JP3636022B2 - マイクロマシンスイッチ - Google Patents

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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H59/00Electrostatic relays; Electro-adhesion relays
    • H01H59/0009Electrostatic relays; Electro-adhesion relays making use of micromechanics

Landscapes

  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
  • Micromachines (AREA)
  • Pressure Sensors (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロマシンスイッチに関し、特にDC(直流)からギガヘルツ以上の広い信号周波数をオン/オフ可能とするマイクロマシンスイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ロックウェル・インターナショナル・コーポレイションのユン・ジェイソン・ヤオの「微細電気機械スイッチ」(特開平9−17300号公報)に記載の発明を例にして、従来技術を説明する。
【0003】
図18は、特開平9−17300号公報に開示されたマイクロマシンスイッチの平面図(a)およびそのE−E’線断面図を示す。同図に示すように、ガリウムヒ素からなる基板51上には、熱硬化ポリイミドからなるアンカー構造52と、金からなる下部電極53と、金からなる信号線54とが設けられている。
【0004】
そして、アンカー構造52の上にはシリコン酸化膜からなる片持ちアーム55が設けられ、この片持ちアーム55は、下部電極53を越えて信号線54の位置まで延在しており、これらと空間的な隙間を介して対向している。
【0005】
片持ちアーム55の上側には、アルミからなる上部電極56がアンカー構造52から下部電極53に対向する位置まで作製されている。また、片持ちアーム55の下側には、信号線54に対向する位置に金からなる接触電極57が設けられている。
【0006】
さて、このような構造をしたマイクロマシンスイッチにおいて、上部電極56と下部電極53との間に30Vの電圧を印加すると、静電気力により上部電極56に基板方向(矢印58の下向き)に引力が働く。このため、片持ちアーム55が基板側に変形し、接触電極57が信号線54の両端と接触する。
【0007】
通常の状態では、図19(b)に示すように、接触電極57と信号線54との間には隙間が設けられ、したがって2本の信号線54は互いに切り離されている。このため、下部電極53に電圧が印加されない状態では、信号線54に電流は流れない。
【0008】
しかし、下部電極53に電圧が印加されて接触電極57が信号線54と接触した状態では、2本の信号線54は短絡し、両者の間を電流が流れることができる。したがって、下部電極53への電圧印加によって、信号線54を通る電流あるいは信号のオン/オフを制御することができる。
【0009】
ただし、スイッチの損失を低減させるためには、上部電極56と接触電極57とが電気的に十分に絶縁されていることが重要である。すなわち、もし上部電極56と接触電極57が電気的に短絡していれば、信号線54を流れる信号(DCを含む)が上部電極56にも流れ出てしまう。
【0010】
また、上部電極56と接触電極57とが短絡していなくとも、静電容量がかなり大きいような状態では、信号線54を流れる交流信号がやはり上部電極56に流れて外部に漏洩する。
このように、上部電極56と接触電極57との絶縁が十分でないときには、信号の漏れが大きくなり、スイッチの特性が悪くなる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来のマイクロマシンスイッチには、以下の問題点があることが判明した。
スイッチをオンさせる(すなわち、接触電極57が信号線54に接触する)ためには、片持ちアーム55の復元力に勝る静電気力を発生するように、上部電極56と下部電極53との間に充分な電圧を印加させることが必要である。その際、この静電気力は、上部電極56と下部電極53との間の距離(正確にはこの距離から片持ちアーム55の厚さを減じた値)の二乗に反比例するため、両者の電極間の距離を小さく設計することが重要である。
【0012】
ところで、従来例の構造では、図18(b)に示すように上部電極56と下部電極53との間の距離は、片持ちアーム55の厚さに加え、さらに接触電極57と信号線54との間の距離よりも接触電極57の厚さだけ大きくなる。例えば、高周波応用において信号の損失を少なくするためには、接触電極57および信号線54の厚さを2μm程度にする必要がある。
【0013】
また、オフ時に信号線54と接触電極57との静電容量的結合を小さくするため、両者を4μm以上離した構成にする必要がある。このため、上部電極56と下部電極53とは、片持ちアーム8の厚さに加えて6μm程度離して配置されることになる。
【0014】
このとき、上部電極56と下部電極53との重なる領域を10,000μm2 とし、片持ちアーム8の幅を20μm、長さを130μmで設計すると約100Vもの高い電圧が必要とされることが、本願発明者等によって確認された。もちろん、片持ちアーム8の長さを長くしたり、幅を小さくしたりすることにより、片持ちアーム8の復元力を小さくするように設計することも可能であるが、これはデバイスの作製途中あるいはデバイスの動作中に片持ちアーム8が破損してしまうおそれがある。
【0015】
一方、上部電極56と下部電極53との重なる領域を大きくすることにより、大きな静電気力を発生させることができ、印加電圧を低減させることが可能であるが、それではデバイス全体が大きくなってしまう。従来例ではこのような方法で印加電圧の低減を実現しているが、この方法は明らかにデバイス全体の寸法が大きくなるという代償を払ったものであり、スイッチの小型化に関して大きな限界がある。
【0016】
また、100Vもの高い電圧が必要とされることから、絶縁破壊によりデバイスが破壊されないように、片持ちアーム8の膜質を良質なものにすることが必要とされる。しかし、従来例のように、金からなる接触電極57の上に酸化膜の片持ちアーム8を低温堆積プロセス(250℃以下のプラズマCVDプロセス)によって作製するような方法では、充分の耐圧特性を持った酸化膜を形成することは困難である。
【0017】
また、印加電圧が高くなると、駆動用の回路で消費される電力が増大するため、特に多数のスイッチを配列するというアンテナ等の用途に従来例のマイクロスイッチを応用することができないことがわかった。
【0018】
さらに、従来の製造工程においては、接触電極に反りが生じて信号線に対して片当たりするという問題点があった。
【0019】
本発明は、このような課題を解決するためのものであり、従来よりも低い駆動電圧で動作可能なマイクロマシンスイッチを提供することを主な目的とする。
また、本発明は、印加電圧を下げることができない場合に備え、絶縁体膜の耐圧特性を上昇させることによってデバイス特性を改善することをその他の目的とする。
さらに、本発明は接触電極の反りを小さく抑えることをその他の目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明に係るマイクロマシンスイッチの一態様は、基板上に設けられた第1の信号線と、前記基板上に設けられかつ前記第1の信号線の端部から所定のギャップを隔てて端部の設けられた第2の信号線との間の導通/非導通を制御するマイクロマシンスイッチにおいて、前記基板上に設けられた支持部材と、この支持部材に接続してかつ一部が前記ギャップと対向するように前記基板上に空間を隔てて設けられた梁部材と、この梁部材の前記基板側における少なくとも前記ギャップと対向する位置に設けられた接触電極と、前記基板上に前記梁部材の一部と対向して設けられた下部電極と、前記梁部材に前記下部電極と対向して設けられた中間電極とを備え、前記梁部材は、前記接触電極が設けられた面の反対側の面に、前記接触電極と対向して前記支持部材と絶縁された補強部材が設けられ、さらに、前記梁部材は、前記支持部材との接続部分から少なくとも前記下部電極と対向する位置までの領域が導電性部材からなり、この導電性部材から前記接触電極までの領域が絶縁性部材のみからなるものである。
【0026】
このように本発明は、中間電極を設けることにより、上部電極と下部電極との間の距離を実質的に短くすることにより、スイッチの駆動電圧を低減させるものである。
例えば、接触電極と同じ厚さの中間電極を絶縁体膜を挟んで上部電極の下側に設ける。この中間電極は外部の電圧回路と直接接続されていないとする。上部電極と下部電極との間に電圧(V)を印加したときには、中間電極の電位は以下の式から計算される。
【0027】
V・C1 /(C1 +C2
【0028】
ここで、中間電極と上部電極との間の静電容量をC1 、中間電極と下部電極との間の静電容量をC2 とした。C1 はC2 よりも大きいので、中間電極の電位はほぼ上部電極と等しい値となる。
【0029】
この中間電極を上述の従来例のケースに当てはめると、中間電極と下部電極との間の距離は、接触電極と信号線との間の距離の4μmに等しい。このとき、電圧を印加する電極の距離が実質的に2/3(=4[μm]/6[μm])に減少するため、必要とされる電圧も約67Vと従来例の2/3に減少させることが可能となる。
【0030】
さらに、この中間電極は、接触電極の作製と同時に作製することができるため、デバイスの製造コストを少しも上昇させないという長所があることが特筆される。中間電極の構造は、以下の実施例で詳しく述べるように種々の変更が可能であり、それぞれ大きな特徴を有する。
【0031】
このように本発明は、従来よりも低い印加電圧で駆動させることができるとともに、絶縁体膜の耐圧特性を上昇させることによってデバイス特性を改善することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について参考例を交えながら説明する。
【0033】
[参考例1]
図1は、参考例1の平面図(a)およびそのA−A’線断面図(b)を示す。同図に示すように、本参考例では、誘電率の大きなガラス製の基板1上に、シリコンからなるスイッチ本体部14と、金からなる下部電極4と、金からなる信号線3が設けられている。また、基板1の裏面にはアース板2が形成されている。
【0034】
スイッチ本体部14は、支持部材7と、片持ちアーム8と、上部電極9との一体構造となっている。支持部材7からは、シリコンからなる二本の片持ちアーム8が基板面に対してほぼ水平に延びている。二本の片持ちアーム8は、従来例における一本のアームと比べてアームの回転運動を低く抑えることができ、スイッチの片当たり接触を防止するのに役立つ。ただし、条件に応じて片持ちアーム8の本数を変えればよいのであって、本参考例には1本および2本以上の片持ちアーム8を有する構造が含まれる。
【0035】
ところで、支持部材7と片持ちアーム8と接続部分においては、その表面におけるなす角α,βが、それぞれ鈍角(90°<α,β<180°)となるように調整することが好ましい。このようにすることにより、片持ちアーム8の強度を高めることができ、1MHz以上といった高周波数のスイッチング動作を可能とする。
【0036】
片持ちアーム8の先端には、シリコンからなる上部電極9が設けられている。上部電極9は、下部電極4と空間的な隙間を介して対向している。
支持部材7は、基板1上に形成されている信号線3aに接続されており、この信号線3aは、支持部材7および片持ちアーム8を介して上部電極9と電気的に接続されている。
【0037】
また、二酸化シリコンあるいは窒化シリコン膜等の絶縁体膜からなる絶縁性部材6が、上部電極9の下面に下部電極4と対向する位置から信号線3に対向する位置にかけて設けられている。この信号線3に対向する絶縁性部材6の下側の位置には、金からなる接触電極5が設けられている。同様に、下部電極4と対向するようにして絶縁性部材6上には、中間電極15が設けられている。
【0038】
このように絶縁性部材6を設けることにより、接触電極5と上部電極9との短絡を防止することができる。ただし、絶縁性部材6は、最低限接触電極5と上部電極9との間、および、中間電極15と上部電極9との間にあればよい。なお、高周波信号をスイッチングする場合は、信号線3と容量結合可能な範囲で接触電極5の表面を絶縁体膜で覆っていてもよい。逆に信号線3を絶縁体膜で覆っても構わない。
【0039】
このように、接触電極5と対向する絶縁性部材6の上側には、片持ちアーム8よりも厚みのある上部電極9が設けられているため、接触電極5と絶縁性部材6との間に生じる歪みによる反りを小さく抑えることができる。したがって、接触電極5は絶えず基板1に対して平行な状態を保つことができ、片当たりによる接触抵抗の増大を抑えることができる。なお、片持ちアーム8と上部電極9と絶縁性部材6とから梁部材が構成される。
【0040】
ここで、本参考例の動作について説明する。
信号線3aを介して上部電極9と下部電極4との間に70Vの電圧を印加すると、静電気力により上部電極9に基板方向(下向き)に引力が働く。このため、片持ちアーム8が下側に湾曲して接触電極5が信号線3と接触するようになる。
【0041】
信号線3は、図1(b)に示すように接触電極5に対向する位置に隙間が設けられている。このため、電圧が印加されない状態では信号線3に電流は流れないが、電圧が印加されて接触電極5が信号線3と接触した状態では信号線3を電流が流れることができる。このように、下部電極4への電圧印加によって信号線3を通る電流あるいは信号のオン/オフを制御することができる。また、30GHzの信号を扱った場合、従来のHEMT(High Electron Mobility Transistor)スイッチでの挿入損失が3〜4dBであったのに対し、本実施の形態のスイッチでは2.5dBという結果が得られた。
【0042】
このように本参考例では、上部電極9は導電性の片持ちアーム8を介して導電性の支持部材7と電気的に接続されているため、上部電極9への電圧印加を容易に行うことができる。ただし、上部電極9は電気的に浮遊した状態であっても構わない。その場合、信号線3aは不要であり、スイッチを動作させるためには下部電極4に電圧を印加するだけでよい。
【0043】
また、支持部材7と片持ちアーム8と上部電極9とを、不純物が一部あるいは全体に拡散された半導体で作製することができる。その場合、スイッチの動作時に上部電極9と下部電極4との間に流れる電流は、極めて小さなものであるから、これら半導体の不純物の含有量を精密に制御する必要はない。
【0044】
また、以下の作製方法に述べるように片持ちアーム8の厚さを、他の構成要素に比べて薄く制御することも容易である。このように個々の要素の厚さを制御することによって、剛性の大きな構成要素の中に柔らかい片持ちアーム8を作製することができる。したがって、剛性の大きな要素では電圧印加時の変形が基板1に対して水平に行われ、変形のほとんどが薄い片持ちアーム8によってなされることになる。これは、スイッチの片当たりを低く抑えることに役立つものである。
【0045】
ただし、上部電極9の厚さを、片持ちアーム8と同じにしたものも本発明に含むことができる。このような構造は、作製方法が簡略化されるという長所がある。
【0046】
なお、本参考例の代表的な寸法は、表1のとおりである。
【0047】
【表1】
Figure 0003636022
【0048】
ここで、幅は図1(a)の平面図に対して縦方向の長さ、長さは図1(a)の平面図に対して横方向の長さ、厚さは図1(b)の断面図に対して縦方向の長さをそれぞれ示す。また、中間電極15と下部電極4との距離は、4μmとしている。
しかし、これら寸法は個々の応用に応じて設計すべきものであり、上述の数値に限定されるものではない。本発明においては、その増大した設計自由度により、広い範囲の設計が可能である。例えば、中間電極15の厚さを接触電極5よりも少し薄く設計すると、接触電極5と信号線3との接触の力が大きくなり、両者の接触抵抗が減少する。これは、特にDC信号をオン/オフするスイッチに適した設計であるといえる。
【0049】
また、中間電極15の厚さを接触電極5よりも少し厚く設計すると、接触電極5はスイッチのオンのときでも信号線3と直接接触することがなくなる。しかし、高周波応用では抵抗接触は必ずしも必要でなく、容量型の接触でも信号を伝えることが可能であるため、接触電極5が直接信号線3に触れなくてもよい。この場合には、接触電極5が信号線3と直接ふれないため、機械的な摩耗を低く押さえることが可能であり、スイッチの寿命を長く保つことができるという利点がある。
【0050】
さらに、スイッチの駆動方法として、上部電極9に電気的短絡した支持部材7と下部電極4との間に電圧を印加する例を示したが、支持部材7の電位を必ずしも固定せずに、下部電極4だけに電圧を印加するだけでスイッチの動作は可能である。このとき、支持部材7(すなわち、上部電極9)の電位は、固定されずに浮いた状態である。このような状態では、通常、上部電極9は周囲の電位に影響された電圧となり、周囲にグランド線を配置することによってグランド電圧に近い状態とすることが可能である。なお、グランド線の配置は、一般的にスイッチ本体部14の近くに設けられるのが普通である。
このように、支持部材7の電位を浮遊させた場合、支持部材7に配線を設ける手間が省けるため、全体としてデバイスの配線が簡略化されるという利点がある。
【0051】
ここで、図1に係るマイクロマシンスイッチの製造工程について図を参照して説明する。
図2,3は、図1に係るマイクロマシンスイッチの製造工程を示す断面図である。製造工程について順次説明する。
【0052】
まず、図2(a)に示すように、シリコンからなる基板11に二酸化シリコン膜からなるパタン12を形成し、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)等のエッチング液を用いて基板11を約6μmほどエッチングする。
ここで、基板11としては(100)面を主面とするシリコンを用いた場合、エッチング速度の面方位依存性により、エッチング後は(111)面が側面に露出した台形となる。
【0053】
次いで、図2(b)に示すように、新たにパタン13を基板1上に形成し、このパタン13をマスクにしてマスクの無い領域にボロンを拡散させ、その後、ボロンの深い拡散を行うため、例えば1150℃で10時間ほど熱拡散を実施する。このとき、高濃度のボロンが約10μmの深さまで拡散される。その結果、支持部材7と上部電極9とが作製される。
【0054】
次いで、図2(c)に示すように、片持ちアーム8に対応する領域のパタン13を除去してから、残ったパタン13をマスクにしてマスクの無い領域にボロンを拡散させる。その結果、支持部材7,片持ちアーム8および上部電極9からなるスイッチ本体部14ができあがる。
なお、今回はボロンの浅い拡散を行うため、例えば1150℃で2時間ほど熱拡散を実施する。このとき、高濃度のボロンが約2μm深さまで拡散される。
【0055】
次いで、図2(d)に示すように、上部電極9に二酸化シリコン1μmおよび窒化膜0.05μmからなる絶縁性部材6を作製する。
【0056】
次いで、図3(e)に示すように、絶縁性部材6上に金メッキを用いて接触電極5および中間電極15を作製する。
【0057】
次いで、図3(f)に示すように、このようにして作製された基板11を、金からなる下部電極4および金からなる信号線3,3aの形成されたガラス製の基板1に載置する。この基板1は上述のシリコンプロセスとは別個の工程で予め作製しておく。その後、支持部材7を基板1上に接着する。このとき、シリコンとガラスとの接着には、静電接着技術を利用することができる。
【0058】
最後に、図3(g)に示すように、基板11をエチレンジアミンピロカテコール等のボロン濃度選択性が大きいエッチング液に投入し、ボロンが拡散されていない部分を溶解する。その結果、基板1上にマイクロマシンスイッチを作製することができる。
【0059】
なお、基板1がセラミックあるいはガリウムヒ素等で形成されているのであれば、接着剤を用いて支持部材7とこれらの基板とを接着させることも可能である。もしくは、これら基板の表面にガラスを2〜5μm程度スパッタしておくと、静電接着技術を使うことも可能である。
【0060】
以上のように本参考例では、単結晶シリコン基板をエッチングすることによって片持ちアーム8等からなるスイッチ本体部14を作製している。このように、本参考例は材料として単結晶体を利用することにより、機械特性として最も信頼性のおける構造体を作製することができるという利点がある。
【0061】
また、片持ちアーム8を単結晶体のみで作製しているため、従来例のように複数の材料を張り合わせた構造に比べ、熱膨張係数に起因する反りが発生することはない。すなわち、片持ちアーム8の基板1の面に対して直交する方向に沿った熱膨張係数の変化を、基板面側とその反対面側とで互いに対称とすることにより、反りの発生を抑制している。
【0062】
一方、ここに述べた方法以外にも、基板1上に種々の薄膜を堆積して選択エッチングを利用し、本発明の構造をもつスイッチを作製することも可能である。例えば、スイッチ本体部14を単結晶シリコンではなく、アモルファスシリコン、ポリシリコンまたは高抵抗の半導体材料(GaAs,鉄をドープしたInP等)を使って作製してもよい。また、スイッチ本体部14を半導体ではなく、金やアルミニウム等の金属を使って作製してもよい
【0063】
[第1の実施の形態]
図4は、本発明の第1の実施の形態の平面図(a)およびそのB−B’線断面図(b)を示す。同図に示すように、本実施の形態では、誘電率の大きなガラス製の基板1上に、シリコンからなる支持部材7と、金からなる下部電極4と、金からなる信号線3が設けられている。また、基板1の裏面にはアース板2が形成されている。
【0064】
スイッチ本体部14は、支持部材7と、片持ちアーム8と、上部電極9との一体構造となっている。支持部材7からは、シリコンからなる二本の片持ちアーム8が基板面に対してほぼ水平に延びている。二本の片持ちアーム8は、従来例における一本のアームと比べてアームの回転運動を低く抑えることができ、スイッチの片当たり接触を防止するのに役立つ。ただし、条件に応じて片持ちアーム8の本数を変えればよいのであって、本発明には1本および2本以上の片持ちアーム8を有する構造が含まれる。
【0065】
ところで、支持部材7と片持ちアーム8との接続部分においては、その表面におけるなす角α,βが、それぞれ鈍角(90°<α,β<180°)となるように調整することが好ましい。このようにすることにより、片持ちアーム8の強度を高めることができ、1MHz以上といった高周波数のスイッチング動作を可能とする。
【0066】
片持ちアーム8の先端には、シリコンからなる上部電極9が設けられている。上部電極9は、下部電極4と空間的な隙間を介して対向している。
支持部材7は、基板1上に形成されている信号線3aに接続されており、この信号線3aは、支持部材7および片持ちアーム8を介して上部電極9と電気的に接続されている。
【0067】
また、二酸化シリコンあるいは窒化シリコン膜等の絶縁体膜からなる絶縁性部材6が、上部電極9の下面から始まって信号線3に対向する位置まで延びている。この信号線3に対向する絶縁性部材6の下側の位置には、金からなる接触電極5が設けられている。同様に、下部電極4と対向するようにして絶縁性部材6上には、中間電極15が設けられている。なお、高周波信号をスイッチングする場合は、信号線3と容量結合可能な範囲で接触電極5の表面を絶縁体膜で覆ってもよい。逆に信号線3を絶縁体膜で覆っても構わない。
【0068】
接触電極5と対向する絶縁性部材6の上側には、シリコンからなる補強部材10が設けられている。これは、接触電極5と絶縁性部材6との間に生じる歪みによる反りを小さく抑えるために設けられたものである。このように、補強部材10を設けることにより、接触電極5は絶えず基板1に対して平行な状態を保つことができ、片当たりによる接触抵抗の増大を抑えることができる。なお、補強部材10は、絶縁性部材6の材料や膜厚等によっては必ずしも必要ではなく、これがない構造も本発明に含まれる。なお、片持ちアーム8と上部電極9と絶縁性部材6とから梁部材が構成される。
【0069】
ここで、本実施の形態の動作について説明する。
上部電極9と下部電極4との間に30Vの電圧を印加すると、静電気力により上部電極9に基板方向(下側)に引力が働く。このため、片持ちアーム8が下側に湾曲して接触電極5が信号線3と接触するようになる。
【0070】
信号線3は、図4(b)に示すように接触電極5に対向する位置に隙間が設けられている。このため、電圧が印加されない状態では信号線3に電流は流れないが、電圧が印加されて接触電極5が信号線3と接触した状態では信号線3を電流が流れることができる。このように、下部電極4への電圧印加によって信号線3を通る電流あるいは信号のオン/オフを制御することができる。また、30GHzの信号を扱った場合、従来のHEMT(High Electron Mobility Transistor)スイッチでの挿入損失が3〜4dBであったのに対し、本実施の形態のスイッチでは0.2dBという結果が得られた。
【0071】
本実施の形態では、上部電極9は導電性の片持ちアーム8を介して導電性の支持部材7と電気的に接続されているため、上部電極9への電圧印加を容易に行うことができる。ただし、上部電極9は電気的に浮遊した状態であっても構わない。その場合、信号線3aは不要であり、スイッチを動作させるためには下部電極4に電圧を印加するだけでよい。
【0072】
また、支持部材7と片持ちアーム8と上部電極9と補強部材10とは、不純物が一部あるいは全体に拡散された半導体から作製することができる。その場合、スイッチの動作時に上部電極9と下部電極4との間に流れる電流は、極めて小さなものであるから、これら半導体の不純物の含有量を精密に制御する必要はない。
【0073】
また、以下の作製方法に述べるように片持ちアーム8の厚さを、他の構成要素に比べて薄く制御することも容易である。このように個々の要素の厚さを制御することによって、剛性の大きな構成要素の中に柔らかい片持ちアーム8を作製することができる。
剛性の大きな要素では電圧印加時の変形が基板1に対して水平に行われ、変形のほとんどが薄い片持ちアーム8によってなされることになる。これは、スイッチの片当たりを低く抑えることに役立つものである。
【0074】
ただし、上部電極9および補強部材10の厚さを、片持ちアーム8と同じにしたものも本発明に含むことができる。このような構造は、作製方法が簡略化されるという長所がある。
【0075】
なお、本実施の形態の代表的な寸法は、表2のとおりである。
【0076】
【表2】
Figure 0003636022
【0077】
ここで、幅は図4(a)の平面図に対して縦方向の長さ、長さは図4(a)の平面図に対して横方向の長さ、厚さは図4(b)の断面図に対して縦方向の長さをそれぞれ示す。また、中間電極15と下部電極4との距離は、4μmとしている。
しかし、これら寸法は個々の応用によって設計すべきものであり、上述の数値に限定されるものではない。本発明においては、その増大した設計自由度により、広い範囲の設計が可能である。例えば、中間電極15の厚さを接触電極5よりも少し薄く設計すると、接触電極5と信号線3との接触の力が大きくなり、両者の接触抵抗が減少する。これは、特にDC信号をオン/オフするスイッチに適した設計であるといえる。
【0078】
また、中間電極15の厚さを接触電極5よりも少し厚く設計すると、接触電極5はスイッチのオンのときでも信号線3と直接接触することがなくなる。しかし、高周波応用では抵抗接触は必ずしも必要でなく、容量型の接触でも信号を伝えることが可能であるため、接触電極5が直接信号線3に触れなくてもよい。この場合には、接触電極5が信号線3と直接ふれないため、機械的な摩耗を低く押さえることが可能であり、スイッチの寿命を長く保つことができるという利点がある。
【0079】
さらに、スイッチの駆動方法として、上部電極9に電気的短絡した支持部材7と下部電極4との間に電圧を印加する例を示したが、支持部材7の電位を必ずしも固定せずに、下部電極4だけに電圧を印加するだけでスイッチの動作は可能である。このとき、支持部材7(すなわち、上部電極9)の電位は、固定されずに浮いた状態である。このような状態では、通常、上部電極9は周囲の電位に影響された電圧となり、周囲にグランド線を配置することによってグランド電圧に近い状態とすることが可能である。なお、グランド線の配置は、一般的にスイッチ本体部14の近くに設けられるのが普通である。
このように、支持部材7の電位を浮遊させた場合、支持部材7に配線を設ける手間が省けるため、全体としてデバイスの配線が簡略化されるという利点がある。
【0080】
ここで、図4に係るマイクロマシンスイッチの製造工程について図を参照して説明する。
図5,6は、図4に係るマイクロマシンスイッチの製造工程を示す断面図である。製造工程について順次説明する。
【0081】
まず、図5(a)に示すように、シリコンからなる基板11に二酸化シリコン膜からなるパタン12を形成し、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)等のエッチング液を用いて基板11を約6μmほどエッチングする。
ここで、基板11としては(100)面を主面とするシリコンを用いた場合、エッチング速度の面方位依存性により、エッチング後は(111)面が側面に露出した台形となる。
【0082】
次いで、図5(b)に示すように、新たにパタン13を基板1上に形成し、このパタン13をマスクにしてマスクの無い領域にボロンを拡散させ、その後、ボロンの深い拡散を行うため、例えば1150℃で10時間ほど熱拡散を実施する。このとき、高濃度のボロンが約10μmの深さまで拡散される。その結果、支持部材7と上部電極9と補強部材10とが作製される。
【0083】
次いで、図5(c)に示すように、片持ちアームに対応する領域のパタン13を除去してから、残ったパタン13をマスクにしてマスクの無い領域にボロンを拡散させる。その結果、支持部材7,片持ちアーム8および上部電極9からなるスイッチ本体部14ができあがる。
なお、今回はボロンの浅い拡散を行うため、例えば1150℃で2時間ほど熱拡散を実施する。このとき、高濃度のボロンが約2μm深さまで拡散される。
【0084】
次いで、図5(d)に示すように、上部電極9から補強部材10にかけて、二酸化シリコン1μmおよび窒化膜0.05μmからなる絶縁性部材6を作製する。
【0085】
次いで、図6(e)に示すように、補強部材10に対向する絶縁性部材6上に金メッキを用いて接触電極5および中間電極15を作製する。
【0086】
次いで、図6(f)に示すように、このようにして作製された基板11を、金からなる下部電極4および金からなる信号線3,3aの形成されたガラス製の基板1に載置する。この基板1は上述のシリコンプロセスとは別個の工程で予め作製しておく。その後、支持部材7を基板1上に接着する。このとき、シリコンとガラスとの接着には、静電接着技術を利用することができる。
【0087】
最後に、図6(g)に示すように、基板11をエチレンジアミンピロカテコール等のボロン濃度選択性が大きいエッチング液に投入し、ボロンが拡散されていない部分を溶解する。その結果、基板1上にマイクロマシンスイッチを作製することができる。
【0088】
なお、基板1がセラミックあるいはガリウム砒素等で形成されているのであれば、接着剤を用いて支持部材7とこれらの基板とを接着させることも可能である。もしくは、これら基板の表面にガラスを2〜5μm程度スパッタしておくと、静電接着技術を使うことが可能である。
【0089】
以上のように本実施の形態では、単結晶シリコン基板をエッチングすることによって片持ちアーム7等からなるスイッチ本体部14を作製している。このように、本実施の形態は材料として単結晶体を利用することにより、機械特性として最も信頼性のおける構造体を作製することができるという利点がある。
【0090】
また、片持ちアーム8を単結晶体のみで作製しているため、従来例のように複数の材料を張り合わせた構造に比べ、熱膨張係数に起因する反りが発生することはない。すなわち、片持ちアーム8の基板1の面に対して直交する方向に沿った熱膨張係数の変化を、基板面側とその反対面側とで互いに対称とすることにより、反りの発生を抑制している。
【0091】
一方、ここに述べた方法以外にも、基板1上に種々の薄膜を堆積して選択エッチングを利用し、本発明の構造をもつスイッチを作製することも可能である。例えば、スイッチ本体部14および補強部材10を単結晶シリコンではなく、アモルファスシリコン、ポリシリコンまたは高抵抗の半導体材料(GaAs,鉄をドープしたInP等)を使って作製してもよい。また、スイッチ本体部14および補強部材10を半導体ではなく、金やアルミニウム等の金属を使って作製してもよい。
【0092】
[第2の実施の形態]
図7は、本発明の第2の実施の形態の平面図(a)および断面図(b)を示す。同図に示すように、図4と同一符号の構成要素は、同一または同等の構成要素であることを示している。
【0093】
本実施の形態では、絶縁性部材6bが上部電極9の端面から延びている点が、第の実施の形態と大きく異なる点である。この絶縁性部材6bは、酸化膜、窒化膜等の絶縁薄膜によって形成することもできるが、上部電極9と同一の半導体材料を使って形成することが可能である。その場合、例えば高抵抗の半導体材料(GaAs,鉄をドープしたInP等)で絶縁性部材6bを除く支持部材7,片持ちアーム8および上部電極9のみに不純物を拡散して抵抗を下げるという方法、または、絶縁性部材6bの領域に酸素等のイオンを打ち込んで抵抗を高くする方法等を利用することができる。本実施の形態には、補強部材10を接触電極5に対向する位置に設けているが、これがない構造も本発明に含まれる。
【0094】
また、補強部材10は、低抵抗または高抵抗の何れであってもよい。
また、本実施の形態では、上部電極9の下側に絶縁性部材6bとは別個に絶縁性部材6aが設けられている。これは、上部電極9と下部電極4との間に電圧を印加したとき、互いに接触して短絡が起こらないようにするためである。この絶縁性部材6aの厚さは、接触電極5よりも薄くすることが望ましい。
【0095】
また、本実施の形態では、第1の実施の形態のものと比べて、絶縁性部材6bが基板1に対して上側に位置するようになったため、接触電極5と信号線3との隙間が大きく取れるようになる。このため、オフ時の静電容量が小さくなり、オフ時の漏れ電流を小さく抑えることが可能となる。
【0096】
以上の実施の形態では、基板1の具体例としてガラス基板をあげて説明した。ガラス基板はガリウムヒ素基板に比べて安価であり、多数のスイッチを集積化することが要求されるフェーズドアレイアンテナ等の応用において有望な材料である。しかし、本発明の構造はこれに限られるものではなく、ガリウムヒ素、シリコン、セラミック、プリント基板等においても有効である。
【0097】
また、上部電極9に穴を開けることにより、上部電極9と下部電極4との間に存在する空気によるスクイーズ効果を減少させる手法も本発明に含まれる。本発明では、上部電極9および補強部材10によって絶縁性部材6bの強度を補強することが容易である。このため、内部に複数個の穴を設けたとしても、可動部全体の剛性は十分に大きく保つことが可能である。
さらに、絶縁性部材6b,接触電極5および補強部材10にも穴をあけ、空気を通しやすくするとスクイーズ効果を著しく抑えることが可能である。
【0098】
参考例2
図8は、参考例2を示す断面図である。同図において、図1における同一符号のものは同一または同等の構成要素を示す。図8に示すように、本参考例は信号線3を挟んで2個の支持部材7を基板1上に配設している。したがって、上部電極9は各支持部部材7からそれぞれ延びている片持ちアーム8に接続され、両側で支持した構造となっている。また、十分な静電気力を発生させるため、上部電極9の下には信号線3を挟んで2個所に下部電極4が配設されている。
【0099】
このように、複数の支持部材7を使って上部電極9を支持した構成も、本発明に含まれる。また、支持部材7の個数をさらに増やして2個以上にしてもよく、そのような構造も本発明に含まれる
【0100】
参考例3
図9は、参考例3を示す断面図である。同図において、図1における同一符号のものは同一または同等の構成要素を示す。図9に示すように、本参考例はスイッチ本体部14の表面を酸化させるなどし、片持ちアーム8を、シリコン層8aとそれを両側から挟む酸化シリコン層8bとかなる構造にしたものである。このように、両側の酸化シリコン層8bの厚さを等しくしてやれば、基板1側とその反対側の熱膨張係数は対称となるため、高温処理を行っても片持ちアーム8の反りは抑制される。
【0101】
参考例4
図10は、参考例4を示す断面図である。同図において、図9における同一符号のものは同一または同等の構成要素を示す。図10に示すように、本参考例は片持ちアーム8を2種以上の材料からなる薄膜を交互に積層した超格子構造を有するものである。上述の参考例3と同様に、本参考例においても、基板1側の熱膨張係数とその反対側の熱膨張係数とを対称にすることができるため、温度変化による片持ちアーム8のそりを抑制することができる。
【0102】
[第の実施の形態]
図11は、本発明の第の実施の形態を示す平面図(a)およびそのD−D’線断面図(b)である。同図において、図4における同一符号のものは同一または同等の構成要素を示す。図11に示すように、本実施の形態は、中間電極15が絶縁性部材6の一部に設けられた開口中の埋め込み配線18を介して、上部電極4に短絡している。また、中間電極15および接触電極5の表面が、それぞれ絶縁体膜16および17によって被覆されていることが第1の実施の形態と異なる点である。
【0103】
中間電極15が上部電極9と短絡しているため、中間電極15の電位は上部電極9の電位と全く同じである。中間電極15の上の絶縁体膜16は、中間電極15と下部電極4とが短絡することを防止するために設けられたものである。そして、接触電極5の上の絶縁体膜17は、この絶縁体膜17と下部電極3とが接触したとき(オン時)に、絶縁体膜17と信号線3とが接触できるように対称的に設けられたものである。
【0104】
ここで、中間電極15と上部電極9との短絡は、絶縁性部材16中に設けられた埋め込み配線18に限られるものではなく、絶縁性部材6の端部に設けた配線を介して行ってもよい、
また、中間電極15と上部電極9との間に設けられた絶縁性部材6を省略してもよい。
【0105】
また、絶縁体膜16および17を下部電極4および信号線3の一部に設けることも可能であり、そのような構造も本発明に含まれる。
また、接触電極5の上の絶縁体膜17を省略し、中間電極15の厚さと絶縁体膜16の厚さとの和が、接触電極5の厚さよりも薄くすることにより、DC信号のオン/オフを行うスイッチを作製することができる。
【0106】
また、絶縁体膜16を省略して、中間電極15の厚さが接触電極5の厚さ、または、接触電極5の厚さと絶縁体膜17の厚さとの和よりも薄くすることによっても、中間電極15と下部電極4との短絡を防ぐこともできる。
また、絶縁体膜を中間電極15および下部電極6の両方に設けてもよい。同様に、絶縁体膜を接触電極5および信号線3の両方に設けてもよい。
さらに、絶縁体膜16および17は、中間電極4および接触電極5の全てを被覆する必要はなく、その一部に設けられたとしても、本発明の効果を得ることができる。
【0107】
[第の実施の形態]
図12は、本発明の第の実施の形態を示す平面図である。同図において、図1における同一符号のものは同一または同等の構成要素を示す。図12に示すように、本実施の形態は、下部電極が中間電極15の下側で電気的に二つの異なる電位を持つことが可能となるように、下部電極4a,4bに分離していることが第1の実施の形態と異なる点である。
【0108】
本実施の形態の構造では、印加電圧は下部電極4a,4b間にかけられ、上部電極9につながる支持部材7は電気的に浮いた状態である。このとき、二つの下部電極4aおよび4bの間に印加された電圧の半分が、下部電極4aおよび4bと中間電極15との間に働くことになる。
【0109】
このため、静電引力となってスイッチを閉じるのに役立つ電圧が半分に減少するため、第1の実施の形態の場合の2倍の電圧を印加することにより、スイッチを閉じることができる。一方、上部電極9が浮いた状態であるため、上部電極9と下部電極4aおよび4bとの間の絶縁性部材6が高圧のために破壊されるという問題は生じない。そして、なによりも支持部材7に電位を与えるための信号線3aを接続する必要がないため、デバイス全体としての配線が非常に簡略化されるという長所がある。
【0110】
先に、第1の実施の形態で述べた支持部材7を浮かせた状態での駆動方法は、周囲の配線の影響を受けるということがときには問題となることがあるが(例えば、多数のスイッチを配置した場合、各スイッチにおける駆動電圧が異なることがある)、本実施の形態においては周囲の影響をあまり受けることなくスイッチを駆動させることができる。
【0111】
なお、本実施の形態では、上部電極6を片持ちアーム8と接続させた例を示したが、中間電極15の電位を二つの下部電極4aおよび4bによって決めることができるで、この上部電極9を省略することができる。また、上部電極9を単に補強板として利用することもできるし、片持ちアーム8と切り離してもよい。さらに、支持部材7、片持ちアーム8、さらに上部電極9を絶縁体あるいは高抵抗の半導体等の材料を使って作製することもできる。
【0112】
[第の実施の形態]
図13は、本発明の第の実施の形態を示す平面図である。同図において、図12における同一符号のものは同一または同等の構成要素を示す。図13に示すように、本実施の形態は、中間電極15の下側で電気的に二つの異なる電位を持つことが可能な下部電極4c,4dが櫛歯構造になっていることが第の実施の形態と異なる点である。
【0113】
の実施の形態では、スイッチ本体部14を接着する際に、下部電極4a,4bが向かい合った部分が上部電極9のちょうど真ん中に位置するようにしなければならない。すなわち、中間電極15と下部電極4a,4bとの重なる領域が等しい大きさにならないと、中間電極15の電位が二つの下部電極の電圧の半分にならず、領域の大きな下部電極の方に引き寄せられることがある。そして、片持ちアーム8にねじれの変位が生じる恐れがある。
【0114】
そこで、本実施の形態ではこのような問題を解決するため、下部電極を櫛歯構造とすることにより、スイッチ本体部14を接着する際に若干のずれが生じても、下部電極と上部電極との重なる領域の大きさが等しくなるようにしている。なお、櫛歯の数は図示した例に限られるものではなく、さらに多数の櫛歯を設けることができる。また、櫛歯の方向も任意に変えることができる。
なお、図12、13に関して述べた実施の形態における電極の分離は、下部電極に限られるものではない。すなわち、同様に上部電極を二つ以上に電気的に分離してもよいし、上部電極および下部電極の両者を分離してもよい。また、この分離される電極の個数は二つに限られず、複数であればよい。
【0115】
[第の実施の形態]
第1〜の実施の形態に係るマイクロマシンスイッチを、フェーズドアレイアンテナに適用した例について説明する。
以下に示すように、上述のマイクロマシンスイッチは、DC〜高周波信号まで幅広く適用することができ、特にフェーズドアレイアンテナ装置に適用すると効果的である。
【0116】
図14は、特願平10−176367号に開示されたフェーズドアレイアンテナ装置を示すブロック図である。同図に示すように、フェーズドアレイアンテナ装置は、M個(Mは2以上の自然数)のアンテナ23を有し、アンテナ23は移相回路24に接続されている。この移相回路24は、データ分配回路24aと、このデータ分配回路24aに接続されたM個のデータラッチ回路24bと、このデータラッチ回路24b接続された移相器24cとによって構成されている。
【0117】
したがって、各アンテナ23はNビット(Nは自然数)の移相器24cにそれぞれ接続され、各移相器24cは分配合成器22を介して給電部21に接続されている。
【0118】
また、データ分配回路24aは、制御装置20に接続されている。なお、データ分配回路24aおよびデータラッチ回路24bは、基板上に薄膜トランジスタ回路(TFT回路)で実現されている。
【0119】
また、移相器24cは、各ビット毎に上述のマイクロマシンスイッチを備えており、各データラッチ回路24bは各移相器24cのマイクロマシンスイッチに接続されている。このように、同図に示されたフェーズドアレイアンテナ装置では、従来外付けICだった移相器の駆動回路をTFT回路で構成し、移相器24c等と同一層に形成している。
【0120】
次に、図14に示されたフェーズドアレイアンテナ装置の動作について説明する。制御装置20は、予め設定されているアンテナ23の位置と使用する周波数とに基づいて、放射ビームを所望の方向に向けるのに最適な移相量をNビットの精度で計算し、その結果を制御信号としてデータ分配回路24aに出力する。データ分配回路24aは、各データラッチ回路24bに制御信号を分配する。
【0121】
アンテナ23における電波の放射方向は、全てのアンテナ23について一斉に切り換えられる。その際、各データラッチ回路24bは、ビーム方向を切り換えるためのタイミング信号に同期して、保持データを入力データである制御信号に書き換え、保持データ(制御信号)に基づき、移相器24cが必要とするビットのマイクロマシンスイッチに対して駆動電圧を一斉に印加する。
【0122】
マイクロマシンスイッチに駆動電圧が印加されると、マイクロマシンスイッチは回路を閉じて、そのマイクロマシンスイッチが含まれるビットをオン状態にする。そして、移相器24cのどのビットがオン状態になるかで、その移相器24cの移相量が設定される。
【0123】
各移相器24cは、このようにして設定された移相量だけ高周波信号の位相を変え、各アンテナ23に給電する。そして、各アンテナ23は、給電位相に応じた位相の放射をし、その放射が等位相面が生成することにより、この等位相面と垂直な方向に放射ビームを形成する。
【0124】
次に、図14に係るフェーズドアレイアンテナ装置の詳細な構造について説明する。
図15は、フェーズドアレイアンテナ装置を示す分解斜視図である。同図に示されるように、全体構成は多層構造となっている。すなわち、分配合成層L1と、誘電体層L2と、給電用スロット層L3と、誘電体層L4と、放射素子と移相器とTFT回路とからなる層(以下、移相回路層という)L5と、誘電体層L6と、無給電素子層L7とがそれぞれ密着して張り合わされている。
【0125】
各層は、フォトリソグラフィおよびエッチング技術、および、接着技術等を利用して多層化されている。例えば、無給電素子層L7および移相回路層L5は、誘電体層L6の各面に形成された金属膜に対して、フォトリソグラフィおよびエッチング技術を施して形成される。給電用スロット層L3は、誘電体層L4の片面に形成された金属膜に対して、フォトリソグラフィおよびエッチング技術を施すことによって形成される。
【0126】
さて、無給電素子層L7には、複数の無給電素子32が形成されている。この無給電素子32は、アンテナの帯域を広げるために用いられ、誘電体層L6を介して移相回路層L5の放射素子と電磁結合されている。また、誘電体層L6には、比誘電率が2〜10程度の誘電体が用いられる。例えば、ガラスを用いれば製造コストを低減させることができ、誘電体層のうちの少なくとも一層にガラスを用いるのが望ましい。なお、製造コストの問題を無視すれば、誘電体層L6に比誘電率の高いアルミナや比誘電率の低い発泡材等の誘電体を使用してもよい。
【0127】
次いで、移相回路層L5には、図12に示されたアンテナ23の一部と、移相回路24と、アンテナ23に給電するためのストリップライン等が形成されている。
【0128】
次いで、誘電体層L4は、アルミナ等の比誘電率が3〜12程度の誘電体で形成されている。
次いで、給電用スロット層L3は、導電性を有する金属によって形成され、給電用結合手段である給電用スロット30が複数形成されている。なお、給電用スロット層30は、誘電体層L4に適宜設けられたスルーホールを介して移相回路層L5と接続され、移相回路層L5の接地として機能する。
【0129】
次いで、分配合成層L1には、複数の分配合成器22が形成されている。分配合成器22は、給電用スロット層L3に設けられた給電用スロット30を介して移相回路層L5と電磁的に結合されている。1個の分配合成器22と1個の給電用スロット30とは、1個の給電ユニットを構成し、各ユニットはマトリックス状に配置されている。ただし、マトリックス状に配置されていないものも本発明に含まれる。
【0130】
なお、放射素子2は、マトリックス状に配置されていてもよいし、単に2次元的に配列されているだけでもよい。あるいは一方向に整列配置されていてもよい。また、図15では分配合成器22と移相回路層L5とが、給電用スロット層L3を介して電磁的に結合されているが、分配合成器22と移相回路層L5とが給電ピン等の他の給電用結合手段で接続されている場合においては、同一面に形成されていてもよい。
【0131】
次に、図15に示された移相回路層L5について詳細に説明する。
図16は、移相回路層L5の1ユニットを示す平面図である。同図に示すようにガラス基板等の誘電体層L6には、放射素子41、移相器群40およびデータラッチ回路46が形成されている。ただし、データラッチ回路46は移相器40a〜40dの各ビット毎に設けられている。
【0132】
また、ストリップライン42は、放射素子41から移相器群40を介して、図15に示された給電用スロット30に対応する位置まで配設されている。そして、放射素子41としては、例えばパッチアンテナ、プリンテッドダイポール、スロットアンテナ、アパーチャ素子等が使用される。ストリップライン42としては、マイクロストリップ線路、トリプレート線路、コプレーナ線路、スロット線路等の分布定数線路が使用される。
【0133】
また、図16に示す移相器群40は、全体で4ビットの移相器を構成しており、すなわち4個の移相器40a,40b,40cおよび40dによって構成されている。各移相器40a〜40dは、それぞれ給電する位相を22.5゜,45゜,90゜,180゜だけ変化させることができ、ストリップラインとマイクロマシンスイッチとで構成されている。
【0134】
ここで、移相器40a〜40cは、ストリップライン42と接地43との間に接続された2個のストリップライン44と、ストリップライン44の途中に接続されたマイクロマシンスイッチ45とで構成されている。これらの移相器は、ローデッドライン形移相器を構成している。
【0135】
一方、移相器40dでは、ストリップライン42の途中に接続されたマイクロマシンスイッチ45aと、コの字型のストリップライン44aと、ストリップライン44aと接地43との間に接続されたマイクロマシンスイッチ45aとで構成されている。この移相器は、スイッチドライン形移相器を構成している。
【0136】
一般に、移相量が小さい場合にはローデッドライン形の方が良い特性が得られ、移相量が大きい場合にはスイッチドライン形の方が良い特性が得られる。そのため、22.5゜,45゜,90゜の移相器としてローデッドライン形を用い、180゜の移相器としてスイッチドライン形を用いている。もちろん、移相器40a〜40cに、スイッチドライン形を用いることも可能である。
【0137】
各移相器40a〜40dに含まれる2個のマイクロマシンスイッチ(45または45a)は、その近傍に配設されたデータラッチ回路46に接続され、データラッチ回路46が出力する駆動電圧によって同時に動作する。
このように、ストリップライン42に流れる高周波信号は、移相器群40の働きにより、その給電位相が変化させられる。
【0138】
なお、データラッチ回路46を、各マイクロマシンスイッチの近傍に配置する代わりに、複数のデータラッチ回路を一カ所にまとめて配置し、そこから配線を延ばして各マイクロマシンスイッチを駆動するようにしてもよい。また、1個のデータラッチ回路を複数の異なるユニットのマイクロマシンスイッチに接続してもよい。
【0139】
図17は、ローデッドライン形の移相器に用いられたマイクロマシンスイッチ45周辺を拡大した平面図である。同図に示すように、2個のマイクロマシンスイッチ45は、2個のストリップライン44に対して左右対称となるように配設されている。また、これらマイクロマシンスイッチ45は、図示しない1個のデータラッチ回路に接続され、データラッチ回路から同時に駆動電圧(外部電圧)が供給される。もちろん、このマイクロマシンスイッチ45としては、第1〜の実施の形態で述べたものを使用することができる。
【0140】
【発明の効果】
以上説明したとおり本発明は、下部電極と上部電極との間に中間電極を有し、かつ、接触電極に対向しかつ支持部材と絶縁された補強部材を備える。したがって、このような中間電極を設けたことによりスイッチを駆動する印加電圧を低減させることができる。例えば、接触電極と信号線とが4μmのギャップをもつ場合には、従来例の約2/3まで電圧を低減させることができる。また、接触電極と信号線との距離を4μm以下にするときには、印加電圧の低減の効果はさらに増大し、従来例の1/2以下に抑えることも容易である。
【0141】
この中間電極は、従来の接触電極を作製するのと同時に作製することが可能であるため、スイッチ作製プロセスに特に追加の工程を加える必要がなく、コストの上昇が抑えられるという利点がある。そして、印加電圧を低減できることから、上部電極と下部電極との間の絶縁体膜に大きな電圧が印加されることを防ぐことができ、特に高品質の絶縁体膜を作製する必要がなくなり、スイッチ作製プロセスの選択性を広めることにつながる。したがって、従来この絶縁体膜の耐圧特性の限界から発生していたデバイスの破壊を防止することができる。また、外部駆動回路で必要とされる電圧も低下し、構成が簡略化されると同時に消費電力も低減した。
また、補強部材を設けたことにより、接触電極の反りを抑制でき、接触電極が信号線に対して片当たりするのを防ぐことができる。
【0142】
一方、下部電極を2個設けることにより、同一寸法で下部電極を1個もつ構造と比較した場合、印加電圧が高くなるものの絶縁体膜に電圧が印加されないため、低品質の絶縁体膜を使用したとしても絶縁破壊することがなくなった。印加電圧の上昇は、デバイスの寸法を増大させることによって補償することが可能であり、デバイス寸法が特に小さくする必要がないような応用に採用することができる。そして、何よりも上部電極の存在が必要でなくなり、下部電極に電圧を印加するだけでスイッチの駆動が可能となることから、スイッチの配線が簡略化されるという著しい効果が生ずる。このため、配線にともなうコストの上昇、デバイス構造の複雑化、長期信頼性の低下等の欠点が著しく改善される。
【0143】
また、本発明に係るマイクロマシンスイッチ作製するプロセスは、高い温度プロセスを利用できることから、次のような効果が得られる
1)梁部材等を構成する材料の選択が広がり、種々の導体および半導体を利用することを可能とし、材料選択の自由度を増大させる。
2)高温度で作製された絶縁体膜の耐圧特性がすぐれているためデバイスの電気特性が向上する。
3)厚さ方向の自由度が増大したため、梁部材の幅を減少することができ、スイッチの寸法を小さくすることが可能となる。
【0144】
以上の利点が生まれたために、本発明に係るマイクロマシンスイッチは、個々ばらばらにして使用する単純なスイッチに留まらず、大面積の基板上に数万個のオーダで集積化することが要求されるフェーズドアレイアンテナのような新たな応用を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例1を示す平面図(a)およびそのA−A’線断面図(b)である。
【図2】 図1に係るマイクロマシンスイッチの製造工程を示す断面図である。
【図3】 図2の続きの製造工程を示す断面図である。
【図4】 本発明の第1の実施の形態を示す平面図(a)およびそのB−B’線断面図(b)である。
【図5】 図4に係るマイクロマシンスイッチの製造工程を示す断面図である。
【図6】 図5の続きの製造工程を示す断面図である。
【図7】 本発明の第2の実施の形態を示す平面図(a)およびそのC−C’線断面図(b)である。
【図8】 参考例2を示す断面図である。
【図9】 参考例3を示す断面図である。
【図10】 参考例4を示す断面図である。
【図11】 本発明の第の実施の形態を示す平面図(a)およびそのD−D’線断面図(b)である。
【図12】 本発明の第の実施の形態を示す平面図である。
【図13】 本発明の第の実施の形態を示す平面図である。
【図14】 フェーズドアレイアンテナ装置(本発明の第の実施の形態)を示すブロック図である。
【図15】 図14に係るフェーズドアレイアンテナ装置の詳細な構成を示す分解斜視図である。
【図16】 図15に係る移相回路を示す平面図である。
【図17】 図16に係るマイクロマシンスイッチの周辺を示す平面図である。
【図18】 従来例を示す平面図(a)およびそのE−E’線断面図(b)である。
【符号の説明】
1…基板、2…アース板、3,3a…信号線、4,4a,4b,4c,4d…下部電極、5…接触電極、6,6a,6b…絶縁性部材、7…支持部材、8…片持ちアーム、8a…シリコン層、8b…酸化シリコン層、9…上部電極、10…補強部材、11…基板、12,13…パタン、14…スイッチ本体部、15…中間電極、16,17…絶縁体膜、18…埋め込み配線、20…制御装置、21…給電部、22…分配合成器、23…アンテナ、24…移相回路、24a…データ分配回路、24b…データラッチ回路、24c…移相器、30…給電用スロット、31…移相回路、32…無給電素子、40…移相器群、40a,40b,40c,40d…移相器、41…放射素子、42…ストリップライン、43…接地、44,44a…ストリップライン、45,45a…マイクロマシンスイッチ、46…データラッチ回路、L1…分配合成層、L2,L4,L6…誘電体層、L3…給電用スロット層、L5…移相回路層、L7…無給電素子層。

Claims (1)

  1. 基板上に設けられた第1の信号線と、前記基板上に設けられかつ前記第1の信号線の端部から所定のギャップを隔てて端部の設けられた第2の信号線との間の導通/非導通を制御するマイクロマシンスイッチにおいて、
    前記基板上に設けられた支持部材と、
    この支持部材に接続してかつ一部が前記ギャップと対向するように前記基板上に空間を隔てて設けられた梁部材と、
    この梁部材の前記基板側における少なくとも前記ギャップと対向する位置に設けられた接触電極と、
    前記基板上に前記梁部材の一部と対向して設けられた下部電極と、
    前記梁部材に前記下部電極と対向して設けられた中間電極とを備え、
    前記梁部材は、前記接触電極が設けられた面の反対側の面に、前記接触電極と対向して前記支持部材と絶縁された補強部材が設けられ
    さらに、前記梁部材は、前記支持部材との接続部分から少なくとも前記下部電極と対向する位置までの領域が導電性部材からなり、この導電性部材から前記接触電極までの領域が絶縁性部材のみからなることを特徴とするマイクロマシンスイッチ
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