JP3638967B2 - ネフローゼ症候群及び肝障害症状の寛解剤 - Google Patents

ネフローゼ症候群及び肝障害症状の寛解剤 Download PDF

Info

Publication number
JP3638967B2
JP3638967B2 JP08587194A JP8587194A JP3638967B2 JP 3638967 B2 JP3638967 B2 JP 3638967B2 JP 08587194 A JP08587194 A JP 08587194A JP 8587194 A JP8587194 A JP 8587194A JP 3638967 B2 JP3638967 B2 JP 3638967B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
polysaccharide
solution
molecular weight
nephrotic syndrome
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP08587194A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0748265A (ja
Inventor
国驥 叶
淳一 梶原
清 桐原
和夫 加藤
博子 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JCR Pharmaceuticals Co Ltd
Original Assignee
JCR Pharmaceuticals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JCR Pharmaceuticals Co Ltd filed Critical JCR Pharmaceuticals Co Ltd
Priority to JP08587194A priority Critical patent/JP3638967B2/ja
Priority to FI943242A priority patent/FI943242A/fi
Priority to US08/271,795 priority patent/US5547945A/en
Priority to CA002127934A priority patent/CA2127934A1/en
Priority to KR1019940016859A priority patent/KR960013374A/ko
Priority to DE69413467T priority patent/DE69413467T2/de
Priority to AU67470/94A priority patent/AU686161B2/en
Priority to AT94305146T priority patent/ATE171462T1/de
Priority to RU94026096A priority patent/RU2119341C1/ru
Priority to EP94305146A priority patent/EP0635519B1/en
Publication of JPH0748265A publication Critical patent/JPH0748265A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3638967B2 publication Critical patent/JP3638967B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、老人はもとより近年若年層で増加傾向にある腎臓疾患、とりわけ慢性腎不全に至る前段階であるネフローゼ症候群と診断された患者に対し、あるいはウイルス性及び薬物性肝炎等の肝障害の症状を有する患者に対し、通院可能で安全な経口及び筋肉内投与治療剤を提供する発明に関する。
【0002】
【従来の技術】
微小変化型ネフローゼの内科的な治療薬として、合成薬であるステロイド剤或いは抗血小板薬であるジピリダモールが用いられているが、長期間使用しなくてはならず、若年層に投薬する際には特に満月様顔貌,月経不順,めまい,頭痛,悪心,嘔吐など、重篤な場合には感染症,消化管出血,代謝異常,骨粗症,血栓症,副腎不全,精神障害などの副作用が懸念されている。
【0003】
また、肝炎にはウイルス性、薬物性のものもあるがウイルス性のものが大半を占めており、それらの治療薬としてはインターフェロン、インターロイキン2のようなバイオロジカル・レスポンス・モディファイアー(BRM)、グリチルリチンの静注用注射剤であるネオミノファーゲンCなどが用いられている。しかしながらBRMには発熱等の副作用が見られることにより長期投与には問題がある。またグリチルリチンは基本的には抗炎症剤であり、長期に使用する場合は血圧、電解質濃度の管理が必要となる。この他にも生薬成分であるサイコサポニン、サポニン、ゴミシンなどが知られているが、いずれも臨床応用されるには至っていない。
【0004】
一方、ポリD−ガラクツロン酸
【化1】
Figure 0003638967
〔式中のカルボキシル基はメチルエステル化されていてもよい〕
を構成成分とする水溶性多糖類としては、たとえば水溶性ペクチン質(pectic substance)が知られている。これは柑橘類の果皮などを酸性水溶液で抽出し、必要に応じてさらに酸、アリカリ、酵素で脱メチル化し、アルコール等の有機溶媒を加えて沈澱させて得られる水溶性多糖類で、ポリD−ガラクツロン酸を主な構成成分とする。そしてポリD−ガラクツロン酸の構造式中のカルボキシル基のメチルエステル化率の大小により水溶性ペクチン質はペクチンとペクチニン酸に別けられ、また実際上メチルエステルが残っていないものはペクチン酸と呼ばれている。
【0005】
水溶性ペクチン質はゼリー等の材料として主として食品工業に用いられるが、医薬としては粘膜被覆に供される程度でほとんど用いられていない。
【0006】
本発明の一部においては、丹参の抽出成分が用いられるが、丹参は中国では、血液循環,血行停止の改善に良いとされ伝統的に使用されている薬草である。近年、血管拡張作用(大浦彦吉:和漢医薬学会誌.,5:227−237.,1988.)、降圧作用(中山医学院論:医歯薬出版,東京.,257−258.,1980.)、抗凝血作用(羅厚蔚ら:Acta PharmaceuticaSinica.,23(11):830−834.,1988.)、細胞内コレステロールの合成抑制作用(Sun Xi−ming;中草薬.,22(1):20−23.,1991.)、肝細胞保護(戚心広ら:中西医結合雑誌.,11(2):102−104.,1991.)及びラジカル消去作用(胡 天喜:上海中医薬雑誌,9:28−30.,1988.)などの多彩な生理活性作用があること、また腎機能の改善(大浦彦吉:第二回和漢薬の医学薬学的研究に関する日中シンポジウムpp.148−157,1988.)、慢性腎疾患及び***の患者に対して有効(張 鏡人:上海中医薬雑誌.,1.17−18.,1981.)であることが内外において報告されているが、その本質については何等言及されていないか、言及されていても本願発明とは全く異なる低分子物質である。
【0007】
また、丹参を原料とする腎疾患への治療薬の研究も盛んに行われていて、低分子のフェナントレンキノン類であるタンシノン類似物並びにカフェイン酸4量体であるマグネシウムリトスペルミン酸B等が単離されているが(T.Yoozawa,H.Y.Chung,H.Oura,G.Nonaka,and I.Nishioka,Chem.Pharm.Bull.,36,316(1988))、何れも有機溶媒含有下で抽出される脂溶性の高い物質だけであり、まだ臨床応用には至っていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
腎疾患は大別して、糸球体由来の原発性とそれ以外の疾患に由来する続発性に分類され、前者が約80%以上を占め、しかも低年齢層ほど多くて約90%に達する。病理組織所見からは微小変化群,単状糸球体硬化症,膜性腎症,メサンギゥム増殖性腎症(IgA腎症,非IgA腎症),膜性増殖糸球体腎炎,半月体形成糸球体腎炎などに分類される。蛋白尿は臨床所見の特徴として、いずれの組織学的病型にも共通して認められ、重篤な場合にはネフローゼ症候群として診断されている。また近年腎臓疾患、特に腎臓の器質的な衰えにより誘発される疾患は老人にとどまらず若年層に増加しつつあるため、器質を改善して疾患を治療する副作用発現の少ない植物成分で水溶性のある経口或いは筋肉内に投薬し治療する薬剤の開発が望まれている。
【0009】
また、肝炎は大別して、ウイルス性のものとアルコール等の薬物によるものがあるが、B型及びC型肝炎ウイルスによるものが圧倒的に多い。近年治療薬として特にインターフェロンがC型肝炎に対して有効であることが報告されており、使用頻度も高まってきている(飯野司郎ら:基礎と臨床.26:339,1992;鈴木宏ら:肝・胆・膵・23:1065,1991)。しかしながら、短期投与で発熱等のインフルエンザ様症状が表れ、長期投与でも体重減少、下痢、嘔吐、不整脈、脱毛、自己免疫異常等の副作用が見られる。またこれらの薬剤はすべて注射剤であることからより簡便に使用できる新たな治療薬あるいはインターフェロン等との併用補助薬として副作用発現の少ない生薬、漢方薬成分で水溶性のある経口或いは筋肉内に投与し治療する薬剤の開発が望まれている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、広く繁用されている蛋白尿***を顕著に起こし、さらに腎臓の器質変化を示すことで良く知られるピューロマイシンで惹起したラットのネフローゼ症候群モデルを利用して鋭意検討した結果、丹参の水抽出物より上記モデルに対して有効な多糖類が存在すること、その多糖類がポリD−ガラクツロン酸を主要構成成分とすることを見い出した。
【0011】
本発明はこの知見を発展させたもので、(I)ポリD−ガラクツロン酸を有効構成成分とする水溶性多糖類よりなるネフローゼ症候群及び肝障害症状の寛解剤、(II)丹参から水または水性溶媒で抽出されうる下記の特性を有する多糖類
Figure 0003638967
(III)丹参を水または水性溶媒で抽出し、抽出液から残渣を除去した液を無極性多孔性ポリマー樹脂を通過させ、限外濾過で濃縮し、ついでゲル濾過クロマトグラフィーに付することを特徴とする上記の多糖類の製造法である。
【0012】
ポリガラクツロン酸を有効構成成分とする水溶性多糖類としては、一般に植物から抽出される水溶性ペクチン質が用いられ、それはガラクツロン酸のカルボキシル基が約7.5%以上メチルエステル化されているペクチンでも、メチルエステル化率がそれよりも低いペクチニン酸でも、実際上メチルエステルがすべて加水分解されているペクチン酸でもよい。水溶性ペクチン質は一般に少量のアラバン、ガラクタン、ラムノースなどを伴う場合が多いが、そのまま用いることができる。
【0013】
本発明の水溶性多糖類としては、たとえば丹参から抽出される水溶性ペクチン質も用いられる。
【0014】
丹参は植物丹参(Salvia miltiorrhiza Bunge)の根および根状の茎であるが、同属植物の南丹参(S.bowleyana Dunn)、甘粛丹参(S.przewalskii Maxim)、雲南丹参(S.yunnanensis C.H.Wright)等の根も用いられ、本発明ではこれらを総称して丹参という。
【0015】
本発明で用いられる丹参の産地は特に限定されるものではないが、好ましくは中国,四川地区産の丹参が本発明の多糖類を効率よく抽出精製することができる。
【0016】
丹参はできるだけ小片にして抽出するのが望ましい。抽出溶媒として水または水性溶媒が用いられ、水性溶媒としてはリン酸緩衝液、酢酸緩衝液等の緩衝液または食塩等の塩類水溶液を用いるのが好ましい。
【0017】
抽出溶媒のpHは約2〜約9に調整するのが好ましい。抽出は約50〜約100℃で行うのが好ましく、さらに好ましくは70〜90℃である。たとえば、丹参を予め50〜100℃好ましくは70〜90℃にした温水或いはpH2〜9の範囲にある緩衝液または塩類溶液に入れるか、入れたあと温浴中などで所定の温度になるまで加温して抽出する。
【0018】
かくして、1〜8時間、好ましくは3〜5時間抽出すれば粗出液が得られる。抽出液中に混在する丹参の残渣は目の粗い濾布やヌッチェなどで濾去することができる。
【0019】
残渣を除去した抽出液は水で平衡化した無極性の多孔性ポリマー樹脂を充填材とするカラムクロマトグラフィーによりさらに精製する。このポリマー樹脂としては、たとえばHP−20およびMCI−ゲル(三菱化成社製)やアンバーライトXAD−2(オルガノ社製)などが挙げられる。
【0020】
丹参の活性成分についてMCI−ゲルの吸着分画で、50%メタノール溶液で溶出される低分子物質であるマグネシウムリトスペルミン酸Bが報告されており、発明者らも、同様の分画に蛋白尿***を抑制する活性のあることを確認した。しかし、非吸着部分を含め溶出された全画分について、詳細に蛋白尿***を抑制する作用を試験した結果、当初の予想に反して、素通り画分にも上記作用を示す成分のあることが判明した。この時点で、この処理からの素通り画分は、極性が低いことが予想され、又、蛋白質に固有の紫外部吸収スペクトルを示さないから蛋白質以外の成分であろうと思われた。
【0021】
素通り画分の一部を、次いで2枚の限外ろ過膜(カットオフ,分子量300,000及び50,000の)システムに通し、濃縮且つ精製ステップの検討を行った。実際には分子量300,000以上、50,000〜300,000及び50,000以下の各物質群に分け、各成分についてピューロマインシン惹起ラットモデルを用いて、蛋白尿***を抑制する活性を試験した。その結果、強い活性が分子量50,000〜300,000に範囲のある分画に見られ、50,000以下にも弱い活性が見られた。
【0022】
そこで、先の素通り画分の濃縮に分子量3000のカットオフ,限外ろ過膜を用いた。この工程での限外ろ過膜はカットオフのサイズが同じであれば何れの種類のものでも本発明の物質の濃縮に用いることが可能である。
【0023】
次に濃縮液中の活性成分をより狭い分子量範囲に限定するために、ゲルろ過カラムクロマトグラフィーによる精製を行った。一般に蛋白質などの場合には、ゲルろ過クロマトグラフィーの担体としては、セファデックス及びセファロース類(ファルマシア社製),セルロファイン(生化学工業社製),バイオゲル(バイオラッド社製)などが使用されており、本発明の物質のクロマトグラフィーにも上記のものが使用できるが、好ましくは合成手段によって調製された材質によるクロマト材、例えばバイオゲルが本発明の物質の精製に適している。クロマト材には編目サイズ、即ち排除限界により各種のものがあるが、分画範囲として10000〜300,000のものであればいずれでも構わない。発明者らは、好んでバイオゲルP−30,−60,−100、中でもバイオゲルP−60を使用した。そこで、濃縮液を水で平衡化したバイオゲルP−60を充填したカラムに通した。モニターは暫定的に280nmの吸収で行い、吸収のある分画と吸収のない分画をカラム容量の2倍量まで数分画に分け、次いでピューロマイシン惹起ラットモデルでの蛋白尿***の抑制作用を試験したところ高分子領域に活性を有する多糖類が溶出されていることがわかった。
【0024】
この多糖類は過ヨウ素酸酸化あるいは還元処理すると活性を失う。また本物質は血小板凝集抑制作用,赤血球膜保護作用を有することがin vitroの実験結果より明らかになった。さらにピューロマイシン惹起ネフローゼモデルラットまたは四塩化炭素誘発肝障害モデルラットにおいてはラジカルが関与することが知られているが、本物質には直接ラジカルを消去する作用はないことがESRを用いた実験により示された。
丹参の抽出液を無極性ポーラスポリマー樹脂及びゲルろ過クロマトグラフィーで精製(精製画分)した多糖類の特性を下記のように試験した。
【0025】
(1)全糖含量:フェノール硫酸法(Hodge,J.E.and Hofreiter,B.T.(1962)Methods in Carbohydrate Chemistry(Academic Press).Vol.1,p.338)
試験溶液0.5mlを試験管にとり5%(w/v)フェノール液0.5mlを加え、濃硫酸2.5mlを速やかに液面に直接に加えよくまぜ、室温に20分保った後、480nmの吸光度を測定する。標準溶液にはグルコース(10〜90μg/ml)水溶液を用いた。
【0026】
(2)ウロン酸含量:メタヒドロキシジフェニル法(Blumenkrantz,N.and Asboe Hansen,G.(1973)Anal.Biochem.54,484−489.)
試料溶液0.2mlに0.0125Mホウ酸ナトリウムの濃硫酸溶液1.2mlを添加し、氷冷後攪はんする。100℃で5分間処理した後氷冷し、0.15%メタヒドロキシジフェニルの0.5%水酸化ナトリウム溶液20μlを加え、520nmの吸光度を測定する。標準溶液にはガラクツロン酸溶液を用いた。
【0027】
(3)中性糖含量(アルジトールアセテート−GC−MS法)(Borchardt,L.G.and Piper,C.V.(1970)Tappi.53,257−260.)
丹参の精製画分50mgを72%(v/v)硫酸3mlに溶かし、30℃,1時間処理したものに蒸留水84mlを加え、120℃で1時間オートクレープする。内部標準としてイノシトール4mgを加え、その30mlを水酸化バリウムを加えてpH5.5に調整した後、遠心分離して上清を得る。その25mlに水素化ホウ素ナトリウム80mgを添加し、室温で2時間処理後、酢酸で反応をとめる。濃縮乾燥後、蒸留水に溶かしDEAEセファデックスカラムにかけ素通り画分を集める。濃縮乾燥後、無水酢酸とピリジンによりアセチル化した後、ジクロルメタンと1N塩酸の混液で抽出する。有機層を蒸留水で洗った後、濃縮し、アセトンに溶かしてガスクロマトグラフィーマススペクトロメトリー(GC−MS)にて定量した(カラム:Supelco糖分析用キャピラリーカラムを使用)。また標品は上記の還元操作により処理して同様に分析した。
【0028】
(4)分子量の測定
トーソーHPLCシステム(トーソー社製)にアサヒパックGS−520(旭化成社製)カラム(7.6mmIDx500mm)を接続し、ミリQ水を用いて、本願物質試料溶液10μlをカラムに付加して分子量を測定(温度:室温、流速:0.5ml/分、検出:RID)した。分子量マーカーにはアミロースキット(中埜酢店社製):分子量10200,30100,75200,111400,364200を用い、これらの溶出パターンから得た検量線より、本願物質の分子量を算出した。
【0029】
(5)ピューロマイシン惹起ネフローゼ症候群モデルラットによる評価
1)ネフローゼ症候群モデルラットの作製:ウィスター系雌性ラット(約9週令、体重約150g)にピューロマイシンアミノヌクレオシド(:以下ピューロマイシン、シグマ社製)60mg/kgを1回、頸静脈内投与してネフローゼ症候群モデルラットを作製した(東條静夫ら:ネフローゼ症候群 京極方久 編,ソフトサイエンス社出版,479−488,1984)。
【0030】
2)試料溶液の投与:ピューロマイシン投与の開始の日から1日1回各試料溶液を胃カニューレを通じて21日間経口或いは筋肉内投与した。陰性対照群には注射用水を、陽性対照群にはジピリダモール溶液を用いた。
【0031】
3)尿蛋白質量の測定:尿蛋白質量は、ピューロマイシン投与終了後5日目から、2〜3日おきに24時間尿をラット代謝ケージを用いて採尿し、尿量を計測した。次いで遠心分離(3000rpmx10分)して得た上清1mlにスルホサリチル酸3mlを加え、室温で10分間放置した後、波長660nmの吸収を測定し、検量線より尿中のタンパク質濃度を求め、更に尿容量を乗じて尿中への総蛋白質***量を算出した。検量線作成に当たっては牛血清アルブミン(シグマ社製)を標準タンパク質に用いた。
【0032】
4)血清コレステロール,血清アルブミン,血清中の総蛋白質量及び血清過酸化脂質の測定:ピューロマイシン投与終了後7日目,14日目,21日目に各群のラットをエーテル麻酔を施した後、静脈より採血し、血清中のコレステロール,アルブミン,総蛋白質量及び過酸化脂質量を測定した(いずれも和光純薬工業社製)。
【0033】
(6)四塩化炭素誘発肝障害モデルによる評価
1)肝障害モデルの作成:Wistar系雌性ラット(9−11週令、体重160g前後)に対し、オリーブ油に等量の割合で混合した四塩化炭素(和光純薬製)溶液1.5ml/kgを腹空内に1回投与することにより作成した。(炎症学書:炎症炎症動物実験法、実験的肝繊維症.医学書院出版,253−277)
【0034】
2)資料溶液の投与:四塩化炭素投与3日前から投与前日まで試料を1日1回筋肉内投与あるいは7日前から投与前日まで経口投与を行った。陰性対象群には注射用水を投与した。
【0035】
3)血清生科学的検査:四塩化炭素投与24時間御にエーテル麻酔下で回胸、心臓より2mlの血液を採血し、常温に1時間放置後、遠心分離して血清を得た。血清トランスアミナーゼ(GOT:glutamic oxaloacetic transaminase,GPT:glutamic pyruvictransaminase)活性の測定は和光純薬製キットを用いて行った。
【0036】
4)統計解析:それぞれの測定データはすべて平均±S.Eで示し、Student’sのt検定により統計解析した。
【0037】
下記の実施例に示されるように、本発明の多糖類は動物実験でネフローゼ症候群の寛解や肝障害症状の改善に有効であり、ネフローゼ症候群の寛解剤または肝障害症状改善剤として、通常成人1人当たり1日量、経口的に約10〜150mg、筋肉内注射として約0.5〜10mg投与することができる。
【0038】
【実施例】
以下に実施例および試験例を挙げて本発明をさらに説明する。
実施例1
中国,四川地区産の丹参の根部の小片10kgに水80Lを加え、投げ込みヒーターを投じ80℃にした後、3時間攪はんしながら抽出した。抽出液中の根部残渣はヌッチェでろ過して取り除き、回収した根部残渣に更に水80Lを加えて1回目と同様に処理して再抽出液を得た。1回目と2回目の抽出液(130L)を合わせ、減圧下、40℃でエバポレーターを用いて濃縮し濃縮液(10L)を得た。
【0039】
次に、濃縮液をHP−20(4L,三菱化成社製)を充填したカラム(11×45cm)に負荷した。平衡化液及び展開液には水を用い、室温下でクロマトグラフィーを行い、素通り分画及び水洗浄分画(非吸着)液を回収した。カラムは50%メタノール及びアセトニトリルで洗浄した後、最後に水に完全に置換して再使用した。上記非吸着画分は繰り返し3回程同様に処理して完全に非吸着分画の液(55L)を得た。この全非吸着液は分子量カットオフ3000の限外ろ過膜を装備した限外ろ過装置SEP−1013(旭化成)を用いて限外ろ過濃縮し、通過液(分子量 約3000以下,SEP−OUT)と非通過液(分子量 約3000以上,SEP−IN)を得た。濃縮した非通過液(SEP−IN)を水で平衡化したバイオゲルP−60を充填したカラム(1.5×100cm)に付加し、水を展開液として用いクロマトグラフィーを行った。モニターは暫定的に波長280nmで吸収を測定し、横軸に分画番号を、縦軸に各分画液の吸収を記載したグラフを作成し、吸収を示さない分画を中心に全糖の測定を行い、その測定結果を同じグラフに記載した(図1)。
【0040】
目的の多糖類成分は分画番号11から22の分画液(AF)に得られ、ついで凍結乾燥して粉末(30g,ロットA)を得た。
ここで得た精製多糖類の特性を前述した試験法により試験した結果、以下の持性を得た。
【0041】
1)糖含量(フェノール硫酸法):79%
Figure 0003638967

【0042】
2)分子量:259000(標準多糖:アミラーゼキット、分子量100〜360K)
【0043】
3)ネフローゼ症候群モデルラットによる評価
精製試料10mg/kg,40mg/kgを経口投与、0.5mg/kg,2.5mg/kgを筋肉内投与したところ、図2,図3に示したようにいずれの場合も尿蛋白***が有意に抑制された。また表1,表2に示したように血清コレステロール(Cholesterol)値,血清アルブミン(Albumin)値及びA/G比,血清過酸化脂質(MDA)値においても有意な改善効果が認められた。
【表1】
Figure 0003638967
【表2】
Figure 0003638967
【0044】
4)四塩化炭素誘発肝障害モデルによる評価
製糖試料(AF)7mg/kg,35mg/kgを経口投与、0.3mg/kg,1.5mg/kgを筋肉内投与したところ、表3に示したようにいずれの場合もAF前投与群では血清GOT,GPT値の上昇が用量異存的に抑制された。
【0045】
【表3】
Figure 0003638967
【0046】
実施例2
実施例1に記載の方法によりロットの異なる丹参原料より各々精製を行い、1に記載した以外に計3ロット(ロットB,C,D)の精製品を取得し、同様の特性評価を行った。
1)糖含量(フェノール硫酸):ロットB(65%),ロットC(80%),ロットD(93%)
(1)糖組成
【0047】
【表4】
Figure 0003638967
【0048】
(2)中性糖組成(アルジトールアセテート−GC−MS法)
【表5】
Figure 0003638967
【0049】
(3)その他の糖:
ロットB,C,Dのいずれもアミノ糖、アルドヘキソース、2−デオキシ糖は含まない。
【0050】
2)分子量:(標準多糖:アミロースキャット、分子量100〜360K)
ロットB(150,000),ロットC(280,000),ロットD(250,000)
【0051】
3)ネフローゼ症候群モデルラットによる評価
薬効評価についてはいずれの精製品も実施例1で得られたものとほぼ同等の効果が得られた。
【0052】
実施例3
活性の本体が糖であること及びウロン酸の薬効に対する関与について調べる目的で本精製品を以下の操作によって酸化及び還元し、それらの効果について調べた。投与量はネフローゼ症候群ラットにはそれぞれ40mg/kgを経口投与し、肝障害ラットにはそれぞれ1.5mg/kgを筋肉内投与した。
(1)酸化(Noble,D.W.and Sturgeon,R.J.(1970)Carbohyd,Res.12,448による)精製試料600mgを蒸留水150mlに溶かし、0.2M過ヨウ素酸ナトリウム溶液150mlを加えて37℃で240時間反応させる。エチレングリコール150mlを加えて反応を止めた後、水素化ホウ素ナトリウム500mgを加えて室温24時間処理する。酢酸で反応を止め、水に透析した後、凍結乾燥する。
【0053】
(2)還元(Taylor,R.L.and Conrad,H.E.(1972)Biochemistry.11,1383−1388による)精製試料50mgを蒸留水に溶かし、EDC(1−ethyl−3−(dimethyl−aminopropyl)−carbodiimide)249mgを加えた後、0.1N塩酸でpH4.75に保ちながら19時間反応させる。その後、2M水素化ホウ素ナトリウム溶液10mlを1時間かけて滴下し、その間pH7に保つ。さらに1時間攪はんした後、水に透析し凍結乾燥する。
【0054】
結果を図4ならびに表6、7に示したが、酸化及び還元した試料については全く効果が認められなかった。このことは精製試料中の活性物質は確かに多糖類であり、中でも特にウロン酸が薬効に大きく寄与していることが示された。また還元前後の中性糖含量の比較から本試料に含まれるウロン酸のほとんどはガラクツロン酸であることがわかった。
【0055】
【図4】
【表6】
Figure 0003638967
【表7】
Figure 0003638967
【0056】
実施例4
実施例3の結果より多糖中のD−ガラクツロン酸が活性に重要であることがわかったので次にポリD−ガラクツロン酸の構造を有する植物由来のペクチン酸を用いてピューロマイシン惹起ネフローゼ及び四塩化炭素誘発肝障害モデルに対する効果を調べた。
ネフローゼモデルに対しては10,40mg/kgを経口投与、2.5mg/kgを筋肉内投与し、尿蛋白***量及び血清コレステロール、アルブミン量を測定した。肝炎モデルに対しては1.5mg/kgを筋肉内投与し、血清GOT,GPT値を測定した。
【0057】
結果を表8,9,10に示したが、ネフローゼにおける尿蛋白***はペクチン酸の筋肉内投与で有意に抑制され、経口投与でも改善傾向を示した。また血清パラメータについても経口、筋肉内投与で明きらかな改善が見られた。ただ経口投与の場合はいずれの指標においてもAFの方が高い有効性を示した。
肝炎に対してはペクチン酸はAFと同等の効果を示し、血清GOT,GPT値を有意に抑制した。
【0058】
これらの結果から丹参由来の多糖類(AF)に限らず由来の異なるポリD−ガラクツロン酸の構造を有する多糖類でもAFとほぼ同様の効果を示すことがわかった。
【0059】
【表8】
Figure 0003638967
【0060】
【表9】
Figure 0003638967
【0061】
【表10】
Figure 0003638967
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、ポリD−ガラクツロン酸を有効構成成分とする水溶性多糖類がネフローゼ症候群及び肝障害症状の寛解剤として提供される。
【0063】
【図面の簡単な説明】
図1は実施例1におけるゲルろ過クロマトグラフィーにより展開された分画の波長280nm(A280 )および480nm(A480 )の吸光度、図2および図3は実施例1においてネフローゼ症候群モデルラットに本発明の多糖類(AF)を種々の投与量で経口投与した場合の尿蛋白***量、図4はAFを酸化または還元して同様に投与した場合の尿蛋白***量、をそれぞれ示すグラフである。

Claims (8)

  1. 下記の特性:A.糖含量:60〜100%
    Figure 0003638967
    B.分子量 150,000〜300,000を有する水溶性ペクチン質多糖類よりなるネフローゼ症候群及び肝障害症状の寛解剤。
  2. 多糖類が丹参から水又は水性溶媒で抽出されたものである請求項1記載の寛解剤。
  3. 筋肉内または経口投与される請求項1、または2記載の寛解剤。
  4. 丹参から水または水性溶媒で抽出されうる下記の特性を有するペクチン質多糖類。
    A.糖含量:60〜100%
    Figure 0003638967
    B.分子量 150,000〜300,000
  5. 丹参を水または水性溶媒で抽出し、抽出液から残渣を除去した液を無極性多孔性ポリマー樹脂を通過させ、限外濾過で濃縮し、ついでゲル濾過クロマトグラフィーに付することを特徴とする請求項記載の多糖類の製造法。
  6. 丹参の抽出をpH約2〜約8で行う請求項記載の製造法。
  7. 水性溶媒が緩衝液または塩類水溶液である請求項記載の製造法。
  8. 丹参の抽出を約40〜約100℃で行う請求項または記載の製造法。
JP08587194A 1993-06-03 1994-03-30 ネフローゼ症候群及び肝障害症状の寛解剤 Expired - Fee Related JP3638967B2 (ja)

Priority Applications (10)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08587194A JP3638967B2 (ja) 1993-06-03 1994-03-30 ネフローゼ症候群及び肝障害症状の寛解剤
FI943242A FI943242A (fi) 1993-07-15 1994-07-07 Lääke munuais- ja maksatauteihin
US08/271,795 US5547945A (en) 1993-07-15 1994-07-07 Remitting agent for nephrotic syndrome and hepatopathy symptoms
KR1019940016859A KR960013374A (ko) 1993-07-15 1994-07-13 신증 증후군 및 간질환 증상 이장제(弛張劑)
CA002127934A CA2127934A1 (en) 1993-07-15 1994-07-13 Remitting agent for nephrotic syndrome and hepatopathy symptoms
AU67470/94A AU686161B2 (en) 1993-07-15 1994-07-14 Remitting agent for nephrotic syndrome and hepatopathy symptoms
DE69413467T DE69413467T2 (de) 1993-07-15 1994-07-14 Polyglucuronsäure als remittierendes Mittel für das nephrotische Syndrom und Symptome von Hepatopathie
AT94305146T ATE171462T1 (de) 1993-07-15 1994-07-14 Polyglucuronsäure als remittierendes mittel für das nephrotische syndrom und symptome von hepatopathie
RU94026096A RU2119341C1 (ru) 1993-07-15 1994-07-14 Средство, ослабляющее течение болезни при нефротическом синдроме и симптомах гепатопатии, водорастворимый полисахарид, способ получения полисахарида
EP94305146A EP0635519B1 (en) 1993-07-15 1994-07-14 Polyglucuronic acid as remitting agent for nephrotic syndrome and hepatopathy symptoms

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16037393 1993-06-03
JP5-160373 1993-06-03
JP08587194A JP3638967B2 (ja) 1993-06-03 1994-03-30 ネフローゼ症候群及び肝障害症状の寛解剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0748265A JPH0748265A (ja) 1995-02-21
JP3638967B2 true JP3638967B2 (ja) 2005-04-13

Family

ID=26426873

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08587194A Expired - Fee Related JP3638967B2 (ja) 1993-06-03 1994-03-30 ネフローゼ症候群及び肝障害症状の寛解剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3638967B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20000037814A (ko) * 1998-12-02 2000-07-05 최수부 생약재를 함유한 건강식품
US6149915A (en) 1999-09-29 2000-11-21 Shiva Biomedical, Llc Treatment of diabetic nephropathy and microalbuminuria
CN100373152C (zh) * 2004-11-23 2008-03-05 西北农林科技大学 一种测定果汁、饮料中半乳糖醛酸的方法
CN104374862A (zh) * 2014-11-27 2015-02-25 成都大学 丹参茎叶的质量控制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0748265A (ja) 1995-02-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Yang et al. Anti-hyperuricemic and anti-gouty arthritis activities of polysaccharide purified from Lonicera japonica in model rats
Wang et al. A novel acidic polysaccharide from the residue of Panax notoginseng and its hepatoprotective effect on alcoholic liver damage in mice
US20060233896A1 (en) Medicinal preparation containing phenylethanoid glycosides extracted from herbaceous plant, Cistanche tubulosa (Schenk.) Wight, process of making the same, and uses of the same
Wang et al. The isolation, structural features and biological activities of polysaccharide from Ligusticum chuanxiong: A review
Ma et al. Chemical characterization of polysaccharides isolated from scrophularia ningpoensis and its protective effect on the cerebral ischemia/reperfusin injury in rat model
KR102082276B1 (ko) 고순도 헤파린 및 그 제조방법
Xiong et al. Extraction, purification and characterization of sulphated polysaccharide from Bellamya quadrata and its stabilization roles on atherosclerotic plaque
JP3638967B2 (ja) ネフローゼ症候群及び肝障害症状の寛解剤
RU2119341C1 (ru) Средство, ослабляющее течение болезни при нефротическом синдроме и симптомах гепатопатии, водорастворимый полисахарид, способ получения полисахарида
CN115894731B (zh) 一种金线莲均一多糖及其制备方法和用途
JP3161882B2 (ja) 丹参由来多糖類、その製造法および用途
JP7285596B2 (ja) 葛根多糖およびその製作方法並び用途
CN106913858B (zh) 麒麟菜多肽防治肺纤维化的应用
JP2021512997A (ja) 分離された防風多糖及びその用途
JP2602295B2 (ja) 多糖類,その単離法および該多糖類を含む薬剤組成物
CN1687092A (zh) 苍耳子总苷提取物及其制备方法
EP1498131B1 (en) Medicinal preparation containing phenylethanoid glycosides extracted from Cistanche tubulosa
CN107456460A (zh) 紫草多糖及其在制备抗补体药物中的用途
CN115141288B (zh) 知母活性多糖、知母粗多糖及制备方法和应用
CN115304686B (zh) 一种牛膝多糖、其制备工艺和用途
CN116693711B (zh) 一种何首乌多糖及其提取方法和应用
Zhang et al. Extraction, purification, structural characteristics, and pharmacological activities of the polysaccharides from corn silk: A review
CN116693716B (zh) 一种金果榄多糖及其制备方法和应用
CN107090050A (zh) 山芝麻多糖及其制备方法和在制备抗补体药物中的用途
Ghaffar et al. The hematological and histological studies for the hepatoprotective-like effect of the hydromethanolic extract and the fractions of Viola serpens Wall.

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040921

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041221

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050113

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080121

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090121

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100121

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100121

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110121

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees