JP3635598B2 - ポジ型フォトレジスト組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は輻射線に感応するポジ型フォトレジスト組成物に関するものであり、特に高い解像力、広いデフォーカスラチチュード、高耐熱性を備え、更にドライエッチング耐性を付与するためのDeep UV硬化性に富んだ微細加工用フォトレジスト組成物に関するものである。
【0002】
本発明に成るポジ型フォトレジストは、半導体ウエハー、ガラス、セラミツクスもしくは金属等の基板上にスピン塗布法もしくはローラー塗布法で0.5〜3μmの厚みに塗布される。その後、加熱、乾燥し、露光マスクを介して回路パターン等を紫外線照射等により焼き付け、現像してポジ画像が形成される。
更にこのポジ画像をマスクとしてエツチングすることにより、基板上にパターンの加工を施すことができる。代表的な応用分野にはIC等の半導体製造工程、液晶、サーマルヘツド等の回路基板の製造、その他のフォトファブリケーション工程等がある。
【0003】
【従来の技術】
ポジ型フォトレジスト組成物としては、一般にアルカリ可溶性樹脂(例えばノボラック樹脂)と感光物としてのナフトキノンジアジド化合物とを含む組成物が用いられている。
感光物に用いるナフトキノンジアジド化合物は、それ自身ノボラツク樹脂のアルカリ溶解性を低下せしめる溶解阻止剤として作用するが、光照射を受けて分解するとアルカリ可溶性物質を生じてむしろノボラツク樹脂のアルカリ溶解度を高める働きをする点で特異であり、この光に対する大きな性質変化の故にポジ型フォトレジストの感光物として特に有用である。
【0004】
また、結合剤としてのノボラツク樹脂は、膨潤することなくアルカリ水溶液に溶解可能であり、また生成した画像をエツチングのマスクとして使用する際に特にプラズマエツチングに対して高い耐性を与えるが故に本用途に特に有用である。
例えば、「ノボラツク型フエノール樹脂/ナフトキノンジアジド置換化合物」としてUSP−3, 666, 473号、USP−4, 115, 128号及びUSP−4, 173, 470号等に、また最も典型的な組成物として「クレゾールーホルムアルデヒドより成るノボラツク樹脂/トリヒドロキシベンゾフエノンー1, 2ーナフトキノンジアジドスルホン酸エステル」の例がトンプソン「イントロダクシヨン・トウー・マイクロリソグラフイー」 (L. F. Thompson「Introduction to Microlithography」) (ACS出版、No.219号、P112〜121)に記載されている。
【0005】
また、特開平6−242601号公報には、ノボラック樹脂としてフェノール性化合物(フェノール、m−/p−クレゾール、キシレノール)と、芳香族アルデヒド(ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド)を含むアルデヒド類とを酸触媒の存在下で反応させて得られる低分子量を単離せずに、更にフェノール類及びホルムアルデヒドと縮合させて得られるノボラック樹脂が記載されている。そして、このノボラック樹脂にo−ナフトキノンジアジド化合物を含有させることにより、解像度、プロファイル、感度、焦点深度及び耐熱性等の諸特性のバランスに優れ、しかもスカムのない感光性樹脂組成物が得られることが記載されている。
【0006】
また、USP−5, 266, 440号には、芳香族アルデヒド類(ベンズアルデヒド、サリシルアルデヒド)と、フェノール類(フェノール、m−/p−クレゾール、キシレノール、ナフトール、ビスフェノール)と、必要に応じてホルムアルデヒドとの縮合物からなるノボラック樹脂に、o−キノンジアジド化合物を含有させたフォトレジスト組成物が記載されている。このフォトレジスト組成物は、耐熱性に優れるという特性を有する。
【0007】
また、特開平2−84414号公報には、ノボラック樹脂として、フェノール性化合物(フェノール、m−/p−クレゾール)、ホルムアルデヒド及びモノヒドロキシ芳香族アルデヒドからなるノボラック樹脂が記載されている。そして、ホルムアルデヒド及びモノヒドロキシ芳香族アルデヒドを含むアルデヒドの混合物からノボラック樹脂が調製されることにより、耐熱性、高解像力を有するポジ型感光性レジストが得られることが記載されている。
【0008】
また、特開平2−300751号公報には、フェノール化合物と、ヒドロキシ芳香族アルデヒドとを縮合して得られるノボラック樹脂と感光剤とを含有してなるポジ型フォトレジスト組成物が記載されている。このフォトレジスト組成物は、露光量の変化に対する現像速度の変化が大きい、いわゆるγ値が大きいという特性を有する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、超LSIなどの半導体基板の製造においては1μm以下の線幅から成る超微細パターンの加工が必要とされる。かかる用途においては、特に高い解像力、デフォーカスラチチュードが広く高耐熱性、露光マスクの形状を正確に写しとる高いパターン形状再現精度及び高生産性の観点からの高感度を有するフォトレジストが要求され、従来の上記ポジ型フォトレジストでは対応できないのが実状である。
【0010】
また、近年、スループット向上の観点からより厳しいドライエッチング条件が用いられるに至り、露光・アルカリ溶液現像して得られたレジストパターンを更に加熱しつつ遠紫外線を照射して硬化せしめる「Deep UV硬化法」が適用される傾向にある(例えば、遠藤政孝等、「ポジ型フォトレジストの遠紫外線照射効果とそのリソグラフィーへの応用」;高分子論文集、Vol.45、No.10、pp.771−776(Oct.1988))。しかしながら、上記に挙げたような従来のフェノール、クレゾール、キシレノール主体のノボラック樹脂や、単に芳香族アルデヒドを用いて共縮合させたノボラック樹脂では、DeepUVによる硬化が不十分であった。
【0011】
従って本発明の目的とする所は、特に半導体デバイスの製造において、
(1)高い解像力を有するポジ型フォトレジスト組成物、
(2)広いデフォーカスラチチユードを有するポジ型フォトレジスト組成物、
(3)得られるレジスト像が耐熱性に優れるポジ型フォトレジスト組成物、
(4)Deep UV硬化性に富んだポジ型フォトレジスト組成物を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記諸特性に留意し鋭意検討した結果、特定のアルカリ可溶性ノボラック樹脂とキノンジアジド化合物を用いることにより、上記目的を達成できることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成させるに到った。
即ち、本発明の目的は、下記構成により達成することができる。
【0013】
下記一般式(1)で示されるフェノール化合物と、ホルムアルデヒド及び下記一般式(2)で示される芳香族アルデヒド化合物とを縮合させて得られるアルカリ可溶性樹脂と、1,2−キノンジアジド化合物とを含むことを特徴とするポジ型フォトレジスト組成物。
【0014】
【化2】
【0015】
ここで、R1 〜R3 は、同一でも異なってもよく、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシカルボニル基もしくはアリールカルボニル基を示し、R4 〜R8 は、同一でも異なってもよく、水素原子、水酸基、ホルミル基、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基もしくはニトロ基を示す。ただし、R4 〜R8 のうち少なくとも1つは水酸基であり、さらに残りの少なくとも1つはアルコキシ基であり、R 4 〜R 8 は互いに環を形成することはない。
【0016】
即ち、本発明は、アルカリ可溶性樹脂として、一般式(1)で示されるフェノール化合物と、ホルムアルデヒド及び一般式(2)で示される芳香族アルデヒド化合物とを縮合して得られるアルカリ可溶性樹脂を用いることにより、高い解像力及び広いデフォーカスラチチユード、高耐熱性を有するとともに、ドライエッチング耐性を付与するためのDeep UV硬化性に優れたポジ型フォトレジストを提供することができる。
【0017】
本発明に係るポジ型フォトレジストは、特に耐熱性が要求されるドライエッチング処理に好適に使用可能である。
【0018】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0019】
上記一般式(1)のR1 〜R3 において、ハロゲン原子としては塩素原子、臭素原子もしくは沃素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基もしくはt−ブチル基の様な炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基が感度の点でより好ましい。シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基が好ましく、シクロヘキシル基がより好ましい。アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基もしくはt−ブトキシ基の様な炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基及びエトキシ基がより好ましい。アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、アリル基もしくはブテニル基のような炭素数2〜4のアルケニル基が好ましく、ビニル基及びアリル基がより好ましい。アリール基としてはフェニル基、キシリル基、トルイル基もしくはクメニル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。アラルキル基としてはベンジル基、フェネチル基もしくはクミル基が好ましく、ベンジル基がより好ましい。アルコキシカルボニル基としてはメトキシカルボニル基もしくはエトキシカルボニル基が好ましく、メトキシカルボニル基がより好ましい。アリールカルボニル基としてはベンゾイルオキシ基が好ましい。
【0020】
また、R1 〜R3 は同一でもよく、異なっていてもよい。更に、各置換基の置換位置も特に限定されない。
【0021】
上記一般式(1)で示されるフェノール類のより具体的な例としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等のクレゾール類、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、3,4−キシレノール、2,4−キシレノール、2,6−キシレノール等のキシレノール類、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、p−t−ブチルフェノール等のアルキルフェノール類、o−メトキシフェノール、m−メトキシフェノール、p−メトキシフェノール、o−エトキシフェノール、m−エトキシフェノール、p−エトキシフェノール、3,5−ジメトキシフェノール、2−メトキシ−4−メチルフェノール、o−プロポキシフェノール、m−プロポキシフェノール、p−プロポキシフェノール、o−ブトキシフェノール、m−ブトキシフェノール、p−ブトキシフェノール等のアルコキシフェノール類、o−ビニルフェノール、m−ビニルフェノール、p−ビニルフェノール、o−アリルフェノール、m−アリルフェノール、p−アリルフェノール等のアルケニルフェノール類、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール等のトリメチルフェノール類、o−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール等のアリールフェノール類、o−ベンジルフェノール、m−ベンジルフェノール、p−ベンジルフェノール等のアラルキルフェノール類、o−メトキシカルボニルフェノール、m−メトキシカルボニルフェノール、p−メトキシカルボニルフェノール等のアルコキシカルボニルフェノール類、o−ベンゾイルオキシフェノール、m−ベンゾイルオキシフェノール、p−ベンゾイルオキシフェノール等のアリールカルボニルフェノール類、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール等のハロゲン化フェノール類、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、フロログルシノール、ピロガロール等のポリヒドロキシベンゼン類等を示すことができるがこれらに限定されるものではない。
【0022】
また、フェノール類のメチロール化物、例えばビスヒドロキシメチル−p−クレゾール等を用いることもできる。
【0023】
これらの中で、フェノール、クレゾール類、キシレノール類、トリメチルフェノール類が好ましく、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール−、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、2,3,5,−トリメチルフェノールがより好ましい。
【0024】
更に、一般式(1)のフェノール化合物には、他のフェノール化合物との併用が可能である。例えば、特開平5−181270号、特開平5−323604号、特開平5−249666号、特開平5−232696号、特開昭60−164740号、特開平5−323605号、特開平4−226458号、特開平5−188590号及び特開平7−72623号等各公報に記載されている2〜5個の芳香環を有するポリフェノール類と併用することができる。更に、2,2’−ジヒドロキシ−5,5’−ジメチルジフェニルメタンを好適に用いることができる。これらポリフェノール類の併用比率は、2,3−キシレノールと一般式(1)のフェノール化合物との混合物に対して30モル%以下、好ましくは20モル%以下であることが好ましい。この範囲であると、感度の点で好ましい。
【0025】
上記一般式(2)のR4 〜R8 において、ハロゲン原子としては塩素原子、臭素原子もしくは沃素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基もしくはt−ブチル基の様な炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基が感度の点でより好ましい。シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基が好ましく、シクロヘキシル基がより好ましい。アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基もしくはt−ブトキシ基の様な炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基及びエトキシ基がより好ましい。アルケニル基としてはビニル基、プロペニル基、アリル基もしくはブテニル基の様な炭素数2〜4のアルケニル基が好ましく、ビニル基及びアリル基がより好ましい。アリール基としてはフェニル基、キシリル基、トルイル基もしくはクメニル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。アラルキル基としてはベンジル基、フェネチル基もしくはクミル基が好ましく、ベンジル基がより好ましい。
【0026】
但し、R4 〜R8 のうち少なくとも1つは水酸基である必要がある。尚、水酸基の置換位置は、特に制限されない。更に残りの少なくとも1つはアルコキシ基であり、アルコキシ基の数は1及び2であることが好ましく、置換位置は特に制限されない。
【0027】
一般式(2)で示される芳香族アルデヒド類のより具体的な例を以下に示すが、本発明において使用できる化合物はこれらに限定される訳ではない。
【0028】
【化3】
【0029】
【化4】
【0030】
【化5】
【0031】
一般式(1)で示されるフェノール類と、ホルムアルデヒド、一般式(2)で示される芳香族アルデヒド類との混合比率は、本発明の効果を十分に発揮するために必要な量の芳香族アルデヒド類を用いれば良く、特に限定されないが、(1)のフェノール類100モル%又は他のフェノール類を含む場合にはこれらフェノール類全体100モル%に対して芳香族アルデヒドは40モル%以下であることが好ましく、0.1〜30モル%未満がさらに好ましい。この範囲であると、感度の点で好ましい。
【0032】
本発明の効果を十分に発揮するフェノール類混合物(その他のフェノール類を含む)と一般式(2)で示される芳香族アルデヒド類との特に好ましい組み合わせと、その好ましい混合比を以下に示す。
m−クレゾール: 30モル%以上90モル%未満
2,3−キシレノール: 10モル%以上70モル%未満
芳香族アルデヒド類: 0.1モル%以上40モル%未満
より好ましくは、
m−クレゾール: 30モル%以上80モル%未満
2,3−キシレノール: 20モル%以上70モル%未満
芳香族アルデヒド類: 1モル%以上30モル%未満
または、
m−クレゾール: 30モル%以上90モル%未満
3,5−キシレノール: 10モル%以上70モル%未満
芳香族アルデヒド類: 0.1モル%以上40モル%未満
より好ましくは、
m−クレゾール: 30モル%以上80モル%未満
3,5−キシレノール: 20モル%以上70モル%未満
芳香族アルデヒド類: 1モル%以上30モル%未満
または、
m−クレゾール: 30モル%以上90モル%未満
p−クレゾール: 1モル%以上 5モル%未満
2,3−キシレノール: 10モル%以上70モル%未満
芳香族アルデヒド類: 0.1モル%以上40モル%未満
より好ましくは、
m−クレゾール: 30モル%以上80モル%未満
p−クレゾール: 1モル%以上 5モル%未満
2,3−キシレノール: 20モル%以上70モル%未満
芳香族アルデヒド類: 1モル%以上30モル%未満
である。
【0033】
また、m−クレゾールを含まない系として、以下に示す組み合わせが好ましい。
である。
【0034】
本発明においては、更にホルムアルデヒドを必須成分として含み、その使用量は、一般式(1)で示されるフェノール類100モル%に対して20〜150モル%であることが好ましく、50〜120モル%が更に好ましい。この範囲であると、好適な分子量範囲のノボラック樹脂が得られるため好ましい。
尚、ホルムアルデヒドはホルムアルデヒド前駆体、即ち、パラホルムアルデヒド、トリオキサン等の形態で用いることもできる。更に第3成分として、アセトアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド類、クロトンアルデヒド、クロロアセトアルデヒド等を使用することもできる。
【0035】
縮合反応に用いる酸性触媒としては塩酸、硫酸、ギ酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸及びシユウ酸等を使用することができ、中でもシュウ酸およびp−トルエンスルホン酸が好ましい。また、これらを併用して用いることもできる。
【0036】
本発明の上記成分からなるノボラツク樹脂の重量平均分子量は、3000〜20000、好ましくは4000〜18000、より好ましくは5000〜16000の範囲であることが好ましい。3000未満では未露光部の現像後の膜減りが大きく、20000を超えると現像速度が小さくなって感度が低下してしまう。本発明のノボラック樹脂は低分子量成分を除去し、除去した後の分子量が上記範囲にあるとき、最も効果を発揮する。ノボラック樹脂の低分子量成分の除去方法としては、特開昭60−45238、同60−97347、同60−140235、同60−189739、同64−14229、特開平1−276131、同2−60915、同2−275955、同2−282745、同4−101147、同、4−122938等の公報に記載されている技術、例えば分別沈澱、分別溶解、カラムクロマトグラフィー等の方法により除去すると、スカム、耐熱性等の性能が向上するので更に好ましい。除去する低分子量成分の量は20重量%〜70重量%が好ましく、30重量%〜60重量%が更に好ましい。この範囲であると、好適な分子量範囲のノボラック樹脂が得られるため好ましい。
【0037】
ここで、重量平均分子量はゲルパーミエーシヨンクロマトグラフイー(GPC) のポリスチレン換算値をもって定義される。
また、ノボラック樹脂の分散度(重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比、即ちMw/Mn)が1.5〜4.0、好ましくは1.8〜3.5、更に好ましくは2.0〜3.3である。4を越えると感度、耐熱性、プロファイル等の性能が損なわれる。他方、1.5未満ではノボラック樹脂を合成する上で高度の精製工程を要するので、実用上の現実性を欠き不適切である。
【0038】
併用可能なアルカリ可溶性樹脂は、ノボラック樹脂と相溶すれば特に限定されないが、ポリヒドロキシスチレン、アセトン−ピロガロール樹脂、アセトン−レゾルシン樹脂等が耐熱性を劣化させないので好ましい。
【0039】
本発明では、感光物として1,2−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル類を用いるが、これらは、以下に示すポリヒドロキシ化合物と1,2−ナフトキノンジアジド−5− (及び/又は−4−)スルホニルクロリドとを、塩基性触媒の存在下で、エステル化することにより得られる。
【0040】
ポリヒドロキシ化合物の例としては、2, 3, 4−トリヒドロキシベンゾフエノン、2, 4, 4' −トリヒドロキシベンゾフエノン、2, 4, 6−トリヒドロキシベンゾフエノン、2, 3, 4−トリヒドロキシ−2' −メチルベンゾフエノン、2, 3, 4, 4' −テトラヒドロキシベンゾフエノン、2, 2',4, 4' −テトラヒドロキシベンゾフエノン、2, 4, 6, 3',4' −ペンタヒドロキシベンゾフエノン、2, 3, 4, 2',4' −ペンタヒドロキシベンゾフエノン、2, 3, 4, 2',5' −ペンタヒドロキシベンゾフエノン、2, 4, 6, 3',4',5' −ヘキサヒドロキシベンゾフエノン、2, 3, 4, 3',4',5' −ヘキサヒドロキシベンゾフエノン等のポリヒドロキシベンゾフエノン類、
【0041】
2, 3, 4−トリヒドロキシアセトフエノン、2, 3, 4−トリヒドロキシフエニルペンチルケトン、2, 3, 4−トリヒドロキシフエニルヘキシルケトン等のポリヒドロキシフエニルアルキルケトン類、
【0042】
ビス(2, 4−ジヒドロキシフエニル)メタン、ビス(2, 3, 4−トリヒドロキシフエニル)メタン、ビス(2, 4−ジヒドロキシフエニル)プロパン−1、ビス(2, 3, 4−トリヒドロキシフエニル)プロパン−1、ノルジヒドログアイアレチン酸等のビス((ポリ)ヒドロキシフエニル)アルカン類、
【0043】
3, 4, 5−トリヒドロキシ安息香酸プロピル、2, 3, 4−トリヒドロキシ安息香酸フエニル、3, 4, 5−トリヒドロキシ安息香酸フエニル等のポリヒドロキシ安息香酸エステル類、
【0044】
ビス(2, 3, 4−トリヒドロキシベンゾイル)メタン、ビス(3−アセチル−4, 5, 6−トリヒドロキシフエニル)ーメタン、ビス(2, 3, 4−トリヒドロキシベンゾイル)ベンゼン、ビス(2, 4, 6−トリヒドロキシベンゾイル)ベンゼン等のビス(ポリヒドロキシベンゾイル)アルカン又はビス(ポリヒドロキシベンゾイル)アリール類、
【0045】
エチレングリコール−ジ(3, 5−ジヒドロキシベンゾエート)、エチレングリコール−ジ(3, 4, 5−トリヒドロキシベンゾエート)等のアルキレン−ジ(ポリヒドロキシベンゾエート)類、
【0046】
2, 3, 4−ビフエニルトリオール、3, 4, 5−ビフエニルトリオール、3, 5, 3',5' −ビフエニルテトロール、2, 4, 2',4' −ビフエニルテトロール、2, 4, 6, 3',5' −ビフエニルペントール、2, 4, 6, 2',4',6' −ビフエニルヘキソール、2, 3, 4, 2', 3',4' −ビフエニルヘキソール等のポリヒドロキシビフエニル類、
【0047】
4, 4' −チオビス(1, 3−ジヒドロキシ)ベンゼン等のビス(ポリヒドロキシ)スルフイド類、
【0048】
2, 2',4, 4' −テトラヒドロキシジフエニルエーテル等のビス(ポリヒドロキシフエニル)エーテル類、
【0049】
2, 2',4, 4' −テトラヒドロキシジフエニルスルフオキシド等のビス(ポリヒドロキシフエニル)スルフオキシド類、
【0050】
2, 2',4, 4' −ジフエニルスルフオン等のビス(ポリヒドロキシフエニル)スルフオン類、
【0051】
トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4, 4',4" −トリヒドロキシ−3, 5, 3',5' −テトラメチルトリフェニルメタン、4, 4',3'', 4''−テトラヒドロキシ−3, 5, 3',5' −テトラメチルトリフエニルメタン、4, 4',2'', 3'', 4''−ペンタヒドロキシ−3, 5, 3',5' −テトラメチルトリフエニルメタン、2, 3, 4, 2',3',4' −ヘキサヒドロキシ−5, 5' −ジアセチルトリフエニルメタン、2, 3, 4, 2',3',4',3'', 4''−オクタヒドロキシ−5, 5' −ジアセチルトリフエニルメタン、2, 4, 6, 2',4',6' −ヘキサヒドロキシ−5, 5' −ジプロピオニルトリフエニルメタン等のポリヒドロキシトリフエニルメタン類、
【0052】
3, 3, 3',3' −テトラメチル−1, 1' −スピロビ−インダン−5, 6, 5',6' −テトロール、3, 3, 3',3' −テトラメチル−1, 1' −スピロビ−インダン−5, 6, 7, 5',6',7' −ヘキソオール、3, 3, 3',3' −テトラメチル−1, 1' −スピロビ−インダン−4, 5, 6, 4',5',6' −ヘキソオール、3, 3, 3',3' −テトラメチル−1, 1' −スピロビ−インダン−4, 5, 6, 5',6',7' −ヘキソオール等のポリヒドロキシスピロビ−インダン類、
【0053】
3, 3−ビス(3, 4−ジヒドロキシフエニル)フタリド、3, 3−ビス(2, 3, 4−トリヒドロキシフエニル)フタリド、3',4',5',6' −テトラヒドロキシスピロ [フタリド−3, 9' −キサンテン]等のポリヒドロキシフタリド類、
【0054】
モリン、ケルセチン、ルチン等のフラボノ色素類、
【0055】
α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキシフエニル)1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、α,α’,α”−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフエニル)1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、α,α’,α”−トリス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフエニル)1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、α,α’,α”−トリス(3,5−ジn−プロピル−4−ヒドロキシフエニル)1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、α,α’,α”−トリス(3,5−ジイソプロピル−4−ヒドロキシフエニル)1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、α,α’,α”−トリス(3,5−ジn−ブチル−4−ヒドロキシフエニル)1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、α,α’,α”−トリス(3−メチル−4−ヒドロキシフエニル)1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、α,α’,α”−トリス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフエニル)1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、α,α’,α”−トリス(2,4−ジヒドロキシフエニル)1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、1,3,5−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフエニル)ベンゼン、1,3,5−トリス(5−メチル−2−ヒドロキシフエニル)ベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフエニルチオメチル)メシチレン、1−[α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフエニル)エチル]−4−[α,α’−ビス(4”−ヒドロキシフエニル)エチル]ベンゼン、1−[α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフエニル)エチル]−3−[α,α’−ビス(4”−ヒドロキシフエニル)エチル]ベンゼン、1−[α−メチル−α−(3' ,5’−ジメチル−4’−ヒドロキシフエニル)エチル]−4−[α,α’−ビス(3”,5”−ジメチル−4”−ヒドロキシフエニル)エチル]ベンゼン、1−[α−メチル−α−(3’−メチル−4’−ヒドロキシフエニル)エチル]−4−[α' ,α’−ビス(3”−メチル−4”−ヒドロキシフエニル)エチル]ベンゼン、1−[α−メチル−α−(3’−メトキシ−4’−ヒドロキシフエニル)エチル]−4−[α' ,α’−ビス(3”−メトキシ−4”−ヒドロキシフエニル)エチル]ベンゼン、1−[α−メチル−α−(2’,4’−ジヒドロキシフエニル)エチル]−4−[α’,α’−ビス(4”−ヒドロキシフエニル)エチル]ベンゼン、1−[α−メチル−α−(2’,4’−ジヒドロキシフエニル)エチル]−3−[α’’α’−ビス(4”−ヒドロキシフエニル)エチル]ベンゼン等の特開平4−253058号公報に記載のポリヒドロキシ化合物、
【0056】
p−ビス (2, 3, 4−トリヒドロキシベンゾイル)ベンゼン、p−ビス (2, 4, 6−トリヒドロキシベンゾイル)ベンゼン、m−ビス (2, 3, 4−トリヒド ロキシベンゾイル)ベンゼン、m−ビス (2, 4, 6−トリヒドロキシベンゾイル)ベンゼン、p−ビス (2, 5−ジヒドロキシ−3−ブロムベンゾイル)ベンゼン、p−ビス (2, 3, 4−トリヒドロキシ−5−メチルベンゾイル)ベンゼン、p−ビス (2, 3, 4−トリヒドロキシ−5−メトキシベンゾイル)ベンゼン、p−ビス (2, 3, 4−トリヒドロキシ−5−ニトロベンゾイル)ベンゼン、p−ビス (2, 3, 4−トリヒドロキシ−5−シアノベンゾイル)ベンゼン、1, 3, 5−トリス (2, 5−ジヒドロキシベンゾイル)ベンゼン、1, 3, 5−トリス (2, 3, 4−トリヒドロキシベンゾイル)ベンゼン、1, 2, 3−トリス (2, 3, 4−トリヒドロキシベンゾイル)ベンゼン、1, 2, 4−トリス (2, 3, 4−トリヒドロキシベンゾイル)ベンゼン、1, 2, 4, 5−テトラキス (2, 3, 4−トリヒドロ キシ ベンゾイル)ベンゼン、α, α’−ビス (2, 3, 4−トリヒドロキシベンゾイル)−p−キシレン、α, α’, α’−トリス (2, 3, 4−トリヒドロキシベンゾイル)メシチレン、
【0057】
2,6−ビス−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジメチル−ベンジル)−p−クレゾール、2,6−ビス−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−ベンジル)−p−クレゾール、2,6−ビス−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチル−ベンジル)−p−クレゾール、2,6−ビス−(2’−ヒドロキシ−5’−エチル−ベンジル)−p−クレゾール、2,6−ビス−(2’,4’−ジヒドロキシ−ベンジル)−p−クレゾール、2,6−ビス−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチル−ベンジル)−p−クレゾール、2,6−ビス−(2’,3’,4’−トリヒドロキシ−5’−アセチル−ベンジル)−p−クレゾール、2,6−ビス−(2’,4’,6’−トリヒドロキシ−ベンジル)−p−クレゾール、2,6−ビス−(2’,3’,4’−トリヒドロキシ−ベンジル)−p−クレゾール、2,6−ビス−(2’,3’,4’−トリヒドロキシ−ベンジル)−3,5−ジメチル−フエノール、4,6−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジメチル−ベンジル)−ピロガロール、4,6−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジメトキシ−ベンジル)−ピロガロール、2,6−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジメチル−ベンジル)−1,3,4−トリヒドロキシ−フエノール、4,6−ビス−(2’,4’,6’−トリヒドロキシ−ベンジル)−2,4−ジメチル−フエノール、4,6−ビス−(2’,3’,4’−トリヒドロキシ−ベンジル)−2,5−ジメチル−フエノール等を挙げることができる。
【0058】
また、ノボラツク樹脂等フエノール樹脂の低核体を用いる事もできる。
【0059】
更に、以下に示すポリヒドロキシ化合物を用いることもできる。
【0060】
【化6】
【0061】
【化7】
【0062】
前記感光物のエステル化反応は、所定量のポリヒドロキシ化合物と、1,2−ナフトキノンジアジド−5−(及び/叉は−4−)スルホニルクロリドとをジオキサン、アセトン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、N−メチルピロリドン、クロロホルム、トリクロロエタン、トリクロロエチレンあるいはジクロロエタン等の溶媒に溶かし、塩基性触媒、例えば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペラジン、4−ジメチルアミノピリジン等を滴下して縮合させる。得られた生成物は、水洗後精製し乾燥する。
【0063】
通常のエステル化反応においては、エステル化数及びエステル化位置が種々異なる混合物が得られるが、合成条件叉はポリヒドロキシ化合物の構造を選択することにより、ある特定の異性体のみを選択的にエステル化させることもできる。本発明でいうエステル化率は、この混合物の平均値として定義される。
【0064】
このように定義されたエステル化率は、原料であるポリヒドロキシ化合物と1, 2−ナフトキノンジアジド−5− (及び/又は−4−)スルホニルクロリドとの混合比により制御できる。即ち、添加された1, 2−ナフトキノンジアジド−5− (及び/又は−4−)スルホニルクロリドは、実質上総てエステル化反応を起こすので、所望のエステル化率の混合物を得るためには、原料のモル比を調整すれば良い。
【0065】
必要に応じて、1, 2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリドと1, 2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロリドとを併用することもできる。また、前記方法における反応温度は、通常−20〜60℃、好ましくは0〜40℃である。
【0066】
前記のような方法で合成される感光性化合物は、樹脂組成物として使用する際に、単独でもしくは2種以上混合してアルカリ可溶性樹脂に配合して使用されるが、その配合量は、ノボラツク樹脂100重量部に対し該化合物5〜150重量部、好ましくは20〜100重量部である。この使用比率が5重量部未満では残膜率が著しく低下し、また150重量部を越えると感度及び溶剤への溶解性が低下する。
【0067】
本発明の組成物には、更に現像液への溶解促進のために、ポリヒドロキシ化合物を含有することができる。好ましいポリヒドロキシ化合物としては、フエノール類、レゾルシン、フロログルシン、2, 3, 4−トリヒドロキシベンゾフエノン、2, 3, 4, 4’−テトラヒドロキシベンゾフエノン、2, 3, 4, 3’, 4’, 5’−ヘキサヒドロキシベンゾフエノン、アセトン−ピロガロール縮合樹脂、フロログルシド、2, 4, 2’, 4’−ビフエニルテトロール、4, 4’−チオビス (1, 3−ジヒドロキシ)ベンゼン、2, 2’, 4, 4’−テトラヒドロキシジフエニル エーテル、2, 2’, 4, 4’−テトラヒドロキシジフエニルスルフオキシド、2, 2’, 4, 4’−テトラヒドロキシジフエニルスルフオン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−(α−メチルベンジリデン)ビスフェノール、α, α',α" −トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1, 3, 5−トリイソプロピルベンゼン、α, α',α" −トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼン、1,2,2−トリス(ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,2−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2,5,5−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,3−トリス(ヒドロキシフェニル)ブタン、パラ[α,α,α’,α’−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)]−キシレン等を挙げることができる。
【0068】
これらのポリヒドロキシ化合物は、キノンジアジド化合物100重量部に対して、通常100重量部以下、好ましくは5〜70重量部以下の割合で配合することができる。
【0069】
本発明の感光物及びアルカリ可溶性ノボラツク樹脂を溶解させる溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート等を用いることができる。これらの有機溶剤は単独で、又は2種以上の組み合わせで使用される。
【0070】
更に、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル等の高沸点溶剤を混合して使用することができる。
【0071】
本発明のポジ型フオトレジスト用組成物には、ストリエーシヨン等の塗布性を更に向上させるために、界面活性剤を配合する事ができる。
界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフエノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフエノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロツクコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、エフトツプEF301, EF303, EF352 (新秋田化成( 株) 製)、メガフアツクF171, F173 (大日本インキ( 株) 製)、フロラードFC430, FC431 (住友スリーエム( 株) 製)、アサヒガードAG710, サーフロンS−382, SC101, SC102, SC103, SC104, SC105, SC106 (旭硝子( 株) 製)等のフツ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341 (信越化学工業( 株) 製)やアクリル酸系もしくはメタクリル酸系 (共)重合ポリフローNo.75, No.95 (共栄社 油脂化学工業( 株) 製)等を挙げることができる。これらの界面活性剤の配合量は、本発明の組成物中のアルカリ可溶性樹脂及びキノンジアジド化合物100重量部当たり、通常、2重量部以下、好ましくは1重量部以下である。
【0072】
これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また、いくつかの組み合わせで添加することもできる。
【0073】
本発明のポジ型フオトレジスト用組成物の現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン類、等のアルカリ類の水溶液を使用することができる。更に、上記アルカリ類の水溶液にイソプロピルアルコール等のアルコール類、ノニオン系界面活性剤等の界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
【0074】
本発明のポジ型フオトレジスト用組成物には、必要に応じ、吸光剤、架橋剤、接着助剤等を配合することができる。吸光剤は、基板からのハレーションを防止する目的や透明基板に塗布した際の視認性を高める目的で、必要に応じて添加される。例えば、「工業用色素の技術と市場」(CMC出版)や、染料便覧(有機合成化学協会編)に記載の市販の吸光剤、例えば、C.I.Desperse Yellow 1,3,4,5,7,8,13,23,31,49,50,51,54,56,60,64,66,68,79,82,88,90,93,102,114及び124 、C.I.Disperse Orange 1,5,13,25,29,30,31,44,57,72 及び73、C.I.Disperse Red 1,5,7,13,17,19,43,50,54,58,65,72,73,88,117,137,143,199 及び210 、C.I.Disperse Violet 43、C.I.Disperse Blue 96、C.I.Fluorescent Brightening Agent 112, 135及び163 、C.I.Solvent Yellow 14,16,33 及び56、C.I.Solvent Orange 2 及び45、C.I.Solvent Red 1,3,8,23,24,25,27 及び49、C.I.Pigment Green 10、C.I.Pigment Brown 2 等を好適に用いることができる。吸光剤は通常、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対し、100重量部以下、好ましくは50重量部以下、更に好ましくは30重量部以下の割合で配合される。
【0075】
架橋剤は、ポジ画像を形成するのに影響の無い範囲で添加される。架橋剤の添加の目的は、主に、感度調整、耐熱性の向上、耐ドライエッチング性向上等である。
架橋剤の例としては、メラミン、ベンゾグアナミン、グリコールウリル等にホルムアルデヒドを作用させた化合物、叉はそのアルキル変性物や、エポキシ化合物、アルデヒド類、アジド化合物、有機過酸化物、ヘキサメチレンテトラミン等を挙げることができる。これらの架橋剤は、感光剤100重量部に対して、10重量部未満、好ましくは5重量部未満の割合で配合できる。架橋剤の配合量が10重量部を超えると感度が低下し、スカム(レジスト残渣)が生じるようになり好ましくない。
【0076】
接着助剤は、主に、基板とレジストの密着性を向上させ、特にエッチング工程においてレジストが剥離しないようにするための目的で添加される。具体例としては、トリメチルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、メチルジフェニルクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン等のクロロシラン類、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン類、ヘキサメチルジシラザン、N,N' −ビス(トリメチルシリル)ウレア、ジメチルトリメチルシリルアミン、トリメチルシリルイミダゾール等のシラザン類、ビニルトリクロロシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシラン類、ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、インダゾール、イミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズチアゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、ウラゾール、チオウラシル、メルカプトイミダゾール、メルカプトピリミジン等の複素環状化合物や、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア等の尿素、叉はチオ尿素化合物を挙げることができる。
【0077】
これらの接着助剤は、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対し、通常10重量部未満、好ましくは5重量部未満の割合で配合される。
【0078】
上記ポジ型フオトレジスト用組成物を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆、ガラス基板、ITO基板等の透明基板等)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布後プリベークして、所定のマスクを通して露光し、必要に応じて後加熱(PEB:Post Exposure Bake)を行い、現像、リンス、乾燥することにより良好なレジストを得ることができる。本発明はPS版にも用いられる。
【0079】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、%は、他に指定のない限り、重量%を示す。
【0080】
【実施例】
ノボラック樹脂の合成
(1)ノボラック樹脂(a−1)の合成
m−クレゾール81.11g、p−クレゾール4.87g、2,3−キシレノール86.13gおよびo−バニリン22.82gを攪拌機、還流冷却管および温度計を取り付けた500mLの三つ口フラスコに仕込み90℃で攪拌下、シュウ酸2水和物5.67gを添加した。30分後、浴温を130℃に上げ、更に8.5時間攪拌し内容物をリフラックスさせた。次いで、ホルマリン水溶液(37.32%)102.65gを30分かけて滴下させた。反応混合物を更に4時間リフラックスさせた。次いで、3−エトキシプロピオン酸エチル40gを添加した後、還流冷却管をリービッヒコンデンサーに取り替え、浴温を約1時間かけて200℃まで上げ、未反応のホルマリン、水等を除去した。更に1時間常圧留去を行った後、徐々に1mmHgまで減圧して未反応のモノマー等を留去した。減圧留去には2時間を要した。
【0081】
溶融したアルカリ可溶性ノボラック樹脂を室温に戻して回収した。得られたノボラック樹脂の重量平均分子量は6490(ポリスチレン換算)であった。
このノボラック樹脂100gを1000gのアセトンに溶解し、攪拌下n−ヘキサン1000gを添加して更に室温下30分攪拌の後、1時間静置した。上層をデカンテーション除去した後、残った下層をロータリーエバポレーターを用いて溶媒を留去し固形ノボラック(a−1)を得た。得られたノボラック樹脂(a−1)の重量平均分子量は11060(ポリスチレン換算)、分散度は2.5であった。
【0082】
(2)ノボラック樹脂(a−2)の合成
m−クレゾール81.11g、p−クレゾール4.87g、2,3−キシレノール86.13g、o−バニリン22.82gおよびホルマリン水溶液(37.32%)12.07gを攪拌機、還流冷却管および温度計を取り付けた500mLの三つ口フラスコに仕込み90℃で攪拌下、シュウ酸2水和物5.67gを添加した。30分後、浴温を130℃に上げ、更に12.5時間攪拌し内容物をリフラックスさせた。次いで、ホルマリン水溶液(37.32%)90.58gを30分かけて滴下させた。反応混合物を更に4時間リフラックスさせた。次いで、3−エトキシプロピオン酸エチル40gを添加した後、還流冷却管をリービッヒコンデンサーに取り替え、浴温を約1時間かけて200℃まで上げ、未反応のホルマリン、水等を除去した。更に1時間常圧留去を行った後、徐々に1mmHgまで減圧して未反応のモノマー等を留去した。減圧留去には2時間を要した。
【0083】
溶融したアルカリ可溶性ノボラック樹脂を室温に戻して回収した。得られたノボラック樹脂の重量平均分子量は5620(ポリスチレン換算)であった。
このノボラック樹脂100gを1000gのアセトンに溶解し、攪拌下n−ヘキサン1000gを添加して更に室温下30分攪拌の後、1時間静置した。上層をデカンテーション除去した後、残った下層をロータリーエバポレーターを用いて溶媒を留去し固形ノボラック(a−2)を得た。得られたノボラック樹脂(a−2)の重量平均分子量は10270(ポリスチレン換算)、分散度は2.6であった。
【0084】
(3)ノボラック樹脂(a−3)の合成
2,3−キシレノール54.98gおよびo−バニリン45.65gを攪拌機、還流冷却管および温度計を取り付けた1000mLの三つ口フラスコに仕込み90℃で攪拌下、p−トルエンスルホン酸0.86gを添加した。30分後、浴温を130℃に上げ、更に5時間攪拌し内容物をリフラックスさせた。次いで、m−クレゾール162.21g、p−クレゾール9.73g、2,3−キシレノール117.28gおよびホルマリン水溶液(37.30%)229.45gを30分かけて滴下させた。反応混合物を更に4時間リフラックスさせた。次いで、3−エトキシプロピオン酸エチル100gを添加した後、浴温を80℃にさげた。反応混合物にイオン交換水300mLを加え攪拌、水洗およびデカンテーションを3回繰り返した。
【0085】
次いで、還流冷却管をリービッヒコンデンサーに取り替え、浴温を約1時間かけて200℃まで上げ、未反応のホルマリン、水等を除去した。更に1時間常圧留去を行った後、徐々に1mmHgまで減圧して未反応のモノマー等を留去した。減圧留去には2時間を要した。
溶融したアルカリ可溶性ノボラック樹脂を室温に戻して回収した。得られたノボラック樹脂の重量平均分子量は3930(ポリスチレン換算)であった。
【0086】
このノボラック樹脂100gを1000gのアセトンに溶解し、攪拌下n−ヘキサン1500gを添加して更に室温下30分攪拌の後、1時間静置した。上層をデカンテーション除去した後、残った下層をロータリーエバポレーターを用いて溶媒を留去し固形ノボラック(a−3)を得た。得られたノボラック樹脂(a−3)の重量平均分子量は5890(ポリスチレン換算)、分散度は2.5であった。
【0087】
(4)ノボラック樹脂(a−4)〜(a−10)の合成
表1記載のモノマーおよび芳香族アルデヒドを所定の重量仕込み、他は実施例(1)と同様に重合、分別を実施し、ノボラック樹脂(a−4)〜(a−10)までを得た。(表1中モノマー仕込みはモル比を表し、全モノマー仕込み量は計1.5モルとした。また、芳香族アルデヒドの仕込み量はモノマー仕込み量(1.5モル)に対するモル%で示した。)
(5)ノボラック樹脂(a−11)の合成
2,2′−ジヒドロキシ−5,5′−ジメチルジフェニルメタン14.27g、o−クレゾール5.41g、2,3−キシレノール198.53g、2,3,5−トリメチルフェノール68.10g、2,6−キシレノール24.43gおよびo−バニリン38.04gを攪拌機、還流冷却管および温度計を取り付けた1Lの三つ口フラスコに仕込み更に3−エトキシプロピオン酸エチル50gを添加した。混合物を90℃で攪拌下、シュウ酸2水和物9.46gを添加した。1時間後、浴温を130℃に上げ、更に30時間攪拌し内容物をリフラックスさせた。次いで、シュウ酸2水和物9.46gを再度添加した後、反応混合物を更に13時間リフラックスさせた。次いで、ホルマリン水溶液(37.30%)245.30gを添加し、130℃で12時間リフラックスさせ、3−エトキシプロピオン酸エチル25gを添加した。更に6時間リフラックスさせ再度3−エトキシプロピオン酸エチル25gを添加した。次に、還流冷却管をリービッヒコンデンサーに取り替え、浴温を約1時間かけて200℃まで上げ、未反応のホルマリン、水等を除去した。留去には3時間を要した。加熱を停止し、内温が180℃まで低下したところで乳酸エチル620gを徐々に滴下しノボラックの乳酸エチル溶液を得た。得られたノボラック樹脂(a−11)の重量平均分子量は3250(ポリスチレン換算)、分散度は2.3であった。
【0088】
【表1】
【0089】
表中、*m;m−クレゾール
p;p−クレゾール
2,3Xy;2,3−キシレノール
2,5Xy;2,5−キシレノール
【0090】
(6)ノボラック樹脂(b−1)〜(b−2)の合成
表2記載のモノマーおよび芳香族アルデヒドを所定の重量仕込み、他はノボラック樹脂の合成(1)と同様に重合、分別を実施し、ノボラック樹脂(b−1)〜(b−2)までを得た。(表2中モノマー仕込みはモル比を表し、全モノマー仕込み量は計1.5モルとした。また、芳香族アルデヒドの仕込み量はモノマー仕込み量(1.5モル)に対するモル%で示した。)
【0091】
【表2】
【0092】
(7)ノボラック樹脂(b−3)の合成
m−クレゾール81.11g、p−クレゾール4.87g、2,3−キシレノール86.13gおよびo−バニリン159.76gを攪拌機、還流冷却管および温度計を取り付けた500mLの三つ口フラスコに仕込み90℃で攪拌下、濃塩酸1.95gを滴下した。30分後、浴温を130℃に上げ、更に8.5時間攪拌し反応させた。次いで、3−エトキシプロピオン酸エチル40gを添加した後、還流冷却管をリービッヒコンデンサーに取り替え、浴温を約1時間かけて200℃まで上げ、塩酸、水等を除去した。更に1時間常圧留去を行った後、徐々に1mmHgまで減圧して未反応のモノマー等を留去した。減圧留去には2時間を要した。
【0093】
溶融したアルカリ可溶性ノボラック樹脂を室温に戻して回収した。得られたノボラック樹脂の重量平均分子量は5170(ポリスチレン換算)であった。
このノボラック樹脂100gを1000gのアセトンに溶解し、攪拌下n−ヘキサン1000gを添加して更に室温下30分攪拌の後、1時間静置した。上層をデカンテーション除去した後、残った下層をロータリーエバポレーターを用いて溶媒を留去し固形ノボラック(b−3)を得た。得られたノボラック樹脂(b−3)の重量平均分子量は9730(ポリスチレン換算)、分散度は2.6であった。
【0094】
感光物の合成
(8)感光物(S−1)の合成
表3記載の化合物(1)62.9g、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド53.7g、アセトン800mLを三つ口フラスコに仕込み、均一に溶解した。次いで、トリエチルアミン21.2gを徐々に滴下し、25℃で3時間反応させた。反応混合物を1%塩酸水溶液3L中に注ぎ、生じた沈殿をロ別し、水洗、乾燥を行い感光物(S−1)を得た。
【0095】
(9)感光物(S−2)の合成
表3記載の化合物(2)53.8g、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド53.7g、アセトン800mLを三つ口フラスコに仕込み、均一に溶解した。次いで、トリエチルアミン21.2gを徐々に滴下し、25℃で3時間反応させた。反応混合物を1%塩酸水溶液3L中に注ぎ、生じた沈殿をロ別し、水洗、乾燥を行い感光物(S−2)を得た。
【0096】
(10)感光物(S−3)の合成
表3記載の化合物(3)56.5g、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド53.7g、アセトン800mLを三つ口フラスコに仕込み、均一に溶解した。次いで、トリエチルアミン21.2gを徐々に滴下し、25℃で3時間反応させた。反応混合物を1%塩酸水溶液3L中に注ぎ、生じた沈殿をロ別し、水洗、乾燥を行い感光物(S−3)を得た。
【0097】
【表3】
【0098】
(11)ポジ型フォトレジスト組成物の調製と評価
上記(1)〜(6)で得られたノボラック樹脂(a−1)〜(a−11)および(b−1)〜(b−3)、上記(7)〜(9)で得られた感光物(S−1)〜(S−3)、溶剤(Y−1)〜(Y−4)および表4に示したポリヒドロキシ化合物(P−1)〜(P−3)を表5に示す割合で混合し、均一溶液とした後、孔径0.10μmのミクロフィルターを用いてろ過し、フォトレジスト組成物を調製した。このフォトレジスト組成物を、スピナーを用いてシリコンウエハー上に塗布し、真空吸着式ホットプレートで90℃、60秒間乾燥して膜厚が1.02μmのレジスト膜を得た。
【0099】
【表4】
【0100】
【表5】
【0101】
この膜に縮小投影露光装置(ニコン社製縮小投影露光装置NSR−2005i9C)を用い露光した後、110℃で60秒間PEBを行い、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で1分間現像し、30秒間水洗して乾燥した。
このようにして得られたシリコンウエハーのレジストパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、レジストを評価した。結果を表6に示す。
【0102】
感度は0.4μmのマスクパターンを再現する露光量の逆数をもって定義し、比較例1の感度との相対値で示した。
解像力は0.40μmのマスクパターンを再現する露光量における限界解像力を示す。デフォーカスラチチュードは実効感度において0.40μmのレジストパターンが膜減りなく分離する焦点の幅を走査型電子顕微鏡で断面観察して評価した。
【0103】
耐熱性は0.50μmのラインパターンのエッジ部が丸くなり始める温度で示した。Deep UV硬化性は、前記方法によりシリコンウエハー上に形成されたレジストパターンを、大日本スクリーン社製AEW−612装置を用い加熱昇温させながら(初期温度100℃、最終温度200℃)、遠紫外線を60秒間照射し、その後、レジストパターンを酢酸イソアミルに1分間浸漬(エッチング)し、乾燥後、走査型電子顕微鏡で観察して評価した。表中の記号を以下に示す。
【0104】
○;レジストパターンが全くエッチングされず、また、パターンの変形、荒れを生じない場合(硬化が完全)。
△;基板とレジストパターンの間にわずかにエッチングが観察された場合か、あるいは、パターンの荒れや変形がわずかである場合。
×;基板とレジストパターンの間が大きくエッチングされたり、あるいはパターンの変形、荒れが大きい場合。
【0105】
【表6】
【0106】
表6に示される評価結果から、本発明に係るポジ型フォトレジストは、相対感度、解像力、デフォーカスラチチユード、耐熱性に優れるとともに、Deep UV硬化性に富むことが確認された。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、高い解像力、広いデフォーカスラチチユードを有し、得られるレジスト像が耐熱性に優れるとともに、Deep UV硬化性に富んだポジ型フォトレジスト組成物が得られる。
Claims (1)
- 下記一般式(1)で示されるフェノール化合物と、ホルムアルデヒド及び下記一般式(2)で示される芳香族アルデヒド化合物とを縮合させて得られるアルカリ可溶性樹脂と、1,2−キノンジアジド化合物とを含むことを特徴とするポジ型フォトレジスト組成物。
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