JP3636574B2 - 射出成形金型 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サブマリンゲートを有する入駒の取付構造に特徴を有する射出成形金型に関する。
【０００２】
【従来の技術】
樹脂の射出成形金型においてサブマリンゲート（トンネルゲート）方式のものがある。従来のサブマリンゲートとして下型に一体的に形成したタイプやサブマリンゲートを備えた入子（入駒）タイプのものが知られている。サブマリンゲートを下型に一体的に形成したタイプでは、ゲートの切刃部の摩耗、変形、欠損などの修理が困難である。この点、入子（入駒）方式のサブマリンゲートは、これらの修理は容易となる。従来の入子（入駒）タイプとしては、実開平６−６８８１１号に開示されるような切刃部とゲート本体部とを別体としたものが知られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来知られている入駒方式は、切刃部とゲート本体部とを分割した上記の入駒方式も含め、入駒自体は下型に形成された凹部に設置される構造であるため、成形時に駒上部と上型との間に樹脂から張り出した場合などに入駒が破損するという問題が生じる。これは入駒底部が下型で閉塞されているため、上記のように入駒と上型との間にバリが発生すれば型閉めの際異常な力が駒にかかるためである。とくに図５に示すように入駒が上型に突出した形状の場合においてこの問題はより顕著であり、図５に示すようなクラックが発生する。サブマリンゲートを備えた入駒はいうまでもなく、精密部品であり、製作にも時間がかかる。本発明は、このような重要部品である入駒自体の損傷を防ぐ新規な金型構造を提供することを目的とするものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、駒を設置する型への取付け構造を工夫し、異常な力が駒にかかった際にはその取付部を破壊し、駒自体は型から脱落できるような構造を採用することにより、異常時における入駒の損傷を防止することができることを見出し、本発明に至った。
【０００５】
すなわち、本発明は、
（１）キャビティを形成する固定型と可動型と、該可動型に保持された前記キャビティ内に溶融樹脂を導入するサブマリンゲートを有する入駒とからなる射出成形金型であって、前記可動型に保持された入駒は、平常時な可動型の所定位置に保持されるが、成形時異常な力が入駒に負荷されたときは、可動型下部に設けた空間に脱落するように可動型に保持されることを特徴とする射出成形金型、
（２）入駒が固定型に向かって突出した形状を有する前記（１）記載の射出成形金型、
に関する。
【０００６】
【発明の実施の形態】
次に図面に基づき本発明の実施例を説明する。
【０００７】
図１は本発明に係る射出成形金型断面説明図である。また、図２は図１上矢視Ｖの断面説明図である。図１、２中、１は固定型、２は入駒を取付ける可動型、３は可動型２を支持するバックプレート、４は金型キャビティ、５は入駒、６は入駒内に設けたサブマリンゲート、７は入駒を可動型に取付ける取付け具、８は可動型の入駒取付け部後方に設けた空間部、９は成形中に発生した入駒上部と固定型との間のバリを示す。図３は入駒の説明図である。図５は従来の入駒取付け構造の説明図で入駒５は、下型（可動型）によって底部が閉鎖されている。このため入駒上部にバリが発生したとき型閉めにより異常な力が入駒にかかりクラックが発生する。
【０００８】
しかし、本発明においては、図１、２に示すように入駒をその取付け部が空間に面するように取付け、しかもその取付けは正常時は入駒を確実に保持できるように、かつ異常な力が入駒に負荷されたときは入駒が破損しないように、取付け部のほうが破壊するように調整されるので、入駒上部にバリが発生するような異常が生じても入駒は破損することなく、取付けられた可動型からその下部の空間へと脱落することができる。こうして本発明の入駒取付け構造によれば、入駒の破損を防止することができる。なお、本発明においては駒の構造はとくに制限されないが、図１、２に示すような上型に突出した構造のものがとくに損傷を受け易いので、このような構造に適用した場合において、本発明の効果はより顕著である。
【０００９】
本発明の入駒の取付けは、上記のように正常時においては入駒を確実に固定でき、異常時においては取付部が破壊されるものであり、このような作用が発現できるものであれば、その取付け手段は制限されない。しかしボルト締めが実際的で好ましい。たとえば２本のＭ３ボルトを用い、所定の値で破断するものでよい（図４）。また、ボルトに弱部となる切欠きを設けてもよい。
【００１０】
標準部品のボルトを破損させることで、精密部品の入駒を保護することができる。破損させたボルトの交換は入駒のつくり直しに比べればはるかに低コストでかつ容易である。
【００１１】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の射出成形金型は、入駒の取付け部が空間に面した金型の外側にあり、しかもその取付けは正常時は入駒を確実に保持するように、かつ異常時は入駒が金型から脱落できるようにされているので、異常時の入駒自体の破損を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の射出成形金型の断面説明図。
【図２】図１における矢視Ｖよりの断面説明図。
【図３】入駒の一例の説明図。
【図４】入駒の取付け例説明図。
【図５】従来の入駒取付け構造の説明図。
【符号の説明】
１ 固定型
２ 入駒を固定する可動型
３ バックプレート
４ キャビティ
５ 入駒
６ サブマリンゲート
７ 入駒取付け具
８ 空間部
９ バリ
【発明の属する技術分野】
本発明は、サブマリンゲートを有する入駒の取付構造に特徴を有する射出成形金型に関する。
【０００２】
【従来の技術】
樹脂の射出成形金型においてサブマリンゲート（トンネルゲート）方式のものがある。従来のサブマリンゲートとして下型に一体的に形成したタイプやサブマリンゲートを備えた入子（入駒）タイプのものが知られている。サブマリンゲートを下型に一体的に形成したタイプでは、ゲートの切刃部の摩耗、変形、欠損などの修理が困難である。この点、入子（入駒）方式のサブマリンゲートは、これらの修理は容易となる。従来の入子（入駒）タイプとしては、実開平６−６８８１１号に開示されるような切刃部とゲート本体部とを別体としたものが知られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来知られている入駒方式は、切刃部とゲート本体部とを分割した上記の入駒方式も含め、入駒自体は下型に形成された凹部に設置される構造であるため、成形時に駒上部と上型との間に樹脂から張り出した場合などに入駒が破損するという問題が生じる。これは入駒底部が下型で閉塞されているため、上記のように入駒と上型との間にバリが発生すれば型閉めの際異常な力が駒にかかるためである。とくに図５に示すように入駒が上型に突出した形状の場合においてこの問題はより顕著であり、図５に示すようなクラックが発生する。サブマリンゲートを備えた入駒はいうまでもなく、精密部品であり、製作にも時間がかかる。本発明は、このような重要部品である入駒自体の損傷を防ぐ新規な金型構造を提供することを目的とするものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、駒を設置する型への取付け構造を工夫し、異常な力が駒にかかった際にはその取付部を破壊し、駒自体は型から脱落できるような構造を採用することにより、異常時における入駒の損傷を防止することができることを見出し、本発明に至った。
【０００５】
すなわち、本発明は、
（１）キャビティを形成する固定型と可動型と、該可動型に保持された前記キャビティ内に溶融樹脂を導入するサブマリンゲートを有する入駒とからなる射出成形金型であって、前記可動型に保持された入駒は、平常時な可動型の所定位置に保持されるが、成形時異常な力が入駒に負荷されたときは、可動型下部に設けた空間に脱落するように可動型に保持されることを特徴とする射出成形金型、
（２）入駒が固定型に向かって突出した形状を有する前記（１）記載の射出成形金型、
に関する。
【０００６】
【発明の実施の形態】
次に図面に基づき本発明の実施例を説明する。
【０００７】
図１は本発明に係る射出成形金型断面説明図である。また、図２は図１上矢視Ｖの断面説明図である。図１、２中、１は固定型、２は入駒を取付ける可動型、３は可動型２を支持するバックプレート、４は金型キャビティ、５は入駒、６は入駒内に設けたサブマリンゲート、７は入駒を可動型に取付ける取付け具、８は可動型の入駒取付け部後方に設けた空間部、９は成形中に発生した入駒上部と固定型との間のバリを示す。図３は入駒の説明図である。図５は従来の入駒取付け構造の説明図で入駒５は、下型（可動型）によって底部が閉鎖されている。このため入駒上部にバリが発生したとき型閉めにより異常な力が入駒にかかりクラックが発生する。
【０００８】
しかし、本発明においては、図１、２に示すように入駒をその取付け部が空間に面するように取付け、しかもその取付けは正常時は入駒を確実に保持できるように、かつ異常な力が入駒に負荷されたときは入駒が破損しないように、取付け部のほうが破壊するように調整されるので、入駒上部にバリが発生するような異常が生じても入駒は破損することなく、取付けられた可動型からその下部の空間へと脱落することができる。こうして本発明の入駒取付け構造によれば、入駒の破損を防止することができる。なお、本発明においては駒の構造はとくに制限されないが、図１、２に示すような上型に突出した構造のものがとくに損傷を受け易いので、このような構造に適用した場合において、本発明の効果はより顕著である。
【０００９】
本発明の入駒の取付けは、上記のように正常時においては入駒を確実に固定でき、異常時においては取付部が破壊されるものであり、このような作用が発現できるものであれば、その取付け手段は制限されない。しかしボルト締めが実際的で好ましい。たとえば２本のＭ３ボルトを用い、所定の値で破断するものでよい（図４）。また、ボルトに弱部となる切欠きを設けてもよい。
【００１０】
標準部品のボルトを破損させることで、精密部品の入駒を保護することができる。破損させたボルトの交換は入駒のつくり直しに比べればはるかに低コストでかつ容易である。
【００１１】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の射出成形金型は、入駒の取付け部が空間に面した金型の外側にあり、しかもその取付けは正常時は入駒を確実に保持するように、かつ異常時は入駒が金型から脱落できるようにされているので、異常時の入駒自体の破損を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の射出成形金型の断面説明図。
【図２】図１における矢視Ｖよりの断面説明図。
【図３】入駒の一例の説明図。
【図４】入駒の取付け例説明図。
【図５】従来の入駒取付け構造の説明図。
【符号の説明】
１ 固定型
２ 入駒を固定する可動型
３ バックプレート
４ キャビティ
５ 入駒
６ サブマリンゲート
７ 入駒取付け具
８ 空間部
９ バリ
Claims (2)
- キャビティを形成する固定型と可動型と、該可動型に保持された前記キャビティ内に溶融樹脂を導入するサブマリンゲートを有する入駒とからなる射出成形金型であって、前記可動型に保持された入駒は、平常時は可動型の所定位置に保持されるが、成形時異常な力が入駒に負荷されたときは、可動型下部に設けた空間に脱落するように可動型に保持されることを特徴とする射出成形金型。
- 入駒が固定型に向かって突出した形状を有する請求項１記載の射出成形金型。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21193997A JP3636574B2 (ja) | 1997-08-06 | 1997-08-06 | 射出成形金型 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21193997A JP3636574B2 (ja) | 1997-08-06 | 1997-08-06 | 射出成形金型 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1148289A JPH1148289A (ja) | 1999-02-23 |
| JP3636574B2 true JP3636574B2 (ja) | 2005-04-06 |
Family
ID=16614198
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21193997A Expired - Fee Related JP3636574B2 (ja) | 1997-08-06 | 1997-08-06 | 射出成形金型 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3636574B2 (ja) |
-
1997
- 1997-08-06 JP JP21193997A patent/JP3636574B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH1148289A (ja) | 1999-02-23 |
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