JP3065893U - 化粧不焼成タイル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 任意形状、寸法に容易に形成できる石目調の
光輝度と深み感があり、省資源、省エネルギー、易施工
性で耐候性のある化粧不焼成タイルを提供することであ
る。 【解決手段】 タイル型枠に陶磁器くず粉砕粒子を均一
に散布して、この上に予めセメントモルタルなどの水硬
性組成物に陶磁器くず粉砕粒子を混入してタイル型枠に
注入した後脱型して養生する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は建造物の柱、内外壁、床材、門、塀などの化粧仕上材に用いる優れた 美観を呈する易施工性の化粧不焼成タイルである。

【０００２】

【従来の技術】

従来タイルは、陶磁器製ということが常識で焼成することが必須条件であり、 エネルギーがかかっていた。又生産工程中に発生した陶磁器製タイルの不良品な どくずは、産業廃棄物として処理しなければならなかった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、省エネルギー、省資源という観点から、生産工程中に発生した陶磁 器製タイルの不良品などのくずを粉砕粒子にして再利用し、焼成せずに外観的に 優れたタイルの製造方法を提供するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案はかかる事情に鑑みなされたものであって、タイル型枠の底面及び側面 に陶磁器くず粉砕粒子を均一に散布して、この上に予めセメントモルタルなどの 水硬性組成物に陶磁器くず粉砕粒子を混入して混練したものをタイル型枠に注入 し、脱型して養生硬化する。陶磁器くず粉砕粒子を混入したセメントモルタルな どの水硬性組成物をタイル型枠に注入した後、加圧しても、しなくても良い。加 圧すると化粧不焼成タイルの密度が高くなり、緻密となる。

【０００５】

【考案の実施の形態】

セメントモルタルなどの水硬性組成物をバインダーとして、陶磁器くず粉砕粒 子をモルタル表面にまぶしさらに内部に混入することにより表面は陶磁器くず粉 砕粒子からなる石目調模様を呈する。陶磁器くず粉砕粒子の種類を種々組合せた 配合にすることにより石目調あるいはれんが調模様を任意に変えることができる のである。

【０００６】 本考案に使用するセメントモルタルなどの水硬性組成物とは、セメントに細骨 材を配合したセメントモルタル、これに補強繊維を添加した繊維補強セメントモ ルタル、軽量骨材を細骨材に使用した軽量セメントモルタル、セメントの代りに 石膏を使用したものなどである。上述のセメントモルタルなどの水硬性組成物に 合成樹脂エマルジョンを添加しても良い。

【０００７】 本考案には以上の他必要に応じてタイルの性状を向上させるため、分散剤とし て各種の界面活性剤、増粘剤、たるみ防止剤、沈降防止剤、凍結防止剤などを添 加しても良い。さらにタイルの性能を向上させる目的で可塑剤、熱、光による劣 化防止を図る安定剤、かびの発生を防止するかび止め剤等を添加しても良い。

【０００８】 本考案に使用するセメントは、特に限定されず、例えば、普通ポルトランドセ メント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポル トランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント等のポルトランドセメント、 高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント等の混合セメント、白 色ポルトランドセメント、セメント系固化材、アルミナセメント等の特殊セメン ト等が挙げられる。このうち普通ポルトランドセメントが価格の点及び品質の面 から好適に用いられる。

【０００９】 セメントの代りに石膏を使用する場合は、焼石膏あるいは半水石膏を使用し緩 結材としてゼラチン、カゼイン、タンニン、硫酸塩などを添加する。

【００１０】 陶磁器くず粉砕粒子は、陶磁器生産工程において発生する不良品を粉砕したも のである。ここに言う陶磁器とは、土器、陶器、せっ器、磁器が含まれ、具体的 な製品として土器は黒の粘土瓦、れんが、土管、陶器は内外装タイル、衛生陶器 など、せっ器は耐寒性粘土瓦、テラコッタ、舗道れんが、内外装タイル、床タイ ル、陶管など、磁器は内外装タイル、床タイル、モザイクタイル、衛生陶器など があり、これら製品の不良品、くずなどを粉砕して使用する。

【００１１】 陶磁器くず粉砕粒子は、細目、中目、荒目としそれぞれ粒子径を細目は０．１ 〜０．５ｍｍ、中目は０．５〜１．５ｍｍ、荒目は１．５〜３．４ｍｍに調整し て使用する。陶磁器くず粉砕粒子の他必要に応じて珪石粉、フライアッシュ、シ リカヒューム、クレー、タルク、カオリン、徐冷高炉スラグ粉砕物、シリカ質ダ スト等を添加しても良い。

【００１２】 陶磁器くず粉砕粒子は、もとの陶磁器製品によってその色が異なり、それらを 種々配合することによって独特の風合いを現出することができる。例えばれんが くず粉砕粒子の荒目及び細目に、白色の衛生陶器くず粉砕粒子の中目を適量添加 することによって従来存在しなかった全く新しいタイル模様を表現することが可 能となったのである。

【００１３】 化粧不焼成タイルの形状及び寸法は矩形形状がタイルとして一般的であるが任 意に設定することが出来、その寸法は自由で多様性がある。矩形形状の他正方形 、三角形、丸形状、その他特殊形状のものも可能である。その寸法もモザイクタ イル状の小寸法のものから１ｍ以上の大判タイルのもの迄任意の大きさ及び形状 のものを形成することができる。形態は平板の他端部を相欠き継ぎ仕口としたも のも可能である。

【００１４】

【実施例】

本考案の実施例を具体的に説明する。

【００１５】 実施例１ 厚さ１２ｍｍで形状は二丁掛け（２２７×６０ｍｍ）のタイル型枠 の全面に陶磁器くず粉砕粒子を均一に散布した。陶磁器くず粉砕粒子はれんがく ずを粉砕した粒子を使用し、粒度調整は細目４０重量部、荒目１０重量部とし、 これに白色の衛生陶器くず粉砕粒子の中目を３０重量部添加配合した。

【００１６】 陶磁器くず粉砕粒子を均一に散布した型枠に、陶磁器くず粉砕粒子を混入した セメントモルタルを注入した。その配合はは普通ポルトランドセメント１０重量 部、陶磁器くず粉砕粒子はれんがくず粉砕粒子の細目１０重量部、白色の衛生陶 器くず粉砕粒子の中目２０重量部、れんがくず粉砕粒子の荒目３０重量部を均一 に混合したもの３０重量部、シリカヒューム５重量部、水５重量部、その他１重 量部になるものである。

【００１７】 ２４時間常温で養生した後脱型し蒸気養生を１０時間行い美麗な化粧不焼成タ イルを作製することができた。

【００１８】 実施例２ 普通ポルトランドセメント１０重量部、陶磁器くず粉砕粒子３０重 量部、シリカヒューム５重量部、パルプ繊維０．３重量部、有機質添加剤（分散 剤他）０．５重量部、無機体質顔料１．２重量部、水５．５重量部、その他０． ５重量部、以上の配合になる組成物を真空脱気混練装置で充分混合攪拌した。

【００１９】 陶磁器くず粉砕粒子はれんがくずを粉砕した粒子を使用し、粒度調整は細目１ ０重量部、荒目３０重量部とした。これに白色の衛生陶器くず粉砕粒子の中目２ ０重量部を添加配合した。

【００２０】 前記の組成物を厚さ１２ｍｍで形状は二丁掛け（２２７×６０ｍｍ）のタイル で両端を相欠き継ぎ仕口とし、実施例１と同じ粒度調整した陶磁器くず粉砕粒子 を均一に散布した型枠に流し込み加圧成形した。２４時間常温で養生した後脱型 し蒸気養生を行なった。加圧成形の圧力は１０ｋｇｆ／ｃｍ^２である。この化粧 不焼成タイルは陶磁器製タイル以上の物理的強度と同等の耐候性、耐摩耗性を有 することが立証された。

【００２１】

【考案の効果】

陶磁器くず粉砕粒子をタイル表面にまぶしさらにタイルの中に混入してセメン ト及び水でタイル状に成形することによって本考案に成る化粧不焼成タイルは従 来技術で成し得なかった次のような効果を達成することができた。

【００２２】 陶磁器の生産工程中に発生する不良品の粉砕粒子を使用し、バインダーにセメ ントを使用することによって不焼成であるにもかかわらず、焼成した陶磁器製タ イルに匹敵する性能のタイルを製作することができた。

【００２３】 陶磁器くず粉砕粒子の配合を変えることによって自然石風の各種の石目調を任 意に表現することができた。

【００２４】 産業廃棄物として処分される陶磁器くずの有効利用を図ることを可能ならしめ ると共に不焼成によって成形できるため省エネルギー効果をきわめて高いものと することができた。

【００２５】 化粧不焼成タイルの表面はバフ掛けをすることによって優れた石目調の風合い を発現することができた。化粧不焼成タイルは施工が容易で、表面は硬度が高く きずがつき難く、天然石同様のなめらかさが表現でき、さらに酸に対して強固で あるため酸性雨に汚染されることはない。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例１化粧不焼成タイルの斜視図

【図２】実施例２の斜視図

【符号の説明】

１．化粧不燃成タイル ２．石目調化粧面 ３．相欠き継ぎ仕口

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 タイル型枠の底面及び側面に陶磁器くず
   粉砕粒子を均一に散布しこの上に陶磁器くず粉砕粒子を
   混入したセメントモルタルなどの水硬性組成物を注入し
   た後脱型養生することを特徴とする化粧不焼成タイル。