなどで構成された表示器５、およびドライバーによって操作することができる初期化スイッチ６が接続されている。
【００１８】
前記車内ＬＡＮ３には、ＡＢＳ用演算装置、タイヤ空気圧低下警報装置、その他の演算装置が接続されており、車輪速データ他様々なデータがやり取りされる。初期化スイッチの信号や表示器への警報出力をこの車内ＬＡＮを使ってやり取りすることも可能である。
【００１９】
前記警報装置４は、図３に示されるように車内ＬＡＮ３との信号の受け渡しに必要なＩ／Ｏインターフェイス４ａと、演算処理の中枢として機能するＣＰＵ４４ｂと、該ＣＰＵ４ｂの制御動作プログラムが格納されたＲＯＭ４ｃと、前記ＣＰＵ４ｂが制御動作を行なう際にデータなどが一時的に書き込まれたり、その書き込まれたデータなどが読み出されるＲＡＭ４ｄとから構成される演算装置に前記演算処理手段およびメモリ手段が含まれている。
【００２０】
本実施の形態では、車輪速信号をデジタルデータ化し、車内ＬＡＮを経由して取り込むことにより、従来の信号線が大幅に節減できる。このため、製造コストの低減を図ることができる。また車内ＬＡＮが通っている所なら、どこでもタイヤ空気圧低下警報装置を配置することができるので、設計の自由度が増す。
【００２１】
実施の形態２
つぎに他の実施の形態を説明する。前記タイヤの空気圧の減少に伴う車輪速の変化は非常に微少である。たとえば３０％の減圧に対して車輪速の変化は０．２％程度である。
【００２２】
したがって、短時間で精度良くタイヤの空気圧の減少を検出するためには、車輪速情報を精度良く取り込む必要がある。このため、つぎの表１に示すように各車輪ごとの車輪速情報のデータとしては２バイト（１６ビット）が必要である。
【００２３】
【表１】
またこの１つの車輪あたり２バイトのデータを４車輪分、合計８バイトを１回の送信で取り込むようにすることで、効率良く、しかも精度良く車輪速情報のデータを取り込むことができる。
【００２５】
実施の形態３
前記実施の形態２に示すように受信可能な車輪速情報のデータがすでに充分精度良く計算されている場合は２バイトの車輪速情報で取り込むことができるが、たとえば車輪速情報を演算するマイクロコンピュータの負荷が高く、車輪速の演算ができないような場合には、車輪速情報のデータが計算されないため、２バイトの車輪速情報で取り込むことができない。
【００２６】
このような場合には、車輪の回転に比例して出力されるパルス（車輪速パルス）の数とそのパルス数に対応する時間の組で表わされる車輪速情報を用いる。たとえば図４に示すような車輪速情報のデータで受信または送信することができる。すなわちＡ点およびＢ点はそれぞれ車輪速情報のデータを受信するタイミングであり、Ｂ点のタイミングで受信される間隔は、Ａ点の直前のパルスの立ち上がりからＢ点の直前のパルスの立ち上がりまでの時間ＴBであり、そのあいだの車輪速パルス数はＮBである。同様にＡ点のタイミングで受信される間隔も同様に、時間ＴAと車輪速パルス数ＮAである。ここで、車輪速パルス数ＮA、ＮBは１バイトおよび対応する時間ＴA、ＴBは２バイトのデータである。
【００２７】
前記車輪速情報のデータを取り込む間隔としては、１０〜１００ｍｓの範囲とするのが好ましい。これはスリップしやすい路面での誤報を避けるためにはこの範囲の間隔でデータを取り込むのが好ましいからである。
【００２８】
なお、本実施の形態では、パルスの立ち上がりから立ち上がりまでの間隔で説明したが、パルスの立ち下がりから立ち下がりまでの間隔で行なうこともできる。
【００２９】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によれば、車輪速情報をデジタルデータ化とし、車内ＬＡＮを経由して、タイヤ空気圧低下警報装置に取り込むことにより、従来よりも車内の配線を大幅に減少させることができる。またタイヤ空気圧警報装置を車内ＬＡＮに接続可能な場所であればどこにでも設置することができるため、比較的スペースに余裕があるところへ置くなど、車両内の電装系の設計の自由度を増すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のタイヤ空気圧低下警報装置の一実施の形態を示すブロック図である。
【図２】本発明の実施の形態１における車輪速情報の取り込みを示す説明図である。
【図３】図１におけるタイヤ空気圧低下警報装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図４】本発明の実施の形態３にかかわる車輪速情報の取り込みを示す説明図である。
【図５】従来の車輪速情報の取り込みを示す説明図である。
【図６】従来の車輪速情報の他の取り込みを示す説明図である。
【符号の説明】
１ 車輪速情報検知手段
２ ＡＢＳなどの演算装置
３ 車内ＬＡＮ（車内通信ネットワーク）
４ タイヤ空気圧低下警報装置
５ 表示器
６ 初期化スイッチ
Claims (4)
- ４輪車両に装着したタイヤから得られる車輪速情報に基づいて得られる判定値を用いてタイヤの内圧低下を警報するタイヤ空気圧低下警報装置であって、各タイヤの車輪速情報が流れている１つの車内通信ネットワークに、各タイヤの車輪速情報から判定値を演算する演算処理手段が接続されており、各タイヤの車輪速情報を１つの車内通信ネットワークを経由して、前記演算処理手段に取り込むタイヤ空気圧低下警報装置であって、
前記車内通信ネットワークに、少なくとも車輪速演算装置と前記タイヤ空気圧低下警報装置とが接続され、前記車輪速情報が、前記車輪速演算装置において各車輪ごとに２バイトにデジタルデータ化されたのち、前記車内通信ネットワークを経由して前記タイヤ空気圧低下警報装置に送信され、かつ４車輪分の車輪速情報が１回の受信で取り込まれる
ことを特徴とするタイヤ空気圧低下警報装置。 - 前記車輪速情報を取り込む間隔が１０〜１００ｍｓである請求項１記載のタイヤ空気圧低下警報装置。
- ４輪車両に装着したタイヤから得られる車輪速情報に基づいて得られる判定値を用いてタイヤの内圧低下を警報するタイヤ空気圧低下警報方法であって、各タイヤの車輪速情報を１つの車内通信ネットワークを経由して、各タイヤの車輪速情報から判定値を演算する演算処理手段に取り込み、
前記車内通信ネットワークに、少なくとも車輪速演算装置と前記タイヤ空気圧低下警報装置とが接続され、前記車輪速情報を、前記車輪速演算装置において各車輪ごとに２バイトにデジタルデータ化したのち、前記車内通信ネットワークを経由して前記タイヤ空気圧低下警報装置に送信し、かつ４車輪分の車輪速情報が１回の受信で取り込まれる
ことを特徴とするタイヤ空気圧低下警報方法。 - 前記車輪速情報を取り込む間隔が１０〜１００ｍｓである請求項３記載のタイヤ空気圧低下警報方法。
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000269050A JP3641419B2 (ja) | 2000-09-05 | 2000-09-05 | タイヤ空気圧低下警報装置および方法 |
| US09/943,206 US20020047779A1 (en) | 2000-09-05 | 2001-08-31 | Apparatus and method for alarming decrease in tire air-pressure |
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