JP3635935B2 - 現像ロール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザービームプリンター(LBP),複写機(PPC)等の内部で用いられる現像ロールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、複写機等に用いられる現像装置には、図9に示すように、トナー50を収容する開口部付きのトナーホッパー51と、このトナーホッパー51の開口部付近に配置されそれ自体の外周面にトナー50を付着させ、その状態で回転する現像ロール52(芯金の外周部に、ベースゴム層と中間層と最外層とからなる弾性ゴム層を設けたもの)と、この現像ロール52と接触し現像ロール52の外周面にトナー50を供給するトナー供給ロール54(芯金の外周部にスポンジ材料からなる弾性層を設けたもの)と、上記現像ロール52と対峙し、現像ロール52外周面のトナー50を受け取る感光ドラム53とを備えている。55は層規制ブレードで、現像ロール52の外周面に圧接されトナー50の帯電と現像ロール52上のトナー層の厚みとを制御する。
【0003】
この装置において、現像を行うためには、まず、トナー供給ロール54によりトナー50を現像ロール52の外周面に供給する。ついで、現像ロール52の外周面と層規制ブレード55との摩擦によりトナー50を帯電させ、かつ現像ロール52の外周面に均一なトナー層を形成する。つぎに、現像ロール52と感光ドラム53との間にバイアス電荷を印可することにより現像ロール52上のトナー50を感光ドラム53に移動させて、感光ドラム53上にトナー像を形成する。このようにして、現像が行われる。この現像ののち、上記トナー像が複写紙上に定着されて複写が行われる。
【0004】
ところで、上記現像ロール52は、その外周面の現像領域(感光ドラム53の複写画像形成領域に対応する領域)において均一かつ確実にトナー50の搬送を行うことが、高画質の画像を得る上で重要な役割となる。そのため、一般に、現像ロール52の外周面を粗面部にして接触抵抗を大きくすることによりトナー50を確実に搬送することが行われている。上記粗面化の方法は、様々であるが、例えば、現像ロール52のベースゴム層の外周面にサンドブラスト等のブラスト加工や研削ホイールによる研磨加工等を施すことにより、ベースゴム層の外周面を粗面化し、この粗面を、中間層を介して最外層の外周面に現す方法が知られている。これらの場合は、ベースゴム層が、研磨により減るため、設計寸法が出しにくいという難点がある。
【0005】
また、上記研磨を必要としない粗面化方法として、本願出願人は、現像ロールのベースゴム層形成用金型内周面を放電加工により粗面化し、この粗面をベースゴム層の外周面に転写し、この粗面を、中間層を介して最外層の外周面に現す方法を出願している(特願平9−217789号)。この方法は、まず、図10に示すように、ベースゴム層形成用の円筒状金型60、および表面を研磨した円柱状の銅電極61をそれぞれ準備する。この銅電極61の長さは、上記円筒状金型60の長さよりも長くなっている。ついで、上記銅電極61の両端部が上記円筒状金型60の両端部から突出するようにして、銅電極61を上記円筒状金型60の筒内に挿入する。つぎに、上記銅電極61に電流を流し、これを矢印方向に自転させて円筒状金型60の内面に放電加工処理を施し、図11に示すように、金型内周面の全体が均一な粗面部60aに形成された円筒状金型60を作製する。つぎに、この円筒状金型60内に芯金を挿入した後、芯金と円筒状金型60との間の空隙にベースゴム層形成用ゴム材料を導入し固めて芯金の外周部にベースゴム層を形成する。このようにして得られたベースゴム層の外周面全体には、上記金型の内面の粗面が転写されている。そして、上記ベースゴム層の外周面に、中間層形成材料(コーティング液)を塗工し中間層を形成したのち、中間層の外周面に最外層形成材料(コーティング液)を塗工し最外層を形成する。このベースゴム層,中間層および最外層で弾性ゴム層が形成される。
【0006】
このように放電加工金型を用いて得られた現像ロールおよび冒頭で述べた研磨加工等を経て得られた現像ロール52は、複写機等への組み込みに際して、その弾性ゴム層の外周面の左右両端部に対応する場所には、トナーホッパー51からのトナー50の洩れを防ぐためのフェルトやウレタンスポンジ等からなる板状シール材が配設され、上記弾性ゴム層の左右両端部に弾接してシールする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、放電加工金型を用いて得られた現像ロールおよび研磨加工等を経て得られた現像ロール52において、その弾性ゴム層の外周面に形成された粗面は、工程の都合上、いずれも外周面全体に施されている。このため、複写機等の作動時に、場合によって、現像ロール52の弾性ゴム層の両端部と上記シール材との間に隙間ができ、シール材のシール性能が失われ、トナー50が飛散して機内が汚れるという問題があった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、現像ロールの外周面の両端部に対応する場所に配設されるシール材のシール性能が失われることのない現像ロールの提供をその目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の現像ロールは、芯金と、この芯金の外周面に形成されたベースゴム層と、このベースゴム層の外周面に直接または他の層を介して形成された最外層とを有する現像ロールであって、上記ベースゴム層が、その外周面の軸方向両端部が鏡面部に形成され、両鏡面部の間の部分が粗面部に形成され、鏡面部と粗面部との境界に段差が生じない状態に形成され、上記最外層は、上記ベースゴム層の鏡面部に対応する部分がベースゴム層の鏡面により鏡面部に形成され、上記ベースゴム層の粗面部に対応する部分がベースゴム層の粗面により粗面部に形成され、上記最外層の鏡面部と粗面部との境界部が段差のない状態に形成されているという構成をとる。
【0010】
すなわち、本発明の現像ロールは、外周面の軸方向両端部が鏡面部に形成されている。このため、これら両鏡面部とこれら両鏡面部に対応する場所に配設されているシール材の表面との間に隙間ができなくなる。このため、シール材のシール性能が充分に発揮され、トナーが飛散しなくなる。その結果、機内が汚れることもなくなる。また、鏡面部と粗面部との境界に段差が生じていず、粗面部の凹凸の凸部でつくられる面が鏡面部の鏡面でつくられる面と同一高さになり、粗面を研磨でつくるときのような研磨による部材の減りによる粗面部の面の下がり現象(これにより相手ロールとの間に隙間が生じる)が生じず、粗面部の凹凸と相俟ってトナーを確実に搬送できるようになる。また、粗面部の面の下がり現象が生じないことから、鏡面部と粗面部との境界に段差が生じず、段差にもとづくシール材の弾接不良が防止されトナーの洩れが一層防止されるようになる。なお、本発明において、「鏡面部と粗面部との境界に段差が生じていない」とは、粗面部の凹凸の凸部の高さが鏡面部の鏡面より0〜50μm程度の範囲にあることをいう。
【0011】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。
【0012】
図1は、本発明の現像ロールの一実施の形態を示している。この実施の形態の現像ロールは、外見略円柱状をしており、円筒状の芯金1と、この芯金1の外周部に形成されたベースゴム層2と、このベースゴム層2の外周部に形成された中間層3と、さらにその外周部に形成された最外層4とから構成されている。
【0013】
また、図2に示すように、上記最外層4の軸方向両端部が鏡面部5に形成され、両鏡面部5の間の部分が粗面部6に形成されている。そして、この粗面部6は、その凹凸の凸部が両鏡面部5の鏡面より0〜50μm高く設定され鏡面部5と粗面部6との境界の段差が解消されている。ここで鏡面部5の表面粗さ(Ra)は、0.3μm以下に設定され、粗面部6の表面粗さ(Ra)は、0.2〜3μmの範囲に設定される。
【0014】
上記現像ロールは、つぎのようにして製造される。まず、上記現像ロールのベースゴム層2、中間層3および最外層4の形成材料をつぎのようにして調製する。すなわち、上記ベースゴム層形成材料用の各成分をニーダー等の混練機を用いて混練し、コンパウンド状のベースゴム層形成材料を調製する。また、上記中間層形成材料用の各成分をボールミル、ロール等の混練機を用いて混練し、この混合物に有機溶剤を加えて混合、攪拌することにより、中間層形成材料(コーティング液)を調製する。さらに、上記最外層形成材料用の各成分をボールミル、ロール等の混練機を用いて混練し、この混合物に有機溶剤を加えて混合、攪拌することにより、最外層形成材料(コーティング液)を調製する。上記有機溶剤としては、例えばテトラヒドロフラン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メタノール、トルエン、イソプロピルアルコール、メチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0015】
一方、図3に示すように、ベースゴム層形成用の円筒状金型7ならびに小径部8aおよび大径部8bからなる段付円柱状の銅電極8をそれぞれ準備する。このとき、銅電極8は、大径部8bの外周面を研磨したものを用いる。大径部8bは、円筒状金型7の内面を粗面化する部分であり、大径部8bの長さは、上記粗面部6が形成される現像ロールの両鏡面部5(図2参照)の間の部分の長さと等しく、かつ、上記円筒状金型7の長さよりも短くなっている。ついで、大径部8bが現像ロールの両鏡面部5の間の部分に対応する位置にくるように、銅電極8を、上記円筒状金型7の筒内に挿入する。つぎに、上記銅電極8に電流を流し、これを矢印方向に自転させ円筒状金型7の内面に放電加工処理を施して、図4に示すように、金型内面のうち、軸方向両端部を鏡面部7aに形成し、両鏡面部7aの間の大径部8b(図3参照)に対応する部分を均一な粗面部7bに形成した円筒状金型7を作製する。このような放電加工処理により、金型内面に表面粗さのばらつきの少ない均一な粗面部7bを形成することができる。
【0016】
つぎに、図5に示すように、現像ロールの芯金1を準備し、この芯金1を、その外周面に必要に応じて接着剤、プライマー等を塗布し、その状態で、下蓋10を外嵌した円筒状金型7の筒内にセットする。そして、上記芯金1と円筒状金型7の間の空隙に、前記コンパウンド状のベースゴム層形成材料を注型等した後、上記円筒状金型7に上蓋11を外嵌する。ついで、下蓋10および上蓋11を外嵌した円筒状金型7全体をオーブンに入れ、加熱してコンパウンド状のベースゴム層形成材料を加硫し(170℃×15分)、芯金1の外周部にベースゴム層2を形成する。なお、必要に応じて二次加硫を行う。その後、上記ベースゴム層2が形成された芯金1を円筒状金型7から脱型する。このように上記特殊な円筒状金型7を鋳型としてベースゴム層2を形成すると、図6に示すように、円筒状金型7(図4参照)の内面に形成した上記鏡面部7aおよび均一な粗面部7bがベースゴム層2表面に転写されるため、ベースゴム層2表面の軸方向両端部を鏡面部2aに、その両鏡面部2aの間の部分を表面粗さのばらつきの少ない均一な粗面部2bに形成することができる。
【0017】
そして、上記ベースゴム層2の外周面に前記中間層形成材料(コーティング液)を塗工した後、乾燥および加熱処理を行い、ベースゴム層2の外周部に中間層3を形成する。さらに、上記中間層3の外周面に最外層形成材料(コーティング液)を塗工した後、乾燥および加熱処理を行い、中間層3の外周部に最外層4を形成する。このようにして、図1に示したような、芯金1の外周部にベースゴム層2が形成され、その外周部に中間層3が形成され、さらにその外周部に最外層4が形成された現像ロールが得られる。
【0018】
この現像ロールは、ベースゴム層2の表面の軸方向両端部が鏡面部2aに形成されているため、このベースゴム層2上に形成される中間層3および最外層4の軸方向両端部の表面も鏡面部に形成されている。そして、この現像ロールを複写機等に組み込むと、上記両端部の両鏡面部5とこれら両鏡面部5に対応する場所に配設され両鏡面部5に弾接しているフェルトやウレタンスポンジ等からなるシール材との間に全く隙間ができなくなる。このため、複写機等の作動時に、シール材のシール性能が充分に発揮され、トナーが飛散しなくなる。その結果、機内が汚れることもなくなる。この場合、鏡面部5の表面粗さ(Ra)は、0.3μm以下に設定されている。
【0019】
また、上記現像ロールは、ベースゴム層2表面の両鏡面部2aの間の部分が表面粗さのばらつきが少ない粗面部2bに形成されているため、中間層3および最外層4の両鏡面部5の間の部分の厚みも略均一となり、それらの表面も表面粗さのばらつきが少ない粗面部6に形成することができる。そして、この現像ロールを複写機等に用いると、表面粗さのばらつきが少ないため、現像時のトナーの部分的なストレスが軽減され、フィルミングを防止することができる。
【0020】
しかも、上記現像ロールは、鏡面部5と粗面部6との境界に段差が生じていず、粗面部6の凹凸の凸部でつくられる面が鏡面部5の鏡面でつくられる面と同一高さになり、粗面を研磨でつくるときのような研磨による部材の減りによる粗面部の面の下がり現象(これにより相手ロールとの間に隙間が生じる)が生じず、粗面部6の凹凸と相俟ってトナーを確実に搬送できるようになる。また、粗面部6の面の下がり現象が生じないことから、鏡面部5と粗面部6との境界に段差が生じず、段差にもとづくシール材の弾接不良が防止されトナーの洩れが一層防止されるようになる。
【0021】
このような現像ロールは、前記のように、円筒状金型7の金型面において、軸方向の両端部を残し、放電加工等で粗面化したものを用い、芯金1の外周面にベースゴム層2を形成することにより容易に得ることができる。研磨によりベースゴム層を粗面化する場合には、ベースゴム層が減るため、生成した粗面の凹凸における凸部の高さは、必然的に鏡面部より低くなってしまう。しかし、上記方法で得られた円筒状金型7を用いベースゴム層2の必要部分を粗面化するときには、粗面の凹凸における凸部の高さは鏡面部2aと殆ど同じになり段差が付かない。そのうえ、粗面の凹凸の高さを設計値どおりに容易にできるばかりか、粗面の粗度の均一化も実現できるようになる。
【0022】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0023】
【実施例1〜3】
まず、各成分を下記に示す割合で配合し、先に述べた方法に従い、各層の形成材料を調製した。
〔ベースゴム層形成材料〕
導電性シリコーンゴム(KE1357 A/B、信越化学工業社製)を用いた。
〔中間層形成材料〕
H−NBR(ゼットポール0020、日本ゼオン社製):100部,ステアリン酸:0.5部,ZnO:5部,導電性カーボンブラック:30部,加硫促進剤BZ:1部,加硫促進剤CZ:2部,硫黄:1部を配合した。
〔最外層形成材料〕
フッ素ゴム(アフラス210、旭硝子社製):100部,MgO:5部,Ca(OH)2 :5部,シリコーンオイル:40部,ビスフェノールAF:2部,テトラブチルアンモニウムハイドロゲンサルフェート:2部を配合した。
【0024】
一方、図3に示したように、ベースゴム層形成用の円筒状金型7ならびに小径部8aおよび大径部8bからなる段付円柱状の銅電極8をそれぞれ準備し、上記円筒状金型7の筒内に上記銅電極8を挿入した。このとき、銅電極8は、大径部8bの外周面を研磨したものを用いた。つぎに、上記銅電極8に電流を流し、これを矢印方向に自転させて円筒状金型7の内面に放電加工処理を施して、図4に示したように、金型内面のうち軸方向両端部が鏡面部7aに形成され、大径部8bの長さ部分が均一な粗面部7bに形成された円筒状金型7を作製した。つぎに、図5に示したように、芯金1の外周面に接着剤等を塗布した後、下蓋10を外嵌した円筒状金型7の筒内に上記芯金1をセットした。そして、上記芯金1と円筒状金型7の間の空隙に前記コンパウンド状のベースゴム層形成材料を注型した後、上記円筒状金型7に上蓋11を外嵌した。ついで、下蓋10および上蓋11を外嵌した円筒状金型7全体を加熱してコンパウンド状のベースゴム層形成材料をオーブン加硫し(170℃×15分)、芯金1の外周部にベースゴム層2を形成した。その後、上記ベースゴム層2が形成された芯金1を円筒状金型7から脱型した。そして、上記ベースゴム層2の外周面に前記中間層形成材料(コーティング液)を塗工した後、乾燥および加熱処理を行い、ベースゴム層2の外周部に中間層3を形成した。さらに、上記中間層3の外周面に最外層形成材料(コーティング液)を塗工した後、乾燥および加熱処理を行い、中間層3の外周に最外層4を形成した。このようにして、図1に示したような、芯金1の外周部にベースゴム層2が形成され、その外周部に中間層3が形成され、さらにその外周部に最外層4が形成された現像ロールを作製した。
【0025】
なお、現像ロールの各層の電気抵抗と厚み、ベースゴム層2および中間層3の硬度を下記に示す。また、各層の厚みは平均の厚みを示した。
〔ベースゴム層〕
硬度(Hs:JIS A):10
電気抵抗 :1×104 Ω
厚み :5mm
〔中間層〕
硬度(Hs:JIS A):87
電気抵抗 :1×103 Ω
厚み :10mm
〔最外層〕
電気抵抗 :7×107 Ω
厚み :40mm
【0026】
【比較例1】
上記従来の技術で説明した方法(特願平9−217789号)により得られた現像ロールである。すなわち、この比較例1は従来例であり、現像ロールの外周面全体が粗面部6となっている。なお、ベースゴム層,中間層,最外層は、実施例1〜3と同じ材料で形成した。
【0027】
このようにして得られた実施例品および比較例品の現像ロールについて、下記の基準に従い、トナー飛散,複写画質,リーク,フィルミング,抵抗むらおよび耐久複写画質について比較評価を行った。これらの結果を、下記の表1に併せて示した。また、金型内面の表面粗さ(Rz)、ベースゴム層2の表面粗さ(Rz)および現像ロールの表面粗さ(Rz、Ra)についても併せて示した。なお、表面粗さは、JIS B 0601に記載の方法に準拠して測定し、Rzは十点平均粗さ、Raは算術平均粗さを示している。
【0028】
〔トナー飛散〕
現像ロールを実際に複写機(沖電気社製のマイクロライン400)に組み込んで複写を行った。そして、トナーによる実機内の汚れを目視にて評価し、その汚れがないものを○、汚れはあるが使用上問題がないものを△として表示した。
【0029】
〔複写画質〕
現像ロールを実際に複写機(沖電気社製のマイクロライン400)に組み込んで複写を行った。そして、ドット再現性が良好なものを○、ややつぶれているものを△として表示した。
【0030】
〔リーク〕
図7に示すような方法で現像ロール70に流れる電流値を測定し、電流印加時の最大電流値が1mAを超える箇所が1ケ所でも存在する場合をリーク発生とした。その結果、リークが発生しなかったものを○、リークが発生したものを×として表示した。なお、図において、71は芯金、72は金属ロール、73は電流計であり、荷重Wは両端700gである。
【0031】
〔フィルミング〕
現像ロールを実際に複写機(沖電気社製のマイクロライン400)に組み込んで45000枚繰り返し複写を行ったのち、不織布等でフィルミングしていない現像ロール表面上のトナーを除去し、現像ロール表面上に残っているトナーを粘着テープに転写して、この粘着テープに転写されたトナーの濃度を測定した。その結果、フィルミングが未発生のものを○、フィルミングが発生したものを△として表記した。
【0032】
〔抵抗むら〕
図8に示すように、現像ロール80の表面に針状のピン81を点接触させ、印加させることにより、現像ロール80の電気抵抗を測定した。この測定は、現像ロール80の軸方向に沿って1mmピッチで行った。その結果、電気抵抗のばらつきが小さいものを○、大きいものを△として表示した。なお、図において、82は芯金である。
【0033】
〔耐久複写画質〕
現像ロールを実際に複写機(沖電気社製のマイクロライン400)に組み込んで繰り返し複写を行った。その結果、5000〜10000枚複写する間にドット再現性の不良が発生したものを△、10000枚以上複写してもドット再現性が良好なものを○として表示した。
【0034】
【表1】
Figure 0003635935
【0035】
上記表1の結果から、実施例品の現像ロールを使用した場合は、トナーが飛散しないことがわかる。また、複写画質や耐久複写画質等も優れていることから、トナーの搬送性も優れていることがわかる。
【0036】
なお、上記実施の形態の現像ロールの製法において、用いる円筒状金型7の材質は特に限定はなく、例えばSCM435、S45C、SHCM645等があげられ、好ましくはSCM435が用いられる。
【0037】
上記円筒状金型7の内面に放電加工処理を施す方法としては、前記銅電極8を用いる方法に限定されるものではなく、放電加工機(例えば、ジャパックス DP−85)を用いる方法が好ましい。なお、上記銅電極8は、表面を研磨したものを用いたが、これは表面を研磨しないものを用いると、円筒状金型7内面に形成される粗面部の表面粗さのばらつきが大きくなるおそれがあるからであり、表面研磨したものを用いることが好ましい。
【0038】
また、上記放電加工処理は、円筒状金型7内面の粗面部7bの表面粗さ(Rz)が10〜50μmの範囲になるよう行うことが好ましく、特に好ましくは20〜35μmの範囲である。なお、上記表面粗さの設定は、例えば銅電極8に流す電流量を制御することにより行うことができる。また、放電加工処理されない円筒状金型7内面の鏡面部7aの表面粗さ(Rz)は、3μm以下に設定することが好ましく、特に好ましくは2μm以下である。一方、上記円筒状金型7を鋳型として形成されたベースゴム層2の粗面部2bの表面粗さ(Rz)は、10〜30μmの範囲に設定することが好ましく、鏡面部2aの表面粗さ(Rz)は、3μm以下に設定することが好ましい。また、現像ロールの最外層4の粗面部6の十点平均粗さ(Rz)は、2〜15μmの範囲になるよう設定することが好ましく、特に好ましくは4〜10μmの範囲である。また、現像ロールの最外層4の粗面部6の算術平均粗さ(Ra)は、0.1〜0.9μmの範囲になるよう設定することが好ましく、特に好ましくは0.4〜0.7μmの範囲である。一方、現像ロールの最外層4の鏡面部5の十点平均粗さ(Rz)は、1〜9μmの範囲になるよう設定することが好ましく、特に好ましくは3〜7μmの範囲である。また、現像ロールの最外層4の鏡面部5の算術平均粗さ(Ra)は、0.3μm以下に設定することが好ましく、特に好ましくは0.2μm以下である。なお、上記表面粗さ(Rz,Ra)は、JIS B 0601に記載の方法に準拠して測定した値である。
【0039】
また、本発明の現像ロールの製法は、図1に示した3層構造の現像ロールの製法に限定されるものではなく、3層構造以外の現像ロールを製造することも勿論可能である。また、上記現像ロールの各層の形成材料等についても特に限定はないが、つぎに示す材料を用いることが好ましい。
【0040】
上記芯金1としては、例えば金属製の中実体からなる芯金1や、内部を中空にくり抜いた金属製の円筒体等が用いられる。そして、その材料としては、ステンレス、アルミニウム、鉄にメッキを施したもの等があげられる。
【0041】
上記芯金1の外周部に形成されるベースゴム層形成材料としては、例えばエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム、ポリウレタン系エラストマー等があげられる。上記材料には、さらに導電剤を適宜に添加してもよい。上記導電剤としては、カーボンブラック、グラファイト、チタン酸カリウム、酸化鉄、c−TiO2 、c−ZnO、c−SnO2 、イオン導電剤(四級アンモニウム塩、ホウ酸塩、界面活性剤等)等の従来公知のものが用いられる。なお、上記「c−」は、導電性を有するという意味である。なかでも、上記ベースゴム層形成材料としては、低硬度でへたりが少ないという点から、導電性シリコーンゴムを用いることが好ましい。
【0042】
上記ベースゴム層2の外周部に形成される中間層3の形成材料としては、例えばアクリロニトリル−ブタジエンゴム(ニトリルゴム)(以下「NBR」と略す)、水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴム(水素化ニトリルゴム)(以下「H−NBR」と略す)、ポリウレタン系エラストマー、クロロプレンゴム(CR)等があげられるが、接着性およびコーティング液の安定性からH−NBRが好ましい。上記材料には、さらに導電剤、加硫剤、加硫促進剤、滑剤、助剤等を適宜に添加してもよい。上記導電剤としては、前記と同様のものがあげられ、加硫剤としては硫黄等があげられ、加硫促進剤としてはテトラメチルチウラムジスルフィド(CZ)、オルト−トリル−ビグアニジン(BZ)等があげられ、滑剤としてはステアリン酸等があげられ、助剤としては亜鉛華(ZnO)等があげられる。
【0043】
上記中間層3の外周部に形成される最外層4の形成材料としては、例えばフッ素ゴム、フッ素樹脂、フッ素ゴムとフッ素樹脂の混合物、シリコーン樹脂、シリコーングラフトアクリルポリマー、アクリルグラフトシリコーンポリマー、反応性シリコーンオイル、非反応性シリコーンオイル等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。そして、上記最外層形成材料には、導電剤、帯電制御剤等を適宜に添加することもできる。上記帯電制御剤としては、従来から用いられている四級アンモニウム塩、ホウ酸塩、アジン系(ニグロシン系)化合物、アゾ化合物、オキシナフトエ酸金属錯体、界面活性剤(アニオン系、カチオン系、ノニオン系)等があげられる。また、安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、補強剤、滑剤、離型剤、染料、顔料、難燃剤等を必要に応じて適宜に添加することも可能である。
【0044】
また、上記中間層形成材料および最外層形成材料の塗工法は、特に制限するものではなく、ディッピング法、スプレーコーティング法、ロールコート法等の従来公知の方法が適用できる。
【0045】
また、現像ロールの製法は、上記実施の形態に限定されるものではなく、全体に粗面部6に形成された現像ロールの外周面のうち、軸方向両端部を鏡面部5に形成してもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、本発明の現像ロールは、外周面の軸方向両端部が鏡面部に形成されている。このため、これら両鏡面部とこれら両鏡面部に対応する場所に配設されているシール材の表面との間に隙間ができなくなる。このため、シール材のシール性能が充分に発揮され、トナーが飛散しなくなる。その結果、機内が汚れることもなくなる。鏡面部と粗面部との境界に段差が生じていず、粗面部の凹凸の凸部でつくられる面が鏡面部の鏡面でつくられる面と同一高さになり、粗面を研磨でつくるときのような研磨による部材の減りによる粗面部の面の下がり現象(これにより相手ロールとの間に隙間が生じる)が生じず、粗面部の凹凸と相俟ってトナーを確実に搬送できるようになる。また、粗面部の面の下がり現象が生じないことから、鏡面部と粗面部との境界に段差が生じず、段差にもとづくシール材の弾接不良が防止されトナーの洩れが一層防止されるようになる。
【0047】
また、上記最外層が、その粗面部の凹凸の凸部が鏡面部の鏡面より0〜50μm高く設定され、それによって鏡面部と粗面部との境界の段差が解消されている場合には、粗面部とトナー供給ロールや層規制ブレード等の部材との当接面積等の押し当て量および当接圧力等の押し込み量等が設計値どおりとなり、画質が一層安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の現像ロールを示す断面図である。
【図2】上記現像ロールの軸方向一端部の表面状態を示す説明図である。
【図3】上記現像ロールのベースゴム層形成用の円筒状金型および銅電極を示す斜視図である。
【図4】上記円筒状金型を示す一部を断面とした斜視図である。
【図5】上記現像ロールの製法を示す説明図である。
【図6】上記製法により形成されたベースゴム層の表面状態を示す説明図である。
【図7】現像ロールのリークを測定する方法を示す説明図である。
【図8】現像ロールの電気抵抗を測定する方法を示す説明図である。
【図9】一般的な現像装置の説明図である。
【図10】従来の現像ロールのベースゴム層形成用の円筒状金型および銅電極を示す斜視図である。
【図11】上記従来の円筒状金型を示す一部を断面とした斜視図である。
【符号の説明】
4 最外層
5 鏡面部
6 粗面部

Claims (2)

  1. 芯金と、この芯金の外周面に形成されたベースゴム層と、このベースゴム層の外周面に直接または他の層を介して形成された最外層とを有する現像ロールであって、上記ベースゴム層が、その外周面の軸方向両端部が鏡面部に形成され、両鏡面部の間の部分が粗面部に形成され、鏡面部と粗面部との境界に段差が生じない状態に形成され、上記最外層は、上記ベースゴム層の鏡面部に対応する部分がベースゴム層の鏡面により鏡面部に形成され、上記ベースゴム層の粗面部に対応する部分がベースゴム層の粗面により粗面部に形成され、上記最外層の鏡面部と粗面部との境界部が段差のない状態に形成されていることを特徴とする現像ロール。
  2. 上記最外層が、その粗面部の凹凸の凸部が鏡面部の鏡面より0〜50μm高く設定され、それによって鏡面部と粗面部との境界の段差が解消されている請求項1記載の現像ロール。
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