JP3637187B2 - ジャーナル軸受 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、タービンあるいは発電機のような高速回転かつ高荷重を受ける回転軸を支承する軸受に、回転軸のジャーナル周囲に複数個の軸受パッドを配置して形成された、ティルティングパッド軸受を使用するようにしたジャーナル軸受に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
蒸気タービン、ガスタービン等の大型回転機械の回転軸を支承する軸受で、ジャーナル外周面と軸受の摺動面との間に形成される軸受面(以下軸受面という)を形成する、複数の軸受パッドをピボットで可動支持して、回転軸のジャーナル全周に配置して形成され、回転軸の動きにそって、それぞれの軸受パッドを傾かせ、動的な油膜力で回転軸の振れまわらせようとする成分をもたせないようにした、ティルティングパッド軸受をジャーナル軸受として使用するようにした回転軸の軸受が、従来から広く用いられている。
【0003】
すなわち、軸受面に潤滑油を注入してジャーナル外周面および軸受の摺動面を潤滑するようにしたジャーナル軸受は、軸受面を潤滑する潤滑油の給油方式でみると大きく2種類に分けられ、一つは、従来から広く用いられている軸受箱の中に潤滑油を供給して、満たし、軸受面を潤滑油で浸漬するとともに、上方から摺動に使用された油等を排出するようにして、軸受面に潤滑油を浸漬循環させるようにした油浴方式(Flooded Lubrication)のジャーナル軸受であり、もう一つは、最近、供給油量低減、損失低減の点で有利なために適用が拡大しつつある、軸受面に潤滑油膜を形成して、この潤滑油膜により軸受面を潤滑するようにした直接潤滑方式(Directed Lubrication)のジャーナル軸受の2種類がある。
【0004】
本発明のジャーナル軸受は、後者の直接潤滑方式のジャーナル軸受に関するものである。
この直接潤滑方式のジャーナル軸受として、従来から使用されているティルティングパッド軸受の代表例について、図5ないし図7によって説明する。
【0005】
図5はティルティングパッド軸受の横断面図、図6は図7の矢視B−Bにおける縦断面図、図7は図5に示すティルティングパッド軸受の軸受パッドの摺動面(内周面)に設けられた溝形状と潤滑油の流れを説明するための斜視図である。これらのティルティングパッド10軸受は、回転軸1が回転することによる流体潤滑作用により、図5に示すように、下側軸受パッド2c〜2dが回転軸1の回転方向に若干傾いて荷重を支えるようにしている。
【0006】
すなわち、上側軸受パッド2a,2b、および下側軸受パッド2c,2dの4個からなる軸受パッド2は、それぞれの外周面が支持環6の内周面に内接され、両側部が油止め輪8で保持されて、回転軸1の回転方向に、ティルトできるようになっており、特に、下側軸受パッド2c〜2dは、転方向に傾いて回転軸1の荷重を支えるようにしている。
【0007】
また、軸受面3に供給される潤滑油7は、支持環6外周に配置され、支持環6を固定する、図示されていない軸受ケーシングに設けられた給油孔から支持環6の外周側に供給され、その潤滑油7は、支持環6外周に凹設された円環状の給油ポケット12により支持環6の全周に廻りこむ。
【0008】
さらに、給油ポケット12の全周に流入した潤滑油7は、その円環状の給油ポケット12と連通させて、支持環6の周方向に等ピッチの間隔を設け、径方向に挿通された給油孔と、支持環6に内接された上側軸受パッド2a,2b、および下側軸受パッド2c,2dのそれぞれ外周面から内径側にそれぞれ穿設された、上側パッド用給油ノズル4a,4bおよび下側パッド用給油ノズル4c,4dからなる給油ノズル4とを連結する、支持環6の内周側並びに上側軸受パッド2a,2b、および下側軸受パッド2c,2dの外周側に挿入された上側パッド用スリーブ5a,5bおよび下側パッド用スリーブ5c,5dからなる給油スリーブ5を介して、給油ノズル4に供給される。
【0009】
給油ノズル4に供給された潤滑油は、して、軸受パッド2上流側の摺動面9に、それぞれ回転軸1の軸心に平行に設けられた、上側パッド用給油溝11a,11bおよび下側パッド用給油11c,11dからなる給油溝11内に供給される。
さらに、給油パッド2の摺動面9に設けた給油溝11に供給された潤滑油7は、給油力と回転軸1の回転により生じるポンプ作用(油に引き込み作用)により軸受面3に流入し、回転軸1の荷重を支える油膜を回転軸1のジャーナル全周に形成する。
【0010】
このとき、油膜を形成する潤滑油7は、軸受パッド2の中央だけでなく、軸受パッド2の摺動面9幅方向全面へ供給され、軸受面3の軸方向の全面に油膜を形成する必要があるために、軸受パッド2の軸受面3の摺動面9幅方向の細長く設けた給油溝11の全体に潤滑油7が行き渡るように、給油溝11の両サイドには、チャンフャ13が設けられている。
【0011】
しかしながら、このようにして構成されたティルティングパッド軸受10を使用するようにしたジャーナル軸受においては、軸受パッド2の摺動面9に設けた給油溝11の両サイドにはチャンフャ13が設けられ、細長く設けた給油溝11全体に潤滑油7が充満するようにしているが、給油溝11への潤滑油7の供給は、軸受パッド2中央に設けた給油ノズル4のみからおこなわれるようにしているために、給油溝11中央は潤滑油7で充満するものの、給油ノズル4から遠ざかる給油溝11の両端側は油不足となり、軸受パッド2の摺動面9の両サイドが油不足となり、軸受面3の焼き付きを起す危険性がある。
【0012】
また、給油溝11の両端が油不足とならないように、給油溝11の両サイドにチャンフャ13を設けるようにしているが、この部分からジャーナル外周と支持環6の内周面との間に流出する潤滑油7は、軸受面3の潤滑には殆んど利用されず、メタル温度の低下には有効に作用せず、無駄な潤滑油7となっており、このため給油溝11には余剰の潤滑油7を供給が必要になり、供給潤滑油量低減の点から改善の必要がある。
【0013】
さらに、軸受パッド2の摺動面9に設けられる給油溝11の形状は、軸受面3に開口したものとなっているため、軸受油膜厚さとの比でみると、段差形状を形成し、このために、回転軸1の回転による潤滑油7の軸受面3への引き込み作用が有効に作用せず、潤滑油7が軸受面3に流入しにくいという不具合もある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述したジャーナルの円弧に沿って複数個の軸受パッド2を配置し、回転軸1を支承する、ティルティングパッド軸受10を使用するようにした、従来のジャーナル軸受の上述した不具合を解消するため、給油溝11の両端部においても、潤滑油不足を起すことがなく、軸受面の両サイドにおいても油不足になることがなく、焼き付きが起る危険性がなく、また、給油溝に供給した潤滑油は、全てを軸受の両サイドを含む軸受面に流出させることができ、メタル温度の低下に有効に作用させることができるので、無駄にならず供給する潤滑油量を低減できるとともに、軸受パッドの幅方向全体に潤滑油を均等になるように供給するために軸受パッドの幅方向に設ける供給流路の形状が、潤滑油膜の比でも、軸受パッドの摺動面に段差を形成するものにならず、さらには、回転軸の回転による潤滑油の引き込み作用を有効に発生させることができて、潤滑油をジャーナル外周面に設けられる軸受面に効果的に流入させることのできるジャーナル軸受を提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明のジャーナル軸受は、次の手段(1)(2)を提案するものである
【0016】
(1)複数個の軸受パッドをジャーナルの円弧に沿って配置して形成されるティルティングパッド軸受で、回転軸を支承するようにしたジャーナル軸受において、前記軸受パッドの前記回転軸の回転上流側にそれぞれの幅方向に間隔をおいて径方向に穿設され、独立した穴径にされて軸受面に開口前記軸受面に新油を送り込む3個の給油ノズルと、前記給油ノズルの外径側の前記軸受パッド内を幅方向に穿設され前記給油ノズルのそれぞれに新油を送り込む油ポケットを設けると共に、前記給油ノズルの中央位置のノズル径を、両サイドのノズル径よりも大きくしたことを特徴とするジャーナル軸受である
【0017】
なお、給油ノズルの穴径は、給油ノズル毎に可変にできるようにするとともに、軸受パッドの幅方向の選択された給油ノズルの穴径を全開かつ全閉にまで制御できるような構造のものにすることが好ましい。
【0018】
なお、油ポケットは給油ノズル以外からは軸受の内部に潤滑油を供給できない構造のものにすることが好ましい。
【0019】
このような、ティルティングパッド軸受のパッド軸受の軸受面のメタル温度は、パッド軸受の入口側の油温、油膜のせん断による発熱、およ軸受パッドから周囲への放熱等により決まり、周方向および幅方向には、通常20°〜40°程度の大きな温度むらが生じる。この温度むらを低減し、ひいてはメタル最高温度を下げることは、軸受の信頼性向上の点から非常に重要である。
さらに、軸受面における油温は、当該軸受面を形成する軸受パッドの上流側に配置されている軸受パッドから流出する、温度が高くなっている潤滑油の油温と油量、および当該軸受パッドの給油ノズルから新たに流入する冷たい油の温度と油量によって支配されるものとなっており、これらの潤滑油の混ざりあい方によって影響される。
【0020】
本発明のジャーナル軸受は、前記(1)の手段により、次の作用効果を奏するものである。
(a)パッド軸受の径方向に穿設され、軸受パッドの幅方向に間隔を設けて独立した給油ノズルを配置し、給油ノズル穴径の設定により、パッド軸受の幅方向に設けられた油ポケットから独立に制御された油量が軸受面に供給されることにより、幅方向の油量が調整可能になり、幅方向での潤滑油の供給が必要な個所に、必要なだけの量の給油が行われ、パッド軸受の幅方向に最適な給油量配分にされることで、軸受面油温の分布を最適な状態とし、軸受パッドの幅方向のメタル温度分布の温度むらの少ないものにでき、メタル最高温度を低くすることができる。
【0021】
また、油ポケットに供給された潤滑油は、給油ノズルから全て軸受面に供給されるので、この点からもメタル温度の低下に効果的に作用させることができるとともに、余剰な潤滑油の供給が必要なくなり、供給油量を低減することができる。
さらに、油ポケットは、給油ノズルの外周側の軸受パッド内に穿設され、従来の給油溝のように軸受面に開口することがなく、軸受油膜厚さ比で見た場合においても、油ポケット形成による段差は、全く形成されず、回転軸の回転による給油ノズルから吐出された潤滑油の軸受面への引き込み作用が有効に作用するようになり、軸受面への潤滑油の流入がしやすくなり、ジャーナル全周の油膜の形成が良好になり、軸受パッドの摺動面又はジャーナル外周面の摩耗を軽微なものにできる。
【0022】
また、本発明のジャーナル軸受は、前記(1)の手段に加え、次の手段を提案するものである
【0023】
前記(1)に記載のジャーナル軸受において、前記回転軸の回転上流側を深くするとともに、回転下流側を浅くしたスクープ形状にされたスクープ型給油口を、前記給油ノズルの前記軸受面への開口に設けたものである
【0024】
本発明のジャーナル軸受は、上述の作用効果(a)に加え、前記)の手段により、次の作用効果を奏するものである
(b)回転軸の回転による軸受パッドの軸受面への給油ノズルの出口から流入する潤滑油の引き込みがスクープ型給油口の設置により、よりスムースに行われるので、軸受パッドの幅方向の全てにおいて軸受面の潤滑油不足が、より起りにくくなる。
【0025】
また、何等かの原因により、潤滑油の給油圧が低下し、圧力により軸受面へ流入する油量が低下するような事態が生じた場合においても、スクープ型給油口の設置により、ポンプ作用による引き込み力が増大することとなり、軸受面には潤滑に必要な油量を軸受パッドの幅方向の全てにおいて、充分に確保できるようになる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のジャーナル軸受の実施の一形態を図面にもとづき説明する。
図1は、本発明のジャーナル軸受の実施の第1形態としてのティルティングパッド軸受の横断面図、図2は図1の矢視A−Aにおける縦断面図、図3は図1に示すティルティングパッド軸受を構成する軸受パッドの斜視図である。
なお、これらの図において、図5〜図7に示す部材と同一部材には、同一符号を付し説明は省略する。
【0027】
これらの図に示すように、本実施の形態のティルティングパッド軸受20においては、潤滑油7は、ケーシング21内を貫通させた給油通路22から、支持環6の外周面に図6に示したものと同様に穿設された円環状の給油ポケット12に給油され、この給油ポケット12に充満した潤滑油7は、円環状の給油ポケット12と連通する支持環6側を貫通させた給油通路23と軸受パッド側25を貫通させた給油通路24とをつなぐための給油スリーブ5を介して、軸受パッド25内部の幅方向に穿設された油ポケット26に潤滑油7が供給される。
【0028】
なお、軸受パッド25は、従来例と同様に、ジャーナルの上方の上側軸受パッド25a,25b、下方の下側軸受パッド25c,25dの4個からなり、支持環6の内周と支持環6の内周面に内接する軸受パッド25の外周に凹設された溝に挿入されたピボット28a,28b,28c,28dにより、回転軸1の回転方向に傾動自在にして支持環6に連結されている。
【0029】
従って、支持環6の給油通路23からは、上側軸受パッド25a,25b、下側軸受25c,25dのそれぞれに貫通させた給油通路24a,24b,25に、上側パッド用給油スリーブ5a,5b、下側パッド用給油スリーブ5c,5dを介して潤滑油7が供給され、上側軸受パッド25a,25b、下側軸受パッド25c,25d内にそれぞれ穿設された、上側軸受パッド用油ポケット26a,26b、下側軸受パッド用油ポケット26c,26dのそれぞれに充填される。
【0030】
さらに、油ポケット26に充満した潤滑油7は、上側パッド用給油ノズル4a,4b、下側パッド用給油ノズル4c,4dのそれぞれを、軸受パッド25幅方向に間隔をおいて配置するようにした給油ノズル4x〜4zを通じて、軸受パッド25の摺動面9から軸受面3に供給される。
ここで、給油ノズル4x〜4zは、各々独立して潤滑油7が供給できるようにされており、それらが配置された軸方向位置の軸受面3への供給流量は、給油ノズル4x〜4zのそれぞれの径を自由に設定することで、軸受パッド25の幅方向各個所への潤滑油の供給油量7x〜7zが調整できる。
【0031】
さらに、給油ノズル4x〜4zのそれぞれ摺動面10への開口には、回転軸1の回転方向上流側を深くするとともに、回転下流側を浅くして、上流側の軸受面3から流出する潤滑油を掬いやすくした、スクープ形状にされたスクープ型給油口27が上側パッド用給油ノズル4a,4b、下側パッド用給油ノズル4c,4dのそれぞれ軸受パッド25幅方向に間隔をおいて配置するようにした給油ノズル4x〜4zの各出口に設けている。
【0032】
また、回転軸1が回転することによる、流体潤滑油作用により、上側軸受パッド25a,25b、下側軸受パッド25c,25dのそれぞれ、特に下側軸受パッド25c,25dは、従来の軸受パッド2と同様に、回転軸1の回転方向に若干傾いて、回転軸1の荷重を支える。
【0033】
次に、図4は、給油ノズル4を幅方向に間隔を設けて複数配置するようにした、給油ノズル4x〜4zの開度、および給油ノズルの数を変えたときのパッド表面の油の充満状況を模式的に示す図である。
【0034】
図4(a)に示すように、回転軸1への負荷が小さい場合には、例えば、軸受パッド25の幅方向に3個設けた給油ノズル4x〜4zのうちの中央位置の給油ノズル4yからのみ潤滑油7を供給するようにし、軸受面3に潤滑油を供給する他の給油ノズル4x,4zを閉鎖することにより、負荷に応じた油量に供給量を絞ることができる。
【0035】
また、図4(b)に示すように、中央位置の給油ノズル4yのノズル径を、両サイドの給油ノズル4x,4zのノズル径よりも比較的大きくして、給油ノズル4等から供給する油量を多めにし、両サイドの給油ノズル4x,4zから軸受面3への潤滑油7の供給量を少くして、両サイドの油量を少なくするようにして、軸受面3の幅方向に均等の膜厚の油膜を形成するようにすることもできる。
【0036】
さらに、図4(c)に示すように、軸受パッド25の軸方向の給油ノズル4の数を図4(a)、図4(b)に示す3個以上に増すことで、さらに細かく軸受面3幅方向の油量を均等に配分し、より均一にされた膜厚の油膜を幅方向に形成することもできる。
【0037】
したがって、本実施の形態のジャーナル軸受では、幅方向での潤滑油7の供給が、必要な個所に必要なだけの潤滑油7を給油し、軸受面3の幅方向に最適な給油量配分にすることで、軸受面3の幅方向の油温の分布を最適な状態とし、メタル温度分布の温度むらの低減およびメタル最高温度を低くすることができる。
【0038】
さらに、油ポケット26に供給された潤滑油7の全ては、軸受面3に供給されるので、潤滑油7が無駄にならず供給油量を低減することができるとともに、油ポケット26が軸受面3に直接開口しないので、軸受パッド25の摺動面には油膜厚さ程度の段差が生じることもなく、回転軸6による潤滑油7の軸受面への引込みが増大する。
また、軸受面3への給油ノズル4の出口に設けたスクープ型給油口27の設置により、回転軸1の回転による潤滑油の軸受面3への引き込みがさらに増大することになり、軸受面3には潤滑に必要な油量を充分に確保できる。
【0039】
以上説明したように、本実施の形態のジャーナル軸受によれば、
(1)軸受パッド25上流側(幅方向)に独立した穴径の複数の給油パッド給油通路24を設けることにより、幅方向の給油量が調整できるので、従来の一本溝タイプの給油ノズル4の欠点である軸受パッド25両サイドの油不足を解消することができる。
【0040】
また、幅方向の給油量を独立して配分できるので、上流側軸受パッド25からの高温油の流入と供給新油との混合によって決まる軸受パッド25の幅方向入口温度を所定の分布にすることができる。
それにより、メタル温度が高くなる個所に多くの潤滑油7を供給し、メタル温度の低い個所は油量を絞ることで、メタル最高温度の低減および油量の低減が可能となる。
また、現状と同等のメタル温度レベルを許容する場合には、油量の大幅な低減が可能である。
【0041】
(2)給油された潤滑油7は、ほとんどが軸受パッド25の摺動面9に供給され、メタル温度低減に効率的に使われるので、少ない油量でメタル温度の低い軸受が実現できる。
【0042】
(3)軸受パッド25の軸受面3への出口にスクープ型給油口27を設けるこで、回転軸1の回転による潤滑油7の軸受面3への引き込みを効果的かつ安定して行うことができる。
【0043】
また、給油圧が低下した場合でも、軸受面3への潤滑に必要な油量が充分確保できるため、軸受面3の焼き付きを回避し安定した軸受特性を保持することが可能となる。
【0044】
【発明の効果】
本発明のジャーナル軸受は、複数個軸受パッドをジャーナルの円弧に沿って配置して形成されるティルティングパッド軸受で、回転軸を支承するようにしたジャーナル軸受において、前記軸受パッドの前記回転軸の回転上流側にそれぞれの幅方向に間隔をおいて径方向に穿設され、独立した穴径にされて軸受面に開口し、前記軸受面に新油を送り込む給油ノズルと、前記給油ノズルの外径側の前記軸受パッド内幅方向に穿設され前記給油ノズルのそれぞれに新油を送り込む油ポケットを設けると共に、前記給油ノズルの中央位置のノズル径を、両サイドのノズル径よりも大きくしたものである
【0045】
これにより、パッド軸受の径方向に穿設され、軸受パッドの幅方向に間隔を設けて独立した給油ノズルを配置し、給油ノズル穴径の設定により、パッド軸受の幅方向に設けられた油ポケットから独立した油量が調整可能にして軸受面に供給されることにより、幅方向での潤滑油の供給が必要な個所に必要な軸受面に必要な量の給油が行われ、パッド軸受の幅方向に最適な給油量配分にすることで、軸受パッド入口油温の分布を最適な状態とし、メタル温度分布の温度むら低減およびメタル最高温度を低くすることができる。
【0046】
また、油ポケットに供給された潤滑油は、給油ノズルかつ全て軸受面に供給されるので、この点からもメタル温度の低下に効果的に作用させることができるので、余剰な潤滑油の供給が必要なくなり油量を低減することができる。
さらに、油ポケットは給油ノズルの外周側の軸受パッド内に穿設され給油溝のように軸受面に開口部が露出せず、軸受油膜厚さ比で見た場合においても、段差が形成されず、回転軸の回転による給油ノズルから吐出された潤滑油の引き込み作用が有効に作用するようになり、軸受面への潤滑油の流入がしやすくなる。
【0047】
また、本発明は、前記ジャーナル軸受において、前記回転軸の回転上流側を深くするとともに、回転下流側を浅くしたスクープ形状にされたスクープ型給油口を、前記給油ノズルの前記軸受面への開口に設けたものである
【0048】
これにより、回転軸の回転による軸受パッドの軸受面への給油ノズルの出口から流入する潤滑油の引き込みが、よりスムースに行われるので、軸受面の潤滑油不足になりにくくなる。
【0049】
また、給油圧が低下し、圧力により軸受面へ流入する油量が低下した場合でも、スクープ型給油口の設置によるポンプ作用により引き込み力が増大することとなり、軸受面の潤滑に必要な油量を充分に確保できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のジャーナル軸受の実施の第1形態としてのティルティングパッド軸受の横断面図、
【図2】図1の矢視A−Aにおける縦断面図、
【図3】図1に示すティルティングパッド軸受を構成する軸受パッドの斜視図、
【図4】給油ノズルの幅方向に間隔を設け、複数設けられたノズルの開度およびノズルの数をかえたときのパッド表面の油の充満状況を模式的に示す図で、図4(a)は負荷が小さい場合に、軸受パッドの幅方向に3個設けた給油ノズルのうちの中央位置の給油ノズル4yからのみ潤滑油を供給する場合を示す図、図4(b)は中央位置の給油ノズルのノズル径を両サイドのノズル径よりも比較的大きくして油量を多めにし、両サイドの給油のノズル径を小さくして軸受面両サイドの油量を少なくして供給する場合を示す図、図4(c)は軸受パッド5の軸方向の給油ノズルの数を図4(a)、図4(b)に示すものより増すことで、さらに細かく軸受面3幅方向の油量を配分するようにした場合を示す図、
【図5】従来のティルティングパッド軸受の横断面図、
【図6】図5に示す矢視B−Bにおける縦断面図、
【図7】図5に示すティルティングパッド軸受の軸受パッドの摺動面(内周面)に設けられた溝形状と潤滑油の流れを説明するための斜視図である。
【符号の説明】
1 回転軸
2 軸受パッド
2a,2b 上側軸受パッド
2c,2d 下側軸受パッド
3 軸受面
4,4x,4y,4z 給油ノズル
4a,4b 上側パッド用給油ノズル
4c,4d 下側パッド用給油ノズル
5 給油スリーブ
5a,5b 上側パッド用給油スリーブ
5c,5d 下側パッド用給油スリーブ
6 支持環
7 潤滑油
7′ 排油
7x〜7y 軸受面幅方向の潤滑油量
8 油止め輪
9 摺動面
10 ティルティングパッド軸受
11 給油溝
11a,11b 上側パッド用給油溝
11c,11d 下側パッド用給油溝
12 給油ポケット
13 チャンフャ
20 ティルティングパッド軸受
21 ケーシング
22 (ケーシング)給油通路
23 (支持環)給油通路
24 (軸受パッド)給油通路
24a,24b 上側軸受パッド用給油通路
24c,24d 下側軸受パッド用給油通路
25 軸受パッド
25a,25b 上側軸受パッド
25c,25d 下側軸受パッド
26 油ポケット
27 スクープ型給油口
28a,28b,28c,28d ピボット

Claims (2)

  1. 複数個の軸受パッドをジャーナルの円弧に沿って配置して形成されるティルティングパッド軸受で、回転軸を支承するようにしたジャーナル軸受において、前記軸受パッドの前記回転軸の回転上流側にそれぞれの幅方向に間隔をおいて径方向に穿設され、独立した穴径にされて軸受面に開口し、前記軸受面に新油を送り込む給油ノズルと、前記給油ノズルの外径側の前記軸受パッド内を幅方向に穿設され前記給油ノズルのそれぞれに新油を送り込む油ポケットを設けると共に、前記給油ノズルの中央位置のノズル径を、両サイドのノズル径よりも大きくしたことを特徴とするジャーナル軸受。
  2. 前記回転軸の回転上流側を深くするとともに、回転下流側を浅くしたスクープ形状にされたスクープ型給油口を、前記給油ノズルの前記軸受面への開口に設けたことを特徴とする請求項1に記載のジャーナル軸受。
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