JP3640948B2 - 熱転写記録方法および熱転写記録装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は受像体の基質に関係なく受像体に高画質フルカラー画像を形成する染料熱転写記録を安定に遂行させるための熱記録転写体,及び受像体の全面に高画質フルカラー画像を形成することを可能にした染料熱転写記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
染料熱転写記録はカラー写真に匹敵する高画質画像を提供できる唯一の小型・保守・即時性の優れた記録技術である。これは薄いフィルム基材上に昇華性染料を含む色材層をもうけた転写体と合成紙などの厚手フルム基材上に染着層をもうけた受像体を重ね、熱記録ヘッドを用いて昇華性染料を染着層に移行し染料分子の混色画像を記録するものである。記録は、一般的に受像体を駆動し受像体と転写体間の摩擦力で転写体を従動しておこなう。
【0003】
一方、色々な所に記録画像を添付するため、タックシートを用いる方法が提案されている。タックシートは、上層と下層の2枚構造からなる受像体であって、基材の表面に染着層を形成して得られた上層を、これの前記基材裏面に粘着材を設けて、その上面に離型層が設けられた支持体からなる下層上に固定化したものである。記録後、上層をはがし葉書等に添付して用いている。
【0004】
前述のように、染料熱転写記録方法による記録画像は特殊紙の上に形成される。そのため、ランニングコストが高く本技術の普及を妨げていた。
【0005】
また、最近のマルチメディア時代の情報は画像と文字が混在し、それを電子写真法を用いた画像形成装置と同じように普通紙に記録したいという強い要望が出されているが、従来の染料熱転写記録方法では普通紙上に高品質の画像を得ることは不可能であった。
【0006】
そこで、本発明者らは特願平2−265641号,特願平2−282112号特願平2−282113号等において受像体の基質に関係なく、受像体に高画質フルカラー画像を形成することができる染料熱転写記録方法を提案した。この方法は、第1の基材の裏面に滑性耐熱層を有し,表面に少なくとも染着層を有する染着層転写体と、第2の基材の裏面に滑性耐熱層を有し,表面に少なくとも色材層を有する染料転写体と、第3の基材上に機能層を有する中間媒体と、受像体とを用い、前記染着層転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記染着層を前記中間媒体の機能層上に熱転写するプロセス,前記染料転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記機能層上に転写された染着層に前記色材層中の染料を画信号に応じて熱転写記録するプロセス,及びこの染料が記録された染着層を受像体の主面上に熱転写するプロセスをこの順に行って熱転写記録を行うものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、前記従来の染料熱転写記録では、受像体の外周部に未記録の余白部が形成され、受像体全体に画像を記録することができないという問題点があった。
【0008】
本発明の目的は、受像体の全面に画像を記録することができる染料熱転写記録方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる熱転写記録方法は、第1の基材の裏面に滑性耐熱層を有し、表面に離型層と染着層をこの順に積層した積層構成を有する染着層転写体と、第2の基材の裏面に滑性耐熱層を有し、表面に接着層と色材層をこの順に積層した積層構成を有する染料転写体と、第3の基材上に機能層を有する中間媒体と、受像体とを用い、前記染着層転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記染着層を前記中間媒体の機能層上に熱転写するプロセス、前記染料転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記機能層上に転写された前記染着層に前記色材層中の染料を画信号に応じて熱転写記録するプロセス、及び前記染料が記録された前記染着層を受像体の主面上に熱転写するプロセスをこの順に実行する熱転写記録方法であって、
前記中間媒体の機能層に前記染着層転写体の前記染着層をこれの面積が前記受像体の面積より大きくなるよう転写させ、この染着層に前記染料転写体の色材層中の染料を熱転写記録して前記受像体の面積より大きい面積の画像を形成し、この画素記録染された染着層を前記受像体に転写させると同時に、これの前記受像体の外周からはみ出す部分を前記受像体の外周縁部によって切断することを特徴とする。
【0010】
本発明にかかる熱転写記録装置は、第1の基材の裏面に滑性耐熱層を有し、表面に離型層と染着層をこの順に積層した積層構成を有する染着層転写体と、第2の基材の裏面に滑性耐熱層を有し、表面に接着層と色材層をこの順に積層した積層構成を有する染料転写体と、第3の基材上に機能層を有する中間媒体と、受像体とを用い、前記染着層転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記染着層を前記中間媒体の機能層上に熱転写し、前記染料転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記機能層上に転写された前記染着層に前記色材層中の染料を画信号に応じて熱転写記録し、前記染料が記録された前記染着層を受像体の主面上に熱転写する熱転写記録装置であって、
前記中間媒体の機能層に前記染着層転写体の前記染着層をこれの面積が前記受像体の面積より大きくなるよう転写させ、この染着層に前記染料転写体の色材層中の染料を熱転写記録して前記受像体の面積より大きい面積の画像を形成し、この画素記録染された染着層を前記受像体に転写させると同時に、これの前記受像体の外周からはみ出す部分を前記受像体の外周縁部によって切断されるようにしたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の熱記録転写体の第1の構成によれば、第1の基材の裏面に滑性耐熱層を有し,表面に離型層と染着層をこの順に積層した積層構成を有する染着層転写体と、第2の基材の裏面に滑性耐熱層を有し,表面に接着層と色材層をこの順に積層した積層構成を有する染料転写体と、第3の基材上に機能層を有する中間媒体と、受像体とを用い、前記染着層転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記染着層を前記中間媒体の機能層上に熱転写するプロセス,前記染料転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記機能層上に転写された染着層に前記色材層中の染料を画信号に応じて熱転写記録するプロセス,及びこの染料が記録された染着層を受像体の主面上に熱転写するプロセスをこの順に実行する染料熱転写記録に前記染料転写体として供される熱記録転写体であって、基材と、前記基材の裏面に形成された滑性耐熱層と、前記基材の表面に接着層を介して形成された色材層とを有し、この色材層を構成する樹脂をポリアクリロニトリルスチレン樹脂と、下記の(a)(b)(c)の樹脂のうちの少なくとも1つの樹脂とを、混合比が2:8ないし8:2の範囲となるよう混合してなるものとしたから、前記色材層が良好な耐熱性及び柔軟性を示すとともに、十分な接着力によって前記接着層に接着することになり、その結果、高温度下の巻回保存時,及び記録プロセス時の安定性に優れたものとなる。
【0012】
(a)ポリ塩化ビニル樹脂,(b)ポリ塩化ビニル樹脂とポリ酢酸ビニル樹脂の共重合樹脂,(c)ポリ塩化ビニル樹脂とポリ酢酸ビニル樹脂とポリビニルアルコール樹脂の共重合樹脂。
【0013】
前記第1の構成の好ましい例として、基材表面の接着層を構成する樹脂と,前記色材層との付着力が、50℃以上で20g/インチ以上であると、記録プロセスを繰り返し安定に遂行させることができる。
【0014】
また前記第1の構成の好ましい例として、前記基材表面の接着層を構成する樹脂のガラス転移温度が40℃以上であると、中間媒体が50〜60℃に加熱されるような環境下においても、色材層と接着層のブロッキングを起こすことなく、記録プロセスを繰り返し安定に遂行させることができる。
【0015】
また前記第1の構成の好ましい例として、前記第1の構成において、前記基材がポリエステルフィルムであり、前記基材表面の接着層を構成する樹脂がガラス転移温度が60℃以上のランダム共重合ポリエステル樹脂であると、前記よりも更に高温な環境下においても、色材層と接着層のブロッキングを起こすことなく、記録プロセスを繰り返し安定に遂行させることができる。
【0016】
また前記第1の構成の好ましい例として、前記基材を前記染料転写体が形成される前記第2基材と,前記染着層転写体が形成される前記第1基材の両方に使用されるものであると、染料転写体と染着層転写体を1つの転写体にて構成でき、記録プロセスの遂行を小さい占有空間にて行うことができる。
【0017】
本発明の熱記録転写体の第2の構成によれば、第1の基材の裏面に滑性耐熱層を有し,表面に離型層と染着層をこの順に積層した積層構成を有する染着層転写体と、第2の基材の裏面に滑性耐熱層を有し,表面に接着層と色材層をこの順に積層した積層構成を有する染料転写体と、第3の基材上に機能層を有する中間媒体と、受像体とを用い、前記染着層転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記染着層を前記中間媒体の機能層上に熱転写するプロセス,前記染料転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記機能層上に転写された染着層に前記色材層中の染料を画信号に応じて熱転写記録するプロセス,及びこの染料が記録された染着層を受像体の主面上に熱転写するプロセスをこの順に実行する染料熱転写記録に前記染着層転写体として供される熱記録転写体であって、基材と、前記基材の裏面に形成された滑性耐熱層と、前記基材の表面に離型層を介して形成された染着層とを有し、この染着層を前記離型層から遠い位置にある部分程高い耐熱性を示すものにしたから、記録プロセスにおいて、中間媒体に保持された染着層は、その耐熱性の低い側の表面部が色材層に接着することになり、記録感度を高めることができる。また、高温巻回保存時にはその耐熱性の高い側の表面部が滑性耐熱層と接することになり、両層間の接着等によるトラブルも防止することができる。
【0018】
本発明の熱記録転写体の第3の構成によれば、第1の基材の裏面に滑性耐熱層を有し,表面に離型層と染着層をこの順に積層した積層構成を有する染着層転写体と、第2の基材の裏面に滑性耐熱層を有し,表面に接着層と色材層をこの順に積層した積層構成を有する染料転写体と、第3の基材上に機能層を有する中間媒体と、受像体とを用い、前記染着層転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記染着層を前記中間媒体の機能層上に熱転写するプロセス,前記染料転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記機能層上に転写された染着層に前記色材層中の染料を画信号に応じて熱転写記録するプロセス,及びこの染料が記録された染着層を受像体の主面上に熱転写するプロセスをこの順に実行する染料熱転写記録に前記染着層転写体として供される熱記録転写体であって、前記染着層を、前記離型層に接する第1染着層と,この第1染着層を被覆して保護する保護層とからなる2層構成、または前記離型層に接する第1染着層と,この第1染着層を被覆して保護する保護層と,この保護層上に形成された膜強度補強層とからなる3層構成にしたから、印刷形成によって強度的に安定な染着層を形成することができ、特に、3層構成にすることにより、記録プロセスを安定化できる厚みを有する染着層を形成することができる。
【0019】
また前記第3の構成の好ましい例として、前記第1染着層がガラス転移温度Tgが60℃未満のポリビニルブチラール樹脂またはポリビニルアセタール樹脂と離型材とを含むものであり、前記保護層が70℃以上の互いに異なる温度のガラス転移温度Tgを有する複数のポリビニルブチラール樹脂またはポリビニルアセタール樹脂を混合した樹脂を含み、かつ、前記第1染着層の全面を被覆する面積を持つものものであり、前記膜強度補強層がガラス転移温度Tgが100℃以上のポリビニルブチラール樹脂またはボリビニルアセタール樹脂を含み、前記保護層の外形より小さい面積を持ち、かつ、前記保護層より高い耐熱性を有するものであると、印刷形成によって、強度的に安定で、記録感度を向上でき、しかも、高温巻回保存時における滑性耐熱層との接着を防止できる染着層を形成することができる。
【0020】
本発明の熱記録転写体の第4の構成によれば、第1の基材の裏面に滑性耐熱層を有し,表面に離型層と染着層をこの順に積層した積層構成を有する染着層転写体と、第2の基材の裏面に滑性耐熱層を有し,表面に接着層と色材層をこの順に積層した積層構成を有する染料転写体と、第3の基材上に機能層を有する中間媒体と、受像体とを用い、前記染着層転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記染着層を前記中間媒体の機能層上に熱転写するプロセス,前記染料転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記機能層上に転写された染着層に前記色材層中の染料を画信号に応じて熱転写記録するプロセス,及びこの染料が記録された染着層を受像体の主面上に熱転写するプロセスをこの順に実行する染料熱転写記録の前記染着層転写体として使用される熱記録転写体であって、基材と、前記基材の裏面に形成された滑性耐熱層と、前記基材の表面に離型層を介して形成された染着層とを有し、この染着層の前記色材層に接触する表面領域を構成する樹脂と、前記色材層を構成する樹脂とを互いに非相溶な樹脂で構成したことにより、記録時に染着層が染料転写体の色材層に熱融着せず、記録後これらを容易に剥離することができ、その結果、記録プロセスを繰り返し安定に遂行させることができる。
【0021】
前記第4の構成の好ましい例として、前記染着層の前記色材層に接触する表面領域を構成する樹脂がポリビニルブチラール,ポリビニルアセタールから選ばれる1種類以上の樹脂であり、前記色材層を構成する樹脂がポリアクリロニトリルスチレン樹脂,ポリ塩化ビニル樹脂,ポリ酢酸ビニル樹脂,ポリビニルアルコール樹脂,ポリエステル樹脂,ポリアミド樹脂,ウレタン樹脂,アクリル樹脂から選ばれる1種類以上の樹脂であると、染着層の色材層に接触する表面領域と、色材層とを確実に相溶しないものにすることができる。
【0022】
また前記第4の構成の好ましい例として、前記染着層の前記色材層に接触する表面領域を構成する樹脂が、ポリアクリロニトリルスチレン樹脂,ポリ塩化ビニル樹脂,ポリ酢酸ビニル樹脂,ポリビニルアルコール樹脂,ポリエステル樹脂,ポリアミド樹脂,ウレタン樹脂,アクリル樹脂から選ばれる1種類以上の樹脂であり、前記色材層を構成する樹脂がポリビニルブチラール,ポリビニルアセタールから選ばれる1種類以上の樹脂であると、染着層の色材層に接触する表面領域と、色材層とを確実に相溶しないものにすることができる。
【0023】
また前記第2,第3,及び第4の構成の好ましい例として、前記染着層の前記中間媒体上の機能層に対する付着力が10g/25mm〜100g/25mmの範囲にあると、染着層の中間媒体上の機能層への転写が安定に行われ、かつ、染着層への染料転写体からの染料の記録が安定に行われるとともに、受像体への染着層の転写が安定に行われることとなり、記録プロセスの安定化が図られる。
【0024】
また前記第2,第3,及び第4の構成の好ましい例として、前記基材が前記染着層転写体が形成される前記第1基材と,前記染料転写体が形成される前記第2基材との両方に使用されるものであると、記録プロセスの遂行を小さい占有空間にて行うことができる。
【0025】
また前記第1,第2,第3,及び第4の構成の好ましい例として、前記基材の裏面に形成された滑性耐熱層が、少なくとも耐熱性樹脂,無機あるいは有機の微粒子,及び液状潤滑性物質を含んでなるものであると、耐熱性樹脂が層に耐熱性を付与し、無機あるいは有機の微粒子が層の表面を粗面化するとともに層の熱ヘッドに対する動摩擦係数を低減化し、液状潤滑性物質が層表面に湧き出して,層の熱ヘッドに対する動摩擦係数をより一層低減化するので、記録プロセスにおいて転写体を安定に走行させることができる。また、前記液状潤滑性物質が側鎖に官能基を有し、分子量が10000以上の非反応性シリコーンオイルであると、滑性耐熱層中において液状潤滑性物質の自由な動きが束縛されることとなって、転写体を巻回して長時間高温保持しても、基材表面にある染着層または色材層へ液状潤滑性物質が転移することがなくなり、その結果、記録プロセスにおいて、中間媒体の機能層表面及び色材層表面が液状潤滑性物によって汚染されることが防止され、染着層の中間媒体へ保持される保持力を一定に保つことができる。
また、前記非反応性シリコーンオイルが、ポリエーテル基の分子量が6000で、ポリエーテル基によって挟まれるジメチルポリシロキサン部分の分子量が12000のポリエーテル変性シリコーンのような前記官能基部分の分子量が前記官能基によって挟まれるジメチルポリシロキサン部分の分子量より大きいものであると、非反応性シリコーンオイルが滑性耐熱層中でより強く拘束されることになり、記録プロセスでの液状潤滑性物による中間媒体の機能層表面及び色材層表面の汚染を確実に無くすことができ、記録プロセスをより一層安定化させることができる。
【0026】
本発明の熱転写記録方法によれば、第1の基材の裏面に滑性耐熱層を有し,表面に離型層と染着層をこの順に積層した積層構成を有する染着層転写体と、第2の基材の裏面に滑性耐熱層を有し,表面に接着層と色材層をこの順に積層した積層構成を有する染料転写体と、第3の基材上に機能層を有する中間媒体と、受像体とを用い、前記染着層転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記染着層を前記中間媒体の機能層上に熱転写するプロセス,前記染料転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記機能層上に転写された染着層に前記色材層中の染料を画信号に応じて熱転写記録するプロセス,及びこの染料が記録された染着層を受像体の主面上に熱転写するプロセスをこの順に実行する染料熱転写記録であって、前記中間媒体の機能層に前記染着層転写体の前記染着層をこれの面積が前記受像体の面積より大きくなるよう転写させ、この染着層に前記染料転写体の色材層中の染料を熱転写記録して前記受像体の面積より大きい面積の画像を形成し、この画素記録染された染着層を前記受像体に転写させると同時に,これの前記受像体の外周からはみ出す部分を前記受像体の外周縁部によって切断するようにしたから、従来困難であった受像体の全面に画像を形成することが可能となる。
【0027】
図1に本発明の熱記録転写体を用いた染料熱転写記録の第1の形態を示す。基材21の裏面に耐熱滑性層13が形成され、表面に離型層22と染着層23がこの順に形成されてなる染着層転写体2が、ドラム状に形成された中間媒体4と熱ヘッド3−1の間に供給ローラ10と巻取ローラ10′によって送られ、挟着される。そして、ここで中間媒体4の基材41上に設けられた機能層42上に染着層転写体2の染着層23の熱転写が行われる。ここで中間媒体は閉ループを形成するベルト状,あるいはシ−ト状で形成されたものであってもよい。図中の2′は染着層23が転写された後の染着層転写体2の状態を示す。次に、基材11の裏面に耐熱滑性層13が形成され、表面に接着層14と色材層12がこの順に形成されてなる染料転写体1が中間媒体4と熱ヘッド3−2の間に供給ローラ9と巻取ローラ9′によって送られ、ここで、染料転写体1の色材層12中の昇華性染料が中間媒体4上の染着層23中に熱拡散転写される。最後に、熱ロ−ラ7を用いて受像体5上に中間媒体4上の染着層23中に記録された画像が染着層23と共に熱転写され、受像体5の基質に依存することなく受像体5に高画質画像が形成される。また、図中の6は受像体5上に画像記録がなされた染着層23′が転写された後の状態を示す。なお、中間媒体4がシ−ト状である場合、染着層23の転写、色材層12からの染料の転写毎にシート状の中間媒体をスウィングして使用する。
【0028】
図2に本発明の熱記録転写体を用いた染料熱転写記録の第2の形態を示す。ここでは、前述の染着層転写体2と染料転写体1とが一体化されて熱記録転写体100を構成している。即ち、基材11(21)の裏面に耐熱滑性層13を形成し、表面に接着層14を形成し、この接着層14上の第1の領域に離型層22と染着層23とをこの順に形成し、第2,第3の領域に色相が異なる色材層12−1,12−2を形成して転写体100を構成している。そして、この転写体が中間媒体4と熱ヘッド3−2の間に供給ローラ9と巻取ローラ9′によって送られ、熱ヘッド3−2によって、先ず染着層23が熱転写され、これに続いて前記熱転写された染着層23に色材層12−1,12−2中の昇華性染料が熱転写される。昇華性染料が染着層23に記録された後のプロセスは前記図1に示した第1の形態と同じである。
【0029】
図3に本発明の熱記録転写体を用いた染料熱転写記録の第3の形態を示す。ここでは図4に示す前記第2の形態で用いられた染着層転写体と染料転写体が同一基材に形成された熱記録転写体100と、ベルト状中間媒体4′を用いる。ベルト状中間媒体4′はプラテン、ガイドロ−ラ等で架張されている。熱記録転写体100の染着層23の部分がベルト状に形成された中間媒体4′と熱ヘッド3の間に送られて挟着され、中間媒体4′の基材41上に設けられた機能層42上に染着層23の熱転写が行われる。染着層23は後で染料が記録される部分だけの選択転写か,または一定の面積全部の転写が行なわれる。次に、熱記録転写体100の色材層12の部分が中間媒体4′と熱ヘッド3の間に送られて挟着され、色材層12中の昇華性染料が中間媒体4′上に転写された染着層23中に熱拡散転写される。最後に、熱ロ−ラ7によって受像体5上に中間媒体4上の染着層23中に記録された画像が染着層23と共に熱転写され、受像体5の基質に依存することなく受像体5に高画質画像が形成される。
【0030】
前記の本発明の染料熱転写記録において、基材11は厚み2ないし10ミクロンの高分子フィルムが用いられる。一般的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが用いられるが、芳香族ポリアミド(アラミド)、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエ−テルケトン、トリアセチルセルロース、セロファン等、成膜可能な樹脂によるフィルムも有用である。また、これらの樹脂にカーボン等の導電性粒子を混入して成膜した低抵抗性フィルムを用いてもよい。
【0031】
耐熱滑性層13は、熱ヘッド3,3−1,3−2と,基材11,21との間の潤滑性を付与するために設けられており、例えば紫外線硬化樹脂等の耐熱性樹脂、液状潤滑材、及び有機または無機微粒子を少なくとも含んで構成されている。耐熱性樹脂が層に耐熱性を付与する。微粒子が層の表面を粗面化すると共に層の表面の摩擦係数を低減化して、層に安定した走行性を付与する。液状潤滑材が熱ヘッド3,3−1,3−2によって膜内部から微量に膜表面に湧出し、染料転写体1,染着層転写体2,及び熱記録転写体100の走行安定性を増大させる。前記耐熱性樹脂として熱可塑性樹脂を用いることもできるが、熱・光(紫外線)・電子線等による硬化樹脂(架橋樹脂)を用いた方が安定した耐熱性を得らことができ、好ましい。かかる硬化樹脂としてはシリコーン系、アクリレート系、エポキシ系、不飽和アルデヒド樹脂等を挙げることができるが、中でもエポキシアクリレート系樹脂の硬化物が優れた特性を示す。無機または有機の微粒子としては、無機系では金属、金属の酸化物、硫化物、炭化物、窒化物、フッ化物の微粒子や、黒鉛、カーボンブラック、顔料を挙げることができる。このうち酸化チタン、二硫化モリブデン、疎水性(無水)シリカが好まく、その中でも気相成長法で製造された超微粒子状の疎水性(無水)シリカ,酸化チタン,酸化アルミニウムが特に好ましい。有機系では球形シリコーン樹脂微粒子等を挙げることができる。
【0032】
液状潤滑性物質としては、各種のジルチルポリシロキサンシリコーンオイル、フッ素系シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル(エポキシ変性、ポリエ−テル変性、アミノ変性、カルボキシル変性等)、有機金属塩、フルオロアルキル化合物等のフッ素系界面活性剤等を用いることができる。液状潤滑性物質が側鎖に官能基を有し,分子量が10000以上の非反応性シリコーンオイルであると、滑性耐熱層中でのシリコーンオイルの自由な動きが束縛され、転写体を巻回し長時間高温に保持した場合に生ずる,基材表面側の染着層23表面または色材層12表面にシリコーンオイルが転移することを抑制することができる。更に、この非反応性シリコーンオイルのジメチルポリシロキサン部に挟まれる側鎖官能基部分の分子量が側鎖官能基部分に挟まれるジメチルポリシロキサン部分の分子量より大きいものであると、滑性耐熱層中でシリコーンオイルの拘束力がより一層高まり、基材表面側の染着層23表面または色材層12表面へのシリコ−ンオイルの転移を抑制する効果がより一層強化される。これの具体例としては、シロキサン部分子量6000、官能基部分子量12000の分子量18000のポリエーテル変性シリコーンオイル等がある。従って、液状潤滑性物質に分子量が10000以上の非反応性シリコーンオイルを用いると、記録動作中、中間媒体4,4′の機能層42表面及び色材層12表面がシリコーンオイルで汚染されず、染着層23を中間媒体4,4′上に保持する付着力を一定に保つことができる。特に、非反応性シリコーンオイルがそのジメチルポリシロキサン部に挟まれる側鎖官能基部分の分子量がジメチルポリシロキサン部分の分子量より大きいものであると、染着層23を中間媒体4,4′上に保持する付着力をより高いレベルで一定に保つことができる。
【0033】
基材11,21上の接着層14は一般的には基材製膜時において基材と一体的に0.5μm以下の厚みに形成される。基材11にポリエステルフィルムを用いる時には、接着層にランタ゛ム共重合ポリエステル樹脂が用いられる。一般的には室温付近での色材層12との大きな接着力を保持するために、室温付近にガラス転移温度Tgのあるポリエステル樹脂が用いられる。しかし、本発明の中間媒体を用いた染料熱転写方式では、中間媒体の表面温度をしばしば50℃〜60℃に保持される。このため、50℃以上でも色材層12を基材11,21によく付着させて、記録時に色材層12と染着層23との融着によるブロッキング現象等の故障が起こらないように設計しなければならない。そのため、接着層14を構成する樹脂のガラス転移温度Tgは40℃以上であることが好ましい。更に60℃以上のTgを有するポリエステル樹脂は装置が高温状態に置かれている時にも安定である。Tg=67℃のポリエステル樹脂(バイロン200:東洋紡績(株)製)とTg=6℃のポリエステルホリエステル樹脂(バイロン300:東洋紡績(株)製)の,ポリエステルフィルムとの剥離力を比較すると、前者は60℃付近に剥離力の最大があり、後者は室温付近に剥離力の最大があり、それぞれ、温度が高くなると共にその値は低下する。図5に接着層14にバイロン200を用いた転写体と,接着層14にバイロン300を用いた転写体とにおける色材層12と接着層14間の剥離力の温度特性を測定した結果と、前記2つの転写体を60℃,60%RHの恒温層に300時間券回保存した後に,それぞれにおける色材層12と接着層14間の剥離力の温度特性を測定した結果を示す。記録部温度がいかなる温度であっても、色材層/接着層間剥離力は色材層/染着層間剥離力より大きいことが、記録プロセスを成立させるために必要である。50℃において、色材層/染着層間剥離力は20g/インチ以下であるので、色材層/接着層間剥離力はその値以上が必要である。従って、接着層14の構成樹脂として40℃以上にTgのある樹脂を用いることにより、転写体を高温に長時間保存したものを用い,記録装置の温度が高温となる環境下においても、記録プロセスを安定に遂行することができる。
【0034】
色材層12は少なくとも昇華性染料と結着樹脂から構成される。昇華性染料としては分散染料、油溶染料、塩基性染料、カラーフォーマー等が用いられる。特に、インドアニリン系、キノフタロン系、ジシアノイミダゾール系、ジシアノメチン系、トリシアノビニル系等の分散染料が有効である。結着樹脂としては、ポリエステル、ポリビニルブチラール、ポリアクリロニトリルスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、低分子ポリスチレン樹脂等が用いられる。また、これらの樹脂は染着層23の構成樹脂としても使用される。この色材層12の結着樹脂と,染着層23の構成樹脂とは非相溶の関係が好ましい。これは、記録時に色材層12と染着層23が熱融着せず、記録後容易にこれらを剥離できるようにするためである。染着層23の構成樹脂にポリエステル、ポリビニルブチラール等の樹脂を用いる場合には、色材層12の結着樹脂としては、ポリアクリロニトリルスチレン(AS)樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂のいずれか、あるいはこれらのうちの2つ以上を混合した混合樹脂が用いられる。逆に色材層12の結着樹脂にポリエステル、ポリビニルブチラール等の樹脂を用いる場合には、染着層23の構成樹脂としてポリアクリロニトリルスチレン(AS)樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂のいずれか、あるいはこれらのうちの2つ以上を混合した混合樹脂が用いられる。樹脂の相溶・非相溶は、溶解性パラメータや臨界表面張力あるいは接触角等によって評価できる。例えば、ポリビニルブチラールの臨界表面張力Fが約24ダイン/cmであるのに対して、本文の他の一般の色材層または染着層樹脂のFは30以上が多い。溶解性パラメ−タSP値で評価すると前者が約7でテフロン(登録商標)の6に近く、後者のそれは9以上のものが多い。
【0035】
色材層12の結着樹脂としてAS樹脂を用いる場合、AS樹脂はTg=104℃であり、色材層の耐熱性の点では最適であるが、膜自身が脆く接着層14との接着力も十分ではない。そこで、これに、接着層14との接着力も強く膜の柔軟性のあるポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂の共重合樹脂(Tg=64℃)を混合したものを色材層12の結着樹脂とすると、転写体1の券回保存性と記録の安定性の両方を満足させることができる。ASと前記共重合樹脂との混合比率は2:8ないし8:2の範囲にあるのが好ましい。
【0036】
染着層転写体2は基材21(11)上に離型層22と染着層23を積層して構成される。離型層22はシリコ−ン樹脂や弗素樹脂等を薄く形成したもの、またはシリコーン樹脂,弗素樹脂以外の樹脂に離型材を混入・分散,あるいは反応させたものが用いられる。シリコーン樹脂としてはコーティング用または剥離紙用または粘着紙用の付加重合あるいは縮合重合して成膜できるものが好ましい。弗素樹脂としはポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ビニリデンフルオライド・ヘキサフルオロプロピレン系ゴム材料、各種含弗素樹脂等が有効である。樹脂に添加させる離型材としては、各種のシリコーン系潤滑材、弗素系界面活性材、パラフィン及びポリエチレン等のワックス類、高級脂肪族アルコール、高級脂肪酸アミド及びエステル等がある。液状潤滑材としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、弗素シリコーンオイル、その他の各種変性シリコーンオイル、2種以上の反応性シリコーンオイルの反応物(例えば、エポキシ変性とカルボキシルまたはアミノ変性の反応物等)がある。また、樹脂と潤滑材の反応型でもよく、例えば、ポリシロキサンをアクリル樹脂にグラフト重合させた水溶性ポリシロキサングラフトアクリル樹脂、シロキサンメタクリレートを末端または側鎖に付加したアクリルシリコーン(シリコン)またはアクリルウレタンシリコーン(シリコン)樹脂等も有効である。
【0037】
染着層23は、好ましくは、基材21(11)表面の離型層22に接する第1染着層24と保護層25の2層構成,または第1染着層24と保護層25と膜強度補強層26の3層構成からなっている。第1染着層24から上層の保護層25,補強層26にゆく程、構成樹脂の耐熱性が高いことが好ましい。これは、記録時に色材層12に耐熱性の低い第1染着層24が接して記録感度を高めることができるためであり、また、高温巻回保存時に滑性耐熱層13に耐熱性の高い保護層25または補強層26が接することにより、染着層23と滑性耐熱層13との接着が起こることを防止できるためである。また、積層製膜上の観点から、第1染着層24と保護層25をこれらに同一樹脂種の樹脂を含ませることにより構成する,または第1染着層24と保護層25と補強層26をこれらに同一樹脂種の樹脂を含ませることにより構成するのが好ましく、これにより、均質な膜性状の積層膜を印刷形成することが可能となる。一般にグラビア印刷で製膜する時、一層の膜厚は高々1.5μmであり、本プロセスを実現するために必要な染着層部分の厚みは3〜4μmである。このため、第1染着層24のみでは膜厚が不足し、プロセス安定化のためには膜強度補強層26を有する3層構成にするのが好ましい。
【0038】
染着層23を前記2層また3層構成にする場合は、以下の構成にするのが好ましい。即ち、前記第1染着層24をガラス転移温度Tgが60℃未満のポリビニルブチラール樹脂またはポリビニルアセタ−ル樹脂と離型材と含むものにし、保護層25を70℃以上の互いに異なる温度のガラス転移温度Tgを有する複数のポリビニルブチラール樹脂またはポリビニルアセタール樹脂を混合した樹脂を含み、かつ、第1染着層24の全面を被覆する面積を持つものものにし、膜強度補強層26をガラス転移温度Tgが100℃以上のポリビニルブチラール樹脂またはボリビニルアセタール樹脂を含み、保護層25の外形より小さい面積を持ち、かつ、保護層25より高い耐熱性を有するものにする。
【0039】
中間媒体4は金属ドラムまたは高分子フィルムの基材41上に機能層42が設けられている。機能層42はシリコーン樹脂や弗素樹脂等を薄く形成したゴム状のもの、またはシリコーン樹脂や弗素樹脂以外の樹脂に離型材を混入・分散、あるいは反応させたものが用いられる。シリコーン樹脂としてはコーティング用または剥離紙用または粘着材料としての付加重合あるいは縮合重合して成膜できるものが好ましい。弗素樹脂としはポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ビニリデンフルオライド・ヘキサフルオロプロピレン系ゴム材料、各種含弗素樹脂等が有効である。特に、フッ化ビニリデン・6フッ化プロピレン・4フッ化エチレンの3元系共重合体フッ素ゴム(バイトン:昭和電工デュポン製)は有効である。この3元共重合体フッ素ゴムはカーボンや酸化マグネシウム等の微粒子と共に用いられて製膜される。
【0040】
受像体5はボンド紙や普通紙等のパルプ系用紙でもよく、乳白PET、ユポ等の合成紙でもよく、パルプ紙とフィルムの接着した基材でもよい。また、テレホンカード、プリペイドカード、ICカード等の各種カード類であってもよい。従来、受像体には受像体周辺に未記録の余白部を残して画像形成されていた。本発明では受像体5が葉書や各種カード類のように固く剛性の強い場合には、以下のようにして、受像体の全面に画像形成をすることができる。即ち、中間媒体4,4′上に染着層23をこれの面積が受像体5の面積より大きくなるよう転写し、この染着層23に受像体5の面積より大きな画像を形成した後、転写に要する熱または圧力の条件を最適化して,染着層23をこれがカード等の受像体5の周辺部によって切断されるように受像体5に転写する。そして、受像体5への染着層23の転写後、中間媒体4上に残った染着層23をクリーニング機構等で除去する。
【0041】
記録ヘッドには、普通の熱(サ−マル)ヘッド、通電ヘッド、レーザーヘッド等が用いられる。ライン型サーマルヘッドを用いた時の記録条件は、ライン記録周期T:33msないし4ms、印加パルス幅:16msないし2ms、記録エネルギ−E:8ないし6J/cm2でおこなわれる。
【0042】
記録された染着層の受像体5への熱転写は熱ロール7を用いる時は、温度約140゜C、速度10mm/秒、圧力1Kg/cm2で行なわれる。
【0043】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明する。
【0044】
(実験例1)
・染料転写体(1)の作製
5ミクロンのPETフィルムの裏面に2ミクロンの後述する滑性耐熱層を設け、表面に0.3ミクロンのTg=67度Cのランダム共重合ポリエステル樹脂を接着層として塗工した後、接着層上に下記処方からなるインクをグラビアコーターで固形厚み1ミクロンになるように色材層を形成した。ここで、滑性耐熱層は下記処方からなる塗料をマイクログラビアコータで塗布し、60度Cの熱風で溶媒を蒸発させた後、1KWの高圧水銀灯を照射して硬化させることにより行った。
(インク)
インドアニリン系分散染料 2.5重量部
アクリルスチレン樹脂 2 重量部
ポリ塩化ビニル共重合樹脂 2 重量部
アミド変性シリコ−ン油 0.02重量部
トルエン 20重量部
2−ブタノン 20重量部
(塗料)
エポキシアクリレ−ト樹脂 12重量部
ネオペンチルグリコ−ルジアクリレ−ト 3重量部
2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン 0.75重量部
アエロジル(疎水性超微粒子シリカの商品名) 2重量部
ポリエ−テル変性ジメチルシリコ−ン 0.4重量部
(分子量18000)
酢酸エチル 100重量部
・染着層転写体(2)の作製
染料転写体と同じPET基材、同じ接着層、同じ滑性耐熱層を用い、接着層上に離型層として脱オキシム型シリコーン樹脂:PRX305(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製商品名)10重量部、トルエン20重量部からなる塗料をバーコーターで厚み0.3ミクロンに形成した。この離型層上に第1染着層としてポリビニルブチラ−ル樹脂:BL−S(積水化学社製商品名,Tg=55℃)6重量部、シロキサンメタアクリレートを側鎖に有するアクリルシリコーン(シリコン)樹脂:F−6A(三洋化成工業社製商品名)0.06重量部、ジ−n−ブチル錫ジラウレート0.004重量部、トルエン及び2−ブタノンをそれぞれ13重量部からなる塗料をバーコーターで厚み1ミクロンになるよう製膜した。この上に保護層として、Tg=75度Cのポリビニルブチラール樹脂とTg=110度Cのアセトアセタール化ポリビニルアルコ−ル樹脂(アセタール樹脂)を6:4の組成で1.5ミクロンになるように製膜した。更にこの上に上記2種類の樹脂を3:7の組成で1.5ミクロン製膜して、合計3層の染着層部を作製した。
【0045】
・中間媒体(4)の作製
金属ドラム上に、50ミクロンのポリイミドフィルムをベースとし、下記の機能層塗料を約30ミクロンに製膜して中間媒体とした。金属ドラムを用いず、機能層を形成したポリイミドをベルトとして用いてもよい。
(機能層塗料)
フッ素ゴム 100重量部
架硫材 3重量部
カ−ボン 20重量部
酸化マグネシウム 15重量部
メチルエチルケトン 350重量部
上記染料転写体(1),染着層転写体(2),及び中間媒体(4)を用い、下記の記録条件にて、受像体(5)としてのボンド紙上に最終画像を得た。
記録ヘッド:ライン型サーマルヘッド
ライン記録速度: 8ms
記録パルス幅: 0−4ms
最大染料記録エネルギ−:6.5J/cm2
染着層転写エネルギー:4J/cm2
熱ローラー:温度140゜C,送り速度10mm/秒、圧力5Kg
以上のようにしてボンド紙上に得られた画像は最大反射濃度1.8以上の高品位なピクトリアル画像であった。そして、繰り返し画像形成を行ってもこの高品位なピクトリアル画像を得ることができた。
【0046】
(実験例2)
・染料転写体(1)の作製
4.5ミクロンのPETフィルムの裏面に1ないし2ミクロンの滑性耐熱層を設け、表面に0.3ミクロンのTg=67度Cのランダム共重合ポリエステル樹脂を接着層として塗工した後、接着層上に下記処方からなるインクをグラビアコーターで固形厚み0.7ミクロンになるように色材層を形成した。ここで滑性耐熱層は前記実験例1と同様にして形成した。
(インク)
インドアニリン系分散染料 2.5重量部
ポリビニルブチラール樹脂 4 重量部
アミド変性シリコーン油 0.02重量部
トルエン 20重量部
2−ブタノン 20重量部
・染着層転写体(2)の作製
染料転写体1と同じPET基材、同じ接着層、同じ滑性耐熱層を用い、接着層上に離型層として脱オキシム型シリコーン樹脂(PRX305、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)10重量部、トルエン20重量部からなる塗料をバーコーターで厚み0.3ミクロンに形成した。この離型層上に最下層の第1染着層としてポリ塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体とポリアクリロニトリルスチレン樹脂の混合樹脂6重量部に離型材としてアミノ変成シリコーンとエポキシ変成シリコーンの反応硬化物を0.06重量部、トルエン及び2−ブタノンをそれぞれ13重量部からなる塗料をバーコーターで1ミクロンになるよう成膜した。この上に保護層として、Tg=75度Cのポリビニルブチラール樹脂とTg=110℃のアセトアセタール化ポリビニルアルコール樹脂(アセタール樹脂)を6:4の組成で1.5ミクロンになるように製膜した。更にこの上に上記アセタ−ル樹脂を1.5ミクロン製膜して、合計3層の染着層部を作製した。
【0047】
・中間媒体(4)の作製
前記実施例1と同じものを用いた。
上記染料転写体(1),染着層転写体(2),及び中間媒体(4)を用い、前記実施例1と同じ記録条件にて、受像体(5)としてのボンド紙上に最終画像を得たところ、前記実施例1と同様に最大反射濃度1.8以上の高品位なピクトリアル画像を得ることができた。そして、繰り返し画像形成を行ってもこの高品位なピクトリアル画像を得ることができた。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、前記の染料熱転写記録において従来困難であった受像体の全面への画像形成が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の熱記録転写体を用いた染料熱転写記録の第1の形態を示す図である。
【図2】 本発明の熱記録転写体を用いた染料熱転写記録の第2の形態を示す図である。
【図3】 本発明の熱記録転写体を用いた染料熱転写記録の第3の形態を示す図である。
【図4】 図3に示された熱記録転写体を拡大して示した図である。
【図5】 色材層と接着層間の剥離力の温度特性を示す図である。
【符号の説明】
1 染料転写体
2,2′ 染着層転写体
3−1,3−2 熱ヘッド
4 中間媒体
5 受像体
6 染着層が転写された受像体
7 熱ローラ
9,10 供給ローラ
9′,10′ 巻取ローラ
11,21,41 基材
12 色材層
13 耐熱滑性層
14 接着層
22 離型層
23,23′ 染着層
42 機能層
【発明の属する技術分野】
本発明は受像体の基質に関係なく受像体に高画質フルカラー画像を形成する染料熱転写記録を安定に遂行させるための熱記録転写体,及び受像体の全面に高画質フルカラー画像を形成することを可能にした染料熱転写記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
染料熱転写記録はカラー写真に匹敵する高画質画像を提供できる唯一の小型・保守・即時性の優れた記録技術である。これは薄いフィルム基材上に昇華性染料を含む色材層をもうけた転写体と合成紙などの厚手フルム基材上に染着層をもうけた受像体を重ね、熱記録ヘッドを用いて昇華性染料を染着層に移行し染料分子の混色画像を記録するものである。記録は、一般的に受像体を駆動し受像体と転写体間の摩擦力で転写体を従動しておこなう。
【0003】
一方、色々な所に記録画像を添付するため、タックシートを用いる方法が提案されている。タックシートは、上層と下層の2枚構造からなる受像体であって、基材の表面に染着層を形成して得られた上層を、これの前記基材裏面に粘着材を設けて、その上面に離型層が設けられた支持体からなる下層上に固定化したものである。記録後、上層をはがし葉書等に添付して用いている。
【0004】
前述のように、染料熱転写記録方法による記録画像は特殊紙の上に形成される。そのため、ランニングコストが高く本技術の普及を妨げていた。
【0005】
また、最近のマルチメディア時代の情報は画像と文字が混在し、それを電子写真法を用いた画像形成装置と同じように普通紙に記録したいという強い要望が出されているが、従来の染料熱転写記録方法では普通紙上に高品質の画像を得ることは不可能であった。
【0006】
そこで、本発明者らは特願平2−265641号,特願平2−282112号特願平2−282113号等において受像体の基質に関係なく、受像体に高画質フルカラー画像を形成することができる染料熱転写記録方法を提案した。この方法は、第1の基材の裏面に滑性耐熱層を有し,表面に少なくとも染着層を有する染着層転写体と、第2の基材の裏面に滑性耐熱層を有し,表面に少なくとも色材層を有する染料転写体と、第3の基材上に機能層を有する中間媒体と、受像体とを用い、前記染着層転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記染着層を前記中間媒体の機能層上に熱転写するプロセス,前記染料転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記機能層上に転写された染着層に前記色材層中の染料を画信号に応じて熱転写記録するプロセス,及びこの染料が記録された染着層を受像体の主面上に熱転写するプロセスをこの順に行って熱転写記録を行うものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、前記従来の染料熱転写記録では、受像体の外周部に未記録の余白部が形成され、受像体全体に画像を記録することができないという問題点があった。
【0008】
本発明の目的は、受像体の全面に画像を記録することができる染料熱転写記録方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる熱転写記録方法は、第1の基材の裏面に滑性耐熱層を有し、表面に離型層と染着層をこの順に積層した積層構成を有する染着層転写体と、第2の基材の裏面に滑性耐熱層を有し、表面に接着層と色材層をこの順に積層した積層構成を有する染料転写体と、第3の基材上に機能層を有する中間媒体と、受像体とを用い、前記染着層転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記染着層を前記中間媒体の機能層上に熱転写するプロセス、前記染料転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記機能層上に転写された前記染着層に前記色材層中の染料を画信号に応じて熱転写記録するプロセス、及び前記染料が記録された前記染着層を受像体の主面上に熱転写するプロセスをこの順に実行する熱転写記録方法であって、
前記中間媒体の機能層に前記染着層転写体の前記染着層をこれの面積が前記受像体の面積より大きくなるよう転写させ、この染着層に前記染料転写体の色材層中の染料を熱転写記録して前記受像体の面積より大きい面積の画像を形成し、この画素記録染された染着層を前記受像体に転写させると同時に、これの前記受像体の外周からはみ出す部分を前記受像体の外周縁部によって切断することを特徴とする。
【0010】
本発明にかかる熱転写記録装置は、第1の基材の裏面に滑性耐熱層を有し、表面に離型層と染着層をこの順に積層した積層構成を有する染着層転写体と、第2の基材の裏面に滑性耐熱層を有し、表面に接着層と色材層をこの順に積層した積層構成を有する染料転写体と、第3の基材上に機能層を有する中間媒体と、受像体とを用い、前記染着層転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記染着層を前記中間媒体の機能層上に熱転写し、前記染料転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記機能層上に転写された前記染着層に前記色材層中の染料を画信号に応じて熱転写記録し、前記染料が記録された前記染着層を受像体の主面上に熱転写する熱転写記録装置であって、
前記中間媒体の機能層に前記染着層転写体の前記染着層をこれの面積が前記受像体の面積より大きくなるよう転写させ、この染着層に前記染料転写体の色材層中の染料を熱転写記録して前記受像体の面積より大きい面積の画像を形成し、この画素記録染された染着層を前記受像体に転写させると同時に、これの前記受像体の外周からはみ出す部分を前記受像体の外周縁部によって切断されるようにしたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の熱記録転写体の第1の構成によれば、第1の基材の裏面に滑性耐熱層を有し,表面に離型層と染着層をこの順に積層した積層構成を有する染着層転写体と、第2の基材の裏面に滑性耐熱層を有し,表面に接着層と色材層をこの順に積層した積層構成を有する染料転写体と、第3の基材上に機能層を有する中間媒体と、受像体とを用い、前記染着層転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記染着層を前記中間媒体の機能層上に熱転写するプロセス,前記染料転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記機能層上に転写された染着層に前記色材層中の染料を画信号に応じて熱転写記録するプロセス,及びこの染料が記録された染着層を受像体の主面上に熱転写するプロセスをこの順に実行する染料熱転写記録に前記染料転写体として供される熱記録転写体であって、基材と、前記基材の裏面に形成された滑性耐熱層と、前記基材の表面に接着層を介して形成された色材層とを有し、この色材層を構成する樹脂をポリアクリロニトリルスチレン樹脂と、下記の(a)(b)(c)の樹脂のうちの少なくとも1つの樹脂とを、混合比が2:8ないし8:2の範囲となるよう混合してなるものとしたから、前記色材層が良好な耐熱性及び柔軟性を示すとともに、十分な接着力によって前記接着層に接着することになり、その結果、高温度下の巻回保存時,及び記録プロセス時の安定性に優れたものとなる。
【0012】
(a)ポリ塩化ビニル樹脂,(b)ポリ塩化ビニル樹脂とポリ酢酸ビニル樹脂の共重合樹脂,(c)ポリ塩化ビニル樹脂とポリ酢酸ビニル樹脂とポリビニルアルコール樹脂の共重合樹脂。
【0013】
前記第1の構成の好ましい例として、基材表面の接着層を構成する樹脂と,前記色材層との付着力が、50℃以上で20g/インチ以上であると、記録プロセスを繰り返し安定に遂行させることができる。
【0014】
また前記第1の構成の好ましい例として、前記基材表面の接着層を構成する樹脂のガラス転移温度が40℃以上であると、中間媒体が50〜60℃に加熱されるような環境下においても、色材層と接着層のブロッキングを起こすことなく、記録プロセスを繰り返し安定に遂行させることができる。
【0015】
また前記第1の構成の好ましい例として、前記第1の構成において、前記基材がポリエステルフィルムであり、前記基材表面の接着層を構成する樹脂がガラス転移温度が60℃以上のランダム共重合ポリエステル樹脂であると、前記よりも更に高温な環境下においても、色材層と接着層のブロッキングを起こすことなく、記録プロセスを繰り返し安定に遂行させることができる。
【0016】
また前記第1の構成の好ましい例として、前記基材を前記染料転写体が形成される前記第2基材と,前記染着層転写体が形成される前記第1基材の両方に使用されるものであると、染料転写体と染着層転写体を1つの転写体にて構成でき、記録プロセスの遂行を小さい占有空間にて行うことができる。
【0017】
本発明の熱記録転写体の第2の構成によれば、第1の基材の裏面に滑性耐熱層を有し,表面に離型層と染着層をこの順に積層した積層構成を有する染着層転写体と、第2の基材の裏面に滑性耐熱層を有し,表面に接着層と色材層をこの順に積層した積層構成を有する染料転写体と、第3の基材上に機能層を有する中間媒体と、受像体とを用い、前記染着層転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記染着層を前記中間媒体の機能層上に熱転写するプロセス,前記染料転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記機能層上に転写された染着層に前記色材層中の染料を画信号に応じて熱転写記録するプロセス,及びこの染料が記録された染着層を受像体の主面上に熱転写するプロセスをこの順に実行する染料熱転写記録に前記染着層転写体として供される熱記録転写体であって、基材と、前記基材の裏面に形成された滑性耐熱層と、前記基材の表面に離型層を介して形成された染着層とを有し、この染着層を前記離型層から遠い位置にある部分程高い耐熱性を示すものにしたから、記録プロセスにおいて、中間媒体に保持された染着層は、その耐熱性の低い側の表面部が色材層に接着することになり、記録感度を高めることができる。また、高温巻回保存時にはその耐熱性の高い側の表面部が滑性耐熱層と接することになり、両層間の接着等によるトラブルも防止することができる。
【0018】
本発明の熱記録転写体の第3の構成によれば、第1の基材の裏面に滑性耐熱層を有し,表面に離型層と染着層をこの順に積層した積層構成を有する染着層転写体と、第2の基材の裏面に滑性耐熱層を有し,表面に接着層と色材層をこの順に積層した積層構成を有する染料転写体と、第3の基材上に機能層を有する中間媒体と、受像体とを用い、前記染着層転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記染着層を前記中間媒体の機能層上に熱転写するプロセス,前記染料転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記機能層上に転写された染着層に前記色材層中の染料を画信号に応じて熱転写記録するプロセス,及びこの染料が記録された染着層を受像体の主面上に熱転写するプロセスをこの順に実行する染料熱転写記録に前記染着層転写体として供される熱記録転写体であって、前記染着層を、前記離型層に接する第1染着層と,この第1染着層を被覆して保護する保護層とからなる2層構成、または前記離型層に接する第1染着層と,この第1染着層を被覆して保護する保護層と,この保護層上に形成された膜強度補強層とからなる3層構成にしたから、印刷形成によって強度的に安定な染着層を形成することができ、特に、3層構成にすることにより、記録プロセスを安定化できる厚みを有する染着層を形成することができる。
【0019】
また前記第3の構成の好ましい例として、前記第1染着層がガラス転移温度Tgが60℃未満のポリビニルブチラール樹脂またはポリビニルアセタール樹脂と離型材とを含むものであり、前記保護層が70℃以上の互いに異なる温度のガラス転移温度Tgを有する複数のポリビニルブチラール樹脂またはポリビニルアセタール樹脂を混合した樹脂を含み、かつ、前記第1染着層の全面を被覆する面積を持つものものであり、前記膜強度補強層がガラス転移温度Tgが100℃以上のポリビニルブチラール樹脂またはボリビニルアセタール樹脂を含み、前記保護層の外形より小さい面積を持ち、かつ、前記保護層より高い耐熱性を有するものであると、印刷形成によって、強度的に安定で、記録感度を向上でき、しかも、高温巻回保存時における滑性耐熱層との接着を防止できる染着層を形成することができる。
【0020】
本発明の熱記録転写体の第4の構成によれば、第1の基材の裏面に滑性耐熱層を有し,表面に離型層と染着層をこの順に積層した積層構成を有する染着層転写体と、第2の基材の裏面に滑性耐熱層を有し,表面に接着層と色材層をこの順に積層した積層構成を有する染料転写体と、第3の基材上に機能層を有する中間媒体と、受像体とを用い、前記染着層転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記染着層を前記中間媒体の機能層上に熱転写するプロセス,前記染料転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記機能層上に転写された染着層に前記色材層中の染料を画信号に応じて熱転写記録するプロセス,及びこの染料が記録された染着層を受像体の主面上に熱転写するプロセスをこの順に実行する染料熱転写記録の前記染着層転写体として使用される熱記録転写体であって、基材と、前記基材の裏面に形成された滑性耐熱層と、前記基材の表面に離型層を介して形成された染着層とを有し、この染着層の前記色材層に接触する表面領域を構成する樹脂と、前記色材層を構成する樹脂とを互いに非相溶な樹脂で構成したことにより、記録時に染着層が染料転写体の色材層に熱融着せず、記録後これらを容易に剥離することができ、その結果、記録プロセスを繰り返し安定に遂行させることができる。
【0021】
前記第4の構成の好ましい例として、前記染着層の前記色材層に接触する表面領域を構成する樹脂がポリビニルブチラール,ポリビニルアセタールから選ばれる1種類以上の樹脂であり、前記色材層を構成する樹脂がポリアクリロニトリルスチレン樹脂,ポリ塩化ビニル樹脂,ポリ酢酸ビニル樹脂,ポリビニルアルコール樹脂,ポリエステル樹脂,ポリアミド樹脂,ウレタン樹脂,アクリル樹脂から選ばれる1種類以上の樹脂であると、染着層の色材層に接触する表面領域と、色材層とを確実に相溶しないものにすることができる。
【0022】
また前記第4の構成の好ましい例として、前記染着層の前記色材層に接触する表面領域を構成する樹脂が、ポリアクリロニトリルスチレン樹脂,ポリ塩化ビニル樹脂,ポリ酢酸ビニル樹脂,ポリビニルアルコール樹脂,ポリエステル樹脂,ポリアミド樹脂,ウレタン樹脂,アクリル樹脂から選ばれる1種類以上の樹脂であり、前記色材層を構成する樹脂がポリビニルブチラール,ポリビニルアセタールから選ばれる1種類以上の樹脂であると、染着層の色材層に接触する表面領域と、色材層とを確実に相溶しないものにすることができる。
【0023】
また前記第2,第3,及び第4の構成の好ましい例として、前記染着層の前記中間媒体上の機能層に対する付着力が10g/25mm〜100g/25mmの範囲にあると、染着層の中間媒体上の機能層への転写が安定に行われ、かつ、染着層への染料転写体からの染料の記録が安定に行われるとともに、受像体への染着層の転写が安定に行われることとなり、記録プロセスの安定化が図られる。
【0024】
また前記第2,第3,及び第4の構成の好ましい例として、前記基材が前記染着層転写体が形成される前記第1基材と,前記染料転写体が形成される前記第2基材との両方に使用されるものであると、記録プロセスの遂行を小さい占有空間にて行うことができる。
【0025】
また前記第1,第2,第3,及び第4の構成の好ましい例として、前記基材の裏面に形成された滑性耐熱層が、少なくとも耐熱性樹脂,無機あるいは有機の微粒子,及び液状潤滑性物質を含んでなるものであると、耐熱性樹脂が層に耐熱性を付与し、無機あるいは有機の微粒子が層の表面を粗面化するとともに層の熱ヘッドに対する動摩擦係数を低減化し、液状潤滑性物質が層表面に湧き出して,層の熱ヘッドに対する動摩擦係数をより一層低減化するので、記録プロセスにおいて転写体を安定に走行させることができる。また、前記液状潤滑性物質が側鎖に官能基を有し、分子量が10000以上の非反応性シリコーンオイルであると、滑性耐熱層中において液状潤滑性物質の自由な動きが束縛されることとなって、転写体を巻回して長時間高温保持しても、基材表面にある染着層または色材層へ液状潤滑性物質が転移することがなくなり、その結果、記録プロセスにおいて、中間媒体の機能層表面及び色材層表面が液状潤滑性物によって汚染されることが防止され、染着層の中間媒体へ保持される保持力を一定に保つことができる。
また、前記非反応性シリコーンオイルが、ポリエーテル基の分子量が6000で、ポリエーテル基によって挟まれるジメチルポリシロキサン部分の分子量が12000のポリエーテル変性シリコーンのような前記官能基部分の分子量が前記官能基によって挟まれるジメチルポリシロキサン部分の分子量より大きいものであると、非反応性シリコーンオイルが滑性耐熱層中でより強く拘束されることになり、記録プロセスでの液状潤滑性物による中間媒体の機能層表面及び色材層表面の汚染を確実に無くすことができ、記録プロセスをより一層安定化させることができる。
【0026】
本発明の熱転写記録方法によれば、第1の基材の裏面に滑性耐熱層を有し,表面に離型層と染着層をこの順に積層した積層構成を有する染着層転写体と、第2の基材の裏面に滑性耐熱層を有し,表面に接着層と色材層をこの順に積層した積層構成を有する染料転写体と、第3の基材上に機能層を有する中間媒体と、受像体とを用い、前記染着層転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記染着層を前記中間媒体の機能層上に熱転写するプロセス,前記染料転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記機能層上に転写された染着層に前記色材層中の染料を画信号に応じて熱転写記録するプロセス,及びこの染料が記録された染着層を受像体の主面上に熱転写するプロセスをこの順に実行する染料熱転写記録であって、前記中間媒体の機能層に前記染着層転写体の前記染着層をこれの面積が前記受像体の面積より大きくなるよう転写させ、この染着層に前記染料転写体の色材層中の染料を熱転写記録して前記受像体の面積より大きい面積の画像を形成し、この画素記録染された染着層を前記受像体に転写させると同時に,これの前記受像体の外周からはみ出す部分を前記受像体の外周縁部によって切断するようにしたから、従来困難であった受像体の全面に画像を形成することが可能となる。
【0027】
図1に本発明の熱記録転写体を用いた染料熱転写記録の第1の形態を示す。基材21の裏面に耐熱滑性層13が形成され、表面に離型層22と染着層23がこの順に形成されてなる染着層転写体2が、ドラム状に形成された中間媒体4と熱ヘッド3−1の間に供給ローラ10と巻取ローラ10′によって送られ、挟着される。そして、ここで中間媒体4の基材41上に設けられた機能層42上に染着層転写体2の染着層23の熱転写が行われる。ここで中間媒体は閉ループを形成するベルト状,あるいはシ−ト状で形成されたものであってもよい。図中の2′は染着層23が転写された後の染着層転写体2の状態を示す。次に、基材11の裏面に耐熱滑性層13が形成され、表面に接着層14と色材層12がこの順に形成されてなる染料転写体1が中間媒体4と熱ヘッド3−2の間に供給ローラ9と巻取ローラ9′によって送られ、ここで、染料転写体1の色材層12中の昇華性染料が中間媒体4上の染着層23中に熱拡散転写される。最後に、熱ロ−ラ7を用いて受像体5上に中間媒体4上の染着層23中に記録された画像が染着層23と共に熱転写され、受像体5の基質に依存することなく受像体5に高画質画像が形成される。また、図中の6は受像体5上に画像記録がなされた染着層23′が転写された後の状態を示す。なお、中間媒体4がシ−ト状である場合、染着層23の転写、色材層12からの染料の転写毎にシート状の中間媒体をスウィングして使用する。
【0028】
図2に本発明の熱記録転写体を用いた染料熱転写記録の第2の形態を示す。ここでは、前述の染着層転写体2と染料転写体1とが一体化されて熱記録転写体100を構成している。即ち、基材11(21)の裏面に耐熱滑性層13を形成し、表面に接着層14を形成し、この接着層14上の第1の領域に離型層22と染着層23とをこの順に形成し、第2,第3の領域に色相が異なる色材層12−1,12−2を形成して転写体100を構成している。そして、この転写体が中間媒体4と熱ヘッド3−2の間に供給ローラ9と巻取ローラ9′によって送られ、熱ヘッド3−2によって、先ず染着層23が熱転写され、これに続いて前記熱転写された染着層23に色材層12−1,12−2中の昇華性染料が熱転写される。昇華性染料が染着層23に記録された後のプロセスは前記図1に示した第1の形態と同じである。
【0029】
図3に本発明の熱記録転写体を用いた染料熱転写記録の第3の形態を示す。ここでは図4に示す前記第2の形態で用いられた染着層転写体と染料転写体が同一基材に形成された熱記録転写体100と、ベルト状中間媒体4′を用いる。ベルト状中間媒体4′はプラテン、ガイドロ−ラ等で架張されている。熱記録転写体100の染着層23の部分がベルト状に形成された中間媒体4′と熱ヘッド3の間に送られて挟着され、中間媒体4′の基材41上に設けられた機能層42上に染着層23の熱転写が行われる。染着層23は後で染料が記録される部分だけの選択転写か,または一定の面積全部の転写が行なわれる。次に、熱記録転写体100の色材層12の部分が中間媒体4′と熱ヘッド3の間に送られて挟着され、色材層12中の昇華性染料が中間媒体4′上に転写された染着層23中に熱拡散転写される。最後に、熱ロ−ラ7によって受像体5上に中間媒体4上の染着層23中に記録された画像が染着層23と共に熱転写され、受像体5の基質に依存することなく受像体5に高画質画像が形成される。
【0030】
前記の本発明の染料熱転写記録において、基材11は厚み2ないし10ミクロンの高分子フィルムが用いられる。一般的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが用いられるが、芳香族ポリアミド(アラミド)、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエ−テルケトン、トリアセチルセルロース、セロファン等、成膜可能な樹脂によるフィルムも有用である。また、これらの樹脂にカーボン等の導電性粒子を混入して成膜した低抵抗性フィルムを用いてもよい。
【0031】
耐熱滑性層13は、熱ヘッド3,3−1,3−2と,基材11,21との間の潤滑性を付与するために設けられており、例えば紫外線硬化樹脂等の耐熱性樹脂、液状潤滑材、及び有機または無機微粒子を少なくとも含んで構成されている。耐熱性樹脂が層に耐熱性を付与する。微粒子が層の表面を粗面化すると共に層の表面の摩擦係数を低減化して、層に安定した走行性を付与する。液状潤滑材が熱ヘッド3,3−1,3−2によって膜内部から微量に膜表面に湧出し、染料転写体1,染着層転写体2,及び熱記録転写体100の走行安定性を増大させる。前記耐熱性樹脂として熱可塑性樹脂を用いることもできるが、熱・光(紫外線)・電子線等による硬化樹脂(架橋樹脂)を用いた方が安定した耐熱性を得らことができ、好ましい。かかる硬化樹脂としてはシリコーン系、アクリレート系、エポキシ系、不飽和アルデヒド樹脂等を挙げることができるが、中でもエポキシアクリレート系樹脂の硬化物が優れた特性を示す。無機または有機の微粒子としては、無機系では金属、金属の酸化物、硫化物、炭化物、窒化物、フッ化物の微粒子や、黒鉛、カーボンブラック、顔料を挙げることができる。このうち酸化チタン、二硫化モリブデン、疎水性(無水)シリカが好まく、その中でも気相成長法で製造された超微粒子状の疎水性(無水)シリカ,酸化チタン,酸化アルミニウムが特に好ましい。有機系では球形シリコーン樹脂微粒子等を挙げることができる。
【0032】
液状潤滑性物質としては、各種のジルチルポリシロキサンシリコーンオイル、フッ素系シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル(エポキシ変性、ポリエ−テル変性、アミノ変性、カルボキシル変性等)、有機金属塩、フルオロアルキル化合物等のフッ素系界面活性剤等を用いることができる。液状潤滑性物質が側鎖に官能基を有し,分子量が10000以上の非反応性シリコーンオイルであると、滑性耐熱層中でのシリコーンオイルの自由な動きが束縛され、転写体を巻回し長時間高温に保持した場合に生ずる,基材表面側の染着層23表面または色材層12表面にシリコーンオイルが転移することを抑制することができる。更に、この非反応性シリコーンオイルのジメチルポリシロキサン部に挟まれる側鎖官能基部分の分子量が側鎖官能基部分に挟まれるジメチルポリシロキサン部分の分子量より大きいものであると、滑性耐熱層中でシリコーンオイルの拘束力がより一層高まり、基材表面側の染着層23表面または色材層12表面へのシリコ−ンオイルの転移を抑制する効果がより一層強化される。これの具体例としては、シロキサン部分子量6000、官能基部分子量12000の分子量18000のポリエーテル変性シリコーンオイル等がある。従って、液状潤滑性物質に分子量が10000以上の非反応性シリコーンオイルを用いると、記録動作中、中間媒体4,4′の機能層42表面及び色材層12表面がシリコーンオイルで汚染されず、染着層23を中間媒体4,4′上に保持する付着力を一定に保つことができる。特に、非反応性シリコーンオイルがそのジメチルポリシロキサン部に挟まれる側鎖官能基部分の分子量がジメチルポリシロキサン部分の分子量より大きいものであると、染着層23を中間媒体4,4′上に保持する付着力をより高いレベルで一定に保つことができる。
【0033】
基材11,21上の接着層14は一般的には基材製膜時において基材と一体的に0.5μm以下の厚みに形成される。基材11にポリエステルフィルムを用いる時には、接着層にランタ゛ム共重合ポリエステル樹脂が用いられる。一般的には室温付近での色材層12との大きな接着力を保持するために、室温付近にガラス転移温度Tgのあるポリエステル樹脂が用いられる。しかし、本発明の中間媒体を用いた染料熱転写方式では、中間媒体の表面温度をしばしば50℃〜60℃に保持される。このため、50℃以上でも色材層12を基材11,21によく付着させて、記録時に色材層12と染着層23との融着によるブロッキング現象等の故障が起こらないように設計しなければならない。そのため、接着層14を構成する樹脂のガラス転移温度Tgは40℃以上であることが好ましい。更に60℃以上のTgを有するポリエステル樹脂は装置が高温状態に置かれている時にも安定である。Tg=67℃のポリエステル樹脂(バイロン200:東洋紡績(株)製)とTg=6℃のポリエステルホリエステル樹脂(バイロン300:東洋紡績(株)製)の,ポリエステルフィルムとの剥離力を比較すると、前者は60℃付近に剥離力の最大があり、後者は室温付近に剥離力の最大があり、それぞれ、温度が高くなると共にその値は低下する。図5に接着層14にバイロン200を用いた転写体と,接着層14にバイロン300を用いた転写体とにおける色材層12と接着層14間の剥離力の温度特性を測定した結果と、前記2つの転写体を60℃,60%RHの恒温層に300時間券回保存した後に,それぞれにおける色材層12と接着層14間の剥離力の温度特性を測定した結果を示す。記録部温度がいかなる温度であっても、色材層/接着層間剥離力は色材層/染着層間剥離力より大きいことが、記録プロセスを成立させるために必要である。50℃において、色材層/染着層間剥離力は20g/インチ以下であるので、色材層/接着層間剥離力はその値以上が必要である。従って、接着層14の構成樹脂として40℃以上にTgのある樹脂を用いることにより、転写体を高温に長時間保存したものを用い,記録装置の温度が高温となる環境下においても、記録プロセスを安定に遂行することができる。
【0034】
色材層12は少なくとも昇華性染料と結着樹脂から構成される。昇華性染料としては分散染料、油溶染料、塩基性染料、カラーフォーマー等が用いられる。特に、インドアニリン系、キノフタロン系、ジシアノイミダゾール系、ジシアノメチン系、トリシアノビニル系等の分散染料が有効である。結着樹脂としては、ポリエステル、ポリビニルブチラール、ポリアクリロニトリルスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、低分子ポリスチレン樹脂等が用いられる。また、これらの樹脂は染着層23の構成樹脂としても使用される。この色材層12の結着樹脂と,染着層23の構成樹脂とは非相溶の関係が好ましい。これは、記録時に色材層12と染着層23が熱融着せず、記録後容易にこれらを剥離できるようにするためである。染着層23の構成樹脂にポリエステル、ポリビニルブチラール等の樹脂を用いる場合には、色材層12の結着樹脂としては、ポリアクリロニトリルスチレン(AS)樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂のいずれか、あるいはこれらのうちの2つ以上を混合した混合樹脂が用いられる。逆に色材層12の結着樹脂にポリエステル、ポリビニルブチラール等の樹脂を用いる場合には、染着層23の構成樹脂としてポリアクリロニトリルスチレン(AS)樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂のいずれか、あるいはこれらのうちの2つ以上を混合した混合樹脂が用いられる。樹脂の相溶・非相溶は、溶解性パラメータや臨界表面張力あるいは接触角等によって評価できる。例えば、ポリビニルブチラールの臨界表面張力Fが約24ダイン/cmであるのに対して、本文の他の一般の色材層または染着層樹脂のFは30以上が多い。溶解性パラメ−タSP値で評価すると前者が約7でテフロン(登録商標)の6に近く、後者のそれは9以上のものが多い。
【0035】
色材層12の結着樹脂としてAS樹脂を用いる場合、AS樹脂はTg=104℃であり、色材層の耐熱性の点では最適であるが、膜自身が脆く接着層14との接着力も十分ではない。そこで、これに、接着層14との接着力も強く膜の柔軟性のあるポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂の共重合樹脂(Tg=64℃)を混合したものを色材層12の結着樹脂とすると、転写体1の券回保存性と記録の安定性の両方を満足させることができる。ASと前記共重合樹脂との混合比率は2:8ないし8:2の範囲にあるのが好ましい。
【0036】
染着層転写体2は基材21(11)上に離型層22と染着層23を積層して構成される。離型層22はシリコ−ン樹脂や弗素樹脂等を薄く形成したもの、またはシリコーン樹脂,弗素樹脂以外の樹脂に離型材を混入・分散,あるいは反応させたものが用いられる。シリコーン樹脂としてはコーティング用または剥離紙用または粘着紙用の付加重合あるいは縮合重合して成膜できるものが好ましい。弗素樹脂としはポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ビニリデンフルオライド・ヘキサフルオロプロピレン系ゴム材料、各種含弗素樹脂等が有効である。樹脂に添加させる離型材としては、各種のシリコーン系潤滑材、弗素系界面活性材、パラフィン及びポリエチレン等のワックス類、高級脂肪族アルコール、高級脂肪酸アミド及びエステル等がある。液状潤滑材としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、弗素シリコーンオイル、その他の各種変性シリコーンオイル、2種以上の反応性シリコーンオイルの反応物(例えば、エポキシ変性とカルボキシルまたはアミノ変性の反応物等)がある。また、樹脂と潤滑材の反応型でもよく、例えば、ポリシロキサンをアクリル樹脂にグラフト重合させた水溶性ポリシロキサングラフトアクリル樹脂、シロキサンメタクリレートを末端または側鎖に付加したアクリルシリコーン(シリコン)またはアクリルウレタンシリコーン(シリコン)樹脂等も有効である。
【0037】
染着層23は、好ましくは、基材21(11)表面の離型層22に接する第1染着層24と保護層25の2層構成,または第1染着層24と保護層25と膜強度補強層26の3層構成からなっている。第1染着層24から上層の保護層25,補強層26にゆく程、構成樹脂の耐熱性が高いことが好ましい。これは、記録時に色材層12に耐熱性の低い第1染着層24が接して記録感度を高めることができるためであり、また、高温巻回保存時に滑性耐熱層13に耐熱性の高い保護層25または補強層26が接することにより、染着層23と滑性耐熱層13との接着が起こることを防止できるためである。また、積層製膜上の観点から、第1染着層24と保護層25をこれらに同一樹脂種の樹脂を含ませることにより構成する,または第1染着層24と保護層25と補強層26をこれらに同一樹脂種の樹脂を含ませることにより構成するのが好ましく、これにより、均質な膜性状の積層膜を印刷形成することが可能となる。一般にグラビア印刷で製膜する時、一層の膜厚は高々1.5μmであり、本プロセスを実現するために必要な染着層部分の厚みは3〜4μmである。このため、第1染着層24のみでは膜厚が不足し、プロセス安定化のためには膜強度補強層26を有する3層構成にするのが好ましい。
【0038】
染着層23を前記2層また3層構成にする場合は、以下の構成にするのが好ましい。即ち、前記第1染着層24をガラス転移温度Tgが60℃未満のポリビニルブチラール樹脂またはポリビニルアセタ−ル樹脂と離型材と含むものにし、保護層25を70℃以上の互いに異なる温度のガラス転移温度Tgを有する複数のポリビニルブチラール樹脂またはポリビニルアセタール樹脂を混合した樹脂を含み、かつ、第1染着層24の全面を被覆する面積を持つものものにし、膜強度補強層26をガラス転移温度Tgが100℃以上のポリビニルブチラール樹脂またはボリビニルアセタール樹脂を含み、保護層25の外形より小さい面積を持ち、かつ、保護層25より高い耐熱性を有するものにする。
【0039】
中間媒体4は金属ドラムまたは高分子フィルムの基材41上に機能層42が設けられている。機能層42はシリコーン樹脂や弗素樹脂等を薄く形成したゴム状のもの、またはシリコーン樹脂や弗素樹脂以外の樹脂に離型材を混入・分散、あるいは反応させたものが用いられる。シリコーン樹脂としてはコーティング用または剥離紙用または粘着材料としての付加重合あるいは縮合重合して成膜できるものが好ましい。弗素樹脂としはポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ビニリデンフルオライド・ヘキサフルオロプロピレン系ゴム材料、各種含弗素樹脂等が有効である。特に、フッ化ビニリデン・6フッ化プロピレン・4フッ化エチレンの3元系共重合体フッ素ゴム(バイトン:昭和電工デュポン製)は有効である。この3元共重合体フッ素ゴムはカーボンや酸化マグネシウム等の微粒子と共に用いられて製膜される。
【0040】
受像体5はボンド紙や普通紙等のパルプ系用紙でもよく、乳白PET、ユポ等の合成紙でもよく、パルプ紙とフィルムの接着した基材でもよい。また、テレホンカード、プリペイドカード、ICカード等の各種カード類であってもよい。従来、受像体には受像体周辺に未記録の余白部を残して画像形成されていた。本発明では受像体5が葉書や各種カード類のように固く剛性の強い場合には、以下のようにして、受像体の全面に画像形成をすることができる。即ち、中間媒体4,4′上に染着層23をこれの面積が受像体5の面積より大きくなるよう転写し、この染着層23に受像体5の面積より大きな画像を形成した後、転写に要する熱または圧力の条件を最適化して,染着層23をこれがカード等の受像体5の周辺部によって切断されるように受像体5に転写する。そして、受像体5への染着層23の転写後、中間媒体4上に残った染着層23をクリーニング機構等で除去する。
【0041】
記録ヘッドには、普通の熱(サ−マル)ヘッド、通電ヘッド、レーザーヘッド等が用いられる。ライン型サーマルヘッドを用いた時の記録条件は、ライン記録周期T:33msないし4ms、印加パルス幅:16msないし2ms、記録エネルギ−E:8ないし6J/cm2でおこなわれる。
【0042】
記録された染着層の受像体5への熱転写は熱ロール7を用いる時は、温度約140゜C、速度10mm/秒、圧力1Kg/cm2で行なわれる。
【0043】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明する。
【0044】
(実験例1)
・染料転写体(1)の作製
5ミクロンのPETフィルムの裏面に2ミクロンの後述する滑性耐熱層を設け、表面に0.3ミクロンのTg=67度Cのランダム共重合ポリエステル樹脂を接着層として塗工した後、接着層上に下記処方からなるインクをグラビアコーターで固形厚み1ミクロンになるように色材層を形成した。ここで、滑性耐熱層は下記処方からなる塗料をマイクログラビアコータで塗布し、60度Cの熱風で溶媒を蒸発させた後、1KWの高圧水銀灯を照射して硬化させることにより行った。
(インク)
インドアニリン系分散染料 2.5重量部
アクリルスチレン樹脂 2 重量部
ポリ塩化ビニル共重合樹脂 2 重量部
アミド変性シリコ−ン油 0.02重量部
トルエン 20重量部
2−ブタノン 20重量部
(塗料)
エポキシアクリレ−ト樹脂 12重量部
ネオペンチルグリコ−ルジアクリレ−ト 3重量部
2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン 0.75重量部
アエロジル(疎水性超微粒子シリカの商品名) 2重量部
ポリエ−テル変性ジメチルシリコ−ン 0.4重量部
(分子量18000)
酢酸エチル 100重量部
・染着層転写体(2)の作製
染料転写体と同じPET基材、同じ接着層、同じ滑性耐熱層を用い、接着層上に離型層として脱オキシム型シリコーン樹脂:PRX305(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製商品名)10重量部、トルエン20重量部からなる塗料をバーコーターで厚み0.3ミクロンに形成した。この離型層上に第1染着層としてポリビニルブチラ−ル樹脂:BL−S(積水化学社製商品名,Tg=55℃)6重量部、シロキサンメタアクリレートを側鎖に有するアクリルシリコーン(シリコン)樹脂:F−6A(三洋化成工業社製商品名)0.06重量部、ジ−n−ブチル錫ジラウレート0.004重量部、トルエン及び2−ブタノンをそれぞれ13重量部からなる塗料をバーコーターで厚み1ミクロンになるよう製膜した。この上に保護層として、Tg=75度Cのポリビニルブチラール樹脂とTg=110度Cのアセトアセタール化ポリビニルアルコ−ル樹脂(アセタール樹脂)を6:4の組成で1.5ミクロンになるように製膜した。更にこの上に上記2種類の樹脂を3:7の組成で1.5ミクロン製膜して、合計3層の染着層部を作製した。
【0045】
・中間媒体(4)の作製
金属ドラム上に、50ミクロンのポリイミドフィルムをベースとし、下記の機能層塗料を約30ミクロンに製膜して中間媒体とした。金属ドラムを用いず、機能層を形成したポリイミドをベルトとして用いてもよい。
(機能層塗料)
フッ素ゴム 100重量部
架硫材 3重量部
カ−ボン 20重量部
酸化マグネシウム 15重量部
メチルエチルケトン 350重量部
上記染料転写体(1),染着層転写体(2),及び中間媒体(4)を用い、下記の記録条件にて、受像体(5)としてのボンド紙上に最終画像を得た。
記録ヘッド:ライン型サーマルヘッド
ライン記録速度: 8ms
記録パルス幅: 0−4ms
最大染料記録エネルギ−:6.5J/cm2
染着層転写エネルギー:4J/cm2
熱ローラー:温度140゜C,送り速度10mm/秒、圧力5Kg
以上のようにしてボンド紙上に得られた画像は最大反射濃度1.8以上の高品位なピクトリアル画像であった。そして、繰り返し画像形成を行ってもこの高品位なピクトリアル画像を得ることができた。
【0046】
(実験例2)
・染料転写体(1)の作製
4.5ミクロンのPETフィルムの裏面に1ないし2ミクロンの滑性耐熱層を設け、表面に0.3ミクロンのTg=67度Cのランダム共重合ポリエステル樹脂を接着層として塗工した後、接着層上に下記処方からなるインクをグラビアコーターで固形厚み0.7ミクロンになるように色材層を形成した。ここで滑性耐熱層は前記実験例1と同様にして形成した。
(インク)
インドアニリン系分散染料 2.5重量部
ポリビニルブチラール樹脂 4 重量部
アミド変性シリコーン油 0.02重量部
トルエン 20重量部
2−ブタノン 20重量部
・染着層転写体(2)の作製
染料転写体1と同じPET基材、同じ接着層、同じ滑性耐熱層を用い、接着層上に離型層として脱オキシム型シリコーン樹脂(PRX305、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)10重量部、トルエン20重量部からなる塗料をバーコーターで厚み0.3ミクロンに形成した。この離型層上に最下層の第1染着層としてポリ塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体とポリアクリロニトリルスチレン樹脂の混合樹脂6重量部に離型材としてアミノ変成シリコーンとエポキシ変成シリコーンの反応硬化物を0.06重量部、トルエン及び2−ブタノンをそれぞれ13重量部からなる塗料をバーコーターで1ミクロンになるよう成膜した。この上に保護層として、Tg=75度Cのポリビニルブチラール樹脂とTg=110℃のアセトアセタール化ポリビニルアルコール樹脂(アセタール樹脂)を6:4の組成で1.5ミクロンになるように製膜した。更にこの上に上記アセタ−ル樹脂を1.5ミクロン製膜して、合計3層の染着層部を作製した。
【0047】
・中間媒体(4)の作製
前記実施例1と同じものを用いた。
上記染料転写体(1),染着層転写体(2),及び中間媒体(4)を用い、前記実施例1と同じ記録条件にて、受像体(5)としてのボンド紙上に最終画像を得たところ、前記実施例1と同様に最大反射濃度1.8以上の高品位なピクトリアル画像を得ることができた。そして、繰り返し画像形成を行ってもこの高品位なピクトリアル画像を得ることができた。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、前記の染料熱転写記録において従来困難であった受像体の全面への画像形成が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の熱記録転写体を用いた染料熱転写記録の第1の形態を示す図である。
【図2】 本発明の熱記録転写体を用いた染料熱転写記録の第2の形態を示す図である。
【図3】 本発明の熱記録転写体を用いた染料熱転写記録の第3の形態を示す図である。
【図4】 図3に示された熱記録転写体を拡大して示した図である。
【図5】 色材層と接着層間の剥離力の温度特性を示す図である。
【符号の説明】
1 染料転写体
2,2′ 染着層転写体
3−1,3−2 熱ヘッド
4 中間媒体
5 受像体
6 染着層が転写された受像体
7 熱ローラ
9,10 供給ローラ
9′,10′ 巻取ローラ
11,21,41 基材
12 色材層
13 耐熱滑性層
14 接着層
22 離型層
23,23′ 染着層
42 機能層
Claims (2)
- 第1の基材の裏面に滑性耐熱層を有し、表面に離型層と染着層をこの順に積層した積層構成を有する染着層転写体と、第2の基材の裏面に滑性耐熱層を有し、表面に接着層と色材層をこの順に積層した積層構成を有する染料転写体と、第3の基材上に機能層を有する中間媒体と、受像体とを用い、前記染着層転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記染着層を前記中間媒体の機能層上に熱転写するプロセス、前記染料転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記機能層上に転写された前記染着層に前記色材層中の染料を画信号に応じて熱転写記録するプロセス、及び前記染料が記録された前記染着層を受像体の主面上に熱転写するプロセスをこの順に実行する熱転写記録方法であって、
前記中間媒体の機能層に前記染着層転写体の前記染着層をこれの面積が前記受像体の面積より大きくなるよう転写させ、この染着層に前記染料転写体の色材層中の染料を熱転写記録して前記受像体の面積より大きい面積の画像を形成し、この画素記録染された染着層を前記受像体に転写させると同時に、これの前記受像体の外周からはみ出す部分を前記受像体の外周縁部によって切断することを特徴とする熱転写記録方法。 - 第1の基材の裏面に滑性耐熱層を有し、表面に離型層と染着層をこの順に積層した積層構成を有する染着層転写体と、第2の基材の裏面に滑性耐熱層を有し、表面に接着層と色材層をこの順に積層した積層構成を有する染料転写体と、第3の基材上に機能層を有する中間媒体と、受像体とを用い、前記染着層転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記染着層を前記中間媒体の機能層上に熱転写し、前記染料転写体の前記滑性耐熱層に熱ヘッドを当接させることにより前記機能層上に転写された前記染着層に前記色材層中の染料を画信号に応じて熱転写記録し、前記染料が記録された前記染着層を受像体の主面上に熱転写する熱転写記録装置であって、
前記中間媒体の機能層に前記染着層転写体の前記染着層をこれの面積が前記受像体の面積より大きくなるよう転写させ、この染着層に前記染料転写体の色材層中の染料を熱転写記録して前記受像体の面積より大きい面積の画像を形成し、この画素記録染された染着層を前記受像体に転写させると同時に、これの前記受像体の外周からはみ出す部分を前記受像体の外周縁部によって切断されるようにしたことを特徴とする熱転写記録装置。
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