JP3639101B2 - 複合内外装建材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製紙パルプスラッジやスラグ焼却灰等の産業廃棄物、紙,各種プラスチック,ゴム,ガラス,瓶等の生活一般ゴミ等の各種廃棄物を再活用して得ることができる複合内外装建材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
地球規模での環境保護、資源保護等の観点から、省エネルギーやリサイクルといった環境対策が叫ばれて久しいが、未だにこれといった決め手はなく、今後の社会、産業界の重要テーマであることは周知である。
環境対策の内、各業界で発生する各種産業廃棄物や、一般家庭で発生する生活ゴミ等を、大量消費が期待できる建築資材のタイルの原料として再資源化(リサイクル)する技術として、例えば特公平7−88248号「陶磁器質焼結体」のような提案がなされている。
この提案はゴミのリサイクルという点で有用であり、得られた焼結体は優れた特性も有するが、その内容について詳細に検討すると以下のような問題がある。
【0003】
すなわち、焼成、焼結により材料を得るので、製造工程におけるエネルギー消費が大きいばかりか、結果として地球温暖化も促進することなる。
また製造上の理由により、得られる製品は矩形ブロック状や平板状のタイルとなるので、建築物の内外装建材として使用する場合には、通常、モルタル等の接着剤が必要となり、金属系外装材や、釘止め可能な窯業建材に比べて施工性が悪い。
【0004】
ここで、冒頭の環境対策を振り返ると、リサイクルと省エネルギーは個々に分離される問題ではなく、同時達成されるべきテーマと考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような従来事情に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、主にリサイクル原料によりリサイクル建材を製造する際の大量のエネルギー消費を抑制すると共に、施工時の省力化も図ることが可能な内外装建材を提供して、今後の環境問題に寄与せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために本発明の内外装建材は、主に内外装面を構成する内外装部と、金属基材とからなり、内外装部は、主原料とバインダーを混練して硬化させた硬化物であり、金属基材は、多数の貫通孔を有する埋め込み部と、内外装下地側に突出する固定部を、別体または一体に有する。
内外装部の主原料は、廃棄物を処理して得られたリサイクル原料、例えば製紙パルプスラッジやスラグ焼却灰等の産業廃棄物、又は紙、各種プラスチック、ゴム、ガラス、瓶等の生活一般ゴミを、粉砕するか若しくはその他公知の手段により原料状態にしたものが挙げられる。また本発明では、内外装部の主原料を前記リサイクル原料に限るものではなく、これと同等、同質、同組成の未使用の材料を用いることも含む。
そうして本発明の複合内外装建材は、前記主原料とバインダーを混練して硬化させた硬化物によって形成される内外装部の厚さ方向の中間に、前記埋め込み部を埋め込んで、内外装部と金属基材を一体化させたものである。
【0007】
このような構成とした場合、焼成、焼結等の手段を用いることなく内外装部を成形することができる。また、埋め込み部が多数の貫通孔を有するので硬化物と強固に結合し、内外装部と金属基材が強固に一体化する。また、内外装下地側に突出する金属基材の固定部を、釘止め、ボルト止め、凹凸係合等の各種固着手段を用いて内外装下地に取り付け施工するようになる。
【0008】
上記金属基材の固定部間には、内外装部の裏面に裏打ちされる断熱材、防火材等の裏打ち材を添設すると良い。裏打ち材としては、例えばポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、イソシアヌレートフォーム、グラスウール等の公知の断熱材、防火性材料を例示できる。
また上記内外装部は、上記埋め込み部における貫通孔の形成範囲内に形成すると良い。
【0009】
上記主原料と混練するバインダーの主たる組成としては、二水石膏、セメント、アクリル樹脂エマルジョンを含むポリマーセメントモルタル等が挙げられる。
【0010】
内外装部の具体例として、製紙パルプスラッジを強化材として用いるセメント板であって、製紙パルプスラッジにセメントを半乾式混合して半乾式加圧成型固化して成る製紙パルプスラッジセメント板が挙げられる。
ここで、製紙パルプスラッジ中に予め微量の石膏を含浸させた後、セメントを半乾式混合して半乾式加圧成型固化させることもできる。また、硬化剤としてのニガリ成分を添加することもできる。防かび剤、防臭剤の少なくとも一方を混合することもできる。
【0011】
また他例として、製紙パルプスラッジを強化材に用いて二水石膏と半乾式混合して圧縮成型固化して成る製紙パルプスラッジ石膏ボードが挙げられる。
該石膏ボードは、製紙パルプスラッジと二水石膏を半乾式混合し、該混合物を圧縮成型中に温度120〜150℃、圧力5〜20kg/cm2 下で一定時間保持し、その後放圧放冷して二水石膏が半水石膏化した成型枠をそのまま加水処理し、これを成型固化して製造することができる。
【0012】
さらに他例として、水硬性セメントに強化骨材として、天然ケイ酸塩鉱物の微細粉、微細ガラス粉粒を用い、水溶性合成樹脂エマルジョンと混合して高強度ポリマーセメント固化体となる強化セメント板を挙げることができる。
高強度ポリマーセメント固化体の具体例として、天然ケイ酸塩鉱物の微細粉:10〜90重量部、微細ガラス粉粒:20〜180重量部、ホワイトセメント:10〜90重量部、水溶性合成樹脂エマルジョン20〜50重量部の組成のものを挙げることができる。
【0013】
本発明に係る複合内外装建材の好ましい製造方法としては、廃棄物を処理して得られたリサイクル原料又はこれと同質の材料にバインダーを混合,混練した内外装部材料を、成型型枠内においてほぼ仕上がり寸法となる金属基材セットレベルまで充填した後、金属基材を前記セットレベルにセットし、しかる後、前記内外装部材料を所定量投入し、硬化後に脱型して複合内外装建材を得る方法がある。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る複合内外装建材の実施の形態の数例を図面を参照して説明する。
図1は内外装部1と金属基材2からなる複合内外装建材Aを示し、内外装部1は主に建築物の内外装面を構成するもので、本例では、水硬性セメントに強化骨材として、天然ケイ酸塩鉱物の微細粉、微細ガラス粉粒(ガラスカレット)を用い、水溶性合成樹脂エマルジョンと混合して高強度ポリマーセメント固化体となる強化セメント板を用いている。
【0015】
水硬性セメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強セメント、ホワイトセメント、アルミナセメントの何れでもよいが、本例ではホワイトセメントを用いた。
天然ケイ酸塩鉱石の微細粉の粉砕と、ガラス屑廃材の微細ガラス粉粒の粉砕は、回転叩解式粉砕機により粉砕した。微細ガラス粉粒の粒度は150μm〜3mm程度、天然ケイ酸塩鉱石の微細粉の粒度は5〜250μm程度で良い。
水溶性合成樹脂エマルジョンとしては、酢酸ビニール系エマルジョン、酢酸ビニール・アクリル共重合樹脂エマルジョン、酢酸ビニール・エチレン共重合樹脂エマルジョン、アクリル系共重合樹脂エマルジョン、アクリル・スチレン共重合樹脂エマルジョンが用いられるほか、これらのパウダーを水硬性セメント、天然ケイ酸塩鉱石の微細粉、微細ガラス粉粒と共に混合した混合物を適量の水を添加して、セメント−水溶性合成樹脂エマルジョンとして調整することができる。
配合割合は、天然ケイ酸塩鉱物の微細粉10〜90重量部、微細ガラス粉粒20〜180重量部、ホワイトセメント10〜90重量部に対し、水溶性合成樹脂エマルジョン20〜50重量部で良い。水溶性合成樹脂エマルジョンは、20〜50重量部の範囲内であれば良い。
【0016】
そうして本例では、ホワイトセメント70重量部、強化骨材として天然ケイ酸塩鉱石の微細粉(鉄電気石)70重量部、微細ガラス粉粒60重量部を水溶性合成樹脂エマルジョンとして酢酸ビニルエチレン塩化ビニル共重合樹脂(30重量%)43重量部と混合してクリーム状とした後、図9に示す後述の手順で成形型枠E内に流し込んで、矩形板状の内外装部1を形成した。
内外装部1の厚さ寸法は、主にバインダーの種類と主原料の混入割合、及び金属基材2の後述する埋め込み部2aの厚みやその配置位置といった諸要因に左右されるので、特に限定されないが、概ね6〜50mm程度の範囲となるよう形成される。
【0017】
金属基材2は、多数の貫通孔3を有する埋め込み部2aと、内外装下地側に突出する固定部2b、2cを有し、本例では図示のように、金属製網体で形成された埋め込み部2aを用いている。
埋め込み部2aは内外装部1の厚さ方向の中間に埋め込まれており、その左右両端部2a’は、内外装部1の側面1aの内側で下方へ折曲し、これら左右の端部2a’に固定部2b、2cが連設される。
上記内外装部1は、その下端面(裏面)1bが、埋め込み部2aの左右両端部2a’の下端とほぼ同一レベルか若干上位に位置するよう形成し、これにより内外装部1が、埋め込み部2aの多数の貫通孔3の範囲内に形成されることにより、内外装部1と埋め込み部2aとが貫通孔3を介して強固に一体化すると共に、内外装部1と埋め込み部2a(金属基材2)の伸縮率の相違を要因とする経年による内外装部1の割れの誘発を防止できる。
【0018】
固定部2b、2cは金属製帯板を所定形状に折曲して形成されたもので、埋め込み部2aの端部2a’に連結される連結面21,22と、該連結面21,22の下端から外方へ折れ曲がるよう連設される固定面23,24からなる。
連結面21,22は、埋め込み部2aの左右の端部2a’とほぼ平行になるよう立ち上がる立面からなり、その上部は前記端部2a’に溶接等により固着され、下部は内外装部1の裏面側に突出する。
また連結面21,22の上部は、埋め込み部2aの左右の端部2a’に固着された際に該端部2a’の貫通孔3を塞ぐことがないよう、多数の開口部21a,22aを有する。本例では図示のように、連結面21,22の上部を櫛歯状に形成することにより多数の開口部21a,22aを形成しているが、開口部21a,22aは多数の貫通孔で形成することも可能である。
【0019】
一方の固定部2bの固定面23は、連結面部21の下端から内側へ膨出状に折曲形成された被係合部23aと、該被係合部23aの端部から延設されて内外装部1とほぼ平行になる取付部23bを有し、該取付部23bの先端側には釘打ち、ビス止め、ボルト止め用の孔23cが形成される。
他方の固定部2cの固定面24は、連結面21の下端から外側へ膨出状に折曲形成されており、前記被係合部23aの内側に挿入されて一方の固定部2bに係合する係合部を構成している。
【0020】
内外装部1と金属基材2の埋め込み部2aの埋め込み位置関係は、埋め込み部2aが、内外装部1の厚みの中央位置乃至内外装部1の表面1c又は裏面1bから厚みの2/3 程度の深さ位置の範囲内に配置されるようにすると良い。
また内外装部1が例えば主に10mm前後の薄厚材である場合は、内外装部1と金属基材2の接合強度や内外装部1の表面1c側の意匠性,質感等の問題を考慮し、埋め込み部2aが、内外装部1の厚みの中央位置乃至内外装部1の裏面1bから1/3 程度の深さ位置の範囲内に配置されるようにすると良い。
尚、内外装部1が十分な厚みを有する場合、例えば全厚が20mmを越えるものであれば、埋め込み部2aの埋め込み位置が、表面1cから1/3 程度の深さ位置であっても、前記接合強度や意匠性等の問題は生じない。
【0021】
上記固定部2b,2cの間には、内外装部1の裏面に裏打ちされた断熱材、防火材等の裏打ち材4が添設される。
裏打ち材4はグラスウール等の公知の断熱材、防火性材料を用い、内外装部1の裏側空間に充填されるようになる。
【0022】
以上の構成からなる本例の複合内外装建材Aを用いた内外装面の施工例を図3を参照して説明すれば、内外装下地Bの一方の端部、図3では右側から順次複合内外装建材Aを葺いていく作業になる。
すなわち複合内外装建材Aは、他方の固定部2cの固定面24を、既に内外装下地Bに固定されている複合内外装建材Aの一方の固定部2bの被係合部23aに挿入して係合させ、次に一方の固定部2bの取付部23bの複数箇所を内外装下地Bにビス又はアンカーボルト等の固定具Cで取り付けて、内外装下地Bに固定される。この作業を順次繰り返して、内外装下地B上に所要枚数の複合内外装建材Aを固定し、内外装面を構成する。
【0023】
図4、図5は夫々、上記埋め込み部2aの端部2a’に対する固定部2b,2cの連結構造の変更例を示すが、便宜上、固定部2b側のみ図示して説明する。図4では、埋め込み部2aの端部2a’の一部を内側へ所定角度折曲して傾斜面を形成すると共に、該傾斜面に配された貫通孔3’に挿入して係止される挿入片25を固定部2bの連結面21に設け、この挿入片25を前記貫通孔3’に挿入することで、埋め込み部2aの両端部2a’に固定部2b,2cを脱落困難に仮止めし、その後溶接等により固着するようにしている。
図5では、埋め込み部2aの端部2a’に配された貫通孔3に挿入して係止される挿入片26を固定部2bの連結面21に設け、この挿入片26を前記貫通孔3に挿入することで、埋め込み部2aの両端部2a’に固定部2b,2cを脱落困難に仮止めし、その後溶接等により固着するようにしている。
尚、上記挿入片25,26は連結面21(22)の一部を切欠いたり切り起こす等して形成することもできるが、この例では連結面21(22)の上部を前述のように櫛歯状とし、各々の櫛歯部で前記挿入片25,26を形成するものとしている。
また、上記挿入片25,26を連結面21(22)の一部を切欠いたり切り起こす等して形成する場合、貫通孔3又は3’に対し圧入可能な程度の精度をもって形成し、該挿入片を貫通孔3又は3’に強制的に挿入することで、埋め込み部2aの両端部2a’に固定部2b,2cを脱落不能に連結し、溶接等の固着手段を不用とすることも可能である。
【0024】
図6、図7、図8は夫々上記金属基材2の変更例を示している。
図6に示す金属基材5は、多数の貫通孔3を有する埋め込み部5aと、内外装下地側に突出する固定部2b、2cを有し、この例では図示のように多孔金属板で形成された埋め込み部5aを用いており、該埋め込み部5aは内外装部1の厚さ方向の中間に埋め込まれるもので、その左右両端部5a’は下側へ折曲すると共に、上述した固定部2b、2cが一体に連設されている。
またこの例の固定部2b、2cは、上記した連結面21,22を埋め込み部5aの左右両端部5a’で構成しており、それ以外は上記例と同様の構成のため重複する説明を省略する。
【0025】
図7に示す金属基材6は、多数の貫通孔3を有する埋め込み部6aと、内外装下地側に突出する固定部2b、2cを有し、この例では図示のように、金属平板に多数のスリットを設け該スリットを拡開して略網状に形成した所謂ラス網で形成された埋め込み部5aを用いており、該埋め込み部5aは内外装部1の厚さ方向の中間に埋め込まれるもので、その左右両端部6a’は下側へ折曲すると共に、上述した固定部2b、2cが一体に連設されている。
この例の固定部2b、2cは、上記した連結面21,22を埋め込み部6aの左右両端部6a’で構成しており、それ以外は上記例と同様の構成のため重複する説明を省略する。
【0026】
尚、これら金属基材5、6においても、埋め込み部5a,6aと固定部2b、2cとを別体に形成し、埋め込み部の左右両端部5a’,6a’に対し、別途形成された固定部2b、2cを図2、図4、図5に示すような手段で連設するよう構成することは可能である。
【0027】
図8に示す金属基材7は、多数の貫通孔3を有する埋め込み部7aと、内外装下地側に突出する固定部7b、7c、7dを有する。
この例では多孔金属板で形成された埋め込み部7aを用いており、該埋め込み部7aは内外装部1の厚さ方向の中間に埋め込まれるもので、その左右両端と幅方向の中間部には下側へ折曲する折曲面71、72、73を形成すると共に、各折曲面の先端に固定部7b、7c、7dが形成される。
【0028】
埋め込み部7aの一方の端部に形成される固定部7bは、折曲面71の下端を外側に折り返して折返面74を形成すると共に、折曲面71と折返面74の下端部分に筒状の拡大部75を形成し、且つ折曲面71と折返面74の間に、前記拡大部75の内部に連通する差込み口76を形成してなる。
他方の端部に形成される固定部7cは、折曲面72の下端からL形に折曲するL形折曲面77と、該折曲面77の先端を鉤状に折曲させた係合面78とからなり、前記差込み口76に差し込んで係合面78を拡大部75に係合可能に形成される。
中間部に形成される固定部7dは、左右に対峙する折曲面73,73の下端部分に筒状の拡大部79を形成してなる。
【0029】
この例の金属基材7を備えてなる複合内外装建材A’を用いた内外装面の施工例を図8を参照して説明すれば、内外装下地Bには、上記固定部7b、7dが挿入されて弾性係合する被係合部材Dが所定間隔ごとに固定されており、夫々の被係合部Dに固定部7b、7dを挿入し係合させると共に、固定部7cを固定部7bに挿入し係合させて、図8においては左側から順次複合内外装建材A’を葺いていく作業になる。
【0030】
尚、図8中に示す8aは、隣合せる複合内外装建材A’の内外装部1相互間の隙間内に装填されたパッキン、8bはこのパッキン8a上に充填された充填材で、これらパッキン8aと充填材8bにより、目地8が形成されている。
この目地8は前述の各例にも形成して良いことはいうまでもない。
【0031】
また、本発明に係る複合内外装建材を構成する内外装部は、その必要性に応じて適宜従来公知の表面化粧や防水・防火処理を施すことができる。
例えば、内外装部1が製紙パルプスラッジを主原料とする場合、比較的吸水性が高いので、少なくとも表面1cと側面1aには防水性塗料等を塗布することが望ましい。
また内外装部1が低吸水性材料の主原料とセメント系のバインダーを主体とする場合、表面1cにシルクスクリーン技術によって大理石模様やその他任意の意匠を付与することができる。
なお、主原料をガラスカレットとし、バインダーのセメントを着色セメントとすれば、そのままでも高い意匠性を得ることができる。
【0032】
ところで、本発明に係る複合内外装建材を製造する場合、所定の成型型枠内に金属基材2をセットし、次いで、内外装部1の成形材料(内外装部材料)を投入し、硬化後に脱型して複合内外装建材を得ることもできる。
しかし乍らこのような方法では、金属基材2のセット段階において埋め込み部2aの自重によるダレが生じ、特に内外装部1の面板部分が大きいほど、その傾向は顕著になる。
このようにダレが生じた金属基材2に対して、内外装部1の成形材料であるスラリー状、モルタル状、クリーム状等の半固体状態の内外装部材料を投入した場合、埋め込み部2aの中央部が適正位置に浮上しないまま、すなわち埋め込み部2aが湾曲したまま材料が硬化してしまう虞れがある。
これに対し本発明に係る製造方法を採用した場合は、前記不具合を解消することができる。
【0033】
以下、本発明に係る複合内外装建材の製造方法の実施の形態の一例を、図1に示す複合内外装建材Aを例にとり、図9を参照して説明する。
図中Eは成型型枠、10は、廃棄物を処理して得られたリサイクル原料又はこれと同質の材料を主原料とバインダーとの混練物からなる内外装部材料で、該材料の一例として、ホワイトセメント、天然ケイ酸塩鉱石の微細粉(鉄電気石)、微細ガラス粉粒、水溶性合成樹脂エマルジョンを前述の配合比率で混合してクリーム状としたものを用いた。
【0034】
成型型枠Eは、上記内外装部材料10を充填して硬化させることで内外装部1を形成すると共に、該内外装部1の厚さ方向の中間に金属基材2の埋め込み部2aを埋め込んで一体化させるもので、内外装部材料10の充填部E1と、該充填部E1の開口周縁に形成した掛止縁部E2とを備えている。
掛止縁部E2は、金属基材2の埋め込み部2aが、前記充填部E1内においてほぼ仕上がり寸法となるレベル(金属基材セットレベル)E3に保持されるよう、金属基材2を掛止可能な高さ位置に形成される。
【0035】
そうして、まず上記内外装部材料10を金属基材セットレベルE3まで充填し(イ図参照)、次に金属基材2の両固定部2b、2cを掛止縁部E2に掛止して金属基材2を前記セットレベルE3にセットし(ウ図参照)、その後、内外装部材料10をさらに所定量投入し(エ図参照)、この状態で所定時間養生させ、硬化後に脱型し(オ図参照)、さらに養生させた後、必要に応じて表面処理等の後処理を行い、複合内外装建材Aを得る。
得られた複合内外装建材Aは、多数の貫通孔3を有する埋め込み部2aが硬化物と強固に結合し、内外装部1と金属基材2が強固に一体化したものとなる。
また、金属基材2をセットする前にレベルE3まで充填した内外装部材料10が、埋め込み部2aの湾曲防止に効力を発揮し、該埋め込み部2aの自重によるダレを防止すると共に、金属基材2セット後に内外装部材料10を追加投入する際の埋め込み部2aの沈み込みもほとんどない。
【0036】
尚、本例の製造方法は図6、図7、図8に示す金属基材5、6、7を用いる場合にも対応可能であることはいうまでもなく、図8の金属基材7を用いる場合は、固定部7bの折返面74の外端折曲面74aと、固定部7cのL形折曲面77とを上記掛止縁部E2に掛止して、該金属基材7を前記セットレベルE3にセットし得るようにする。
【0037】
【発明の効果】
本発明の複合内外装建材は以上説明したように、リサイクル原料又はこれと同質の材料をバインダーと混練して硬化させた内外装部と、金属基材とからなり、金属基材は多数の貫通孔を有する埋め込み部と内外装下地側に突出する固定部を別体または一体に有し、内外装部の厚さ方向の中間に前記埋め込み部を埋め込んで一体化した構成としたので、内外装部と金属基材が強固に一体化した複合建材が得られ、製紙パルプスラッジやスラグ焼却灰等の産業廃棄物、又は紙、各種プラスチック、ゴム、ガラス、瓶等の生活一般ゴミを再活用してこれらの大量消費を可能とすると共に、製造工程におけるエネルギー消費を低減して地球温暖化の防止にも寄与し得、且つ取り付け作業が容易で施工時の省力化も図ることが可能である等、多くの効果を奏する。
【0038】
また本発明では、内外装部を埋め込み部における貫通孔の形成範囲内に形成することで、経年による内外装部の割れの誘発を防止して、耐久性、意匠性等に優れた商品価値の高い複合内外装建材を得ることができた。
【0039】
また、本発明に係る製造方法は、上記した複合内外装建材を得る方法として好適に利用できると共に、内外装部材料を所定量投入した後に金属基材を所定レベルにセットし、しかる後内外装部材料を追加投入する方法としたので、製造工程における金属基材の湾曲を効果的に防止して、内外装部の所定位置に埋め込み部を配した複合内外装建材が得られ、所望の製品精度や強度、意匠性を得ることができ、特にこれらの効果は、内外装部が主に10mm前後の薄厚材である場合に、顕著な利点となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る複合内外装建材の実施の形態の一例を示す一部切欠斜視図。
【図2】図1の一部拡大図。
【図3】図1に示す複合内装建材の使用の一例を示す縦断面図。
【図4】固定部の他例を示す拡大縦断面図。
【図5】固定部の他例を示す拡大縦断面図。
【図6】金属基材の他例を示す斜視図。
【図7】金属基材の他例を示す斜視図。
【図8】実施の形態の他例を示し、(ア)は使用の一例を示す簡略断面図、(イ)はその要部拡大図である。
【図9】本発明に係る複合内外装建材の製造方法の実施の形態の一例を示す簡略図。
【符号の説明】
A:複合内外装建材
1:内外装部
2,5,6,7:金属基材
2a,5a,6a,7a:埋め込み部
2b,2c,7b,7c,7d:固定部
3:貫通孔
4:裏打ち材
E:成型型枠
E3:金属基材セットレベル

Claims (7)

  1. 主に内外装面を構成する内外装部と、金属基材とからなり、
    前記内外装部は、廃棄物を処理して得られたリサイクル原料又はこれと同質の材料を主原料としバインダーと混練して硬化させた硬化物であり、
    前記金属基材は、多数の貫通孔を有する埋め込み部と、別途形成されて、埋め込み部の端部に固着されて、内外装下地側に突出する固定部を有し、
    前記硬化物によって形成される内外装部の厚さ方向の中間に、前記金属基材の埋め込み部を埋め込んで一体化すると共に、前記内外装部を、前記左右の端部を含めて埋め込み部における貫通孔の形成範囲内に形成していることを特徴とする複合内外装建材。
  2. 主に内外装面を構成する内外装部と、金属基材とからなり、
    前記内外装部は、廃棄物を処理して得られたリサイクル原料又はこれと同質の材料を主原料としバインダーと混練して硬化させた硬化物であり、
    前記金属基材は、多数の貫通孔を有する埋め込み部と、内外装下地側に突出する固定部を前記埋め込み部の端部を経て一体に連接して有し、
    前記硬化物によって形成される内外装部の厚さ方向の中間に、前記金属基材の埋め込み部を埋め込んで一体化すると共に、前記内外装部を、前記左右の端部を含めて埋め込み部における貫通孔の形成範囲内に形成していることを特徴とする複合内外装建材。
  3. 上記バインダーの主たる組成が二水石膏であることを特徴とする請求項1または2記載の複合内外装建材。
  4. 上記バインダーの主たる組成がセメントであることを特徴とする請求項1または2記載の複合内外装建材。
  5. 上記バインダーの主たる組成が、アクリル樹脂エマルジョンを含むポリマーセメントモルタルであることを特徴とする請求項1または2記載の複合内外装建材。
  6. 上記金属基材の固定部間に、上記内外装部の裏面に裏打ちされる断熱材、防火材等の裏打ち材が添設されていることを特徴とする請求項1または2記載の複合内外装建材。
  7. 廃棄物を処理して得られたリサイクル原料又はこれと同質の材料にバインダーを混合,混練した内外装部材料を、成型型枠内においてほぼ仕上がり寸法となる金属基材セットレベルまで充填した後、金属基材を前記セットレベルにセットし、しかる後、前記内外装部材料を所定量投入し、硬化後に脱型して複合内外装建材を得ることを特徴とする請求項1または2記載の複合内外装建材の製造方法。
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